JP2016017465A - シングルスクリュー圧縮機 - Google Patents

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典生 松本
秀規 藤原
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秀規 藤原
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Abstract

【課題】スクリューロータの停止直後の逆回転の回転速度を抑制容易で、ゲートロータの損傷が発生しにくいシングルスクリュー圧縮機を提供する。【解決手段】圧縮機は、吸入及び吐出空間が形成されたケーシング、調整機構、駆動機構40、及びコントローラを備える。調整機構は、スライド弁を移動させ圧縮室と吸入空間とを連通するバイパス通路の開度を調整する。駆動機構は、スライド弁と連結されるピストン41及びピストンが収容されるシリンダ42を有し、ピストンに隣接するA室Sa及びB室Sbの差圧でピストンを移動させ、スライド弁を駆動する。駆動機構は、各室と吐出空間との連通路51,52と、B室と吸入空間とを連通する、電磁弁55a〜55cを具備する連通路53及び電磁弁56aを具備する連通路56とを有する。コントローラは、運転時に容量制御のため弁55a〜55cを制御し、停止時にB室と吸入空間とが連通するように弁56aを制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、シングルスクリュー圧縮機に関する。
従来、ゲートロータと噛み合うスクリューロータを回転させて、冷媒を圧縮するシングルスクリュー圧縮機が知られている(例えば、特許文献1(特開2013−19338号公報)。
シングルスクリュー圧縮機では、スクリューロータが回転すると、吸入側の空間からスクリューロータに形成された螺旋溝に低圧の冷媒が流入し、螺旋溝と、螺旋溝に噛み合うゲートロータのゲート(歯)と、ケーシングと、により形成される圧縮室で冷媒が圧縮される。圧縮室で圧縮された冷媒は、吐出側の空間に吐出される。
シングルスクリュー圧縮機には、特許文献1(特開2013−19338号公報)のように、容量制御機構として、シリンダ内に収容されたピストンを具備する駆動機構により駆動される、スライド弁が設けられる場合がある。スライド弁は、圧縮行程の途中で圧縮室から吸入側の空間に戻される冷媒の量を調整するための弁体である。スライド弁は、駆動機構のピストンと連結されている。シリンダ内のピストン前後の空間の圧力差によりピストンが移動すると、スライド弁が、スクリューロータの外周面に沿って、スクリューロータの回転軸の軸方向にスライドする。その結果、スライド弁とケーシングとの間に、圧縮室と吸入側の空間とを連通するバイパス通路が形成され、更にバイパス通路の開度が変更される。また、スライド弁の位置によっては、バイパス通路が閉じられる。このように、スライド弁の動きによってバイパス通路の開度が変更され、圧縮室から吸入側の空間に戻る冷媒の量が制御されることで、シングルスクリュー圧縮機の容量制御が行われる。なお、駆動機構では、シリンダ内のピストンの前後に配置される空間の一方を吐出側の空間に連通させ、他方を吐出側の空間に連通させると共に吸入側の空間とも連通可能に構成し、この他方の空間と吸入側の空間との連通を制御することで、ピストン前後の空間の圧力差を生じさせている。
ところで、シングルスクリュー圧縮機では、運転中は、吸入側の空間から吐出側の空間へと圧縮機構を冷媒が流れ、吐出側の空間の圧力が、吸入側の空間の圧力より高くなる。一方、圧縮機停止直後には、吐出側の空間の圧力が吸入側の空間の圧力に比べて高いため、吐出側および吸入側の空間の圧力が等しくなるように、吐出側の空間から吸入側の空間へと、圧縮機構を圧縮機の運転中とは逆向きに冷媒が流れる。そのため、圧縮機停止直後には、スクリューロータが運転中とは逆方向に回転する。しかも、瞬間的には、スクリューロータの逆回転の回転速度は、運転中の回転速度より大きくなる場合がある。
スクリューロータが逆回転すると、スクリュー圧縮機の圧縮機構は膨張機構として機能し、螺旋溝とゲート(歯)とにより形成される空間(運転中における圧縮室)の体積は次第に増加し、吐出側の空間から流入した流体の圧力が、空間(運転中における圧縮室)で低下する。また、スクリューロータが逆回転すると、吐出側の空間の流体が吸入側の空間へと流入するため、吸入側の空間の圧力は、運転中よりも上昇する。この結果、スクリューロータの逆回転時には、螺旋溝内の圧縮室の圧力が、吸入側の空間の圧力よりも一時的に低くなる場合がある。
このような圧力関係の逆転が発生した場合、吸入側の空間と連通する空間に配置されるゲートロータのゲート(歯)には、運転中と異なる力が作用する。図21を用いて説明する。
運転中には、図21(a)に示すように、空間C(圧縮室)を構成するゲートロータのゲート(歯)Gに対し、空間C側からゲート(歯)Gの支持部E側へと圧力が作用する(矢印D1参照)。一方、スクリューロータが逆回転し、螺旋溝内の空間C(運転中における圧縮室)の圧力が、吸入側の空間の圧力よりも低くなり、圧力関係が運転中と逆転すると、図21(b)に示すように、ゲート(歯)Gに対し、支持部E側から(膨張室として機能している)空間C側へと圧力が作用する(矢印D2参照)。そのため、圧力関係の逆転時には、ゲート(歯)Gが支持部Eから剥がれたり、圧縮機の運転中と異なる部位でゲート(歯)Gがスクリューロータと接触して割れたりという、ゲート(歯)の損傷が発生しやすい。スクリューロータの逆回転の回転速度が大きい場合には、このようなゲート(歯)Gの損傷が特に発生しやすい。
そこで、シングルスクリュー圧縮機の停止時には、スクリューロータの逆回転の速度を抑制するため、圧縮室の冷媒を吸入側の空間へと戻すためのバイパス通路の開度を最大にするようにスライド弁の位置を制御し、バイパス通路にできるだけ多くの冷媒を通過させるという対策が行われる。
しかし、例えばシングルスクリュー圧縮機を急停止させるような場合には、駆動機構のシリンダ内のピストン前後の空間に、短時間で十分な圧力差を生じさせることができず、スライド弁を迅速に所望の位置に移動させることが困難な場合がある。そして、スクリューロータの逆回転の回転速度が十分に抑制されない場合がある。
本発明の課題は、運転停止時のスクリューロータの逆回転の回転速度の抑制が容易で、ゲートロータのゲート(歯)の損傷が発生しにくい、信頼性の高いシングルスクリュー圧縮機を提供することにある。
本発明の第1観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、圧縮機構と、電動機と、ケーシングと、調整機構と、駆動機構と、制御部と、を備える。圧縮機構は、スクリューロータを有する。電動機は、スクリューロータを駆動軸周りに回転駆動する。ケーシングには、吸入空間および吐出空間が内部に形成される。ケーシングは、圧縮機構および電動機を収容する。調整機構は、ケーシングとスクリューロータの外周面との間に配される、駆動軸の軸方向に沿って移動可能なスライド弁を有し、スライド弁を移動させることで、圧縮機構の圧縮室と吸入空間とを連通するバイパス通路の開度を調整する。駆動機構は、スライド弁と連結されるピストンと、ピストンが収容され、ピストンに対して、吸入空間側にA室が、吐出空間側にB室が、それぞれ形成されたシリンダと、を有する。駆動機構は、A室とB室との差圧によりピストンをシリンダ内で移動させることでスライド弁を駆動する。制御部は、駆動機構を制御する。駆動機構は、第1吐出側連通路と、第2吐出側連通路と、第1連通路と、第2連通路と、を更に有する。第1吐出側連通路は、A室と吐出空間とを連通する。第2吐出側連通路は、B室と吐出空間とを連通する。第1連通路は、B室と吸入空間とを連通し、B室と吸入空間との連通/非連通を切り替える第1切替手段を具備する。第2連通路は、B室と低圧空間とを連通し、B室と低圧空間との連通/非連通を切り替える第2切替手段を具備する。制御部は、電動機の運転時に、調整機構により容量制御が行われるように第1切替手段を制御し、電動機の停止時に、第2連通路によりB室と低圧空間とが連通するように第2切替手段を制御する。
ここでは、スライド弁の駆動機構が、圧縮機の容量制御に用いられる第1連通路の他に、電動機の停止時(圧縮機の停止時)にB室と低圧空間とを連通する第2連通路を有する。そのため、第1連通路は圧縮機の容量制御に適した仕様としつつ、電動機の停止時にはB室と低圧空間とを第2連通路により連通させることでB室の圧力を迅速に低下させ、A室とB室との差圧を迅速に確保できる。つまり、電動機の停止直後に、スライド弁を迅速に動かしてバイパス通路の開度を大きくとることが容易で、バイパス通路に冷媒を通過させて、スクリューロータの逆回転の回転速度を抑制することが容易である。その結果、ゲートロータのゲート(歯)が損傷しにくい、信頼性の高いシングルスクリュー圧縮機を実現できる。
本発明の第2観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、第1観点に係るシングルスクリュー圧縮機であって、低圧空間は、吸入空間である。
ここでは、第2連通路が吸入空間と接続されるため、第2連通路の距離が短くてよく、コンパクトな構造で、スクリューロータの逆回転の回転速度を抑制できる。
本発明の第3観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、第1観点に係るシングルスクリュー圧縮機であって、低圧空間は、当該シングルスクリュー圧縮機が接続される冷媒回路の蒸発器である。
ここでは、体積の大きな蒸発器内の空間を低圧空間として利用するため、B室から高圧の冷媒が低圧空間に流入しても、低圧空間の圧力が直ちには上昇しにくく、B室の圧力を迅速に低下させることが容易である。そのため、電動機の停止直後であっても、スライド弁を迅速に動かしてバイパス通路の開度を大きくとり、バイパス通路に冷媒を通過させて、スクリューロータの逆回転の回転速度を抑制することが容易である。
本発明の第4観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、第1観点から第3観点のいずれかに係るシングルスクリュー圧縮機であって、第2連通路の流路面積は、第1連通路の流路面積より大きい。
ここでは、第2連通路の流路面積が、第1連通路の流路面積より大きいため、電動機の停止時に、迅速にB室の圧力を低下させ、スライド弁を迅速に駆動することが容易である。そのため、スクリューロータの逆回転の回転速度を抑制することが容易である。
本発明の第5観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、第1観点から第4観点のいずれかに係るシングルスクリュー圧縮機であって、駆動機構は、A室と高圧空間とを連通し、A室と高圧空間との連通/非連通を切り替える高圧側切替手段を含む高圧側連通路を更に有する。制御部は、電動機の停止時に、A室と高圧空間とが連通するように高圧側切替手段を更に制御する。
ここでは、スライド弁の駆動機構が、電動機の停止時にA室と高圧空間とを連通する高圧側連通路を有するため、A室の圧力の低下を抑制でき、電動機の停止時にA室とB室との十分な差圧を確保することが容易である。そのため、電動機の停止時に、スライド弁を迅速に動かしてバイパス通路の開度を大きくとり、バイパス通路に冷媒を通過させて、スクリューロータの逆回転の回転速度を抑制することが容易である。
