JP2001021838A - 光アイソレータの製造方法 - Google Patents

光アイソレータの製造方法

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JP2001021838A
JP2001021838A JP11189054A JP18905499A JP2001021838A JP 2001021838 A JP2001021838 A JP 2001021838A JP 11189054 A JP11189054 A JP 11189054A JP 18905499 A JP18905499 A JP 18905499A JP 2001021838 A JP2001021838 A JP 2001021838A
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adhesive
faraday rotator
optical
polarizing
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JP11189054A
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Hiroki Yoshikawa
博樹 吉川
Toshiaki Watanabe
聡明 渡邊
Toshihiko Ryuo
俊彦 流王
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 第一の偏光ガラス1とファラデー回転子
2を光学面で接着した偏光ガラス/ファラデー回転子接
着素子と第二の偏光ガラス3の間に接着剤を塗布し、第
一偏光ガラス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス構造
体(A体という。)を形成し、接着剤がファラデー回転
子と第二の偏光ガラスの接着面全体に行き渡った後に、
A体に光学面に対してほぼ垂直に磁界を印加した状態で
磁場とほぼ平行に光を透過すると共に、透過光が極小と
なるように第二の偏光ガラスと偏光ガラス/ファラデー
回転子接着素子の間の角度を調節し、角度を保持したま
ま接着剤を硬化させてA体を構成し、更に、このA体を
切断することによって2個以上のA体のチップを得る光
アイソレータ4の製造方法。 【効果】 貼り合わせ毎の光学特性(消光比)のバラツ
キを小さくでき、一度の接着作業で多数のアイソレータ
を作成でき、製造コストを大幅に低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消光比のロット間
バラツキが少ない光アイソレータを簡単かつ確実にしか
も安価に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
情報通信量の増加に伴い、基幹通信網のみならず通常の
通信回線やCATV等の有線放送等の光ケーブル化が進
んでいる。これら支線回線における情報量は基幹回線よ
りも少なく、光ケーブル化に伴う投資の回収が容易では
ない。従って、光ケーブル化に伴う費用を低減するべく
努力がなされている。
【0003】光アイソレータは、レーザー発信器から送
り出された光が再びレーザー発信器に戻るのを防ぐため
に用いられるが、これについても低コスト化が要求され
ている。
【0004】しかし、光アイソレータに用いられる光学
素子は、酸化物単結晶などの高価な部材が多い上に、各
素子を組み合わせる時の精度を厳重に管理しなければな
らないため、組み立て費用及び各素子を保持固定するた
めのホルダー等の部材費がコスト低減の妨げとなってい
る。
【0005】組み立てに関連するコストの削減手段とし
て、光学素子を予め積層接着しておき、その後、必要な
寸法に切断する方法が知られている。しかし、この方法
では、各光学素子の角度管理を十分に行っても光学特性
(特に消光比)のバラツキを抑えることが困難であっ
た。
【0006】また、チップ状に切断する場合、光学素子
を切断装置に固定して行うが、十分な固定強度がないと
特に小さなチップを得る場合に良好な切断を行い難く、
不良発生率が多くなるものであり、このため小さなチッ
プに切断する場合にも不良発生率を少なくする方法が望
まれた。
【0007】従って、本発明の目的は、安価で光学特性
のバラツキの少ない光アイソレータを簡単かつ確実に、
