JP2016017112A - コークス炉の炉蓋脱着装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コークス炉の炉蓋と対向する位置に配置し、上下に配置されたフック24、25を用いて、コークス炉の炉口に炉蓋を脱着するリフター11と、リフター11がその軸心を中心として旋回可能となるように上下方向両端部を支持する支持枠12とを有し、支持枠12に、リフター11を炉蓋に対して傾動可能とする炉長方向傾動機構28が設けられたコークス炉の炉蓋脱着装置10であり、支持枠12には、リフター11の上端部15と下端部18を、それぞれ独立に炉蓋の幅方向に移動させ、リフター11を炉蓋の幅方向に傾動可能とする炉団方向傾動機構29が設けられ、リフター11には、フック24、25を、リフター11の軸心を中心として回動可能とする回動機構30が設けられている。
【選択図】図1
Description
このコークス炉の一方側には、製造したコークスを炭化室から押し出す押出機の走行レールが、また、コークス炉の他方側には、炭化室から押し出されたコークスを案内するガイド車と、このガイド車で案内されたコークスを受ける消火車(バケット台車)の各走行レールが、コークス炉の炉団方向(長手方向)に渡って、それぞれ敷設されている。
これにより、押出機、消火車、及びガイド車を、それぞれ走行レール上で移動又は停止させ、炉蓋脱着装置を用いて炉蓋を脱着することで、各炭化室で製造したコークスを、押出機によって炭化室から排出し、ガイド車を介して消火車へ積載できる。
このため、炉口に取付けられた炉蓋は、コークス炉の炉団方向や炉長方向(炉団方向に直交する方向)に傾いたり、また、平面視してねじれたりしている。更に、これら炉蓋の傾き状態やねじれ状態は、炭化室ごとに異なっている。
このため、コークス炉の操業時に、炉蓋の脱着不良が多発し、例えば、コークス炉の操業遅延やコークスの減産といった問題が発生していた。
なお、リフターの安定性を確保するため、その位置を固定する機構を、支持機構に設けることも考えられる。しかし、この場合、リフターの傾きにも対応可能な構成とする必要があり、装置構成が複雑になるおそれがある。
前記支持枠には、前記リフターの上端部と下端部を、それぞれ独立に前記炉蓋の幅方向に移動させ、前記リフターを前記炉蓋の幅方向に傾動可能とする炉団方向傾動機構が設けられ、
前記リフターには、前記一対のフックを、前記リフターの軸心を中心として回動可能とする回動機構が設けられている。
これにより、炉蓋の脱着を安定かつ容易に実施できるので、従来よりも炉蓋の脱着不良の発生頻度を低減でき、コークス炉の安定操業が可能となり、コークスを安定に製造できる。
また、上記位置調整量が、リフターが炉蓋と対向した際に、炉蓋の炉口への取付け位置を検出して、コークス炉の炭化室ごとに求められる場合、例えば、炉蓋の炉口への取付け位置が変化しても、リフターを自動的に適正位置に配置できる。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るコークス炉の炉蓋脱着装置(以下、単に炉蓋脱着装置ともいう)10は、炉蓋(図示しない)の脱着を安定かつ容易に実施可能な装置である。以下、コークス炉の長手方向を炉団方向(左右方向、炉蓋の幅方向)、これに直交する方向(コークスの押し出し方向)を炉長方向(前後方向)、水平面(炉団方向と炉長方向を含む平面)に直交する軸回りに旋回する方向をねじれ方向(回動方向)として、説明する。
支持枠12は、炉長方向前側(炉蓋側)が開口した側面視して(炉団方向からみて)コ字状(C字状)のものであり、その開口部13には、リフター11が立設状態で配置されている。なお、支持枠12は、その炉長方向後側(炉蓋とは反対側)が、コークス炉の操業を行う押出機やガイド車等(図示しない)に取付け固定されている。
ガイド部材14の上端部15には、図1、図2に示すように、その軸心をリフター11の軸心上に配置した旋回軸16が取付け固定され、この旋回軸16が、支持枠12の炉長方向前側に突出した上側吊持部17に旋回可能に取付けられている。また、ガイド部材14の下端部18には、図1、図3に示すように、その軸心をリフター11の軸心上に位置させた貫通孔19が形成され、この貫通孔19に、支持枠12の炉長方向前側に突出した下側支持部20に設けられた支持軸21が、挿通されている。
