JP2016017941A - クロマトグラフ用データ処理装置及びデータ処理方法並びにクロマトグラフ分析システム - Google Patents

クロマトグラフ用データ処理装置及びデータ処理方法並びにクロマトグラフ分析システム Download PDF

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Abstract

【課題】分析者の経験や勘に頼ることなく試料中の成分濃度を適切な値に調整することができるクロマトグラフ用データ処理装置及びデータ処理方法並びにクロマトグラフ分析システムを提供する。
【解決手段】本発明の分析システムは、液体試料を送液ポンプ2により送給される移動相中に注入するオートサンプラ3、移動相に乗った液体試料が送り込まれるカラム5、各成分のスペクトルを検出するPDA6、及びデータ処理装置7等を備えている。クロマトグラフ分析が実行されると、データ処理装置7はPDA6から時間、波長及び強度の3次元データを取得し、該データを処理して液体試料中の目的成分の定量値を求める。このとき、目的成分のピークトップ強度がダイナミックレンジから外れている場合、ピークに属する各時点のスペクトルにおけるピークトップ波長における強度と別の波長における強度の比を用いて目的成分のピークトップ強度を算出し、液体試料の希釈率を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフなどのクロマトグラフ装置用のデータ処理装置及びデータ処理方法並びにクロマトグラフ分析システムに関する。
クロマトグラフ装置では、試料を分析することによって横軸に時間、縦軸に信号強度(出力電圧など)をとったクロマトグラムを表すデータ(以下、クロマトグラムデータという)を取得する。クロマトグラフ用データ処理装置では、このようなクロマトグラムに出現しているピークを検出し、予め設定された同定テーブルを参照してピーク位置(保持時間)からそのピークに対応する物質を同定し、さらにピークの高さや面積からその物質の濃度や量を算出する。
こうしたデータ処理装置では、一般に、A/D変換器を含む信号処理回路のハードウエア上での制約から処理可能な信号の大きさに限界があり、限界以上又は限界以下の大きさの信号が入力されても正確な演算処理を実行することができない。
また、こうした信号処理上での限界とは別に、クロマトグラフ装置の検出器はその信号のレベルによって検出結果の信頼度が相違する。例えば液体クロマトグラフの検出器として使用される紫外可視分光光度計、フォトダイオードアレイ検出器などでは、一般に、図10に示すように試料中の成分濃度が高くなるに従い非直線性が顕著になり定量精度が悪化する。したがって、試料の目的成分の濃度が所定の範囲(ダイナミックレンジ)内となるようにして分析を行うことが望ましい。
特開2006-292641号公報
試料に含まれる目的成分の濃度範囲が予め分かっている場合は、検出強度がダイナミックレンジに収まるようにするために、試料を適宜の倍率で希釈したり濃縮したりしたといった前処理を施した上で分析が行われる(特許文献1参照)。しかし、濃度範囲が全く分からない場合は、試料の希釈率や濃縮率の設定は分析者の経験や勘に頼らざるを得ない。そのため、経験の浅い未熟者の場合、希釈率や濃縮率を変更しつつ、繰り返し測定を行うか、或いは、希釈率や濃縮率の異なる複数の試料を用意し、複数回の分析を行って目的成分の濃度を求める必要があった。
本発明が解決しようとする課題は、分析者の経験や勘に頼ることなく試料中の目的成分濃度を適切な値に調整してクロマトグラフ分析を実行することができるクロマトグラフ用データ処理装置及びデータ処理方法並びにクロマトグラフ分析システムを提供することである。
本発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置は、
目的成分を含む試料について実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データを処理するデータ処理装置であって、
a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定する設定手段と、
b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出する算出手段と、
c) 前記算出手段により算出された各時間の信号強度比から補正値を設定する補正値設定手段と、
d) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記ピークトップの分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、該推定値に乗じたとき、その値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する係数決定手段と
を備えることを特徴とする。
ここで、「分析パラメータ」とは、波長やm/z(質量電荷比)等を意味する。
また、所定の下限強度値か上限強度値までの範囲とは、信号処理上の限界、及び3次元クロマトグラフ分析に用いる検出器の定量精度上の限界から決まる、いわゆるダイナミックレンジを指す。
本発明の別の態様に係るクロマトグラフ用データ処理装置は、
