JP2016019446A - インバータの制御装置 - Google Patents

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Tomoyuki Goto
友幸 後藤
哲也 百武
Tetsuya Momotake
哲也 百武
亮祐 大杉
Ryosuke Osugi
亮祐 大杉
三浦 徹也
Tetsuya Miura
徹也 三浦
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Abstract

【課題】インバータを矩形波制御方式で制御する際に複数のスイッチング素子のスイッチングによる振動や騒音が大きくなるのを抑制する。【解決手段】モータ32を駆動するインバータ34を矩形波制御方式で制御するときには、トランジスタT11〜T16の各回のオン時間Tonおよび各回のオフ時間Toffが、回転子が電気角の180度回転するのに要する180度回転所要時間T180を中心とした所定時間範囲内で拡散するように、トランジスタT11〜T16をスイッチング制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータの制御装置に関し、詳しくは、回転子の極対数が値2以上のモータを複数のスイッチング素子のスイッチングにより駆動するインバータの制御装置に関する。
従来、この種のインバータの制御装置としては、三相の電動機の各相に矩形波電圧を印加して電動機を駆動する際には、電動機の各相に電気角の120度ずつ異なる矩形波電圧が印加されるように、インバータの各スイッチング素子を電気角の180度毎にスイッチングするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−74951号公報
上述のインバータの制御装置では、インバータの各スイッチング素子の各回のオン時間および各回のオフ時間は、モータの回転子が電気角の180度回転するのに要する時間となる。このため、モータの各相に流れる電流の、モータの回転子の回転に対する特定の次数の高調波成分が大きくなり、複数のスイッチング素子のスイッチングによる振動や騒音が大きくなることがあった。
本発明のインバータの制御装置は、インバータを矩形波制御方式で制御する際に複数のスイッチング素子のスイッチングによる振動や騒音が大きくなるのを抑制することを主目的とする。
本発明のインバータの制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のインバータの制御装置は、
回転子の極対数が値2以上のモータを複数のスイッチング素子のスイッチングにより駆動するインバータの制御装置であって、
前記インバータを矩形波制御方式で制御するときには、前記各スイッチング素子の各回のオン時間および各回のオフ時間が、前記回転子が電気角の180度回転するのに要する前記180度回転所要時間を中心とした所定時間範囲内で拡散するように、前記各スイッチング素子をスイッチング制御する、
ことを特徴とする。
この本発明のインバータの制御装置では、回転子の極対数(回転子の1回転当たりの電気角の周期数)が値2以上のモータを駆動するインバータを矩形波制御方式で制御するときには、インバータの各スイッチング素子の各回のオン時間および各回のオフ時間が、回転子が電気角の180度回転するのに要する180度回転所要時間を中心とした所定時間範囲内で拡散するように、各スイッチング素子をスイッチング制御する。ここで、「矩形波制御方式」は、矩形波電圧をモータに印加する制御方式である。こうした処理により、各スイッチング素子の各回のオン時間および各回のオフ時間が一律に180度回転所要時間となるように各スイッチング素子をスイッチング制御するものに比して、モータの各相に流れる電流の周波数成分がより広い周波数領域で発生するようにして、特定の次数の周波数成分(特に高調波成分)が大きくなるのを抑制することができる。この結果、複数のスイッチング素子のスイッチングによる振動や騒音が大きくなるのを抑制することができる。
こうした本発明のインバータの制御装置において、前記各スイッチング素子の、前記回転子の1回転当たりのオン時間の合計およびオフ時間の合計が、前記180度回転所要時間と極対数との積となるように、前記各スイッチング素子をスイッチング制御する、ものとすることもできる。こうすれば、回転子の回転変動が悪化することはない。
