JP2016021488A - 固体撮像素子 - Google Patents

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松川 望
Nozomi Matsukawa
望 松川
吉井 重雄
Shigeo Yoshii
重雄 吉井
原田 充
Mitsuru Harada
充 原田
井上 恭典
Yasunori Inoue
恭典 井上
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Abstract

【課題】高精度かつ高感度の多色センシングが可能な固体撮像素子を提供する。
【解決手段】画素1A及び1Bを含む固体撮像素子100であって、画素1Aは、シリコン基板10、配線層20、下部電極30A、第1の波長帯域の光を光電変換する光電変換膜40、上部電極50、第1の波長帯域の光を透過する透過膜71A、及び入射光のうち第1の波長帯域の光を選択的に透過させる波長フィルタ81Aをこの順で備える。また、画素1Bは、シリコン基板10、配線層20、下部電極30B、光電変換膜40、上部電極50、第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を第1の波長帯域の光に変換して出射する波長変換膜72B、及び入射光のうち第2の波長帯域の光を選択的に透過させる波長フィルタ82Bをこの順で備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像素子に関する。
従来の固体撮像素子では、半導体基板に形成されたフォトダイオードで入射光に応じた信号電荷が生成され、当該信号電荷が画像信号に変換される。また、カラー画像を得る構成として、入射光を、R(赤色)、G(緑色)、及びB(青色)の3原色成分に分離するカラーフィルタなどがフォトダイオード上に設けられた構成が挙げられる。
特許文献1に開示された固体撮像素子では、青色成分に対する感度を高めるべく、フォトダイオードの入射光側に波長変換部が設けられている。波長変換部は、青色波長域を吸収し、当該青色波長域よりも長波長側の波長域で発光する。また、フォトダイオードは、入射した青色光よりも長波長域に高感度域を有する。これにより、特許文献1に開示された固体撮像素子は、青感度を高めることが可能となる。
特開平10−150177号公報
しかしながら、特許文献1に開示された固体撮像素子では、半導体基板の表面に形成されたフォトダイオードと波長変換部との間に、ゲート電極、配線及び層間膜で形成された配線層が介在するため、当該配線層による遮光及び当該配線層での迷光が生じる。これにより、隣接画素間でのクロストークが増大する。また、クロストークを低減させるため、隣接画素間に遮光膜が設けられているが、当該遮光膜の配置により入射光を受光する波長変換部の面積が制限され、光の取り込み角度が制限される。つまり、隣接画素間でのクロストークの低減と光の取り込み角度の確保とを両立させることは困難であり、高精度かつ高感度な多色センシングは困難である。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、高精度かつ高感度の多色センシングが可能な固体撮像素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る固体撮像素子は、複数の画素が配置された固体撮像素子であって、前記複数の画素は、第1の画素と第2の画素とを含み、前記第1の画素は、基板と、前記基板の上に形成された配線層と、前記配線層の上に形成された第1の下部電極と、前記第1の下部電極の上に形成され、第1の波長帯域の光を光電変換する光電変換部と、前記光電変換部の上に形成された第1の上部電極と、前記第1の上部電極の上方に形成され、前記第1の波長帯域の光を透過する透過部と、前記透過部の上方に形成され、入射光のうち前記第1の波長帯域の光を選択的に透過させる第1の波長フィルタとを備え、前記第2の画素は、前記基板と、前記基板の上に形成された前記配線層と、前記配線層の上に形成された第2の下部電極と、前記第2の下部電極の上に形成された前記光電変換部と、前記光電変換部の上に形成された前記第2の上部電極と、前記第2の上部電極の上方に形成され、前記第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を第1の波長帯域の光に変換して出射する波長変換部と、前記波長変換部の上方に形成され、前記入射光のうち前記第2の波長帯域の光を選択的に透過させる第2の波長フィルタとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、高精度かつ高感度の多色センシングが可能な固体撮像素子を提供することが可能となる。
実施の形態1に係る固体撮像素子の構造を示す断面図である。 実施の形態に係る固体撮像素子の多色センシングの原理を説明する図である。 実施の形態1に係る波長変換膜及び光電変換膜の光学特性の一例を表す図である。 実施の形態2に係る固体撮像素子の構造を示す断面図である。 実施の形態2の変形例に係る固体撮像素子の構造を示す断面図である。 実施の形態3に係る固体撮像素子の構造の第一例を示す断面図である。 実施の形態3に係る固体撮像素子の構造の第二例を示す断面図である。 実施の形態3に係るリブの構造を示す斜視図である。 実施の形態3に係る固体撮像素子の多色センシングの原理を説明する図である。 実施の形態4に係る固体撮像素子の構造の第一例を示す断面図である。 実施の形態4に係る固体撮像素子の構造の第二例を示す断面図である。 実施の形態4に係る固体撮像素子が奏する効果を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本実施の形態に係る固体撮像素子の詳細を説明する。なお、以下の実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものであり、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定するものではない。
