JP2016018071A - ファラデー回転子とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長1.1μm以下でかつ出力5W以上の高出力レーザー用光アイソレータに組み込まれても挿入損失が増加し難く、RIG膜と放熱用サファイア基板の剥離も起こり難いファラデー回転子とその製造方法を提供する。【解決手段】液相エピタキシャル法で育成されたビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)の両面側に放熱用サファイア基板を有するファラデー回転子であって、上記RIG膜1と放熱用サファイア基板2、2の接合面が鏡面研磨され、接着剤を用いることなく表面活性化常温接合法によりRIG膜と放熱用サファイア基板が直接接合されており、かつ、RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面に反射防止膜が設けられていないことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)の両面側に放熱用サファイア基板を有する光アイソレータ用のファラデー回転子に係り、特に、波長1.1μm以下でかつ出力5W以上の高出力レーザー用光アイソレータに組み込まれても挿入損失が増加し難く、しかも、上記RIG膜と放熱用サファイア基板の剥離が起こり難いファラデー回転子とその製造方法に関するものである。
光通信に利用されている半導体レーザーやレーザー加工等に利用されている固体レーザー等は、レーザー共振器外部の光学面や加工面で反射された光がレーザー素子に戻ってくるとレーザー発振が不安定になる。レーザー発振が不安定になると、光通信の場合には信号ノイズとなり、加工用レーザーの場合はレーザー素子が破壊されてしまうことがある。このため、このような反射戻り光がレーザー素子に戻らないように遮断するための光アイソレータが使用される。通常、光アイソレータは、ファラデー回転子、偏光子、検光子(偏光子)および永久磁石で構成されている。
従来、高出力レーザー用の光アイソレータに組み込まれるファラデー回転子としては、テルビウム・ガリウム・ガーネット結晶(以下、TGGと称する)やテルビウム・アルミニウム・ガーネット結晶(以下、TAGと称する)が用いられてきた。
しかし、TGGやTAGは単位長さ当たりのファラデー回転係数が小さいため、光アイソレータとして機能させるために45度の偏光回転角を得るには光路長を長くする必要があり、そのために長さが6cm程度にもなる大きな結晶を用いなければならなかった。また、高い光アイソレーションを得るためには、結晶に一様で大きな磁場をかけることが必要となり、強力で大きな磁石を用いていた。このため、光アイソレータの寸法は大きなものとなっていた。また、光路長が長いため、レーザーのビーム形状が結晶内で歪むことがあり、歪みを補正するための光学系が必要となる場合もあった。更に、TGGは高価でもあり、小型で安価なファラデー回転子が望まれていた。
一方、光通信分野で専ら用いられているビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜(以下、RIG膜と略称する)は、単位長さ当たりのファラデー回転係数がTGGやTAGに較べて著しく大きいため、光アイソレータを大幅に小型化することが可能である。しかしながら、RIG膜は使用する光の波長が加工用レーザーに用いられる1.1μm付近まで短くなると、鉄イオンによる光吸収が大きくなり、この光吸収による温度上昇により性能劣化を起こすことが知られている。
RIG膜における温度上昇の問題を改善する方法として、特許文献1においては以下の技術が提案されている。すなわち、この技術は、基板上にRIG膜を育成し、加工により上記基板を除去し、かつ、ファラデー回転角が45°になるまでRIG膜を研磨した後、研磨したRIG膜の両面に接着剤を用いてサファイアやルチル等から成る放熱用基板を接着する方法であった。
そして、特許文献1で提案された方法は、サファイア等から成る放熱用基板の作用によりRIG膜の温度上昇が抑えられる顕著な効果を有するが、出力5W以上の波長1μm帯の光が照射された場合、照射部の接着剤が変色して挿入損失が急激に増大し、光出力を下げても挿入損失が戻らないという不可逆な劣化を生じさせる問題があった。
そこで、特許文献2では、接着剤等の接合剤を用いずに、常磁性ガーネット単結晶とガーネット単結晶を直接接合する技術(常温真空接合やフッ酸接合等の技術)を開示し、また、特許文献3でも、接着剤等の接合剤を用いずに、ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜(BIG膜)と放熱用サファイア基板を接触させる技術を開示している。そして、特許文献2と特許文献3に開示された方法では接着剤等の接合剤を用いていないため、接着剤の変色に起因する挿入損失の急激な増大を避けることが可能となる。
