JP2016017031A - ケラチン繊維のための美容組成物を調製する方法 - Google Patents

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佐紀 続
三栖 大介
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Abstract

【課題】ケラチン繊維への卓越した美容効果、例えばケラチン繊維へのカラーリング効果及びコンディショニング効果を有する、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための、安定な美容組成物を調製する方法を提供すること。【解決手段】本発明は、(1)(a)少なくとも1種の界面活性剤と、(b)少なくとも1種の油と、(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、(d)少なくとも1種のポリオールと、水とを混合して、界面活性剤(detergent)中油[O/D]エマルションを調製する工程と、(2)工程(1)によって得たO/D型エマルションへ水を加えて水中油[O/W]型エマルションを調製する工程と、(3)工程(2)によって得たO/W型エマルションへ、(e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分を加える工程とを含む、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物を調製する方法に関する。本発明の美容組成物は安定であり、毛髪などのケラチン繊維への卓越した美容効果を提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、いわゆるD相乳化に基づく、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物を調製する方法、並びに該方法によって調製されうる美容組成物に関する。
エマルションタイプの組成物は、毛髪用の美容製品、例えばヘアマスク、酸化ヘアカラー、カラートリートメント、ストレートパーマ還元剤等にとって有用である。安定なエマルションを調製することは、活性成分及び添加剤をエマルション中へ配合するときに、常に大きな挑戦の1つである。一般に、サイズの小さい分散相を含むエマルションは、サイズの大きい分散相を含むエマルションよりも良好な安定性を付与することができることが知られている。加えて、生産コストを考えると、サイズの小さい分散相を含む安定なエマルションは、特別な装置を使用するよりも、通常の配合技術のための一般の装置によって調製されるべきである。
D相乳化[Hiromichi Sagitani(1988年):Formation of O/W Emulsions by Surfactant Phase Emulsification and the Solution Behavior of Nonionic Surfactant System in the Emulsification Process、Journal of Dispersion Science and Technology、9:2、115〜129頁]は、エマルションを調製する方法のうちの1つである。D相乳化技術を用いることによって、機械的均質化なしで、サイズの小さいマイクロ又はナノサイズの分散相を含むエマルションが調製されうる。更に、従来の乳化の技術と比べ、D相乳化によって調製されるエマルションは、界面活性剤がより少量であっても安定化されうる。
従来のO/W型の乳化の技術は、乳化剤又は界面活性剤を伴う水相及び油相を昇温で撹拌する工程を典型的に含み、油の粒子のサイズを小さくするために強力な機械的剪断の工程を必要とする。対照的に、D相乳化方法は、2つの工程を含み、強力な機械的撹拌なしで、極めて微細なエマルションをもたらす。その第1の工程は、界面活性剤、ポリオール、脂肪成分及び少量の水を使用する、D相[界面活性剤(detergent)中油:O/D]の調製である。その第2の工程は、大量の水をD相に加えることによってO/W型エマルションを形成することである。
D相乳化技術は、主にスキンケア化粧品において研究され用いられてきたものである(例えば特開2006-169198及び特開2012-90282)。
特開2006-169198 特開2012-90282 米国特許第2528378号 米国特許第2781354号 米国特許第4874554号 米国特許第4137180号 EP-A-337354 仏国特許第2270846号 仏国特許第2383660号 仏国特許第2598611号 仏国特許第2470596号 仏国特許第2519863号 仏国特許第2505348号 仏国特許第2542997号 欧州特許出願公開第A-080976号 仏国特許第2077143号 仏国特許第2393573号 仏国特許第1492597号 米国特許第4131576号 米国特許第3589578号 米国特許第4031307号 仏国特許第2162025号 仏国特許第2280361号 仏国特許第2252840号 仏国特許第2368508号 仏国特許第1583363号 米国特許第3227615号 米国特許第2961347号 仏国特許第2080759号 仏国追加特許第2190406号 仏国特許第2320330号 仏国特許第2270846号 仏国特許第2316271号 仏国特許第2336434号 仏国特許第2413907号 米国特許第2273780号 米国特許第2375853号 米国特許第2388614号 米国特許第2454547号 米国特許第3206462号 米国特許第2261002号 米国特許第2271378号 米国特許第3874870号 米国特許第4001432号 米国特許第3929990号 米国特許第3966904号 米国特許第4005193号 米国特許第4025617号 米国特許第4025627号 米国特許第4025653号 米国特許第4026945号 米国特許第4027020号 米国特許第4157388号 米国特許第4702906号 米国特許第4719282号 欧州特許出願公開第A-122324号 英国特許第1026978号 英国特許第1153196号 独国特許第2359399号 特開88-169571 特開91-10659 特許出願公開WO96/15765 仏国特許第A-2750048号 独国特許第3843892号 独国特許第4133957号 WO94/08969 WO94/08970 仏国特許第A-2733749号 独国特許第19543988号 WO95/15144 WO95/01772 欧州特許出願公開第714954号 仏国特許第2189006号 仏国特許第2285851号 仏国特許第2140205号 欧州特許第1378544号 欧州特許第1674073号 仏国特許第2830189号
Hiromichi Sagitani(1988年):Formation of O/W Emulsions by Surfactant Phase Emulsification and the Solution Behavior of Nonionic Surfactant System in the Emulsification Process、Journal of Dispersion Science and Technology、9:2、115〜129頁 CTFA辞典、第9版、2002年 CTFA辞典、第3版、1982年 CTFA辞典、第5版、1993年 CTFA辞典、1997年 M.R.Porter、「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son出版社(グラスゴー及びロンドン)、1991年、116〜178頁 「The HLB system. A time-saving guide to emulsifier selection」、ICI Americas Inc.、1984年 Walter Noll、「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年)、Academic Pressが出版 Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、2004年に発刊、第7版、「Fluorescent Dyes」の章 Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry(2002年)、「Optical Brighteners」 Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology(1995年):「Fluorescent Whitening Agents」 「Industrial Dyes, Chemistry, Properties, Application」、Klaus Hunger Ed.、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co KGaA、Weinheim、2003年 「Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Azo Dyes、2005年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、Weinheim 10.1002/14356007.a03 245, point 3.2 ibid、Textile Auxiliaries、2002年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、Weinheim 10.1002/14356007.a26 227 「Ashford's Dictionary of Industrial Chemicals」、第2版、14〜39頁、2001年