しかも不良率を顕著に低減して製造する方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明は、上記目的を達成するため、(1)第一の偏光ガ
ラスとファラデー回転子を光学面で接着した偏光ガラス
/ファラデー回転子接着素子と第二の偏光ガラスの間に
接着剤を塗布し、前記偏光ガラス/ファラデー回転子接
着素子と前記第二の偏光ガラスを密着して第一偏光ガラ
ス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス構造を形成し、
前記接着剤が前記ファラデー回転子と前記第二の偏光ガ
ラスの接着面全体に行き渡った後に、前記第一偏光ガラ
ス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス構造体に光学面
に対してほぼ垂直に磁界を印加した状態で前記磁場とほ
ぼ平行に光を透過すると共に、前記透過光が極小となる
ように前記第二の偏光ガラスと前記偏光ガラス/ファラ
デー回転子接着素子の間の角度を調節し、この角度を保
持したまま前記接着剤を硬化させて第一偏光ガラス/フ
ァラデー回転子/第二偏光ガラス接着素子接合体を構成
し、更に、この第一偏光ガラス/ファラデー回転子/第
二偏光ガラス接着素子接合体を切断することによって2
個以上の第一偏光ガラス/ファラデー回転子/第二偏光
ガラス接着素子チップを得ることを特徴とする光アイソ
レータの製造方法を提供する。
【0009】また、本発明は、(2)第一偏光ガラス、
ファラデー回転子、第二偏光ガラスを接着剤を介して接
合一体化した第一偏光ガラス/ファラデー回転子/第二
偏光ガラス接着素子接合体を切断して2個以上の第一偏
光ガラス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス接着素子
チップを得る上記光アイソレータの製造方法において、
前記接合体を熱溶融性仮止め用接着剤で台座に固定し、
この台座をスライサー又はダイサーにセットして前記接
合体を切断し、次いで前記接着剤の溶融温度以上に加熱
してチップを台座から取り外すことを特徴とする光アイ
ソレータの製造方法を提供する。
【0010】更に、本発明は、(3)第一偏光ガラス、
ファラデー回転子、第二偏光ガラスを接着剤を介して接
合一体化した第一偏光ガラス/ファラデー回転子/第二
偏光ガラス接着素子接合体を切断して2個以上の第一偏
光ガラス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス接着素子
チップを得る上記光アイソレータの製造方法において、
前記接合体をシアノアクリレート系接着剤で台座に固定
し、この台座をスライサー又はダイサーにセットして前
記接合体を切断し、次いで前記接着剤を溶剤により除去
してチップを台座から取り外すことを特徴とする光アイ
ソレータの製造方法を提供する。
【0011】本発明の光アイソレータは、光学素子を接
着剤で接合した後に、必要な寸法に切断し、その後、磁
石及びホルダー等と組み合わせて得られる。このことに
よって、各光学素子を組み合わせて作成されるアイソレ
ータよりも組み立て工数及び各素子を精密に保持固定す
るためのホルダー部材を節約することが可能となる。
【0012】この場合、本発明で適用される光アイソレ
ータは、偏光ガラス/ファラデー回転子(以下、FRと
記載)/偏光ガラスで構成されたものであるが、ここ
で、ファラデー回転子のθfを45°とし、第一の偏光
ガラスと第二の偏光ガラスの偏光方向のなす角を45°
とすると、最大の消光比が得られる。従って、偏光ガラ
ス形状と偏光方向の関係が固定されていれば(例えば、
方形の偏光ガラスの一辺と偏光方向が平行となるように
統一する)、機械的に第一の偏光ガラスと第二の偏光ガ
ラスの角度が45°となるように組み立て接着を行うこ
とにより、十分な消光比が得られるはずである。しか
し、偏光ガラスの偏光方向をいつもある辺に対して平行
になるように加工をしたりファラデー回転子のθfを4
5°に作成することは困難である。その結果、接着ロッ
ト毎に消光比のバラツキが生じることになる。
【0013】これに対し、本発明においては、上述した
ように、第二の偏光ガラスを接着する際に、実際の消光
比が最大になるように角度調節するので、接着ロット毎
に消光比のバラツキを最小限に抑えることができるもの
である。
【0014】また、第一偏光ガラス/FR/第二偏光ガ
ラス接着素子接合体を所定のサイズに切断する際に、切
断装置に固定するが、上記(2),(3)の方法によれ
