JP2016019064A - 音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートに容易に取り付けることができ、且つ、シートの振動による重低音及び広い音階を着座者に届けることが可能な音響装置を提供する。
【解決手段】音響装置21は、シート10のヘッドレスト13を背もたれ部12に接続するヘッドレストステー20,20に取り付けられる振動板22と、振動板22に固定されるエキサイタ23と、振動板22に設けられる左右一対の磁石24,24を備え、振動板22の前面22aの左右の端部でヘッドレストステー20,20に重なる位置にそれぞれ設けられる。アンプ等によってエキサイタ23が駆動されると、エキサイタ23の振動によって振動板22及びヘッドレスト13が振動して広い音階を出力するスピーカーとして機能し、ヘッドレストステー20,20を介してシートバックフレームに伝達されたエキサイタ23の振動によって背もたれ部12が全体的に振動する。
【選択図】図2

Description

本発明は、音響装置に関する。
従来、シートのフレーム等の構造材に振動ユニットを設け、振動ユニットによってシートを振動させることで着座者に重低音域を体感させることが可能な音響装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、シートを振動させるための低音域用の第2振動ユニットを背もたれ部の下端の後方に設け、全音域を再生する第1振動ユニットを肘掛の前端に設けている。
特開2001−285976号公報
しかし、上記従来の音響装置では、第2振動ユニットは、振動を発生させるための低音域用であるため、広い音階を再生できない。さらに、上記第2振動ユニットは、着座者の耳から遠い位置にあるため、広い音階を再生できたとしても、着座者に音が届き難い。このため、従来の音響装置では、別途第1振動ユニットが必要になっている。また、上記従来の音響装置では、第2振動ユニットは、背もたれ部の下端の後方に設けられるため、取り付けが難しく、特に、クッションを備えた背もたれ部に後付けしようとする場合には、クッションを取り外して第2振動ユニットをフレーム部材等に取り付ける必要があり、作業に手間がかかってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、シートに容易に取り付けることができ、且つ、シートの振動による重低音及び広い音階を着座者に届けることが可能な音響装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、シートのヘッドレストを背もたれ部に接続するヘッドレストステーに取り付けられる振動板と、当該振動板に固定される振動子とを備えることを特徴とする音響装置を提供する。
また、本発明は、前記振動板は、一対の前記ヘッドレストステー間に渡って取り付けられることを特徴とする。
また、本発明は、前記振動子は、前記一対のヘッドレストステーの間の中間部に配置されることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記背もたれ部の内部に延びる前記一対のヘッドレストステーに、電線がそれぞれ接続され、当該電線から前記一対のヘッドレストステーを経由して前記振動子に電気信号が伝達されることを特徴とする。
また、本発明は、前記一対のヘッドレストステーの外周部にそれぞれ取り付けられる端子体を備え、前記振動子は、前記端子体に接続されて電気信号を伝達されることを特徴とする。
また、本発明は、前記振動板は、磁力で前記ヘッドレストステーに固定されることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記振動板は、前記ヘッドレストステーに締結して固定されることを特徴とする。
また、本発明は、前記振動板は、左右の外側に延びて前記一対のヘッドレストステーの内側面部に当接する腕部を備え、当該腕部は、前記内側面部に沿う曲面部を介して、前記ヘッドレストステーを左右の外側に押し広げるように取り付けられることを特徴とする。
また、本発明は、前記振動板は、前記一対の前記ヘッドレストステーとの接続部よりも前記シートの後方側へ膨出する膨出部を備え、当該膨出部に前記振動子が設けられることを特徴とする。
また、本発明は、前記振動板は、その後面に前記振動子が固定され、前記ヘッドレストステーの後面側に取り付けられることを特徴とする。
また、本発明は、前記振動板及び前記振動子を覆うカバーが前記振動板に取り付けられることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記ヘッドレストステーの左右にスピーカーが設けられ、当該スピーカーは前記カバーに支持されることを特徴とする。
また、本発明は、前記振動板及び前記振動子を覆うカバーが前記振動板に取り付けられ、前記振動板を前記ヘッドレストステーに固定する磁石が前記振動板の前面に設けられ、前記カバーは、前記磁石を前記ヘッドレストステー側に露出させる開口を備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記ヘッドレストステーは、前記ヘッドレストのクッションの内側に延びる内部フレーム部を備え、前記振動板は、前記内部フレーム部に取り付けられることを特徴とする。
また、本発明は、前記振動子は、当該振動子の取り付け対象物を振動させて音を出力させるエキサイタであることを特徴とする。
本発明によれば、シートに容易に取り付けることができ、且つ、シートの振動による重低音及び広い音階を着座者に届けることが可能な音響装置を提供できる。
