JP4688024B2 - ファラデー回転子の製造方法及び該回転子が組込まれた光アイソレータ - Google Patents

ファラデー回転子の製造方法及び該回転子が組込まれた光アイソレータ Download PDF

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Description

本発明は光通信や加工用に使用される高出力レーザーの反射戻り光対策に用いられるファラデー回転子の製造方法と該ファラデー回転子が組込まれた光アイソレータに関するものである。
光通信に利用されている半導体レーザーや、レーザー加工などに利用されている固体レーザーなどは、レーザー共振器外部の光学面や加工面で反射された光がレーザー素子に戻ってくるとレーザー発振が不安定になる。発振が不安定になると、光通信の場合には信号ノイズとなり、加工用レーザーの場合は、レーザー素子が破壊されてしまう場合がある。そのため、このように途中で反射して戻ってくる光がレーザー素子に当たらないように遮断するために、光アイソレータが使用される。通常、光アイソレータは、ファラデー回転子、偏光子、検光子および永久磁石とから構成されている。
従来、高出力レーザー用の光アイソレータに用いられるファラデー回転子としての単結晶厚膜は、テルビウム・ガリウム・ガーネット結晶(以下、「TGG」と称する)やテルビウム・アルミニウム・ガーネット結晶(以下、「TAG」と称する)が用いられてきた。
しかしながら、TGGやTAGは単位長さあたりのファラデー回転係数が小さいため、光アイソレータとして機能させるために45°の偏光回転角を得て光路長を長くする必要があり、そのために長さが6cm程度にもなる大きな結晶を用いなければならなかった。また、高いアイソレーションを得るためには、結晶に一様で大きな磁場をかけることが必要であり、強力で大きな磁石を必要としていた。そのため、光アイソレータの寸法は大型なものとなっていた。また、光路長を長くするために、レーザーのビーム形状が結晶内で歪むことがあり、歪みを補正するための光学系が別途必要となる場合もあった。さらには、TGGは高価でもあり、小型で安価なファラデー回転子が望まれていた。
一方、光通信分野で専ら用いられているビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜(以下、「RIG膜」と称する)は、単位長さあたりのファラデー回転係数がTGGやTAGに比べて著しく大きいため、光アイソレータを大幅に小型化することが可能である。しかしながら、RIG膜は使用する光の波長が、加工用レーザーに用いられる1.1μm付近まで短くなると鉄イオンによる吸収が大きくなり、結果としてこの吸収による温度上昇により性能劣化を起こすことが知られている。
前記RIG膜のかかる温度上昇による問題を改善する方法として、特許文献1が提案されている。この特許文献1に紹介された技術は、通常は研磨により除去してしまうRIG膜育成用の基板である(GdCa)(GaMgZr)12基板(以下、「GGG基板」と称する)を残したままにしておき、RIG膜で発生した熱を放熱し易くしたものである。また、RIG膜の両面を透明なGGG基板で一体的に密着挟持して、熱伝導性の高いGGG基板を介してRIG膜の熱を放熱する方法も、特許文献2に提案されている。
特開2000−66160公報 特開平7−281129号公報
しかしながら、特許文献1の方法でもRIG膜における光吸収による発熱を完全に防止できる訳ではない。またRIG膜においては、RIG膜の温度が上昇すると吸収係数も増えるので、レーザー光を吸収したことによるRIG膜の温度上昇により、吸収係数が増え、さらにRIG膜の温度上昇による性能劣化を招くという悪循環に陥っていた。入射するレーザー光の強度が増えると、RIG膜とGGG基板が直接結合し一体化しているために、両者の熱膨張係数が異なることに起因する歪みが発生して、RIG膜とGGG基板の双方に複屈折が生じ、光アイソレータに用いたときにアイソレーションが劣化するという問題があった。
そこで、特許文献1には、RIG膜で生じた熱を更に放熱し易くした構成として、2枚以上のGGG基板付きRIG膜を用いて、ファラデー回転角の合計が45°程度となるようにした構成が提案されている。
しかしながら、2枚以上のGGG基板付きRIG膜を用いたものは、熱を逃がす能力の面では優れているものの、光源側のRIG膜とGGG基板の界面で反射した光は、1枚のRIG膜で構成されているときとは異なり、RIG膜を往復したときに受けるファラデー回転角が90°とはならないため、レーザー素子に戻ってしまうという問題があった。
