JP2009124348A - マグネット可動型スピーカ、及び車載用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数の増大、装置構成の大型化、コストアップを招くことなく、ムービングコイル型スピーカとマグネット可動型スピーカの特徴を兼ね備えた複合型のマグネット可動型スピーカを提供する。
【解決手段】振動板10を支持するフレーム2の内周面に固定された筒状のヨーク15と、ヨークの内周面に固定されたボイスコイル20と、ボイスコイルの内径側において軸方向へ進退自在に配置された可動マグネット26、及び該可動マグネットに固定されボイスコイルとの間に磁気ギャップを夫々形成する第1及び第2の磁性体プレート27、28から成る可動ユニット25と、振動板に固定されると共に可動ユニット前部を支持する第1のカプラ30と、フレームに固定されると共に第1のカプラを支持する第1のダンパ35と、可動ユニット後部に固定された第2のカプラ40と、フレームに固定されると共に第2のカプラを支持する第2のダンパ45と、を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】振動板10を支持するフレーム2の内周面に固定された筒状のヨーク15と、ヨークの内周面に固定されたボイスコイル20と、ボイスコイルの内径側において軸方向へ進退自在に配置された可動マグネット26、及び該可動マグネットに固定されボイスコイルとの間に磁気ギャップを夫々形成する第1及び第2の磁性体プレート27、28から成る可動ユニット25と、振動板に固定されると共に可動ユニット前部を支持する第1のカプラ30と、フレームに固定されると共に第1のカプラを支持する第1のダンパ35と、可動ユニット後部に固定された第2のカプラ40と、フレームに固定されると共に第2のカプラを支持する第2のダンパ45と、を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、一つのスピーカユニットによって音波と振動の双方による低音域再生を可能としたマグネット可動型スピーカ、及びこのスピーカを備えた車載用シートに関する。
スピーカは、磁気回路部品(ヨーク、プレート、マグネット)に振動系部品(ボイスコイル、ダンパ、振動板)を組み付けた構造のスピーカユニットを、筐体によって支持した構成を備えている。
例えば、特許文献1(実開昭62−14889号)に開示されたスピーカでは、図3に示すように、ヨーク100、マグネット101、プレート102で構成される磁気回路の内側に配置された振動系部品としてのボイスコイル105に対して、交番電流としての音声信号を通電することにより、磁気回路によって発生した磁気エネルギー(磁束)とボイスコイルからの交流磁界との間で反発、吸引を繰り返し発生させる。その結果、ボイスコイルに発生した軸方向へ振動が、カップラー106を介して振動板107に伝わって振動を発生させる。振動系部品の支持はダンパ108、エッジ109により行う。このスピーカは、ボイスコイルが動作するため、ムービングコイル型スピーカと称され、軽量なボイスコイルが動くために効率がよく、広く用いられている。
例えば、特許文献1(実開昭62−14889号)に開示されたスピーカでは、図3に示すように、ヨーク100、マグネット101、プレート102で構成される磁気回路の内側に配置された振動系部品としてのボイスコイル105に対して、交番電流としての音声信号を通電することにより、磁気回路によって発生した磁気エネルギー(磁束)とボイスコイルからの交流磁界との間で反発、吸引を繰り返し発生させる。その結果、ボイスコイルに発生した軸方向へ振動が、カップラー106を介して振動板107に伝わって振動を発生させる。振動系部品の支持はダンパ108、エッジ109により行う。このスピーカは、ボイスコイルが動作するため、ムービングコイル型スピーカと称され、軽量なボイスコイルが動くために効率がよく、広く用いられている。
一方、スピーカの最低共振周波数を下げてより低音域の音波を再生するためには、振動系部品(ダンパ、エッジ)を柔軟にし、且つ重くすることが有効である。
上記タイプのスピーカは、低音域をスピーカの振動板より発せられる音波により再生しているが、音波により低音を再生するタイプの他に、スピーカユニットの振動作用を利用して聴取者に低音域を感じさせるボディソニック(登録商標)と称される加振スピーカが知られているが、振動のみを利用するため音波としての低音再生は行えなかった(例えば、特表平8−501434)。