本発明の第6観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、圧縮機構と、電動機と、ケーシングと、調整機構と、駆動機構と、制御部と、を備える。圧縮機構は、スクリューロータを有する。電動機は、スクリューロータを駆動軸周りに回転駆動する。ケーシングには、吸入空間および吐出空間が内部に形成される。ケーシングは、圧縮機構および電動機を収容する。調整機構は、ケーシングとスクリューロータの外周面との間に配される、駆動軸の軸方向に沿って移動可能なスライド弁を有し、スライド弁を移動させることで、圧縮機構の圧縮室と吸入空間とを連通するバイパス通路の開度を調整する。駆動機構は、スライド弁と連結されるピストンと、ピストンが収容され、ピストンに対して、吸入空間側にA室が、吐出空間側にB室が、それぞれ形成されたシリンダと、を有する。駆動機構は、A室とB室との差圧によりピストンをシリンダ内で移動させることでスライド弁を駆動する。制御部は、駆動機構を制御する。駆動機構は、第1吐出側連通路と、高圧側連通路と、第2吐出側連通路と、第1連通路と、を更に有する。第1吐出側連通路は、A室と吐出空間とを連通する。高圧側連通路は、A室と高圧空間とを連通し、A室と高圧空間との連通/非連通を切り替える高圧側切替手段を具備する。第2吐出側連通路は、B室と吐出空間とを連通する。第1連通路は、B室と吸入空間とを連通し、B室と吸入空間との連通/非連通を切り替える第1切替手段を具備する。制御部は、電動機の停止時に、高圧側連通路によりA室と高圧空間とが連通するように高圧側切替手段を制御し、第1連通路によりB室と吸入空間とが連通するように第1切替手段を制御する。
ここでは、スライド弁の駆動機構が、電動機の停止時(圧縮機の停止時)にA室と高圧空間とを連通する高圧側連通路を有するため、A室の圧力の低下を抑制でき、電動機の停止時にA室とB室との十分な差圧を確保することが容易である。そのため、電動機の停止直後に、スライド弁を迅速に動かしてバイパス通路の開度を大きくとることが容易で、バイパス通路に冷媒を通過させて、スクリューロータの逆回転の回転速度を抑制することが容易である。その結果、ゲートロータのゲート(歯)が損傷しにくい、信頼性の高いシングルスクリュー圧縮機を実現できる。
本発明の第7観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、第6観点に係るシングルスクリュー圧縮機であって、高圧空間は、当該シングルスクリュー圧縮機が接続される冷媒回路内であって、当該シングルスクリュー圧縮機の外部の空間である。
ここでは、電動機が停止されても高圧が維持されやすい圧縮機外の空間とA室とが連通するため、電動機の停止時にA室の圧力を高く維持することができる。そのため、電動機の停止時に、A室とB室との差圧を確保してスライド弁を迅速に駆動し、バイパス通路に冷媒を通過させて、スクリューロータの逆回転の回転速度を抑制することが容易である。
本発明の第8観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、第6観点又は第7観点に係るシングルスクリュー圧縮機であって、高圧側連通路は、第1吐出側連通路に接続される。
ここでは、高圧側連通路と第1吐出側連通路とを接続することで、通路の一部を共用できるため、材料費を抑制しながら高圧側連通路を設けることが可能である。
本発明の第9観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、第6観点又は第7観点に係るシングルスクリュー圧縮機であって、高圧側連通路は、第1吐出側連通路に接続されない専用通路である。
ここでは、高圧側連通路と第1吐出側連通路とを接続する場合に比べ、高圧側連通路の配置の自由度を高めることができる。
本発明の第10観点に係るシングルスクリュー圧縮機は、第6観点から第9観点のいずれかに係るシングルスクリュー圧縮機であって、第1吐出側連通路は、A室から吐出空間への冷媒の流れを逆止する逆止手段を具備する。
ここでは、高圧空間からA室に供給された高圧の冷媒が、圧力の低下した吐出空間へと流入することがないため、吸入空間と吐出空間とが均圧せず、スクリューロータの逆回転が長時間継続することを防止できる。
本発明に係るシングルスクリュー圧縮機では、電動機の停止直後に、スライド弁を迅速に動かしてバイパス通路の開度を大きくとることが容易で、バイパス通路に冷媒を通過させて、スクリューロータの逆回転の回転速度を抑制することが容易である。その結果、ゲートロータのゲート(歯)が損傷しにくい、信頼性の高いシングルスクリュー圧縮機を実現できる。
本発明の第1実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機が接続される冷媒回路を有する冷凍装置の概略図である。 図1のシングルスクリュー圧縮機の断面図である。 図2のシングルスクリュー圧縮機のIII−III矢視の断面図である。 図2のシングルスクリュー圧縮機の、圧縮機構および調整機構の周辺図である。全負荷時の、圧縮機構および調整機構の周辺の状態を描画している。全負荷時には、調整機構のスライド弁が移動可能範囲内で最も吸入空間側に動かされ、バイパス通路が閉じている。 図2のシングルスクリュー圧縮機の、圧縮機構および調整機構の周辺図である。部分負荷時の、圧縮機構および調整機構の周辺の状態を描画している。部分負荷時には、全負荷時に比べて、調整機構のスライド弁が吐出空間側に動かされ、バイパス通路が開いている。 図2のシングルスクリュー圧縮機の、駆動機構のシリンダが設けられた区画部材を、吐出空間側から見た図である。駆動機構の、シリンダの吐出空間側を塞ぐ円板、ピストン、ピストンとスライド弁とを連結する部材等は省略して描画している。 図2のシングルスクリュー圧縮機の駆動機構の主要部分の模式図である。駆動機構のピストンロッド、アーム、連結ロッド等は省略して描画している。 図2のシングルスクリュー圧縮機の圧縮機構の動作について説明するための図である。(a)は吸入行程を、(b)は圧縮行程を、(c)は吐出行程をそれぞれ示している。 図2のシングルスクリュー圧縮機において、全負荷の状態(バイパス通路の開度が0%の状態)で電動機を停止させた場合の、A室およびB室の圧力の変化と、バイパス通路の開度の変化を描画した図である。 変形例1Aに係るシングルスクリュー圧縮機が接続される冷媒回路を有する冷凍装置の概略図である。 図10のシングルスクリュー圧縮機において、全負荷の状態(バイパス通路の開度が0%の状態)で電動機を停止させた場合の、A室およびB室の圧力の変化と、バイパス通路の開度の変化を描画した図である。 変形例1Bのシングルスクリュー圧縮機の、駆動機構のシリンダが設けられた区画部材を、吐出空間側から見た図である。駆動機構の、シリンダの吐出空間側を塞ぐ円板、ピストン、ピストンとスライド弁とを連結する部材等は省略して描画している。 変形例1Cのシングルスクリュー圧縮機において、全負荷の状態(バイパス通路の開度が0%の状態)で電動機を停止させた場合の、A室およびB室の圧力の変化と、バイパス通路の開度の変化を描画した図である。 本発明の第2実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機が接続される冷媒回路を有する冷凍装置の概略図である。 図14のシングルスクリュー圧縮機の、駆動機構のシリンダが設けられた区画部材を、吐出空間側から見た図である。駆動機構の、シリンダの吐出空間側を塞ぐ円板、ピストン、ピストンとスライド弁とを連結する部材等は省略して描画している。 図14のシングルスクリュー圧縮機の駆動機構の主要部分の模式図である。駆動機構のピストンロッド、アーム、連結ロッド等は省略して描画している。 図14のシングルスクリュー圧縮機において、全負荷の状態(バイパス通路の開度が0%の状態)で電動機を停止させた場合の、A室およびB室の圧力の変化と、バイパス通路の開度の変化を描画した図である。 変形例2Aのシングルスクリュー圧縮機の、駆動機構のシリンダが設けられた区画部材を、吐出空間側から見た図である。駆動機構の、シリンダの吐出空間側を塞ぐ円板、ピストン、ピストンとスライド弁とを連結する部材等は省略して描画している。 第2連通路および高圧側連通路を有さない従来のシングルスクリュー圧縮機において、全負荷の状態(バイパス通路の開度が0%の状態)で電動機を停止した場合の、吐出空間、圧縮室、および吸入空間の圧力の変化を描画した図である。 第2連通路および高圧側連通路を有さない従来のシングルスクリュー圧縮機において、全負荷の状態(バイパス通路の開度が0%の状態)で電動機を停止させた場合の、A室およびB室の圧力の変化と、バイパス通路の開度の変化を描画した図である。 圧縮室の圧力が吸入空間の圧力より高い状態においてゲート(歯)に作用する力と、圧縮室(膨張室)の圧力が吸入空間の圧力より低い圧力関係逆転状態においてゲート(歯)に作用する力と、について説明するための図である。(a)は圧縮室の圧力が吸入空間の圧力より高い状態を、(b)は圧縮室(膨張室)の圧力が吸入空間の圧力より低い圧力関係逆転状態をそれぞれ図示している。
本発明に係るシングルスクリュー圧縮機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以下の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機100について説明する。
(1)全体構成
図1は、シングルスクリュー圧縮機100を有する冷凍装置200の概略図である。図2は、シングルスクリュー圧縮機100の断面図である。図2は、後述する駆動軸60の軸方向に延びる平面で、上下方向にシングルスクリュー圧縮機100を切断した断面図である。
シングルスクリュー圧縮機100を有する冷凍装置200について説明する。冷凍装置200は、各種設備に供給される二次冷媒としてのブラインを冷却する装置である。
冷凍装置200は、シングルスクリュー圧縮機100の他、凝縮器(熱交換器)110と、蒸発器(熱交換器)120と、膨張弁130と、を主に有する(図1参照)。シングルスクリュー圧縮機100、凝縮器110、蒸発器120、および膨張弁130が配管により接続されることで、冷媒回路150が構成される(図1参照)。冷媒回路150には、例えばR410A等の冷媒が充填されている。冷媒回路150は、充填された冷媒を循環させることで、冷凍サイクルを行う。
具体的には、冷媒回路150では、シングルスクリュー圧縮機100により圧縮された冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒は、凝縮器110に供給される。凝縮器110では、冷媒は冷却水と熱交換を行い、凝縮して液冷媒となる。凝縮器110を通過した液冷媒は、膨張弁130で冷凍サイクルにおける低圧まで減圧された後、蒸発器120に供給される。蒸発器120では、液冷媒とブラインとの熱交換が行われ、ブラインが冷却される。一方、ブラインと熱交換をした冷媒は、ガス冷媒となり、シングルスクリュー圧縮機100に供給される。冷媒回路150では、これが繰り返し行われる。
シングルスクリュー圧縮機100について説明する。シングルスクリュー圧縮機100は、冷凍装置200において、冷媒を圧縮する役割を果たす。
シングルスクリュー圧縮機100は、主として、ケーシング10(図2参照)と、圧縮機構20(図2参照)と、調整機構30(図4参照)と、駆動機構40(図4参照)と、駆動軸60(図2参照)と、電動機70(図2参照)と、コントローラ80(図1参照)と、を備える。ケーシング10には、圧縮機構20、調整機構30、駆動機構40、駆動軸60、電動機70、およびコントローラ80が収容されている。
(2)詳細構成
以下に、シングルスクリュー圧縮機100の詳細構成について説明する。
なお、以下の説明の中で、位置関係および方向を説明する際に「上」「下」という表現を使う場合があるが、特に断りのない限り、図2および図3中の矢印Uの方向を上向きとする。
(2−1)ケーシング
ケーシング10は、駆動軸60の軸方向(図2では左右方向)に延びる円筒状の容器である。ケーシング10の内部は、主に、吸入空間S1と、吐出通路14と、吐出空間S2と、に区画される。
吸入空間S1は、ケーシング10の一端側(図2では右側)に形成される。吸入空間S1は、シングルスクリュー圧縮機100が接続される冷媒回路150から冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒の供給を受け、ガス冷媒を圧縮機構20へと導く。吸入空間S1には、電動機70が配置される。
