JP2016017711A - 水冷式熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーシングの腐食によってケーシング内の水が外部に漏れるおそれを低減することが可能な水冷式熱交換器を提供する。【解決手段】水冷式熱交換器10は、冷媒室と水室とが区画形成されたケーシング11を備えている。ケーシング11は、前蓋11bおよび後蓋11cと、ケーシング本体部40と、パッキン25とを備えている。前蓋11bおよび後蓋11cとケーシング本体部40とがボルト29で締結されることにより、水室が形成されている。前蓋11bおよび後蓋11cは、パッキン25が接触するシート面31および当該シート面31を貫通しボルト29が挿通される挿通孔30が形成された金属材料からなる本体部26と、本体部26におけるシート面31以外の部位26aに形成される防食塗装膜27と、本体部26の金属材料よりも腐食しにくい材料からなり、挿通孔30内に配置されて当該挿通孔30からの水漏れを防ぐブッシュ28と、を有する。【選択図】図8

Description

本発明は、水冷式熱交換器に関する。
従来、船舶の空気調和装置等において、特許文献1に記載されているような水冷式のシェルアンドチューブ型の熱交換器が用いられている。このような船舶に設置された水冷式の熱交換器では、海水を導入して熱交換媒体として用いることが多い。そのため、海水によって熱交換器内部の金属が腐食してしまうおそれがある。そこで、このような水冷式熱交換器では、熱交換器のケーシングの内面には、海水による腐食を防ぐために防食塗装が施されている。
ケーシングは、主として、筒状の本体と、当該本体の両端部の開口を閉じる蓋とを備えている。筒状の本体と蓋は、これらの間に水漏れ防止のためのパッキンを介在させた状態でボルトによって締結される。
蓋は、パッキンと接触するシート面を有する。シート面には、蓋を貫通するボルト貫通孔が形成されている。ボルトは、蓋のボルト貫通孔を通って本体に形成されためねじ孔に螺合する。これによって、本体と蓋とがボルトによって結合される。
蓋は、一般的には鋳鉄などの金属材料で製造されている。海水に接触する蓋の内面には、上記のように防食塗装が施されている。
特開2010−243100号公報
上記の水冷式の熱交換器では、海水に接触する蓋の内面には、防食塗装が施されている。一方、蓋がパッキンと接触するシート面については、当該シート面とパッキンとを密着させてシール性を確保するために防食塗装を施さないようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、防食塗装が施されている蓋の内面のうちシート面に近い部分は、海水によって腐食しやすくなってしまう。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、ケーシングの腐食によってケーシング内の水が外部に漏れるおそれを低減することが可能な水冷式熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明の水冷式熱交換器は、冷媒室(S1)と水室(S2、S3)とが区画形成されたケーシング(11)を備えた水冷式熱交換器(10)であって、前記ケーシング(11)は、ボルト(29)を挿通させる挿通孔(30)が形成された第1ケース部材(11b、11c)と、前記ボルト(29)を締結する締結孔(21a)が形成された第2ケース部材(40)と、前記第1ケース部材(11b、11c)と前記第2ケース部材(40)との間に挟み込まれたパッキン(25)と、を備え、 前記第1ケース部材(11b、11c)と前記第2ケース部材(40)とが締結されることにより、前記水室(S2、S3)が形成され、前記第1ケース部材(11b、11c)は、前記パッキン(25)が接触するシート面(31)と、当該シート面(31)を貫通し前記ボルト(29)が挿通される前記挿通孔(30)とが形成された金属材料からなる本体部(26)と、前記本体部(26)における前記シート面(31)以外の部位(26a)に形成される防食塗装膜(27)と、前記金属材料よりも腐食しにくい材料からなり、前記挿通孔(30)内に配置されて当該挿通孔(30)からの水漏れを防ぐ水漏れ防止部材(28)と、を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、金属材料からなる第1ケース部材(11b、11c)の本体部(26)において、パッキン(25)と接触するシート面(31)は防食塗装膜(27)が被覆されていないので面出ししやすく、パッキン(25)と密着する。