また、特許文献2では、2枚のRIG膜と放熱用基板である3枚のGGG基板を用いて、GGG基板、RIG膜、GGG基板、RIG膜、GGG基板の順に密着並設している例が提案されているが、2枚のRIG膜を用いてファラデー回転角を45°程度にしようとすると、波長が1μm付近では1枚のRIG膜の厚みが70μm程度になってしまう。実施可能な構造を商品化するためRIG膜を研磨していくと、膜厚が薄いために、反りや厚みムラが発生するという新たな問題が生じた。
反りが生じたRIG膜を放熱用基板と密着させたり、接着させたりするとRIG膜に複屈折が生じ、光アイソレータに用いたときにアイソレーションが劣化する。また、RIG膜の厚みムラは、ファラデー回転角の面内のばらつきとなり、アイソレーションの劣化に繋がる。
そこで本発明は、2枚以上のRIG膜を用いてファラデー回転子を構成したとしても、RIG膜に反りや厚みムラなどを起こさずに、高出力のレーザーに対して使用してもアイソレーションが劣化しないファラデー回転子の製造方法及び該回転子を組込んだ光アイソレータを提供することを目的としている。
RIG膜におけるファラデー回転角の温度係数は、0.05°/℃から0.10°/℃程度であり、光アイソレータでのアイソレーションを30dB以上に維持するためには、RIG膜の温度上昇を20℃〜30℃程度に抑える必要がある。
RIG膜の温度上昇を抑制するためには、前述のように2枚のRIG膜を用いてファラデー回転角を構成し、それぞれのRIG膜を放熱用基板で挟み込み、放熱性を高めることが有効であるが、RIG膜の厚みが薄くなりすぎて、RIG膜の加工が難しいのが欠点であった。
そこで、本発明ではRIG膜の加工方法を鋭意検討した結果、RIG膜を薄く研磨してから放熱用基板に接着するのではなく、予めRIG膜を放熱用基板に接着した後、研磨することによってRIG膜に反りや厚みムラが改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
薄く研磨することになるRIG膜を放熱用基板に接着した後に研磨するため、放熱用基板の分だけ研磨対象の厚みが増し、研磨後のRIG膜に反りや厚みムラが生じ難いのである。また、RIG膜と放熱用基板とは反射防止膜が形成された後に接着されるため、接合界面で不要な反射戻り光が発生することもない。
したがって、本発明のファラデー回転子の製造法は、第1の放熱用基板、第1のRIG膜、第2の放熱用基板、第2のRIG膜、第3の放熱用基板の順に並設されたファラデー回転子の製造方法であって、両面に反射防止膜を形成した第2の放熱用基板に一方面のみに反射防止膜を形成した第1のRIG膜と第2のRIG膜の反射防止膜がそれぞれ対向するようにして接着する工程と、
前記第1および第2のRIG膜のファラデー回転角の合計が45°となるように、接着された第1および第2のRIG膜の反射防止膜が形成されていない他方面を研磨する工程と、
接着された第1および第2のRIG膜の研磨面に反射防止膜を形成する工程と、
両面に反射防止膜を形成した第1および第3の放熱用基板でもって、前工程において形成した研磨面に反射防止膜を有する第2の放熱用基板を介して接着されている第1および第2のRIG膜を挟み込み、重ね合わせて接着する工程とからなることを特徴とする。
次に、本発明の実施態様に係る光アイソレータは、第1および第3の放熱用基板が楔型のルチルからなり、第2の放熱用基板がサファイアからなり、また上記した方法により製造されたことを特徴とする。
上記したように本発明を用いることで、1W以上の高出力レーザーであっても、光アイソレータに用いたときに高い光絶縁効果を維持できる小型で安価なファラデー回転子と該回転子を組込んだ光アイソレータを提供することが可能になった。
つぎに、本発明を添付図面に基づいて説明する。
本発明のファラデー回転子は、放熱用基板1−1、1−2、1−3とRIG膜2−1、2−2が交互に並設されているが、RIG膜に挟まれた放熱用基板1−2に関しては、複屈折性の材料は光アイソレータに用いたときにアイソレーションが劣化するため適さない。しかしながら、例えばサファイア基板の場合であれば、一軸性結晶であるから複屈折性を有するが、C面の基板を用いれば通過する光にとっては等方的となる。このように複屈折性の材料でも、最適な方位で用いることにより複屈折が生じないようにすることができれば使用することができる。
発明のファラデー回転子は、3枚の放熱用基板1−1、1−2、1−3と2枚のRIG膜2−1、2−2からなるファラデー回転子の製造方法であって、第1の放熱用基板1−1、第1のRIG膜2−1、第2の放熱用基板1−2、第2のRIG膜2−2、第3の放熱用基板1−3の順に並設されたファラデー回転子を製造する際に、次の(a)〜(d)の4つの工程の順に製造することもできる。