目的成分を含む試料について実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データを処理するデータ処理装置であって、
a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定する設定手段と、
b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出する算出手段と、
c) 前記信号強度比と該信号強度比を求めたスペクトルの時間との関係を図に示す図示手段と、
d) 前記図に示される信号強度比のうち1つの値を補正値としてユーザに選択させる補正値選択手段と、
e) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記ピークトップの分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、該推定値に乗じたとき、その値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する係数決定手段と
を備えることを特徴とする。
本発明に係るクロマトグラフ用データ処理方法は、
目的成分を含む試料について実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データを処理する方法であって、
a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定し、
b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出し、
c) 前記算出された各時間の信号強度比から補正値を設定し、
d) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、
e) 該推定値に乗じた値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する
ことを特徴とする。
また、本発明の別の態様に係るクロマトグラフ用データ処理方法は、
目的成分を含む試料について実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データを処理する方法であって、
a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定し、
b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出し、
c) 前記信号強度比と該信号強度比を求めたスペクトルの時間との関係を表示画面に図示させ、
d) 前記表示画面に示される信号強度比のうち1つの値を補正値としてユーザに選択させ、
e) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、
f) 該推定値に乗じた値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する
ことを特徴とする。
或る成分のスペクトルは、本来、成分固有の形状をしており、その濃度の大小によってその形状が変化するものではない。このスペクトル形状の相似性により、同じピークに属する各分析パラメータのクロマトグラムピークの信号強度は、互いに一定の関係を有することになる。従って、この関係を用いれば、ピークトップの分析パラメータP1のクロマトグラムピーク強度を、同じピークに属する別の分析パラメータP2のクロマトグラムピーク強度から推定することができる。この場合、ピークトップの分析パラメータP1における信号強度や、分析パラメータP2における信号強度がダイナミックレンジから外れている場合等、分析パラメータP1における強度又は分析パラメータP2における強度に誤差が大きく含まれると、その時間のスペクトルの形状は本来のものから崩れたものとなり、その時間で算出される両者の関係も前記一定の関係から外れたものとなる。そこで、予め所定の基準を設けて、誤差が小さい時間領域での関係を用いる。
例えば分析パラメータが波長である場合、本発明では、まず、3次元データ上の目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、ピークトップ波長λ1と、目的成分のピークに属する、前記波長λ1とは別の波長λ2を設定する。この波長λ2は、その強度がダイナミックレンジの範囲内にある波長とする。なお、目的成分のピークのピークトップ強度がダイナミックレンジの上限値を超えているときのみ、前記波長λ1及び波長λ2を設定し、後述するようにして補正値を算出し、ピークトップ強度が該上限値を超えていない場合には、ピークトップ波長λ1のクロマトグラムピークから、通常の方法にて目的成分の定量値を算出するようにしても良い。
次に、目的成分のピークに属する各時間のスペクトルにおいて、ピークトップ波長λ1における強度と波長λ2における強度の比を算出する。そして、所定の選択基準により、波長λ1における強度及び/又は波長λ2における強度の誤差が小さい時間領域での強度比の値を補正値として選択する。そして、補正値と波長λ2のクロマトグラムにおける目的成分のピーク強度を用いることにより、波長λ1のクロマトグラムにおける前記ピーク強度を推定する。続いて、波長λ1のクロマトグラムにおける前記ピーク強度の推定値に乗じたときに、その値がダイナミックレンジ内に収まるような濃度調整係数を求める。この濃度調整係数は、前記3次元クロマトグラムを取得する際に用いた試料中の目的成分の濃度を反映する。つまり、濃度調整係数が1の試料は、試料中の目的成分濃度が適切な範囲にある。このため、該試料について実行された3次元クロマトグラフにより得られた3次元クロマトグラムにおける目的成分のピーク強度はダイナミックレンジ内に収まる。