このようにボイスコイルが振動するムービングコイル型スピーカは低音域の音波の再生に適する一方、ボディソニックに代表されるマグネット可動型スピーカは低音域を感じさせるための振動を発生させるに適する。しかし、両者は夫々異なったタイプのスピーカとして取り扱われ、両者の特徴を兼ね備えた低音域再生に音波と振動双方を利用するスピーカ構造はこれまで提案されていなかった。
実開昭62−14889号公報
特表平8−501434号公報
上記タイプのスピーカは、低音域をスピーカの振動板より発せられる音波により再生しているが、音波により低音を再生するタイプの他に、スピーカユニットの振動作用を利用して聴取者に低音域を感じさせるボディソニック(登録商標)と称される加振スピーカが知られているが、振動のみを利用するため音波としての低音再生は行えなかった(例えば、特表平8−501434)。
このようにボイスコイルが振動するムービングコイル型スピーカは低音域の音波の再生に適する一方、ボディソニックに代表されるマグネット可動型スピーカは低音域を感じさせるための振動を発生させるに適する。しかし、両者は夫々異なったタイプのスピーカとして取り扱われ、両者の特徴を兼ね備えた低音域再生に音波と振動双方を利用するスピーカ構造はこれまで提案されていなかった。
以上のように、ムービングコイル型スピーカとマグネット可動型スピーカが夫々知られており、夫々の特徴を活かすに適した用途に使用されていたが、両スピーカの特徴を兼ね備えた複合型のスピーカはこれまで提案されていない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、部品点数の増大、装置構成の大型化、コストアップを招くことなく、ムービングコイル型スピーカとマグネット可動型スピーカの特徴を兼ね備えた複合型のマグネット可動型スピーカを提供することを目的としている。
また、本発明は、車載用シートなどに組み込むに適したマグネット可動型スピーカ、及びこのスピーカを備えた車載用シートを提供することも目的としている。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、部品点数の増大、装置構成の大型化、コストアップを招くことなく、ムービングコイル型スピーカとマグネット可動型スピーカの特徴を兼ね備えた複合型のマグネット可動型スピーカを提供することを目的としている。
また、本発明は、車載用シートなどに組み込むに適したマグネット可動型スピーカ、及びこのスピーカを備えた車載用シートを提供することも目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るマグネット可動型スピーカは、振動板を支持するフレーム前部材、及び該フレーム前部材と一体化された中空筒状のフレーム後部材を備えたフレームと、前記フレーム後部材の内周面に固定された筒状のヨークと、該ヨークの内周面に固定配置されたボイスコイルと、前記ボイスコイルの内径側において該ボイスコイルと非接触状態で軸方向へ進退自在に配置された可動マグネット、及び該可動マグネットの前部及び後部に夫々固定され前記ボイスコイルとの間に磁気ギャップを夫々形成する第1及び第2の磁性体プレートから成る可動ユニットと、前部を前記振動板に固定されると共に後部によって前記可動ユニット前部を支持する第1のカプラと、外周部を前記フレームに固定されると共に、内周部によって前記第1のカプラを支持する第1のダンパと、前記可動ユニット後部に固定された第2のカプラと、外周部を前記フレームに固定されると共に内周部によって前記第2のカプラを支持する第2のダンパと、を備えたことを特徴とする。
ムービングコイル型のスピーカユニットとは異なり、本発明にあっては、振動系部品としての可動マグネット、磁性体プレートをフレームに固定せずに可動状態に保持する一方で、ボイスコイルをフレームに固定している。可動マグネットと磁性体プレートから成る重量物としての可動ユニットを振動させることにより、一つのスピーカユニットによって音波と振動の双方による低音域再生が可能となる。ボイスコイルからの発熱は、ヨーク、フレームを介して外部に放熱されるので、蓄熱による不具合を解消できる。