本発明の目的は、D相乳化技術を用いることによって、ケラチン繊維への卓越した美容効果、例えばケラチン繊維へのカラーリング効果及びコンディショニング効果を有する、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための、安定な美容組成物を提供することである。
本発明の上記の目的は、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物を調製する方法によって達成されてもよく、該方法は、
(1)(a)少なくとも1種の界面活性剤と、(b)少なくとも1種の油と、(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、(d)少なくとも1種のポリオールと、水とを混合することによって界面活性剤(detergent)中油[O/D]型エマルションを調製する工程と、
(2)工程(1)によって得たO/D型エマルションへ水を加えて水中油[O/W]型エマルションを調製する工程と、
(3)工程(2)によって得たO/W型エマルションへ、(e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分を加える工程と
を含む。
(a)界面活性剤は、10超のオキシエチレン単位、グリセロールの脂肪酸エステル及びそれらの混合物を含む、オキシエチレン化脂肪族アルコールから好ましくは選択される、非イオン性界面活性剤から選択されてよい。
(a)界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%でありうる。
(b)油は、炭化水素油から、好ましくは鉱物油から選択されうる。
(b)油の量は、組成物の総質量に対して、0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%でありうる。
(c)飽和脂肪族アルコールは、C6〜20直鎖状又は分枝状アルコールからなる群から選択されうる。
(c)飽和脂肪族アルコールの量は、組成物の総質量に対して、0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%でありうる。
(d)ポリオールは、グリセリン、ブチレングリコール、ジグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール及びそれらの混合物からなる群から選択されうる。
(d)ポリオールの量は、組成物の総質量に対して、0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%でありうる。
(e)ケラチン繊維のための美容活性成分は、酸化染料、直接染料、酸化剤、アルカリ化剤及びそれらの混合物から選択されうる。
本発明はまた、上で説明した方法によって調製される、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物にも関する。
本発明の組成物が、毛髪用のカラーリング製品又はブリーチ製品であることが好ましい。
本発明の別の目的は、ケラチン繊維への卓越した美容効果、例えばケラチン繊維へのカラーリング効果及びコンディショニング効果を有する、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための、安定な美容組成物を提供することであり、該組成物は、好ましくはD相乳化技術を用いることによって調製されうる。
本発明の上記の目的は、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための、O/W型エマルションの形態にある安定な美容組成物によって達成されてもよく、該組成物は、
(a)少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(b)少なくとも1種の油と、
(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、
(d)少なくとも1種のポリオールと、
(e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分と、
(f)水と
を含み、
ここで、
該エマルション中の油滴の最頻粒径は、7μm未満であり、
(d)ポリオールの量は、組成物の総質量に対して5質量%以上である。
(a)界面活性剤/(d)ポリオールの質量比が1.5以下であることが好ましい。
(c)飽和脂肪族アルコール/(b)油の質量比が0.5以上であることが好ましい。
実施例18(A)及び参考例1(B)によるO/W型エマルションの顕微鏡写真である。 実施例19及び参照例2によるO/W型エマルションで処置されたヘアメッシュの摩擦係数を示すグラフである。 実施例20及び参考例3によるO/W型エマルションで処置されたヘアメッシュの摩擦係数を示すグラフである。
鋭意検討の結果、本発明者らは、D相乳化技術を用いることによって、ケラチン繊維への卓越した美容効果、例えばケラチン繊維へのカラーリング効果及びコンディショニング効果を有する、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための、安定な美容組成物を提供することが可能であることを見出した。言い換えれば、本発明者らによって、D相乳化技術はまた、毛髪用美容組成物にとって、それらの安定性及び美容上の性能を改善するためにも有用であることが見出された。例えば、微細で均質なエマルションは、エマルション中の染料及び塩等の種々の成分について、良好な安定性を付与することができることに加えて、ケラチン繊維への均一な付着性を付与することができる。本発明は、第1に、D相乳化技術を、毛髪等のケラチン繊維のための美容組成物へ適用させるものである。
本発明の第1の態様は、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物を調製する方法であって、該方法は、
(1)(a)少なくとも1種の界面活性剤と、(b)少なくとも1種の油と、(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、(d)少なくとも1種のポリオールと、水とを混合することによって界面活性剤(detergent)中油[O/D]型エマルションを調製する工程と、
(2)工程(1)によって得たO/Dエマルションへ水を加えて水中油[O/W]型エマルションを調製する工程と、
(3)工程(2)によって得たO/W型エマルションへ、(e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分を加える工程と
を含む。
本発明の第2の態様は、上記の方法によって調製される、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物、並びにケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための、O/W型エマルションの形態にある安定な美容組成物であり、該組成物は、
(a)少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(b)少なくとも1種の油と、
(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、
(d)少なくとも1種のポリオールと、
(e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分と、
(f)水と
を含み、
ここで、
該エマルション中の油滴の最頻粒径は、7μm未満であり、
(d)ポリオールの量は、組成物の総質量に対して5質量%以上である。
例えば、ヘアカラー組成物は、エマルションの形態で提供されることが多く、及び種々の成分を典型的に含み、例えば明色化効果を高めるための無機/有機アルカリ化剤、毛髪のコンディショニング効果を高めるためのカチオン性ポリマー、色彩強度を上げるための染料、及び毛髪中への美容活性成分の浸透を促進させるための幾つかの溶媒である。しかしながら、これらの成分のうちの多くは、エマルションの安定性を損なう傾向がある。このことは、エマルション中のこれらの成分の濃度及び/又は組合せが厳格に規制されていることを示唆している。したがって、微細に、経済的に及び容易に乳化されることが可能であって、配合物中に、種々の成分が種々の量で含まれている場合でさえ安定でありうる、「普遍的な」配合物が望まれている。