吐出通路14は、吸入空間S1と吐出空間S2との間に形成されている。吐出通路14には、圧縮機構20で圧縮されたガス冷媒が流入する。
吐出空間S2は、ケーシング10の、吸入空間S1とは反対側に位置する他端側(図1では左側)に形成される。吐出空間S2は、吐出通路14と、円板状の区画部材15によって区画されている(図2参照)。吐出空間S2には、吐出通路14を通過した、圧縮機構20による圧縮後のガス冷媒が流入する。吐出通路14から吐出空間S2に流入したガス冷媒は、冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒として、シングルスクリュー圧縮機100が接続される冷凍装置200の冷媒回路150に供給される。
吐出空間S2の下方には、冷凍機油Oが貯留される。冷凍機油Oは、圧縮機構20や、駆動軸60の軸受等を潤滑するための潤滑油として用いられる。吐出空間S2と吐出通路14とを区画する区画部材15には、油供給路15aが形成されている(図2参照)。吐出空間S2の下方に貯留された冷凍機油Oは、油供給路15aを通過して、後述する軸受61a、軸受62a、圧縮機構20の圧縮室Sc等に供給される(図2参照)。
ケーシング10には、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を吸入する吸入口11と、圧縮機構20により圧縮された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を吐出する吐出口12とが形成されている(図2参照)。吸入口11は、吸入空間S1と連通する。吐出口12は、吐出空間S2と連通する。吐出口12のケーシング10の外部側には、逆止弁101が設けられている(図1および図2参照)。逆止弁101は、シングルスクリュー圧縮機100の停止時等に、冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒が、シングルスクリュー圧縮機100外から、圧力の低下した吐出空間S2へと逆流することを防止する。
ケーシング10は、図2のように、駆動軸60の軸方向に延びる円筒状のシリンダ部13を有する。吐出通路14は、シリンダ部13を取り囲むように形成される。
シリンダ部13の内部には、後述する圧縮機構20のスクリューロータ21が収容される。シリンダ部13は、駆動軸60の軸方向に延びる、スライド弁収容部13bを有する(図3参照)。スライド弁収容部13bは、図3のように、駆動軸60の径方向外向きに突出し、駆動軸60の径方向内向きに開口した凹溝状に形成されている。スライド弁収容部13bは、図3のように、円筒状のスクリューロータ21の中心に対して点対称に2箇所設けられる。スライド弁収容部13bには、後述する調整機構30のスライド弁31が、駆動軸60の軸方向に摺動可能に収容される。
(2−2)圧縮機構
圧縮機構20は、主として、ケーシング10の円筒状のシリンダ部13の内部に配置されるスクリューロータ21と、スクリューロータ21と噛み合う2つのゲートロータ22と、ゲートロータ22を支持する2つのロータ支持部23と、を有する(図3参照)。
(2−2−1)スクリューロータ
スクリューロータ21は、冷媒を圧縮するための圧縮室Sc(図2参照)を、ゲートロータ22(図3参照)およびケーシング10のシリンダ部13(図3参照)と共に形成するための部材である。
スクリューロータ21は、円筒状に形成された部材である(図2および図3参照)。スクリューロータ21は、金属製である。例えば、スクリューロータ21は、鋳鉄製である。スクリューロータ21は、ケーシング10のシリンダ部13の内部に収容されている。スクリューロータ21は、ケーシング10のシリンダ部13に回転可能に嵌合している。
円筒状のスクリューロータ21の側面には、スクリューロータ21の一方の端面側から他方の端面側へ向かって、つまり駆動軸60の軸方向に沿って、螺旋状に延びる螺旋溝21a(図8参照)が複数形成されている。ここでは、スクリューロータ21の側面に、6つの螺旋溝21aが形成されている。ただし、螺旋溝21aの数は例示であり、螺旋溝21aの数は適宜決定されればよい。螺旋溝21aは、圧縮室Scを形成するための溝である。螺旋溝21aに後述するゲートロータ22のゲート(歯)22a(図8参照)が噛み合うことで、冷媒を圧縮する圧縮室Scが形成される。圧縮室Scは、シリンダ部13の内周面13a(図3参照)と、スクリューロータ21の螺旋溝21a(図8参照)と、ゲートロータ22のゲート(歯)22a(図8参照)と、により主に囲まれた空間である。
円筒状のスクリューロータ21の中空部には、図2のように、後述する駆動軸60が貫通するように挿入されている。スクリューロータ21の中空部に駆動軸60が挿入されることで、スクリューロータ21は駆動軸60と連結される。駆動軸60は、後述するように、電動機70のモータロータ72とも連結されており、電動機70が運転されると、スクリューロータ21は、駆動軸60周りに回転駆動される。電動機70により駆動されてスクリューロータ21が回転すると、それに応じてゲートロータ22も回転し、ゲートロータ22の複数のゲート(歯)22a(図8参照)が順次複数の螺旋溝21a(図8参照)に噛み合う。この時、圧縮室Scの拡大動作および縮小動作が繰り返され、冷媒の吸入行程、圧縮行程、および吐出行程が、順に、繰り返し行われる。圧縮機構20の動作については後述する。
スクリューロータ21は、吸入空間S1側の端部の周縁にテーパ部21bを有する(図2参照)。螺旋溝21aの吸入空間S1側の端部は、テーパ部21bにおいて吸入空間S1に開放されるように形成されている。吸入空間S1に対して開放される螺旋溝21aの端部は、吸入空間S1内の低圧の冷媒をスクリューロータ21の螺旋溝21aに吸入するための吸入口となっている。なお、スクリューロータ21の吐出空間S2側の端面では、螺旋溝21aの端部は開口していない。
(2−2−2)ゲートロータ
ゲートロータ22は、円板状の部材である(図3参照)。ゲートロータ22は、樹脂製である。ゲートロータ22には、図8に示すように、各々がスクリューロータ21の螺旋溝21aに噛み合う複数の長方形板状のゲート(歯)22aが放射状に設けられている。
2つのゲートロータ22は、図3のように、シリンダ部13の外側に、スクリューロータ21を挟むように配置されている。言い換えれば、一方のゲートロータ22と他方のゲートロータ22とは、スクリューロータ21の中心軸に対して軸対称に配置されている。各ゲートロータ22は、ゲート(歯)22aがシリンダ部13の一部を貫通してスクリューロータ21の螺旋溝21aに噛み合うように配置される。ゲート(歯)22aが螺旋溝21aに噛み合うことで、冷媒を圧縮する圧縮室Scが形成される(図8参照)。
(2−2−3)ロータ支持部
ロータ支持部23は、ゲートロータ22を支持する部材である(図3参照)。ロータ支持部23は、金属製である。各ロータ支持部23には、ゲートロータ22が取り付けられている(図3参照)。
ロータ支持部23は、図3のように、基部24と、アーム部25と、軸部26とを有する。基部24は、厚肉の円板状に形成されている。アーム部25は、基部24の外周面から放射状に延びる。アーム部25は、ゲートロータ22のゲート(歯)22aと同数設けられている。各アーム部25は、各ゲート(歯)22aの背面に当接している。軸部26は、棒状に形成され、基部24からゲートロータ22の配される側とは反対側に垂直に延びる。軸部26の軸心は、後述する駆動軸60の軸心と直交している。軸部26の中心軸は、基部24の中心軸と一致している。
ゲートロータ22が取り付けられたロータ支持部23は、ケーシング10内に、シリンダ部13に隣接して形成されたゲートロータ室27に収容されている(図3参照)。図3のように、一方のロータ支持部23はゲートロータ22が下端側となる姿勢で設置され、他方のロータ支持部23はゲートロータ22が上端側となる姿勢で設置されている。各ロータ支持部23の軸部26は、ゲートロータ室27内の軸受ハウジング28に、軸受28a,28bを介して回転自在に支持されている。なお、各ゲートロータ室27は、吸入空間S1と連通している。
圧縮機構20では、シリンダ部13の内周面13a(図3参照)と、スクリューロータ21の螺旋溝21a(図8参照)と、ゲートロータ22のゲート(歯)22a(図8参照)とにより囲まれた圧縮室Sc(図8参照)が形成される。電動機70により駆動されてスクリューロータ21が回転すると、ゲートロータ22は、軸部26を回転軸としてスクリューロータ21の回転に応じて回転し、ゲートロータ22の複数のゲート(歯)22aが順次複数の螺旋溝21aに噛み合う。
(2−3)調整機構
調整機構30は、シングルスクリュー圧縮機100の容量制御を行うための機構である。
調整機構30は、主にスライド弁31(図3〜図5参照)を有する。スライド弁31は、ケーシング10のシリンダ部13のスライド弁収容部13bと、スクリューロータ21の外周面21cとの間に配置される(図3参照)。スライド弁31は、駆動軸60の軸方向に沿って移動可能に構成されている。
スライド弁31は、後述する駆動機構40により駆動される。調整機構30は、スライド弁31を移動させることで、圧縮機構20の圧縮室Scと吸入空間S1とを連通するバイパス通路32(図5参照)の開度を調整する。なお、バイパス通路32とは、スライド弁31と、ケーシング10の固定部16(図5参照)との間に形成される通路である。調整機構30は、スライド弁31を移動させてバイパス通路32の開度を0〜100%の間で変更させることで、圧縮室Scから吸入空間S1に戻る冷媒の量を調整し、シングルスクリュー圧縮機100の容量制御を行う。
全負荷時には、図4のように、スライド弁31は、スライド弁31の移動可能範囲のうち最も吸入空間S1側(図4では右側)に移動され、ケーシング10の固定部16と当接する。そのため、スライド弁31と固定部16との間にはバイパス通路32は形成されず、圧縮機構20の圧縮室Sc内の冷媒は、全てスライド弁31の、駆動軸60の軸方向における中間部に形成された吐出ポート31a(図4参照)から吐出通路14へと吐出される。
一方、部分負荷時には、図5のように、スライド弁31は、全負荷時に比べ吐出空間S2側(図5では左側)に配置される。スライド弁31は、ケーシング10の固定部16と当接せず、スライド弁31と、固定部16との間にはバイパス通路32が形成される。圧縮機構20の圧縮室Sc内の冷媒の一部は、バイパス通路32を通過し、吸入空間S1に戻る。そのため、部分負荷時には、圧縮室Scへの吸入量が、全負荷時に比べて減少する。なお、圧縮機構20の圧縮室Scで圧縮された冷媒は、全負荷時と同様に、スライド弁31に形成された吐出ポート31a(図5参照)から吐出通路14へと吐出される。
電動機70の運転中(シングルスクリュー圧縮機100の運転中)のスライド弁31の動き、および、電動機70の停止時のスライド弁31の動き、については後述する。
(2−4)駆動機構
駆動機構40は、スライド弁31を駆動するための機構である
駆動機構40は、スライド弁31と連結されるピストン41(図2参照)を有する。ピストン41は、ピストンロッド43、アーム44および連結ロッド45を介してスライド弁31に連結されている(図4参照)。
また、駆動機構40は、ピストン41が収容される円筒状のシリンダ42(図2参照)を有する。シリンダ42は、吐出通路14と吐出空間S2とを区画する区画部材15の吐出空間S2側の面から、駆動軸60の軸方向に延びるように配置されている(図4参照)。円筒状のシリンダ42の一端(吸入空間S1側の端部、図4では右側の端部)は、区画部材15により塞がれている。シリンダ42の他端(吐出空間S2側の端部、図4では左側の端部)は、中央部に中央穴42aaが形成された円板42aにより塞がれている(図4参照)。円板42aの中央部の中央穴42aaには、ピストンロッド43が挿通され、ピストン41がシリンダ42の内部で移動すると、中央穴42aaとピストンロッド43とが摺接する。