特開2006−215491号公報(段落0026参照) 特開2008−158314号公報(段落0076参照) 特開2011−090291号公報(段落0019参照)
ところで、特許文献2と特許文献3に記載された方法に基づき、本発明者が、接着剤を用いずにRIG膜と放熱用サファイア基板を接合させてその接合具合を観察したところ、接合性の高い表面活性化常温接合法を適用した場合においても、−40℃と90℃の冷熱衝撃試験を数サイクル行っただけでRIG膜と放熱用サファイア基板が剥離してしまうことがあった。
そして、RIG膜と放熱用サファイア基板が剥離した場合、剥離部の存在によりファラデー回転子として機能しなくなる問題が生ずる。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、波長1.1μm以下でかつ出力5W以上の高出力レーザー用光アイソレータに組み込まれても挿入損失が増加し難く、しかも、RIG膜と放熱用サファイア基板の剥離が起こり難いファラデー回転子とその製造方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため、本発明者が鋭意研究を継続したところ、以下のような技術的知見を得るに至った。
すなわち、RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面を予め鏡面研磨し、かつ、鏡面研磨されたRIG膜と放熱用サファイア基板の接合面に反射防止膜を形成することなく、更に、接着剤も用いずに表面活性化常温接合法を用いてRIG膜と放熱用サファイア基板を直接接合させた場合、−40℃と90℃の冷熱衝撃試験を数サイクル繰り返してもRIG膜と放熱用サファイア基板の剥離が起こらないことを発見し、また、直接接合させた上記RIG膜と放熱用サファイア基板に対し波長1060nm(すなわち、波長1.1μm以下)で5W以上のレーザー光を照射しても上述した不可逆な挿入損失特性の劣化が起こることが無く、しかも界面での反射が0.1%以下であることを見出すに至った。
本発明はこのような技術的発見と知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
液相エピタキシャル法で育成されたビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)の両面側に放熱用サファイア基板を有するファラデー回転子において、
上記RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面が鏡面研磨され、接着剤を用いることなく表面活性化常温接合法によりRIG膜と放熱用サファイア基板が直接接合されており、かつ、RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面に反射防止膜が設けられていないことを特徴とするものである。
また、第2の発明は、
第1の発明に記載のファラデー回転子において、
上記鏡面研磨されたRIG膜と放熱用サファイア基板における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が2nm未満であることを特徴とし、
第3の発明は、
第2の発明に記載のファラデー回転子において、
上記鏡面研磨されたRIG膜における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とし、
第4の発明は、
第2の発明に記載のファラデー回転子において、
上記鏡面研磨された放熱用サファイア基板における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とするものである。
次に、第5の発明は、
第1の発明に記載のファラデー回転子を製造する方法において、
液相エピタキシャル法で育成されたビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)の両面と放熱用サファイア基板の片面を鏡面研磨し、かつ、鏡面研磨された各面を接合面として表面活性化常温接合法によりRIG膜の両面に放熱用サファイア基板を直接接合することを特徴とし、
第6の発明は、
第5の発明に記載のファラデー回転子の製造方法において、
上記鏡面研磨されたRIG膜と放熱用サファイア基板における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が2nm未満であることを特徴とし、