また、本発明のインバータの制御装置において、前記インバータを矩形波制御方式で制御するときには、前記回転子の回転数と前記極対数との積の2倍に第1乱数を乗じた値の逆数を前記各回のオン時間として設定し、前記回転子の回転数と前記極対数との積の2倍に第2乱数を乗じた値の逆数を前記各回のオフ時間として設定する、ものとすることもできる。この場合、前記第1,第2乱数を、それぞれ、前記極対数個の平均値が値1となるように、値1を中心とした所定乱数範囲(例えば0.9〜1.1など)内でランダムに設定する、ものとすることもできる。
さらに、本発明のインバータの制御装置において、前記各回のオン時間および前記各回のオフ時間のパターンを複数予め準備しておいて、前記インバータを矩形波制御方式で制御するときには、前記複数のパターンを組み合わせて前記各スイッチング素子をスイッチング制御する、ものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのインバータの制御装置を備える駆動装置20の構成の概略を示す構成図である。 インバータ34を矩形波制御方式で制御するときのモータ32の回転子の1回転当たりのモータ32のU−V相間電圧,トランジスタT11,T14,T12,T15の電気角θeとの関係の一例を示す説明図である。 変形例の手法を用いてインバータ34を矩形波制御方式で制御するときのモータ32の回転子の1回転当たりのモータ32のU−V相間電圧,トランジスタT11,T14,T12,T15の電気角θeとの関係の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのインバータの制御装置を備える駆動装置20の構成の概略を示す構成図である。実施例の駆動装置20は、電気自動車やハイブリッド自動車などに搭載され、図示するように、モータ32と、モータ32を駆動するためのインバータ34と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ36と、インバータ34が接続された電力ライン(以下、駆動電圧系電力ラインという)42とバッテリ36が接続された電力ライン(以下、電池電圧系電力ラインという)44とに接続されて駆動電圧系電力ライン42の電圧VHを調節すると共に駆動電圧系電力ライン42と電池電圧系電力ライン44との間で電力のやりとりを行なう昇圧コンバータ40と、駆動電圧系電力ライン42の正極母線と負極母線とに接続された平滑用のコンデンサ46と、電池電圧系電力ライン44の正極母線と負極母線とに接続された平滑用のコンデンサ48と、駆動装置全体をコントロールする電子制御ユニット50と、を備える。
モータ32は、永久磁石が埋め込まれた回転子と三相コイルが巻回された固定子とを備える周知の同期発電電動機として構成されている。なお、実施例では、モータ32の回転子の極対数は4とし、固定子に巻回されるコイルのスロット数は12とした。
インバータ34は、6つのスイッチング素子としてのトランジスタT11〜T16と、トランジスタT11〜T16に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16と、により構成されている。トランジスタT11〜T16は、駆動電圧系電力ライン42の正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータ32の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、インバータ34に電圧が作用している状態でトランジスタT11〜T16のオン時間の割合を調節することにより、三相コイルに回転磁界を形成でき、モータ32を回転駆動することができる。駆動電圧系電力ライン42の正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ46が接続されている。以下、トランジスタT11〜T13をU相,V相,W相の上アームと称し、トランジスタT14〜T16をU相,V相,W相の下アームと称することがある。
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU52の他に処理プログラムを記憶するROM54と、データを一時的に記憶するRAM56と、図示しない入出力ポートと、を備える。