JP2016017684A - 水冷式熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】犠牲陽極が消耗したことを簡単な構造で外部から容易に判別することができる水冷式熱交換器を提供する。
【解決手段】水冷式熱交換器(10)では、ケーシング(11)は、犠牲陽極(30)の腐食前においては水室(S2,S3)内の水の進入が阻止される一方で犠牲陽極(30)の腐食の進行後には水室(S2,S3)内の水が進入するように構成された導水部(40)を備える。導水部(40)の一部を構成する外壁(40E)は、導水部(40)に進入した水をケーシング(11)の外部から目視可能なように透明又は半透明の部材によって形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、水冷式熱交換器に関する。
従来、船舶の空気調和装置等において水冷式のシェルアンドチューブ型の熱交換器が用いられている。船舶に設置された水冷式の熱交換器では、海水を導入して熱交換媒体として用いることが多い。そのため、海水によって熱交換器内部の金属が腐食してしまうおそれがあった。そこで、このような水冷式熱交換器では、内部に犠牲陽極を設け、犠牲陽極を先に酸化させることによって内部の金属の腐食を防止している(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、この特許文献1における水冷式熱交換器では、ユーザーは、ケーシングの一部(例えば犠牲陽極を覆う蓋)を取り外して犠牲陽極の腐食度合い(消耗度合い)を確認する必要がある。
特許文献2には、船舶用防食ボルト警報装置が開示されている。この警報装置は、防食ボルトと、警報コントローラとを備える。防食ボルトは、船舶用凝縮器のカバーに据え付けられる。防食ボルトは、継ぎ手ナット、継ぎ手、仕切りボルト及び防食ブロックを含む。防食ブロック、ボルト、継ぎ手及び継ぎ手ナットには、相互につながる第一、第二、第三及び第四の漏れ穴が設けられている。第四の漏れ穴は水圧コントローラに連接され、水圧コントローラは警報コントローラに連接されている。この特許文献2の警報装置では、防食ブロックの腐食を警報コントローラが検知することによって適当な時期に防食ボルトを交換するように注意喚起することができる、とされている。
特開2010−243100号公報 中国特許出願公開第102032652号明細書
しかしながら、特許文献2に開示されている警報装置では、防食ブロックの腐食を検知するために水圧コントローラ、警報コントローラなどを設ける必要があるので、構造が複雑になり、その分だけコストもアップするという課題がある。
本発明の目的は、犠牲陽極が消耗したことを簡単な構造で外部から容易に判別することができる水冷式熱交換器を提供することである。
本発明の水冷式熱交換器は、冷媒室(S1)と水室(S2,S3)とが区画形成されたケーシング(11)と、前記水室(S2,S3)内の水に接するように設けられた犠牲陽極(30)とを備えた交換器である。前記ケーシング(11)は、前記犠牲陽極(30)の腐食前においては前記水室(S2,S3)内の水の進入が阻止される一方で前記犠牲陽極(30)の腐食の進行後には前記水室(S2,S3)内の水が進入するように構成された導水部(40)を備える。前記導水部(40)の一部を構成する外壁(40E)は、前記導水部(40)に進入した水を前記ケーシング(11)の外部から目視可能なように透明又は半透明の部材によって形成されている。
この構成では、犠牲陽極(30)の腐食が進行している場合には、水冷式熱交換器の点検などを行うユーザーは、導水部(40)に進入した水を導水部(40)の一部を構成する外壁(40E)を通じてケーシング(11)の外部から視認することができる。したがって、ユーザーは、犠牲陽極(30)の消耗度合いを確認する際には、例えばケーシングの一部(例えば犠牲陽極を覆う蓋)を取り外す必要がなく、また、防食ボルトの腐食を検知するための水圧コントローラ、警報コントローラなどを設ける必要もない。よって、本構成では、犠牲陽極(30)が消耗したことを簡単な構造で外部から容易に判別することができる。
前記水冷式熱交換器において、前記導水部(40)には前記外壁(40E)から前記水室(S2,S3)までつながる貫通孔(50)が形成されており、前記貫通孔(50)は、前記犠牲陽極(30)の腐食前においては前記犠牲陽極(30)によって塞がれている一方で、前記犠牲陽極(30)の腐食の進行後には前記水室(S2,S3)内の水を前記外壁(40E)側に案内するように構成されているのが好ましい。この構成では、貫通孔(50)が水室(S2,S3)に連通するまで犠牲陽極(30)が腐食すると、貫通孔(50)を通じて水室(S2,S3)内の水が外壁(40E)側に案内される。したがって、貫通孔(50)が水室(S2,S3)に連通するまでは犠牲陽極(30)の使用を継続することができ、貫通孔(50)が水室(S2,S3)に連通するまで腐食が進行したときには犠牲陽極(30)の交換時期であることをユーザーに知らせることができる。
前記水冷式熱交換器において、前記導水部(40)は、前記外壁(40E)から遠ざかる方向に延びる導水部本体(41)と、前記導水部本体(41)とは別体の部材であって前記導水部本体(41)と前記犠牲陽極(30)とを連結する連結部材(42)とを備え、前記貫通孔(50)は、前記導水部本体(41)を貫通する第1貫通孔(51)と、前記連結部材(42)を貫通する第2貫通孔(52)とを含み、前記第2貫通孔(52)の一端は、前記第1貫通孔(51)に連通しており、前記第2貫通孔(52)の他端は、前記犠牲陽極(30)の腐食前においては前記犠牲陽極(30)によって塞がれた構造を例示することができる。