第7の発明は、
第6の発明に記載のファラデー回転子の製造方法において、
上記鏡面研磨されたRIG膜における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とし、
また、第8の発明は、
第6の発明に記載のファラデー回転子の製造方法において、
上記鏡面研磨された放熱用サファイア基板における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とするものである。
本発明に係る第1の発明は、
液相エピタキシャル法で育成されたビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)の両面側に放熱用サファイア基板を有するファラデー回転子において、
上記RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面が鏡面研磨され、接着剤を用いることなく表面活性化常温接合法によりRIG膜と放熱用サファイア基板が直接接合されており、かつ、RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面に反射防止膜が設けられていないことを特徴としている。
そして、本発明に係るファラデー回転子によれば、
波長1060nm(すなわち、波長1.1μm以下)で5W以上のレーザー光が照射されても不可逆な挿入損失特性の劣化を起こさず、しかも、界面での反射が0.1%以下であり、更に、−40℃と90℃の冷熱衝撃試験を数サイクル繰り返してもRIG膜と放熱用サファイア基板の剥離が起こり難い顕著な効果を有している。
実施例と比較例で使用したファラデー回転子の断面図。 実施例と比較例で使用した光アイソレータの断面図。 実施例(接着剤不使用)と比較例7(接着剤使用)のファラデー回転子を組み込んだ光アイソレータの光強度(W)と挿入損失(dB)との関係を示したグラフ図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
RIG膜の両面側に放熱用サファイア基板を有する本発明に係るファラデー回転子は、RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面が鏡面研磨され、接着剤を用いることなく表面活性化常温接合法によりRIG膜と放熱用サファイア基板が直接接合されており、かつ、RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面に反射防止膜が設けられていないことを特徴とし、また、上記ファラデー回転子の製造方法は、液相エピタキシャル法で育成されたビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)の両面と放熱用サファイア基板の片面を鏡面研磨し、かつ、鏡面研磨された各面を接合面として表面活性化常温接合法によりRIG膜の両面に放熱用サファイア基板を直接接合することを特徴とするものである。
1.ビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)の製造
基板に(GdSc)3Fe512を適用し、(BiNdGd)3Fe512をRIG膜としたRIG膜の製造法について説明する。
まず、(GdSc)3Fe512から成る基板上に、液相エピタキシャル法によりRIG膜である(BiNdGd)3Fe512を200μm育成し、かつ、上記基板を除去した後、波長1060nmによるファラデー回転角が45°になる厚さまで育成したRIG膜を研磨加工する。
尚、RIG膜の鏡面研磨は、砥粒が含まれるポリッシング液を研磨布とRIG膜間に供給しながら研磨する一般的な研磨法(例えば、メカノケミカル研磨法)により行うことができ、RIG膜の接合面は、研磨時の砥粒により任意の粗さに設定することができる。
2.放熱用サファイア基板の調製
予め育成したc面サファイア基板を厚さ400μmに研磨加工し、かつ、11mm角の正方形状にカットして所望とする放熱用サファイア基板を調製する。
尚、RIG膜と同様、放熱用サファイア基板の鏡面研磨も、砥粒が含まれるポリッシング液を研磨布と放熱用サファイア基板間に供給しながら研磨する一般的な研磨法(上述したメカノケミカル研磨法)により行うことができ、放熱用サファイア基板の接合面は、研磨時の砥粒により任意の粗さに設定することができる。
3.RIG膜と放熱用サファイア基板の接合
接合面が所望の粗さに鏡面研磨されたRIG膜と放熱用サファイア基板について、各接合面に反射防止膜を形成せず、かつ、接着剤を用いることなく表面活性化常温接合法によりRIG膜と放熱用サファイア基板を接合する。