しかし、本体部(26)を構成する金属材料よりも腐食しにくい材料からなる水漏れ防止部材(28)が、当該本体部(26)の挿通孔(30)内に配置されている。そのため、本体部(26)における防食塗装膜(27)が形成されている部位のうちシート面(31)に近い部分から本体部(26)の腐食が進行しても、水漏れ防止部材(28)が本体部(26)よりも腐食しにくいので、水漏れ防止部材(28)によって挿通孔(30)からの水漏れを防ぐことが可能である。その結果、水室内の水が挿通孔(30)を通して外部に漏れるおそれを低減することが可能である。
また、前記パッキン(25)における前記ボルト(29)が貫通する貫通孔(34)の内径は、前記水漏れ防止部材(28)の内径よりも狭く設定されているのが好ましい。
かかる構成によれば、パッキン(25)の貫通孔(34)の内周縁が水漏れ防止部材(28)の内側に突出し、パッキン(25)の貫通孔(34)の内周縁と当該貫通孔(34)を貫通するボルト(29)との隙間が狭くなるので、シール性を向上させることが可能である。
また、前記水漏れ防止部材(28)の一端部(28a)は、前記本体部(26)の前記シート面(31)から突出して前記パッキン(25)に押し込まれているのが好ましい。
かかる構成によれば、前記水漏れ防止部材(28)の一端部(28a)は、パッキン(25)に押し込まれていることによって当該パッキン(25)を保持することが可能である。これにより、パッキン(25)の位置ずれを防止することが可能である。
また、前記水漏れ防止部材(28)と前記挿通孔(30)の内壁との間には、接着剤(37)が介在しているのが好ましい。
かかる構成によれば、接着剤(37)によって水漏れ防止部材(28)を挿通孔(30)の内壁に固定することができ、水漏れ防止部材(28)が挿通孔(30)の延びる方向へずれることを防止することが可能である。また、接着剤(37)によって、水漏れ防止部材(28)と挿通孔(30)の内壁との隙間をシールするので、当該隙間を通して挿通孔(30)内部へ水が漏れることを防止することが可能である。
また、前記パッキン(25)の貫通孔(34)と前記挿通孔(30)が連通する位置になるように、前記パッキン(25)を位置決めするための位置決め手段(32)をさらに備えているのが好ましい。
かかる構成によれば、位置決め手段(32)によって、パッキン(25)をパッキン(25)の貫通孔(34)と挿通孔(30)とが連通する位置に確実に位置決めすることが可能である。
また、前記本体部(26)は、鋳鉄で製造され、前記水漏れ防止部材(28)は、少なくとも一部にステンレスを含んでいるのが好ましい。
かかる構成によれば、ステンレスを含む水漏れ防止部材(28)は、鋳鉄からなる第1ケース部材(11b、11c)の本体部(26)よりも耐腐食性が高く、本体部(26)が腐食しても水漏れ防止部材(28)によって挿通孔(30)からの水漏れを確実に防ぐことが可能である。しかも、ステンレスは、剛性が高いので、破損や摩耗がしにくい。
また、前記水漏れ防止部材(28)は、少なくとも一部に樹脂材料を含んでいてもよい。
かかる構成によれば、樹脂材料を含む水漏れ防止部材(28)は、金属材料からなる第1ケース部材(11b、11c)の本体部(26)よりも耐腐食性が高い。しかも、樹脂材料は、挿通孔(30)の内面との密着性がよく、シール性が高い。
本発明によれば、ケーシングの腐食によってケーシング内の水が外部に漏れるおそれを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る水冷式熱交換器を示す平面図であり、内部構造を説明するために一部分を破断させて描いている。 前記水冷式熱交換器における前蓋付近を拡大した断面図である。 前記水冷式熱交換器における後蓋付近を拡大した断面図である。 図1の前蓋をパッキンが配置されている側から見た図である。 図1の後蓋をパッキンが配置されている側から見た図である。 図2の前蓋と前管板との締結部分の拡大断面図である。 図8のブッシュ周辺の拡大断面図である。 図4の前蓋に対応するパッキンを示す平面図である。 図5の後蓋に対応するパッキンを示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る水冷式熱交換器10について図面に基づいて詳細に説明する。説明に際し、図1の右側を「前」とし、図1の左側を「後」とする。本実施形態の水冷式熱交換器10は、空気調和装置などの冷凍装置(例えば船舶用の空気調和装置)の凝縮器又は蒸発器として用いられ、導入された海水と冷媒との間で熱交換するためのものであるが、船舶以外の用途の空気調和機などの冷凍装置に用いることもできる。