ピストン41が収容されるシリンダ42の内部には、ピストン41に対して吸入空間S1側(図4でいえば右側)にA室Saが、ピストン41に対して吐出空間S2側(図4でいえば左側)にB室Sbが、それぞれ形成されている。ピストン41は、A室SaとB室Sbとの差圧によりシリンダ42内で移動させられる。その結果、ピストン41と連結されたスライド弁31が、スクリューロータ21の外周面21cに沿って、駆動軸60の軸方向に駆動される。
駆動機構40は、A室SaおよびB室Sbの圧力調整のための通路として、第1吐出側連通路51、第2吐出側連通路52、第1連通路53、第2連通路56、および高圧側連通路57を有する(図7参照)。
第1吐出側連通路51は、A室Saと吐出空間S2とを連通する通路である。円板状の区画部材15の吐出空間S2側の面には、区画部材15から吐出空間S2側に突出し、区画部材15の外周縁からシリンダ42に向かって延びるように形成された膨出部17aが設けられている(図6参照)。第1吐出側連通路51は、膨出部17aを区画部材15の外周縁からシリンダ42に向かって延び、さらにシリンダ42の側面を貫通して形成された穴である。第1吐出側連通路51は、シリンダ42の内部のA室Saと、区画部材15側の端部近傍で連通する。第1吐出側連通路51は、A室Saから吐出空間S2への冷媒の流れを逆止する逆止手段としての逆止弁51aを具備する。
第2吐出側連通路52は、B室Sbと吐出空間S2とを連通する通路である。第2吐出側連通路52は、シリンダ42の一端を塞ぐ円板42aを駆動軸60の軸方向に貫通して形成された穴である(図7参照)。
第1連通路53は、A室SaおよびB室Sbと吸入空間S1とを連通する通路である。第1連通路53は、第1分岐路54a、第2分岐路54b、および第3分岐路54cを有する。また、第1連通路53は、第1〜第3分岐路54a,54b,54cにそれぞれ設けられた、A室SaおよびB室Sbと吸入空間S1との連通/非連通を切り替える、第1電磁弁55a、第2電磁弁55b、および第3電磁弁55cを具備する。第1〜第3電磁弁55a〜55cは、第1切替手段の一例である。また、第1連通路53は、第1〜第3分岐路54a,54b,54cと吸入空間S1とを連通する、主経路53aを有する。
円板状の区画部材15の吐出空間S2側の面には、区画部材15から吐出空間S2側に突出し、区画部材15の外周縁からシリンダ42に向かって延びるように形成された膨出部17b,17c,17dが設けられている(図6参照)。第1〜第3分岐路54a〜54cは、それぞれ膨出部17b,17c,17dを区画部材15の外周縁側からシリンダ42に向かって延び、さらにシリンダ42の側面を貫通して形成された穴を含む。膨出部17b〜17dに形成された第1〜第3分岐路54a〜54cの穴は、膨出部17b〜17dの外周縁側の端部まで貫通せず、吐出空間S2とは連通しない。膨出部17b〜17dに形成された第1〜第3分岐路54a〜54cの穴は、ケーシング10のシリンダ部13に形成された穴(図示せず)とそれぞれ連通する。第1〜第3分岐路54a〜54cは、シリンダ42の側面および膨出部17b〜17dに形成された穴、シリンダ部13に形成された穴、および、ケーシング10から延びる配管(図示せず)を介して、ケーシング10の外部まで延びる。第1〜第3分岐路54a〜54cは、いずれも主経路53aと接続される。主経路53aは、主にケーシング10の外部に配置され、吸入空間S1に連通する配管である。
第1分岐路54aは、第1〜第3分岐路54a〜54cの中で、最も吸入空間S1側においてシリンダ42の内部と連通する(図7参照)。第3分岐路54cは、第1〜第3分岐路54a〜54cの中で、最も吐出空間S2側においてシリンダ42の内部と連通する(図7参照)。第3分岐路54cは、シリンダ42の側面の、円板42a側の端部近傍で、シリンダ42の内部(B室Sb)と連通する。第2分岐路54bは、駆動軸60の軸方向において、第1分岐路54aの連通箇所と第3分岐路54cの連通箇所との中間位置において、シリンダ42の内部と連通する(図7参照)。第1および第2分岐路54a,54bは、ピストン41の位置に応じて、A室SaおよびB室Sbのいずれにも連通可能に構成されている。第3分岐路54cは、B室Sbとのみ連通可能に構成されている。第1〜第3分岐路54a〜54cにそれぞれ設けられた第1〜第3電磁弁55a〜55cが開かれ、A室Sa又はB室Sbと吸入空間S1とが連通されることで、A室SaおよびB室Sbの、一方の圧力が他方の圧力よりも低下し、シリンダ42が移動する。例えば、スライド弁31を、スライド弁31の移動可能範囲で最も吐出空間S2側に移動させ、バイパス通路32の開度を100%に調整する際には、第3電磁弁55cが開かれる。また、例えば、スライド弁31を、スライド弁31の移動可能範囲で最も吸入空間S1側に移動させ、バイパス通路32を閉じ、全負荷で運転する際には、第1電磁弁55aが開かれる。
第2連通路56は、B室Sbと吸入空間S1とを連通する通路である。第2連通路56は、電動機70の停止時に使用される冷媒の通路であり、B室Sbの圧力を迅速にA室Saの圧力よりも低下させる際に用いられる。第2連通路56の流路面積は、第1連通路53の第1〜第3分岐路54a〜54cおよび主経路53aの流路面積よりも大きく形成されている。円板状の区画部材15の吐出空間S2側の面には、区画部材15から吐出空間S2側に突出し、区画部材15の外周縁からシリンダ42に向かって延びるように形成された膨出部17eが設けられている(図6参照)。第2連通路56は、膨出部17eを区画部材15の外周縁側からシリンダ42に向かって延び、さらにシリンダ42の側面を貫通して形成された穴を含む。第2連通路56は、シリンダ42の円板42a側の端部近傍で、シリンダ42の内部(B室Sb)と連通する。膨出部17eに形成された第2連通路56の穴は、膨出部17eの外周縁側の端部まで貫通せず、吐出空間S2とは連通しない。膨出部17eに形成された第2連通路56の一部を形成する穴は、ケーシング10のシリンダ部13に形成された穴(図示せず)と連通する。第2連通路56は、シリンダ42の側面および膨出部17eに形成された穴、シリンダ部13に形成された穴、およびケーシング10から延びる配管(図示せず)を介して、ケーシング10の外部まで延び、最終的に吸入空間S1と連通する。
第2連通路56には、B室Sbと吸入空間S1との連通/非連通を切り替える第2手段としての低圧側停止時用電磁弁56aを具備する。低圧側停止時用電磁弁56aは、電動機70の停止時に、コントローラ80により、第2連通路56によりB室Sbと吸入空間S1とが連通するように制御される。
高圧側連通路57は、A室Saと高圧空間としてのシングルスクリュー圧縮機100が接続される冷媒回路150の凝縮器110とを連通する通路である。高圧側連通路57は、電動機70の停止時に使用される冷媒の通路であり、電動機70の停止時に、A室Saの圧力を高圧(シングルスクリュー圧縮機100の運転中の冷凍サイクルにおける高圧)に維持するために用いられる。円板状の区画部材15の吐出空間S2側の面には、区画部材15から吐出空間S2側に突出し、区画部材15の外周縁からシリンダ42に向かって延びるように形成された膨出部17fが設けられている(図6参照)。高圧側連通路57は、膨出部17fを区画部材15の外周縁側からシリンダ42に向かって延び、さらにシリンダ42の側面を貫通して形成された穴を含む。高圧側連通路57は、シリンダ42の区画部材15側の端部近傍で、シリンダ42の内部(A室Sa)と連通する。膨出部17fに形成された高圧側連通路57の穴は、膨出部17fの外周縁側の端部まで貫通せず、吐出空間S2とは連通しない。膨出部17fに形成された高圧側連通路57の一部を形成する穴は、ケーシング10のシリンダ部13に形成された穴(図示せず)と連通する。高圧側連通路57は、シリンダ42の側面および膨出部17fに形成された穴、シリンダ部13に形成された穴、およびケーシング10から延びる配管(図示せず)を介して、ケーシング10の外部まで延び、高圧空間と接続される。高圧空間は、シングルスクリュー圧縮機100が接続される冷媒回路150内であって、シングルスクリュー圧縮機100の外部の空間である。ここでは、具体的には、高圧空間は、冷媒回路150の凝縮器110内の冷媒配管である。シングルスクリュー圧縮機100の吐出側には逆止弁101が設けられている(図1参照)。そのため、電動機70の停止時に吐出空間S2が吸入空間S1と均圧して圧力が低下しても、凝縮器110は高圧(シングルスクリュー圧縮機100の運転中における冷凍サイクルの高圧)が維持されやすい。
高圧側連通路57には、A室Saとの連通/非連通を切り替える高圧側切替手段としての高圧側停止時用電磁弁57aを具備する。高圧側停止時用電磁弁57aは、電動機70の停止時に、コントローラ80により、高圧側連通路57によりA室Saと高圧空間としての凝縮器110内の冷媒配管とが連通するように制御される。
(2−5)駆動軸
駆動軸60は、圧縮機構20のスクリューロータ21と、電動機70のモータロータ72とを連結し、電動機70の駆動力を圧縮機構20に伝達する。
駆動軸60は、図2のように、ケーシング10内を水平方向に延びる。駆動軸60は、鉄鋼製の部材である。駆動軸60は、スクリューロータ21の中空部に貫通するように挿入されている。また、駆動軸60は、後述する電動機70のモータロータ72の中空部に貫通するように挿入されている。
駆動軸60の一端は、スクリューロータ21よりも吐出空間S2側に配置される、軸受ホルダ61内の軸受61aにより回転自在に保持される。駆動軸60の他端は、電動機70に対してスクリューロータ21とは反対側に配置される、軸受ホルダ62内の軸受62aにより回転自在に保持される。
(2−6)電動機
電動機70は、駆動軸60を介して圧縮機構20のスクリューロータ21に連結される。電動機70は、スクリューロータ21を駆動軸60周りに回転駆動する。電動機70は、吸入空間S1に配置される。
電動機70は、ケーシング10の内部に固定された中空のステータ71と、ステータ71の中空部にエアギャップを介して配置される中空のモータロータ72とからなる。モータロータ72の中空部には駆動軸60が貫通するように挿入され、モータロータ72と駆動軸60とが連結されている。電動機70の稼働中には、モータロータ72がステータ71内で回転し、駆動軸60を介してスクリューロータ21が回転駆動される。
(2−7)コントローラ
コントローラ80は、制御部の一例である。コントローラ80は、駆動機構40や電動機70を含むシングルスクリュー圧縮機100の各部を制御する。
コントローラ80は、主に、CPUや、ROMやRAM等の記憶媒体から構成される。コントローラ80は、記憶媒体に記憶されたプログラムを実行することで、シングルスクリュー圧縮機100の各部を制御する。
コントローラ80は、シングルスクリュー圧縮機100を有する冷凍装置200の制御装置(図示せず)と協働し、駆動機構40や電動機70を制御して、冷凍装置200の必要能力に応じた負荷で、シングルスクリュー圧縮機100を運転する。コントローラ80による駆動機構40の制御については後述する。
(3)圧縮機構の動作
圧縮機構20の動作について説明する。
電動機70の稼働中には、圧縮機構20は、吸入空間S1の冷媒を、スクリューロータ21の螺旋溝21aにより形成される圧縮室Scで圧縮し、吐出空間S2に吐出する。具体的には、電動機70が稼動されてモータロータ72が回転すると、モータロータ72に連結された駆動軸60が回転し、駆動軸60と連結されたスクリューロータ21も回転する。スクリューロータ21の回転に伴い、ゲートロータ22も回転する。そして、圧縮機構20は、吸入空間S1から圧縮室Scに冷媒を吸入する吸入行程、圧縮室Sc内の冷媒を圧縮する圧縮行程、圧縮室Sc内で圧縮された冷媒を吐出空間S2に吐出する吐出行程を繰り返す。
ここでは、図8において太線で囲まれた圧縮室Scに着目して、圧縮機構20の動作について説明する。
図8(a)において、圧縮室Scは、吸入空間S1と連通している。圧縮室Scを形成する螺旋溝21aには、螺旋溝21aの吸入空間S1側の端部から冷媒が流入する。