本発明の第1の実施の形態に係る音響装置が取り付けられるシートを後方側から見た斜視図である。 音響装置が取り付けられたシートを前方側から見た斜視図である。 音響装置が取り付けられたシートを後方側から見た斜視図である。 第2の実施の形態の音響装置がヘッドレストステーに取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。 第3の実施の形態の音響装置の端子体が取り付けられた状態をシートの後方から見た図である。 端子体の斜視図である。 第4の実施の形態の音響装置がヘッドレストステーに取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。 音響装置を前方側から見た斜視図である。 音響装置を下方から見た図である。 第5の実施の形態の音響装置がヘッドレストステーに取り付けられた状態を後側方側から見た斜視図である。 音響装置を上方から見た平面図である。 第6の実施の形態の音響装置がヘッドレストステーに取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。 第7の実施の形態の音響装置がヘッドレストステーに取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。 第8の実施の形態の音響装置がヘッドレスト内のヘッドレストステーに取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る音響装置が取り付けられるシートを後方側から見た斜視図である。
シート10は、車室内に配置される乗員用のシートである。上記車室としては、例えば、自動車、電車、飛行機及び船舶等の移動体の車室が挙げられる。
シート10は、床等に設置されて着座者が着座する座面部11と、座面部11の後端から僅かに後ろに傾斜した姿勢で上方に延在する背もたれ部12と、この背もたれ部12の上端に取り付けられるヘッドレスト13とを備える。ここで、図1では、背もたれ部12の内部構造を示すために背もたれ部12の後面は切り欠かれた状態が示されている。
背もたれ部12は、背もたれ部12の骨格を成すシートバックフレーム14と、シートバックフレーム14を全方向から覆うクッション15とを備える。
シートバックフレーム14は、左右よりも上下に長い略矩形の枠状に形成されている。シートバックフレーム14は、鉄系材料等の金属製のパイプ材や板材等を枠状に形成したものであり、クッション15の内側で背もたれ部12の下端部から上端部まで延びる。詳細には、シートバックフレーム14は、左右に離間して上下に延びる一対の縦フレーム部14a,14aと、縦フレーム部14a,14aの上端を左右に繋ぐ上クロス部14bと、縦フレーム部14a,14aの下端を左右に繋ぐ下クロス部14cとを備える。
背もたれ部12は、ヘッドレスト13が接続されるヘッドレスト接続部16を上面12aに備える。ヘッドレスト接続部16は、上面12aに形成された左右一対の挿入孔17,17と、挿入孔17,17の下方で上クロス部14bに設けられる左右一対のステー係合部(不図示)とを備える。このステー係合部は、電気的な絶縁性を備えた樹脂材料で構成される。
ヘッドレスト13は、着座者の頭部を受けるブロック状のヘッドレストクッション19と、ヘッドレストクッション19の下面から下方に延びる左右一対のヘッドレストステー20,20とを備える。ヘッドレストステー20,20は、ヘッドレストクッション19の内部に延びてヘッドレストクッション19を支持する内部フレーム部(不図示)を備える。ヘッドレストステー20,20は、鉄系材料等の金属製のパイプ材である。詳細には、ヘッドレストステー20,20は、断面略円形の丸パイプである。
ヘッドレストステー20,20は、ヘッドレストクッション19の下面における左右の端の近傍に配置されており、互いに左右方向に所定距離だけ離間した状態で略平行に下方へ延びる。ヘッドレストステー20,20の左右の間隔は、縦フレーム部14a,14aの左右の間隔よりも小さい。
ヘッドレスト13は、ヘッドレストステー20,20が上方から背もたれ部12の挿入孔17,17に挿入されることで背もたれ部12に接続される。挿入孔17,17に挿入されたヘッドレストステー20,20の下部は、前記ステー係合部に係合して位置を固定される。
着座者は、ヘッドレスト13を上下にスライドさせて任意の位置でヘッドレストステー20,20を前記ステー係合部に係合させることで、ヘッドレスト13の上下の位置を体格や好み等に合わせて調整可能である。このため、背もたれ部12の外側に露出するヘッドレストステー20,20の長さは、ヘッドレスト13の上下の固定位置によって変化する。
図2は、音響装置21が取り付けられたシート10を前方側から見た斜視図である。図3は、音響装置21が取り付けられたシート10を後方側から見た斜視図である。図3ではシートバックフレーム14は不図示である。
音響装置21は、ヘッドレストステー20,20に取り付けられる平板状の振動板22と、振動板22に固定される振動子としてのエキサイタ23と、振動板22に設けられる左右一対の磁石24,24とを備える。
振動板22は、鉄系材料やアルミニウム系材料等で構成される金属製の板である。振動板22は、ヘッドレストステー20,20の間に渡って設けられる長さを有する上下方向よりも左右方向に長い略矩形の板である。本第1の実施の形態では、振動板22はヘッドレストステー20,20の間の距離よりも長く、ヘッドレストステー20,20よりも左右の外側にはみ出している。
振動板22は、略鉛直に延びるヘッドレストステー20,20の外周面に取り付けられて前方側(着座者側)に面する前面22aと、前面22aの裏面の後面22bとを有する。
磁石24,24は、略矩形の板状の金属製である。磁石24,24は、振動板22の前面22aの左右の端部でヘッドレストステー20,20に重なる位置にそれぞれ設けられる。磁石24,24の上下の幅は、振動板22の上下の幅よりも小さく、磁石24,24は、振動板22の下縁側に沿うように設けられる。
エキサイタ23は、ケース25と、ケース25内に収納されるボイスコイルボビン、ボイスコイル、マグネット及びポールベース等(不図示)を備えた振動子であり、ボイスコイルに電流が流れることによるローレンツ力によって、エキサイタ23自体が振動する。エキサイタ23は、ケース25と接触して取り付けられる取付対象物を、自身の振動で振動させることでスピーカーとして機能させて音を出力する。