ムービングコイル型のスピーカユニットとは異なり、本発明にあっては、振動系部品としての可動マグネット、磁性体プレートをフレームに固定せずに可動状態に保持する一方で、ボイスコイルをフレームに固定している。可動マグネットと磁性体プレートから成る重量物としての可動ユニットを振動させることにより、一つのスピーカユニットによって音波と振動の双方による低音域再生が可能となる。ボイスコイルからの発熱は、ヨーク、フレームを介して外部に放熱されるので、蓄熱による不具合を解消できる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記ボイスコイルは、軸方向に分割された2つの分割ボイスコイルから成り、前記第1の分割ボイスコイルと前記第1の磁性体プレートとの間の磁気ギャップを通過する磁束の方向と、前記第2の分割ボイスコイルと前記第2の磁性体プレートとの間の磁気ギャップを通過する磁束の方向とが逆向きとなるように構成したことを特徴とする。
磁気ギャップを二箇所設けたので、駆動力が倍増し、重量物としての可動ユニット(磁気回路)を効果的に動かすことができる。
磁気ギャップを二箇所設けたので、駆動力が倍増し、重量物としての可動ユニット(磁気回路)を効果的に動かすことができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記第1のカプラは、前記第1の磁性体プレートと固定された基部と、該基部から前方へ向けてテーパ状に拡開した形状の連設部と、該連設部の先端部に設けられて前記振動板の内側面と密着状態で接続される接続部と、を備えていることを特徴とする。
振動板と接続される第1のカプラの連設部は、磁気回路部品からの振動を伝えやすいようにテーパ形状を有しており、振動板との取り付け角度を調整することにより高音域の音波の伝播を調整することでき、また、音質調整も可能となる。
振動板と接続される第1のカプラの連設部は、磁気回路部品からの振動を伝えやすいようにテーパ形状を有しており、振動板との取り付け角度を調整することにより高音域の音波の伝播を調整することでき、また、音質調整も可能となる。
請求項4の発明に係る車載用シートは、車載用シートを構成する着座部の内部に請求項1乃至3の何れか一項に記載のマグネット可動型スピーカを配置したことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4において、前記着座部の下面に設けた凹所内に振動板を下向きにした状態で前記マグネット可動型スピーカを組み込んだことを特徴とする。
振動部と、音声発生部とを分離して車内に配置するのではなく、振動部としての可動ユニットと、音声発生部としての振動板等とが一体化した可動型スピーカ全体を着座部に組み込む構造としたため、人体への振動の伝搬が直接的となる。
請求項5の発明は、請求項4において、前記着座部の下面に設けた凹所内に振動板を下向きにした状態で前記マグネット可動型スピーカを組み込んだことを特徴とする。
振動部と、音声発生部とを分離して車内に配置するのではなく、振動部としての可動ユニットと、音声発生部としての振動板等とが一体化した可動型スピーカ全体を着座部に組み込む構造としたため、人体への振動の伝搬が直接的となる。
本発明は、磁気回路を構成する可動マグネット及び磁性体プレートを振動させることにより振動板による低音域の音声再生を行うと同時に、振動エネルギーを質量に比例して増加できるので、振動による低音域再生に効果がある。特に、可動マグネットと2枚の磁性体プレートから成る重量物としての可動ユニットが大質量の振動系となるため、振動効果が大きくなる。
可動マグネットにカプラを介して振動板を取り付けているため音波による低音域再生が可能となる。
磁気回路を構成する可動マグネットの上下端に夫々カプラを備えているため振動系を支持し易くなる。
可動マグネットにカプラを介して振動板を取り付けているため音波による低音域再生が可能となる。
磁気回路を構成する可動マグネットの上下端に夫々カプラを備えているため振動系を支持し易くなる。
振動板と接続されるカプラの連設部は、磁気回路部品からの振動を伝えやすいようにテーパ形状を有しており、傾斜して振動板と取り付けられるカプラの取付け角度を調整することにより高音域の音波の伝播を調整することができ、また、音質調整も可能となる。
ボイスコイルは、フレームに固定されたヨーク内周に固着されているため、発熱部品としてのボイスコイルからの熱を効率的に放熱することができ、蓄熱による耐久性の低下、周辺温度の上昇を防止できる。
本発明のマグネット可動型スピーカは、音波と振動を同時に生成できるため、車載用のシートに組み込むことにより、効果を倍増させることができる。
