JP2016021824A - 電源装置 - Google Patents

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Yasuhiro Oshime
安弘 押目
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Abstract

【課題】入力電圧を低減できる電源装置を提供する。【解決手段】第1電源線LHには、第2電源線LLよりも高い電位が印加される。第1コンデンサC21は第1電源線LHと接続点Xとの間に設けられる。第2コンデンサC22は接続点Xと第2電源線LLとの間に設けられる。第3コンデンサC1は第1電源線LHと第2電源線LLとの間に設けられる。負荷4は、第1電源線LHおよび第2電源線LLに接続される。第1電源回路21には、第1コンデンサC21の第1電圧V21が入力される。第2電源回路22には、第2コンデンサC22の第2電圧V22が入力される。【選択図】図1

Description

本発明は、電源装置に関する。
特許文献1では、主回路コンバータの出力側に主回路コンデンサが設けられている。主回路コンバータは交流電圧を入力し、これを直流電圧に変換して、当該直流電圧を主回路コンデンサに印加する。主回路コンデンサの電圧はDC/DCコンバータを介して駆動回路へと入力される。
なお本発明に関連する技術として、特許文献2〜4を示す。
特開平7−222490号公報 特開2014−027798号公報 特開平5−236743号公報 特開2007−006659号公報
しかしながら、特許文献1では、交流電圧を整流した直流電圧をDC/DCコンバータに入力している。よってDC/DCコンバータとしては、比較的高い耐圧が要求される。
そこで、本発明は、電源回路の入力電圧を低減できる電源装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる電源装置の第1の態様は、互いの間に直流電圧が印加される第1電源線(LH)及び第2電源線(LL)と、前記第1電源線及び前記第2電源線の間において互いに直列に接続される第1コンデンサ(C21)及び第2コンデンサ(C22)と、前記第1電源線および前記第2電源線の間に設けられる第3コンデンサ(C1)と、前記第1電源線および前記第2電源線と接続される負荷(4)と、前記第1コンデンサに印加される第1電圧が入力される第1電源回路(21)と、前記第2コンデンサに印加される第2電圧が入力される第2電源回路(22)とを備える。
本発明にかかる電源装置の第2の態様は、第1の態様にかかる電源装置であって、前記第1コンデンサ(C21)の両端の間に設けられ、前記第1電圧(V21)が第1の所定値を超えるときに、前記第1コンデンサを迂回して電流を流す第1迂回部(51)と、前記第2コンデンサ(C22)の両端の間に設けられ、前記第2電圧(V22)が第2の所定値を超えるときに、前記第2コンデンサを迂回して電流を流す第2迂回部(52)とを備える。
本発明にかかる電源装置の第3の態様は、第2の態様にかかる電源装置であって、前記第1迂回部(51)は、前記第1コンデンサ(C21)の両端の間で互いに直列に接続される第1抵抗(51a)および第1スイッチ(51b)を有し、前記第2迂回部(52)は、前記第2コンデンサ(C22)の両端の間で互いに直列に接続される第2抵抗(52a)および第2スイッチ(52b)を有する。
本発明にかかる電源装置の第4の態様は、第2または第3の態様にかかる電源装置であって、前記第1電源回路(21)の入力電力と、前記第2電源回路(22)の入力電力との大小関係は、前記第1コンデンサ(C21)の静電容量と、前記第2コンデンサ(C22)の静電容量との大小関係と反対である。
本発明にかかる電源装置の第5の態様は、第4の態様にかかる電源装置であって、前記第1電源回路(21)の入力電力に対する前記第2電源回路(22)の入力電力の比は、前記第2コンデンサ(C22)の静電容量に対する前記第1コンデンサ(C21)の静電容量の比と等しい。
本発明にかかる電源装置の第6の態様は、第1の態様にかかる電源装置であって、前記第1コンデンサの両端の間に設けられ、前記第1電圧(V21)が所定値を超えるときに、前記第1コンデンサ(C21)を迂回して電流を流す迂回部(51)を備え、前記第1電源回路(21)に入力する電流(I21)が前記第2電源回路(22)に入力する電流(I22)よりも小さくなるように、前記第1コンデンサおよび前記第2コンデンサ(C22)の静電容量が設定される。
本発明にかかる電源装置の第7の態様は、第4から第6のいずれか一つの態様にかかる電源装置であって、前記第1電源線(LH)および前記第2電源線(LL)の間において、前記第1コンデンサ(C21)および前記第2コンデンサ(C22)と直列に接続され、前記第1電源線に近い側にアノードを有するダイオード(D1)を更に備える。
本発明にかかる電源装置の第8の態様は、第4の態様にかかる電源装置であって、前記第2電圧(V22)を検出する電圧検出部(72)と、前記第1スイッチ(51a)および前記第2スイッチ(52b)を制御する放電制御部(70)と、交流電圧を入力し、前記交流電圧を変換して前記第1電源線(LH)および前記第2電源線(LL)の間に直流電圧を出力する整流器(1)とを備え、前記第2電源回路(52)は前記負荷(4)を制御する制御部(32)へと電源を供給し、前記放電制御部は、前記整流器によって供給される直流電圧が所定電圧よりも低下した以後に、前記第2電圧が、前記第2電源回路(22)の動作に要する電圧の最小値を下回らないように、前記第2スイッチ(52b)をオフに維持しつつ前記第1スイッチ(51b)のオン/オフを制御する。
本発明にかかる電源装置の第9の態様は、第8の態様にかかる電源装置であって、前記放電制御部(70)は、前記整流器(1)によって供給される直流電圧が前記所定電圧よりも低下した以後に、前記第2電圧(V22)が、前記第2電源回路(22)の動作に要する電圧の最大値に近づくように前記第1スイッチ(51b)のオン/オフを制御する。
本発明にかかる電源装置の第10の態様は、第8または第9の態様にかかる電源装置であって、前記第1電圧(V21)および前記第2電圧(V22)の和を検出する電圧検出部(71)を備え、前記放電制御部(70)は、前記第1電圧および前記第2電圧の和が、前記第2電源回路(22)の動作に要する電圧の最大値よりも小さくなるときに、前記第1スイッチ(51b)をオンに維持する。
本発明にかかる電源装置の第11の態様は、第8から第10のいずれか一つの態様にかかる電源装置であって、前記放電制御部(70)は、前記整流器(1)によって供給される直流電圧が前記所定電圧よりも低下してから所定時間が経過したときに、前記第1スイッチ(51b)および前記第2スイッチ(52b)の両方をオンに維持する。
本発明にかかる電源装置の第12の態様は、第1から第11のいずれか一つの態様にかかる電源装置であって、前記第1電源回路(21)または前記第2電源回路(22)は非絶縁型の電源回路である。
本発明にかかる電源装置の第1の態様によれば、第1コンデンサおよび第2コンデンサは第1電源線および第2電源線の間の直流電圧を第1電圧と第2電圧とに分圧する。よって第1電源回路および第2電源回路に入力される電圧を低減することができる。
本発明にかかる電源装置の第2の態様によれば、第1コンデンサから第1電源回路へと流れる電流が、第2コンデンサから第2電源回路へと流れる電流よりも大きいときには、第2コンデンサの第2電圧が時間の経過とともに増大するところ、この発明の第2の態様によれば、第2コンデンサの第2電圧が第2所定値を超えることを防止できるので、第2電源回路を過電圧から保護することができる。第1電源回路も同様である。
本発明にかかる電源装置の第3の態様によれば、第1スイッチおよび第2スイッチの制御により、第1コンデンサの第1電圧および第2コンデンサの第2電圧を制御することができる。
本発明にかかる電源装置の第4の態様によれば、入力電力が高い電源回路に対するコンデンサの電圧が初期的に高くなる。つまり、入力電力が高い電源回路の入力電圧が初期的に高くなる。よって、入力電力が高い電源回路への入力電流は小さくなる。つまり、第1電源回路および第2電源回路へと入力される電流の差を低減することができる。この入力電流の差が小さいほど、第1コンデンサの第1電圧または第2コンデンサの第2電圧は比較的緩やかに増大する。ひいては、第1電圧または第2電圧がそれぞれ第1所定値または第2所定値よりも大きくなるまでの期間を延ばすことができる。よって、第1迂回路または第2迂回路での電力損失を低減できる。
本発明にかかる電源装置の第5の態様によれば、理想的には、第1コンデンサから第1電源回路へと流れる電流と、第2コンデンサから第2電源回路へと流れる電流とを互いに一致させることができる。
本発明にかかる電源装置の第6の態様によれば、第2コンデンサに対する迂回部を設ける必要がない。
本発明にかかる電源装置の第7の態様によれば、第1電源回路、第2電源回路、負荷の入力電力および第1から第3のコンデンサの静電容量を適宜に設定することで、第1および第2のコンデンサへと流れる電流を不連続にすることができる。これにより、電源装置の通常運転においても、入力電力が大きい電源回路についてのコンデンサの電圧をより大きな量で増大させることができる。これは消費電力の低減に資する。
本発明にかかる電源装置の第8の態様によれば、制御部の機能を優先的に維持できる。
本発明にかかる電源装置の第9の態様によれば、制御部の機能を維持する期間を延ばすことができる。
本発明にかかる電源装置の第10の態様によれば、第1コンデンサの電圧を最も小さくして、第2コンデンサの電圧を極力大きくできる。
本発明にかかる電源装置の第11の態様によれば、所定期間の経過後には第1コンデンサおよび第2コンデンサの第1電圧および第2電圧を速やかに低減できる。
本発明にかかる電源装置の第12の態様によれば、製造コストおよび回路規模を低減できる。
電源装置の概略的な構成の一例を示す図である。 電源装置の概略的な構成の一例を示す図である。 電圧の一例を模式的に示す図である。 電源装置の概略的な構成の一例を示す図である。 制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 電源装置の概略的な構成の一例を示す図である。 負荷4への入力電力と、直流電圧Vdcと、電圧V21,V22の和と、電流I1との一例を概略的に示すグラフである。 直流電圧Vdcと、電圧V21,V22の和と、電圧V21,V22と、電流I1との一例を概略的に示すグラフである。 直流電圧Vdcと、電圧V21,V22の和と、電圧V21,V22と、電流I1との一例を概略的に示すグラフである。 電源装置の概略的な構成の一例を示す図である。 制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 電圧の一例を模式的に示す図である。 制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 電圧の一例を模式的に示す図である。 電源装置の概略的な構成の一例を示す図である。 第1電源回路または第2電源回路の概略的な内部構成の一例を示す図である。
第1の実施の形態.