ば、前記接合体を十分な強度で台座に接着、固定し得る
ので、小さなチップに切断する場合でもこれを容易に行
うことができ、しかも切断後にチップを台座から取り外
すことが容易である上、光学面の汚染や損傷も生じ難
く、また切断用ブレードの目詰まりも少ないものであ
る。
【0015】従って、本発明により、不良率を顕著に低
減して第一偏光ガラス/FR/第二偏光ガラス接着素子
チップを得ることができる。
【0016】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の光アイソレータの製造方法は、まず、第一の偏
光ガラスとファラデー回転子(FR)を接着固定した偏
光ガラス/FR接着素子を作成する。この場合、接着剤
による接着程度は、ゲル化程度の硬化状態とし、後述す
る第二の偏光ガラスの完全接着時に同時に完全接着させ
てもよく、次工程前に完全硬化させるようにしてもよ
い。
【0017】次いで、この偏光ガラス/FR接着素子に
第二の偏光ガラスを接着するが、この際以下の手順によ
って行う。 偏光ガラス/FR接着素子のFR表面又は第二の偏光
ガラスに接着剤を滴下してお互いを密着させる。 第一の偏光ガラス/FR/第二の偏光ガラスの構造の
まま、光学面に対してほぼ垂直に磁場を印加し、更に、
光学面にほぼ垂直に光を透過する。透過光は、光パワー
メーター等でモニタリングし、透過量を測定できるよう
にする。この場合、印加する磁界は、ファラデー回転子
(FR)のθfが飽和するのに十分な大きさであること
が有効であり、また、透過する光の波長は、光アイソレ
ータの使用波長とすることが有効である。また、この光
の偏光方向は、第一の偏光ガラスを透過する方向である
ことが望ましい。 ここで、偏光ガラス/FR接着素子と第二の偏光ガラ
スの間の接着剤が接着面全体に行き渡った後に、第二の
偏光ガラスを偏光ガラス/FR接着素子に対して回転さ
せて、光の透過率が極小となるように調整する。もし、
角度調整後に接着剤が接着面全体に行き渡るまで放置す
ると、その間に、消光比が変化する場合があり、十分な
特性が得られない。この際、角度調整及び調整後の状態
を維持できるように光学素子を保持する治具を用いるこ
とが望ましい。 角度調整後、接着剤を硬化させて接着を完了する。こ
の場合、角調装置(工程、で使用した磁界印加、光
透過装置、光検出装置一式)にセットしたままで硬化し
ても、角調装置から取り出して硬化してもどちらでもよ
い。硬化方法は、用いる接着剤によって異なる。一般
に、偏光ガラスは、紫外線等の短波長光を透過し難いの
で、熱硬化型の接着剤を用いることが多い。この場合、
接着面又は光学素子全体を加熱することで硬化を行う。
【0018】以上のように第一偏光ガラス/FR/第二
偏光ガラス構成で光学面接着した後、所定の大きさに切
断して目的のサイズの光学素子チップを一度に多数作成
し、該チップを常法により金属製ホルダー及び磁石に接
合して光アイソレータを得るものである。
【0019】ここで、第一偏光ガラス/FR/第二偏光
ガラス接着素子接合体を切断する場合、該接合体を仮止
め用接着剤を用いて台座に接着、固定し、この台座をス
ライサー又はダイサーにセットして切断加工することが
有効であり、接着剤としては下記の条件を満たすものが
好適である。 切断時の接着強度に優れる。 切断後の取り外しが容易である。 光学面の汚染や損傷がない。 切断用ブレードの目詰まりが少ない。
【0020】この場合、仮止め用接着剤としては、上記
〜の条件を満たし、切断後の剥離が容易な点からホ
ットメルト型のワックス系接着剤等の熱溶融性接着剤が
好適であるが、ワックス系接着剤は、切断用ブレードの
目詰まりを起こしやすいため、切断不良の原因となる。
そこで、ワックスに研磨剤等の無機微粒子を添加し、ブ
レードの目詰まりを低減したものが望ましい。一方、光
学素子は、光学面に反射防止膜が施されており、パーテ
ィクルとの接触により反射防止膜を損傷することがあ
る。従って、目詰まり防止効果を有し、かつ光学面にキ
ズをつけないワックスが必要となる。このような2つの
条件を満足するワックス系接着剤として、研磨剤等の無
機微粒子を添加した後に100μm以上のパーティクル
をフィルターによって除去したものが有効である。
【0021】上記のような微粒子含有ワックス類等の熱
溶融性接着剤を用いた場合、切断後、該接着剤をその溶
融温度以上に加熱することにより、容易にチップを台座
から取り外し、回収することができる。
【0022】また、本発明で切断しなければならない接