ボイスコイルは、フレームに固定されたヨーク内周に固着されているため、発熱部品としてのボイスコイルからの熱を効率的に放熱することができ、蓄熱による耐久性の低下、周辺温度の上昇を防止できる。
本発明のマグネット可動型スピーカは、音波と振動を同時に生成できるため、車載用のシートに組み込むことにより、効果を倍増させることができる。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るマグネット可動型スピーカの構成を示す断面図である。
マグネット可動型スピーカ1は、前端縁3aによって振動板10の外周縁(エッジ部10a)を支持するフレーム前部材3、及びフレーム前部材3の後端部から一体的に後方へ延びる中空筒状のフレーム後部材4を備えたフレーム2と、フレーム後部材4の内周面に固定された筒状のヨーク15と、ヨーク15の内周面に固定配置され且つ円筒状のボイスコイルボビンの軸方向に分割された第1及び第2の分割ボイスコイル21、22から成るボイスコイル20と、ボイスコイル20の内径側においてボイスコイルと非接触状態で軸方向へ進退自在に配置された可動マグネット26と、可動マグネット26の前端及び後端に夫々固定され各分割ボイスコイル21、22との間に第1及び第2の磁気ギャップG1、G2を形成する第1及び第2の磁性体プレート27、28と、前部を振動板10の後面に固定されると共に後部によって可動ユニット25の前部を支持する第1のカプラ30と、外周部をフレーム2に固定されると共に、内周部によって第1のカプラ30を支持する第1のダンパ35と、可動ユニット25の後部に固定された第2のカプラ40と、外周部をフレーム2に固定されると共に内周部によって第2のカプラ40を支持する第2のダンパ45と、フレーム2の下部開口を閉止するカバー46と、を備えている。
なお、振動系部品としての可動マグネット26と第1及び第2の磁性体プレート27、28とは、可動ユニット25を構成している。
図1は本発明の一実施形態に係るマグネット可動型スピーカの構成を示す断面図である。
マグネット可動型スピーカ1は、前端縁3aによって振動板10の外周縁(エッジ部10a)を支持するフレーム前部材3、及びフレーム前部材3の後端部から一体的に後方へ延びる中空筒状のフレーム後部材4を備えたフレーム2と、フレーム後部材4の内周面に固定された筒状のヨーク15と、ヨーク15の内周面に固定配置され且つ円筒状のボイスコイルボビンの軸方向に分割された第1及び第2の分割ボイスコイル21、22から成るボイスコイル20と、ボイスコイル20の内径側においてボイスコイルと非接触状態で軸方向へ進退自在に配置された可動マグネット26と、可動マグネット26の前端及び後端に夫々固定され各分割ボイスコイル21、22との間に第1及び第2の磁気ギャップG1、G2を形成する第1及び第2の磁性体プレート27、28と、前部を振動板10の後面に固定されると共に後部によって可動ユニット25の前部を支持する第1のカプラ30と、外周部をフレーム2に固定されると共に、内周部によって第1のカプラ30を支持する第1のダンパ35と、可動ユニット25の後部に固定された第2のカプラ40と、外周部をフレーム2に固定されると共に内周部によって第2のカプラ40を支持する第2のダンパ45と、フレーム2の下部開口を閉止するカバー46と、を備えている。
なお、振動系部品としての可動マグネット26と第1及び第2の磁性体プレート27、28とは、可動ユニット25を構成している。
本発明のマグネット可動型スピーカ1は、磁気回路を構成するヨーク15、及びボイスコイル20をフレーム2に固定して固定側とし、上下面に第1及び第2の磁性体プレート27、28を夫々ボルト29a、ナット29bにより固定した可動マグネット26を可動側とした構成が特徴的である。なお、ボルト29a、ナット29bとしては、磁気の影響のない黄銅やステンレスの非磁性材を用いる。
更に、第1の分割ボイスコイル21と第1の磁性体プレート27との間のギャップG1を通過する磁気の方向と、第2の分割ボイスコイル22と第2の磁性体プレート28との間のギャップG2を通過する磁気の方向とが逆向きとなるように構成した点も特徴的である。
更に、第1の分割ボイスコイル21と第1の磁性体プレート27との間のギャップG1を通過する磁気の方向と、第2の分割ボイスコイル22と第2の磁性体プレート28との間のギャップG2を通過する磁気の方向とが逆向きとなるように構成した点も特徴的である。