具体的には、前記連結部材(42)の外面には、雄ねじ(42S)が形成されおり、前記導水部本体(41)の前記第1貫通孔(51)の内面には、前記連結部材(42)の一端が螺合される雌ねじ(41S)が形成されており、前記犠牲陽極(30)には、前記連結部材(42)の他端における前記雄ねじ(42S)が螺合される雌ねじ(41S)が形成される構造を例示することができる。この構成では、連結部材(42)を介して導水部本体(41)と犠牲陽極(30)とをねじ構造によって連結することができ、簡単な作業で犠牲陽極(30)を導水部(40)によって保持させることができる。この連結状態においては、第1貫通孔(51)と第2貫通孔(52)とによる連続した一続きの孔(貫通孔(50))が形成され、犠牲陽極(30)の腐食前においてはこの貫通孔(50)を犠牲陽極(30)によって塞いだ状態とすることができる。
前記水冷式熱交換器において、前記貫通孔(50)は、前記犠牲陽極(30)の腐食前においては前記外壁(40E)とは反対側の開口(50A)から内部に前記犠牲陽極(30)の少なくとも一部が挿入されることによって前記開口(50A)が塞がれた形態であってもよい。この構成では、犠牲陽極(30)を開口(50A)から貫通孔(50)の内部に挿入するだけで、貫通孔(50)を塞ぐことができるので、上述したような連結部材(42)が不要になる。
前記水冷式熱交換器において、前記導水部(40)は、前記貫通孔(50)に挿入された前記犠牲陽極(30)の少なくとも一部を前記開口(50A)の外側から覆って前記犠牲陽極(30)の動きを規制するとともに前記水室(S2,S3)の水が前記犠牲陽極(30)に到達するにように流入孔(43A)が形成された被覆部材(43)を含んでいるのが好ましい。この構成では、犠牲陽極(30)が貫通孔(50)から脱落するなどの不具合が生じるのを防止でき、しかも、この被覆部材(43)に流入孔(43A)が形成されているので、水室(S2,S3)の水が犠牲陽極(30)に確実に到達して犠牲陽極(30)の機能を発揮させることができる。
前記水冷式熱交換器において、前記被覆部材(43)は、多数の前記流入孔(43A)を有するメッシュ状の部材によって構成されているのが好ましい。このメッシュ状の部材では、多数の流入孔(43A)が設けられているので、水室(S2,S3)の水を円滑に犠牲陽極(30)側に流入させることができる。
前記水冷式熱交換器において、前記貫通孔(50)は、前記外壁(40E)側の部分がその反対側の部分よりも低くなるように傾いた傾斜部(53)を有していてもよい。この構成では、犠牲陽極(30)の腐食の進行後には、水は、傾斜部(53)において高い位置から低い位置に流れるので、貫通孔(50)内を外壁(40E)側によりスムーズに流れやすくなる。
前記水冷式熱交換器において、前記貫通孔(50)は、前記外壁(40E)に隣接する水溜め部(54)を有し、前記水溜め部(54)は、前記水溜め部(54)に対して前記外壁(40E)とは反対側に隣接する前記貫通孔(50)の内側部分(55)よりも内寸が拡大されている。この構成では、外壁(40E)に隣接する位置に、貫通孔(50)の一部として水溜め部(54)が設けられており、この水溜め部(54)の内寸は、この水溜め部(54)に対して外壁(40E)とは反対側に隣接する貫通孔(50)の内側部分(55)の内寸よりも大きい。したがって、水溜め部(54)に多くの水を収容することができるので、導水部(40)に進入した水の視認性が向上する。
前記水冷式熱交換器において、前記水溜め部(54)の底部(54B)は、前記内側部分(55)の底部(55B)よりも低い位置に設けられている。この構成では、水溜め部(54)において水を溜めるための容積を大きくすることができる。そして、後述するように、空気孔(40A)が貫通孔(50)の上方に設けられている場合には、水溜め部(54)内の水位が空気孔(40A)に達するまでは水が水溜め部(54)の外部に漏れ出さない。
前記水冷式熱交換器において、前記導水部(40)は、前記貫通孔(50)と前記ケーシング(11)の外部とを連通する空気孔(40A)を有している場合には、水室(S2,S3)内の水が貫通孔(50)に流入しやすくなる。
前記水冷式熱交換器において、前記空気孔(40A)は、前記貫通孔(50)の上方に設けられているのが好ましい。この構成では、貫通孔(50)内に水が満たされるまでは、貫通孔(50)内の水は空気孔(40A)からケーシング(11)の外部に流出しない。これにより、貫通孔(50)内の水がケーシング(11)の外部に漏れ出す時期を遅らせることができる。
前記水冷式熱交換器において、前記ケーシング(11)は、筒状の胴部(11a)と、前記胴部(11a)の端に設けられ、開口部(11f)を有する蓋(11a,11b)と、を備え、前記導水部(40)は、前記蓋(11a,11b)とは別体として設けられたものであり、前記蓋(11a,11b)の前記開口部(11f)を塞いでいる形態を例示できる。この構成では、導水部(40)は、蓋(11a,11b)とは別体として設けられたものであるので、例えば導水部(40)において、透明又は半透明の外壁(40E)を設けたり、貫通孔(50)を設けたりする加工が施しやすい。
本発明によれば、犠牲陽極が消耗したことを簡単な構造で外部から容易に判別することができる。