図1は第1の実施の形態にかかる電源装置の概略的な構成の一例を示している。本電源装置は第1コンデンサC21と第2コンデンサC22と第1電源回路21と第2電源回路22と負荷4とを備えている。
第1コンデンサC21および第2コンデンサC22は、電源線LH,LLの間において接続点Xを介して互いに直列に接続されている。電源線LH,LLは例えば整流器1と接続されており、電源線LH,LLの間には整流器1からの直流電圧(例えば数百V程度)が印加される。ここでは、電源線LHの電位は電源線LLの電位よりも高い。第1コンデンサC21は電源線LHと接続点Xとの間に設けられており、第2コンデンサC22は接続点Xと電源線LLとの間に設けられている。
整流器1は、その入力側において、交流電源E1と接続されている。交流電源E1は例えば三相交流電源である。交流電源E1の交流電圧は例えば400V系の電圧である。交流電源E1は交流電圧を整流器1に出力し、整流器1は交流電圧を直流電圧に整流する。整流器1は例えばダイオード整流器であってもよく、あるいはスイッチ素子を有する任意のアクティブAC/DCコンバータであってもよい。
図1の例示では、第3コンデンサC1も設けられている。第3コンデンサC1は電源線LH,LLの間に設けられており、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22の一組に対して並列に接続される。第3コンデンサC1は、例えば第1コンデンサC21および第2コンデンサC22の静電容量よりも大きな静電容量を有しており、例えば電解コンデンサである。このような第3コンデンサC1は平滑コンデンサとして機能できる。
電源線LH,LLは負荷4にも接続されており、負荷4は電源線LH,LLの間の直流電圧Vdcを入力する。直流電圧Vdcは第3コンデンサC1の電圧と把握することもでき、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22の電圧V21,V22の和と把握することもできる。
負荷4は入力された直流電圧Vdcに基づいて動作する。負荷4は例えばインバータを含む。インバータは直流電圧Vdcを交流電圧に変換して出力することができる。この交流電圧は例えばモータなどに与えられる。
第1コンデンサC21には第1電源回路21が接続されており、第1コンデンサC21の電圧V21が第1電源回路21に入力される。第1電源回路21は例えばDC/DCコンバータ(例えば降圧回路)であって、電圧V21の電圧値を適宜に変更して負荷31へと出力する。
第2コンデンサC22には第2電源回路22が接続されており、第2コンデンサC22の電圧V22が第2電源回路22に入力される。第2電源回路22は例えばDC/DCコンバータ(例えば降圧回路)であって、電圧V22の電圧値を変更して負荷32へと出力する。
かかる電源装置によれば、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22が直流電圧Vdcをそれぞれ電圧V21,V22に分圧することができる。よって、第1電源回路21および第2電源回路22にそれぞれ入力される電圧V21,V22は直流電圧Vdcよりも小さい。したがって、第1電源回路21および第2電源回路22として、直流電圧Vdcよりも小さい耐電圧を有する電源回路を採用することができる。つまり、直流電圧Vdcが電源回路に入力される構造に比して、第1電源回路21および第2電源回路22の耐圧を低減することができる。これにより、製造コストおよび回路規模を低減できる。
第2の実施の形態.
図2は第2の実施の形態にかかる電源装置の概略的な構成の一例を示している。この電源装置においては、図1の電源装置に比して、迂回部51,52が更に設けられる。
迂回部51は第1コンデンサC21に対して並列に設けられる。即ち迂回部51は第1コンデンサC21の両端の間に設けられる。迂回部51は、第1コンデンサC21の電圧V21が第1基準値Vref1よりも大きいときに、電源線LHからの電流を、第1コンデンサC21を迂回して接続点Xに流す。この迂回部51は例えば過電圧防止回路であって、より具体的な一例としてはツェナダイオードである。このツェナダイオードは、アノードを電源線LH側に向けて、第1コンデンサC21に並列に設けられる。
基準値Vref1としては、第1電源回路21の入力電圧についての許容最大電圧以下の値を採用することができ、例えば許容最大電圧よりもわずかに小さい値を採用する。この許容最大電圧は例えば第1電源回路21の仕様として決定されており、第1電源回路21を動作させるのに要する電圧の最大値である。
迂回部52は第2コンデンサC22に対して並列に設けられる。即ち迂回部52は第2コンデンサC22の両端の間に設けられる。迂回部52は、第2コンデンサC22の電圧V22が基準値Vref2よりも大きいときに、接続点Xからの電流を、第2コンデンサC22を迂回して電源線LLへと流す。この迂回部52は例えば過電圧防止回路であって、より具体的な一例としてはツェナダイオードである。このツェナダイオードは、アノードを電源線LH側に向けて、第2コンデンサC22に並列に設けられる。
基準値Vref2としては、第2電源回路22の入力電圧についての許容最大電圧以下の値を採用することができ、例えば許容最大電圧よりもわずかに小さい値を採用する。この許容最大電圧は例えば第2電源回路22の仕様にとして決定されており、第2電源回路22を動作させるのに要する電圧の最大値である。
次に、第1コンデンサC21の電圧V21および第2コンデンサC22の電圧V22について述べる。ここでは、簡単のために第1コンデンサC21および第2コンデンサC22の静電容量EC21,EC22が互いに等しいと仮定する。また、電源装置の動作の初期状態では電圧V21,V22はいずれも基準値を超えておらず、迂回部51,52は動作していない。また、以下では、電圧V21,V22を低下させる要因と、電圧V21,V22を増大させる要因について分けて説明する。実際には、これらの要因は並行して生じ得る。
第1コンデンサC21の電荷は第1電源回路21によって費やされ、第2コンデンサC22の電荷は第2電源回路22によって費やされる。言い換えれば、第1コンデンサC21から第1電源回路21へと電流I21が流れ、第2コンデンサC22から第2電源回路22へと電流I22が流れる。これによって電圧V21,V22は低下する。
一方で、電源(整流器1または第3コンデンサC1)から第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと電流I2が流れ込むことで、電荷が補充される。これにより、電圧V21,V22は増大する。これにより、電圧V21,V22の和(直流電圧Vdc)が所望の範囲に維持されることとなる。
さて、第1電源回路21および第2電源回路22による電荷の消費量は互いに相違し得る。つまり電流I21,I22は相違し得る。この場合、電圧V21,V22の低減量も互いに相違する。その一方で、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22には互いに直列状態で電流I2が流れ込むので、電荷の補充量は互いに等しい。ここでは静電容量EC21,EC22が等しいので、電流I2による電圧V21,V22の増大量は互いに等しい。
よって例えば電流I21が電流I22よりも大きい場合には、第1電源回路21に起因する電圧V21の低減量が第2電源回路22の動作に起因する電圧V22の低減量よりも大きい。しかも、電圧V21,V22の和が所望の範囲に維持するように電圧V21,V22は電流I2に起因して互いに同量で増大する。したがって、電圧V21は時間の経過と共に低減し、電圧V22は時間の経過と共に増大することとなる。
逆に電流I21が電流I22よりも小さい場合には、電圧V21は時間の経過と共に増大し、電圧V22は時間の経過と共に低減することとなる。