磁気回路の磁束方向を、上下の磁気ギャップG1、G2で反対方向とするために、第1及び第2の分割ボイスコイル21、22に流れる電流(入力信号)が逆向きとなるように構成する。各磁気ギャップG1、G2に夫々形成される逆方向の磁束は、可動ユニット25を協働して同一方向へ移動させるように作用するため、駆動力が倍増し、重量物である可動ユニット25を効率的に振動させることができる。
なお、両分割ボイスコイル21、22に夫々流れる電流を逆方向にする方法としては、各分割ボイスコイル21、22の各巻き線方向を逆向きとする方法と、巻き線方向を同一にする一方で各分割ボイスコイルに流す電流の位相が逆位相となるように通電する方法があり、何れの方法によってもよい。
なお、両分割ボイスコイル21、22に夫々流れる電流を逆方向にする方法としては、各分割ボイスコイル21、22の各巻き線方向を逆向きとする方法と、巻き線方向を同一にする一方で各分割ボイスコイルに流す電流の位相が逆位相となるように通電する方法があり、何れの方法によってもよい。
以上の構成において、第1及び第2の分割ボイスコイル21、22に夫々音声信号を供給することにより、可動マグネット26と第1及び第2の磁性体プレート27、28とから成る可動ユニット25は、磁界の反発力、吸引力によって上下方向(軸方向)に振動する。本発明においては、ボイスコイル20がフレームに固定されているため、磁界の反発力、吸引力によって可動ユニット25(磁気回路)側が振動し、この振動を第1及び第2のカプラ30、40を介して振動板10へ伝えて音声を生成させる。この可動ユニット25の振動は、音声と同時に低音感を聴取者に伝えるために有効に作用する。
可動ユニット25は、第1及び第2の磁性体プレート27、28の上下面に夫々固定した第1及び第2のカプラ30、40に夫々固定した第1及び第2のダンパ35、45によってフレーム2に対して弾性的に支持されている。
低音感を得るためのボディソニック(登録商標)を実現する手段として重量物である可動ユニット25を振動させる構成を採用した場合には、可動ユニットを確実に且つ安定して支持し、且つ耐久性を確保する必要がある。本発明では、そのために第1及び第2のダンパ35、45を用いて、可動ユニット25の上部と下部を夫々フレーム2に対して支持している。
可動ユニット25は、第1及び第2の磁性体プレート27、28の上下面に夫々固定した第1及び第2のカプラ30、40に夫々固定した第1及び第2のダンパ35、45によってフレーム2に対して弾性的に支持されている。
低音感を得るためのボディソニック(登録商標)を実現する手段として重量物である可動ユニット25を振動させる構成を採用した場合には、可動ユニットを確実に且つ安定して支持し、且つ耐久性を確保する必要がある。本発明では、そのために第1及び第2のダンパ35、45を用いて、可動ユニット25の上部と下部を夫々フレーム2に対して支持している。
なお、磁気回路としての可動ユニット25と第1及び第2のダンパ35、45との接続をカプラ30、40を介して実現することで、各部材間の接続や組み立て作業を容易化することができる。
また、第1のカプラ30は、第1の磁性体プレート27の上面と固定された断面コ字状の基部30aと、基部30aから前方へ向けてテーパ状(角度θ)に拡開した形状の連設部30bと、連設部30bの先端縁に設けられて振動板10の内側面と密着状態で接続(接着)される接続部30cとを備えている。基部30aと接続部30cとの間にテーパ状の連設部30bを備えることによって、可動ユニット25からの振動を効率的に振動板に伝達することが可能となる。振動板10と第1のカプラ30との接続を、平坦な接続部30cによって面接触状態とすることにより両者間に糊代を形成し、接着強度を高めることが可能となる。
また、第1のカプラ30は、第1の磁性体プレート27の上面と固定された断面コ字状の基部30aと、基部30aから前方へ向けてテーパ状(角度θ)に拡開した形状の連設部30bと、連設部30bの先端縁に設けられて振動板10の内側面と密着状態で接続(接着)される接続部30cとを備えている。基部30aと接続部30cとの間にテーパ状の連設部30bを備えることによって、可動ユニット25からの振動を効率的に振動板に伝達することが可能となる。振動板10と第1のカプラ30との接続を、平坦な接続部30cによって面接触状態とすることにより両者間に糊代を形成し、接着強度を高めることが可能となる。