合体は、3枚の光学素子を貼り合わせたものであり、厚
みが通常1mmを超え、上記のようなワックス系接着剤
で十分な強度を得るためには、通常0.5mm2以上の
接着面積が必要となる。しかし、光学部品の小型化によ
り、0.5mm2未満の接着面積を必要とする場合があ
る。このような場合は、ワックス系よりも強い接着力を
有する仮止め用接着剤が必要となる。前記〜の条件
を満足し、かつ、更に接着力の高い仮止め用接着剤とし
て、シアノアクリレート系接着剤が優れている。この接
着剤は、ワックス系と比較して接着力が2倍程度もあ
り、しかもブレードの目詰まりも少ない。切断後、溶剤
に浸漬することで剥離可能である。特に、今回の使用目
的では、接着面積が小さくても十分な接着強度を与える
ため、溶剤による溶解剥離が容易に行えるものである。
【0023】なお、切断後、シアノアクリレート系接着
剤を除去するために使用する溶剤は、光学素子の取り外
しが短時間で行えるだけではなく、光学素子(接合体)
自身の接着剤や反射防止膜にダメージを与えないことが
重要となる。また、人体に対する毒性が少ないことも必
要条件である。以上の目的に適した溶剤として、アセト
ンが好適に用いられる。アセトンは、シアノアクリレー
ト系接着剤の溶解能力に優れるが、光学素子に使用され
るエポキシ系接着剤やシリコーン系接着剤に対する浸食
が比較的緩慢であり、反射防止膜に対しても殆ど影響を
与えない。また、人体に対する毒性もトルエン等と比較
して弱いものである。アセトンは単独で用いてもよく、
また必要に応じて他の溶剤(ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、塩素系溶剤、アルコール類等)と
混合使用しても差し支えない。
【0024】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0025】〔実施例1〕偏光ガラスとしてコーニング
製ポラコア1.3μm用15×15mmに対空気反射防
止膜及び対接着剤反射防止膜を施したものを使用した。
また、ファラデー回転子としては、ビスマス置換希土類
鉄ガーネット(θf=45°at 1.31μm)15
×15mmに対接着剤反射防止膜を両面に施したものを
使用した。接着剤としては、シリコーン系2液式熱硬化
型樹脂を使用した。
【0026】まず、第一の偏光ガラスの対接着剤反射防
止膜面とファラデー回転子(FR)を上記接着剤で接着
し、第一偏光ガラス/FR接着素子を作成した。この場
合、接着剤は、完全硬化状態になるまで熱硬化処理を行
った。
【0027】次に、第二の偏光ガラスの対接着剤反射防
止膜面に接着剤を滴下し、偏光ガラス/FR接着素子の
FR面と密着し、第一偏光ガラス/FR/第二偏光ガラ
スの構成とした。なお、第二偏光ガラスの接着剤は、未
硬化である。
【0028】接着剤が、FRと第二の偏光ガラスの接着
面全体に行き渡ったことを確認してから、第一偏光ガラ
ス/FR/第二偏光ガラス構成体を角調装置にセットし
た。この時、第一の偏光ガラスの偏光方向は、角調装置
の光ビームの偏光方向とほぼ一致させた。
【0029】ここで、本実施例で使用された角調装置
は、試料(第一偏光ガラス/FR/第二偏光ガラス構成
体)に対して磁界印加と光ビーム照射を同時に行うこと
ができるものであり、光ビームと磁界の方向がほぼ平行
な領域に試料をセットできるように試料台が設けられて
いる。また、光ビームは、試料を透過した後、光量を測
定する手段(例えば光パワーメーター)により測定され
る。
【0030】なお、使用した光は、波長1.31μmの
半導体レーザーを用い、試料の手前で偏光フィルターに
より直線偏光とした。また、試料が載置される領域の磁
界は、約2.5キロエルステッドであった。
【0031】次に、図1(A)に示したように、第一偏
光ガラス/FR光学素子を固定したまま第二の偏光ガラ
スの向きを徐々に変化させて、透過光が極小となる向き
に修正した。なお、図中1は第一偏光ガラス、2はファ
ラデー回転子、3は第二偏光ガラス、4は磁石、5は光
ディテクタ(光パワーメーター)である。
【0032】次いで、第一偏光ガラス/FR光学素子と
第二の偏光ガラスの位置関係が崩れないように治具によ
り固定して、この治具と共に第一偏光ガラス/FR/第
二偏光ガラス構成体をオーブンにセットした。オーブン
による熱処理条件は、150℃,6時間,大気中とし
た。
【0033】接着剤の熱硬化が終了した第一偏光ガラス
/FR/第二偏光ガラス光学素子を図1(B)に示すよ