更に、ヘアカラー組成物を適用した後の毛髪の美容性(柔らかさ、滑らかさ、もつれのほどきやすさ等)が、ヘアカラー製品の色彩性能と共に、消費者に強く望まれる。一般に、コンディショニング剤、例えばシリコーン誘導体及びカチオン性ポリマーが、こうした美容性を改善するためにヘアカラー組成物中へ添加される。しかしながら、十分な美容性をもたらすために適切な量のこうしたコンディショニング剤を加えると、毛髪上に過度な被覆を付与することになりがちである。加えて、コンディショニング剤は、ポリマーのイオンの性質に起因して、活性剤の粘性、安定性及び混和性等の組成物の性質に影響を及ぼす傾向がある。付随的ではあるが、コンディショニング剤の使用は、製品を調製するコストを上げることがある。
更に、微細で安定なエマルションは、それらが、一般の装置を用いて通常の配合技術によって調製されるのであれば、工業的に有用な組成物である。
発明者らは、驚くことに、新たな乳化の技術「D相乳化」を適用させることによって、経済的かつ環境に優しい方法を付与するような、従来技術の装置を用いるが強力な機械的均質化なしで、微細に分散した相を含む安定なエマルションを調製することが可能であること、及び該エマルションが、例えばケラチン繊維のカラーリング後に、特別な原料を一切使用せずにケラチン繊維の美容性を改善できることを見出した。
本明細書で以下に、本発明の方法及び組成物を、より詳細に説明する。
[方法]
第1に、本発明の方法を説明する。
本発明の方法は、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物を調製する方法であって、該方法は、
(1)(a)少なくとも1種の界面活性剤と、(b)少なくとも1種の油と、(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、(d)少なくとも1種のポリオールと、水とを混合することによって界面活性剤(detergent)中油[O/D]型エマルションを調製する工程と、
(2)工程(1)によって得たO/D型エマルションへ水を加えて水中油[O/W]型エマルションを調製する工程と、
(3)工程(2)によって得たO/W型エマルションへ、(e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分を加える工程と
を含む。
第2に、本発明の方法で使用されることになる成分(a)から(e)等を、以下に説明する。
(界面活性剤)
本発明の方法は、少なくとも1種の界面活性剤の使用を含む。
任意の界面活性剤が、本発明のために使用されうる。2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類の界面活性剤を使用しても、異なる種類の界面活性剤の組合せを使用してもよい。
本発明で使用される(a)界面活性剤は、(a1)アニオン性界面活性剤、(a2)両性界面活性剤、(a3)カチオン性界面活性剤及び(a4)非イオン性界面活性剤からなる群から選択されうる。
(a1)アニオン性界面活性剤
本発明によれば、アニオン性界面活性剤の種類は限定されない。アニオン性界面活性剤が、(C6〜C30)硫酸アルキル、(C6〜C30)硫酸アルキルエーテル、(C6〜C30)硫酸アルキルアミドエーテル、硫酸アルキルアリールポリエーテル、硫酸モノグリセリド;(C6〜C30)スルホン酸アルキル、(C6〜C30)スルホン酸アルキルアミド、(C6〜C30)スルホン酸アルキルアリール、スルホン酸α-オレフィン、スルホン酸パラフィン;(C6〜C30)リン酸アルキル;(C6〜C30)スルホコハク酸アルキル、(C6〜C30)スルホコハク酸アルキルエーテル、(C6〜C30)スルホコハク酸アルキルアミド;(C6〜C30)スルホ酢酸アルキル;(C6〜C24)サルコシン酸アシル;(C6〜C24)グルタミン酸アシル;(C6〜C30)アルキルポリグリコシドカルボン酸エーテル;(C6〜C30)スルホコハク酸アルキルポリグリコシド;(C6〜C30)スルホコハク酸アルキル;(C6〜C24)イセチオン酸アシル;N-(C6〜C24)タウリン酸アシル;C6〜C30脂肪酸塩;ココナツ油酸塩又は水添ココナツ油酸塩;(C8〜C20)ラクチル酸アシル;(C6〜C30)アルキルD-ガラクトシドウロン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアリールエーテルカルボン酸塩;及びポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアミドエーテルカルボン酸塩からなる群から選択されることが好ましい。
アニオン性界面活性剤が、(C6〜C30)硫酸アルキルの塩又はポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸塩から選択されることがより好ましい。
少なくとも1つの実施形態において、アニオン性界面活性剤は、塩の形態であり、例えば、アルカリ金属の塩、例えばナトリウム塩;アルカリ土類金属の塩、例えばマグネシウム塩;アンモニウム塩;アミン塩;及びアミノアルコール塩である。条件によっては、アニオン性界面活性剤はまた、酸の形態にあってもよい。
(a2)両性界面活性剤
本発明によれば、両性界面活性剤の種類は限定されない。両性又は双性イオン性界面活性剤は、例えば(非限定的一覧)、アミン誘導体、例えば、脂肪族の第二級又は第三級アミン、及び任意選択で四級化されたアミン誘導体とすることができ、ここで脂肪族基は、8〜22個の炭素原子を含んで少なくとも1種の水に可溶なアニオン性基(例えば、カルボキシル基、スルホン基、硫酸基、リン酸基又はホスホン酸基)を含有する、直鎖状又は分枝状の鎖である。
両性界面活性剤は、好ましくは、ベタイン及びアミドアミンカルボキシル化誘導体からなる群から選択されうる。
ベタイン型両性界面活性剤は、アルキルベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン及びアルキルアミドアルキルスルホベタイン、具体的には、(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルベタイン、スルホベタイン、及び(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタインからなる群から好ましくは選択される。一実施形態において、ベタイン型の両性界面活性剤は、(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタイン、スルホベタイン及びホスホベタインから選択される。
挙げることができる非限定的な例には、CTFA辞典、第9版、2002年において、ココベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン及びココスルタインの名称で分類されている化合物が、単独で又は混合物として挙げられる。
ベタイン型の両性界面活性剤は、好ましくは、アルキルベタイン及びアルキルアミドアルキルベタイン、特定するとココベタイン及びコカミドプロピルベタインである。
アミドアミンカルボキシル化誘導体のうち、名称Miranolで販売されている製品を挙げることができ、これは、米国特許第2528378号及び第2781354号に記載されており、及びCTFA辞典、第3版、1982年(その開示は、参照のため本明細書に組み込まれている)において、アンホカルボキシグリシネート及びアンホカルボキシプロピオネートの名称で分類されており、それらは、それぞれの構造:
R1-CONHCH2CH2-N+(R2)(R3)(CH2COO-)
(式中、
R1は、加水分解ココナツ油中に存在する酸R1-COOHのアルキル基、ヘプチル基、ノニル基又はウンデシル基を示し、
R2は、β-ヒドロキシエチル基を示し、
R3は、カルボキシメチル基を示す)、
及び
R1'-CONHCH2CH2-N(B)(C)
[式中、
Bは、-CH2CH2OX'を表し、
Cは、-(CH2)z-Y'を表し、該式中、z=1又は2であり、
X'は、-CH2CH2-COOH基、-CH2-COOZ'基、-CH2CH2-COOH基、-CH2CH2-COOZ'基又は水素原子を示し、
Y'は、-COOH基、-COOZ'基、-CH2-CHOH-SO3Z'基又は-CH2-CHOH-SO3H基を示し、
Z'は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のイオン、例えばナトリウムイオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンに由来するイオンを表し、
R1'は、ココナツ油中、若しくは加水分解亜麻仁油中に存在する酸R1'-COOHのアルキル基、C7、C9、C11若しくはC13等のアルキル基、C17アルキル基及びそのイソ型、又は不飽和C17基等のアルキル基を示す]