本発明の一実施形態に係る水冷式熱交換器を示す平面図であり、内部構造を説明するために一部分を破断させて描いている。 前記水冷式熱交換器における前蓋付近を拡大した断面図である。 前記水冷式熱交換器における後蓋付近を拡大した断面図である。 (A)は、前蓋及び後蓋に設けられた導水部及び犠牲陽極の付近を拡大した断面図であり、犠牲陽極の腐食が進行する前の状態を示している。(B)は、前蓋及び後蓋に設けられた導水部及び犠牲陽極の付近を拡大した側面図である。 前蓋及び後蓋に設けられた導水部及び犠牲陽極の付近を拡大した断面図であり、犠牲陽極の腐食が進行した後の状態を示している。 (A),(B)は、前記導水部の変形例1を示す断面図であり、(A)は、犠牲陽極の腐食が進行する前の状態を示しており、(B)は、犠牲陽極の腐食が進行した後の状態を示している。 前記導水部の変形例2を示す断面図である。 (A),(B)は、前記導水部の変形例3を示す断面図であり、(A)は、犠牲陽極の腐食が進行する前の状態を示しており、(B)は、犠牲陽極の腐食が進行した後の状態を示している。 前記導水部の変形例4を示す断面図である。 前記導水部の変形例5を示す断面図である。 前記導水部の変形例6を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る水冷式熱交換器10について図面に基づいて詳細に説明する。説明に際し、図1の右側を「前」とし、図1の左側を「後」とする。本実施形態の水冷式熱交換器10は、空気調和装置などの冷凍装置(例えば船舶用の空気調和装置)の凝縮器又は蒸発器として用いられ、導入された海水と冷媒との間で熱交換するためのものであるが、船舶以外の用途の空気調和機などの冷凍装置に用いることもできる。
[水冷式熱交換器の全体構造]
図1に示すように、本実施形態に係る水冷式熱交換器10は、所謂シェルアンドチューブ型の熱交換器である。水冷式熱交換器10は、密閉型の円筒形のケーシング11(シェル11)と、ケーシング11の内部に設けられた複数の伝熱管12(チューブ12)とを備えている。熱交換器10は、支持台13に固定され、例えばケーシング11の軸方向(長手方向)が水平方向に延びるように横向きに設置されている。
図1、図2及び図3に示すように、ケーシング11は、円筒状の胴部11aと、胴部11aの一端に設けられた前蓋11bと、胴部11aの他端に設けられた後蓋11cと、導水部40とを備えている。
胴部11aの一端は、円板状の前管板21によって覆われている。一方、胴部11aの他端は、円板状の後管板22によって覆われている。これらの前管板21及び後管板22が設けられていることによって、ケーシング11の内部は、胴部11aと両管板21,22によって囲まれた冷媒室S1と、前蓋11bと前管板21とによって囲まれた前側水室S2と、後蓋11cと後管板22とによって囲まれた後側水室S3とに区画されている。
胴部11aの上部であって長手方向の中央部には、冷媒の導入管15の一端が接続されている。一方、胴部11aの下部であって長手方向の中央部と両端部とのそれぞれの間には、冷媒の導出連絡管16の一端部と他端部とがそれぞれ接続されている。導出連絡管16の中央部には、導出管17の一端が接続されている。導入管15及び導出管17は、冷媒室S1に連通している。図示を省略するが、導入管15と導出管17の他端は、空気調和装置等の冷凍装置の冷媒回路に接続されている。
前蓋11bの下部には、水の流入管19が接続されている。一方、前蓋11bの上部には、水の流出管18が接続されている。また、前蓋11bの内面には、仕切板11dが形成されている。仕切板11dは、前側水室S2を、流入管19側の入口水室S22と流出管18側の出口水室S21とに仕切っている。つまり、流入管19の一端は入口水室S22において開口し、流出管18の一端は出口水室S21において開口している。
冷媒室S1には、複数の伝熱管12が胴部11aの軸方向に延びるように設けられている。複数の伝熱管12は、前端が前管板21に支持される一方、後端が後管板22に支持されるように、両管板21,22に挿入されている。具体的には、前管板21及び後管板22には複数の貫通孔が形成されており、複数の伝熱管12の両端部は、前管板21及び後管板22の複数の貫通孔にそれぞれ挿入されている。なお、複数の伝熱管12の前端は前側水室S2の入口水室S22又は出口水室S21において開口し、後端は後側水室S3において開口している。
このような構成により、入口水室S22、後側水室S3及び出口水室S21は、複数の伝熱管12によって連通されることになる。つまり、冷媒室S1の下半分に配された伝熱管12によって入口水室S22と後側水室S3とが連通され、冷媒室S1の上半分に配された伝熱管12によって後側水室S3と出口水室S21とが連通されている。そして、これら3つの水室S3,S21,S22と複数の伝熱管12とによって複数の水流路が形成されている。
本実施形態では、ケーシング11、伝熱管12、前管板21及び後管板22は、例えば鉄や銅(黄銅、青銅など)によって形成されているが、これに限られない。
水冷式熱交換器10には、水流路を構成する金属の腐食を防止するために犠牲陽極30が設けられている。水流路を構成する金属としては、管板21,22、伝熱管12、前蓋11b、後蓋11cなどを例示することができる。
本実施形態では、犠牲陽極30は、例えば亜鉛によって形成されている。しかし、犠牲陽極30の材質は亜鉛に限らず、水流路を構成する金属(本実施形態では鉄、銅など)よりも酸化しやすい金属(イオン化傾向の高い金属)であればよい。
本実施形態では、犠牲陽極30は、少なくとも一つの水室に設けられている。具体的に、犠牲陽極30は、例えば前側水室S2及び後側水室S3の少なくとも一方に設けられている。犠牲陽極30は、各水室S21,S22,S3に設けられていてもよい。図1〜図3に示す実施形態では、前側水室S2に複数の犠牲陽極30(具体的には2つの犠牲陽極30)が設けられており、後側水室S3に複数の犠牲陽極30(具体的には2つの犠牲陽極30)が設けられている。各犠牲陽極30は、導水部40に取り付けられている。導水部40については後述する。
[水冷式熱交換器の動作]
流入管19を介して入口水室S22には、水(例えば海水)が供給される。入口水室S22に流入した水は、入口水室S22において開口する伝熱管12(図1における下半分の伝熱管)の内部を通って後側水室S3に至る。後側水室S3に流入した水は、流動方向を180°転換し、前端が出口水室S21において開口する伝熱管12(図1における上半分の伝熱管)を通って出口水室S21に至る。そして、出口水室S21に流入した水は、流出管18から排出される。