(実施の形態1)
[固体撮像素子の構成]
図1は、実施の形態1に係る固体撮像素子の構造を示す断面図である。同図に示すように、固体撮像素子100は、画素1Aと画素1Bとを備える。
画素1Aは、シリコン基板10と、配線層20と、下部電極30Aと、光電変換膜40と、上部電極50と、透過膜71Aと、波長フィルタ81Aと、マイクロレンズ90Aとを備えた第1の画素である。また、画素1Bは、シリコン基板10と、配線層20と、下部電極30Bと、光電変換膜40と、上部電極50と、波長変換膜72Bと、波長フィルタ82Bと、マイクロレンズ90Bとを備えた第2の画素である。
シリコン基板10は、画素1A及び画素1Bに共通して配置されている。なお、図示していないが、シリコン基板10は、光電変換膜40で生成された信号電荷を蓄積する電荷蓄積ノード、電荷蓄積ノードに蓄積された信号電荷を増幅する増幅トランジスタ、及び電荷蓄積ノードをリセットするリセットトランジスタなどを含む。
配線層20は多層配線構造を有し、シリコン基板10上において画素1A及び画素1Bに共通して形成されている。配線層20は、下部電極30A及び下部電極30Bとシリコン基板10の電荷蓄積ノードとを電気的に接続し、光電変換膜40で生成された信号電荷を電荷蓄積ノードに伝達する。層間絶縁膜は、例えば、シリコン酸化膜である。
下部電極30A及び30Bは、配線層20の上であって、互いに分離形成されている。これにより、画素1A内の光電変換膜40で生成された信号電荷は、下部電極30Aで集電されて配線層20へ伝達される。また、画素1B内の光電変換膜40で生成された信号電荷は、下部電極30Bで集電されて配線層20へ伝達される。下部電極30Aと下部電極30Bとは、例えば、銅、アルミニウム、チタン、タンタルからなる金属層をリソグラフィ技術にてパターニングすることにより、同一層に形成される。
光電変換膜40は、下部電極30A及び下部電極30Bの上であって、画素1A及び画素1Bに共通して形成され、第1の波長帯域の光を光電変換する光電変換部である。つまり、光電変換膜40が複数の画素で連続形成されているため、画素間で光電変換膜の材料及び形状を同一にできる。よって、光電変換膜40の上層において不要な段差が発生しないので、簡素化された製造工程により光学精度を向上させることが可能となる。
光電変換膜40に用いる材料としては、光電変換効率が高い有機材料または無機材料など、あらゆる材料を用いることができる。特に、有機材料により光電変換膜を形成した場合、受光すべき入射光の波長帯域に応じて最適材料を選択することも可能である。この場合であっても、光電変換膜の膜厚や形状を画素ごとに調整する必要がない。このため、画素間で、波長帯域に対応させて光電変換膜及びその周辺のマイクロレンズ及びカラーフィルタなどの形状を変化させる必要がない。
上部電極50は、光電変換膜40の上であって、画素1A及び画素1Bに共通して形成されている。上部電極50は、上方から入射する光を下方に配置された光電変換膜40へ損失なく入射させるため、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)、SnO(酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)等からなる透明電極が用いられる。なお、上部電極50は、画素1A及び画素1Bに共通して形成されていなくてもよい。画素1Aが第1の上部電極を備え、画素1Bが当該第1の上部電極とは独立に形成された第2の上部電極を備えてもよい。
封止膜60は、下方に配置された光電変換膜40等の吸湿及び酸化を防止する保護膜である。なお、封止膜60はなくてもよく、本実施の形態に係る固体撮像素子100の必須構成要素ではない。
透過膜71Aは、画素1A内の上部電極50の上方であって封止膜60の上に形成され、第1の波長帯域の光を透過する透過部である。透過膜71Aは、第1の波長帯域の光を低損失で透過させる膜であればよく、さらに、第1の波長帯域以外の光の透過及び遮断は問わない。
波長変換膜72Bは、画素1B内の上部電極50の上方であって封止膜60の上に形成され、第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を第1の波長帯域の光に変換して出射する波長変換部である。波長変換膜72Bは、例えば、蛍光顔料を含む蛍光発光膜である。
波長フィルタ81Aは、透過膜71Aの上方に形成され、入射光のうち第1の波長帯域の光を選択的に透過させる第1の波長フィルタである。波長フィルタ82Bは、波長変換膜72Bの上方に形成され、入射光のうち第2の波長帯域の光を選択的に透過させる第2の波長フィルタである。
マイクロレンズ90Aは、波長フィルタ81Aの上方に配置され、入射光を画素1A内に集光する第1の集光素子である。マイクロレンズ90Bは、波長フィルタ82Bの上方に配置され、入射光を画素1B内に集光する第2の集光素子である。
上記構成により、マイクロレンズ90A及び90Bならびに波長フィルタ81A及び82Bを介して入射した光により、光電変換膜40では電子正孔対が発生する。なお、光電変換膜40が、例えば代表的な有機光電変換材料であるP3HT(Regioregular (Poly(3−hexylthiophene−2,5−diyl)))/PCBM60([6,6]−phenyl C61 butyric acid methyl ester)を含む光電変換膜であり、上部電極50がn型の導電体(ITOなど)である場合、上部電極50には正のバイアス電圧が印加されている。ここで、発生した電子正孔対のうち、正孔が下部電極30A及び30Bへ移動する。上記正孔は、画素ごとに下部電極30A及び30Bで集められ、配線層20を介してシリコン基板10内の電荷蓄積ノードに蓄積される。
[多色センシングの原理]
図2は、実施の形態1に係る固体撮像素子の多色センシングの原理を説明する図である。同図には、固体撮像素子100の断面図とともに、固体撮像素子100が有する各構成要素の光学特性が示されている。