電子制御ユニット50には、モータ32の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ32aからのモータ32の回転子の回転位置θmや、モータ32の三相コイルの各相に流れる相電流を検出する電流センサからの相電流,バッテリ36の端子間に取り付けられた電圧センサからの端子間電圧Vb,バッテリ36の出力端子に取り付けられた電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ36に取り付けられた温度センサからの電池温度Tb,コンデンサ46の端子間に取り付けられた電圧センサからのコンデンサ46の電圧(駆動電圧系電力ライン42の電圧)VH,コンデンサ48の端子間に取り付けられた電圧センサからのコンデンサ48の電圧(電池電圧系電力ライン44の電圧)VL,その他、車両の駆動制御に必要な信号、例えば、イグニッションスイッチからのイグニッション信号,シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサからのシフトポジション,アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサからのアクセル開度,ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサからのブレーキペダルポジション,車速センサからの車速などが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット50からは、インバータ34のトランジスタT11〜T16へのスイッチング制御信号や昇圧コンバータ40の複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、電子制御ユニット50は、回転位置検出センサ32aにより検出されたモータ32の回転子の回転位置θmに基づいてモータ32の回転子の電気角θeや回転角速度ωm,回転数Nmを演算している。
こうして構成された実施例の駆動装置20では、電子制御ユニット50は、アクセル開度と車速とに応じてモータ32のトルク指令Tm*を設定し、設定したトルク指令Tm*でモータ32が駆動されるようにインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御する。また、駆動電圧系電力ライン42の電圧VHがモータ32のトルク指令Tm*および回転数Nmに応じた目標電圧VHtagとなるように昇圧コンバータ40の複数のスイッチング素子をスイッチング制御する。
ここで、インバータ34は、正弦波制御方式,過変調制御方式,矩形波制御方式のいずれかで制御するものとした。正弦波制御方式は、モータ32の電圧指令と三角波(搬送波)電圧との比較によってトランジスタT11〜T16のオン時間の割合を調節するパルス幅変調(PWM)制御方式のうち、三角波電圧の振幅以下の振幅の正弦波状の電圧指令を変換して得られる擬似的三相交流電圧をモータ32に印加する制御方式である。また、過変調制御方式は、パルス幅変調制御方式のうち、三角波電圧の振幅より大きな振幅の正弦波状の電圧指令を変換して得られる過変調電圧をモータ32に印加する制御方式である。さらに、矩形波制御方式は、三相の矩形波電圧をモータ32に印加する制御方式である。
インバータ34の制御方式は、駆動電圧系電力ライン42の電圧VHとモータ32の目標駆動点(回転数Nmおよびトルク指令Tm*)とインバータ34の制御方式との関係を予め定めて制御方式設定用マップとしてROM54に記憶しておき、駆動電圧系電力ライン42の電圧VHとモータ32の目標駆動点とが与えられると記憶したマップから対応するインバータ34の制御方式を導出して設定するものとした。インバータ34の制御方式は、モータ32の回転数Nmやトルク指令Tm*が小さい側から大きい側に向けて正弦波制御方式,過変調制御方式,矩形波制御方式となるよう定められており、且つ、駆動電圧系電力ライン42の電圧VHが高いほど矩形波制御方式と過変調制御方式との境界や過変調制御方式と正弦波制御方式との境界がモータ32の回転数Nmやトルク指令Tm*が大きい側に移行するように定められる。モータ32やインバータ34の特性として、矩形波制御方式,過変調制御方式,正弦波制御方式の順で、モータ32の出力応答性や制御性がよくなり、出力が小さくなり、インバータ34のスイッチング損失などの損失が大きくなることが分かっている。したがって、モータ32の目標駆動点が低回転数低トルクのときには、正弦波制御方式でインバータ34を制御することにより、モータ32の出力応答性や制御性を良くすることができる。また、モータ32の目標駆動点が高回転数高トルクのときには、矩形波制御方式でインバータ34を制御することにより、大出力を可能とすると共にインバータ34のスイッチング損失などの損失を低減することができる。正弦波制御方式や過変調制御方式については、本発明の中核をなさないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