を有する。
両性界面活性剤が、(C8〜C24)アンホモノ酢酸アルキル、(C8〜C24)アンホジ酢酸アルキル、(C8〜C24)アンホモノプロピオン酸アルキル、及び(C8〜C24)アンホジプロピオン酸アルキルから選択されることが好ましい。
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993年において、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリルアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸及びココアンホジプロピオン酸の名称で分類されている。
例として、Rhodia Chimie社により商品名Miranol(登録商標)C2M concentrateで販売されているココアンホ二酢酸塩を挙げることができる。
(a3)カチオン性界面活性剤
本発明によれば、カチオン性界面活性剤の種類は限定されない。カチオン性界面活性剤は、任意選択でポリオキシアルキレン化された、第一級、第二級及び第三級脂肪アミン塩、第四級アンモニウム塩及びそれらの混合物からなる群から選択されうる。
挙げることができる第四級アンモニウム塩の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:
・以下の一般式(I)のもの
[式中、
R1、R2、R3及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、1〜30個の炭素原子を含んで、酸素、窒素、硫黄及びハロゲン等のヘテロ原子を任意選択で含む、直鎖状及び分枝状の脂肪族基から選択される。脂肪族基は、例えば、アルキル、アルコキシ、C2〜C6ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル、(C12〜C22)アルキルアセテート及びヒドロキシアルキル基;並びに芳香族基、例えばアリール及びアルキルアリールから選択されてもよく;X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C2〜C6)アルキル硫酸イオン、及びアルキルスルホン酸イオン又はアルキルアリールスルホン酸イオンから選択される]
・イミダゾリンの第四級アンモニウム塩、例としては、以下の式(II)のもの
(式中、
R5は、8〜30個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基、例えば、獣脂若しくはココナツの脂肪酸誘導体から選択され、
R6は、水素、C1〜C4アルキル基、及び8〜30個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基から選択され、
R7は、C1〜C4アルキル基から選択され、
R8は、水素及びC1〜C4アルキル基から選択され、
X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン及びアルキルアリールスルホン酸イオンから選択される。
一実施形態において、R5及びR6は、例えば12〜21個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基から選択される基の混合物であり、例えば獣脂の脂肪酸誘導体であり、R7はメチル基であり、R8は水素である)。こうした製品の例には、これらに限定されないが、クオタニウム-27(CTFA辞典、1997年)及びクオタニウム-83(CTFA辞典、1997年)が挙げられ、これらは、Witco社により名称「Rewoquat(登録商標)」W75、W90、W75PG及びW75HPGで販売されている。
・式(III)のジ四級アンモニウム塩
[式中、
R9は、16〜30個の炭素原子を含む脂肪族基から選択され、
R10は、水素、又は1〜4個の炭素原子を含むアルキル基、又は(R16a)(R17a)(R18a)N+(CH2)3基から選択され、
R11、R12、R13、R14、R16a、R17a及びR18aは、同一であっても異なっていてもよく、水素、及び1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、
X-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、エチル硫酸イオン及びメチル硫酸イオンから選択される]。こうしたジ四級アンモニウム塩の例は、FINETEX社のFINQUAT CT-P(クオタニウム-89)、又はFINETEX社のFINQUAT CT(クオタニウム-75)である。
並びに
・少なくとも1つのエステル官能基を含む第四級アンモニウム塩、例えば、以下の式(IV)のもの
(式中、
R22は、C1〜C6アルキル基及びC1〜C6ヒドロキシアルキル基及びジヒドロキシアルキル基から選択され、
R23は、
以下の基、
直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC1〜C22炭化水素系基R27、並びに水素から選択され、
R25は、
以下の基、
直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC1〜C6炭化水素系基R29、並びに水素から選択され、
R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC7〜C21炭化水素系基から選択され、
r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2〜6の範囲の整数から選択され、
r1及びt1のそれぞれは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1であり、及びr2+r1=2rであってt1+2t=2tであり、
yは、1〜10の範囲の整数から選択され、
x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0〜10の範囲の整数から選択され、
X-は、単体及び錯体の、有機及び無機のアニオンから選択され、但し和x+y+zが1から15の範囲であるという条件があり、但しxが0であるとき、R23はR27を示し、但しzが0であるとき、R25はR29を表す。R22は、直鎖状及び分枝状アルキル基から選択されうる。一実施形態において、R22は、直鎖状アルキル基から選択される。他の実施形態において、R22は、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基及びジヒドロキシプロピル基から選択され、例えば、メチル基及びエチル基から選択される。一実施形態において、x+y+zの和は、1〜10の範囲である。R23が炭化水素系基R27であるとき、それは、長鎖であって12〜22個の炭素原子を含んでもよく、又は短鎖であって1〜3個の炭素原子を含んでもよい。R25が炭化水素系基R29であるとき、それは、例えば、1〜3個の炭素原子を含んでよい。非限定的な例として、一実施形態において、R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11〜C21炭化水素系基から選択され、例えば、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11〜C21アルキル基及びアルケニル基から選択される。別の実施形態において、x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1である。一実施形態において、yは1に等しい。別の実施形態において、r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2又は3に等しく、例えば2に等しい。アニオンX-は、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオン;並びにC1〜C4アルキル硫酸イオン、例えばメチル硫酸イオンから選択されうる。しかしながら、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、トシル酸イオン;有機酸に由来するアニオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオン;エステル官能基を含むアンモニウムに適合可能な任意の他のアニオンが、他の、本発明に従って使用できるアニオンの非限定的な例である。一実施形態において、アニオンX-は、塩化物イオン及びメチル硫酸イオンから選択される)。
別の実施形態において、式(IV)のアンモニウム塩が使用されうる:
(式中、
R22は、メチル基及びエチル基から選択され、
x及びyは、1に等しく、
zは、0又は1に等しく、
r、s及びtは、2に等しく、
R23は、
以下の基、
メチル基、エチル基、及びC14〜C22炭化水素系基、水素から選択され、
R25は、
以下の基、
及び水素から選択され、