仮に、連設部30bをL字状、その他の非テーパ形状とした場合には振動の伝達ロスが発生したり、スピーカユニットの大型化を招く虞がある。本発明のスピーカを車載用とする場合には、設置スペースの小型化が求められるため、大型化は可能な限り回避する必要がある。
なお、振動板10の形状としては本実施形態のような平面状であってもよいが、ドーム型でも、コーン型であっても本発明のスピーカに適用可能である。振動板10の形状が非平面状のタイプとなる場合には、第1のカプラ30のテーパ状の連設部30bの角度θを適宜調整することで、可動ユニット25からの効率的に振動板に対して伝達するための対応が可能となる。
なお、振動板10の形状としては本実施形態のような平面状であってもよいが、ドーム型でも、コーン型であっても本発明のスピーカに適用可能である。振動板10の形状が非平面状のタイプとなる場合には、第1のカプラ30のテーパ状の連設部30bの角度θを適宜調整することで、可動ユニット25からの効率的に振動板に対して伝達するための対応が可能となる。
次に、本実施形態では、フレーム2が一体物であるため、部品点数を少なくして、組付け手数を低減できる。
ムービングコイル型スピーカユニットにあっては、可動側のボイスコイルと固定側の磁性体プレートとが磁気ギャップを介して対向していたため、ボイスコイルからの発熱を放熱しにくく昇温し易い構造であった。特に、ハイパワーのスピーカの場合には蓄熱し易く、耐久性の点で問題があった。蓄熱し易いスピーカユニットは、設置スペース、設置箇所が極限される車載用には適さない。
これに対して本発明にあっては、第1及び第2の分割ボイスコイル21、22と、第1及び第2の磁性体プレート27、28と、第1及び第2の磁気ギャップG1、G2を介してヨーク15との間で磁気ループが形成される構成であるため、ボイスコイル20に強いパワーを入力することによってボイスコイル20が発熱したとしても、ボイスコイル20はヨーク15を介してアルミ等の金属、その他の放熱性に優れた材料から成るフレーム2に接続されているので、放熱性がよくなり、ボイスコイルが高熱化しない。
ムービングコイル型スピーカユニットにあっては、可動側のボイスコイルと固定側の磁性体プレートとが磁気ギャップを介して対向していたため、ボイスコイルからの発熱を放熱しにくく昇温し易い構造であった。特に、ハイパワーのスピーカの場合には蓄熱し易く、耐久性の点で問題があった。蓄熱し易いスピーカユニットは、設置スペース、設置箇所が極限される車載用には適さない。
これに対して本発明にあっては、第1及び第2の分割ボイスコイル21、22と、第1及び第2の磁性体プレート27、28と、第1及び第2の磁気ギャップG1、G2を介してヨーク15との間で磁気ループが形成される構成であるため、ボイスコイル20に強いパワーを入力することによってボイスコイル20が発熱したとしても、ボイスコイル20はヨーク15を介してアルミ等の金属、その他の放熱性に優れた材料から成るフレーム2に接続されているので、放熱性がよくなり、ボイスコイルが高熱化しない。
図2は本発明のマグネット可動型スピーカを車載用シートに組み込んだ場合の構成説明図である。
自動車の座席(車載用シート)50の着座部51の底面側に凹所52を形成し、この凹所52内に振動板を下向きにした状態で可動型スピーカ1を組み込む。この可動型スピーカ1に通電して作動した際には、可動ユニット25の振動が着座部51を介して着座した人に伝わり、振動板10から放音された音は着座部51の下側から上方に回り込んで着座する人の耳に到達する。
このように本発明では、振動部と、音声発生部とを分離して車内に配置するのではなく、振動部としての可動ユニット25と、音声発生部としての振動板10等とが一体化した可動型スピーカ全体を着座部に組み込む構造としたため、人体への振動の伝搬が直接的となる。
仮に、フロアーに可動型スピーカを組み込むとすれば、フロアーの材質、硬度等によってはフロアーの振動状態、人体への伝達の程度が異なってくるが、着座部に組み込むことによりそのような不具合なく、振動を効率的に人体に伝達することが可能となる。
自動車の座席(車載用シート)50の着座部51の底面側に凹所52を形成し、この凹所52内に振動板を下向きにした状態で可動型スピーカ1を組み込む。この可動型スピーカ1に通電して作動した際には、可動ユニット25の振動が着座部51を介して着座した人に伝わり、振動板10から放音された音は着座部51の下側から上方に回り込んで着座する人の耳に到達する。