うに1×1mmの角柱に切り出して光学素子チップ6を
得た後、図1(C)に示すようにチップ6各々をリング
状磁石7及び金属ホルダー8と組み上げてアイソレータ
9とした。
【0034】得られたアイソレータの消光比を測定した
ところ、以下の結果が得られた。
【0035】
【表1】
【0036】〔比較例1〕偏光ガラス及びファラデー回
転子、接着剤、金属ホルダー、磁石は、すべて実施例と
同じ規格のものを使用した。なお、偏光ガラスの偏光方
向は、正方形である偏光ガラスの一辺(二辺)と平行の
ものを使用した。
【0037】まず、実施例1と同様の方法で第一偏光ガ
ラス/FR光学素子を作成した。次に、図2に示すよう
に、第二の偏光ガラスと第一偏光ガラス/FR光学素子
の第一の偏光ガラスのなす角度が正確に45°となるよ
うに接着剤を介して密着させた。この時、正確に45°
の角度が得られるように互いに45°の角度で重ね合わ
せるための治具を用いた。
【0038】接着剤が接着面全体に行き渡ったことを確
認した後、熱硬化処理を行った。なお、接着剤の硬化条
件は、実施例1と同じである。
【0039】以下、実施例1と同様にして光学素子チッ
プを切り出し、金属ホルダー、磁石に接合して光アイソ
レータを作成した。
【0040】得られたアイソレータの消光比を測定した
ところ、以下の結果が得られた。
【0041】
【表2】
【0042】実施例1と比較例1を比較すると、明らか
に、実施例で製造された光アイソレータの消光比が高
く、接着バッチ間のバラツキも小さくなっている。この
ことから、本発明による光アイソレータ製造方法の有効
性が実証された。
【0043】〔実施例2〕実施例1で得られた第一偏光
ガラス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス接着素子接
合体を無機微粒子が分散された下記のワックス系接着剤
で台座(ガラス製)に固定した。固定方法は、約130
℃に加熱した台座にワックスを溶融塗布し、その上に接
合体を密着する方法をとった。この台座を冷却後、スラ
イサーにセットし、切断加工を行った。この時の切断サ
イズは0.8mm×0.8mmとした。切断後、台座を
約130℃に加熱してチップを取り外した。この接合体
をメタノール中で超音波洗浄した後に、光学面の観察を
行った。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】以上の結果より、ワックス中のパーティク
ルを除去することにより光学面の損傷を大幅に減少する
ことができた。また、パーティクルの除去効果は、10
0μm以上のパーティクルを除去すれば十分であり、そ
れよりも細かなパーティクルを除去しても、大きな改善
は得られず、濾過に時間を要するだけであった。
【0046】〔実施例3〕実施例1で得られた第一偏光
ガラス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス接着素子接
合体をシアノアクリレート系接着剤で台座(ガラス製)
に固定した。接着後12時間以上放置した後に、スライ
サーにセットし、切断加工を行った。この時の切断サイ
ズは0.6mm×0.6mmとした。切断後、アセトン
中に10分間浸漬してチップを取り外した。更に、接合
体をメタノール中で超音波洗浄した後に、光学面の観察
を行った。結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】上記の結果より、シアノアクリレート系の
接着剤を切断用の仮止めに使用すると、切断時に十分な
接着強度が得られる上に、切断性能の低下も殆どないこ
とが確認された。また、台座からの取り外し時にアセト
ンを使用すると、光学面の汚染やダメージがない上に、
比較的短時間に取り外し作業が完了することが確認され
た。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、光学素子を貼り合わせ
る際に、光学的に最適な角度に偏光ガラス偏波面の角度
を調整するので、貼り合わせ毎の光学特性(消光比)の
バラツキを小さくできる。また、一度の接着作業で多数
のアイソレータを作成できるので製造コストを大幅に低
減できる。更に、不良率の少ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を説明するもので、(A)は第二偏
光ガラスの角度調整を説明する概略断面図、(B)は光