一方、冷媒室S1には、導入管15を介して冷媒回路の冷媒が導入される。冷媒室S1に導入された冷媒は、複数の伝熱管12の外側を上層部から下層部へと流れる。このとき、伝熱管12の外側を流れる冷媒は、伝熱管12の内部を流れる水と熱交換を行う。そして、冷媒室S1の下層部に至った冷媒は、導出連絡管16に流入し、導出管17から排出される。
水冷式熱交換器10では、水室S21,S3,S22及び伝熱管12によって形成される水流路に犠牲陽極30が設けられている。これにより、この水流路では、例えば鉄製、銅製などのケーシング11、伝熱管12、前管板21及び後管板22よりも、イオン化傾向の高い例えば亜鉛製の犠牲陽極30が先に腐食する。これにより、ケーシング11、伝熱管12、前管板21及び後管板22の腐食が防止されることとなる。
[導水部の構造]
図1、図2及び図3に示すように、ケーシング11は、1つ又は複数の導水部40を備えている。本実施形態では、ケーシング11には、複数の犠牲陽極30のそれぞれに対応する導水部40が設けられている。導水部40は、犠牲陽極30の腐食前においては水室S2,S3内の水の進入が阻止される一方で犠牲陽極30の腐食の進行後には水室S2,S3内の水が進入するように構成されている。導水部40は、前蓋11b又は後蓋11cに設けられた開口部11fを塞ぐように前蓋11b又は後蓋11cに取り付けられている。
導水部40は、外壁40Eから水室S2,S3までつながる貫通孔50を有している。貫通孔50は、犠牲陽極30の腐食前においては犠牲陽極30によって塞がれている一方で、犠牲陽極30の腐食の進行後には水室S2又は水室S3に連通し、水室S2又は水室S3内の水を外壁40E側に案内する機能を有する。貫通孔50の外側の開口は、外壁40Eによって塞がれている。
図4(A),(B)は、前蓋11b又は後蓋11cに設けられた導水部40及び犠牲陽極30の付近を拡大した断面図であり、犠牲陽極30の腐食が進行する前の状態を示している。図4(B)は、前蓋11b及び後蓋11cに設けられた導水部30及び犠牲陽極30の付近を拡大した側面図であり、図4(A)を方向Dに見たときの図である。図4(A),(B)に示す本実施形態では、導水部40は、外壁40Eと、導水部本体41と、連結部材42とを備えるが、これに限られず、例えば後述する変形例のように連結部材42を省略することもできる。
外壁40Eは、透明又は半透明の部材によって形成されており、導水部40に進入した水をケーシング11の外部から目視するために設けられている。導水部40の外壁40Eは、ケーシング11の外壁の一部を構成している。本実施形態では、外壁40Eは、例えばガラス、合成樹脂などの材料によって形成された板状の部材であるが、これに限られない。外壁40Eは、例えばねじ止め、接着剤などの固定手段によって導水部本体41に固定されている。
導水部本体41は、前蓋11b又は後蓋11cに取り付けられ、又は前蓋11b及び後蓋11cの両方に取り付けられる。これにより、導水部40が前蓋11b又は後蓋11cに固定され、又は前蓋11b及び後蓋11cの両方に固定される。具体的に、導水部本体41は、開口部11fに挿入された筒状部41aと、筒状部41aの側面から外側に突出するフランジ部41bとを有する。
筒状部41aの一端部(外側の端部)には外壁40Eが取り付けられている。筒状部41aは、外壁40Eから遠ざかる方向、すなわち水室S2又は水室S3に向かって延びている。筒状部41aの他端部(内側の端部)には、犠牲陽極30が取り付けられる端面401が設けられている。本実施形態では、端面401は平面であり、これに対向する犠牲陽極30の端面301も平面である。これらの端面301,401の間には板状で環状のシール部材61が配置される。これにより、導水部本体41と犠牲陽極30との間が水密に維持される。なお、端面301,401は、これらの間が水密となる構成であれば、必ずしも平面である必要はない。
フランジ部41bは、前蓋11b又は後蓋11cに設けられた台座部11eに対応する位置に設けられている。フランジ部41b及び台座部11eのそれぞれには、ボルト65が挿通される挿通孔が設けられている。このボルト65によってフランジ部41bが台座部11eに取り付けられる。フランジ部41bと台座部11eとの間にはシール部材62が介在している。
連結部材42は、導水部本体41とは別体の部材であって導水部本体41と犠牲陽極30とを連結する機能を有する。本実施形態では、連結部材42は、導水部本体41と同じ方向に延びる棒状の部材である。連結部材42を導水部本体41に固定する手段、及び連結部材42を犠牲陽極30に固定する手段は、特に限定されるものではないが、例えば図4に示すようにねじ締結する手段を挙げることができる。
図4に示すように、連結部材42の外面には、雄ねじ42Sが形成されおり、導水部本体41の第1貫通孔51の内面には、連結部材42の一端側の部分が螺合される雌ねじ41Sが形成されている。犠牲陽極30には、連結部材42の延びる方向と同じ方向に延びるネジ穴が形成されている。このネジ穴の内面には雌ねじ30Sが形成されている。連結部材42の他端側の部分は、犠牲陽極30の雌ねじ30Sに螺合される。犠牲陽極30のネジ穴は貫通孔ではなく、外側(導水部本体41側)のみが開口している。
前蓋11b又は後蓋11cに導水部40及び犠牲陽極30を取り付ける際には、予め、連結部材42の一端を導水部本体41に取り付け、連結部材42の他端に犠牲陽極30を取り付けておく。次に、犠牲陽極30及び導水部40を蓋の開口部11fに挿入する。そして、導水部本体41をボルト65によって前蓋11b又は後蓋11cに固定する。なお、上記手順の逆手順によって導水部40及び犠牲陽極30を蓋から容易に取り外すことができる。