このように本発明では、振動部と、音声発生部とを分離して車内に配置するのではなく、振動部としての可動ユニット25と、音声発生部としての振動板10等とが一体化した可動型スピーカ全体を着座部に組み込む構造としたため、人体への振動の伝搬が直接的となる。
仮に、フロアーに可動型スピーカを組み込むとすれば、フロアーの材質、硬度等によってはフロアーの振動状態、人体への伝達の程度が異なってくるが、着座部に組み込むことによりそのような不具合なく、振動を効率的に人体に伝達することが可能となる。
以上のように本発明の可動型スピーカによれば、一つのスピーカによって音波と振動の双方による低音域再生が可能となる。即ち、音波による低音域の再生は振動板10により行い、振動(加振)による低音域の再生は磁気回路部分(可動ユニット25)により行う。聴取者に十分な振動を体感させるためには、振動を発生させるための磁気回路部分の質量が大きいほど振動する時間が大きくなり、エネルギーも増加するが、振動させるための駆動力を大きくする必要がある。本発明では、2つの磁気ギャップを設けて駆動力を倍増したので、確実な振動を実現できる。なお、振動による共振周波数を30〜60Hzとすると、低音感が得やすくなることが判明している。
本発明に係るスピーカユニットは、次のような効果を奏する。
まず、磁気回路を構成する可動マグネット26を振動させることにより振動エネルギーを質量に比例して増加できるので、振動による低音域再生に効果がある。特に、可動マグネットと2枚の磁性体プレートから成る重量物としての可動ユニットが大質量の振動系となるため、振動効果が大きくなる。
また、可動マグネット26にカプラを介して振動板を取り付けているため音波による低音域再生が可能となる。
また、磁気回路を構成する可動マグネット26の上下端に夫々カプラ30、40を備えているため振動系を支持し易くなる。
まず、磁気回路を構成する可動マグネット26を振動させることにより振動エネルギーを質量に比例して増加できるので、振動による低音域再生に効果がある。特に、可動マグネットと2枚の磁性体プレートから成る重量物としての可動ユニットが大質量の振動系となるため、振動効果が大きくなる。
また、可動マグネット26にカプラを介して振動板を取り付けているため音波による低音域再生が可能となる。
また、磁気回路を構成する可動マグネット26の上下端に夫々カプラ30、40を備えているため振動系を支持し易くなる。
また、振動板10と接続される第1のカプラ30の連設部30bは、磁気回路部品からの振動を伝えやすいようにテーパ形状を有しており、振動板との間の取り付け角度や、取付け位置を適切に調整することにより高音域の音波の伝播を調整することでき、また、音質調整も可能となる。
また、ボイスコイルは、フレームに固定されたヨーク内周に固着されているため、発熱部品としてのボイスコイルからの熱を効率的に放熱することができ、蓄熱による耐久性の低下、周辺温度の上昇を防止できる。
また、本発明のマグネット可動型スピーカは、音波と振動を同時に生成できるため、車載用のシートに組み込むことにより、効果を倍増させることができる。
また、ボイスコイルは、フレームに固定されたヨーク内周に固着されているため、発熱部品としてのボイスコイルからの熱を効率的に放熱することができ、蓄熱による耐久性の低下、周辺温度の上昇を防止できる。
また、本発明のマグネット可動型スピーカは、音波と振動を同時に生成できるため、車載用のシートに組み込むことにより、効果を倍増させることができる。
1…マグネット可動型スピーカ、2…フレーム、3…フレーム前部材、3a…前端縁、4…フレーム後部材、G1、G2…磁気ギャップ、10…振動板、10a…エッジ部、15…ヨーク、20…ボイスコイル、21…第1の分割ボイスコイル、22…第2の分割ボイスコイル、25…可動ユニット、26…可動マグネット、27…第1の磁性体プレート、28…第2の磁性体プレート、29a…ボルト、29b…ナット、30…第1のカプラ、30a…基部、30b…連設部、30c…接続部、35…第1のダンパ、40…第2のカプラ、45…第2のダンパ、50…車載用シート、51…着座部、52…凹所。
Claims (5)
- 振動板を支持するフレーム前部材、及び該フレーム前部材と一体化された中空筒状のフレーム後部材を備えたフレームと、前記フレーム後部材の内周面に固定された筒状のヨークと、該ヨークの内周面に固定配置されたボイスコイルと、