エキサイタ23は、振動板22の後面22bにケース25を接触させて、振動板22の左右の中央部に固定される。すなわち、本第1の実施の形態では、スピーカーとして機能する取付対象物は、主として、振動板22及び振動板22が取り付けられるヘッドレスト13である。
エキサイタ23に電気信号を伝達する配線(不図示)は、エキサイタ23から外側に引き出されて、例えばシート10の前方側に配置されるアンプ(不図示)等の機器に接続される。
アンプ等によってエキサイタ23が駆動されると、エキサイタ23の振動によって振動板22及びヘッドレスト13が振動して広い音階を出力するスピーカーとして機能するとともに、ヘッドレストステー20,20を介してシートバックフレーム14に伝達されたエキサイタ23の振動によって背もたれ部12が全体的に振動する。このため、着座者の耳に近くて音を聞き易いヘッドレスト13側から、低音域から高音域までの広い音階を出力できるとともに、背もたれ部12から着座者に直接的に振動を伝達することで、着座者に重低音を感じさせることができる。すなわち、音響装置21が取り付けられると、シート10は、着座者が振動から重低音を体感できる体感型音響装置となる。本第1の実施の形態では、1つのエキサイタ23を設ける簡単な構成で、重低音域から高音域までを着座者に感じさせることができる。
また、音響装置21がヘッドレストステー20,20に取り付けられるため、着座者が体格に合わせてヘッドレスト13の高さを調整すると、音響装置21の位置も自動的にその着座者に適した位置となる。このため、着座者の体格に対応して常に音を聞き易い位置に音響装置21を位置させることができる。
音響装置21は、磁石24,24の前面をヘッドレストステー20,20の後面側20a,20aに当接させることで、磁力によってヘッドレストステー20,20に固定される。このため、使用者は、外側に露出しているヘッドレストステー20,20の後面側20a,20a(図1)に後方から磁石24,24を当接させるだけで容易に音響装置21を取り付けできる。
音響装置21が磁石24,24によってヘッドレストステー20,20に取り付けられると、エキサイタ23は、左右のヘッドレストステー20,20の間の中間部に位置する。これにより、振動板22の左右の端部を支点として振動板22の中間部をエキサイタ23の振動によって前後方向に効率良く振動させることができるとともに、左右のヘッドレストステー20,20に略均一にエキサイタ23の振動を伝達できる。このため、ヘッドレスト13側から良好な広い音階の音を出力できるとともに、背もたれ部12の振動によって着座者が感じる重低音をバランスの良いものとすることができる。
また、音響装置21がヘッドレストステー20,20の後面側20a,20aに取り付けられるとともにエキサイタ23が振動板22の後面22bに固定されるため、エキサイタ23が前方側に出っ張ることを防止でき、音響装置21が着座者の邪魔になることを防止できる。
さらに、音響装置21が後面側20a,20aに取り付けられるため、シート10が設置された車等に減速の加速度が作用したとしても、音響装置21はヘッドレストステー20,20の間を通って着座者側に移動することができない。また、エキサイタ23は、振動板22の後面22bに固定されるため、振動板22を貫通するようにして前方側に移動することはできない。このため、減速の加速度が発生した場合であっても、音響装置21が着座者の邪魔になることを防止できる。
ヘッドレストステー20,20は円筒状であり、磁石24,24は前面が平坦な板状であるため、後面側20a,20aと磁石24,24とは略線接触の状態で磁力によって浮動的に接続されている。エキサイタ23の振動によって振動板22が前後方向に振動すると、磁石24,24は、振動板22の撓みに伴って、後面側20a,20aに対する線接触の位置が微小に変化する。これにより、磁石24,24と後面側20a,20aとの接続箇所に作用する衝撃的な力を効果的に逃がすことができ、ヘッドレスト13側から出力される音を柔らかい音にして音質を向上できる。
また、振動板22及びヘッドレストステー20,20が金属であり熱伝導率が高いため、エキサイタ23の発熱を効率良く放熱できる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、音響装置21は、シート10のヘッドレスト13を背もたれ部12に接続するヘッドレストステー20,20に取り付けられる振動板22と、振動板22に固定されるエキサイタ23とを備える。このため、エキサイタ23の振動を振動板22を介して背もたれ部12に伝達し、背もたれ部12の振動による重低音を着座者に感じさせることができるとともに、振動板22及びヘッドレスト13がエキサイタ23で直接的に振動させられて発生した広い音階の音を、着座者の耳に近い位置から出力できる。さらに、ヘッドレストステー20,20には、音響装置21を外側から取り付けできるため、取り付け作業が容易である。さらに、着座者が体格に合わせてヘッドレスト13の高さを調整すると、音響装置21の位置も自動的にその着座者に適した位置となり、常に音を聞き易い位置に音響装置21を位置させることができる。また、音を出力するヘッドレスト13が着座者の耳に近いため、ヘッドレスト13側の音量(エキサイタ23の音量)を小さくしても着座者に音を感じさせることができ、周囲に音が漏れ難いパーソナルな音響空間を実現できる。
また、振動板22は、一対のヘッドレストステー20,20間に渡って取り付けられるため、振動板22の支持剛性を適度にでき、振動板22を効果的に振動させて音を出力できる。また、振動板22を左右で支持するため、振動板22を容易に取り付けできる。
また、エキサイタ23は、一対のヘッドレストステー20,20の間の中間部に配置されるため、振動板22を効率良く振動させて音を出力できるとともに、左右のヘッドレストステー20,20にバランス良く振動を伝達でき、背もたれ部12を効率良く振動させて着座者に重低音を感じさせることができる。
さらに、ヘッドレストステー20,20は、背もたれ部12の内側のシートバックフレーム14に接続されるため、シートバックフレーム14を介して背もたれ部12を効果的に振動させて着座者に迫力のある重低音を感じさせることができる。