R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13〜C17炭化水素系基から選択され、例えば、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13〜C17アルキル基及びアルケニル基から選択される)。
一実施形態において、炭化水素系基は、直鎖状である。
挙げることができる式(IV)の化合物の非限定的な例には、塩、例えば、ジアシルオキシエチル-ジメチルアンモニウムの塩化物塩及びメチル硫酸塩、ジアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物塩及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチル-ジヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物塩及びメチル硫酸塩、トリアシルオキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物塩及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-ジメチル-アンモニウムの塩化物塩及びメチル硫酸塩、並びにそれらの混合物が含まれる。一実施形態において、アシル基は、14〜18個の炭素原子を含んでよく、例えば、植物油に、例としてはパーム油及びヒマワリ油に、由来してもよい。化合物が幾つかのアシル基を含むとき、これらの基は、同一であっても異なっていてもよい。
これらの生成物は、例えば、任意選択でオキシアルキレン化されたトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン又はアルキルジイソプロパノールアミンを、脂肪酸に、又は植物若しくは動物起源の脂肪酸の混合物に、直接エステル化することによって、又はそれらのメチルエステルをエステル交換することによって、得られうる。このエステル化に続いて、アルキルハロゲン化物、例えばメチル及びエチルハロゲン化物;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル及び硫酸ジエチル;メタンスルホン酸メチル;パラ-トルエンスルホン酸メチル;グリコールクロロヒドリン;及びグリセロールクロロヒドリンから選択されるアルキル化剤を使用して第四級化してよい。
こうした化合物は、例えば、Cognis社により名称Dehyquart(登録商標)で、Stepan社により名称Stepanquat(登録商標)で、Ceca社により名称Noxamium(登録商標)で、Rewo-Goldschmidt社により名称「Rewoquat(登録商標)WE 18」で販売されている。
本発明の組成物中で使用されうるアンモニウム塩の他の非限定的な例には、米国特許第4874554号及び第4137180号に記載されている、少なくとも1つのエステル官能基を含むアンモニウム塩が挙げられる。
本発明の組成物中で使用されうる上記の第四級アンモニウム塩のうち、これに限定されないが、式(I)に相当するものが含まれ、例えば、塩化テトラアルキルアンモニウム、例としては、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム及び塩化アルキルトリメチルアンモニウム(ここでアルキル基は約12〜22個の炭素原子を含む)、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム及び塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム;塩化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム;並びにVan Dyk社により名称「Ceraphyl(登録商標)70」で販売されている、塩化ステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムがある。
一実施形態によれば、本発明の組成物中で使用されうるカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩から選択され、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、クオタニウム-83、クオタニウム-87、クオタニウム-22、ベヘニルアミドプロピル-2,3-塩化ジヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム、塩化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム及びステアラミドプロピルジメチルアミンから選択される。
(a4)非イオン性界面活性剤
本発明によれば、非イオン性界面活性剤の種類は限定されない。本発明によれば、(a)界面活性剤が非イオン性界面活性剤であることが好ましい。
非イオン性界面活性剤は、それ自体が周知の化合物である[例えば、この点に関して、M.R.Porterによる「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son出版社(グラスゴー及びロンドン)、1991年、116〜178頁を参照されたい]。そのため、非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリエトキシ化、ポリプロポキシ化又はポリグリセロール化されて、例えば8〜18個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を有する、アルコール、α-ジオール、アルキルフェノール及び脂肪酸のエステルから選択されてもよく、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基の数が2〜50の範囲であり、グリセロール基の数が2〜30の範囲であってよい。マルトース誘導体もまた挙げられうる。非限定的ではあるが、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと脂肪族アルコールとの縮合物;例えば2〜30molのエチレンオキシドを含むポリエトキシル化脂肪アミド、例えば1〜5の、例えば1.5〜4のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2〜30molのエチレンオキシドを含む、ソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物起源のエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロールの脂肪酸エステル;(C6〜C24)アルキルポリグリコシド;N-(C6〜C24)アルキルグルカミン誘導体、アミンオキシド、例えば(C10〜C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10〜C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド;並びにそれらの混合物もまた挙げることができる。
非イオン性界面活性剤は、オキシアルキレン化された非イオン性界面活性剤、例えばモノオキシアルキレン化された又はポリオキシアルキレン化された非イオン性界面活性剤から、及びグリセロール化された非イオン性界面活性剤、例えばモノグリセロール化された又はポリグリセロール化された非イオン性界面活性剤から好ましくは選択されうる。オキシアルキレン単位は、より具体的には、オキシエチレン単位若しくはオキシプロピレン単位、又はそれらの組合せ、好ましくはオキシエチレン単位である。
挙げることができるオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤の例には、以下が含まれる:
オキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルフェノール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のオキシアルキレン化C8〜C30アルコール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のオキシアルキレン化C8〜C30アミド、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸と、ポリエチレングリコールとのエステル、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸と、ソルビトールとのポリオキシアルキレン化エステル、
飽和又は不飽和のオキシアルキレン化植物油、
中でも、単独の又は混合物としての、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物。