[水冷式熱交換器の全体構造]
図1に示すように、本実施形態に係る水冷式熱交換器10は、所謂シェルアンドチューブ型の熱交換器である。水冷式熱交換器10は、密閉型の円筒形のケーシング11(シェル11)と、ケーシング11の内部に設けられた複数の伝熱管12(チューブ12)とを備えている。熱交換器10は、支持台13に固定され、例えばケーシング11の軸方向(長手方向)が水平方向に延びるように横向きに設置されている。
図1、図2及び図3に示すように、ケーシング11は、円筒状の胴部11aを有するケーシング本体部40と、胴部11aの一端に設けられた前蓋11bと、胴部11aの他端に設けられた後蓋11cとを備えている。
胴部11aの一端は、円板状の前管板21によって塞がれている。一方、胴部11aの他端は、円板状の後管板22によって塞がれている。これらの前管板21及び後管板22が設けられていることによって、ケーシング11の内部は、胴部11aと両管板21、22によって囲まれた冷媒室S1と、前蓋11bと前管板21とによって囲まれた前側水室S2と、後蓋11cと後管板22とによって囲まれた後側水室S3とに区画されている。
ここで、前蓋11bおよび後蓋11cは、本発明の第1ケース部材の概念に含まれるものである。また、胴部11aの両端部に前管板21および後管板22が設けられることによって、ケーシング本体部40が構成されている。ケーシング本体部40は、本発明の第2ケース部材の概念に含まれるのである。
前管板21および後管板22には、ボルト29が締結可能なめねじ孔からなる締結孔21a、22aが形成されている。これらの締結孔21a、22aは、当該前管板21および後管板22の周方向にそれぞれ等間隔に複数個配置されている。締結孔21a、22aは、前管板21および後管板22を貫通しないような深さで形成されている。
胴部11aの上部であって長手方向の中央部には、冷媒の導入管15の一端が接続されている。一方、胴部11aの下部であって長手方向の中央部と両端部とのそれぞれの間には、冷媒の導出連絡管16の一端部と他端部とがそれぞれ接続されている。導出連絡管16の中央部には、導出管17の一端が接続されている。導入管15及び導出管17は、冷媒室S1に連通している。図示を省略するが、導入管15と導出管17の他端は、空気調和装置等の冷凍装置の冷媒回路に接続されている。
前蓋11bの下部には、水の流入管18が接続されている。一方、前蓋11bの上部には、水の流出管19が接続されている。また、前蓋11bの内面には、仕切板11dが形成されている。仕切板11dは、前側水室S2を仕切ることにより、流入管18側の入口水室S21と流出管19側の出口水室S22を形成している。つまり、流入管18の一端は入口水室S21において開口し、流出管19の一端は出口水室S22において開口している。
さらに、本実施形態の前蓋11bでは、複数の伝熱管12を通して前蓋11bと後蓋11c間を3往復する水流路を形成するために、仕切板11dは、図4に示されるように、前側水室S2を仕切ることにより、入口水室S21および出口水室S22の他に、2つの中間水室S23およびS24を形成している。
一方、本実施形態の後蓋11cの内面には、3往復の水流路を形成するために、図5に示されるように、仕切板11fが形成されている。仕切板11fは、後側水室S3を仕切ることにより、3つの水室、すなわち、第1水室S31、第2水室S32、および第3水室S33を形成している。
冷媒室S1には、複数の伝熱管12が胴部11aの軸方向に延びるように設けられている。複数の伝熱管12は、前端が前管板21に支持される一方、後端が後管板22に支持されるように、両管板21,22に挿入されている。具体的には、前管板21及び後管板22には複数の貫通孔が形成されており、複数の伝熱管12の両端部は、前管板21及び後管板22の複数の貫通孔にそれぞれ挿入されている。