また、振動板22は、磁力でヘッドレストステー20,20に固定されるため、簡単な構造で振動板22をヘッドレストステー20,20に固定できる。
また、振動板22は、その後面22bにエキサイタ23が固定され、ヘッドレストステー20,20の後面側20a,20aに取り付けられるため、振動板22及びエキサイタ23が着座者の邪魔になることを防止できる。
また、振動子は、振動子の取り付け対象物を振動させて音を出力させるエキサイタ23であるため、背もたれ部12を効果的に振動させることができるとともに、振動板22及びヘッドレスト13を振動させて広い音階を出力できる。
なお、上記第1の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1の実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施の形態では、振動板22は金属であるものとして説明したが、振動板22は、樹脂材料等の他の素材で構成されても良い。
また、音響装置21は、音楽鑑賞用等の音の再生の用途に限らず、例えば、エキサイタ23を共振させて駆動することで大きな振動を発生させ、着座者の眠気覚ましに用いることもできる。
[第2の実施の形態]
以下、図4を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、エキサイタ23に電気信号を伝達する配線は、エキサイタ23から外側に引き出されて、例えばシート10の前方側に配置されるアンプ等の機器に接続されるものとして説明したが、本第2の実施の形態は、背もたれ部12の内側を配索される電線140,140によってエキサイタ23に電気信号が伝達される点が上記第1の実施の形態と異なる。
図4は、第2の実施の形態の音響装置121がヘッドレストステー20,20に取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。ここで、図4では、シートバックフレーム14(図1)は不図示であるが、ヘッドレストステー20,20の下端部は、電気的な絶縁性を備えた樹脂製の前記ステー係合部を介してシートバックフレーム14に固定される。また、図4では、ヘッドレストクッション19の前面が切り欠かれて内部構造が示されている。
ヘッドレストステー20,20は、ヘッドレストクッション19の内部に延びてヘッドレストクッション19を支持する内部フレーム部20b,20bを備え、内部フレーム部20b,20bは、電気的な絶縁性を備えた樹脂製のクロス部材20cによって連結される。
ヘッドレストステー20,20の下端部には、背もたれ部12の内側を下方に延びる左右一対の電線140,140が設けられる。電線140,140は、例えば、背もたれ部12から外側に引き出され、シート10の前方側に配置されるアンプ等の機器に接続される。
音響装置121は、振動板22と、エキサイタ23と、磁石24,24と、磁石24,24とエキサイタ23とを電気的に接続する一対のエキサイタ接続配線(不図示)とを備える。また、磁石24,24は、絶縁層(不図示)を介し振動板22に対して電気的に絶縁された状態で振動板22に固定される。
エキサイタ23を駆動する電気信号は、電線140,140、ヘッドレストステー20,20、磁石24,24及び前記エキサイタ接続配線を通ってエキサイタ23に伝達される。
本発明を適用した第2の実施の形態によれば、背もたれ部12の内部に延びる一対のヘッドレストステー20,20に、電線140,140がそれぞれ接続され、電線140,140からヘッドレストステー20,20を経由してエキサイタ23に電気信号が伝達される。このため、ヘッドレストステー20,20からエキサイタ23に直接的に電気信号を伝達でき、エキサイタ23の電気的な接続を簡単な構造で実現できるとともに、電線140,140が背もたれ部12の内部に隠れるため外観性が良い。また、音響装置121をヘッドレストステー20,20に磁石24,24で貼り付けるだけでエキサイタ23をアンプ等に接続できるため、音響装置121をアンプ等に接続するための長い配線を音響装置121が備える必要が無い。このため、音響装置121の着脱が容易であるとともに、音響装置121をコンパクト化でき、音響装置121の持ち運びが容易である。
なお、背もたれ部12の内側を配索される電線140,140によってヘッドレストステー20,20を介してエキサイタ23に電気信号を伝達する構成は、後述の第3の実施の形態を除く第1〜第8までの全ての実施の形態の構成に適用可能である。
[第3の実施の形態]
以下、図5及び図6を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、エキサイタ23に電気信号を伝達する配線は、エキサイタ23から外側に引き出されて、例えばシート10の前方側に配置されるアンプ等の機器に接続されるものとして説明したが、本第3の実施の形態は、主として、ヘッドレストステー20,20の外周部にそれぞれ取り付けられる端子体250,250を介してエキサイタ23に電気信号が伝達される点が上記第1の実施の形態と異なる。
図5は、第3の実施の形態の音響装置221の端子体250,250が取り付けられた状態をシート10の後方から見た図である。図6は、端子体250の斜視図である。
音響装置221は、振動板22(図2)と、エキサイタ23と、磁石24,24と、磁石24,24とエキサイタ23とを電気的に接続する一対のエキサイタ接続配線(不図示)と、ヘッドレストステー20,20に取り付けられる端子体250,250とを備える。磁石24,24は、絶縁層(不図示)を介し振動板22に対して電気的に絶縁された状態で振動板22に固定される。
端子体250は、側面の一部が開放した略円筒状に形成されており、軸方向視では略C字状となっている。各端子体250は、軸方向の両端に設けられる一対の係止リング251,251と、係止リング251,251の間に渡されるフィルム252と、フィルム252の表面に形成される端子部253と、端子部253から引き出される配線254とを備える。