界面活性剤は、モル数が1から100の間の、好ましくは2から50の間の、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含有することができる。有利には、非イオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を一切含まない。
本発明の好ましい一実施形態によれば、オキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、オキシエチレン化脂肪族アルコール及びオキシエチレン化脂肪エステルから、好ましくはオキシエチレン化脂肪族アルコールから選択されうる。
挙げることができるオキシエチレン化脂肪族アルコール(又はC8〜C50アルコール)の例には、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に9〜50のオキシエチレン基を含有するもの、より特定すると10〜30のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではラウレス-10からラウレス-30);ベヘニルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に9〜50のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではベヘネス-9からベヘネス-50);セテアリルアルコールのエチレンオキシド付加物(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)、特に10〜50のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではセテアレス-10からセテアレス-50、例えばセテアレス-33);セチルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に10〜50個のオキシエチレン基を含有するもの(例えばCTFA名ではセテス-10からセテス-30);ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に10〜50のオキシエチレン基を含有するもの(例えばCTFA名ではステアレス-10からステアレス-30、例えばステアレス-20);イソステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に10〜50のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではイソステアレス-10からイソステアレス-50);及びそれらの混合物が含まれる。
挙げることができるオキシエチレン化脂肪エステルの例には、ラウリン酸の、パルミチン酸の、ステアリン酸の又はベヘン酸のエステルの、エチレンオキシド付加物及びそれらの混合物、特に、9〜50のオキシエチレン基を含有するもの、例えばラウリン酸PEG-9からPEG-50(CTFA名ではラウリン酸PEG-9からラウリン酸PEG-50)、パルミチン酸PEG-9からPEG-50(CTFA名ではパルミチン酸PEG-9からパルミチン酸PEG-50)、ステアリン酸PEG-9からPEG-50(CTFA名ではステアリン酸PEG-9からステアリン酸PEG-50)、パルミトステアリン酸PEG-9からPEG-50、ベヘン酸PEG-9からPEG-50(CTFA名ではベヘン酸PEG-9からベヘン酸PEG-50)及びそれらの混合物が含まれる。
これらの、脂肪族アルコールと脂肪エステルとのオキシエチレン化誘導体の混合物もまた使用されうる。
本発明の好ましい一実施形態によれば、非イオン性界面活性剤は、エトキシル化脂肪族アルコールであってよい。
モノグリセロール化された又はポリグリセロール化された非イオン性界面活性剤の例として、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコール、及びモノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40脂肪酸エスエルが好ましくは使用される。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールは、以下の式に相当してよい:
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H、又はRO-[CH(CH2OH)-CH2O]m-H
(式中、
Rは、直鎖状又は分枝状の、C8〜C40及び好ましくはC8〜C30アルキル基又はアルケニル基を表し、mは、1〜30及び好ましくは1〜10の範囲の数を表す)。
本発明の関連において好適である化合物の例として、4モルのグリセロールを含有するラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5モルのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4モルのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含有するオレオセチルアルコール、及び6モルのグリセロールを含有するオクタデカノールを挙げることができる。
アルコールは、mの値が統計値を表すのと同様に、アルコールの混合物を表す可能性があり、このことは、市販製品の中に、幾つかの種のポリグリセロール化脂肪族アルコールが混合物の形態で共存している可能性があることを意味する。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化アルコールのうち、1molのグリセロールを含有するC8/C10アルコール、1molのグリセロールを含有するC10/C12アルコール、及び1.5molのグリセロールを含有するC12アルコールを使用することがとりわけ好ましい。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40脂肪酸エステルは、以下の式に相当する:
R1O-[CH2-CH(CH2OR3)-O]m-R2、又はR1O-[CH(CH2OR3)-CH2O]m-R2
(式中、
R1、R2及びR3のそれぞれは、独立して、水素原子、又は直鎖状又は分枝状のC8〜C40及び好ましくはC8〜C30アルキル-CO-基又はアルケニル-CO-基を表し、但しR1、R2及びR3のうちの少なくとも1つは水素原子ではなくて、及びmが1〜30及び好ましくは1〜10の数を表すという条件である)。
本発明の関連において好適な化合物の例として、4〜6つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むモノ(イソ)ステアリン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むモノオレイン酸ポリグリセリル、及び4〜6つのグリセロール単位を含むジオイレン酸ポリグリセリルを挙げることができる。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40脂肪酸エステルは、グリセリンとC8〜C40脂肪酸とのエステル、好ましくはステアリン酸グリセリル(ステアリン酸モノ、ジ及び/又はトリグリセリル)(CTFA名:ステアリン酸グリセリル)又はリシノール酸グリセリル、並びにそれらの混合物であってよい。
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、HLBが3〜18の非イオン性界面活性剤であってよい。HLBとは、分子中の、親水性部分と親油性部分の間の比である。この用語HLBは、当業者には周知であり、及び「The HLB system. A time-saving guide to emulsifier selection」(ICI Americas Inc.が出版、1984年)に記載されている。
本発明の一実施形態によれば、界面活性剤の量は、本発明に従って調製されることになる美容組成物の総質量に対して、0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲でありうる。
(油)
本発明の方法は、少なくとも1種の油の使用を含む。2種以上の油を使用してよい。
本明細書では、「油」は、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で液体の形態にある、脂肪化合物又は脂肪物質を意味する。(b)油として、美容製品中で一般に使用されるものが、単独で又はそれらの組合せで使用されうる。油は、揮発性であっても不揮発性であってもよく、好ましくは不揮発性である。
(b)油は、炭化水素油、シリコーン油又は類似のもの等の非極性油であってよく、植物油若しくは動物油、及びエステル油若しくはエーテル油等の極性油であってよく、又はそれらの混合物であってよい。
(b)油が、植物又は動物起源の油、合成油、シリコーン油及び炭化水素油からなる群から選択されることが好ましい。