インバータ34を矩形波制御方式で制御するときには、モータ32の各相の相電流などを用いて推定されるモータ32の出力トルクTmestとモータ32のトルク指令Tm*との差分が打ち消されるように電圧位相指令θs*を設定し、設定した電圧位相指令θs*に基づいて、モータ32に三相の矩形波電圧が印加されるように各トランジスタT11〜T16のスイッチング用電気角を設定し、設定した各トランジスタT11〜T16のスイッチング用電気角でトランジスタT11〜T16をスイッチングする。なお、各相の上アームと下アームとは、同時にオンしないようにペアでスイッチングされる。即ち、U相で見れば、上アーム(トランジスタT11)がオンのときには、下アーム(トランジスタT14)がオフとなり、下アームがオンのときには、上アームがオンとなる。したがって、スイッチング用電気角は、トランジスタT11〜T16のそれぞれについて設定するものとしてもよいし、上アーム(トランジスタT11〜T13)と下アーム(T14〜T16)とのうち一方だけについて設定するものとしてもよい。
ここで、各トランジスタT11〜T16のスイッチング用電気角は、実施例では、以下の手順で設定するものとした。以下、回転子の1回転(電気角の4周期)毎に、回転子の次の1回転におけるトランジスタT11の各スイッチング用電気角(オンからオフへの切替用が4つおよびオフからオンへの切替用が4つ)を設定する場合について説明する。なお、トランジスタT12,T13の各スイッチング用電気角は、トランジスタT11の各スイッチング用電気角と同様に設定することができ、トランジスタT14,T15,T16の各スイッチング用電気角は、それぞれ、トランジスタT11,T12,T13の各スイッチング用電気角を用いることができる。また、トランジスタT11〜T16の各スイッチング用電気角を設定する間隔やタイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、トランジスタT11〜T16のうち対となる2つ(例えばトランジスタT11,T14)のスイッチングを行なったときに、スイッチングを行なった2つのトランジスタの次回のスイッチング用電気角を設定するものなどとしてもよい。
トランジスタT11の各スイッチング用電気角の設定では、まず、次式(1)に示すように、モータ32の回転子の回転数Nm[rps]と極対数4(回転子の1回転当たりの電気角の周期数)との積の2倍を、回転子の次の1回転におけるトランジスタT11の各回のオン時用やオフ時用の中心周波数Fct[Hz]として設定する。この中心周波数Fctは、回転子が電気角の180度回転するのに要する時間としての180度回転所要時間T180の逆数に相当する。
Fct=Nm・4・2 (1)
続いて、次式(2)に示すように、回転子の次の1回転(電気角の4周期)におけるトランジスタT11の各回のオン時用の乱数Zon(1)〜Zon(4)を中心周波数Fctにそれぞれ乗じて、各回のオン時用の制御周波数Fon(1)〜Fon(4)を設定し、式(3)に示すように、制御用周波数Fon(1)〜Fon(4)のそれぞれの逆数を、各回のオン時間Ton(1)〜Ton(4)に設定する。ここで、各回のオン時用の乱数Zon(1)〜Zon(4)は、回転子の1回転当たりの平均即ち4つの平均が値1となるように、値1を中心とした所定乱数範囲(例えば、0.9〜1.1)内でランダムに設定される。したがって、各回のオン時間Ton(1)〜Ton(4)は、180度回転所要時間T180を中心とした所定時間範囲(所定乱数範囲に対応する時間範囲)内でランダムに設定され、各回のオン時間Ton(1)〜Ton(4)の合計としての合計オン時間Tonsumは、180度回転所要時間T180と極対数4との積(回転子の0.5回転に相当する時間)となる。
Fon(i)=Fct・Zon(i):(i=1〜4) (2)
Ton(i)=1/Fon(i):(i=1〜4) (3)
また、次式(4)に示すように、回転子の次の1回転におけるトランジスタT11の各回のオフ時用の乱数Zoff(1)〜Zoff(4)を中心周波数Fctにそれぞれ乗じて、各回のオフ時用の制御周波数Foff(1)〜Foff(4)を設定し、式(5)に示すように、制御用周波数Foff(1)〜Foff(4)のそれぞれの逆数を、各回のオフ時間Toff(1)〜Toff(4)に設定する。ここで、各回のオフ時用の乱数Zoff(1)〜Zoff(4)は、回転子の1回転当たりの平均即ち4つの平均が値1となるように、値1を中心とした所定乱数範囲(例えば、0.9〜1.1)内でランダムに設定される。したがって、各回のオフ時間Toff(1)〜Toff(4)は、180度回転所要時間T180を中心とした所定時間範囲内でランダムに設定され、各回のオフ時間Toff(1)〜Toff(4)の合計としての合計オフ時間Toffsumは、180度回転所要時間T180と極対数4との積となる。