まず、画素1Aの受光特性について説明する。マイクロレンズ90Aで集光された光が波長フィルタ81Aに入射する。波長フィルタ81Aは、波長λを中心波長とする第1の波長帯域(λ〜λ)の光を選択的に透過させ、それ以外の帯域光を遮断する。波長フィルタ81Aを透過した光は、透過膜71Aを透過し、光電変換膜40に入射する。ここで、光電変換膜40は、第1の波長帯域を含む帯域の光を光電変換する。よって、画素1Aでは、画素1Aに入射した光のうち、第1の波長帯域(λ〜λ)の光を、高感度に光電変換する。
次に、画素1Bの受光特性について説明する。マイクロレンズ90Bで集光された光が波長フィルタ82Bに入射する。波長フィルタ82Bは、波長λ(<λ)を中心波長とする第2の波長帯域の光を選択的に透過させ、それ以外の帯域光を遮断する。波長フィルタ82Bを透過した光は、波長変換膜72Bに入射する。ここで、波長変換膜72Bは、第2の波長帯域の光を吸収し、これにより、第2の波長帯域よりも長波長側にある第1の波長帯域の光を発光する。よって、波長変換膜72Bに入射した第2の波長帯域の光は、波長変換膜72Bにより、第1の波長帯域の光へと波長変換されて光電変換膜40に入射する。ここで、光電変換膜40は、波長λ(<λ)を中心波長とする第2の波長帯域の光に対して光電変換感度を有さないが、第1の波長帯域を含む帯域の光を光電変換する。よって、画素1Bは、画素1Bに入射した光のうち第2の波長帯域の光を、高感度に光電変換することが可能となる。
図3は、実施の形態1に係る波長変換膜及び光電変換膜の光学特性の一例を表す図である。
図3の(a)は、波長変換膜72Bの光吸収及び発光特性の一例を表すグラフである。図3の(a)の光学特性を示す波長変換膜72Bは、QTD([1,2,5]thiadiazolo[3,4−g]quinoxaline)及びMTPE(2,2−bis(4−methoxyphenyl)−1−phenylethene)で形成された蛍光色素分子(4,9−Bis{4−[2,2−bis(4−methoxyphenyl)−1−phenylvinyl]phenyl}[1,2,5]thiadiazolo−[3,4−g]quinoxaline)を含む(非特許文献1:Xiaobo Du,et al.,“Effect Non−doped Near Infrared Organic Light−Emitting Devices Based on Fluorophores with Aggregation−Induced Emission Enhancement”, Chemistry of Materials, vol.24,pp.2178−2185,2012.)。上記蛍光色素分子は有機材料であり、当該蛍光色素分子を含む波長変換膜72Bは、非導電性の波長変換部である。上記蛍光色素分子を含む波長変換膜72Bは、例えば440nm〜700nmの波長帯域の光を吸収し、650nm〜1000nmの近赤外光を発光する。
図3の(b)は、バイアス電圧を変化させたときの光電変換膜40の変換効率特性の一例を表すグラフである。図3の(b)の変換効率特性を示す光電変換膜40は、p型有機半導体であるDaSQ(Diguajazulenesquaraine)とn型有機半導体であるフラーレン誘導体(PCBM)とで生成されたBHJ(バルクヘテロ接合)膜であり、有機材料を含む光電変換部である(非特許文献2:F.Arca,et al.,“Near−Infrared Organic Photodiodes”, IEEE Quantum Electronics, vol.49,no.12,pp.1016−1025,Dec.2013.)。上記BHJ膜を含む光電変換膜40は、概ね650nm〜900nmの近赤外光を光電変換することが可能である。
図3の(c)は、上記波長変換膜72Bの発光特性及び上記光電変換膜40の変換効率特性を重ね合わせたグラフである。つまり、第1の波長帯域を650nm〜1000nmとし、第2の波長帯域を440nm〜700nmとすることにより、固体撮像素子100は、440nm〜1000nmまでの広帯域の光を受光することが可能となる。よって、高精度かつ高感度な広帯域センシングが可能となる。
なお、本実施の形態に係る画素1A及び1Bにおいて、第1の波長帯域及び第2の波長帯域は、図3に示された波長帯域650nm〜1000nm及び440nm〜700nmに限定されない。例えば、第1の波長帯域及び第2の波長帯域は、可視光領域に限らず、赤外領域または紫外領域であってもよい。また、波長変換膜72B及び光電変換膜40は、センシングする波長帯域に応じて、適宜材料選択すればよい。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る固体撮像素子200は、実施の形態1に係る固体撮像素子100と比較して、波長変換膜が透過膜を兼ねる点が構成として異なる。以下、固体撮像素子200について、固体撮像素子100と同じ点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
[固体撮像素子の構成]
図4は、実施の形態2に係る固体撮像素子の構造を示す断面図である。同図に示すように、固体撮像素子200は、画素2Aと画素2Bとを備える。
画素2Aは、シリコン基板10と、配線層20と、下部電極30Aと、光電変換膜40と、波長変換膜73と、波長フィルタ81Aと、マイクロレンズ90Aとを備えた第1の画素である。また、画素2Bは、シリコン基板10と、配線層20と、下部電極30Bと、光電変換膜40と、波長変換膜73と、波長フィルタ82Bと、マイクロレンズ90Bとを備えた第2の画素である。
シリコン基板10は、画素2A及び画素2Bに共通して配置されている。
配線層20は、シリコン基板10上であって画素2A及び画素2Bに共通して形成され、配線、配線の層間を接続するプラグ、及び隣接する配線間に充填された層間絶縁膜が形成された多層配線構造を有する。
下部電極30A及び30Bは、配線層20の上であって、互いに分離形成されている。これにより、画素2A内の光電変換膜40で生成された信号電荷は、下部電極30Aで集電されて配線層20へ伝達される。また、画素2B内の光電変換膜40で生成された信号電荷は、下部電極30Bで集電されて配線層20へ伝達される。