一方、濃度調整係数が1よりも大きい試料は、該試料中の目的成分の濃度がクロマトグラフ分析に適切な濃度を下回っており、濃度調整係数が1よりも小さい試料は、該試料中の目的成分の濃度がクロマトグラフ分析に適切な濃度を超えている。従って、このような場合は、濃度調整係数に対応する倍率で試料を濃縮したり希釈したりする前処理を行う。そうすれば、前処理後の試料について得られる3次元クロマトグラムにおける目的成分のピーク強度はダイナミックレンジから外れることはないの上限値を超えたり下限値を下回ったりすることが無く、目的成分の定量値を正確に求めることができる。
この場合、クロマトグラフ用データ処理装置が求めた濃度調整係数に基づき、クロマトグラフ装置が自動的に試料を濃縮/希釈する前処理を実行し、前処理後の試料について3次元クロマトグラフ分析を実行するようにすれば、試料をセットしてから試料中の目的成分の定量値を算出するまでの一連の作業を自動化することができる。
すなわち、本発明に係るクロマトグラフ分析システムは、試料をカラムに導入する試料導入装置を備えたクロマトグラフ装置と、該クロマトグラフ装置により実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データを処理するクロマトグラフ用データ処理装置とを備えるシステムであって、
前記クロマトグラフ用データ処理装置が、
a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定する設定手段と、
b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出する算出手段と、
c) 前記算出手段により算出された各時間の信号強度比から補正値を設定する補正値設定手段と、
d) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記ピークトップの分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、該推定値に乗じたとき、その値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する係数決定手段と、
e) 前記濃度調整係数を出力する出力手段とを備え、
前記液体クロマトグラフ分析装置が、
f) 前記クロマトグラフ用データ処理装置から出力された濃度調整係数に基づき前記試料を前処理する前処理部と、前処理を行った試料について3次元クロマトグラフを実行するクロマトグラフ分析実行部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、目的成分を含む試料について3次元クロマトグラフを実行することにより得られる信号強度が、該3次元クロマトグラフのダイナミックレンジから外れている場合に、どの程度外れているかを示す指標となる濃度調整係数を自動的に求めることができるため、分析者の経験や勘に頼ることなく、試料に希釈/濃縮等の適切な前処理を施して、3次元クロマトグラフ分析を実行することができる。
本発明の一実施例であるクロマトグラフ用データ処理装置を含む分析システムの概略構成図。 本実施例の分析システムを構成するオートサンプラの動作を説明するための流路構成図。 本実施例のクロマトグラフ用データ処理装置におけるデータ処理の概略フローチャート。 本実施例のクロマトグラフ用データ処理装置が取得する3次元データを示す等高線図。 前記3次元データから得られる、時間T1に沿ったスペクトル。 前記3次元データから得られる、補正用波長λ2に沿ったクロマトグラム。 強度比を算出するときの処理概念を示す時間−波長−強度の3次元グラフ。 目的ピークに属する、或る時間tにおけるスペクトル。 時間と強度比の関係を示すグラフ、及び、ピークトップ波長λ1と補正用波長λ2におけるクロマトグラム。 検出器におけるダイナミックレンジの説明図。
以下、本発明の一実施例として、液体クロマトグラフ装置及びそのデータ処理装置から成るクロマトグラフ分析システムを例に挙げて説明する。
図1(a)は、本実施例に係るクロマトグラフ用データ処理装置を含む分析システムの概略構成図である。この分析システムは、移動相容器1から移動相を吸引して一定流量で送給する送液ポンプ2、ラックに用意された多数の液体試料から所定の順序で試料を選択して採取し、必要に応じて希釈、濃縮等の前処理を実行した後に、前記送液ポンプ2により送給されてきた移動相中に注入するオートサンプラ3、移動相に乗った液体試料が送り込まれるカラム5を内部に有し該カラム5を温度制御するカラムオーブン4、各成分の所定の波長範囲のスペクトルを検出するフォトダイオードアレイ検出器(PDA)6、PDA6から出力されるデータを処理するデータ処理装置7、を備えている。送液ポンプ2、オートサンプラ3、カラムオーブン4、PDA6は分析操作部8による指示に基づいて分析制御部9により制御される。送液ポンプ2、オートサンプラ3、カラムオーブン4、カラム5、PDA6、分析操作部8及び分析制御部9等から、本発明の液体クロマトグラフ装置が構成される。