フィルム252は、電気的な絶縁性を備えた樹脂製のフィルムであり、例えばポリイミドが用いられる。端子部253は、フィルム252の表面に形成される導電層であり、例えばエッチングによって形成される銅箔である。フィルム252は、軸方向視で略C字状に湾曲している。
係止リング251,251は、略C字状に形成された可撓性を有するリングである。端子部253,253から引き出された配線254,254の端は、エキサイタ23を駆動するアンプ(不図示)等の機器に接続される。
端子体250,250は、略C字状の開放部を広げてヘッドレストステー20,20の外周部に嵌められる。端子体250,250は、略C字状の開放部を閉じる方向の係止リング251,251の弾性力によりヘッドレストステー20,20に固定される。
端子体250,250は、端子部253,253がヘッドレストステー20,20の後面側20a,20aに重なるように取り付けられる。
音響装置221は、磁石24,24を端子部253,253に当接させることで、磁力でヘッドレストステー20,20の後面側20a,20aに固定される。フィルム252は、厚さが薄いため、磁石24,24による固定に影響しない。
エキサイタ23を駆動する電気信号は、配線254,254、端子部253,253、磁石24,24及び前記エキサイタ接続配線を介してエキサイタ23に伝達される。
本発明を適用した第3の実施の形態によれば、一対のヘッドレストステー20,20の外周部にそれぞれ取り付けられる端子体250,250を備え、エキサイタ23は、端子体250,250に接続されて電気信号を伝達されるため、簡単な構成でエキサイタ23に電気信号を伝達できる。
なお、第3の実施の形態では、音響装置221は、磁石24,24を端子部253,253に当接させることで、磁力でヘッドレストステー20,20の後面側20a,20aに固定されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、磁石24,24をヘッドレストステー20,20の表面に直接くっつけて、エキサイタ23に接続される配線のみを端子部253,253に接続しても良い。
また、ヘッドレストステー20,20の外周部にそれぞれ取り付けられる端子体250,250を介してエキサイタ23に電気信号を伝達する構成は、第2の実施の形態を除く第1〜第8までの全ての実施の形態の構成に適用可能である。
[第4の実施の形態]
以下、図7〜図9を参照して、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第4の実施の形態は、振動板22及びエキサイタ23を覆うカバー355が設けられる点が上記第1の実施の形態と異なる。
図7は、第4の実施の形態の音響装置321がヘッドレストステー20,20に取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。図8は、音響装置321を前方側から見た斜視図である。図9は、音響装置321を下方から見た図である。
音響装置321は、振動板22と、エキサイタ23と、磁石24,24と、振動板22及びエキサイタ23を覆うカバー355と、カバー355に支持される左右一対のスピーカー356,356とを備える。すなわち、音響装置321は、第1の実施の形態の音響装置21にカバー355及びスピーカー356,356を追加したものである。
カバー355は、振動板22及びエキサイタ23を覆うカバー本体部357と、カバー本体部357から左右の外側に延びる一対の外側延出部358,358とを一体に備える。
カバー本体部357は、振動板22の前面22aを前方側から覆う前壁部360と、振動板22の後面22b及びエキサイタ23を後方側から覆う後壁部361と、振動板22及びエキサイタ23を上方から覆う上壁部362とを一体に備える。カバー355の下面は開放している。カバー355は、例えば、樹脂成形品である。
カバー本体部357は、カバー本体部357の内側で前壁部360と後壁部361とを繋ぐ左右一対の内壁部363,363を左右の端部に備える。内壁部363,363は、振動板22の左右の端部22c,22cが嵌まる下面視で略コの字状の溝部364,364を備える。端部22c,22cは、磁石24,24よりも左右の外側に突出した部分である。
カバー355は、振動板22に上方から被せるように設けられ、振動板22の端部22c,22cが溝部364,364に嵌まることで、振動板22に取り付けられる。溝部364,364と端部22c,22cとの間には、ウレタン等の緩衝部材を設けても良い。振動板22は、端部22c,22cを溝部364,364で支持されているため、振動板22の端部22c,22cの間の部分は自由に振動する。
前壁部360は、磁石24,24に重なる位置に開口360a,360aを有し、磁石24,24の前面は、開口360a,360aから前方に露出する。また、前壁部360は、開口360a,360aの間の中央部に、前方に膨出する前面膨出部360bを備える。前面膨出部360bの内方には、振動板22が振幅する空間が確保される。
音響装置321は、磁石24,24が後面側20a,20a(図1)に磁力でくっつくことで、ヘッドレストステー20,20に取り付けられる。
カバー355の外側延出部358,358は、カバー本体部357の左右の端部から前方に延びており、ヘッドレストステー20,20の左右の外側方に位置する。外側延出部358,358は、上面にスピーカー収納開口部365,365を備え、スピーカー356,356は、スピーカー収納開口部365,365に嵌め込まれるようにして支持される。
スピーカー356,356は、ヘッドレストステー20,20の外側方で着座者の耳に近い位置にあるため、着座者に良好な音を感じさせることができる。
また、スピーカー356,356は、出力する音が前上方に指向するように、その振動板が後傾した状態で設けられる。これにより、スピーカー356,356の音が前上方の着座者の耳に届き易いため、スピーカー356,356の音量を小さくしても着座者に音を感じさせることができ、シート10の周囲に音が漏れ難いパーソナルな音響空間を実現できる。