これにより、支持枠12がガイド部材14の上下方向両端部(即ち、上端部15と下端部18)を支持し、リフター11を立設状態で旋回可能に支持できる。
これにより、昇降用シリンダー27を動作させ、昇降部材23を昇降させて、一対のフック24、25を昇降できる。
次に、昇降用シリンダー27を用いて、昇降部材23をガイド部材14に沿って昇降させ、リフター11に設けられた各フック24、25で、炉蓋の前面に取付け固定された閂(係止棒)を下方から支持する。
これにより、炉蓋の脱着を行うことができる。
炉長方向傾動機構28は、図1〜図3に示すように、支持枠12に設けられ、リフター11を炉長方向に(炉蓋に対して)傾動可能とするものである。この炉長方向傾動機構28は、支持枠12の上側吊持部17に設けられた上部吊持手段31と、支持枠12の下側支持部20に設けられた下部傾動手段32とを有している。
下部傾動手段32は、図1、図3に示すように、支持軸21が設けられたスライド部36と、下側支持部20に取付け固定され、スライド部36を炉長方向に摺動可能とするガイド溝部37とを有している。
以上の構成により、炉長方向用シリンダー39を動作させ、スライド部36をガイド溝部37に対して摺動させることで、リフター11を炉長方向に傾動可能にできる。
この炉団方向傾動機構29は、支持枠12の上側吊持部17に設けられた上部移動手段41と、支持枠12の下側支持部20に設けられた下部移動手段42とを有し、それぞれが独立して動作可能な構成となっている。
このガイドピン43は、上記したスライド支持部34の炉長方向両側に形成された、炉団方向に幅広となった長孔44内に、スライド移動可能に挿通されている。
これにより、上部炉団方向用シリンダー46を動作させ、揺動部33をスライド支持部34に対して移動させることで、リフター11の上端部15を炉団方向に傾動可能にできる。
これにより、下部炉団方向用シリンダー47を動作させ、支持ロッド40をスライド部36に対して移動させることで、リフター11の下端部18を炉団方向に傾動可能にできる。
この回動機構30は、図1、図4に示すように、昇降部材23を炉団方向両側から挟み込むように配置された一対のガイドレール49、50を有している。このガイドレール49、50は、それぞれの外周面51、52が平面視して円弧状となっており、この2つの外周面51、52が、平面視して1つの仮想円上に位置している。
ガイドレール49、50の外周面51、52にそれぞれ対向する摺動部53、54の内周面55、56は、外周面51、52に対応して凹んだ曲面となっている。
これにより、一対のガイドレール49、50が、摺動部53、54の内周面55、56でガイドされながら、平面視して回動可能となっている。
これにより、回動用シリンダー58を動作させ、ガイドレール49、50を摺動部53、54に対して回動させることで、一対のフック24、25を、リフター11(旋回軸16と支持軸21)の軸心を中心として回動可能にできる。なお、摺動部53、54に対するガイドレール49、50(フック24、25)の位置決めは、リフター11の下部に設けられた回動保持用シリンダー59で実施できるが、これに限定されるものではない。
リフター11には、前記した炉蓋の脱着を行うフック24、25が設けられているだけでなく、リフター11のフック24、25が設けられている面とは異なる面に、ドアクリーナ及びシートクリーナ(図示しない)が設けられている場合もある。この場合、リフター11を、その軸心を中心として90度旋回させる必要がある。
なお、このリフター11の旋回は、図1、図2に示す旋回用シリンダー61を用い、ガイド部材14の旋回軸16を、揺動部33に対して回動させることで、実施できる。
上記したロック機構60は、図1、図6に示すように、支持枠12の炉長方向前面(リフター11の炉長方向後方)に設けられたロック手段62を有しており、このロック手段62は、位置決め用シリンダー63と、この位置決め用シリンダー63を取付け固定した固定台63aを有している。