データ処理装置7の実体はCPU(中央演算装置)やメモリ、ハードディスクやSSDなどの記憶装置等から構成される一般的なコンピュータである。このコンピュータには専用のデータ処理ソフトウエアがインストールされており、このソフトウエアを実行することにより、図1(b)に示した強度判定部71、波長設定部72、強度比算出部73、図示部74、補正値選択部75、成分定量部76、係数決定部77などの機能が実現される。さらに、データ処理装置7には、キーボードやマウス等のポインティングデバイスである操作部79、及び表示部80が接続されている。
図2はオートサンプラ3の構成の一例、及び動作を説明するための流路構成図である。図2において、インジェクションバルブ(高圧バルブ)30は6つのポート30a〜30fを有する回転式の6ポート2ポジション流路切換バルブであって、切換え操作により、隣接する2つのポートが選択的に接続される。即ち、図2(a)中の実線又は点線の2つの接続の組み合わせが切換え可能とされる。一方、低圧バルブ31は7つのポート31a〜31gを有する回転式の7ポート6ポジションバルブであり、計量ポンプ32が接続された共通ポート31gは他の6つのポート31a〜31fのいずれか1つに連結され、それに連動してポート31a〜31fの中の隣接する所定の2つのポートが連結される。例えば図2(a)中に実線で示すように共通ポート31gとポート31bとが連結されるときにはポート31aと31fとが連結される。
インジェクションバルブ30のポート30bにはカラム5へ至るカラム流路が、ポート30cには送液ポンプ2により移動相が供給される移動相流路が接続される。また、ポート30dにはサンプルループ34に接続され、さらにニードル36、インジェクションポート35を介してポート30aに接続される。ポート30e及びポート30fは、それぞれ低圧バルブ31のポート31b及びポート31cに接続される。その低圧バルブ31のポート31aには洗浄ポート33が接続され、ポート31eは計量ポンプ32に接続され、さらにポート31dには洗浄液が供給される。試料ラック38には、液体試料や希釈液等が貯留されたバイアル瓶39が多数収容されている。ニードル36は、移動機構37により水平方向及び垂直方向にそれぞれ移動可能となっており、バイアル瓶39上及び洗浄ポート33上に移動すると共にそれぞれの液中に挿入可能である。
このオートサンプラ3における試料導入時の基本的な動作シーケンスを説明する。試料採取時には、インジェクションバルブ30及び低圧バルブ31は図2(a)中の実線で示す接続状態に切り替えられ、ニードル36はバイアル瓶39上に移動されてその液体試料中に挿入される(符号36’の位置)。その状態で、計量ポンプ32のプランジャが引かれると、計量ポンプ32からニードル36に至る流路中に満たされている移動相(又は同じ成分である洗浄液)を介してバイアル瓶39から液体試料が吸引され、その液体試料はサンプルループ34中に保持される。液体試料の採取量は計量ポンプ32の吸引量に等しい。
試料採取後、ニードル36はインジェクションポート35上の位置に戻されてインジェクションポート35に接続される。また、インジェクションバルブ30は図2(a)中の点線で示す接続状態に切り換えられる。すると、送液ポンプ2から送給された移動相が、サンプルループ34、ニードル36、インジェクションポート35を通ってカラム5へ送られる。この際、移動相と共に、先にサンプルループ34中に保持された液体試料がカラム5へと送り込まれる。
こうした試料吸引によって液体試料が付着したニードル36の洗浄は次のようにして行われる。即ち、インジェクションバルブ30及び低圧バルブ31は図2(b)中の実線で示す接続状態に切り換えられる。そして、計量ポンプ32のプランジャが引かれてシリンジ内に洗浄液が吸引される。その後にインジェクションバルブ30及び低圧バルブ31が共に図2(a)中の点線で示す接続状態に切り換えられ、プランジャが押されて計量ポンプ32から洗浄液が吐出されると、洗浄液は洗浄ポート33に導入されて満たされ、余分の洗浄液は洗浄ポート33の排液口から排出される。次に、ニードル36を図2(b)中に示すように洗浄ポート33上に移動させて洗浄ポート33に貯留された洗浄液中に浸漬させ、一定時間、ニードル36を洗浄した後にインジェクションポート35まで戻す。
上記動作は最も基本的な動作のみであり、試料中の目的成分の濃縮や希釈、試薬の添加などの前処理が加わるとさらにその動作は煩雑になるが、いずれにしても、オートサンプラ3では一連の動作を実行する際にバルブ30、31、計量ポンプ32、移動機構37などの各機構系の動作を順番に実行していくことになる。
次に、本実施例に係るクロマトグラフ分析システムの特徴的な動作である、液体試料の濃度調整係数を決定する動作について図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
濃度調整係数の決定に先立ち、液体クロマトグラム装置では、試料ラック38にセットされた所定のバイアル瓶39内の液体試料について、クロマトグラフ分析が実行される。すなわち、オートサンプラ3は試料ラック38内の所定のバイアル瓶39から所定量の液体試料を採取し、液体クロマトグラフ装置のカラム5に導入する。液体試料の採取から該液体試料のカラム5への導入までの動作は上述した通りである。なお、このときは液体試料を希釈したり濃縮したりする等の前処理は行われない。