本電源装置では、迂回部51が設けられている。よって、電圧V21が増大して第1基準値Vref1よりも大きくなれば、迂回部51が第1コンデンサC21を迂回して電流I2を流すので、電圧V21のこれ以上の増大を回避することができる。図3は、このときの電圧V21,V22の変化を模式的に示している。図3に示すように、初期的には電圧V21が増大し、電圧V22が低減する。そして、時点t1において電圧V21が第1基準値Vref1よりも上回ると、時点t1以後において迂回部51が動作する。なお図3では電圧V21,V22の変化を直線的に示しているものの、実際には変動し得る。
また、電流I22が電流I21よりも大きいときには、電圧V22が増大する。電圧V22が基準値Vref2よりも大きくなれば、迂回部52が第2コンデンサC22を迂回して電流I2を流すので、電圧V22のこれ以上の増大を回避することができる。
図4は第2の実施の形態にかかる電源装置の概略的な構成の他の一例を示す図である。図4の例示では、電源スイッチ80が示されているものの、この電源スイッチ80については第5の実施の形態で述べる。
図4の例示では、迂回部51は抵抗51aとスイッチ素子51bを備えている。スイッチ素子51bは例えばトランジスタである。抵抗51aおよびスイッチ素子51bは互いに直列に接続されており、これらの直列体が第1コンデンサC21に並列に接続されている。
かかる迂回部51において、スイッチ素子51bをオンすると、第1コンデンサC21は抵抗51aおよびスイッチ素子51bを介して放電する。よって迂回部51は放電回路としても機能する。そして、このスイッチ素子51bのオンによって電圧V21は低減する。一方で、スイッチ素子51bがオンしているときには、整流器1または第3コンデンサC1からの電流I2は迂回部51を通って第2コンデンサC22へと流れる。よって電圧V22は増大する。つまりスイッチ素子51bのオンによって、電圧V21は低減し、電圧V22は増大する。
なお電源装置には、スイッチ素子51bを駆動する駆動部が設けられる。図4の例示では、駆動部は抵抗512およびフォトカプラ511によって形成されている。フォトカプラ511は発光ダイオードと、発光ダイオードの発光によってオンするフォトトランジスタとを備えている。発光ダイオードは制御部70と接続されており、制御部70によって、この発光ダイオードに電流が供給される。発光ダイオードに電流が流れると、発光ダイオードは発光し、これに伴ってフォトトランジスタがオンする。
フォトトランジスタの一端は第1電源回路21の高電位側の出力端に接続され、他端はスイッチ素子51bの制御端子(ベース端子)に接続される。抵抗512は、スイッチ素子51bの制御端子と、スイッチ素子51bの低電位側の一端(エミッタ端子)との間に設けられる。第2電源回路の低電位側の出力端は、スイッチ素子51bの低電位側の一端に接続される。
フォトカプラ511のフォトトランジスタがオンすると、第1電源回路21から当該フォトトランジスタを介してスイッチ素子51bの制御端子に電圧が印加されて、スイッチ素子51bがオンする。また、当該フォトトランジスタのオフに伴ってスイッチ素子51bもオフする。
このように、制御部70はフォトカプラ511の発光ダイオードに電流を流すか否かによって、スイッチ素子51bを制御することができる。
迂回部52は抵抗52aとスイッチ素子52bとを備えている。迂回部52は迂回部51と同様の構成を有している。このスイッチ素子52bのオンによって、電圧V21は増大し、電圧V22は低減することとなる。
図4の例示では、スイッチ素子52bを駆動する駆動部は、抵抗522およびスイッチ素子521によって形成されている。スイッチ素子521は例えばトランジスタであり、その高電位側の一端(コレクタ端子)は第2電源回路22の高電位側の出力端に接続され、その低電位側の一端(エミッタ端子)はスイッチ素子52bの制御端子(ベース端子)に接続される。抵抗522は、スイッチ素子52bの制御端子とスイッチ素子52bの低電位側の一端(エミッタ端子)との間に設けられる。
スイッチ素子521の制御端子(ベース端子)は制御部70に接続されており、制御部70によってスイッチ信号が入力される。スイッチ素子521がオンすると、第2電源回路22からスイッチ素子521を介してスイッチ素子52bの制御電極に電圧が印加されて、スイッチ素子52bがオンする。また、スイッチ素子521のオフに伴ってスイッチ素子52bもオフする。
このように、制御部70はスイッチ素子521をオンするか否かによって、スイッチ素子52bを制御することができる。スイッチ素子51b,52bをそれぞれ有する迂回部51,52は、上述のように放電回路としても機能するので、制御部70は放電制御部として把握することもできる。
また図4の例示では、電圧検出部71,72が設けられている。電圧検出部71は例えば第3コンデンサC1の直流電圧Vdcを検出し、これを制御部70に出力する。電圧検出部71は、例えば電源線LH,LLの間において互いに直列に接続される複数(図4では2つ)の分圧抵抗を有しており、その一つの分圧抵抗の電圧が制御部70に入力される。
電圧検出部72は例えば第2コンデンサC22の電圧V22を検出し、これを制御部70に出力する。電圧検出部72は例えば互いに直列に接続される複数(図4では2つ)の分圧抵抗を有しており、これらの分圧抵抗の直列体が第2コンデンサC22に並列に接続される。そして電圧検出部72の一つの分圧抵抗の電圧が制御部70に入力される。
制御部70は、電圧検出部71によって検出された直流電圧Vdcから、電圧検出部72によって検出された電圧V22を減算することで、電圧V21を算出することができる。制御部70は電圧V21,V22に基づいて迂回部51,52のスイッチ素子51b,52bを制御する。
なお制御部70は電圧V21,V22を認識できればよいので、例えば電圧検出部71が電圧V21を検出し、電圧検出部72が電圧V22を検出してもよい。あるいは、電圧検出部71が直流電圧Vdcを検出し、電圧検出部72が電圧V21を検出してもよい。なお直流電圧Vdcは後に述べる第5の実施の形態において用いられる。
図5は制御部70が行うスイッチ素子51bの制御動作の一例を示す図である。この一連の動作は例えば所定時間ごとに繰り返し実行される。まずステップS1にて、制御部70は第1コンデンサC21の電圧V21が第1基準値Vref1よりも大きいか否かを判定する。この判定は例えば周知の比較器を用いて行うことができる。
ステップS1にて電圧V21が第1基準値Vref1よりも小さいと判定したときには、動作を終了する。ステップS1にて電圧V21が第1基準値Vref1よりも大きいと判定したときには、ステップS2にて制御部70はスイッチ素子51bをオンする。これにより、第1コンデンサC21が放電するので、電圧V21は低減する。一方で、第2コンデンサC22には電源側から電流I2が流れ込むので、電圧V22は増大する。
次に、ステップS3にて制御部70は電圧V21が第2基準値Vref11(第1基準値Vref1よりも小さい)よりも小さいか否かを判定する。電圧V21が第2基準値Vref11よりも大きいと判定したときには、再びステップS3を実行する。電圧V21が第2基準値Vref11よりも小さいと判定したときには、ステップS4にて制御部70はスイッチ素子51bをオフし、動作を終了する。
以上のように、制御部70は、電圧V21が第1基準値Vref1よりも大きくなると、スイッチ素子51bをオンするので、電圧V21のこれ以上の増大を回避できる。
スイッチ素子52bの制御についてもスイッチ素子51bと同様であるので繰り返しの説明を省略する。ただし、スイッチ素子51b,52bが同時にオンしないように、各基準値を設定する必要がある。
なお、スイッチ素子S51b,52bは例えばPWM(Pulse Width Modulation)方式で制御されて、オン/オフが短い期間で繰り返されても構わない。
第3の実施の形態.