前記ボイスコイルの内径側において該ボイスコイルと非接触状態で軸方向へ進退自在に配置された可動マグネット、及び該可動マグネットの前部及び後部に夫々固定され前記ボイスコイルとの間に磁気ギャップを夫々形成する第1及び第2の磁性体プレートから成る可動ユニットと、
前部を前記振動板に固定されると共に後部によって前記可動ユニット前部を支持する第1のカプラと、外周部を前記フレームに固定されると共に、内周部によって前記第1のカプラを支持する第1のダンパと、
前記可動ユニット後部に固定された第2のカプラと、外周部を前記フレームに固定されると共に内周部によって前記第2のカプラを支持する第2のダンパと、
を備えたことを特徴とするマグネット可動型スピーカ。 - 前記ボイスコイルは、軸方向に分割された2つの分割ボイスコイルから成り、
前記第1の分割ボイスコイルと前記第1の磁性体プレートとの間の磁気ギャップを通過する磁束の方向と、前記第2の分割ボイスコイルと前記第2の磁性体プレートとの間の磁気ギャップを通過する磁束の方向とが逆向きとなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のマグネット可動型スピーカ。 - 前記第1のカプラは、前記第1の磁性体プレートと固定された基部と、該基部から前方へ向けてテーパ状に拡開した形状の連設部と、該連設部の先端部に設けられて前記振動板の内側面と密着状態で接続される接続部と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネット可動型スピーカ。
- 車載用シートを構成する着座部の内部に請求項1乃至3の何れか一項に記載のマグネット可動型スピーカを配置したことを特徴とする車載用シート。
- 前記着座部の下面に設けた凹所内に振動板を下向きにした状態で前記マグネット可動型スピーカを組み込んだことを特徴とする請求項4に記載の車載用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007294872A JP2009124348A (ja) | 2007-11-13 | 2007-11-13 | マグネット可動型スピーカ、及び車載用シート |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007294872A JP2009124348A (ja) | 2007-11-13 | 2007-11-13 | マグネット可動型スピーカ、及び車載用シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009124348A true JP2009124348A (ja) | 2009-06-04 |
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ID=40816045
Family Applications (1)
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JP2007294872A Pending JP2009124348A (ja) | 2007-11-13 | 2007-11-13 | マグネット可動型スピーカ、及び車載用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009124348A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102026072A (zh) * | 2010-11-26 | 2011-04-20 | 宁波凯普电子有限公司 | 动铁式低频发声器 |
KR101335627B1 (ko) * | 2011-09-06 | 2013-12-03 | 주식회사 윈스메탈 | 스피커 |
JP2018074472A (ja) * | 2016-11-01 | 2018-05-10 | 株式会社エフ・ピー・エス | スピーカ |
WO2023194163A1 (en) * | 2022-04-04 | 2023-10-12 | Pss Belgium Nv | Loudspeaker |
-
2007
- 2007-11-13 JP JP2007294872A patent/JP2009124348A/ja active Pending
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