スクリューロータ21が回転するのに伴ってゲートロータ22も回転し、圧縮室Scを形成する螺旋溝21aは、図8(a)において下方に配されているゲートロータ22のゲート(歯)22aにより吸入空間S1と仕切られる(図8(b)参照)。螺旋溝21aが吸入空間S1と仕切られると、ケーシング10のシリンダ部13の内周面13a、スクリューロータ21の螺旋溝21a、およびゲートロータ22のゲート(歯)22aにより囲まれた圧縮室Scで、冷媒の圧縮が開始される。更に、スクリューロータ21が回転するにつれ、螺旋溝21a内をゲート(歯)22aが移動し、圧縮室Scの容積が次第に減少する。その結果、圧縮室Sc内の冷媒が圧縮される。
更にスクリューロータ21が回転し、圧縮室Scが図8(c)のように吐出空間S2側に移動すると、圧縮室Scの冷媒は、スライド弁31に形成された、圧縮室Scと吐出空間S2とを連通するための吐出ポート31aを介して吐出通路14に吐出され、吐出通路14を通過して吐出空間S2に流入する。吐出空間S2内に流入した冷媒は、ケーシング10の吐出口12(図1参照)を介して、シングルスクリュー圧縮機100外に吐出される。
なお、圧縮機構20で冷媒が圧縮される際に、コントローラ80が駆動機構40を制御し、調整機構30のスライド弁31の位置を変化させ、圧縮室Scに一旦流入した冷媒ガスを吸入空間S1へと戻す量を調整することで、圧縮室Scで圧縮される冷媒ガスの量が変化する。このようにして、調整機構30によりシングルスクリュー圧縮機100の容量制御が行われる。
(4)コントローラによる駆動機構の制御
コントローラ80による駆動機構40の制御について説明する。
(4−1)電動機の運転時の駆動機構の制御
シングルスクリュー圧縮機100の運転時(電動機70の運転時)の、コントローラ80による駆動機構40の制御について説明する。
コントローラ80は、電動機70の運転時には、調整機構30により容量制御が行われるように、第1〜第3電磁弁55a〜55cを制御する。コントローラ80は、第1〜第3電磁弁55a〜55cを制御することで、A室Sa又はB室Sbと吸入空間S1との連通/非連通を切り替え、シングルスクリュー圧縮機100の容量制御を行う。なお、運転中はシングルスクリュー圧縮機100の容量が急激に変更されることは望ましくない。そこで、第1連通路53の流路面積(第1〜第3分岐路54a〜54cや主経路53aの流路面積)は、A室SaとB室Sbとの圧力関係が急に変化し、スライド弁31が急速に動かされることを防止可能な程度に小さく形成される。
コントローラ80は、バイパス通路32が所望の開度になるように、第1〜第3電磁弁55a〜55cを制御し、スライド弁31の位置を調整する。例えば、シングルスクリュー圧縮機100を全負荷で運転する必要がある場合には、B室Sbの圧力がA室Saの圧力よりも高くなるように第1電磁弁55aの開閉を制御し、駆動機構40のピストン41を、シリンダ42の区画部材15側の端部に接近させる。その結果、ピストン41と連結されたスライド弁31は移動可能範囲内の最も吸入空間S1側に移動され、バイパス通路32の開度が0%となる(バイパス通路32が閉じられる)。
(4−2)電動機の停止時の駆動機構の制御
シングルスクリュー圧縮機100の運転停止時(電動機70の停止時)の、コントローラ80による駆動機構40の制御について説明する。
コントローラ80は、電動機70の停止時には、低圧側停止時用電磁弁56aを制御することで、第2連通路56によりB室Sbと吸入空間S1とを連通させる。具体的には、コントローラ80は、運転停止時には、低圧側停止時用電磁弁56aを開くことで、第2連通路56によりB室Sbと吸入空間S1とを連通させる。第2連通路56の流路面積は、B室Sbの圧力を速やかに低下させることが可能な程度に大きく確保されている。そのため、低圧側停止時用電磁弁56aが開かれると、A室SaとB室Sbとの圧力関係が迅速に変化する(B室Sbの圧力が迅速にA室Saの圧力よりも低下する)。その結果、バイパス通路32の開度が迅速に100%に近づくようにスライド弁31が動かされる。
また、コントローラ80は、電動機70の停止時には、高圧側停止時用電磁弁57aを制御することで、高圧側連通路57によりA室Saと冷媒回路150の凝縮器110の冷媒配管とを連通させる。具体的には、コントローラ80は、電動機70の停止時には、高圧側停止時用電磁弁57aを開くことで、高圧側連通路57によりA室Saと冷媒回路150の凝縮器110の冷媒配管とを連通させる。シングルスクリュー圧縮機100の吐出側には逆止弁101が設けられているため、吐出空間S2と吸入空間S1とが均圧し始めても、冷媒回路150の凝縮器110の圧力は高圧(シングルスクリュー圧縮機100の運転時における冷凍サイクルの高圧に近い圧力)に保たれやすい。そのため、高圧側連通路57により凝縮器110の冷媒配管と連通するA室Saの圧力も、シングルスクリュー圧縮機100の運転時の、冷凍サイクルにおける高圧に近い圧力に維持されやすい。そのため、A室SaとB室Sbとの差圧を大きく取ることができ、バイパス通路32の開度が迅速に100%に近づくようにスライド弁31が動かされる。
低圧側停止時用電磁弁56aを制御して第2連通路56によりB室Sbと吸入空間S1とを連通させ、高圧側停止時用電磁弁57aを制御して高圧側連通路57によりA室Saと凝縮器110の冷媒配管とを連通させる効果について説明する。
(a)第2連通路および高圧側連通路を有さないシングルスクリュー圧縮機の場合
まず、比較のため、第2連通路56および高圧側連通路57を設けないシングルスクリュー圧縮機について説明する。このシングルスクリュー圧縮機では、コントローラ80は、第1連通路53の第1〜第3電磁弁55a〜55cを制御することで、駆動機構40のA室SaおよびB室Sbの圧力関係を調整する。
前提として、シングルスクリュー圧縮機100が、全負荷で、つまりバイパス通路32の開度が0%の状態(バイパス通路32が閉じられた状態)で、運転されていると仮定する。そして、コントローラ80が、冷凍装置200の図示しない制御装置からの指令で、シングルスクリュー圧縮機100を急停止させる(電動機70を急停止させる)場合を仮定する。
図19は、この場合のシングルスクリュー圧縮機100の吸入空間S1、吐出空間S2、および圧縮機構20の圧縮室Scの圧力変化を描画した図である。図19の横軸は時間を、縦軸は圧力を示している。図19中で、HPは吐出空間S2の圧力を、MPは圧縮室Scの圧力を、LPは吸入空間S1の圧力を、それぞれ示している。図19の時間t1の時点に電動機70が停止させられると、吐出空間S2のガス冷媒が、圧縮機構20を逆流して吸入空間S1へと流入する。そして、図19の時間t2の時点で、吐出空間S2の圧力HPと、吸入空間S1の圧力LPとが均圧する。
圧縮機構20をガス冷媒が逆流し、スクリューロータ21が逆回転する場合、電動機70の運転時と異なり、圧縮室Scでガス冷媒が膨張し、圧縮室Scの圧力MPは低下する。一方で、吸入空間S1と吐出空間S2とが均圧されることで、吸入空間S1の圧力LPは上昇する。そのため、電動機70の停止時には、図19にハッチングで示した領域のように、圧縮室Scの圧力MPより吸入空間S1の圧力LPが高くなり、電動機70の運転時と圧力関係が逆転する場合がある。そして、ゲートロータ22が配置されるゲートロータ室27は吸入空間S1に配置されているため、ゲート(歯)22aには、通常の運転時のように圧縮室Sc側からゲートロータ室27に向かって力が作用するのではなく、ゲートロータ室27側から圧縮室Sc(膨張室)に向かって逆向きに力が作用することになる(図21参照)。そのため、ゲート(歯)22aがアーム部25から剥離する等、ゲートロータ22に損傷が生じるおそれがある。バイパス通路32の開度が狭く、吐出空間S2から吸入空間S1に向かって流れるガス冷媒の大半がスクリューロータ21の螺旋溝21aをテーパ部21b側の吸入口まで通過する場合には、スクリューロータ21は高速で回転し、特に圧縮室Scの圧力MPが、吸入空間S1の圧力LPよりも高くなりやすい。そのため、電動機70の停止時には、バイパス通路32の開度は出来る限り大きいことが望ましい。そこで、第2連通路56および高圧側連通路57を設けないシングルスクリュー圧縮機のコントローラ80は、バイパス通路32の開度を100%に近づけるため、電動機70の停止と同時に、第1連通路53の第3電磁弁55cを開くように制御する。
図20は、電動機70の停止時(時間t1の時点)に、第1連通路53の第3電磁弁55cを開いた場合の、A室Saの圧力PaおよびB室Sbの圧力Pbの変化と、バイパス通路32の開度OPの変化と、を示した図である。図20において、横軸は時間を、縦軸は圧力もしくは開度を示す。なお、図20の時間t1および時間t2は、図19における時間t1および時間t2と同じ時間を表す。
図20の時間t3の時点では、A室Saの圧力PaとB室Sbの圧力Pbとの圧力差ΔPはほとんど生じていない。そのため、時間t3の時点では、バイパス通路32の開度OPは、ほぼ0%である。つまり、時間t3の時点では、バイパス通路32はほとんど開いていないので、吐出空間S2から圧縮機構20に流入するガス冷媒は、バイパス通路32にほとんど流入しない。そのため、時間t3の時点では、吐出空間S2から圧縮機構20に流入するガス冷媒のほぼ全量が、スクリューロータ21の螺旋溝21aをテーパ部21b側の吸入口まで流れ、スクリューロータ21は高速で回転することとなる。
(b)本実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機の場合
次に、第2連通路56および高圧側連通路57を有する、本実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機100について説明する。
図9は、電動機70の停止時(時間t1の時点)に、第2連通路56の低圧側停止時用電磁弁56aを開くと共に、高圧側連通路57の高圧側停止時用電磁弁57aを開いた場合の、A室Saの圧力PaおよびB室Sbの圧力Pbの変化と、バイパス通路32の開度OPの変化と、を示した図である。図9において、横軸は時間を、縦軸は圧力もしくは開度を示す。なお、図9の時間t1〜t3は、図20における時間t1〜t3と同じ時間を表す。
ここでは、第1連通路53よりも流路面積の大きな第2連通路56により、B室Sbと吸入空間S1とが連通されるため、第1連通路53によりB室Sbと吸入空間S1とを連通させる場合に比べ、迅速にB室Sbの圧力Pbを低下させることができる。
また、ここでは、高圧側連通路57により、A室Saと凝縮器110の冷媒配管とが連通される。凝縮器110の冷媒配管と吐出空間S2とは、逆止弁101により隔てられているため、吐出空間S2と吸入空間S1とが均圧しても、凝縮器110の冷媒配管の圧力は直ちに低下しない。そのため、A室Saと凝縮器110の冷媒配管とを連通させれば、A室Saの圧力Paをシングルスクリュー圧縮機100の運転時における冷凍サイクルの高圧近傍に維持することが可能である。
そのため、ここでは、図9のように、(第2連通路56および高圧側連通路57を有しないシングルスクリュー圧縮機の場合には、図20のようにA室Saの圧力PaとB室Sbの圧力Pbとがほぼ同じ大きさであった)時間t3の時点で、A室Saの圧力PaとB室Sbの圧力Pbとの圧力差ΔPを比較的大きく確保できる。そして、(第2連通路56および高圧側連通路57を有しないシングルスクリュー圧縮機の場合には、図20のようにバイパス通路32の開度がほぼ0%であった)時間t3の時点において、バイパス通路32の開度OPを100%に近づけることが可能である。その結果、シングルスクリュー圧縮機100では、時間t3の時点で、吐出空間S2から圧縮機構20に流入するガス冷媒が、大きく開いたバイパス通路32にも流れ、スクリューロータ21の逆回転の回転速度が抑制される。そして、圧縮室Scの圧力が、吸入空間S1の圧力よりも大きくなることが抑制されやすい。
(5)特徴