第2の実施の形態で述べたように、例えば電流I21が電流I22よりも大きい場合には、電圧V21は時間の経過と共に低減し、電圧V22は時間の経過と共に増大する。また、これらの電流I21,I22の差が大きいほど、電圧V21はより速やかに低減し、電圧V22はより速やかに増大する。電圧V22が速やかに増大すれば、迂回部52が動作するまでの期間が短い。迂回部52での消費電力は少ない方がよいので、迂回部52の動作は望ましくない。よって当該期間は長い方が望ましい。そこで第3の実施の形態では、電圧V21,V22が緩やかに変化するように、電流I21,I22の差を低減することを企図する。
第3の実施の形態にかかる電源装置は第2の実施の形態と同様である。ただし、第3の実施の形態では、第1コンデンサC21の静電容量EC21と第2コンデンサC22の静電容量EC22との大小関係が、第1電源回路21の入力電力P21と第2電源回路22の入力電力P22との大小関係と反対になるように設定する。
第1電源回路21の入力電力P21は第1電源回路21および負荷31の消費電力の和と等しく、第2電源回路22の入力電力P22は第2電源回路22および負荷32の消費電力の和と等しい。これらの消費電力の値としては、仕様上の値を採用することができ、あるいは、シミュレーションまたは実験等によって導かれた値を採用することもできる。なお負荷31,32が例えばリレー(電源スイッチ80)または制御部(CPUなど)である場合には、負荷31,32の消費電力の時間に対する変動は小さい。よってここでいう消費電力として瞬時値ではなく、代表値(例えば平均値など)を採用しても、これらの消費電力を比較的精度よく認識できる。
第1電源回路21に入力される電流I21と、第2電源回路22に入力される電流I22とは、それぞれ以下の式で表される。
I21=P21/V21 ・・・(1)
I22=P22/V22 ・・・(2)
式(1),(2)に基づいて以下の式を導くことができる。
I21/I22=(P21/P22)・(V22/V21)・・・(3)
よって、P21>P22が成立する場合には、つまり乗数(P21/P22)において分子が分母よりも大きい場合には、乗数(V22/V21)において分子が分母よりも小さくなれば、電流I21,I22の差が低減する。つまりV21>V22が成立すれば電流I21,I22の差が低減する。逆にP21<P22が成立する場合には、V21<V22が成立すれば、電流I21,I22の差が低減する。そこで、電圧V21,V22が初期的にこの条件を満足するように、静電容量EC21,EC22を設定することを企図する。
第1コンデンサC21および第2コンデンサC22は直流電圧Vdcを分圧するので、電圧V21,V22は電源装置の起動前には以下の式で表される。なお起動前には、負荷4、第1電源回路21および第2電源回路22は動作していない。
V21=Vdc・EC22/(EC21+EC22) ・・・(4)
V22=Vdc・EC21/(EC21+EC22) ・・・(5)
式(4),式(5)を用いると、以下の式が導かれる。
V21/V22=EC22/EC21 ・・・(6)
上述したようにP21>P22が成立するときには、V21>V22が成立すれば、電流I21,I22差が低減するので、EC22>EC21が成立するように、静電容量EC21,EC22を設定する。またP21<P22が成立するときには、V21<V22が成立すれば、電流I21,I22の差が低減するので、EC22<EC21が成立するように、静電容量EC21,EC22を設定する。これにより、起動後の初期には電流I21,I22の差を低減することができる。
つまり、第1コンデンサC21の静電容量EC21と第2コンデンサC22の静電容量EC22との大小関係が、第1電源回路21の入力電力P21と第2電源回路22の入力電力P22との大小関係と反対になるように設定すれば、電流I21,I22の差を初期的には低減することができるのである。これにより、電圧V21,V22を初期的には比較的緩やかに変化させることができる。
したがって、負荷31,32の動作開始から迂回部51,52が動作するまでの期間を延ばすことができる。迂回部51,52で消費される電力は負荷4,31,32の動作に寄与しないので、迂回部51,52が動作するまでの期間は長い方がよい。
また式(3)から理解できるように、P21/P22=V21/V22が成立すれば、I21=I22が成立する。式(6)も考慮すれば、P21/P22=EC22/EC21が成立すれば、I21=I22が成立するのである。つまり、第1コンデンサC21の静電容量EC21に対する第2コンデンサC22の静電容量EC22の比が、第1電源回路21の入力電力P21に対する第2電源回路22の入力電力P21の比の逆数であることが望ましい。これによれば、理想的には電流I21,I22を互いに等しくできるのである。このとき、第1コンデンサC21から流出する電流I21と、第2コンデンサC22から流出する電流I22と、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流入する電流I2とのいずれもが、理想的には一致する。よって、理想的には迂回部51,52の動作を不要にできる。
ここで、通常運転(負荷4、第1電源回路21および第2電源回路22が動作する運転)での電圧V21,V22についても考察する。ここでは迂回部51,52が放電回路である場合に、スイッチ素子51b(または52b)がオンする期間の電流について、まず考察する。スイッチ素子51bがオンすれば、第1コンデンサC21の両端電圧は放電により低下する。これにより電源(整流器1または第3コンデンサC1、以下同様)から電流が流れる。その電流経路は、迂回部51、第1コンデンサC21、第1電源回路21および負荷31の並列接続と、第2コンデンサC22、第2電源回路22および負荷32の並列接続と、を通る経路である。ここでは、スイッチ素子51b,52bは例えばPWM方式で制御されて、そのオン/オフが制御されるものとする。このとき、スイッチ素子51b(または52b)のオンに伴って流れる当該電流は高調波成分である。
この電流に応じて電圧V21,V22が変動するところ、電圧V21,V22は第1コンデンサC21、第1電源回路21、負荷31、第2コンデンサC22、第2電源回路22および負荷32のインピーダンスに依存して変動する。ここでは簡単のために、第1電源回路21および負荷31の一組と第2電源回路22および負荷32の一組とを、それぞれ等価抵抗で考慮する。第1コンデンサC21および第2コンデンサC22のインピーダンスは周波数を分母に持つ式で表されるので、高調波成分の周波数が高いほど小さい。一方で、等価抵抗の周波数依存性は第1コンデンサC21および第2コンデンサC22のインピーダンスに比べて小さく、ほぼ一定と考えることができる。
したがって、例えばスイッチ素子51b,52bのスイッチング周波数を高めれば、スイッチ素子51b,52bのオン時に流れる電流を、主としてインピーダンスの小さい第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流すことができる。言い換えれば、電圧V21,V22を主として静電容量EC21,EC22に応じて変動させることができる。
そして、上述の通り、静電容量EC21,EC22の大小関係は入力電力P21,P22の大小関係と反対である。例えば、入力電力P21が入力電力P22よりも小さいときには、静電容量EC21が静電容量EC22よりも大きく設定される。よってこのとき、当該電流に起因する電圧V22の増大量が電圧V21の増大量よりも大きくなる。つまり、大きい入力電力P22を有する第2電源回路22に対して、より大きな電圧V22を印加しやすい。これにより、より大きな電力を第2コンデンサに蓄積することができる。このようにより大きな入力電力を必要とする電源回路についてのコンデンサに、より大きな電力を蓄積することができるので、その逆に比べて、迂回部51,52(スイッチ素子51b,52b)の動作頻度(動作期間)を低減することができるのである。これにより、迂回部51,52における消費電力を低減できる。