Foff(j)=Fct・Zoff(j):(j=1〜4) (4)
Toff(j)=1/Foff(j):(j=1〜4) (5)
こうしてオン時間Ton(1)〜Ton(4)およびオフ時間Toff(1)〜Toff(4)を設定すると、この演算の直前のスイッチング用電気角とトランジスタT11が現在オンかオフかと各回のオン時間Ton(1)〜Ton(4)および各回のオフ時間Toff(1)〜Toff(4)とを用いて、トランジスタT11が現在オンのときには、オン時間Ton(1),オフ時間Toff(1),・・・,オフ時間Toff(4)となるように、回転子の次の1回転におけるトランジスタT11の各スイッチング用電気角を設定する。また、トランジスタT11が現在オフのときには、オフ時間Toff(1),オン時間Ton(1),・・・,オン時間Ton(4)となるように、回転子の次の1回転におけるトランジスタT11の各スイッチング用電気角を設定する。
図2は、インバータ34を矩形波制御方式で制御するときのモータ32の回転子の1回転当たりのモータ32のU−V相間電圧,トランジスタT11,T14,T12,T15の電気角θeとの関係の一例を示す説明図である。図中、実線は、実施例の場合を示し、点線は比較例の場合を示す。ここで、比較例としては、モータ32の三相に電気角の120度ずつ異なる矩形波電圧が供給されるようにトランジスタT11〜T16を電気角の180度毎にスイッチングする場合を考えるものとした。図2から、実施例の場合には、トランジスタT11〜T16の各回のオン時の電気角幅(以下、オン電気角幅という)や各回のオフ時の電気角幅(以下、オフ電気角幅という)を電気角の180度を中心に拡散させる、即ち、各回のオン時間Tonや各回のオフ時間Toffを180度所要時間を中心に拡散させることにより、U−V相間電圧Vuvが正の値となる時間や0となる時間,負の値となる時間が拡散することが分かる。これにより、トランジスタT11〜T16の各回のオン電気角幅や各回のオフ電気角幅を一律に180度とする、即ち、各回のオン時間Tonや各回のオフ時間Toffを一律に180度回転所要時間T180とする比較例に比して、モータ32の各相に流れる電流の周波数成分がより広い周波数領域で発生するようにして、特定の次数の周波数成分(特に高調波成分)が大きくなるのを抑制することができる。この結果、トランジスタT11〜T16のスイッチングによる振動や騒音が大きくなるのを抑制することができる。
実施例では、回転子の極対数が4で且つ固定子に巻回されるコイルのスロット数が12のときを考えている。この場合、モータ32の各相に流れる電流の周波数成分としては、回転4次の基本波周波数(回転数Nmと極対数4との積)の成分と、モータ32の相数3の倍数を除く5以上の奇数(5,7,11,13,・・・)の4倍(極対数倍)の次数、即ち、回転20次,28次,44次,52次,・・・の高調波周波数の成分と、が大きくなりやすいことが分かっている。また、騒音レベルで見たときには、極対数4の2倍の8とスロット数12との公倍数の次数、即ち、回転24次や48次の成分が大きくなりやすいことが分かっている。さらに、騒音の加振力となる回転子−固定子間の電磁力Fは、磁束密度Bの2乗と磁路の断面積Sとの積を空気の透磁率μ0の2倍で除して求めることができるが、この電磁力Fの高調波成分は、電流の高調波周波数(回転20次,28次,44次,52次,・・・)プラスマイナス基本波周波数(回転4次)で大きくなりやすいことが分かっている。実施例では、トランジスタT11〜T16の各回のオン電気角幅や各回のオフ電気角幅を拡散させる、即ち、各回のオン時間Tonや各回のオフ時間Toffを拡散させることにより、電流で見たときに大きくなりやすい電流の高調波周波数(回転20次,28次,44次,52次,・・・)の成分を低減することができ、これにより、騒音や電磁力で見たときに大きくなりやすい高調波周波数の成分を低減することができる。この結果、トランジスタT11〜T16のスイッチングによる振動や騒音が大きくなるのを抑制することができる。