植物油の例として、例えば、亜麻仁油、ツバキ油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、紅花油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、菜種油、ゴマ油、大豆油、ピーナッツ油及びそれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランを挙げることができる。
合成油の例として、アルカン油、例えばイソデカン及びイソヘキサデカン、エステル油、エーテル油、及び合成トリグリセリドを挙げることができる。
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族モノ酸又はポリ酸の液体エステルであり、及び飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族モノアルコール又はポリアルコールの液体エステルであり、これらのエステルの総炭素数は10以上である。
好ましくは、一価アルコールのエステルについて、本発明のエステルが由来するアルコール及び酸のうちの少なくとも1つは、分枝状である。
モノ酸のモノエステル及びモノアルコールのモノエステルのうち、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル等のミリスチン酸アルキル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル及びネオペンタン酸イソステアリルを挙げることができる。
C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、C1〜C22アルコールとのエステル、並びにモノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、非糖C4〜C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルもまた使用されうる。
具体的に挙げることができるのは、セバシン酸ジエチル、サルコシン酸イソプロピルラウロイル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、トリ酢酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコールである。
エステル油として、C6〜C30及び好ましくはC12〜C22脂肪酸と、糖とのエステル及びジエステルを使用することができる。用語「糖」が、幾つかのアルコール官能基を含有して、アルデヒド官能基又はケトン官能基を含み又は含まず、少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素を保持する炭化水素系化合物を意味することに留意されたい。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖であってよい。
挙げることができる好適な糖の例には、スクロース(又はショ糖)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにそれらの誘導体、特にアルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例としてはメチルグルコースが含まれる。
脂肪酸の糖エステルは、特に、先に記載した糖類と、直鎖状若しくは分枝状の、飽和若しくは不飽和のC6〜C30及び好ましくはC12〜C22脂肪酸とのエステル又はエステル混合物からなる群から選択されうる。それらの化合物が不飽和である場合、それらは、1〜3個の共役した又は共役していない炭素-炭素二重結合を有してよい。
この変形形態のエステルはまた、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル及びポリエステル、並びにそれらの混合物からも選択されうる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ココナツ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル及びアラキドン酸エステル又はそれらの混合物、例えば、特にオレオパルミチン酸エステル、オレオステアリン酸エステルとパルミトステアリン酸エステルとの混合エステル、並びにペンタエリスリチルテトラエチルヘキサン酸エステルであってよい。
より具体的には、モノエステル及びジエステル、特にスクロース、グルコース又はメチルグルコースのモノオレイン酸エステル又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル及びオレオステアリン酸エステルが使用される。
挙げることができる例は、Amerchol社から名称Glucate(登録商標)DOで販売されている製品であり、これは、ジオレイン酸メチルグルコースである。
好ましいエステル油の例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、カプリル酸/カプリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル及びそれらの混合物を挙げることができる。
エーテル油の例として、例えば、ジカプリリルエーテル及びジイソセチルエーテルを挙げることができる。
合成トリグリセリドの例として、例えば、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル、及びトリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルを挙げることができる。
シリコーン油の例として、例えば、直鎖オルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等;環状オルガノポリシロキサン、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、シリコーン油は、液状ポリジアルキルシロキサンから、特に液状ポリジメチルシロキサン(PDMS)、及び少なくとも1つのアリール基を含む液状ポリオルガノシロキサンから選択される。
これらのシリコーン油は、オルガノ変性されていてもよい。本発明に従って使用されうるオルガノ変性シリコーンは、上で定義したシリコーン油であり、それらの構造中に、炭素水素系基を介して結合されている1つ又は複数のオルガノ官能基を含むシリコーン油である。
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年)、Academic Press出版、で更に詳細に定義されている。オルガノポリシロキサンは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
揮発性若しくは不揮発性のシリコーン油、例えば周囲温度で液体又はペースト状である、直鎖状又は環式のシリコーン鎖を含有する揮発性若しくは不揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)、具体的にはシクロヘキサシロキサン等のシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコン);ペンダントである又はシリコーン鎖の末端にある、2〜24個の炭素原子を有する、アルキル基、アルコキシ基又はフェニル基を含有するポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート及びポリメチルフェニルシロキサンが使用されうる。
炭化水素油は、以下から選択されうる:
- 直鎖状又は分枝状の、任意選択で環式のC6〜C16低級アルカン。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン及びイソパラフィン、例としては、イソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカンが含まれる。
- 16個超の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば流動パラフィン、液状ワセリン(petroleum jelly)、ポリデセン及び水添ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、並びにスクワラン。
炭化水素油の好ましい例として、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば、鉱物油(例えば流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン(vaseline or petrolatum)、ナフタレン等;水添ポリイソブテン、イソエイコサン、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