学素子チップの斜視図、(C)は該チップを組み込んで
アイソレータを得る状態を説明する斜視図である。
【図2】比較例の方法を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 第一偏光ガラス 2 ファラデー回転子 3 第二偏光ガラス 4 磁石 5 光ディテクタ(光パワーメーター) 6 光学素子チップ 7 リング状磁石 8 金属ホルダー 9 アイソレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 流王 俊彦 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 2H099 AA01 BA02 CA11 DA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の偏光ガラスとファラデー回転子を
    光学面で接着した偏光ガラス/ファラデー回転子接着素
    子と第二の偏光ガラスの間に接着剤を塗布し、前記偏光
    ガラス/ファラデー回転子接着素子と前記第二の偏光ガ
    ラスを密着して第一偏光ガラス/ファラデー回転子/第
    二偏光ガラス構造を形成し、前記接着剤が前記ファラデ
    ー回転子と前記第二の偏光ガラスの接着面全体に行き渡
    った後に、前記第一偏光ガラス/ファラデー回転子/第
    二偏光ガラス構造体に光学面に対してほぼ垂直に磁界を
    印加した状態で前記磁場とほぼ平行に光を透過すると共
    に、前記透過光が極小となるように前記第二の偏光ガラ
    スと前記偏光ガラス/ファラデー回転子接着素子の間の
    角度を調節し、この角度を保持したまま前記接着剤を硬
    化させて第一偏光ガラス/ファラデー回転子/第二偏光
    ガラス接着素子接合体を構成し、更に、この第一偏光ガ
    ラス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス接着素子接合
    体を切断することによって2個以上の第一偏光ガラス/
    ファラデー回転子/第二偏光ガラス接着素子チップを得
    ることを特徴とする光アイソレータの製造方法。
  2. 【請求項2】 第一偏光ガラス、ファラデー回転子、第
    二偏光ガラスを接着剤を介して接合一体化した第一偏光
    ガラス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス接着素子接
    合体を切断して2個以上の第一偏光ガラス/ファラデー
    回転子/第二偏光ガラス接着素子チップを得る請求項1
    記載の光アイソレータの製造方法において、前記接合体
    を熱溶融性仮止め用接着剤で台座に固定し、この台座を
    スライサー又はダイサーにセットして前記接合体を切断
    し、次いで前記接着剤の溶融温度以上に加熱してチップ
    を台座から取り外すことを特徴とする光アイソレータの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 熱溶融性仮止め用接着剤が、100μm
    以上のパーティクルを除去した微粒子含有ワックス系接
    着剤である請求項2記載の光アイソレータの製造方法。
  4. 【請求項4】 第一偏光ガラス、ファラデー回転子、第
    二偏光ガラスを接着剤を介して接合一体化した第一偏光
    ガラス/ファラデー回転子/第二偏光ガラス接着素子接
    合体を切断して2個以上の第一偏光ガラス/ファラデー
    回転子/第二偏光ガラス接着素子チップを得る請求項1
    記載の光アイソレータの製造方法において、前記接合体
    をシアノアクリレート系接着剤で台座に固定し、この台
    座をスライサー又はダイサーにセットして前記接合体を
    切断し、次いで前記接着剤を溶剤により除去してチップ
    を台座から取り外すことを特徴とする光アイソレータの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 溶剤がアセトン又はアセトンを含有する
    溶剤である請求項4記載の光アイソレータの製造方法。
JP11189054A 1999-07-02 1999-07-02 光アイソレータの製造方法 Pending JP2001021838A (ja)

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