(5−1)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機100は、圧縮機構20と、電動機70と、ケーシング10と、調整機構30と、駆動機構40と、制御部としてのコントローラ80と、を備える。圧縮機構20は、スクリューロータ21を有する。電動機70は、スクリューロータ21を駆動軸60周りに回転駆動する。ケーシング10の内部には、吸入空間S1および吐出空間S2が形成される。ケーシング10は、圧縮機構20および電動機70を収容する。調整機構30は、ケーシング10のシリンダ部13とスクリューロータ21の外周面21cとの間に配される、駆動軸60の軸方向に沿って移動可能なスライド弁31を有する。調整機構30は、スライド弁31を移動させることで、圧縮機構20の圧縮室Scと吸入空間S1とを連通するバイパス通路32の開度を調整する。駆動機構40は、スライド弁31と連結されるピストン41と、ピストン41が収容され、ピストン41に対して、吸入空間S1側にA室Saが、吐出空間S2側にB室Sbが、それぞれ形成されたシリンダ42と、を有する。駆動機構40は、A室SaとB室Sbとの差圧によりピストン41をシリンダ42内で移動させることでスライド弁31を駆動する。コントローラ80は、駆動機構40を制御する。駆動機構40は、第1吐出側連通路51と、第2吐出側連通路52と、第1連通路53と、第2連通路56と、を更に有する。第1吐出側連通路51は、A室Saと吐出空間S2とを連通する。第2吐出側連通路52は、B室Sbと吐出空間S2とを連通する。第1連通路53は、B室Sbと吸入空間S1とを連通し、B室Sbと吸入空間S1との連通/非連通を切り替える第1切替手段としての第1〜第3電磁弁55a,55b,55cを具備する。第2連通路56は、B室Sbと低圧空間としての吸入空間S1とを連通し、B室Sbと吸入空間S1との連通/非連通を切り替える第2切替手段としての低圧側停止時用電磁弁56aを具備する。コントローラ80は、電動機70の運転時に、調整機構30により容量制御が行われるように第1〜第3電磁弁55a,55b,55cし、電動機70の停止時に、第2連通路56によりB室Sbと吸入空間S1とが連通するように低圧側停止時用電磁弁56aを制御する。
ここでは、スライド弁31の駆動機構40が、シングルスクリュー圧縮機100の容量制御に用いられる第1連通路53の他に、電動機70の停止時(シングルスクリュー圧縮機100の停止時)にB室Sbと吸入空間S1とを連通する第2連通路56を有する。そのため、第1連通路53はシングルスクリュー圧縮機100の容量制御に適した仕様としつつ、電動機70の停止時にはB室Sbと吸入空間S1とを第2連通路56により連通させることでB室Sbの圧力を迅速に低下させ、A室SaとB室Sbとの差圧を迅速に確保できる。つまり、シングルスクリュー圧縮機100の停止直後に、スライド弁31を迅速に動かしてバイパス通路32の開度を大きくとることが容易で、バイパス通路32に冷媒を通過させて、スクリューロータ21の逆回転の回転速度を抑制することが容易である。その結果、ゲートロータ22のゲート(歯)22aの損傷しにくい、信頼性の高いシングルスクリュー圧縮機100を実現できる。
(5−2)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機100では、第2連通路56の連通する低圧空間は、吸入空間S1である。
ここでは、第2連通路56が吸入空間S1と接続されるため、第2連通路56の距離が短くてよく、コンパクトな構造で、スクリューロータ21の逆回転の回転速度を抑制できる。
(5−3)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機100では、第2連通路56の流路面積は、第1連通路53の流路面積より大きい。
ここでは、第2連通路56の流路面積が、第1連通路53の流路面積より大きいため、電動機70の停止時に、迅速にB室Sbの圧力を低下させ、スライド弁31を迅速に駆動することができる。そのため、スクリューロータ21の逆回転の回転速度を抑制することが容易である。
(5−4)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機100では、駆動機構40は、A室Saと、高圧空間としてのシングルスクリュー圧縮機100が接続される冷媒回路150の凝縮器110の冷媒配管と、を連通する高圧側連通路57を有する。高圧側連通路57は、A室Saと凝縮器110の冷媒配管との連通/非連通を切り替える高圧側切替手段としての高圧側停止時用電磁弁57aを含む。コントローラ80は、電動機70の停止時に、A室Saと凝縮器110の冷媒配管とが連通するように高圧側停止時用電磁弁57aを制御する。
ここでは、スライド弁31の駆動機構40が、電動機70の停止時にA室Saと凝縮器110の冷媒配管とを連通する高圧側連通路57を有するため、A室Saの圧力の低下を抑制でき、電動機70の停止時にA室SaとB室Sbとの十分な差圧を確保することが容易である。そのため、電動機70の停止時に、スライド弁31を迅速に動かしてバイパス通路32の開度を大きくとり、バイパス通路32に冷媒を通過させて、スクリューロータ21の逆回転の回転速度を抑制することが容易である。
なお、ここでは、高圧側連通路57が連通する高圧空間は、上記のようにシングルスクリュー圧縮機100が接続される冷媒回路150内であって、シングルスクリュー圧縮機100の外部の空間である。具体的には、高圧側連通路57が連通する高圧空間は、凝縮器110の冷媒配管である。
ここでは、電動機70が停止されても高圧が維持されやすいシングルスクリュー圧縮機100外の空間とA室Saとが連通するため、電動機70の停止時にA室Saの圧力を高く維持することができる。そのため、電動機70の停止時に、A室SaとB室Sbとの差圧を確保してスライド弁31を迅速に駆動し、バイパス通路32に冷媒を通過させて、スクリューロータ21の逆回転の回転速度を抑制することが容易である。
なお、高圧側連通路57が連通する高圧空間は、凝縮器110の冷媒配管と連通する必要はない。例えば、シングルスクリュー圧縮機100が接続される冷媒回路150内で、シングルスクリュー圧縮機100の外部の空間であって、電動機70の停止時に、電動機70の運転中の冷凍サイクルの高圧が維持されやすい、シングルスクリュー圧縮機100の吐出管と連通してもよい。
(5−5)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機100では、高圧側連通路57は、第1吐出側連通路51に接続されない専用通路である。
ここでは、高圧側連通路57が専用通路であるため、高圧側連通路57を第1吐出側連通路51と接続する場合に比べ、高圧側連通路57の配管の配置の自由度を高めることができる。
(5−6)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機100では、第1吐出側連通路51は、A室Saから吐出空間S2への冷媒の流れを逆止する逆止手段として逆止弁51aを具備する。
ここでは、高圧空間としての凝縮器110の冷媒配管からA室Saに供給された高圧の冷媒が、圧力の低下した吐出空間S2へと流入することがないため、吸入空間S1と吐出空間S2とが均圧せず、スクリューロータ21の逆回転が長時間継続することを防止できる。
(6)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
(6−1)変形例1A
上記実施形態では、第2連通路56は、B室Sbと吸入空間S1とを連通するが、これに限定されるものではない。例えば、図10のように、第2連通路56’は、B室Sbとシングルスクリュー圧縮機100が接続される冷媒回路150の蒸発器120の冷媒配管とを連通するものであってもよい。
図11は、電動機70の停止時(時間t1の時点)に、第2連通路56’の低圧側停止時用電磁弁56aを開くと共に、高圧側連通路57の高圧側停止時用電磁弁57aを開いた場合の、A室Saの圧力PaおよびB室Sbの圧力Pbの変化と、バイパス通路32の開度OPの変化と、を示した図である。図11において、横軸は時間を、縦軸は圧力もしくは開度を示す。なお、図11の時間t1〜t3は、図20における時間t1〜t3と同じ時間を表す。
図10のような構成にする場合には、体積の大きな蒸発器120の冷媒配管内の空間を低圧空間として利用するため、B室Sbから低圧空間としての蒸発器120の冷媒配管内にガス冷媒が流入しても、蒸発器120の冷媒配管内の圧力が直ちには上昇しにくく、B室Sbの圧力を迅速に低下させることが容易である(図11参照)。そのため、電動機70の停止直後であっても、スライド弁31を迅速に動かしてバイパス通路32の開度を大きくとり、バイパス通路32にガス冷媒を通過させて、スクリューロータ21の逆回転の回転速度を抑制することが容易である。
(6−2)変形例1B
上記実施形態では、高圧側連通路57は、第1吐出側連通路51に接続されない専用通路であるが、これに限定されるものではない。
例えば、区画部材15の吐出空間S2側の面に、区画部材15の外周縁から膨出部17aの中間部に向かって延びる膨出部17gを設けてもよい(図12参照)。そして、膨出部17gの区画部材15の外周縁側から第1吐出側連通路51に向かって延びる穴を形成し、この穴を、A室Saと凝縮器110の冷媒配管とを連通する高圧側連通路57’の一部に利用してもよい。
ここでは、高圧側連通路57’と第1吐出側連通路51とを接続することで、通路の一部を共用できるため、材料費を抑制しながら高圧側連通路57’を設けることが可能である。
(6−3)変形例1C
上記実施形態では、高圧側連通路57を設けているが、これに限定されるものではない。高圧側連通路57が存在しない場合にも、第2連通路56を設けることで、B室Sbの圧力を迅速に低下させることができる。そのため、第2連通路56および高圧側連通路57を両方とも設けない場合に比べ、迅速にB室Sbの圧力をA室Saよりも低下させることが容易で、バイパス通路32の開度を迅速に大きくとることが可能である。
図13は、第2連通路56だけを設け、高圧側連通路57は設けないシングルスクリュー圧縮機において、電動機70の停止時(時間t1の時点)に、コントローラ80により低圧側停止時用電磁弁56aが開かれた場合の、A室Saの圧力PaおよびB室Sbの圧力Pbの変化と、バイパス通路32の開度OPの変化と、を示した図である。図13において、横軸は時間を、縦軸は圧力もしくは開度を示す。なお、図13の時間t1〜t3は、図20における時間t1〜t3と同じ時間を表す。
ただし、ピストン41が動かされるとA室Saが膨張してA室Sa内の圧力が下がり、第1吐出側連通路51によりA室Saと連通する吐出空間S2の圧力も、吸入空間S1と均圧して低下するため、ピストン41の駆動力であるA室SaとB室Sbとの圧力差が次第に低下する可能性がある。そのため、A室Saと凝縮器110の冷媒配管とを連通する高圧側連通路57を設けることが、より望ましい。
(6−4)変形例1D
上記実施形態では、第1吐出側連通路51に逆止弁51aが設けられているが、これに限定されるものではなく、逆止弁51aは設けられなくてもよい。ただし、シングルスクリュー圧縮機100の停止時に、凝縮器110の冷媒配管から流入した冷媒ガスが吐出空間S2へと流入し、スクリューロータ21が長時間回り続けることを防止するためには、逆止弁51aが設けられることが望ましい。
(6−5)変形例1E
上記実施形態では、コントローラ80は、電動機70の停止時に、低圧側停止時用電磁弁56aを開くように制御するが、これに限定されるものではない。例えば、コントローラ80は、低圧側停止時用電磁弁56aに加えて、第3電磁弁55cも開くよう制御してもよい。これにより、電動機70の停止時に、B室Sbと吸入空間S1とを連通する流路の面積をより大きく取ることが可能で、より迅速に、B室Sbの圧力をA室Saよりも低下させ、バイパス通路32の開度を大きくとることが可能である。このように構成すれば、第2連通路56との流路面積が、第1連通路53の流路面積より大きくない場合にも、電動機70の停止時に、スライド弁31を迅速に移動させるように制御することが可能である。ただし、スライド弁31を迅速に移動させるためには、第2連通路56の流路面積を第1連通路53の流路面積より大きく取ることが、より望ましい。