複数の伝熱管12の各前端は図4に示される前側水室S2の入口水室S21、出口水室S22または2つの中間水室S23、S24のいずれかにおいて開口し、各後端は図5に示される後側水室S3の第1水室S31、第2水室S32、または第3水室S33のいずれかに開口している。
具体的には、これらの水室は、複数の伝熱管12によって、入口水室S21、第1水室S31、中間水室S23、第2水室S32、中間水室S24、第3水室S33、出口水室S22の順に連通し、これにより、前蓋11bと後蓋11cとの間を3往復する一連の水流路が形成されている。
以下、本実施形態の前蓋11bおよび後蓋11cについてさらに詳細に説明する。
前蓋11bおよび後蓋11cは、図1〜3に示されるように、それぞれ、ボルト29によって、ケーシング本体部40を構成する前管板21および後管板22にそれぞれ締結されている。
前蓋11bと後蓋11cとは、基本的には同じ構成を有しており、流入管18および流出管19の有無、および仕切板11d、11fの配置の点で異なるが、その他の構成部分は共通している。
以下、これらの前蓋11bと後蓋11cの共通する構成部分について、前蓋11bを例に挙げて説明する。
前蓋11bは、図2および図4に示されるように、ボルト29を挿通する挿通孔30を有する本体部26と、本体部26の内面側に形成された防食塗装膜27と、挿通孔30に配置されたブッシュ28とを有する。
本体部26は、鋳鉄などの金属材料によって製造されている。さらに、本体部26は、図4および図6に示されるように、パッキン25Aが接触するシート面31と、当該シート面31を貫通してボルト29が挿通される挿通孔30とを有する。
シート面31は、本体部26の外周部および仕切板11dにおける前管板21に対向する面であり、滑らかな表面を有する。シート面31には、当該シート面31の形状に対応するパッキン25A(図8参照)が当接する。
挿通孔30は、具体的には、図2および図4に示される本体部26の複数の突出部38にそれぞれ形成されている。すなわち、複数の突出部38は、前蓋11bの内面側において、前蓋11bの径方向内側へ(すなわち前側水室S2へ)突出するように形成されている。突出部38は、前蓋11bの周方向に沿って等間隔に設置されている。挿通孔30は、各突出部38において当該突出部38を前後方向(すなわち、胴部11aが延びる方向)に貫通するように形成されている。
図6〜7に示されるように、これらの挿通孔30は、前管板21のボルト締結用の締結孔21aに対応する位置に配置されている。
前蓋11bのシート面31と前管板21との間にはパッキン25(以下、前蓋11bに対応するパッキン25をパッキン25Aと呼ぶ)が挟み込まれている。ボルト29は、前蓋11bの外側から挿通孔30に挿通されて、前管板21の締結孔21aに螺合する。これにより、前蓋11bと前管板21とはボルト29によって締結され、前蓋11bと前管板21とによって、前側水室S2が形成される。
ここで、パッキン25Aは、図8に示されるように、本体部26の外周部に対応する外周部35と、仕切板11dに対応する仕切板対応部36とを有する。外周部35は、円環状をしている。仕切板対応部36は、外周部35の内部の空間を仕切るように配置されている。さらに、パッキン25Aは、本体部26の各挿通孔30に連通する位置に配置された貫通孔34を有する。
防食塗装膜27は、本体部26におけるシート面31以外の部位に形成される。具体的には、本体部26のうち前側水室S2を形成する面26a(いいかえれば、前側水室S2内部に収容される水に接触する面)に形成される。
防食塗装膜27としては、鋳鉄などからなる本体部26が水や海水によって腐食されることを防ぐ材料が選択され、例えば、タールエポキシ樹脂塗料などの防食塗料などが選択される。
ブッシュ28は、図6〜7に示されるように、挿通孔30内に配置される。具体的には、ブッシュ28は、挿通孔30のうちシート面31近傍に形成された内径が拡大された径大部30aに挿入されている。ブッシュ28の一端は、径大部30aの奥端の段差部30bに当接しており、その状態では、他端である先端部28aはシート面31から突出している。