光電変換膜40は、下部電極30A及び下部電極30Bの上であって、画素2A及び画素2Bに共通して形成され、第1の波長帯域の光を光電変換する光電変換部である。本実施の形態に係る光電変換膜40は、例えば、有機材料であるアズレノシアニン(Azulenocyanine)を含む光電変換部である(非特許文献3:Atsuya Muranaka,et al.,“Azulenocyanine:A New Family of Phthalocyanines with Intense Near−IR Absorption”, Journal of the American Chemical Society, vol.132,pp.7844−7845,2010.)。上記アズレノシアニンをp型有機半導体として含む光電変換膜40は、900nm〜1100nmの近赤外域において、光電変換効率を有する。
また、本実施の形態に係る光電変換膜40は、例えば、有機材料である拡張型フタロシアニン類縁体を含む光電変換部である(非特許文献4:Osamu Matsushita,et al.,“Rectangular−Shaped Expanded Phthalocyanines with Two Central Metal Atoms”, Journal of the American Chemical Society, vol.134,pp.3411−3418,2012.)。上記拡張型フタロシアニン類縁体をp型有機半導体として含む光電変換膜40は、900nm〜1100nmの近赤外域において、光電変換効率を有する。
波長変換膜73は、光電変換膜40の上であって、画素2A及び画素2Bに共通して形成されている。波長変換膜73は、第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を第1の波長帯域の光に変換して出射し、また、第1の波長帯域の光を透過する波長変換部である。さらに、波長変換膜73は、下部電極30A及び30Bとの間にバイアス電圧を印加する上部電極としての機能を兼ねるため導電性を有する。また、波長変換膜73は、上方から入射する光を下方に配置された光電変換膜40へ損失なく入射させる透明電極である。波長変換膜73は、例えば、ペロブスカイト構造のCsCnIを含む蛍光発光膜である(非特許文献5:In Chung,et al.,“CsCnI:Semiconductor or Metal? High Electrical Conductivity and Strong Near−Infrared Photoluminescence from a Single Material. High Hole Mobility and Phase−Transitions”, Journal of the American Chemical Society, vol.134,pp.8579−8587,2012.)。上記ペロブスカイト構造のCsCnIは無機材料かつ高導電性を有し、当該CsCnIを含む波長変換膜73は、高導電性の波長変換部である。波長変換膜73は、900nm以下の波長帯域の光を吸収し、900nm〜1100nmの近赤外光を発光する。
つまり、本実施の形態に係る固体撮像素子200において、実施の形態1に係る固体撮像素子100と比較すると、画素1Aの備える第1の上部電極(上部電極50)、画素1Bの備える第2の上部電極(上部電極50)、画素1Aの備える透過膜71A及び画素1Bの備える波長変換膜72Bが、波長変換膜73として同一材料で一体的に形成されている。言い換えれば、本実施の形態に係る波長変換膜73は、実施の形態1に係る上部電極50、透過膜71A及び波長変換膜72Bの機能を兼備している。
上記構成により、マイクロレンズ90A及び90Bならびに波長フィルタ81A及び82Bを介して入射した光により、光電変換膜40では電子正孔対が発生する。波長変換膜73にはバイアス電圧が印加されている。ここで、発生した電子正孔対のうち、バイアス電圧が正の場合には正孔が下部電極30A及び30Bへ移動する。負の場合には電子が下部電極30A及び30Bに移動する。上記正孔もしくは電子は、画素ごとに下部電極30A及び30Bで集められ、配線層20を介してシリコン基板10内の電荷蓄積ノードに蓄積される。
例えば、ペロブスカイト構造のCsCnIを含む波長変換膜73と、アズレノシアニンまたは拡張型フタロシアニン類縁体を含む光電変換膜40とを組み合わせ、第1の波長帯域を900nm〜1100nmとし、第2の波長帯域を900nm以下とする。これにより、固体撮像素子200は、可視光帯域から近赤外帯域までの広帯域の光を受光することが可能となる。よって、高精度かつ高感度な広帯域センシングが可能となる。
また、本実施の形態に係る固体撮像素子200では、波長変換膜73が上部電極を兼ねているので、波長変換後の光が光電変換膜40に到達するまでの光路を短縮できるため、隣接画素間での迷光を抑制できクロストークを低減できる。さらに、実施の形態1に係る固体撮像素子100と比較して、上部電極50及び透過膜71Aの形成工程を省略できるので、製造工程の簡素化を図ることができる。
また、波長変換膜73が画素2A及び画素2Bに共通に設けられているので、屈折率や誘電率や光路長の違いを光学設計で補正する必要が無く、光学特性が画素毎にばらつきにくい。
なお、固体撮像素子200では、波長変換膜73が画素2A及び2Bの上部電極の機能を有するものとしたがこれに限られない。
図5は、実施の形態2の変形例に係る固体撮像素子の構造を示す断面図である。同図に示すように、固体撮像素子250は、画素12Aと画素12Bとを備える。
画素12Aは、画素2Aと比較して、波長変換膜73の代わりに、上部電極50と封止膜60と波長変換膜74とが積層された構造を有している。画素12Bは、画素2Bと比較して、波長変換膜73の代わりに、上部電極50と封止膜60と波長変換膜74とが積層された構造を有している。なお、上部電極50は、画素12A及び画素12Bに共通して形成されていなくてもよい。画素12Aが第1の上部電極を備え、画素12Bが当該第1の上部電極とは独立に形成された第2の上部電極を備えてもよい。また、封止膜60はなくてもよく、本変形例に係る固体撮像素子250の必須構成要素ではない。