本実施形態では、貫通孔50は、水溜め部54を含む。水溜め部54は、外壁40Eに隣接する位置に設けられている。水溜め部54は、水溜め部54に対して外壁40Eとは反対側に隣接する貫通孔50の内側部分55よりも内寸が拡大されている。具体的に、水溜め部54の上下方向の内寸は、貫通孔50の内側部分55の内寸(内径)よりも大きい。本実施形態では、水溜め部54の内径は、貫通孔50の内側部分55の内径よりも大きい。水溜め部54の底部54Bは、内側部分55の底部55Bよりも低い位置に設けられている。
また、本実施形態では、貫通孔50は、導水部本体41を貫通する第1貫通孔51と、連結部材42を貫通する第2貫通孔52とを含む。内側部分55は、第1貫通孔51と第2貫通孔52によって構成されている。第2貫通孔52の一端は、第1貫通孔51に連通しており、第2貫通孔52の他端は、図4に示すように犠牲陽極30の腐食前においては犠牲陽極30によって塞がれている。
導水部40は、貫通孔50とケーシング11の外部とを連通する空気孔40Aを有している。本実施形態では、空気孔40Aは、貫通孔50の水溜め部54の上方に設けられており、水溜め部54とケーシング11の外部とを連通させる機能を有する。
図5は、前蓋11b又は後蓋11cに設けられた導水部40及び犠牲陽極30の付近を拡大した断面図であり、犠牲陽極30の腐食が進行した後の状態を示している。腐食が進行すると、連結部材42の第2貫通孔52が水室S2又は水室S3と連通する。これにより、水室S2,S3内の水は、一点鎖線の矢印で示すように貫通孔50(第2貫通孔52及び第1貫通孔51)を通じて外壁40E側に案内され、水溜め部54に到達する。そして、水冷式熱交換器10の点検などを行うユーザーは、導水部40の水溜め部54に進入した水を外壁40Eを通じてケーシング11の外部から視認することができる。なお、水室S2,S3内の水が貫通孔50に流入するときには、水溜め部54内の空気の一部は、空気孔40Aを通じてケーシング11の外部に流出する。
本実施形態では、水溜め部54の底部54Bは、内側部分55の底部55Bよりも低い位置に設けられている。したがって、図5に示すように、水溜め部54において水を溜めるための容積を大きくすることができる。そして、空気孔40Aが貫通孔50の上方に設けられている場合には、水溜め部54内の水位が空気孔40Aに達するまでは水が水溜め部54の外部に漏れ出さない。
[変形例1]
図6(A),(B)は、導水部40の変形例1を示す断面図である。図6(A)は、犠牲陽極30の腐食が進行する前の状態を示しており、図6(B)は、犠牲陽極の腐食が進行した後の状態を示している。変形例1の導水部40は、連結部材42を備えていない点で図4に示す実施形態と異なっている。なお、図4に示す実施形態と同様の構成については図6において図4に示す実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6に示す変形例1では、導水部40は、透明又は半透明の部材によって形成された外壁40Eと、導水部本体41とを備える。
導水部本体41は、前蓋11b又は後蓋11cの開口部11fに挿入された筒状部41aと、筒状部41aの側面から外側に突出するフランジ部41bとを有する。筒状部41aの一端部(外側の端部)には外壁40Eが取り付けられている。筒状部41aは、外壁40Eから遠ざかる方向、すなわち水室S2又は水室S3に向かって延びている。
図6に示すように、導水部40は、外壁40Eから水室S2,S3までつながる貫通孔50を有している。貫通孔50は、犠牲陽極30の腐食前においては犠牲陽極30によって塞がれている一方で、犠牲陽極30の腐食の進行後には水室S2又は水室S3に連通し、水室S2又は水室S3内の水を外壁40E側に案内する。
導水部40の貫通孔50における外側の開口は、外壁40Eによって塞がれている。導水部40の貫通孔50は、犠牲陽極30の腐食前においては外壁40Eとは反対側の開口50A(内側の開口50A)から内部に犠牲陽極30の少なくとも一部が挿入されることによって開口50Aが塞がれている。図6に示す具体例では、犠牲陽極30の全体が貫通孔50内に収容されているが、これに限られず、犠牲陽極30の一部は貫通孔50から水室S2又は水室S3に突出していてもよい。
犠牲陽極30は、導水部40の貫通孔50の形状に対応する形状を有している。貫通孔50を構成する導水部40の内側面が例えば円筒状である場合には、犠牲陽極30は円柱形状を有し、導水部40の内側面が例えば断面が多角形の筒状である場合には、犠牲陽極30は断面が多角形の角柱形状を有する。犠牲陽極30の外側面と貫通孔50の内側面との間には例えばシールテープなどのシール部材を介在させてもよい。これにより、犠牲陽極30の外側面と貫通孔50の内側面との間を水密に維持することができる。
変形例1において、犠牲陽極30は、外壁40Eから遠い方の端部から腐食し始める。そして、犠牲陽極30は、図6(B)において二点鎖線で示すように、外壁40E側に徐々に腐食が進行し、水が外壁40Eに達するまで腐食が進行すると、ユーザーは、導水部40の外壁40Eにまで進入した水を、外壁40Eを通じてケーシング11の外部から視認することができる。
[変形例2]
図7は、導水部40の変形例2を示す断面図である。変形例2の導水部40は、犠牲陽極30の動きを規制する被覆部材43を備えている点で変形例1と異なっている。
図7に示す変形例2では、被覆部材43は、貫通孔50に挿入された犠牲陽極30の少なくとも一部を開口50Aの外側から覆って犠牲陽極30の動きを規制する。被覆部材43は、水室S2,S3の水が犠牲陽極30に到達するにように1つ又は複数の流入孔43Aを有する。図7に示す具体例では、被覆部材43は、多数の流入孔43Aを有するメッシュ状の部材によって構成されている。
[変形例3]
図8(A),(B)は、導水部40の変形例3を示す断面図である。図8(A)は、犠牲陽極30の腐食が進行する前の状態を示しており、図8(B)は、犠牲陽極30の腐食が進行した後の状態を示している。変形例3の導水部40は、連結部材42を備えていない点で図4に示す実施形態と異なっている。