本発明を適用した第4の実施の形態によれば、振動板22及びエキサイタ23を覆うカバー355が振動板22に取り付けられるため、カバー355を簡単な構造で取り付けできるとともに、カバー355を振動させて音を効果的に出力できる。また、着座者等が振動板22及びエキサイタ23に触れることをカバー355で防止できる。
さらに、ヘッドレストステー20,20の左右にスピーカー356,356が設けられ、スピーカー356,356はカバー355に支持されるため、着座者にとって左右の音を聞き易い位置にスピーカー356,356で音を出力できるとともに、簡単な構造でスピーカー356,356を支持できる。
また、振動板22をヘッドレストステー20,20に固定する磁石24,24が振動板22の前面22aに設けられ、カバー355は、磁石24,24をヘッドレストステー20,20側に露出させる開口360a,360aを備える。このため、カバー355を設けた構成であっても、開口360a,360aから露出する磁石24,24によって振動板22を簡単にヘッドレストステー20,20に固定できる。
なお、カバー355のようなカバーで振動板を覆うとともにカバーにスピーカーを設ける構成は、第1〜第8までの全ての実施の形態の構成に適用可能である。
[第5の実施の形態]
以下、図10及び図11を参照して、本発明を適用した第5の実施の形態について説明する。この第5の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第5の実施の形態は、主として、振動板422が後方に膨出した部分にエキサイタ23が設けられる点が上記第1の実施の形態と異なる。
図10は、第5の実施の形態の音響装置421がヘッドレストステー20,20に取り付けられた状態を後側方側から見た斜視図である。図11は、音響装置421を上方から見た平面図である。
音響装置421は、ヘッドレストステー20,20に取り付けられる振動板422と、エキサイタ23と、磁石24,24とを備える。
振動板422は、例えば、一枚の板を曲げ加工して形成される。振動板422は、左右の端部に位置して磁石24,24が設けられる一対の磁石支持板部470,470と、磁石支持板部470,470の内端から後方に延出する左右一対の後方延出板部471,471と、後方延出板部471,471の後端間を左右に繋ぐ振動子支持板部472とを備える。すなわち、後方延出板部471,471及び振動子支持板部472は、後方に出っ張る膨出部473を構成する。エキサイタ23は、振動子支持板部472の後面に固定される。磁石支持板部470,470は、ヘッドレストステー20,20との接続部であり、磁石24,24を介して後面側20a,20aに取り付けられる。
磁石支持板部470,470の上下の幅は、磁石24,24の上下の幅と略同一に形成されており、上下の幅は比較的小さい。後方延出板部471,471は、前端は磁石支持板部470,470と同一幅であるが、後方側ほど上下の幅が大きく形成されている。詳細には、各後方延出板部471の下縁471aは略水平に後方に延び、上縁471bは後上がりに傾斜している。振動子支持板部472の上下の幅は、後方延出板部471,471の後端の上下の幅と同一であり、その幅は磁石支持板部470,470の幅よりも大きい。
音響装置421が取り付けられた状態では、振動子支持板部472はヘッドレスト13の後面13aよりも後方に位置しており、エキサイタ23も後面13aの後方に位置する。このため、ヘッドレスト13がエキサイタ23の配置の邪魔にならず、エキサイタ23を簡単に取り付けできる。
また、第5の実施の形態では、磁石支持板部470,470及び後方延出板部471,471の前端部の上下の幅が小さいため、ヘッドレスト13の高さ位置が調整される等の理由により、ヘッドレスト13の下面と背もたれ部12の上面12aとの間の間隔が小さい場合であっても、磁石24,24によって音響装置421をヘッドレストステー20,20に取り付けできる。また、磁石支持板部470,470の強度及び剛性は、磁石24,24が取り付けられることで十分に確保される。
本発明を適用した第5の実施の形態によれば、振動板422は、一対のヘッドレストステー20,20との接続部である磁石支持板部470,470よりもシート10の後方側へ膨出する膨出部473を備え、膨出部473にエキサイタ23が設けられるため、エキサイタ23を後方側に配置でき、ヘッドレスト13と背もたれ部12との間の隙間が小さい場合であっても、音響装置421を取り付けることができる。
なお、シート10の後方へ膨出する振動板の膨出部473にエキサイタ23を設ける構成は、後述する第8の実施の形態を除く第1〜第7の実施の形態の構成に適用可能である。
[第6の実施の形態]
以下、図12を参照して、本発明を適用した第6の実施の形態について説明する。この第6の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第6の実施の形態は、音響装置521が磁力ではなく締結によってヘッドレストステー20,20に取り付けられる点が上記第1の実施の形態と異なる。
図12は、第6の実施の形態の音響装置521がヘッドレストステー20,20に取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。
音響装置521は、振動板22と、エキサイタ23と、振動板22の左右の端部に設けられる一対の取付板576,576とを備える。取付板576,576は、前面22aに対向する前壁576aと、前壁576aの左右の縁から前面22a側に延びる側壁576b,567bと、側壁576b,567bの後端から側方に延びるフランジ部576c,576cとを備える。
取付板576,576は、フランジ部567c,567cを介して前面22aに固定され、これにより、振動板22には、ヘッドレストステー20,20が上下方向に通される筒状の取付部577,577が形成される。
取付部577,577は、前壁576aにねじ孔部(不図示)有し、このねじ孔部には、ねじ578,578が締め込まれる。上記ねじ孔部は、筒状部と、筒状部の内周に設けられる雌ねじ部とを備える。