カラム5に液体試料が導入されると、該液体試料に含まれる各成分が時間的に分離され、各成分の所定の波長範囲のスペクトルがPDA6により検出される。この検出データ(スペクトルデータ)は逐次、データ処理装置7に送られ、この結果、図4に示すような時間−波長−強度の3次元データが得られる(ステップS1)。データ処理装置7の強度判定部71は、この3次元データ中の目的成分のピーク(以下、「目的ピーク」とする)について、そのピークトップ強度が所定の上限値Paを超えているか否かを判定する(ステップS2)。この上限値Paは、PDA6やA/D変換器(図示せず)等のダイナミックレンジを考慮して予めデータ処理装置7に設定されている値である。通常はダイナミックレンジの上限値が用いられるが、それよりも低い安全な値を用いても良いし、それよりもやや高い、実用上許容できる値を用いても良い。
ステップS2において、目的ピークのピークトップ強度が上限値Paを超えていない場合、データ処理装置7の成分定量部76は、目的ピークのピークトップ波長λ1に沿ったクロマトグラムから、通常の方法にて目的成分の定量値(ピーク面積又はピーク高さ)を算出する。
一方、目的ピークのピークトップ強度が上限値Paを超えた場合、目的ピークのピークトップ波長λ1に沿ったクロマトグラムから目的成分の定量値を算出しても、それは正確な値とならない。そのため、以下のプロセスにより、液体試料の濃度調整係数を決定する。
ステップS3では、波長設定部72が目的ピークのピークトップを通過するスペクトル(図4の時間T1に沿ったスペクトル)の、目的ピークに属する波長範囲において、ピークトップ波長λ1と、強度が所定の上限値Pb以下であり且つ所定の下限値Pc以上である波長(以下、「補正用波長」とする)λ2を設定する(図5)。この上限値Pbも、前記の上限値Paと同じく、PDA6等のダイナミックレンジの上限値に基づいて予めデータ処理装置7に設定されている値である。ステップS3で用いられる上限値Paと、ステップS4で用いられる上限値Pbは同じであっても良く、異なっていても良い。本実施例ではPa=Pbとする。
また、下限値Pcは、ダイナミックレンジの下限値に基づいて予めデータ処理装置7に設定されている値であり、通常はダイナミックレンジの下限値とするが、それよりもやや高い値を用いても良い。
強度比算出部73は、前記3次元データより、補正用波長λ2におけるクロマトグラム(補正用クロマトグラム)を作成する(図6)。そして、この補正用クロマトグラムにおいて、目的ピークに属する時間範囲[Ta, Tb]内(図6及び図7)の各時間tにおいて、波長λ1の強度I(t)と補正用波長λ2の強度I(t)を取得し(図8)、その比から強度比R(t)を次式に示すように算出する(ステップS4)。
[強度比R(t)]=[波長λ1での強度I(t)]/[補正用波長λ2での強度I(t)]
図示部74は、この強度比R(t)のグラフを作成し、表示部80に表示する。強度比R(t)は、図9に示すように、強度I(t)と強度I(t)の少なくとも一方がダイナミックレンジの範囲外にあるとき、スペクトル形状の相似性が崩れ、一定値からずれたものとなる。一方、強度I(t)と強度I(t)の両方がダイナミックレンジの範囲内にあるとき、強度比R(t)はほぼ一定の値になる。そのため、強度I(t)及び強度I(t)の両方がダイナミックレンジの範囲内にあるときが最もスペクトル間の相似性が確保されており、信頼性の高いものとなる。本実施例では、補正値選択部75は、強度I(t)と強度I(t)の両方がダイナミックレンジの範囲内にあるときの強度比R(t)の中央値を補正値Rsとして自動的に設定する(ステップS5)。
係数決定部77は、このように設定された補正値Rsを用いて、目的ピークのピークトップ波長λ1に沿ったクロマトグラムのピークトップ強度PAを、補正用波長λ2のクロマトグラムのピークトップ強度に補正値Rsを乗じた値として算出する(ステップS6)。
そして、目的ピークのピークトップ強度PAに乗じたとき、その値が、ダイナミックレンジの下限値Pcから上限値Paまでの値になるような濃度調整係数1/Dを算出する(ステップS7)。本実施例では、目的ピークのピークトップ強度が確実にダイナミックレンジに収まるように、上記ピークトップ強度PAに濃度調整係数1/Dを乗じた値が、下限値Pcの3倍以上で且つ上限値Paの1/2以下の補正強度範囲に収まるように、該濃度調整係数1/Dを算出する。 なお、濃度調整係数1/Dのうち「D」は希釈率に相当する。本実施例では、液体試料の希釈/濃縮等の前処理を容易にするためにDを整数とし、且つ、ピークトップ強度PAに1/Dを乗じた値(PA×(1/D))が前記補正強度範囲内で最も大きな値となるように、整数Dを求める。
例えば、ダイナミックレンジが0.4mAU〜2000mAUでありステップS6で算出された目的ピークのピークトップ強度PAが5633mAUであるとき、PA×(1/D)が1.2mAU〜1000mAUの強度範囲内で最も大きな値となる整数Dは「6」となる。従って、係数決定部77は濃度調整係数として「1/6」を決定する。