図8に示す変形例3では、導水部40は、透明又は半透明の部材によって形成された外壁40Eと、導水部本体41とを備える。
導水部本体41は、前蓋11b又は後蓋11cの開口部11fに挿入された筒状部41aと、筒状部41aの側面から外側に突出するフランジ部41bとを有する。筒状部41aの一端部(外側の端部)には外壁40Eが取り付けられている。筒状部41aは、外壁40Eから遠ざかる方向、すなわち水室S2又は水室S3に向かって延びている。
図8に示すように、導水部40は、外壁40Eから水室S2,S3までつながる貫通孔50を有している。貫通孔50は、犠牲陽極30の腐食前においては犠牲陽極30によって塞がれている一方で、犠牲陽極30の腐食の進行後には水室S2又は水室S3に連通し、水室S2又は水室S3内の水を外壁40E側に案内する。貫通孔50の外側の開口は、外壁40Eによって塞がれている。
筒状部41aの一端部(外側の端部)には外壁40Eが取り付けられている。筒状部41aは、外壁40Eから遠ざかる方向、すなわち水室S2又は水室S3に向かって延びている。筒状部41aの他端部(内側の端部)には、犠牲陽極30が取り付けられる端面401が設けられている。変形例3では、端面401は平面であり、これに対向する犠牲陽極30の端面301も平面である。これらの端面301,401の間には板状で環状のシール部材61が配置される。シール部材61は、貫通孔50に連通する貫通孔63を有する。
図8に示す変形例3では、犠牲陽極30は、導水部40の貫通孔50に連通する孔部31を有する。この孔部31は、犠牲陽極30を貫通する貫通孔ではなく、導水部40側(外側)のみが開口している。孔部31は、導水部40の貫通孔50が延びる方向と同じ方向に端面301から延びている。
犠牲陽極30は、例えばボルト66などのような固定部材によって導水部40に固定されている。具体的に、犠牲陽極30は、ボルト66が挿通される挿通孔を有し、導水部40は、犠牲陽極30の挿通孔に対応する位置に、導水部本体41の端面401から外側(外壁40E側)に延びる挿通孔を有する。そして、ボルト66は、犠牲陽極30の端面301とは反対側から挿通孔に挿入され、導水部40の挿通孔に螺合されている。
変形例3では、貫通孔50は、第1貫通孔51と、水溜め部54とによって構成されている。第1貫通孔51は、図8に示すように犠牲陽極30の腐食前においては犠牲陽極30によって塞がれている。水溜め部54は、第1貫通孔51(内側部分55)よりも内寸が拡大されている。水溜め部54の底部54Bは、内側部分55の底部55Bよりも低い位置に設けられている。
変形例3では、腐食が進行すると、図8(B)に示すように、貫通孔50の第1貫通孔51が水室S2又は水室S3と連通する。これにより、水室S2,S3内の水は、貫通孔50を通じて外壁40E側に案内され、水溜め部54に到達する。そして、水冷式熱交換器10の点検などを行うユーザーは、導水部40の水溜め部54に進入した水を外壁40Eを通じてケーシング11の外部から視認することができる。
[変形例4]
図9は、導水部40の変形例4を示す断面図である。変形例4の導水部40は、貫通孔50が傾斜部53を有する点で図8に示す変形例3と異なっている。図9に示すように、傾斜部53は、外壁40E側の部分がその反対側(水室S2又は水室S3側)の部分よりも低くなるように傾いた貫通孔50の一部である。この変形例4では、犠牲陽極30の腐食の進行後には、水は、傾斜部53において高い位置から低い位置に流れるので、貫通孔50内を外壁40E側によりスムーズに流れやすくなる。
なお、図9に示す具体例では、傾斜部53は、導水部本体41の第1貫通孔51全体を構成しているが、これに限られず、第1貫通孔51の一部を構成していてもよい。
[変形例5]
図10は、導水部40の変形例5を示す断面図である。変形例5の導水部40は、貫通孔50の全体が一定の内径を有する点で、図4に示す実施形態と異なっている。具体的に、図10に示す変形例5では、貫通孔50は、連結部材42に設けられた第2貫通孔52によって構成されている。したがって、変形例5における貫通孔50は、図4に示す実施形態のように水溜め部54を備えていない。
[変形例6]
図11は、導水部40の変形例6を示す断面図である。変形例6の導水部40は、外壁40Eの構成が図4に示す実施形態と異なっている。
図6に示す変形例6では、導水部40の外壁40Eは、先端壁40E1と、先端壁40E1から導水部本体41に向かって延びる側壁40E2とを有する。先端壁40E1と側壁40E2は、共に透明又は半透明の部材によって形成されている。したがって、変形例6では、水溜め部54に溜まる水を先端壁40E1を通じて目視することができるだけでなく、側壁40E2を通じて目視することもできる。空気孔40Aは、側壁40E2の上部に設けられている。
[実施形態のまとめ]
本実施形態では、犠牲陽極30の腐食が進行している場合には、水冷式熱交換器10の点検などを行うユーザーは、導水部40に進入した水を導水部40の一部を構成する外壁40Eを通じてケーシング11の外部から視認することができる。したがって、ユーザーは、犠牲陽極30の消耗度合いを確認する際には、例えばケーシングの一部(例えば犠牲陽極を覆う蓋)を取り外す必要がなく、また、防食ボルトの腐食を検知するための水圧コントローラ、警報コントローラなどを設ける必要もない。よって、本構成では、犠牲陽極30が消耗したことを簡単な構造で外部から容易に判別することができる。
水冷式熱交換器10において、導水部40には外壁40Eから水室S2,S3までつながる貫通孔50が形成されており、貫通孔50は、犠牲陽極30の腐食前においては犠牲陽極30によって塞がれている一方で、犠牲陽極30の腐食の進行後には水室S2,S3内の水を外壁40E側に案内するように構成されているのが好ましい。この構成では、貫通孔50が水室S2,S3に連通するまで犠牲陽極30が腐食すると、貫通孔50を通じて水室S2,S3内の水が外壁40E側に案内される。したがって、貫通孔50が水室S2,S3に連通するまでは犠牲陽極30の使用を継続することができ、貫通孔50が水室S2,S3に連通するまで腐食が進行したときには犠牲陽極30の交換時期であることをユーザーに知らせることができる。