ブッシュ28は、挿通孔30の径大部30aの内周面を全周にわたって覆う形状を有しており、例えば円筒形状を有する。ブッシュ28は、本体部26を構成する金属材料よりも腐食しにくい材料、例えば、鋳鉄や鋼よりも腐食しにくいステンレスなどの金属材料で製造される。ブッシュ28は、ステンレスが少なくとも一部に含んでいればよく、例えば、全体がステンレス製造された筒体、または外周部のみがステンレスで製造されその他の部分がステンレス以外の材料で製造された筒体であってもよい。
ブッシュ28と挿通孔30の内壁30aとの間には、接着剤37が介在している。接着剤37は、ブッシュ28を挿通孔30内部に固定するとともにブッシュ28と内壁30aとの間の水漏れを防ぐシールとして機能する。
本体部26よりも腐食しにくいブッシュ28が挿通孔30内部に配置されることにより、前側水室S2内部の水が前蓋11bの挿通孔30を通してケーシング11外部に洩れることを防ぐことが可能である。すなわち、ブッシュ28は、水漏れ防止部材として機能する。
ブッシュ28の先端部28aは、図7に示されるように、シート面31から突出してパッキン25Aに埋め込まれている。これにより、パッキン25Aがシート面31に対する位置ずれを防止する。
図7に示されるように、ブッシュ28の内径D2は、前蓋11bの挿通孔30の内径D1よりも大きくなるように設定されている。これにより、ボルト29が挿通孔30に挿通されるときに、ブッシュ28がボルト29に干渉するおそれが低減し、ボルト29を挿通孔30に挿入しやすくなる。
また、パッキン25Aにおけるボルト29が貫通する貫通孔34の内径D3は、ブッシュ28の内径D2よりも狭く設定されている。これにより、ボルト29の外周面とパッキン25Aの貫通孔34の内周面との隙間が小さくなり、ケーシング11内部の水が当該隙間を介して挿通孔30へ流出するおそれを低減することが可能である。
さらに、本実施形態の水冷式熱交換器10では、図4および図9に示されるように、パッキン25Aの位置決めのために、ピン32がシート面31における挿通孔30の周辺に設けられている。
具体的には、前蓋11bの挿通孔30の周辺部には、当該ピン32の先端部が挿入される複数(本実施形態では2個)の挿入穴33が、シート面31から直交する方向へ延びるように形成されている。
ピン32は、パッキン25Aを貫通して、前蓋11bのシート面31に開口する挿入穴33へ挿入されることにより、パッキン25Aをパッキン25Aの貫通孔34と挿通孔30が連通する位置に位置決めすることが可能であり、パッキン25Aの位置決め手段として機能する。
以上のような前蓋11bの構成(すなわち、ボルト29を挿通する挿通孔30を有する本体部26と、本体部26の内面側に形成された防食塗装膜27と、挿通孔30に配置されたブッシュ28とを有する構成)は、図3および図5に示される後蓋11cも有している。さらに、以上のような図8に示される前蓋側のパッキン25Aの構成(すなわち、本体部26の外周部に対応する外周部35と、仕切板11dに対応する仕切板対応部36と、貫通孔34とを有する構成)は、図3および図9に示される後蓋側のパッキン25Bも有している。したがって、これら後蓋11cおよび後蓋側のパッキン25Bについての説明は省略する。
また、水冷式熱交換器10には、水流路を構成する金属の腐食を防止するために犠牲陽極23が設けられている。水流路を構成する金属としては、管板21,22、伝熱管12、前蓋11b、後蓋11cなどを構成する金属を例示することができる。犠牲陽極23は、前側水室S2における複数の水室S21〜S24(図4参照)および後側水室S3における複数の水室S31〜S33(図5参照)にそれぞれ設けられている。各犠牲陽極23は、前蓋11b及び後蓋11cにおける取付部24にねじ止めなどによって取り付けられている。
[水冷式熱交換器の動作]
まず、水(例えば海水)は、流入管18を介して前側水室S2の入口水室S21に供給される。入口水室S21に流入した水は、複数の伝熱管12を介して、前側水室S2と後側水室S3との間で3往復する。すなわち、水は、複数の伝熱管12を介して、図4〜5に示される、前側水室S2および後側水室S3を構成する複数の水室、すなわち、入口水室S21、第1水室S31、中間水室S23、第2水室S32、中間水室S24、第3水室S33、出口水室S22の順に流れて、出口水室S22に至る。そして、出口水室S22に流入した水は、流出管19から排出される。