なお上述の内容は、通常運転において迂回部51,52(スイッチ素子51b,52b)の動作によって、電源から第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流れる電流に着目した説明である。しかるに迂回部51,52が動作していないときにも、負荷31,32,4の動作によって、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22には電流が流れ得る。
例えば負荷31,32,4の動作によって第1コンデンサC21および第2コンデンサC22は放電する。これにより、電圧V21,V22は低減する。一方で、整流器1からの電流によって、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22が充電される。これにより、電圧V21,V22が増大する。このとき、電圧V21,V22は第1コンデンサC21、第1電源回路21、負荷31、第2コンデンサC22、第2電源回路22および負荷32のインピーダンスに依存して増大する。
そして、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流れる当該電流も、周波数の高い高調波成分で構成すれば、上述した説明と同様に、電圧V21,V22を主として静電容量EC21,EC22に応じて変動させることができる。つまり、当該電流を主としてインピーダンスの低い第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流すことで、電圧V21,V22を主として静電容量EC21,EC22に応じて変動させるのである。
そこで、迂回部51,52が動作していないときに第1コンデンサC21および第2コンデンサC22を流れる電流を、不連続(つまり当該電流が零となる期間を有する)にすることを企図する。これにより、高調波成分を主体として電流を構成できるからである。
図6は、電源装置の概略的な構成の一例を示す図である。この電源装置においては、図4の電源装置に比して、ダイオードD1と抵抗R1と第4コンデンサC11とが更に設けられている。ダイオードD1は、電源線LH,LLの間において、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22と直列に接続される。ダイオードD1は電源線LHに近い側にアノードを有する。つまりダイオードD1の順方向は電源線LHから電源線LLへと向かう方向である。図6の例示では、ダイオードD1は例えば第1コンデンサC21および第2コンデンサC22よりも電源線LHに近い側に位置する。
抵抗R1は、電源線LH,LLの間において、ダイオードD1、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22と直列に接続されており、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流れる突入電流を防止する。突入電流が流れない場合には抵抗R1は必要ではない。
第4コンデンサC11は第1コンデンサC21および第2コンデンサC22の一組に対して並列に接続される。第4コンデンサC11は第1コンデンサC21の電圧V21および第2コンデンサC22の電圧V22の急峻な変動を抑制する。そのような電圧変動の抑制が必要でない場合には第4コンデンサC11は必要ではない。
このような構成において、電源から第1コンデンサC21および第2コンデンサC22への電流はダイオードD1を経由する。よってダイオードが非導通となる期間が存在すれば、電源から第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流れる電流が不連続となる。これにより当該電流が高調波成分で構成される。
ダイオードD1の導通/非導通は、ダイオードD1のアノードの電位とカソードの電位の大小に依存する。より具体的には、カソードの電位がアノードの電位よりも大きいとき、すなわち直流電圧Vdc(第3コンデンサC1に印加される電圧)が電圧V21,V22の和よりも小さいときには、ダイオードD1が導通しなくなる。よってこの期間においては、電源から第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流れる電流が零になる。またダイオードD1のアノードの電位がカソードの電位よりも大きいとき、すなわち直流電圧Vdcが電圧V21,V22の和よりも大きいときには、ダイオードD1が導通する。よってこの期間においては、電源から第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと電流が流れる。
以上のように、直流電圧Vdcと電圧V21,V22の和との大小関係が時間の経過と共に切り替われば、電源から第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流れる電流が不連続となる。以下、図7を参照して説明する。
図7は、交流電源E1の交流電圧の振幅実効値が380[V]、第3コンデンサC1の静電容量が340[μF]、負荷4の入力電力が約1kWである条件の下で、第4コンデンサC11の静電容量EC11を異ならせた場合の、直流電圧Vdc、電圧V21,V22の和、および、ダイオードD1を流れる電流を示している。図7の例示では、静電容量EC11が0.1,1,5,10[μF]であるときのグラフが、それぞれ二点鎖線、一点鎖線、破線および実線でそれぞれ示されている。
図7に示すように、直流電圧Vdcは変動する。より具体的には、直流電圧Vdcは負荷4(あるいは更に負荷31,32)の動作によって低減し、そして、整流器1の出力電圧(整流電圧)が直流電圧Vdcよりも大きくなると、その時点以後の整流器1の出力電圧によって第3コンデンサC1が充電されて、直流電圧Vdcが増大する。このとき整流器1の出力電圧と直流電圧Vdcとがほぼ一致する。またこのとき負荷4は整流器1から電力を受け取る。そして、整流器1の出力電圧が直流電圧Vdcよりも下回ると、直流電圧Vdcは再び負荷4(あるいは更に負荷31,32)の動作によって低減する。以後はこれを繰り返す。なお図7の例示では、直流電圧Vdcの脈動を拡大して示しているものの、実際にはその変動幅は、直流電圧Vdcの平均値の数%程度である。
一方で、電圧V21,V22の和も変動する。より具体的には、電圧V21,V22はそれぞれ負荷31,32の動作によって低減する。そして、整流器1の出力電圧が電圧V21,V22の和よりも大きくなると、その時点以後の出力電圧の増大に応じて増大する。そして、整流器1の出力電圧が電圧V21,V22の和よりも下回ると、電圧V21,V22は再び負荷31,32の動作によって低減する。以後はこれを繰り返す。
図7に示すように、第4コンデンサC11の静電容量EC11が大きくなるにしたがって、電圧V21,V22の和が緩やかに低減する。静電容量EC11が0.1,1[μF]であるときには、直流電圧Vdcと電圧V21,V22の和が等しく、ダイオードD1には常に電流I1が流れている。よって、電流I1が比較的大きな直流成分を有することになる。この直流成分は、高調波成分に比べて、等価抵抗として考慮した第1電源回路21、第2電源回路22および負荷31,32を流れやすい。よって、このような直流成分は望ましくない。
一方で、静電容量EC11が5,10[μF]であるときには、電圧V21,V22の和が直流電圧Vdcを上回る期間が存在する。よって、この期間ではダイオードD1を流れる電流I1は零である。そして、整流器1の出力電圧が電圧V21,V22の和よりも大きくなると、その時点以後に電圧V21,V22の和は出力電圧の増大に応じて増大する。この期間では、ダイオードD1に電流I1が流れる。
以上のように静電容量EC11が大きくなると、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22への電流が不連続になる。したがって、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22への電流は主として高調波成分で構成されることとなり、当該電流に基づく電圧V21,V22の変動が主として静電容量EC21,EC22に依存する。