以上説明した実施例の駆動装置20が備えるインバータの制御装置によれば、インバータ34を矩形波制御方式で制御するときには、トランジスタT11〜T16の各回のオン時間Tonおよび各回のオフ時間Toffが、回転子が電気角の180度回転するのに要する180度回転所要時間T180を中心とした所定時間範囲内で拡散するように、トランジスタT11〜T16をスイッチング制御するから、トランジスタT11〜T16のスイッチングによる振動や騒音が大きくなるのを抑制することができる。しかも、トランジスタT11〜T16の、回転子の1回転当たりの合計オン時間Tonsumおよび合計オフ時間Toffsumが、180度回転所要時間T180と極対数との積となるように、トランジスタT11〜T16をスイッチング制御するから、回転子の回転変動が悪化することはない。
実施例の駆動装置20が備えるインバータの制御装置では、インバータ34を矩形波制御方式で制御するときにおいて、各回のオン時用の乱数Zon(1)〜Zon(4)は、回転子の1回転当たりの平均が値1となるように値1を中心とした所定乱数範囲内でランダムに設定されるものとしたが、単に、値1を中心とした所定乱数範囲内でランダムに設定されるものとしてもよい。同様に、実施例では、各回のオフ時用の乱数Zoff(1)〜Zoff(4)は、回転子の1回転当たりの平均が値1となるように値1を中心とした所定乱数範囲内でランダムに設定されるものとしたが、単に、値1を中心とした所定乱数範囲内でランダムに設定されるものとしてもよい。
実施例の駆動装置20が備えるインバータの制御装置では、インバータ34を矩形波制御方式で制御するときのトランジスタT11〜T16の各回のオン時間Tonおよびオフ時間Toffは、回転子の回転数Nmと極対数と乱数Zon,Zoffとを用いて設定することによって拡散させるものとしたが、各回のオン時間Tonおよび各回のオフ時間Toffのパターンを複数(例えば、3〜7程度)予め準備しておいて、この複数のパターンをランダムの順番で組み合わせることによって拡散させるものとしてもよい。図3は、この変形例の手法によりインバータ34を矩形波制御方式で制御するときのモータ32の回転子の1回転当たりのモータ32のU−V相間電圧,トランジスタT11,T14,T12,T15の電気角θeとの関係の一例を示す説明図である。この図3では、U−V相間電圧の周期を360度とする(トランジスタT11〜T16のオン電気角幅およびオフ電気角幅を180度とする)パターン1と、U−V相間電圧の周期を340度とする(トランジスタT11〜T16のオン電気角幅およびオフ電気角幅を170度とする)パターン2と、U−V相間電圧の周期を380度とする(トランジスタT11〜T16のオン電気角幅およびオフ電気角幅を190度とする)パターン3と、を組み合わせた場合を示す。このパターン1〜3を用いる場合には、2つのパターン1と1つのパターン2と1つのパターン3とをランダムの順番で組み合わせることにより、トランジスタT11〜T16の各回のオン時間Tonおよび各回のオフ時間Toffを、180度回転所要時間T180を中心として拡散させることができる。これにより、実施例と同様の効果を奏することができる。
実施例の駆動装置20では、モータ32の回転子の極対数は4としたが、これに限定されるものではなく、2以上であればよい。また、実施例では、固定子に巻回されるコイルのスロット数は12としたが、これに限定されるものではなく、18や24などとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、トランジスタT11〜T16とダイオードD11〜D16とを有するインバータ34が「インバータ」に相当し、電子制御ユニット50が「インバータの制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、インバータの制御装置の製造産業などに利用可能である。
20 駆動装置、32 モータ、32a 回転位置検出センサ、34 インバータ、36 バッテリ、40 昇圧コンバータ、42 駆動電圧系電力ライン、44 電池電圧系電力ライン、46,48 コンデンサ、50 電子制御ユニット、52 CPU,54 ROM、56 RAM、D11〜D16 ダイオード、T11〜T16 トランジスタ。

Claims (1)

  1. 回転子の極対数が値2以上のモータを複数のスイッチング素子のスイッチングにより駆動するインバータの制御装置であって、
    前記インバータを矩形波制御方式で制御するときには、前記各スイッチング素子の各回のオン時間および各回のオフ時間が、前記回転子が電気角の180度回転するのに要する前記180度回転所要時間を中心とした所定時間範囲内で拡散するように、前記各スイッチング素子をスイッチング制御する、
    ことを特徴とするインバータの制御装置。
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