水冷式熱交換器10において、導水部40は、外壁40Eから遠ざかる方向に延びる導水部本体41と、導水部本体41とは別体の部材であって導水部本体41と犠牲陽極30とを連結する連結部材42とを備え、貫通孔50は、導水部本体41を貫通する第1貫通孔51と、連結部材42を貫通する第2貫通孔52とを含み、第2貫通孔52の一端は、第1貫通孔51に連通しており、第2貫通孔52の他端は、犠牲陽極30の腐食前においては犠牲陽極30によって塞がれた構造を例示することができる。
具体的には、連結部材42の外面には、雄ねじ42Sが形成されおり、導水部本体41の第1貫通孔51の内面には、連結部材42の一端が螺合される雌ねじ41Sが形成されており、犠牲陽極30には、連結部材42の他端における雄ねじ42Sが螺合される雌ねじ41Sが形成される構造を例示することができる。この構成では、連結部材42を介して導水部本体41と犠牲陽極30とをねじ構造によって連結することができ、簡単な作業で犠牲陽極30を導水部40によって保持させることができる。この連結状態においては、第1貫通孔51と第2貫通孔52とによる連続した一続きの孔(貫通孔50)が形成され、犠牲陽極30の腐食前においてはこの貫通孔50を犠牲陽極30によって塞いだ状態とすることができる。
水冷式熱交換器10において、貫通孔50は、犠牲陽極30の腐食前においては外壁40Eとは反対側の開口50Aから内部に犠牲陽極30の少なくとも一部が挿入されることによって開口50Aが塞がれた形態であってもよい。この構成では、犠牲陽極30を開口50Aから貫通孔50の内部に挿入するだけで、貫通孔50を塞ぐことができるので、上述したような連結部材42が不要になる。
水冷式熱交換器10において、導水部40は、貫通孔50に挿入された犠牲陽極30の少なくとも一部を開口50Aの外側から覆って犠牲陽極30の動きを規制するとともに水室S2,S3の水が犠牲陽極30に到達するにように流入孔43Aが形成された被覆部材43を含んでいるのが好ましい。この構成では、犠牲陽極30が貫通孔50から脱落するなどの不具合が生じるのを防止でき、しかも、この被覆部材43に流入孔43Aが形成されているので、水室S2,S3の水が犠牲陽極30に確実に到達して犠牲陽極30の機能を発揮させることができる。
水冷式熱交換器10において、被覆部材43は、多数の流入孔43Aを有するメッシュ状の部材によって構成されているのが好ましい。このメッシュ状の部材では、多数の流入孔43Aが設けられているので、水室S2,S3の水を円滑に犠牲陽極30側に流入させることができる。
水冷式熱交換器10において、貫通孔50は、外壁40E側の部分がその反対側の部分よりも低くなるように傾いた傾斜部53を有していてもよい。この構成では、犠牲陽極30の腐食の進行後には、水は、傾斜部53において高い位置から低い位置に流れるので、貫通孔50内を外壁40E側によりスムーズに流れやすくなる。
水冷式熱交換器10において、貫通孔50は、外壁40Eに隣接する水溜め部54を有し、水溜め部54は、水溜め部54に対して外壁40Eとは反対側に隣接する貫通孔50の内側部分55よりも内寸が拡大されている。この構成では、外壁40Eに隣接する位置に、貫通孔50の一部として水溜め部54が設けられており、この水溜め部54の内寸は、この水溜め部54に対して外壁40Eとは反対側に隣接する貫通孔50の内側部分55の内寸よりも大きい。したがって、水溜め部54に多くの水を収容することができるので、導水部40に進入した水の視認性が向上する。
水冷式熱交換器10において、水溜め部54の底部54Bは、内側部分55の底部55Bよりも低い位置に設けられている。この構成では、水溜め部54において水を溜めるための容積を大きくすることができる。そして、空気孔40Aが貫通孔50の上方に設けられている場合には、水溜め部54内の水位が空気孔40Aに達するまでは水が水溜め部54の外部に漏れ出さない。
水冷式熱交換器10において、導水部40は、貫通孔50とケーシング11の外部とを連通する空気孔40Aを有している場合には、水室S2,S3内の水が貫通孔50に流入しやすくなる。
水冷式熱交換器10において、空気孔40Aは、貫通孔50の上方に設けられているのが好ましい。この構成では、貫通孔50内に水が満たされるまでは、貫通孔50内の水は空気孔40Aからケーシング11の外部に流出しない。これにより、貫通孔50内の水がケーシング11の外部に漏れ出す時期を遅らせることができる。
水冷式熱交換器10において、ケーシング11は、筒状の胴部11aと、胴部11aの端に設けられ、開口部11fを有する蓋11b,11cと、を備え、導水部40は、蓋11b,11cとは別体として設けられたものであり、蓋11b,11cの開口部11fを塞いでいる形態を例示できる。この構成では、導水部40は、蓋11b,11cとは別体として設けられたものであるので、例えば導水部40において、透明又は半透明の外壁40Eを設けたり、貫通孔50を設けたりする加工が施しやすい。
[他の変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
前記実施形態では、ケーシング11の内部は、冷媒室S1と前側水室S2と後側水室S3とに区画形成されていたが、ケーシング11は、冷媒室S1とこの冷媒室S1の前側にのみ水室S21,S22が区画形成されたものであってもよい。この場合には、入口水室S22と出口水室S21は、例えばU字形状の伝熱管によって接続される。
前記実施形態では、導水部40は、蓋11b,11cとは別体として設けられたものであり、蓋11b,11cの開口部11fを塞ぐように構成されていたが、これに限られず、導水部40は、蓋11b,11cの一部として構成されていてもよい。