(a)まず、両面1−2a、1−2bに反射防止膜3を形成した第2の放熱用基板1−2に、一方面2−1b、2−2aのみに反射防止膜3を形成した第1のRIG膜2−1と第2のRIG膜2−2を前記反射防止膜3が対向するよう重ね合わせて接着する工程(図2(a)参照)、
(b)前記第1および第2のRIG膜2−1、2−2のファラデー回転角の合計が45°となるようにRIG膜2−1、2−2の反射防止膜3が形成されていない外側の他方面2−1a、2−2bを研磨する工程(図2(b)参照)、
(c)第1および第2のRIG膜2−1、2−2の前記他方面2−1a、2−2bの研磨面に反射防止膜3を形成する工程(図2(c)参照)
(d)両面1−1a、1−1b;1−3a、1−3bに反射防止膜3を形成した第1および第3の放熱用基板1−1、1−3でもって、前記RIG膜2−1、2−2を挟み込み、重ね合わせて接着する工程(図2(d)参照)。
この実施形態では、RIG膜2−1、2−2は2枚とも中心の第2の放熱用基板1−2に接着され、研磨される。そして、最外側をなす2つの第1および第3の放熱用基板1−1、1−3は上記(d)工程においてRIG膜2−1、2−2に接着されるため、第1および第3の放熱用基板1−1、1−3に平行平板ではない基板を用いるのに適している。
次に、本発明に係る光アイソレータは、上記に示される方法により製造されたものであって、第1および第3の放熱用基板が楔型のルチルからなり、第2の放熱用基板がサファイアからなるものであることを特徴とするものである。
さらに、小型で、ファラデー回転角の合計が45°程度となるような構成とするため光路長を長くでき、複数のRIG膜を並設して接着して、RIG膜の反りや厚みムラを防止できる。
また、RIG膜2−1、2−2に挟まれた放熱用基板1−2の熱伝導率は7.0W/m・K以上であることが好ましく、具体的にはGGG、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、サファイア、ダイヤモンドといった結晶が挙げられるが、入手の容易さと、42W/m・Kという比較的高い熱伝導率を有することからサファイア基板が好ましい。
一方面のみがRIG膜2−1、2−2に接着されている最外側の2つの放熱用基板1−1、1−3に関しては、複屈折性の結晶を用いることができる。ここに楔型のルチル、YVOといった複屈折の大きな結晶を用いれば、放熱用基板に偏光子機能を具備させることができるので、偏波無依存型の光アイソレータとすることができる。その場合は熱伝導率の高いルチルを用いるのが好ましい。
なお、放熱用基板に楔型の複屈折性結晶を用いる場合は、上記の方法を採用することが好ましい。楔型の放熱用基板に接着したRIG膜を研磨するより、平行平板である第2の放熱用基板1−2に接着したRIG膜を研磨する方が簡単であるからである。
RIG膜を放熱用基板と重ね合せて接着する方法としては、必ずしも接着剤で行う必要はなく、RIG膜と放熱用基板表面を真空中においてイオンビームで数nm削り、それをそのまま接合する、いわゆる常温接合技術を用いることもできる。
放熱用基板1−1、1−2、1−3の厚みは、材質を問わず0.2mm未満では十分な放熱の効果が発揮し難く、1mm以上になると放熱用基板での光の損失が増えてくるので、0.2mm以上で、1mm未満が好ましい。
[実施例]
以下に実施例を説明すると、波長1064nm用のファラデー回転子の製造方法を説明する。なお、本発明の実施例および比較例で用いたRIG膜の波長1064nmでファラデー回転角が45°となる厚みは140μmであり、挿入損失は0.6dB程度である。
(参考例)
RIG膜としては、11mm角で、300μm以上の厚みの状態で一方面を平面に研磨し、対接着剤用の反射防止膜を施したものを2枚準備した。放熱用基板としては、11mm角で、厚み500μmのC面サファイア基板を用い、第1および第3の放熱用基板には、RIG膜を接着する側の一方面には対接着剤用の反射防止膜を、他方面には対空気用の反射防止膜を施した。また、第2の放熱用基板には、両面に対接着剤用の反射防止膜を施した。
まず、図1(a)のように、第1および第3の放熱用基板の対接着剤用の反射防止膜と、RIG膜の反射防止膜を対向させて、接着剤で接着した。
次に、図1(b)のように、RIG膜の反射防止膜が形成されていない他方面を研磨し、2枚のRIG膜共、ファラデー回転角が22.5°になるように厚み70μmに研磨した。これで、2枚のRIG膜のファラデー回転角の合計は45°となる。
その後、図1(c)に示すように、RIG膜1の上記研磨面に対接着剤用の反射防止膜3を施した。
最後に、図1(d)に図示するごとく、このように作製した2組の放熱用基板が接着されたRIG膜により、第2の放熱用基板を挟み込み、重ね合わせて接着することでファラデー回転子を構成した。