音響装置521は、ねじ578,578が締め込まれてねじ578,578の先端と前面22aとの間にヘッドレストステー20,20が挟持されることで、ヘッドレストステー20,20に固定される。
本発明を適用した第6の実施の形態によれば、振動板22は、ヘッドレストステー20,20にねじ578,578によって締結して固定されるため、簡単な構造で音響装置521をヘッドレストステー20,20に固定できる。
なお、締結によって音響装置521をヘッドレストステー20,20に固定する構成において、上記第2の実施の形態のように、背もたれ部12の内側を配索される電線140,140によってエキサイタ23に電気信号を伝達しても良く、また、上記第3の実施の形態のように、ヘッドレストステー20,20の外周部にそれぞれ取り付けられる端子体250,250を介してエキサイタ23に電気信号を伝達しても良い。
[第7の実施の形態]
以下、図13を参照して、本発明を適用した第7の実施の形態について説明する。この第7の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第7の実施の形態は、音響装置621が、ヘッドレストステー20,20を左右の外側に押し広げるように設けられる腕部680,680を介して取り付けられる点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図13は、第7の実施の形態の音響装置621がヘッドレストステー20,20に取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。
音響装置621は、平板状の振動板622と、振動板622の後面に固定されるエキサイタ23と、振動板622の左右の端部に設けられる一対の腕部680,680とを備える。
振動板622は、左右の側縁から内方に直線状に延びるスリット681,681を一対備える。
各腕部680は、左右に延びる軸部682と、軸部682の一端に設けられてヘッドレストステー20に接続される接続部683と、軸部682の他端に設けられて軸方向に延びる係合溝部684とを備える。係合溝部684が形成されることで、軸部682の他端側には、互いに対向する板部685a,685bが形成される。板部685aは貫通孔(不図示)を備え、板部685bはねじ孔(不図示)を備える。板部685a,685bには、上記貫通孔に挿通されて上記ねじ孔に締め込まれる固定ねじ686が設けられる。
接続部683は、略半円のリング状部材であり、半円状の内周曲面部683aと、半円状の外周曲面部683bとを備える。軸部682の一端は、外周曲面部683bの周方向の中央部に結合される。
内周曲面部683aは、ヘッドレストステー20,20の内側面部20d,20dに嵌められる。内周曲面部683aの曲率半径は、ヘッドレストステー20,20の内側面部20d,20dの曲率半径よりも大きい。
腕部680,680は、係合溝部684,684が振動板622の左右の端部に係合するとともに、固定ねじ686,686がスリット681,681に挿通されることで、振動板622に連結される。スリット681,681に沿って腕部680,680を左右に移動させることで、腕部680,680の位置を調整可能であり、固定ねじ686,686が締め込まれることで、腕部680,680の位置が固定される。
音響装置621はヘッドレストステー20,20の間に配置され、腕部680,680は、接続部683,683によってヘッドレストステー20,20を左右の外側に押し広げる力が作用する状態で固定ねじ686,686で位置を固定される。すなわち、音響装置621は、腕部680,680によってヘッドレストステー20,20を内側から突っ張るようにして固定される。
本発明を適用した第7の実施の形態によれば、振動板622は、左右の外側に延びて一対のヘッドレストステー20,20の内側面部20d,20dに当接する腕部680,680を備え、腕部680,680は、内側面部20d,20dに沿う内周曲面部683a,683aを介して、ヘッドレストステー20,20を左右の外側に押し広げるように取り付けられる。このため、腕部680,680を介して音響装置621をヘッドレストステー20,20に簡単に取り付けでき、さらに、振動板622の振動によって内周曲面部683a,683aが内側面部20d,20dに対して微小に動くことができるため、衝撃的な振動を逃がして音質を向上できる。
なお、腕部680,680によって音響装置621をヘッドレストステー20,20に固定する構成において、上記第2の実施の形態のように、背もたれ部12の内側を配索される電線140,140によってエキサイタ23に電気信号を伝達しても良く、また、上記第3の実施の形態のように、ヘッドレストステー20,20の外周部にそれぞれ取り付けられる端子体250,250を介してエキサイタ23に電気信号を伝達しても良い。
[第8の実施の形態]
以下、図14を参照して、本発明を適用した第8の実施の形態について説明する。この第8の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第8の実施の形態は、音響装置721がヘッドレスト713に内蔵される点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図14は、第8の実施の形態の音響装置721がヘッドレスト713内のヘッドレストステーに取り付けられた状態を前方側から見た斜視図である。ここで、図14では、ヘッドレスト713の内部構造を示すためにヘッドレスト713の前面は切り欠かれた状態が示されている。
シート710は、座面部11(図1)と、背もたれ部12と、背もたれ部12の上端に取り付けられるヘッドレスト713とを備える。
ヘッドレスト713は、ヘッドレストクッション19と、ヘッドレストステー20,20とを備える。ヘッドレストステー20,20は、ヘッドレストクッション19の内部に延びてヘッドレストクッション19を支持する内部フレーム部790,790を備え、内部フレーム部790,790の上端は、クロス部791によって左右に連結されている。