よって、静電容量EC22が静電容量EC21よりも小さい場合には、この電流に起因する電圧V22の増大量は電圧V21よりも大きくなる。したがって、より大きい入力電力P22を有する第2電源回路22に対して、より大きな電圧V21を印加しやすい。
なお図7の例では、第4コンデンサC11の静電容量EC11を異ならせて、電流I1を不連続にした。しかるに、電流I1が不連続になるかどうかは、第1コンデンサC21、第2コンデンサC22、第3コンデンサC1の静電容量、および、負荷31,32,4の消費電力にも依存する。直流電圧Vdc、電圧V21,V22の変動がこれらのパラメータに依存するからである。
より一般化すると、第3コンデンサC1および負荷4からなる回路の時定数が、第1コンデンサC21、第2コンデンサC22、第4コンデンサC11、第1電源回路21、第2電源回路22および負荷31,32からなる回路の時定数よりも小さければよい。これによって、直流電圧Vdcの低下速度を電圧V21,V22の和の低下速度よりも早くすることができる。よって、電圧V21,V22の和が直流電圧Vdcを上回る期間が存在するのである。これにより、電流I1が例えば図7に示すように不連続となる。
以上のように、図6の電源装置によれば、迂回部51,52が動作しない場合にも、第1コンデンサC21および第2コンデンサC22へと流れる電流を不連続にできる。よってより大きい入力電力P22を有する第2電源回路22に対して、より大きな電圧V21を印加しやすい。よって迂回部51,52の動作頻度(動作期間)の低減に寄与し、消費電力を低減できる。
以下では、通常運転において消費電力を低減できる理由を、別の観点から説明する。図8は図6の電源回路において、P22=2・P21かつEC21=2・EC22が成立するときの、電圧V21,V22、直流電圧Vdcおよび電流I1を示す図である。図8では、迂回部51,52は動作していない。図8によれば、負荷31,32によって消費される電力と同じ電力が、整流器1からの電流によって第1コンデンサC21および第2コンデンサC22に供給されるので、迂回部51,52が動作することなく、電圧V21,V22が平衡している。つまり、電圧V21,V22は上述のように充放電を繰り返して脈動するものの、長い期間で見れば平衡するのである。
ここで、静電容量EC22を増大させて、EC21=EC22を成立させることを考える。これにより、電圧V21,V22の増大量は等しくなる。したがって、電圧V21,V22は脈動しつつも、より長い期間でみると、電圧V21は増大し、電圧V22は低減する。よって電圧V21,V22の差が増大していく。
この状態で電圧V21,V22を平衡させようとすると、迂回部51を動作させて第1コンデンサC21の電圧V21を低減させる必要がある。
以下では、電圧V21,V22を平衡させるのに要する迂回部51の消費電力について考察する。この考察にあたって、まずは迂回部51の消費電力ではなく、第1電源回路21の入力電力P21を増大させることによって、電圧V21,V22を平衡させることを考える。
ここではEC21=EC22が成立するので、もしP21=P22が成立すれば、電圧V21,V22は理想的には平衡することになる。これが図9で示されている。つまり第1電源回路21の入力電力P21を入力電力P22(=2・P21)まで増大させれば、電圧V21,V22が平衡することとなる。すなわち、入力電力P21を2倍にすればよく、その増大量は入力電力P21と同じ値である。
さて、第1コンデンサC21の電圧V21を低減させるという点では、迂回部51で電力を消費しても、第1電源回路21および負荷31で電力を消費しても構わない。つまり上述の増大量を、迂回部51で消費しても構わない。よって、EC21=EC22かつP22=2・P21が成立しているときには、上述の増大分(入力電力P21の値の分)を迂回部51で消費させれば、電圧V21,V22が平衡することとなるのである。
また、P22=2・P21が成立している状態で、さらに静電容量EC22を増大させてEC22>EC21(例えばEC22=2・EC21)を成立させることを考慮する。このとき、もしP21=2・P22が成立すれば、つまり、入力電力P21を入力電力P22(=2・P21)の2倍まで増大させれば、電圧V21,V22は平衡する。つまり、第1電源回路21の入力電力P21を、(3・P21)の分だけ増大させれば、電圧V21,V22は平衡する。逆に言えば、EC22=2・EC21かつP22=2・P21が成立しているときには、(3・P21)の分を迂回部51で消費させれば、電圧V21,V22が平衡することとなる。よって、このとき迂回部51で消費すべき電力が増大することになる。
以上のように、P22>P21の場合に、EC22>EC21とすれば、迂回部51の消費電力は大きくなる。したがって、静電容量EC21,EC22の大小関係を入力電力P21,P22の大小関係と反対に設定すれば、これらの大小関係が同じ場合に比べて、通常運転において、迂回部51,52の消費電力を低減することができるのである。
第4の実施の形態.
図10は第4の実施の形態にかかる電源装置の概略的な構成の一例を示す図である。第4の実施の形態では、迂回部51が設けられているものの迂回部52は設けられていない。しかも、第4の実施の形態では、電流I21が電流I22よりも小さくなるように、第1コンデンサC21の静電容量EC21と第2コンデンサC22の静電容量EC22が設定される。
式(3)より、I21/I22=(P21/P22)・(V22/V21)<1が成立すれば、電流I21は電流I22よりも小さい。よって、これが成立するように、まず乗数(V21/V22)を、乗数(P21/P22)に基づいて設定する。入力電力P21,P22は時間の経過と共に変動し得るところ、入力電力P21の瞬時値がその最大値P21_maxを採り、入力電力P22の瞬時値がその最小値Pmin_minを採るときに、乗数(I21/I22)が最も大きくなる。このときV21/V22>P21_max/P22_minが成立すれば、乗数(I21/I22)は1よりも小さくなる。つまり、入力電力P21,P22において最も電流I21が電流I22に対して大きくなるときであっても、電流I21は電流I22よりも小さくなる。
式(4),(5)を考慮すると、以下の式を満足すれば、たとえ電流I21が電流I22に対して最も大きくなる場合であっても、初期的には電流I21を電流I22よりも小さくできる。
EC21/EC22<P22_min/P21_max ・・・(7)
第2の実施の形態で述べたように、電流I21が電流I22よりも小さければ、電圧V21は増大し、電圧V22は低下することになる。そして電圧V21が基準値Vref1よりも大きくなると、迂回部51によって電圧V21のこれ以上の増大を回避できる。
迂回部51が過電圧防止回路である場合には、以降は、電圧V21,V22は一定値を維持する。
また、迂回部51が放電回路である場合には、電圧V21が第2基準値Vref11よりも小さいときに、スイッチ素子51bをオフする。なお放電回路によって電圧V21は低下するものの、V21/V22>P21_max/P22_minが不成立になるほど、電圧V21が低下することは好ましくない。電流I21が電流I22よりも大きくなると、電圧V22の増大を招くからである。
よって、この第2基準値Vref11としては、式(4)で求まる電圧V21の初期値以上の値を採用する。これにより、V21/V22>P21_max/P22_minを満足した状態で、迂回部51の動作を一旦停止することができる。よって迂回部51の動作を一旦停止した以後も、電圧V21が増大し、電圧V22は低減することとなる。
以上のように電圧V22は基準値Vref2よりも大きくなることはないので、迂回部52は設けられる必要がない。したがって製造コストおよび回路規模を低減することができる。
なお第4の実施の形態では、迂回部51のみを設けたが、迂回部52のみを設けてもよい。この場合、入力電力P21の瞬時値がその最小値を採り、入力電力P22の瞬時値がその最大値を採るときに、電流I21が電流I22よりも大きくなるように、静電容量EC21,EC22を設定すればよい。
第5の実施の形態.