このようにして得られたファラデー回転子を3.0mm角になるようにダイシングソーで切断して、ファラデー回転子チップ11とし、光アイソレータとしての特性を評価するために、光アイソレータのファラデー回転部を組み立てた。以下に図3を用いて、ファラデー回転部の組立てについて説明する。
上記のようにして得られたファラデー回転子チップ11を、直径2mmの貫通孔12と3mm角の凹部13が形成された真鍮製のホルダー14の凹部に収め、ホルダー14と同形状のホルダー15とで挟持し、ホルダー同士を半田で固定した。この場合、ホルダー14および15がヒートシンク16に相当する。なお、ホルダー14、15には半田が良く濡れるように金メッキを施した。また、ファラデー回転子チップ11とホルダー14および15との接触部には伝熱ペーストを塗布した。
ファラデー回転子チップ11を納めたヒートシンク16を、ヒートシンク16の外側に配置される円筒形のSm−Co磁石17の貫通孔12に挿入し、ヒートシンク16と磁石17の間に高熱伝導性の銀ペースト(図示せず)を充填した。このように銀ペーストを充填することにより、Sm−Co磁石もヒートシンクとして機能させることができる。
上記ファラデー回転子チップ11とヒートシンク16およびSm−Co磁石を一体化したファラデー回転部21(図4参照)に、波長1064nm、出力1mW、ビーム径0.5mmのNd:YAGレーザー光を入射し、ファラデー回転角を測定したところ44.0°であった。また、消光比は面内全てで40dB以上であった。
次に図4に示す光学系で、ファラデー回転部21に高出力のレーザー光を入射し、特性を評価した。4WのNd:YAGレーザー22を入射してもファラデー回転角の変化は約1°程度であった。使用したRIG膜の室温近傍におけるファラデー回転角の温度係数は0.06°/℃であるので、レーザー光を吸収したことによる温度上昇は約16℃であった。
また、上記ファラデー回転部21を消光比が40dBの偏光子23と検光子25の間に入れて、光アイソレータとし、レーザー出力が4WのNd:YAGレーザー光を上記光アイソレータの逆方向から入射したところ、3mm角の面内においてアイソレーション30dB以上を維持することができた。
なお、厚みが140μmのRIG膜の両面に本実施例と同様に厚み500μmのC面サファイア基板を接着した場合には、2.5WのNd:YAGレーザー22を入射した時点で、ファラデー回転角は1.5°以上減少し、急激な温度上昇による劣化が観測された。なお、図4において、24はウェッジガラス、26はパワーメータである。
RIG膜と放熱用基板には、参考例と同様のものを準備した。
まず、図2(a)のように、第2の放熱用基板の対接着剤用の反射防止膜に、RIG膜の反射防止膜を対向させて、接着剤で接着した。
次に、図2(b)のように、RIG膜の反射防止膜が形成されていない面を研磨し、2枚のRIG膜共、ファラデー回転角が22.5°になるように厚み70μmに研磨した。これで、2枚のRIG膜のファラデー回転角の合計は45°となる。
その後、図2(c)に示すように、RIG膜の上記研磨面に対接着剤用の反射防止膜を施した。
最後に、図2(d)に図示するごとく、このように作製した放熱用基板に接着されたRIG膜を、第1および第3の放熱用基板の対接着剤用の反射防止膜がRIG膜に対向するようにして挟み込み、重ね合わせて接着することでファラデー回転子を構成した。
このようにして得られたファラデー回転子チップを参考例と同様にダイシングソーで切断し、ファラデー回転部を組み立てた。
参考例と同じく、図4に示す光学系により光アイソレータとしての特性を評価したところ、参考例と同様に4WのNd:YAGレーザーを入射してもファラデー回転角の変化は約1°程度であった。使用したRIG膜の室温近傍におけるファラデー回転角の温度係数は0.06°/℃であるので、レーザー光を吸収したことによる温度上昇は約16℃であった。
また、上記ファラデー回転部を消光比が40dBの偏光子と検光子の間に入れて、光アイソレータとし、レーザー出力が4WのNd:YAGレーザー光を上記光アイソレータの逆方向から入射したところ、3mm角の面内においてアイソレーション30dBを維持することができた。
RIG膜と第2の放熱用基板には、参考例と同様のものを準備した。また、第1および第3の放熱用基板としてサファイア基板の代わりに光透過面が1.5mm角の楔型のルチル基板を準備し、光透過面の楔の傾斜している方の面には対空気用の反射防止膜を、他方の面には対接着剤用の反射防止膜を施した。