波長変換膜74は、上部電極50の上方であって封止膜60の上に形成され、第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を第1の波長帯域の光に変換して出射し、また、第1の波長帯域の光を透過する波長変換部である。よって、波長変換膜74は、波長変換膜72Bまたは73と同じ材料であってもよい。
つまり、本実施の形態の変形例に係る固体撮像素子250において、実施の形態1に係る固体撮像素子100と比較すると、画素1Aの備える透過膜71A及び画素1Bの備える波長変換膜72Bが、波長変換膜74として同一材料で一体的に形成されている。言い換えれば、本実施の形態に係る波長変換膜74は、実施の形態1に係る透過膜71A及び波長変換膜72Bの機能を兼備している。
本変形例によれば、固体撮像素子250は、可視光帯域から近赤外帯域までの広帯域の光を受光することが可能となる。よって、高精度かつ高感度な広帯域センシングが可能となる。
さらに、実施の形態1に係る固体撮像素子100と比較して、透過膜71Aの形成工程を省略できるので、製造工程の簡素化を図ることができる。
また、波長変換膜74が画素12A及び画素12Bに共通に設けられているので、光学特性が画素毎にばらつきにくい。
なお、本実施の形態に係る画素2A、2B、12A及び12Bにおいて、第1の波長帯域及び第2の波長帯域は、上述した波長帯域900nm〜1100nm及び900nm以下に限定されない。例えば、第1の波長帯域及び第2の波長帯域は、可視光領域に限らず、赤外領域または紫外領域であってもよい。また、波長変換膜73及び74、ならびに光電変換膜40は、センシングする波長帯域に応じて、適宜材料選択すればよい。
(実施の形態3)
本実施の形態に係る固体撮像素子300A及び300Bは、波長変換層で波長変換された光が、より低損失かつ高効率に光電変換膜40へ入射されるための構成を有する。以下、固体撮像素子300A及び300Bについて、固体撮像素子100と同じ点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
[固体撮像素子の構成]
図6Aは、実施の形態3に係る固体撮像素子の構造の第一例を示す断面図であり、図6Bは、実施の形態3に係る固体撮像素子の構造の第二例を示す断面図である。
図6Aに示すように、固体撮像素子300Aは、画素3Aと画素3Bとを備える。画素3Aは、シリコン基板10(図6Aに図示せず)と、配線層20(図6Aに図示せず)と、下部電極30Aと、光電変換膜40と、上部電極50と、封止膜60と、透過膜71Aと、波長フィルタ81Aと、マイクロレンズ90Aとを備えた第1の画素である。また、画素3Bは、シリコン基板10(図6Aに図示せず)と、配線層20(図6Aに図示せず)と、下部電極30Bと、光電変換膜40と、上部電極50と、封止膜60と、波長変換膜72Bと、誘電体フィルタ83Bと、波長フィルタ82Bと、マイクロレンズ90Bとを備えた第2の画素である。
誘電体フィルタ83Bは、波長変換膜72Bと波長フィルタ82Bとの間に配置され、第1の波長帯域の光を反射し第2の波長帯域の光を透過させる帯域通過フィルタである。誘電体フィルタ83Bは、誘電体材料で形成され、波長フィルタ82Bと比較して、通過帯域において低挿入損失、遮断帯域において高減衰、かつ急峻な帯域通過(遮断)特性を有する。
また、図6Bに示すように、固体撮像素子300Bは、画素4Aと画素4Bとを備える。画素4Aは、画素3Aと同じ構成である。また、画素4Bは、画素3Bと比較して、誘電体フィルタ84Bの配置位置のみが異なる。
誘電体フィルタ84Bは、波長フィルタ82Bとマイクロレンズ90Bとの間に配置され、第1の波長帯域の光を反射し第2の波長帯域の光を透過させる帯域通過フィルタである。誘電体フィルタ84Bは、誘電体材料で形成され、波長フィルタ82Bと比較して、通過帯域において低挿入損失、遮断帯域において高減衰、かつ急峻な帯域通過(遮断)特性を有する。
なお、固体撮像素子300Aは、さらに、画素3A、3B、4A及び4Bの周囲であって、波長フィルタ81Aと波長フィルタ82Bとの間、及び、透過膜71Aと波長変換膜72Bとの間に配置されたリブ92を備える。リブ92は、第1の波長帯域の光及び第2の波長帯域の光を反射する隔壁部材である。
図6Cは、実施の形態3に係るリブの構造を示す斜視図である。同図に示すように、リブ92は、平面視において各画素を取り囲むように、光の入射方向に沿って形成された側壁である。また、リブ92は、その断面形状が下方ほど幅広な形状となっており、上方から下方へ入射してきた光がリブ側面で反射して画素中央へ集光し易い構造となっている。リブ92により、隣接画素間でのクロストークを低減できる。また、従来の固体撮像素子のように隣接画素間に遮光膜が配置された構成と比較して、隣接画素間を省スペース化できる。よって、各画素における受光面積(光電変換膜の形成面積)を大きく確保できるので、光の取り込み角度を大きく確保できる。
[多色センシングの原理]
図7は、実施の形態3に係る固体撮像素子の多色センシングの原理を説明する図である。同図には、固体撮像素子300Aの断面図とともに、固体撮像素子300Aが有する各構成要素の光学特性が示されている。
画素3Aの受光特性については、画素1Aの受光特性と同じであるため、詳細な説明は省略する。画素3Aでは、画素3Aに入射した光のうち、第1の波長帯域(λ〜λ)の光を高感度に光電変換する。
次に、画素3Bの受光特性について説明する。マイクロレンズ90Bで集光された光が波長フィルタ82Bに入射する。波長フィルタ82Bは、波長λ(<λ)を中心波長とする第2の波長帯域の光を選択的に透過させ、それ以外の帯域光を遮断する。波長フィルタ82Bを透過した光は、誘電体フィルタ83Bに入射する。ここで、誘電体フィルタ83Bは、第2の波長帯域の光を透過させる。よって、誘電体フィルタ83Bに入射した第2の波長帯域の光は、誘電体フィルタ83Bを透過して波長変換膜72Bに入射する。ここで、波長変換膜72Bは、第2の波長帯域の光を、第2の波長帯域よりも長波長側にある第1の波長帯域の光に変換して発光する。よって、波長変換膜72Bに入射した第2の波長帯域の光は、波長変換膜72Bにより、第1の波長帯域の光へと波長変換されて等方的に散乱する。