(6−6)変形例1F
上記実施形態では、第1連通路53には、3つの電磁弁(第1〜第3電磁弁55a〜55c)が設けられているが、電磁弁の個数はこれに限定されるものではなく、シングルスクリュー圧縮機100の容量制御を実行するために適切な数量の電磁弁を具備するものであればよい。
(6−7)変形例1G
上記実施形態では、コントローラ80は、電動機70の停止時に低圧側停止時用電磁弁56aを開くように制御するが、これに限定されるものではない。例えば、コントローラ80は、電動機70の停止時であっても、バイパス通路32の開度が事前に100%に調整されている場合には、低圧側停止時用電磁弁56aの制御を行わなくてもよい。
(6−8)変形例1H
上記実施形態では、第1切替手段および第2切替手段は電磁弁であるが、電磁弁は第1切替手段および第2切替手段の具体例であり、これに限定されるものではない。第1切替手段および第2切替手段は、B室Sbと吸入空間S1との連通/非連通を切り替える他の機構であってもよい。高圧側切替手段についても同様である。
(6−9)変形例1I
上記実施形態のコントローラ80は、電動機70を直ちに停止する必要がない場合には、電動機70の停止前(例えば電動機70の停止の数秒前)に、バイパス通路32の開度を大きくするように第1〜第3電磁弁55a〜55cを予め制御してもよい。例えば、コントローラ80は、電動機70の停止時に低圧側停止時用電磁弁56aを開く制御を行うと共に、電動機70の停止直前に第3電磁弁55cを開く制御を併せて行ってもよい。これにより、電動機70の停止時に、バイパス通路32の開度をより迅速に100%に近付けることが容易である。
ただし、電動機70を急停止する必要がある場合には、コントローラ80は、電動機70の停止前に第1〜第3電磁弁55a〜55cの制御は実行せず、電動機70の停止時に低圧側停止時用電磁弁56aを開く制御を行えばよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機300について説明する。なお、本発明の第2実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機300は、第1実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機100と共通点が多いため、相違点について主に説明する。
(1)全体構成
図14は、シングルスクリュー圧縮機300を有する冷凍装置200aの概略図である。冷凍装置200aは、シングルスクリュー圧縮機300を除き第1実施形態に係る冷凍装置200と同様であるため、全体構成についての説明を省略する。
(2)詳細構成
以下に、シングルスクリュー圧縮機300の詳細構成について説明する。なお、シングルスクリュー圧縮機300は、駆動機構340およびコントローラ380を除き、第1実施形態のシングルスクリュー圧縮機100と同様である。より具体的には、シングルスクリュー圧縮機300は、駆動機構340が第2連通路56を有さない点、コントローラ380が低圧側停止時用電磁弁56aを制御しない点を除いて、第1実施形態のシングルスクリュー圧縮機100と同様である。
以下に、第2実施形態のシングルスクリュー圧縮機300と、第1実施形態のシングルスクリュー圧縮機100との相違点について主に説明する。シングルスクリュー圧縮機300のケーシング10、圧縮機構20、調整機構30、駆動軸60、および電動機70は、シングルスクリュー圧縮機100における各構成と同様であるので、説明は省略する。また、第1実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機100に関する図2〜図5、および図8は、必要に応じてシングルスクリュー圧縮機および調整機構の符号を読み替えれば、第2実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機300の図面として用いることができるので、シングルスクリュー圧縮機300に係るこれらの図面は省略する。
(2−1)駆動機構
駆動機構340は、第1実施形態に係る駆動機構40と同様にスライド弁31を駆動するための機構である。駆動機構340は、第2連通路56を有さない点を除いて、第1実施形態に係る駆動機構40と構造的に同様である(図15、図16参照)。ここでは、駆動機構340の構造についての説明は省略する。
(2−2)コントローラ
コントローラ380は、制御部の一例である。コントローラ380は、駆動機構340や電動機70を含むシングルスクリュー圧縮機100の各部を制御する。コントローラ380の構成は、第1実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機100のコントローラ80の構成と同様である。シングルスクリュー圧縮機100のコントローラ80との違いである、コントローラ380による駆動機構340の制御については後述する。
(3)コントローラによる駆動機構の制御
コントローラ380による駆動機構340の制御について説明する。
(3−1)電動機の運転時の駆動機構の制御
電動機70の運転時(シングルスクリュー圧縮機300の運転時)の、コントローラ380による駆動機構340の制御については、コントローラ80による駆動機構40の制御と同様であるので説明は省略する。
(3−2)電動機の停止時の駆動機構の制御
電動機70の停止時(シングルスクリュー圧縮機100の運転停止時)の、コントローラ380による運転停止時の駆動機構340の制御について説明する。
コントローラ380は、電動機70の停止時には、第3電磁弁55cを制御することで、第1連通路53によりB室Sbと吸入空間S1とを連通させる。具体的には、コントローラ380は、運転停止時には、第3電磁弁55cを開くことで、第1連通路53によりB室Sbと吸入空間S1とを連通させる。
また、コントローラ380は、電動機70の停止時には、高圧側停止時用電磁弁57aを制御することで、高圧側連通路57によりA室Saと冷媒回路150の凝縮器110の冷媒配管とを連通させる。具体的には、コントローラ380は、電動機70の停止時には、高圧側停止時用電磁弁57aを開くことで、高圧側連通路57によりA室Saと冷媒回路150の凝縮器110の冷媒配管とを連通させる。シングルスクリュー圧縮機100の吐出側には逆止弁101が設けられているため、吐出空間S2と吸入空間S1とが均圧し始めても、冷媒回路150の凝縮器110の圧力は高圧(シングルスクリュー圧縮機100の運転時における冷凍サイクルの高圧に近い圧力)に保たれやすい。そのため、高圧側連通路57により凝縮器110の冷媒配管と連通するA室Saの圧力も、シングルスクリュー圧縮機100の運転時の、冷凍サイクルにおける高圧に近い圧力に維持されやすい。そのため、A室SaとB室Sbとの差圧を大きく取ることができ、バイパス通路32の開度が迅速に100%に近づくようにスライド弁31が動かされる。
高圧側停止時用電磁弁57aを制御することで、高圧側連通路57によりA室Saと凝縮器110の冷媒配管とを連通させる効果について説明する。
高圧側連通路57を有さない(第2連通路56も有さない)シングルスクリュー圧縮機において、電動機70の停止時に、第1連通路53の第3電磁弁55cを開いた場合の、A室Saの圧力PaおよびB室Sbの圧力Pbの変化と、バイパス通路32の開度OPの変化と、については、図20を用いて既に説明したので、ここでは説明を省略する。
次に、高圧側連通路57を有する、本実施形態に係るシングルスクリュー圧縮機300について説明する。
図17は、電動機70の停止時(時間t1の時点)に、第1連通路53の第2電磁弁55cを開くと共に、高圧側連通路57の高圧側停止時用電磁弁57aを開いた場合の、A室Saの圧力PaおよびB室Sbの圧力Pbの変化と、バイパス通路32の開度OPの変化と、を示した図である。図17において、横軸は時間を、縦軸は圧力もしくは開度を示す。なお、図17の時間t1〜t3は、図20における時間t1〜t3と同じ時間を表す。
ここでは、高圧側連通路57により、A室Saと凝縮器110の冷媒配管とが連通される。凝縮器110の冷媒配管と吐出空間S2とは、逆止弁101により隔てられているため、吐出空間S2と吸入空間S1とが均圧しても、凝縮器110の冷媒配管の圧力は直ちには低下しない。そのため、A室Saと凝縮器110の冷媒配管とを連通させれば、A室Saの圧力Paをシングルスクリュー圧縮機100の運転時における冷凍サイクルの高圧近傍に維持することが可能である。
そのため、ここでは、図17のように、時間t3の時点で、A室Saの圧力PaとB室Sbの圧力Pbとの圧力差ΔPを比較的大きく確保できる。そして、時間t3の時点において、バイパス通路32の開度OPを100%に近づけることが可能である。その結果、シングルスクリュー圧縮機300では、時間t3の時点で、吐出空間S2から圧縮機構20に流入するガス冷媒は、大きく開いたバイパス通路32にも流れ、スクリューロータ21の逆回転の回転速度が抑制される。そして、圧縮室Scの圧力が、吸入空間S1の圧力よりも大きくなることが抑制されやすい。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機300は、圧縮機構20と、電動機70と、ケーシング10と、調整機構30と、駆動機構340と、制御部としてのコントローラ380と、を備える。圧縮機構20は、スクリューロータ21を有する。電動機70は、スクリューロータ21を駆動軸60周りに回転駆動する。ケーシング10の内部には、吸入空間S1および吐出空間S2が形成される。ケーシング10は、圧縮機構20および電動機70を収容する。調整機構30は、ケーシング10のシリンダ部13とスクリューロータ21の外周面21cとの間に配される、駆動軸60の軸方向に沿って移動可能なスライド弁31を有し、スライド弁31を移動させることで、圧縮機構20の圧縮室Scと吸入空間S1とを連通するバイパス通路32の開度を調整する。駆動機構340は、スライド弁31と連結されるピストン41と、ピストン41が収容され、ピストン41に対して、吸入空間S1側にA室Saが、吐出空間S2側にB室Sbが、それぞれ形成されたシリンダ42と、を有する。駆動機構340は、A室SaとB室Sbとの差圧によりピストン41をシリンダ42内で移動させることでスライド弁31を駆動する。コントローラ380は、駆動機構340を制御する。駆動機構340は、第1吐出側連通路51と、高圧側連通路57と、第2吐出側連通路52と、第1連通路53と、を更に有する。第1吐出側連通路51は、A室Saと吐出空間S2とを連通する。高圧側連通路57は、A室Saと高圧空間としてのシングルスクリュー圧縮機300が接続される冷媒回路150の凝縮器110の冷媒配管とを連通する。高圧側連通路57は、A室Saと凝縮器110の冷媒配管との連通/非連通を切り替える高圧側切替手段としての高圧側停止時用電磁弁57aを具備する。第2吐出側連通路52は、B室Sbと吐出空間S2とを連通する。第1連通路53は、B室Sbと吸入空間S1とを連通し、B室Sbと吸入空間S1との連通/非連通を切り替える第1切替手段としての第1〜第3電磁弁55a,55b,55cを具備する。コントローラ380は、電動機70の停止時に、高圧側連通路57によりA室Saと凝縮器110の冷媒配管とが連通するように高圧側停止時用電磁弁57aを制御し、第1連通路53によりB室Sbと吸入空間S1とが連通するように第3電磁弁55cを制御する。
ここでは、スライド弁31の駆動機構340が、電動機70の停止時(シングルスクリュー圧縮機300の停止時)にA室Saと凝縮器110の冷媒配管とを連通する高圧側連通路57を有するため、A室Saの圧力の低下を抑制でき、電動機70の停止時にA室SaとB室Sbとの差圧を確保することが容易である。そのため、電動機70の停止直後に、スライド弁31を迅速に動かしてバイパス通路32の開度を大きくとることが容易で、バイパス通路32に冷媒を通過させて、スクリューロータ21の逆回転の回転速度を抑制することが容易である。その結果、ゲートロータ22のゲート(歯)22aの損傷が発生しにくい、信頼性の高いシングルスクリュー圧縮機300を実現できる。