尚、実施の形態並びに以下に示す実施例等においては、「ムサシノエンジニアリング社製:表面活性化接合タイプ常温接合装置」を使用している。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。
まず、実施の形態に記載した方法により(BiNdGd)3Fe512で示されるRIG膜と放熱用サファイア基板を製造した。
尚、RIG膜と放熱用サファイア基板における接合面の鏡面研磨は、砥粒が含まれるポリッシング液を、研磨布とRIG膜(若しくは放熱用サファイア基板)間に供給しながら研磨するメカノケミカル研磨法で行うと共に、砥粒の種類と粒径を適宜変えることにより以下の表1に示す算術表面粗さRaに設定している。
また、実施例および比較例に係るファラデー回転子の特性評価は、以下のようにしてなされている。
[界面反射測定]
リフレクトメーターを用いて、実施例および比較例に係る「RIG膜と放熱用サファイア基板の界面」における波長1060nmの反射を測定している。
[挿入損失測定]
図1に示すファラデー回転子を用いて図2に示す光アイソレータを組立てた。
図2中の符号5はファラデー回転子を示し、図1に示すファラデー回転子と同じものである。また、図1中の符号1はビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)、符号2は放熱用サファイア基板、符号3はヒートシンクを示し、また、図2中の符号6は偏光子、符号7は永久磁石を示している。
そして、図2に示す光アイソレータに、波長1060nm、ビーム径0.6mmのレーザー光を、0.5Wと10Wのパワーで30秒ずつ交互にそれぞれ10回入射し、レーザー光入射前に対する挿入損失の増加量を測定している。
[冷熱衝撃試験]
−40〜+90℃の冷熱衝撃試験を行っている。また、−40℃から+90℃へ、および、+90℃から−40℃への温度変更時間は3秒で試験を行っている。
そして、冷熱衝撃試験は、各20サンプルについて、それぞれ100サイクル試験を行い、剥離発生サンプル数と平均剥離発生サイクル数で評価している。
尚、80サイクルを超えてもRIG膜と放熱用サファイア基板の剥離が起こらない場合を合格としている。
そして、以下の表1に、実施例1〜6と比較例1〜8に係る鏡面の表面粗さRa、および、RIG膜と放熱用サファイア基板の接合方法を示し、また、以下の表2に、実施例1〜6と比較例1〜8に係るファラデー回転子の特性評価結果を示す。
また、表1の「接合方法」については、表面活性化常温接合法を「常温接合」、接着剤を用いた接合法を「接着剤接合」、および、接合面同士を大気中で押し合わせただけの接合法を「無接合」と表記している。
Figure 2016018071
Figure 2016018071
[確 認]
1.実施例
(1)実施例1〜6に関しては、RIG膜と放熱用サファイア基板における接合面の算術表面粗さRaを40nm以下(Ra:0.5〜38nm)の鏡面とし、かつ、接合面に反射防止膜を形成せずに表面活性化常温接合法で接合しているため、冷熱衝撃試験で80サイクルを超える良好な接合強度が得られていることが確認される。
また、接合に接着剤を使用していないため挿入損失の増加(変化量:0.0〜0.1)も無いことが確認された。
尚、図3は、実施例(接着剤不使用)と比較例7(接着剤使用)のファラデー回転子を組み込んだ光アイソレータの光強度(W)と挿入損失(dB)との関係を示すグラフ図であり、実施例に係る光アイソレータにおいては、光強度が5W以上であるレーザー光を照射しても挿入損失の著しい増加を起こしていないことが確認される。
(2)実施例6では、接合面の算術表面粗さRaを1nm以下(Ra:0.5〜0.6nm)としたため、100サイクルの冷熱衝撃試験でも剥離しないことが確認された。
(3)実施例4と5では、RIG膜または放熱用サファイア基板のいずれかの接合面の算術表面粗さRaを1nm以下(Ra:0.6nm)としたため、98サイクルの冷熱衝撃試験でも剥離しないことが確認された。
2.比較例
(1)比較例1〜3では、RIG膜と放熱用サファイア基板における接合面の算術表面粗さRaを1nm以下(Ra:0.5〜0.6nm)として表面活性化常温接合法で接合したが、RIG膜と放熱用サファイア基板の片方または両方に反射防止膜を形成したため、挿入損失の増加は見られなかったが、冷熱衝撃試験において15サイクル以下(12〜15サイクル)で剥離してしまうことが確認された。