ステップS7で求められた濃度調整係数1/Dは、データ処理装置7から分析制御部9に出力される(ステップS8)。分析制御部9は、濃度調整係数1/Dの値に応じて、オートサンプラ3に前処理を実行するよう指示する。具体的には、液体試料を希釈液でD倍に希釈する前処理を行ってからカラム5に導入するようオートサンプラ3を制御する。その後、上述したステップS2〜S3の処理が実行されるが、液体試料を希釈する処理を行ったことにより、目的ピークのピークトップ強度PAは下限値Pcから上限値Paまでの範囲(ダイナミックレンジ)内にあるため、通常の方法にて液体試料中の目的成分の定量値が算出される。
目的成分の定量値が算出されると、データ処理装置7は、該定量値を濃度調整係数1/Dで除する。これにより、液体試料中の目的成分の定量値が求められる。
なお、上記実施例では、濃度調整係数1/Dが求められると、希釈率Dで液体試料を希釈してからカラム5に導入するようにしたが、カラム5に導入する液体試料の量を1/D倍に変更しても良い。
また、上記実施例では、液体試料のピークトップ強度がダイナミックレンジの上限値を超える場合について説明したが、本発明はダイナミックレンジの下限値を下回る場合にも適用可能である。この場合は、濃度調整係数1/Dが1よりも大きい値となり(言い換えると、Dが1よりも小さい値となる)、クロマトグラフ分析の前処理として液体試料を濃縮率Dで濃縮するか、あるいはカラムに導入する液体試料の量を1/D倍に増加させることになる。これにより、クロマトグラフ分析を行ったときに得られる目的成分のピーク強度がダイナミックレンジに収まるため、液体試料中の目的成分の正確な定量値を求めることができる。
なお、補正値選択部75は補正値Rsを自動的に設定するのではなく、表示部80に表示された強度比R(t)のグラフから、1つの強度比をユーザに選ばせるものであっても良い。
また、補正用波長λ2は、3次元データに基づいて波長設定部72が自動的に決定してもよい。補正用波長λ2を自動的に設定する方法は次の通りである。
・目的ピークの保持時間T1でのスペクトルを取得する。
・このスペクトルについて、ピークトップ波長λ1の+側(長波長側)または−側(短波長側)で、強度値が、予めユーザーにより設定された「補正用波長強度」となる波長を補正用波長λ2とする(図5)。+又は−の探索方向は、予めユーザーに指定させておいてもよいし、システムで定めておいてもよい(図5では−側に探索)。
さらに、上記の実施例では、目的成分のピークのピークトップ強度が上限値Paを超えているか否かを判定し、超えた場合にのみステップS3〜S7の処理を実行するようにしたが、常時、実行するようにしても良い。
1…移動相容器
2…送液ポンプ
3…オートサンプラ
4…カラムオーブン
5…カラム
6…検出器(PDA)
7…データ処理装置
71…強度判定部
72…波長設定部
73…強度比算出部
74…図示部
75…補正値選択部
76…成分定量部
77…係数決定部
8…分析操作部
9…分析制御部
30…インジェクションバルブ
31…低圧バルブ
32…計量ポンプ
33…洗浄ポート
34…サンプルループ
36…ニードル
37…移動機構
38…試料ラック
39…バイアル瓶

Claims (7)

  1. 目的成分を含む試料について実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データを処理するクロマトグラフ用データ処理装置において、
    a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定する設定手段と、
    b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出する算出手段と、
    c) 前記算出手段により算出された各時間の信号強度比から補正値を設定する補正値設定手段と、
    d) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記ピークトップの分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、該推定値に乗じたとき、その値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する係数決定手段と
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
  2. 目的成分を含む試料について実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データを処理するクロマトグラフ用データ処理装置において、
    a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定する設定手段と、
    b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出する算出手段と、
    c) 前記信号強度比と該信号強度比を求めたスペクトルの時間との関係を図に示す図示手段と、
    d) 前記図に示される信号強度比のうち1つの値を補正値としてユーザに選択させる補正値選択手段と、
    e) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記ピークトップの分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、該推定値に乗じたとき、その値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する係数決定手段と