ここで、誘電体フィルタ83Bは、第1の波長帯域の光を反射する。よって、波長変換膜72Bで散乱した第1の波長帯域の光のうち、誘電体フィルタ83Bへ向かって上方へ出射した光は、誘電体フィルタ83Bで反射されて下方へ出射される。また、波長変換膜72Bで散乱した第1の波長帯域の光のうち、リブ92の側壁へ向かって出射した光は、当該側壁で反射される。その結果、波長変換膜72Bで散乱した第1の波長帯域の光は、殆どが下方に配置された光電変換膜40へと入射する。ここで、光電変換膜40は、波長λ(<λ)を中心波長とする第2の波長帯域の光に対して光電変換感度を有さないが、第1の波長帯域を含む帯域の光を光電変換する。よって、画素3Bは、画素3Bに入射した光のうち第2の波長帯域の光を高感度に光電変換することが可能となる。
なお、画素4Bが画素3Bと異なる点は、波長変換膜72Bで散乱した第1の波長帯域の光のうち、波長フィルタ82Bへ向かって上方へ出射した光が一部波長フィルタ82Bを透過した場合であっても誘電体フィルタ83Bで反射されて下方へ出射される点である。結果的には、波長変換膜72Bで散乱した第1の波長帯域の光は、殆どが下方に配置された光電変換膜40へと入射する。ここで、光電変換膜40は、波長λ(<λ)を中心波長とする第2の波長帯域の光に対して光電変換感度を有さないが、第1の波長帯域を含む帯域の光を光電変換する。よって、画素4Bは、画素4Bに入射した光のうち第2の波長帯域の光を高感度に光電変換することが可能となる。
上述した画素3A及び3B、ならびに、画素4A及び4Bの光センシング原理により、固体撮像素子300A及び300Bは、第1の波長帯域の光と第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光とを分離して受光することが可能となる。また、画素3B及び4Bに配置された誘電体フィルタ83B及び84B、ならびに、画素間に配置されたリブ92により、固体撮像素子100と比較して、第1の波長帯域及び第2の波長帯域を含む光を、より高精度かつより高感度に受光できる。
なお、本実施の形態に係る固体撮像素子300A及び300Bが備える誘電体フィルタ及びリブは、実施の形態2に係る固体撮像素子200に適用することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態に係る固体撮像素子400A及び400Bは、実施の形態1〜3に係る固体撮像素子と比較して、より画素間のクロストークを抑制した構成を有する。以下、固体撮像素子400A及び400Bについて、固体撮像素子300A及び300Bと同じ点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
[固体撮像素子の構成]
図8Aは、実施の形態4に係る固体撮像素子の構造の第一例を示す断面図であり、図8Bは、実施の形態4に係る固体撮像素子の構造の第二例を示す断面図である。
図8Aに示すように、固体撮像素子400Aは、画素5Aと画素5Bとを備える。画素5Aは、シリコン基板10(図8Aに図示せず)と、配線層20(図8Aに図示せず)と、下部電極30Aと、光電変換膜40と、上部電極50と、封止膜60と、導光路95Aと、透過膜71Aと、波長フィルタ81Aと、マイクロレンズ90Aとを備えた第1の画素である。また、画素5Bは、シリコン基板10(図8Aに図示せず)と、配線層20(図8Aに図示せず)と、下部電極30Bと、光電変換膜40と、上部電極50と、封止膜60と、導光路95Bと、波長変換膜72Bと、誘電体フィルタ83Bと、波長フィルタ82Bと、マイクロレンズ90Bとを備えた第2の画素である。
導光路95Aは、上部電極50と透過膜71Aとの間に形成され、透過膜71Aから出射された光を下方へ導く第1の導光路である。また、導光路95Bは、上部電極50と波長変換膜72Bとの間に形成され、波長変換膜72Bから出射された光を下方へ導く第2の導光路である。具体的には、導光路95A及び95Bは、第1の波長帯域の光を低損失で透過させる材料で構成され、上部電極50と波長変換膜72B及び透過膜71Aとの距離を確保する部材である。
また、図8Bに示すように、固体撮像素子400Bは、画素6Aと画素6Bとを備える。画素6Aは、画素5Aと同じ構成である。また、画素6Bは、画素5Bと比較して、誘電体フィルタ84Bの配置位置のみが異なる。
導光路96Aは、上部電極50と透過膜71Aとの間に形成され、透過膜71Aから出射された光を下方へ導く第1の導光路である。また、導光路96Bは、上部電極50と波長変換膜72Bとの間に形成され、波長変換膜72Bから出射された光を下方へ導く第2の導光路である。具体的には、導光路96A及び96Bは、第1の波長帯域の光を低損失で透過させる材料で構成され、上部電極50と波長変換膜72B及び透過膜71Aとの距離を確保する部材である。
ここで、図9を用いて、導光路95A(96A)及び95B(96B)の配置による効果を説明する。
図9は、実施の形態4に係る固体撮像素子が奏する効果を説明する図である。画素5Aでは、マイクロレンズ90Aに入射した光は、マイクロレンズ90Aで集光された後、波長フィルタ81A及び透過膜71Aにおいて下方へ直進的に進行し光電変換膜40の領域40Aで受光される。一方、画素5Bでは、マイクロレンズ90Aに入射した光は、マイクロレンズ90Aで集光された後、波長変換膜72Bにおいて全方向へと散乱する。ここで、導光路95Bが設けられていない場合、波長変換膜72Bから出射した光は拡散しつつ光電変換膜40へと到達する。この場合、光電変換膜40が受光する領域は、隣接する画素5Aの受光領域まで広がり領域40Aと重複する恐れがある。