第5の実施の形態にかかる電力変換装置の概略的な構成は図4と同様である。よって迂回部51,52は放電回路としても機能する。ここでは、電源電圧が低下したときの、制御部70による第1コンデンサC21、第2コンデンサC22を放電する制御について述べる。なおここでいう、電源電圧の低下は、整流器1によって第1コンデンサC21、第2コンデンサC22および第3コンデンサC1へと供給される直流電圧の低下を意味する。この電源電圧の低下は例えば交流電源E1の機能不全(例えば瞬時停電)、あるいは、電源スイッチ80(図4)のオフによって生じる。
電源スイッチ80は第1コンデンサC21、第2コンデンサC22および第3コンデンサC1への電圧を供給/遮断するためのスイッチである。図4の例示では、電源スイッチ80は交流電源E1と整流器1との間に設けられている。この電源スイッチ80は例えば制御部70によって制御される。制御部70は、例えば第1電源回路21、第2電源回路22または負荷31,32,4に異常が生じたとき、あるいは、負荷31,32,4の全ての動作を終了するときに、電源スイッチ80をオフする。
なお異常の発生は、周知の異常検出部を設け、その検出結果を制御部70に出力することで、制御部70によって認識される。また、交流電源E1の機能不全に対しては、例えば整流器1に入力される交流電圧を検出し、これを制御部70に出力する周知の入力電圧検出部を設ければよい。
第5の実施の形態では、負荷32は負荷4を制御する負荷制御部である。例えば負荷4がインバータを含む場合には、負荷32は、インバータが出力する交流電圧の指令値を求め、当該指令値に基づいて制御信号を生成し、当該制御信号をインバータへと与える。インバータは当該制御信号に基づいて動作して、直流電圧Vdcを交流電圧に変換する。
図11は、第5の実施の形態にかかる制御部70の動作の一例を示すフローチャートである。このフローは電源電圧が低下した以後の動作である。ステップS11にて制御部70はスイッチ素子52bをオフに維持する。よって、第2コンデンサC22の電圧V22は、迂回部52によっては低減せずに負荷32の動作によって低減することとなる。
ステップS12にて制御部70はスイッチ素子51bのオン/オフを制御して、第2コンデンサC22の電圧V22を所望の範囲内に制御する。スイッチ素子51bをオンすると、第1コンデンサC21が放電して電圧V21が低下する。しかも第3コンデンサC1が放電して迂回部51および第2コンデンサC22へと電流I2が流れるので、第2コンデンサC22の電圧V22が増大する。つまり、負荷32の動作によって電圧V22が低減すると、スイッチ素子51bをオンして電圧V22を増大させるのである。
より具体的な一例として、電圧検出部72によって検出された電圧V21が、その指令値(所望の範囲内の値)に近づくように、制御部70が例えばPWM方式によってスイッチ素子51bの制御信号を生成し、スイッチ素子51bを制御する。これにより、電源電圧が低下しても電圧V22を所望の範囲内に維持する。
電圧V22の所望の範囲としては、第2電源回路22の入力電圧についての許容最小値から許容最大値までの範囲のうち、任意の範囲を採用することができる。
なおスイッチ素子52bのオフ(ステップS11)と、スイッチ素子51bのオン/オフ制御の開始(ステップS12)とはいずれを先に行ってもよい。
図12は直流電圧Vdcと電圧V21,V22とを模式的に示している。図12の時点t2において電源電圧が低下する。よって時点t2以後では、負荷31,32の動作に伴って直流電圧Vdcが低下する。なお図12では比較のために、時点t2以後にスイッチ素子51b,52bの両方をオフに維持した場合に、電圧V22が低下する状況を破線で示している。
図11の動作によれば、時点t2以後の所定期間において、電圧V21(=Vdc−V22)は、負荷31の動作およびスイッチ素子51bのオンによって、時間の経過と共に低減する。一方で、スイッチ素子51bのオン/オフによって、電圧V22は所望の範囲に維持されている。なお時点t2以降において負荷31の動作は終了してもよい。なぜなら、負荷31の動作を終了しても、電圧V22の低下を招くものではないからである。
他方、スイッチ素子51bを制御せずに、オフに維持した比較例では、電圧V22は時点t2以後において時間の経過とともに低下する。よってこの場合には、負荷32が電圧不足により、スイッチ素子51bを制御した場合と比較して早くに停止する。
なお図12の例示では、直流電圧Vdcおよび電圧V22が模式的に時間に対して線形に低減している。実際には、これらは時間に対して線形で変化しないことが多い。例えば入力電力P22が一定である場合には、電圧V22が大きいほど電流I21が小さくなるので、電圧V22が大きいほど、電圧V22は緩やかに低下する。
以上のように、ステップS11,S12によれば、第1コンデンサC21の電圧V21が低下することを代償として、第2コンデンサC22の電圧V22の低下を抑制することができる。これにより、負荷32の機能を優先的に維持することができる。ここでは負荷32は負荷4を制御する負荷制御部であるところ、電源電圧が低下したときに、比較的長い期間にわたって負荷4の制御を行うことができるのである。よって例えば負荷4を適切に停止させるなど、電源電圧が低下したときに特有の制御に必要な期間を確保しやすい。
なお上述したように、電圧V22が大きいほど、負荷32に起因する電圧V22の低下は緩やかである。よって制御部70は、ステップS12において、電圧V22が第2電源回路22の入力電圧についての許容最大電圧に近づくように、スイッチ素子51bを制御してもよい。これにより、負荷32が動作可能な期間を延ばすことができる。
また図11の例示では、ステップS13において、制御部70は、電源電圧の低下から所定時間が経過したか否かを判定する。この判定は例えば周知のタイマ回路を用いて行うことができる。所定時間が経過していないと判定すると、ステップS13を再び実行する。所定時間が経過していると判定すると、ステップS14において、スイッチ素子51b,52bの両方をオンに維持する。これにより、第1コンデンサC21、第2コンデンサC22および第3コンデンサC1が迂回部51,52を介して放電する。図12の例示では時点t3においてスイッチ素子51b,52bをオンさせており、時点t3以後において、直流電圧Vdcおよび電圧V21,V22を速やかに低減させることができる。
図13は、第5の実施の形態にかかる制御部70の動作の他の一例を示すフローチャートである。このフローは電源電圧が低下した以後の動作である。ステップS21にて制御部70は第3コンデンサC1の直流電圧Vdcが第2電源回路22の入力電圧の許容最大値よりも小さいか否かを判定する。直流電圧Vdcが当該許容最大値よりも大きいと判定されたときには、ステップS21を実行する。直流電圧Vdcが当該許容最大値よりも小さいと判定したときには、ステップS22においてスイッチ素子51bをオンに維持する。
図14は直流電圧Vdcと電圧V21,V22とを模式的に示している。時点t2以後の所定期間において、スイッチ素子51b,52bはオフを維持するので、直流電圧Vdcは負荷31,32の動作によって低減し、電圧V21,V22はそれぞれ負荷31,32の動作によって低減する。そして、時点t4において直流電圧Vdcが第2電源回路22の入力電圧についての許容最大値を下回ると、スイッチ素子51bがオンに維持される。これに伴って電圧V21は零に低減するとともに、電圧V22は増大する。なお、時点t4において直流電圧Vdcは許容最大電圧を下回るので、スイッチ素子51bをオンに維持しても、電圧V22は当該許容最大電圧を超えることはない。よって、電圧V22を、許容最大電圧よりも小さい値まで増大することができる。これにより、負荷32の動作可能期間を適切に延ばすことができる。
なおここでは負荷32が制御部である場合を例にしたが、負荷31が制御部である場合には、電圧V22を低下させる代わりに電圧V21の低下を抑制しても構わないし、直流電圧Vdcが第1電源回路21の許容最大電圧よりも小さくなったときに、スイッチ素子52bをオンに維持して電圧V21を増大させても構わない。
第6の実施の形態.