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ用データ処理装置において、
    前記目的成分のピークのピークトップ強度が所定の上限値を超えているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
    前記設定手段が、前記ピークトップ強度が前記上限値を超えている場合に、該ピークトップの分析パラメータP1と、強度が所定の上限強度値以下で且つ所定の下限強度値以上である分析パラメータを分析パラメータP2として設定することを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
  4. 目的成分を含む試料について実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データを処理するクロマトグラフ用データ処理方法において、
    a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定し、
    b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出し、
    c) 前記算出された各時間の信号強度比から補正値を設定し、
    d) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、
    e) 該推定値に乗じた値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する
    ことを特徴とするクロマトグラフ用データ処理方法。
  5. 目的成分を含む試料について実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データをクロマトグラフ用データ処理方法において、
    a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定し、
    b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出し、
    c) 前記信号強度比と該信号強度比を求めたスペクトルの時間との関係を表示画面に図示させ、
    d) 前記表示画面に示される信号強度比のうち1つの値を補正値としてユーザに選択させ、
    e) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、
    f) 該推定値に乗じた値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する
    ことを特徴とするクロマトグラフ用データ処理方法。
  6. 請求項4又は5に記載のクロマトグラフ用データ処理方法において、
    前記目的成分のピークのピークトップ強度が所定の上限強度値を超えているか否かを判定し、
    前記ピークトップ強度が前記上限強度値を超えている場合に、該ピークトップの分析パラメータP1と、信号強度が所定の上限強度値以下で且つ所定の下限強度値以上である分析パラメータを分析パラメータP2として設定することを特徴とするクロマトグラフ用データ処理方法。
  7. 試料をカラムに導入する試料導入装置を備えたクロマトグラフ装置と、該クロマトグラフ装置により実行された3次元クロマトグラフにより得られた時間、分析パラメータ及び信号強度の3次元データを処理するクロマトグラフ用データ処理装置とを備えるクロマトグラフ分析システムにおいて、
    前記クロマトグラフ用データ処理装置が、
    a) 前記3次元データに基づき、目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの分析パラメータP1と、該ピークに属する、前記分析パラメータP1とは別の分析パラメータP2を設定する設定手段と、
    b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記分析パラメータP2における信号強度に対する、前記分析パラメータP1における信号強度の比を算出する算出手段と、
    c) 前記算出手段により算出された各時間の信号強度比から補正値を設定する補正値設定手段と、
    d) 前記補正値と、前記分析パラメータP2におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度とに基づき、前記ピークトップの分析パラメータP1におけるクロマトグラムでの前記目的成分のピーク強度の推定値を求め、該推定値に乗じたとき、その値が、前記3次元クロマトグラフの所定の下限強度値から上限強度値までの範囲内となるような濃度調整係数を決定する係数決定手段と、
    e) 前記濃度調整係数を出力する出力手段とを備え、
    前記液体クロマトグラフ分析装置が、
    f) 前記クロマトグラフ用データ処理装置から出力された濃度調整係数に基づき前記試料を前処理する前処理部と、前処理を行った試料について3次元クロマトグラフを実行するクロマトグラフ分析実行部とを備えることを特徴とするクロマトグラフ分析システム。
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