(2)比較例4と5では、表面活性化常温接合法で接合したものの、放熱用サファイア基板の接合面に反射防止膜を形成していることに加え、比較例1〜3より接合面の算術表面粗さRaが大きかった(Ra:1.3〜21nm)ため、冷熱衝撃試験において10サイクル未満(2〜9サイクル)で剥離してしまうことが確認された。
(3)比較例6では、RIG膜および放熱用サファイア基板の接合面の算術表面粗さRaを1nm以下(Ra:0.6nm)にし、反射防止膜を形成しなかったが、表面活性化常温接合法や接着剤での接合を行わずに、接合面同士を張り合わせただけだったため、挿入損失は増加しなかったが、冷熱衝撃試験において1サイクルで剥離してしまうことが確認された。
(4)比較例7と8では、接着剤で接合をしたため、100サイクルの冷熱衝撃試験で剥離はしなかったが、接着剤の変色により、挿入損失が増加してしまう(変化量:1.6〜2.2)ことが確認された。
尚、図3は、実施例(接着剤不使用)と比較例7(接着剤使用)のファラデー回転子を組み込んだ光アイソレータの光強度(W)と挿入損失(dB)との関係を示すグラフ図であり、比較例7に係る光アイソレータにおいては、光強度が5W以上であるレーザー光を照射した場合に挿入損失の著しい増加を引き起こすことが確認される。
3.実施例に係るファラデー回転子の優越性
上述した確認事項から、実施例1〜6に係るファラデー回転子は、比較例1〜8に係るファラデー回転子と異なり5W以上のレーザー光が照射されても十分に耐久性を備えていることが確認される。
本発明に係るファラデー回転子によれば、レーザー照射によりRIG膜が発熱しても、破損することなく所望とする光学特性を発揮するため、光通信やレーザー加工等における高出力レーザー用のファラデー回転子として広範に利用される産業上の利用可能性を有している。
1 ビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)
2 放熱用サファイア基板
3 ヒートシンク
5 ファラデー回転子
6 偏光子
7 永久磁石

Claims (8)

  1. 液相エピタキシャル法で育成されたビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)の両面側に放熱用サファイア基板を有するファラデー回転子において、
    上記RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面が鏡面研磨され、接着剤を用いることなく表面活性化常温接合法によりRIG膜と放熱用サファイア基板が直接接合されており、かつ、RIG膜と放熱用サファイア基板の接合面に反射防止膜が設けられていないことを特徴とするファラデー回転子。
  2. 上記鏡面研磨されたRIG膜と放熱用サファイア基板における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が2nm未満であることを特徴とする請求項1に記載のファラデー回転子。
  3. 上記鏡面研磨されたRIG膜における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とする請求項2に記載のファラデー回転子。
  4. 上記鏡面研磨された放熱用サファイア基板における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とする請求項2に記載のファラデー回転子。
  5. 請求項1に記載のファラデー回転子の製造方法において、
    液相エピタキシャル法で育成されたビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)の両面と放熱用サファイア基板の片面を鏡面研磨し、かつ、鏡面研磨された各面を接合面として表面活性化常温接合法によりRIG膜の両面に放熱用サファイア基板を直接接合することを特徴とするファラデー回転子の製造方法。
  6. 上記鏡面研磨されたRIG膜と放熱用サファイア基板における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が2nm未満であることを特徴とする請求項5に記載のファラデー回転子の製造方法。
  7. 上記鏡面研磨されたRIG膜における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とする請求項6に記載のファラデー回転子の製造方法。
  8. 上記鏡面研磨された放熱用サファイア基板における接合面の算術平均表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とする請求項6に記載のファラデー回転子の製造方法。
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