これにより、傾動用シリンダー69を動作させ、炉団方向傾動機構29によるリフター11の傾動状態に対応して、位置決め用シリンダー63を炉団方向に移動させることで、位置決め用シリンダー63のピストンロッド64を、炉団方向に振り子状態で傾動可能にできる。そして、位置決め用シリンダー63を動作させ、ピストンロッド64を、リフター11の炉長方向後面に取付け固定された平面視してU字状の固定部70に挿通することで、支持枠12に対するリフター11の位置決めができる。
制御部としては、例えば、コークスの押し出しを行う炭化室に押出機とガイド車を停止させ、支持枠を炉蓋の前方に移動させ、リフター11を炉蓋と対向する位置に対向させた際に、炉蓋の炉口への取付け位置を検出して(炭化室ごとに求めて)、炉長方向傾動機構28、炉団方向傾動機構29、及び、回動機構30のいずれか1又は2以上が動作するように、シリンダーを操作する機能を備えたものでもよい。
まず、押出機、バケット台車、及びガイド車を、コークスの排出対象となる炭化室まで移動させ、停止させた後、押出機とガイド車に取付け固定された炉蓋脱着装置10を用いて、コークス炉の炉口から炉蓋を取外す。
そこで、炉蓋脱着装置10に設けられた前記した炉長方向傾動機構28、炉団方向傾動機構29、及び、回動機構30のいずれか1又は2以上により、リフター11に設けられた対となるフック24、25の位置調整を行う。
また、上記した位置調整を、作業者が手動で行う場合、リフター11が炉蓋と対向した際に、炉蓋の炉口への取付け位置を、例えば、電気的、機械的、又は、人的に検出して、炭化室ごとに位置調整量を求め、各シリンダーを動作させて、フック24、25の位置を調整する。
そして、炭化室で製造したコークスを、押出機によって炭化室から排出し、ガイド車を介してバケット台車へ積載した後は、再度、炉口へ炉蓋を取付ける。
従って、従来よりも炉蓋の脱着不良の発生頻度を低減でき、コークス炉の安定操業が可能となり、コークスを安定に製造できる。
例えば、リフターを炉団方向に傾動させる場合は、炉団方向傾動機構を構成する上部移動手段と下部移動手段の双方を、互いに異なる方向へ移動させればよいが、目的とするリフターの傾き状態に応じて、上部移動手段と下部移動手段のいずれか一方のみを移動させることもできる。
Claims (4)
- コークス炉の炉蓋と対向する位置に配置し、上下に配置された一対のフックを用いて、前記コークス炉の炉口に前記炉蓋を脱着するリフターと、該リフターがその軸心を中心として旋回可能となるように該リフターの上下方向両端部を支持する支持枠とを有し、前記支持枠に、前記リフターを前記炉蓋に対して傾動可能とする炉長方向傾動機構が設けられたコークス炉の炉蓋脱着装置において、
前記支持枠には、前記リフターの上端部と下端部を、それぞれ独立に前記炉蓋の幅方向に移動させ、前記リフターを前記炉蓋の幅方向に傾動可能とする炉団方向傾動機構が設けられ、
前記リフターには、前記一対のフックを、前記リフターの軸心を中心として回動可能とする回動機構が設けられていることを特徴とするコークス炉の炉蓋脱着装置。 - 請求項1記載のコークス炉の炉蓋脱着装置において、更に、前記支持枠には、該支持枠に対する前記リフターの位置決めを行うロック手段が設けられ、しかも、該ロック手段は、前記炉団方向傾動機構による前記リフターの傾動状態に対応して傾動可能であることを特徴とするコークス炉の炉蓋脱着装置。
- 請求項1又は2記載のコークス炉の炉蓋脱着装置において、前記炉長方向傾動機構、前記炉団方向傾動機構、及び、前記回動機構のいずれか1又は2以上による位置調整量は、予め測定された前記炉蓋の前記炉口への取付け位置に基づいて、前記コークス炉の炭化室ごとに設定されていることを特徴とするコークス炉の炉蓋脱着装置。
- 請求項1又は2記載のコークス炉の炉蓋脱着装置において、前記炉長方向傾動機構、前記炉団方向傾動機構、及び、前記回動機構のいずれか1又は2以上による位置調整量は、前記リフターが前記炉蓋と対向した際に、該炉蓋の前記炉口への取付け位置を検出して、前記コークス炉の炭化室ごとに求められることを特徴とするコークス炉の炉蓋脱着装置。
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2014
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