(4−2)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機300では、高圧側連通路57が連通する高圧空間として、シングルスクリュー圧縮機300が接続される冷媒回路150内であって、シングルスクリュー圧縮機300の外部の空間が用いられる。具体的には、シングルスクリュー圧縮機300では、高圧側連通路57が連通する高圧空間として、シングルスクリュー圧縮機300が接続される冷媒回路150内の凝縮器110の冷媒配管が用いられる。
ここでは、電動機70が停止されても高圧が維持されやすいシングルスクリュー圧縮機300外の空間とA室Saが連通するため、電動機70の停止時にA室Saの圧力を高く維持することができる。そのため、電動機70の停止時に、A室SaとB室Sbとの差圧を確保してスライド弁31を迅速に駆動し、バイパス通路32に冷媒を通過させて、スクリューロータ21の逆回転の回転速度を抑制することが容易である。
なお、高圧側連通路57が連通する高圧空間は、凝縮器110の冷媒配管と連通する必要はない。例えば、シングルスクリュー圧縮機100が接続される冷媒回路150内で、シングルスクリュー圧縮機100の外部の空間であって、電動機70の停止時に、電動機70の運転中の冷凍サイクルの高圧が維持されやすい、シングルスクリュー圧縮機100の吐出管と連通してもよい。
(4−3)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機300では、高圧側連通路57は、第1吐出側連通路51に接続されない専用通路である。
ここでは、高圧側連通路57を専用通路とすることで、高圧側連通路57を第1吐出側連通路51に接続される配管とする場合に比べ、高圧側連通路57の配置の自由度を高めることができる。
(4−4)
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機300では、第1吐出側連通路51は、A室Saから吐出空間S2への冷媒の流れを逆止する逆止手段として逆止弁51aを具備する。
ここでは、凝縮器110の冷媒配管からA室Saに供給された高圧の冷媒が、圧力の低下した吐出空間S2へと流入することがないため、吸入空間S1と吐出空間S2とが均圧せず、スクリューロータ21の逆回転が長時間継続することを防止できる。
(5)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
(5−1)変形例2A
上記実施形態では、高圧側連通路57は、第1吐出側連通路51に接続されない専用通路であるが、これに限定されるものではない。
例えば、区画部材15の吐出空間S2側の面に、区画部材15の外周縁から膨出部17aの中間部に向かって延びる膨出部17gを設けてもよい(図18参照)。そして、膨出部17gの区画部材15の外周縁側から第1吐出側連通路51に向かって延びる穴を形成し、この穴を、A室Saと凝縮器110の冷媒配管とを連通する高圧側連通路57’の一部に利用してもよい。
ここでは、高圧側連通路57’と第1吐出側連通路51とを接続することで、通路の一部を共用できるため、材料費を抑制しながら高圧側連通路57’を設けることが可能である。
(5−2)変形例2B
上記実施形態では、第1吐出側連通路51に逆止弁51aが設けられているが、これに限定されるものではなく、逆止弁51aは設けられなくてもよい。ただし、シングルスクリュー圧縮機100の停止時に、凝縮器110の冷媒配管から流入した冷媒ガスが吐出空間S2へと流入し、スクリューロータ21が長時間回り続けることを防止するためには、逆止弁51aが設けられることが望ましい。
(5−3)変形例2C
上記実施形態では、第1連通路53には、3つの電磁弁(第1〜第3電磁弁55a〜55c)が設けられているが、電磁弁の個数はこれに限定されるものではなく、シングルスクリュー圧縮機300の容量制御を実行するために適切な数量の電磁弁を具備するものであればよい。
(5−4)変形例2D
上記実施形態では、コントローラ380は、電動機70の停止時に高圧側停止時用電磁弁57aを開くように制御するがこれに限定されるものではない。例えば、コントローラ380は、電動機70の停止時であっても、バイパス通路32の開度が事前に100%に調整されている場合には、高圧側停止時用電磁弁57aの制御を行わなくてもよい。
(5−5)変形例2E
上記実施形態では、第1切替手段は電磁弁であるが、電磁弁は第1切替手段の具体例であり、これに限定されるものではない。第1切替手段は、B室Sbと吸入空間S1との連通/非連通を切り替える他の機構であってもよい。高圧側切替手段についても同様である。
本発明は、運転停止時のスクリューロータの逆回転の回転速度の抑制が容易で、ゲートロータのゲート(歯)の損傷が発生しにくい、信頼性の高いシングルスクリュー圧縮機として有用である。
10 ケーシング
20 圧縮機構
21 スクリューロータ
21c 外周面(スクリューロータの外周面)
30 調整機構
31 スライド弁
32 バイパス通路
40 駆動機構
41 ピストン
42 シリンダ
51 第1吐出側連通路
51a 逆止弁(逆止手段)
52 第2吐出側連通路
53 第1連通路
55a,55b,55c 第1〜第3電磁弁(第1切替手段)
56 第2連通路
56a 低圧側停止時用電磁弁(第2切替手段)
57,57’ 高圧側連通路
57a 高圧側停止時用電磁弁(高圧側切替手段)
60 駆動軸
70 電動機
80 コントローラ(制御部)
100,300 シングルスクリュー圧縮機
110 凝縮器(高圧空間)
120 蒸発器(低圧空間)
150 冷媒回路
S1 吸入空間(低圧空間)
S2 吐出空間
Sa A室
Sb B室
Sc 圧縮室
特開2013−19338号公報

Claims (10)

  1. スクリューロータ(21)を有する圧縮機構(20)と、
    前記スクリューロータを駆動軸(60)周りに回転駆動する電動機(70)と、
    吸入空間(S1)および吐出空間(S2)が内部に形成され、前記圧縮機構および前記電動機を収容するケーシング(10)と、
    前記ケーシングと前記スクリューロータの外周面(21c)との間に配される、前記駆動軸の軸方向に沿って移動可能なスライド弁(31)を有し、前記スライド弁を移動させることで、前記圧縮機構の圧縮室(Sc)と前記吸入空間とを連通するバイパス通路(32)の開度を調整する調整機構(30)と、
    前記スライド弁と連結されるピストン(41)と、前記ピストンが収容され、前記ピストンに対して、前記吸入空間側にA室(Sa)が、前記吐出空間側にB室(Sb)が、それぞれ形成されたシリンダ(42)と、を有し、前記A室と前記B室との差圧により前記ピストンを前記シリンダ内で移動させることで前記スライド弁を駆動する駆動機構(40)と、
    前記駆動機構を制御する制御部(80)と、
    を備え、
    前記駆動機構は、前記A室と前記吐出空間とを連通する第1吐出側連通路(51)と、前記B室と前記吐出空間とを連通する第2吐出側連通路(52)と、前記B室と前記吸入空間とを連通し、前記B室と前記吸入空間との連通/非連通を切り替える第1切替手段(55a,55b,55c)を具備する第1連通路(53)と、前記B室と低圧空間(S1,120)とを連通し、前記B室と前記低圧空間との連通/非連通を切り替える第2切替手段(56a)を具備する第2連通路(56)と、を更に有し、
    前記制御部は、前記電動機の運転時に、前記調整機構により容量制御が行われるように前記第1切替手段を制御し、前記電動機の停止時に、前記第2連通路により前記B室と前記低圧空間とが連通するように前記第2切替手段を制御する、
    シングルスクリュー圧縮機(100)。
  2. 前記低圧空間は、前記吸入空間(S1)である、
    請求項1に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  3. 前記低圧空間は、当該シングルスクリュー圧縮機が接続される冷媒回路(150)の蒸発器(120)である、
    請求項1に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  4. 前記第2連通路の流路面積は、前記第1連通路の流路面積より大きい、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  5. 前記駆動機構は、前記A室と高圧空間(110)とを連通し、前記A室と前記高圧空間との連通/非連通を切り替える高圧側切替手段(57a)を含む高圧側連通路(57,57’)を更に有し、
    前記制御部は、前記電動機の停止時に、前記A室と前記高圧空間とが連通するように前記高圧側切替手段を更に制御する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  6. スクリューロータ(21)を有する圧縮機構(20)と、
    前記スクリューロータを駆動軸(60)周りに回転駆動する電動機(70)と、
    吸入空間(S1)および吐出空間(S2)が内部に形成され、前記圧縮機構および前記電動機を収容するケーシング(10)と、
    前記ケーシングと前記スクリューロータの外周面(21c)との間に配される、前記駆動軸の軸方向に沿って移動可能なスライド弁(31)を有し、前記スライド弁を移動させることで、前記圧縮機構の圧縮室(Sc)と前記吸入空間とを連通するバイパス通路(32)の開度を調整する調整機構(30)と、
    前記スライド弁と連結されるピストン(41)と、前記ピストンが収容され、前記ピストンに対して、前記吸入空間側にA室(Sa)が、前記吐出空間側にB室(Sb)が、それぞれ形成されたシリンダ(42)と、を有し、前記A室と前記B室との差圧により前記ピストンを前記シリンダ内で移動させることで前記スライド弁を駆動する駆動機構(40)と、
    前記駆動機構を制御する制御部(80)と、
    を備え、
    前記駆動機構は、前記A室と前記吐出空間とを連通する第1吐出側連通路(51)と、前記A室と高圧空間(110)とを連通し、前記A室と前記高圧空間との連通/非連通を切り替える高圧側切替手段(57a)を具備する高圧側連通路(57,57’)と、前記B室と前記吐出空間とを連通する第2吐出側連通路(52)と、前記B室と前記吸入空間とを連通し、前記B室と前記吸入空間との連通/非連通を切り替える第1切替手段(55a,55b,55c)を具備する第1連通路(53)と、を更に有し、
    前記制御部は、前記電動機の停止時に、前記高圧側連通路により前記A室と前記高圧空間とが連通するように前記高圧側切替手段を制御し、前記第1連通路により前記B室と前記吸入空間とが連通するように前記第1切替手段を制御する、
    シングルスクリュー圧縮機(100,300)。
  7. 前記高圧空間は、当該シングルスクリュー圧縮機が接続される冷媒回路(150)内であって、当該シングルスクリュー圧縮機の外部の空間(110)である、
    請求項6に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  8. 前記高圧側連通路(57’)は、前記第1吐出側連通路に接続される、
    請求項6又は7に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  9. 前記高圧側連通路(57)は、前記第1吐出側連通路に接続されない専用通路である、
    請求項6又は7に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  10. 前記第1吐出側連通路は、前記A室から前記吐出空間への冷媒の流れを逆止する逆止手段(51a)を具備する、
    請求項6から9のいずれか1項に記載のシングルスクリュー圧縮機。
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