一方、冷媒室S1には、導入管15を介して冷媒回路の冷媒が導入される。冷媒室S1に導入された冷媒は、複数の伝熱管12の外側を上層部から下層部へと流れる。このとき、伝熱管12の外側を流れる冷媒は、伝熱管12の内部を流れる水と熱交換を行う。そして、冷媒室S1の下層部に至った冷媒は、導出連絡管16に流入し、導出管17から排出される。
(特徴)
(1)
本実施形態の水冷式熱交換器10では、前蓋11bおよび後蓋11cは、それぞれ、パッキン25が接触するシート面31と、当該シート面31を貫通しボルト29が挿通される挿通孔30とが形成された金属材料からなる本体部26と、本体部26におけるシート面31以外の部位に形成される防食塗装膜27と、本体部26の金属材料よりも腐食しにくい材料からなり、挿通孔30内に配置されて当該挿通孔30からの水漏れを防ぐ水漏れ防止部材であるブッシュ28とを有する。この構成によれば、金属材料からなる前蓋11bおよび後蓋11cの本体部26において、パッキン25Aと接触するシート面31は防食塗装膜27が被覆されていないので面出ししやすく、パッキン25Aと密着する。しかし、本体部26を構成する金属材料よりも腐食しにくい材料からなるブッシュ28が、当該本体部26の挿通孔30内に配置されている。そのため、本体部26における防食塗装膜27が形成されている部位のうちシート面31に近い部分26b(図7参照)から本体部26の腐食が二点鎖線で示される領域Bに進行しても、ブッシュ28が本体部26よりも腐食しにくいので、ブッシュ28によって挿通孔30からの水漏れを防ぐことが可能である。その結果、前側水室S2および後側水室S3内の水が挿通孔30を通して外部に漏れるおそれを低減することが可能である。
(2)
本実施形態の水冷式熱交換器10では、パッキン25におけるボルト29が貫通する貫通孔34の内径D3は、ブッシュ28の内径D2よりも狭く設定されている。これにより、パッキン25Aの貫通孔34の内周縁25aがブッシュ28の内側に突出し、パッキン25の貫通孔34の内周縁25aと当該貫通孔34を貫通するボルト29との隙間が狭くなるので、シール性を向上させることが可能である。
(3)
本実施形態の水冷式熱交換器10では、ブッシュ28の先端部28aは、パッキン25Aに押し込まれている。この先端部28aによって当該パッキン25Aを保持することが可能である。その結果、これにより、パッキン25Aの位置ずれを防止することが可能である。
(4)
本実施形態の水冷式熱交換器10では、ブッシュ28と挿通孔30の内壁30aとの間には、接着剤37が介在している。これにより、接着剤37によってブッシュ28を挿通孔30の内壁30aに固定することができ、ブッシュ28が挿通孔30の延びる方向へずれることを防止することが可能である。また、接着剤37によって、ブッシュ28と挿通孔30の内壁30aとの隙間をシールするので、当該隙間を通して挿通孔30内部へ水が漏れることを防止することが可能である。
(5)
本実施形態の水冷式熱交換器10は、パッキン25の貫通孔34と挿通孔30が連通する位置になるように、パッキン25を位置決めするための位置決め手段として機能するピン32を備えている。このピン32によって、パッキン25Aをパッキン25Aの貫通孔34と挿通孔30とが連通する位置に確実に位置決めすることが可能である。
(6)
本実施形態の水冷式熱交換器10では、 本体部26は、鋳鉄で製造されており、一方、ブッシュ28は、少なくとも一部にステンレスを含むように構成されている。この構成では、ステンレスを含むブッシュ28は、鋳鉄からなる前蓋11bの本体部26よりも耐腐食性が高く、本体部26が腐食してもブッシュ28によって挿通孔30からの水漏れを確実に防ぐことが可能である。しかも、ステンレスは、剛性が高いので、破損や摩耗がしにくい。
(変形例)
なお、上記実施形態ではブッシュ28がステンレスなどの金属材料で製造されているが、樹脂材料などによって製造されてもよい。ブッシュ28は、樹脂材料が少なくとも一部に含むようにすれば腐食しにくく、例えば、鋼製の筒体の外側を樹脂材料で覆ったものでもよい。このような樹脂材料を含むブッシュ28は、金属材料からなる前蓋11bの本体部26よりも耐腐食性が高い。しかも、樹脂材料は、挿通孔30の内面との密着性がよく、シール性が高い。