これに対して、導光路95Bが設けられている場合、波長変換膜72Bから出射した光は拡散するが、導光路95Bにより光電変換膜40表面では下方への直進成分が支配的となる。これにより、画素5Bにおける光電変換膜40が受光する領域40Bは、画素5Aにおける領域40Aと重複しない。これにより、例えば、異なる表示色の光を受光する隣接画素において、混色を抑制できるので固体撮像素子の色解像度を向上させることが可能となる。
(効果など)
以上のように、上記実施の形態に係る固体撮像素子の一態様は、画素1A及び1Bを含む固体撮像素子100であって、画素1Aは、シリコン基板10と、シリコン基板10の上に形成された配線層20と、配線層20の上に形成された下部電極30Aと、下部電極30Aの上に形成され第1の波長帯域の光を光電変換する光電変換膜40と、光電変換膜40の上に形成された上部電極50と、上部電極50の上方に形成され第1の波長帯域の光を透過する透過膜71Aと、透過膜71Aの上方に形成され入射光のうち第1の波長帯域の光を選択的に透過させる波長フィルタ81Aとを備える。また、画素1Bは、シリコン基板10と、シリコン基板10の上に形成された配線層20と、配線層20の上に形成された下部電極30Bと、下部電極30Bの上に形成された光電変換膜40と、光電変換膜40の上に形成された上部電極50と、上部電極50の上方に形成され第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を第1の波長帯域の光に変換して出射する波長変換膜72Bと、波長変換膜72Bの上方に形成され入射光のうち第2の波長帯域の光を選択的に透過させる波長フィルタ82Bとを備える。
これによれば、入射光を受光する光電変換膜40が、シリコン基板10内、または、シリコン基板表面上に配置されておらず、シリコン基板10と離間して配置されている。つまり、光電変換膜40は、配線層20を介さずに入射光を受光する。これにより、入射光が光電変換膜40に到達するまでの光路を短縮できるので、隣接画素間での迷光を抑制できクロストークを低減できる。また、光電変換膜40の周辺に遮光膜を配置する必要がないので、光電変換膜40の開口を大きくとれる。よって、高精度かつ高感度なセンシングが可能となる。また、固体撮像素子100は、第1の波長帯域の光と第2の波長帯域の光とを分離して受光することが可能となる。これにより、固体撮像素子100は、第1の波長帯域及び第2の波長帯域を含む光を高精度かつ高感度に受光できる。例えば、第1の波長帯域が赤色波長帯域(600〜800nm)であり、第2の波長帯域が青色波長帯域(380〜500nm)である場合、固体撮像素子100は多色センシングが可能となる。
ここで、透過膜と波長変換膜とは、同一材料で一体的に形成されていてもよい。
これにより、例えば透過膜の形成工程を省略できるので、製造工程の簡素化を図ることができる。また、波長変換膜が第1の画素及び第2の画素に共通に設けられているので、光学特性が画素毎にばらつきにくい。
画素5A及び6Aは導光路95A及び96Aを、画素5B及び6Bは導光路95B及び96Bを備えてもよい。ここで導光路95A及び96Aは上部電極50と透過膜71Aとの間に形成され、透過膜71Aから出射された光を下方へ導く。導光路95B及び96Bは上部電極50と波長変換膜72Bとの間に形成され波長変換膜72Bから出射された光を下方へ導く。
これにより、波長変換膜72Bから出射した光は拡散するが、導光路95B及び96Bにより、光電変換膜40表面では下方への直進成分が支配的となる。このため、画素5B及び6Bにおける光電変換膜40が受光する領域40Bは、画素5A及び6Aが受光する領域40Aと重複しない。よって、例えば、異なる表示色の光を受光する隣接画素において、混色を抑制できるので、固体撮像素子の色解像度を向上させることが可能となる。
また、上部電極、透過膜及び波長変換膜は、同一材料で一体的に形成されていてもよい。
これにより、波長変換膜73が上部電極を兼ねていることになり、入射光が光電変換膜40に到達するまでの光路を短縮できるので、隣接画素間での迷光を抑制できクロストークを低減できる。また、光電変換膜40の周辺に遮光膜を配置する必要がないので、光電変換膜40の開口を大きくとれる。よって、高精度かつ高感度なセンシングが可能となる。さらに、固体撮像素子100と比較して、上部電極50及び透過膜71Aの形成工程を省略できるので、製造工程の簡素化を図ることができる。また、波長変換膜73が画素2A及び画素2Bに共通に設けられているので、光学特性が画素毎にばらつきにくい。
ここで、さらに、画素3Aと画素3Bとの間には、リブ92が設けられていてもよい。
これにより、隣接画素間でのクロストークを低減できる。また、従来の固体撮像素子のように隣接画素間に遮光膜が配置された構成と比較して、リブ92の配置によれば隣接画素間を省スペース化できる。よって、各画素における受光面積(光電変換膜40の形成面積)を大きく確保できるので、光の取り込み角度を大きく確保できる。
ここで、画素3Bは、波長フィルタ82Bと波長変換膜72Bとの間に配置され第1の波長帯域の光を反射し第2の波長帯域の光を透過させる誘電体フィルタ83Bを備えてもよい。また、画素4Bは、波長フィルタ82Bの上に配置され第1の波長帯域の光を反射し第2の波長帯域の光を透過させる誘電体フィルタ84Bを備えてもよい。
これにより、第1の波長帯域の光と第2の波長帯域の光とを分離して受光することが可能となる。また、画素1A及び1Bと比較して、第1の波長帯域及び第2の波長帯域を含む光を、より高精度かつより高感度に受光できる。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の固体撮像素子について、実施の形態1〜4に基づいて説明してきたが、本開示に係る固体撮像素子は、実施の形態1〜4に限定されるものではない。実施の形態1〜4における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態1〜4に対して本開示の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示に係る固体撮像素子を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