まず、第2の放熱用基板の対接着剤用の反射防止膜に、RIG膜の反射防止膜を対向させて、重ね合わせて接着剤で接着した。次に、RIG膜の反射防止膜が形成されていない面を研磨し、ファラデー回転角の合計が45°となるように、2枚のRIG膜共、ファラデー回転角が22.5°になるように厚み70μmに研磨した。RIG膜の研磨面に対接着剤用の反射防止膜を施した後、1.5mm角になるようにダイシングソーで切断した。最後に、このように作製した放熱用基板に接着されたRIG膜を、第1および第3の放熱用基板である楔型ルチルの対接着剤用の反射防止膜がRIG膜に対向するようにして挟み込み、重ね合わせて接着することで偏波無依存型の光アイソレータを作製した。
光アイソレータとしての特性を、対向するファイバコリメータ内に上記偏波無依存型光アイソレータを挿入し、レーザー出力が4WのNd:YAGレーザー光を用いて評価したところ、挿入損失1.0dB、アイソレーション32dBという良好な特性を得た。
(比較例)
RIG膜としては、11mm角で厚みが300μmのものを用意し、ファラデー回転角が22.5°になるように厚み70μmに研磨した後、両面に対接着剤用の反射防止膜を施したものを2枚準備した。また、放熱用基板としては、参考例と同様のものを準備した。
上記RIG膜と放熱用基板を、第1の放熱用基板、第1のRIG膜、第2の放熱用基板、第2のRIG膜、第3の放熱用基板の順に並べて接着し、ファラデー回転子チップとし、参考例と同様にファラデー回転部を製造した。出力1mWのNd:YAGレーザーを用いて図4に示す光学系で特性を評価したところ、消光比が3mm角の面内で30dBから40dBまでばらついた。
上記ファラデー回転部を消光比が40dBの偏光子と検光子の間に入れて、光アイソレータとし、レーザー出力が4WのNd:YAGレーザー光を上記光アイソレータの逆方向から入射したところ、3mm角の面内においてアイソレーションが20dB程度の領域が存在した。
参考例のファラデー回転子の製造方法を示す断面図で、(a)〜(d)はファラデー回転子の製造工程を順次説明する図である。 本発明のファラデー回転子の製造方法の実施例を示す断面図で、(a)〜(d)はファラデー回転子の製造工程を順次説明する図である。 本発明のファラデー回転部の構成を示す説明図で、(a)は断面図、(b)は正面図である。 光アイソレータとしての特性を評価する光学系を示す概略図である。
1−1、1−2、1−3 第1、第2、第3の放熱用基板
2−1、2−2 第1、第2のビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜(RIG膜)
3 反射防止膜
11 ファラデー回転子チップ
12 貫通孔
13 凹部
14、15 ホルダー
16 ヒートシンク
17 磁石
21 ファラデー回転部
22 Nd:YAGレーザー
23 偏光子
24 ウェッジガラス
25 回転ステージ付き検光子
26 パワーメータ

Claims (2)

  1. 第1の放熱用基板、第1のビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜、第2の放熱用基板、第2のビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜、第3の放熱用基板の順に並設されたファラデー回転子の製造方法であって、
    両面に反射防止膜を形成した第2の放熱用基板に、一方面のみに反射防止膜を形成した第1のビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜と第2のビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜の前記反射防止膜がそれぞれ対向するようにして接着する工程と、
    前記第1および第2のビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜のファラデー回転角の合計が45°となるように、第1及び第2のビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜の反射防止膜が形成されていない他方面を研磨する工程と、
    前記第1および第2のビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜の研磨面に反射防止膜を形成する工程と、
    両面に反射防止膜を形成した第1および第3の放熱用基板でもって、前工程により形成された両面に反射防止膜を有した第2の放熱用基板を介して接着されている第1および第2のビスマス置換型希土類鉄ガーネット膜を挟み込み、重ね合わせて接着する工程と
    からなることを特徴とするファラデー回転子の製造方法。
  2. 第1および第3の放熱用基板が楔型のルチルからなり、第2の放熱用基板がサファイアであることを特徴とする請求項1記載の方法により製造された光アイソレータ。
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