また、本実施形態では、位置決め手段として、ピン32が用いられているが、パッキン25Aの貫通孔34が前蓋11bの挿通孔30に連通するように、パッキン25Aのシート面31表面における相対位置を位置決めすることができるものであれば、種々の形態の位置決め手段を採用することができる。例えば、位置決め手段として、パッキン25Aの貫通孔34の周辺部において凹部を設けて、当該凹部にブッシュ28の先端部28aを嵌合させることにより、パッキン25Aの位置決めをするようにしてもよい。または、位置決め手段として、パッキン25Aの貫通孔34の内周縁25aからブッシュ28の内周面28bに係合する凸部を設けてもよい。
10 水冷式熱交換器
11 ケーシング(シェル)
11a 胴部
11b 前蓋(第1ケース部材)
11c 後蓋(第1ケース部材)
21 前管板
22 後管板
28 ブッシュ(水漏れ防止部材)
40 ケーシング本体部(第2ケース部材)
S1 冷媒室
S2 前側水室
S21 入口水室
S22 出口水室
S3 後側水室

Claims (7)

  1. 冷媒室(S1)と水室(S2、S3)とが区画形成されたケーシング(11)を備えた水冷式熱交換器(10)であって、
    前記ケーシング(11)は、
    ボルト(29)を挿通させる挿通孔(30)が形成された第1ケース部材(11b、11c)と、
    前記ボルト(29)を締結する締結孔(21a)が形成された第2ケース部材(40)と、
    前記第1ケース部材(11b、11c)と前記第2ケース部材(40)との間に挟み込まれたパッキン(25)と、を備え、
    前記第1ケース部材(11b、11c)と前記第2ケース部材(40)とが締結されることにより、前記水室(S2、S3)が形成され、
    前記第1ケース部材(11b、11c)は、
    前記パッキン(25)が接触するシート面(31)と、当該シート面(31)を貫通し前記ボルト(29)が挿通される前記挿通孔(30)とが形成された金属材料からなる本体部(26)と、
    前記本体部(26)における前記シート面(31)以外の部位(26a)に形成される防食塗装膜(27)と、
    前記金属材料よりも腐食しにくい材料からなり、前記挿通孔(30)内に配置されて当該挿通孔(30)からの水漏れを防ぐ水漏れ防止部材(28)と、を有する
    水冷式熱交換器(10)。
  2. 前記パッキン(25)における前記ボルト(29)が貫通する貫通孔(34)の内径は、前記水漏れ防止部材(28)の内径よりも狭く設定されている、
    請求項1に記載の水冷式熱交換器(10)。
  3. 前記水漏れ防止部材(28)の一端部(28a)は、前記本体部(26)の前記シート面(31)から突出して前記パッキン(25)に押し込まれている、
    請求項2に記載の水冷式熱交換器(10)。
  4. 前記水漏れ防止部材(28)と前記挿通孔(30)の内壁との間には、接着剤(37)が介在している、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の水冷式熱交換器(10)。
  5. 前記パッキン(25)の貫通孔(34)と前記挿通孔(30)が連通する位置になるように、前記パッキン(25)を位置決めするための位置決め手段(32)をさらに備えている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の水冷式熱交換器(10)。
  6. 前記本体部(26)は、鋳鉄で製造され、
    前記水漏れ防止部材(28)は、少なくとも一部にステンレスを含んでいる、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の水冷式熱交換器(10)。
  7. 前記水漏れ防止部材(28)は、少なくとも一部に樹脂材料を含んでいる、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の水冷式熱交換器(10)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101899522B1 (ko) * 2017-01-20 2018-10-31 (주)와이앤제이에프엠씨 복합형 열교환장치
KR102035749B1 (ko) * 2019-01-10 2019-10-24 주식회사 센추리 선박용 수냉식 응축기

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