また、前記実施形態の水冷式熱交換器10は、船舶の空気調和装置等に用いられ、海水を導入する水冷式の熱交換器において特に有用であるが、これ以外の用途に用いられる水冷式の熱交換器においても用いることができる。
10 水冷式熱交換器
11 ケーシング(シェル)
11a 胴部
11b 前蓋
11c 後蓋
12 伝熱管
21 前管板
22 後管板
30 犠牲陽極
31 孔部
40 導水部
40A 空気孔
40E 外壁
41 導水部本体
41a 筒状部
41b フランジ部
42 連結部材
43 被覆部材
43A 流入孔
50 貫通孔
50A 貫通孔の開口
51 第1貫通孔
52 第2貫通孔
53 傾斜部
54 水溜め部
54B 水溜め部の底部
55 貫通孔の内側部分
55B 内側部分の底部
S1 冷媒室
S2 前側水室
S21 出口水室
S22 入口水室
S3 後側水室

Claims (13)

  1. 冷媒室(S1)と水室(S2,S3)とが区画形成されたケーシング(11)と、前記水室(S2,S3)内の水に接するように設けられた犠牲陽極(30)とを備えた水冷式熱交換器であって、
    前記ケーシング(11)は、前記犠牲陽極(30)の腐食前においては前記水室(S2,S3)内の水の進入が阻止される一方で前記犠牲陽極(30)の腐食の進行後には前記水室(S2,S3)内の水が進入するように構成された導水部(40)を備え、
    前記導水部(40)の一部を構成する外壁(40E)は、前記導水部(40)に進入した水を前記ケーシング(11)の外部から目視可能なように透明又は半透明の部材によって形成されている水冷式熱交換器。
  2. 前記導水部(40)には前記外壁(40E)から前記水室(S2,S3)までつながる貫通孔(50)が形成されており、
    前記貫通孔(50)は、前記犠牲陽極(30)の腐食前においては前記犠牲陽極(30)によって塞がれている一方で、前記犠牲陽極(30)の腐食の進行後には前記水室(S2,S3)内の水を前記外壁(40E)側に案内するように構成されている、請求項1に記載の水冷式熱交換器。
  3. 前記導水部(40)は、前記外壁(40E)から遠ざかる方向に延びる導水部本体(41)と、前記導水部本体(41)とは別体の部材であって前記導水部本体(41)と前記犠牲陽極(30)とを連結する連結部材(42)と、を備え、
    前記貫通孔(50)は、前記導水部本体(41)を貫通する第1貫通孔(51)と、前記連結部材(42)を貫通する第2貫通孔(52)とを含み、
    前記第2貫通孔(52)の一端は、前記第1貫通孔(51)に連通しており、前記第2貫通孔(52)の他端は、前記犠牲陽極(30)の腐食前においては前記犠牲陽極(30)によって塞がれている、請求項2に記載の水冷式熱交換器。
  4. 前記連結部材(42)の外面には、雄ねじ(42S)が形成されおり、
    前記導水部本体(41)の前記第1貫通孔(51)の内面には、前記連結部材(42)の一端が螺合される雌ねじ(41S)が形成されており、
    前記犠牲陽極(30)には、前記連結部材(42)の他端における前記雄ねじ(42S)が螺合される雌ねじ(41S)が形成されている、請求項3に記載の水冷式熱交換器。
  5. 前記貫通孔(50)は、前記犠牲陽極(30)の腐食前においては前記外壁(40E)とは反対側の開口(50A)から内部に前記犠牲陽極(30)の少なくとも一部が挿入されることによって前記開口が塞がれている、請求項2に記載の水冷式熱交換器。
  6. 前記導水部(40)は、前記貫通孔(50)に挿入された前記犠牲陽極(30)の少なくとも一部を前記開口(50A)の外側から覆って前記犠牲陽極(30)の動きを規制するとともに前記水室(S2,S3)の水が前記犠牲陽極(30)に到達するにように流入孔(43A)が形成された被覆部材(43)を含む、請求項5に記載の水冷式熱交換器。
  7. 前記被覆部材(43)は、多数の前記流入孔(43A)を有するメッシュ状の部材によって構成されている、請求項6に記載の水冷式熱交換器。
  8. 前記貫通孔(50)は、前記外壁(40E)側の部分がその反対側の部分よりも低くなるように傾いた傾斜部(53)を有する、請求項2〜7の何れか1項に記載の水冷式熱交換器。
  9. 前記貫通孔(50)は、前記外壁(40E)に隣接する水溜め部(54)を有し、
    前記水溜め部(54)は、前記水溜め部(54)に対して前記外壁(40E)とは反対側に隣接する前記貫通孔(50)の内側部分(55)よりも内寸が拡大されている、請求項2〜8の何れか1項に記載の水冷式熱交換器。
  10. 前記水溜め部(54)の底部(54B)は、前記内側部分(55)の底部(55B)よりも低い位置に設けられている、請求項9に記載の水冷式熱交換器。
  11. 前記導水部(40)は、前記貫通孔(50)と前記ケーシング(11)の外部とを連通する空気孔(40A)を有している、請求項2〜10の何れか1項に記載の水冷式熱交換器。
  12. 前記空気孔(40A)は、前記貫通孔(50)の上方に設けられている、請求項11に記載の水冷式熱交換器。
  13. 前記ケーシング(11)は、
    筒状の胴部(11a)と、
    前記胴部(11a)の端に設けられ、開口部(11f)を有する蓋(11a,11b)と、を備え、
    前記導水部(40)は、前記蓋(11b,11c)とは別体として設けられたものであり、前記蓋(11b,11c)の前記開口部(11f)を塞いでいる、請求項1〜12の何れか1項に記載の水冷式熱交換器。
JP2014140444A 2014-07-08 2014-07-08 水冷式熱交換器 Pending JP2016017684A (ja)

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