例えば、実施の形態3に係る固体撮像素子300A及び300Bが備える誘電体フィルタ及びリブ92は、実施の形態2に係る固体撮像素子200に適用することが可能である。
すなわち、画素2Bは、シリコン基板10と、シリコン基板10の上に形成された配線層20と、配線層20の上に形成された下部電極30Bと、下部電極30Bの上に形成された光電変換膜40と、光電変換膜40の上に形成された波長変換膜73と、波長変換膜73の上に形成された誘電体フィルタ83Bと、誘電体フィルタ83Bの上に形成され入射光のうち第2の波長帯域の光を選択的に透過させる波長フィルタ82Bとを備えてもよい。また、画素2Bは、シリコン基板10と、シリコン基板10の上に形成された配線層20と、配線層20の上に形成された下部電極30Bと、下部電極30Bの上に形成された光電変換膜40と、光電変換膜40の上に形成された波長変換膜73と、波長変換膜73の上に形成され入射光のうち第2の波長帯域の光を選択的に透過させる波長フィルタ82Bと、波長フィルタ82Bの上に形成された誘電体フィルタ84Bとを備えてもよい。
また、固体撮像素子200は、画素2Aと画素2Bとの間に配置され、第1の波長帯域の光及び第2の波長帯域の光を反射するリブ92を備えてもよい。
これらにより、第1の波長帯域の光と第2の波長帯域の光とを分離して受光することが可能となる。また、画素1A及び1Bと比較して、第1の波長帯域及び第2の波長帯域を含む光を、より高精度かつより高感度に受光できる。また、隣接画素間でのクロストークを低減できる。また、従来の固体撮像素子のように隣接画素間に遮光膜が配置された構成と比較して、リブの配置によれば隣接画素間を省スペース化できる。よって、各画素における受光面積(光電変換膜40の形成面積)を大きく確保できるので、光の取り込み角度を大きく確保できる。
なお、上記実施の形態1〜4では、各構成要素がシリコン基板10を起点として順次積層された構成を説明したがこれに限られない。例えば、光電変換膜40、透過膜71Aならびに波長変換膜72B、73及び74は、膜形状ではなく、所定位置に配置される前にすでに成型されているシート状の素子またはバルク形状などであってもよい。
本発明は、特にデジタルスチルカメラやビデオカメラに有用であり、高精細かつ高画質のカラー画像や滑らかな動画像が必要な固体撮像装置及びカメラに用いるのに最適である。
1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、5B、6A、6B、12A、12B 画素
10 シリコン基板
20 配線層
30A、30B 下部電極
40 光電変換膜
40A、40B 領域
60 封止膜
71A 透過膜
72B、73、74 波長変換膜
81A、82B 波長フィルタ
83B、84B 誘電体フィルタ
90A、90B マイクロレンズ
92 リブ
95A、95B、96A、96B 導光路
100、200、250、300A、300B、400A、400B 固体撮像素子

Claims (6)

  1. 複数の画素が配置された固体撮像素子であって、
    前記複数の画素は、第1の画素と第2の画素とを含み、
    前記第1の画素は、
    基板と、
    前記基板の上に形成された配線層と、
    前記配線層の上に形成された第1の下部電極と、
    前記第1の下部電極の上に形成され、第1の波長帯域の光を光電変換する光電変換部と、
    前記光電変換部の上に形成された第1の上部電極と、
    前記第1の上部電極の上方に形成され、前記第1の波長帯域の光を透過する透過部と、
    前記透過部の上方に形成され、入射光のうち前記第1の波長帯域の光を選択的に透過させる第1の波長フィルタとを備え、
    前記第2の画素は、
    前記基板と、
    前記基板の上に形成された前記配線層と、
    前記配線層の上に形成された第2の下部電極と、
    前記第2の下部電極の上に形成された前記光電変換部と、
    前記光電変換部の上に形成された前記第2の上部電極と、
    前記第2の上部電極の上方に形成され、前記第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域の光を第1の波長帯域の光に変換して出射する波長変換部と、
    前記波長変換部の上方に形成され、前記入射光のうち前記第2の波長帯域の光を選択的に透過させる第2の波長フィルタとを備える、
    固体撮像素子。
  2. 前記透過部と前記波長変換部とは、同一材料で一体的に形成されている、
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記第1の画素は、さらに、
    前記上部電極と前記透過部との間に形成され、前記透過部から出射された光を下方へ導く第1の導光路を備え、
    前記第2の画素は、さらに、
    前記上部電極と前記波長変換部との間に形成され、前記波長変換部から出射された光を下方へ導く第2の導光路を備える、
    請求項1または2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記第1の上部電極、前記第2の上部電極、前記透過部及び前記波長変換部は、同一材料で一体的に形成されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  5. 前記第1の画素と前記第2の画素との間には、隔壁部材が設けられている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  6. 前記第2の画素は、さらに、
    前記第2の波長フィルタと前記波長変換部との間、または、前記第2の波長フィルタの上に配置され、前記第1の波長帯域の光を反射し前記第2の波長帯域の光を透過させる誘電体フィルタを備える、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
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