図15は第6の実施の形態にかかる電源装置の概略的な構成の一例を示す図である。ここでは、電源装置は例えばヒートポンプユニット(不図示)に搭載される。このヒートポンプユニットにおいては、圧縮機、熱交換器(凝縮器および蒸発器)および減圧機構(電磁弁)を有する公知の冷媒回路が設けられる。ヒートポンプユニットが搭載される装置としては例えば油冷却装置(オイルコン)を採用することができる。
負荷4は例えばインバータと圧縮機モータを有しており、圧縮機モータはインバータからの交流電圧を入力して動作する。制御部70はインバータへと制御信号を出力することで、圧縮機を制御している。
第1電源回路21はトランスを有さない非絶縁型の電源回路(例えばチョッパ方式の昇圧回路、降圧回路または昇降圧回路など)、その出力電圧が動作電源として電源スイッチ80に供給される。電源スイッチ80は高い絶縁耐力を有する電磁リレーであり、電磁スイッチ81と、電磁スイッチ81と直列に接続されるスイッチ82とを有している。スイッチ82は制御部70の制御を受ける。スイッチ82がオンすると、第1電源回路21からの電流が電磁スイッチ81へと流れて、電磁スイッチ81がオンする。これにより、交流電源E1の交流電圧が整流器1に入力される。
第2電源回路22もトランスを有さない非絶縁型の電源回路(例えばチョッパ方式の昇圧回路、降圧回路または昇降圧回路など)である。第2電源回路22の出力電圧は、制御部70、絶縁型DC/DCコンバータ110および負荷112に入力されている。
絶縁型DC/DCコンバータ110の出力は負荷111に入力される。絶縁型DC/DCコンバータ110はトランスを有しており、入力側と出力側とを電気的に絶縁する。よって負荷111としては絶縁が必要な負荷を採用することができる。負荷111は例えば電磁弁または冷媒の圧力を計測する圧力センサなどのセンサである。
負荷112には第2電源回路22の出力が直接に入力している。第2電源回路22は非絶縁型の電源回路であるので、負荷112としては絶縁を要しない負荷を採用することが望ましい。例えば負荷112は電圧センサまたは電流センサなどである。
負荷111,112は制御部70とも接続されている。負荷111,112がセンサである場合には、その検出値が制御部70へと入力され、負荷111,112が制御を受けて動作する負荷であれば、制御部70が制御信号を負荷111,112へと出力する。
なお負荷4に属するインバータが、電源線LH,LLの間において互いに直列に接続される上アームスイッチング素子および下アームスイッチング素子を有している場合、負荷112は下アームスイッチング素子を駆動する駆動回路であっても構わない。このとき、下アームスイッチング素子の動作電圧の基準電位は電源線LLの電位である。
一方で、上アームスイッチング素子の動作電圧の基準電位は、公知のように、インバータの負荷たるモータの駆動によって変動し、比較的高い電位を採る期間がある。よって、上アームスイッチング素子の動作電圧は絶縁型DC/DCコンバータ110の出力電圧を採用してもよい。言い換えれば、負荷111が、上アームスイッチング素子を駆動する駆動回路であってもよい。
また、上アームスイッチング素子の動作電圧を、下アームスイッチング素子の動作電源(第2電源回路22)を用いて生成する公知の充電構成(例えばチャージポンプ回路)が設けられる場合がある。このときには、絶縁型DC/DCコンバータ110の出力電圧を、上アームスイッチング素子の駆動回路に与える必要はない。この場合、上アームスイッチング素子の駆動回路は負荷111とはならない。
非絶縁型の第1電源回路21および第2電源回路22としては、例えばICおよびその他の構成を用いて構成することができる。例えばPower Integrations(登録商標)社のLNK306、ON Semiconductor社のNCP1077、NXP(登録商標)社のTEA1723あるいはSTMicroelectronics(登録商標)社のVIPER06などのモノシリックICを採用することができる。図16は、LNK306たるスイッチ素子210を採用した場合のDC−DCコンバータの一例である。図16のコンバータは降圧回路であり、その構成は公知であるので、詳細な説明は省略する。本実施の形態では、第1電源回路21および第2電源回路22には、分圧された電圧V21,V22が入力されるので、耐圧が高い部品を使用せずに、標準的な部品を用いることができる。
以上のように、第1電源回路21および第2電源回路22として非絶縁型の電源回路を用いる。かかる非絶縁型の電源回路は回路規模が小さく、製造コストも小さい。
また、図15の例示では、トランス90、整流器91、コンデンサ92、絶縁型DC/DCコンバータ93、制御CPU94、負荷95、および、絶縁回路96が設けられている。
トランス90は例えば交流電源E1に接続されており、図15の例示では、交流電源E1の2つの出力線の間の単相交流電圧がトランス90に入力される。トランス90は入力された交流電圧の振幅を変換して整流器91に入力する。整流器91は入力された交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサ92に印加する。コンデンサ92の直流電圧は絶縁型DC/DCコンバータ93に入力される。絶縁型DC/DCコンバータ93は例えば自励式フライバックコンバータ(RCC)であり、その出力電圧は、制御CPU94および負荷95に入力される。制御CPU94は絶縁回路96を介して制御部70と通信を行うことができる。絶縁回路96は例えばフォトカプラである。負荷95は例えば温度制御対象(例えば油)の温度を検出するアナログ方式の温度センサなどである。例えば制御CPUは、検出された温度に基づいて圧縮機モータの回転速度の指令値を求め、この指令値を制御部70へと絶縁回路96を介して出力する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、相互に矛盾しない限り、各実施の形態を適宜に組み合わせたり、変形、省略することが可能である。
4 負荷
21 第1電源回路
22 第2電源回路
51,52 迂回部
51a,52a 抵抗
51b,52b スイッチ素子
70 制御部
71,72 電圧検出部
C1 第3コンデンサ
C21 第1コンデンサ
C22 第2コンデンサ
LH,LL 電源線

Claims (12)

  1. 互いの間に直流電圧が印加される第1電源線(LH)及び第2電源線(LL)と、
    前記第1電源線及び前記第2電源線の間において互いに直列に接続される第1コンデンサ(C21)及び第2コンデンサ(C22)と、
    前記第1電源線および前記第2電源線の間に設けられる第3コンデンサ(C1)と、
    前記第1電源線および前記第2電源線と接続される負荷(4)と、
    前記第1コンデンサに印加される第1電圧が入力される第1電源回路(21)と、
    前記第2コンデンサに印加される第2電圧が入力される第2電源回路(22)と
    を備える、電源装置。
  2. 前記第1コンデンサ(C21)の両端の間に設けられ、前記第1電圧(V21)が第1の所定値を超えるときに、前記第1コンデンサを迂回して電流を流す第1迂回部(51)と、
    前記第2コンデンサ(C22)の両端の間に設けられ、前記第2電圧(V22)が第2の所定値を超えるときに、前記第2コンデンサを迂回して電流を流す第2迂回部(52)と
    を備える、請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記第1迂回部(51)は、前記第1コンデンサ(C21)の両端の間で互いに直列に接続される第1抵抗(51a)および第1スイッチ(51b)を有し、
    前記第2迂回部(52)は、前記第2コンデンサ(C22)の両端の間で互いに直列に接続される第2抵抗(52a)および第2スイッチ(52b)を有する、請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記第1電源回路(21)の入力電力と、前記第2電源回路(22)の入力電力との大小関係は、前記第1コンデンサ(C21)の静電容量と、前記第2コンデンサ(C22)の静電容量との大小関係と反対である、請求項2または3に記載の電源装置。
  5. 前記第1電源回路(21)の入力電力に対する前記第2電源回路(22)の入力電力の比は、前記第2コンデンサ(C22)の静電容量に対する前記第1コンデンサ(C21)の静電容量の比と等しい、請求項4に記載の電源装置。
  6. 前記第1コンデンサ(C21)の両端の間に設けられ、前記第1電圧が所定値を超えるときに、前記第1コンデンサ(C21)を迂回して電流を流す迂回部(51)を備え、
    前記第1電源回路(21)に入力する電流(I21)が前記第2電源回路(22)に入力する電流(I22)よりも小さくなるように、前記第1コンデンサおよび前記第2コンデンサ(C22)の静電容量が設定される、請求項1に記載の電源装置。
  7. 前記第1電源線(LH)および前記第2電源線(LL)の間において、前記第1コンデンサ(C21)および前記第2コンデンサ(C22)と直列に接続され、前記第1電源線に近い側にアノードを有するダイオード(D1)を更に備える、請求項4から6のいずれか一つに記載の電源装置。
  8. 前記第2電圧(V22)を検出する電圧検出部(72)と、
    前記第1スイッチ(51a)および前記第2スイッチ(52b)を制御する放電制御部(70)と、
    交流電圧を入力し、前記交流電圧を変換して前記第1電源線(LH)および前記第2電源線(LL)の間に直流電圧を出力する整流器(1)と
    を備え、
    前記第2電源回路(52)は前記負荷(4)を制御する制御部(32)へと電源を供給し、
    前記放電制御部は、前記整流器によって供給される直流電圧が所定電圧よりも低下した以後に、前記第2電圧が、前記第2電源回路(22)の動作に要する電圧の最小値を下回らないように、前記第2スイッチ(52b)をオフに維持しつつ前記第1スイッチ(51b)のオン/オフを制御する、請求項3に記載の電源装置。
  9. 前記放電制御部(70)は、前記整流器(1)によって供給される直流電圧が前記所定電圧よりも低下した以後に、前記第2電圧(V22)が、前記第2電源回路(22)の動作に要する電圧の最大値に近づくように前記第1スイッチ(51b)のオン/オフを制御する、請求項8に記載の電源装置。
  10. 前記第1電圧(V21)および前記第2電圧(V22)の和を検出する電圧検出部(71)を備え、
    前記放電制御部(70)は、前記第1電圧および前記第2電圧の和が、前記第2電源回路(22)の動作に要する電圧の最大値よりも小さくなるときに、前記第1スイッチ(51b)をオンに維持する、請求項8または9に記載の電源装置。
  11. 前記放電制御部(70)は、前記整流器(1)によって供給される直流電圧が前記所定電圧よりも低下してから所定時間が経過したときに、前記第1スイッチ(51b)および前記第2スイッチ(52b)の両方をオンに維持する、請求項8から10のいずれか一つに記載の電源装置。
  12. 前記第1電源回路(21)または前記第2電源回路(22)は非絶縁型の電源回路である、請求項1から11のいずれか一つに記載の電源装置。
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