音響装置721は、振動板22と、エキサイタ23とを備える。音響装置721は、ヘッドレストクッション19の内側に配置され、内部フレーム部790,790の間に渡って設けられる。振動板22は、前面22aが、円筒状の内部フレーム部790,790の後面側790a,790aに固定される。振動板22は、前面22aに設けられた磁石(不図示)の磁力によって後面側790a,790aに固定される。なお、振動板22は、ボルト等によって後面側790a,790aに締結して固定されても良い。
また、エキサイタ23に電気信号を伝達する配線(不図示)は、エキサイタ23からヘッドレスト713の外側に引き出されて、例えばシート710の前方側に配置されるアンプ(不図示)等の機器に接続される。
なお、第2の実施の形態のように、ヘッドレストステー20,20に電線140,140(図4)を設け、内部フレーム部790,790を介してエキサイタ23に電気信号を伝達しても良い。この場合、クロス部791は絶縁材料で構成され、上記磁石は絶縁層を介して振動板22に設けられ、上記磁石とエキサイタ23とを電気的に接続する一対のエキサイタ接続配線が設けられる。
本発明を適用した第8の実施の形態によれば、ヘッドレストステー20,20は、ヘッドレスト713のヘッドレストクッション19の内側に延びる内部フレーム部790,790を備え、振動板22は、内部フレーム部790,790に取り付けられるため、ヘッドレストクッション19の内側のスペースを利用して振動板22及びエキサイタ23を省スペースに配置できるとともに、振動板22及びエキサイタ23をヘッドレストクッション19の内側に隠すことができ、外観性が良い。
10,710 シート
12 背もたれ部
13,713 ヘッドレスト
19 ヘッドレストクッション(クッション)
20,20 ヘッドレストステー
20a,20a,790a,790a 後面側
20d,20d 内側面部
21,121,221,321,421,521,621,721 音響装置
22,422,622 振動板
23 エキサイタ(振動子)
24,24 磁石
140,140 電線
250,250 端子体
355 カバー
356,356 スピーカー
360a,360a 開口
473 膨出部
680,680 腕部
683a 内周曲面部(曲面部)
790,790 内部フレーム部

Claims (15)

  1. シートのヘッドレストを背もたれ部に接続するヘッドレストステーに取り付けられる振動板と、当該振動板に固定される振動子とを備えることを特徴とする音響装置。
  2. 前記振動板は、一対の前記ヘッドレストステー間に渡って取り付けられることを特徴とする請求項1記載の音響装置。
  3. 前記振動子は、前記一対のヘッドレストステーの間の中間部に配置されることを特徴とする請求項2記載の音響装置。
  4. 前記背もたれ部の内部に延びる前記一対のヘッドレストステーに、電線がそれぞれ接続され、当該電線から前記一対のヘッドレストステーを経由して前記振動子に電気信号が伝達されることを特徴とする請求項2または3に記載の音響装置。
  5. 前記一対のヘッドレストステーの外周部にそれぞれ取り付けられる端子体を備え、前記振動子は、前記端子体に接続されて電気信号を伝達されることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の音響装置。
  6. 前記振動板は、磁力で前記ヘッドレストステーに固定されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の音響装置。
  7. 前記振動板は、前記ヘッドレストステーに締結して固定されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の音響装置。
  8. 前記振動板は、左右の外側に延びて前記一対のヘッドレストステーの内側面部に当接する腕部を備え、当該腕部は、前記内側面部に沿う曲面部を介して、前記ヘッドレストステーを左右の外側に押し広げるように取り付けられることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の音響装置。
  9. 前記振動板は、前記一対の前記ヘッドレストステーとの接続部よりも前記シートの後方側へ膨出する膨出部を備え、当該膨出部に前記振動子が設けられることを特徴とする請求項2から8のいずれかに記載の音響装置。
  10. 前記振動板は、その後面に前記振動子が固定され、前記ヘッドレストステーの後面側に取り付けられることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の音響装置。
  11. 前記振動板及び前記振動子を覆うカバーが前記振動板に取り付けられることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の音響装置。
  12. 前記ヘッドレストステーの左右にスピーカーが設けられ、当該スピーカーは前記カバーに支持されることを特徴とする請求項11記載の音響装置。
  13. 前記振動板及び前記振動子を覆うカバーが前記振動板に取り付けられ、前記振動板を前記ヘッドレストステーに固定する磁石が前記振動板の前面に設けられ、前記カバーは、前記磁石を前記ヘッドレストステー側に露出させる開口を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の音響装置。
  14. 前記ヘッドレストステーは、前記ヘッドレストのクッションの内側に延びる内部フレーム部を備え、前記振動板は、前記内部フレーム部に取り付けられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の音響装置。
  15. 前記振動子は、当該振動子の取り付け対象物を振動させて音を出力させるエキサイタであることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の音響装置。
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