(b)油は、脂肪族アルコールであってよい。用語「脂肪族アルコール」は、本明細書では、任意の、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30アルコールであって、特に1つ又は複数の(特に1〜4つの)ヒドロキシル基で任意選択で置換されているものを意味する。脂肪族アルコールが不飽和である場合、これらの化合物は、1〜3つの共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
C8〜C30脂肪族アルコールのうち、例えばC12〜C30脂肪族アルコールが使用されうる。これらのうち、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、リノレイルアルコール、ウンデシレニルアルコール、パルミトレイルアルコール、リノレニルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール、オクチルドデカノール及びそれらの混合物を挙げることができる。
(b)油が、室温で液体の形態にある、エステル油又は炭化水素油から選択されることが好ましい。
(b)油が、分子量が600g/mol未満である油から選択されることもまた好ましい。
好ましくは、(b)油は、600g/mol未満等の低い分子量を有し、短鎖(C1〜C12)の炭化水素鎖を有するエステル油(例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル及びパルミチン酸エチルヘキシル)、炭化水素油(例えばイソドデカン、イソヘキサデカン及びスクワラン)、分枝状及び/又は不飽和の脂肪族アルコール(C12〜C30)タイプの油、例えばオクチルドデカノール及びオレイルアルコール、並びにジカプリリルエーテル等のエーテル油の中から選択される。
油が、室温で液体の形態にある炭化水素油から、より好ましくは鉱物油から選択されることが特に好ましい。
本発明の一実施形態によれば、油の量は、本発明に従って調製されることになる美容組成物の総質量に対して、0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲でありうる。
(飽和脂肪族アルコール)
本発明の方法は、少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールの使用を含む。2種以上の飽和脂肪族アルコールを使用してよい。
用語「飽和脂肪族アルコール」は、本明細書では、長鎖の飽和脂肪族炭素鎖を有するアルコールを意味する。飽和脂肪族アルコールが、任意の、飽和の、直鎖状又は分枝状C6〜C30脂肪族アルコールから選択されることが好ましい。
C6〜C30飽和脂肪族アルコールのうち、例えば、C6〜C20の、飽和の、直鎖状又は分枝状の脂肪族アルコールが、好ましくは使用されうる。C16〜C18の、飽和の、直鎖状又は分枝状の脂肪族アルコールが、より好ましくは使用されうる。
それらのうち、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール及びそれらの混合物を挙げることができる。一実施形態において、セチルアルコール、ステアリルアルコール又はそれらの混合物(例えばセテアリルアルコール)、並びにベヘニルアルコールが、飽和脂肪族アルコールとして使用されうる。好ましくは、脂肪族アルコールは、直鎖状のアルコールである。
本発明の一実施形態によれば、飽和脂肪族アルコールの量は、本発明に従って調製されることになる美容組成物の総質量に対して、0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%の範囲でありうる。
(ポリオール)
本発明の方法は、少なくとも1種のポリオールの使用を含む。2種以上のポリオールを使用してよい。
用語「ポリオール」は、本明細書では、複数のアルコール官能基を有する化合物を意味する。言い換えれば、ポリオールは、2つ以上のヒドロキシル基を有するアルコールである。ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシ基、好ましくは2〜5つのヒドロキシ基を含む、C2〜C12ポリオール、好ましくはC2〜9ポリオールであってよい。本発明の範囲において、ポリオールは、8個超の炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基等の疎水性基を含まない。
ポリオールは、天然のポリオールであっても合成のポリオールであってもよい。ポリオールは、直鎖状、分枝状又は環式の分子構造であってよい。
本発明で使用されうるポリオールには、具体的には、ジオール又はグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール及びヘキシレングリコール;ポリグリコール、例えばジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール;トリオール、例えばグリセロール;並びにそれらの混合物が挙げられる。
ポリオールが、糖、糖アルコール及びトリオールからなる群から選択されることが好ましい。
用語「糖」は、本明細書では、アルデヒド官能基又はケトン官能基を含んでも含まなくても良く、幾つかのアルコール官能基を含有して、少なくとも4個の炭素原子を含有する、酸素を保持する炭化水素系化合物を意味する。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖であってよい。
挙げることができる好適な糖の例には、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フルクトース、マルトース、マンノース、アラビノース、キシロース、トレハロース及びラクトース、並びにそれらの誘導体、特にアルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例としてはメチルグルコースが含まれる。
用語「糖アルコール」は、本明細書では、糖の還元可能なケトン基又はアルデヒド基をアルコール基へ還元することによって得られる化合物を意味する。そのため、糖アルコールは、幾つかのアルコール官能基を有する。
挙げることができる好適な糖アルコールの例には、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール及びそれらの誘導体が含まれる。
用語「トリオール」は、本明細書では、3つのヒドロキシル基を有するアルコールを意味する。トリオールの例は、グリセロール又はグリセリンである。
ポリオールは、グリセリン及びそれらの誘導体から、並びにグリコール及びそれらの誘導体から選択されうる。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-プロパンジオール及び1,5-ペンタンジオールからなる群から選択されうる。
ポリオールは、好ましくはグリセリン、ブチレングリコール、ジグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール及びそれらの混合物からなる群から選択されうる。
本発明の一実施形態によれば、ポリオールの量は、本発明に従って調製されることになる美容組成物の総質量に対して、0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%の範囲でありうる。
(美容活性成分)
本発明の方法は、少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分の使用を含む。2種以上の美容活性成分を使用してよい。
本発明によれば、美容活性成分が、ケラチン繊維に、例えばカラーリング、ブリーチ、直毛化、パーマ、コンディショニング等の任意の美容効果を付与できる限り、美容活性成分の種類は限定されない。
一実施形態において、美容活性成分はカチオン性ポリマーであってよい。
(カチオン性ポリマー)
本発明の目的では、用語「カチオン性ポリマー」は、カチオン性基、及び/又はカチオン性基へとイオン化されうる基を含有する、任意のポリマーを示すことが留意されるべきである。
こうしたポリマーは、それ自体が毛髪の美容上の性質を改善すると既に知られているものから、即ち、特に特許出願EP-A-337354に、及び仏国特許第2270846号、第2383660号、第2598611号、第2470596号及び第2519863号に記載されているものから選択されうる。
好ましいカチオン性ポリマーは、第一級、第二級、第三級及び/又は第四級アミン基を含む単位を含有するものから選択され、これらは、ポリマー主鎖の一部を形成するものであっても、ポリマー主鎖に直接結合している側鎖置換基により保持されているものであっても、いずれでもよい。
使用されるカチオン性ポリマーの数平均分子量は、一般に、およそ500からおよそ5*106の間、好ましくはおよそ103からおよそ3*106の間である。
カチオン性ポリマーのうち、より具体的には、ポリアミン型、ポリアミノアミド型及びポリ四級アンモニウム型のポリマーを挙げることができる。
それらは、既知の製品である。それらのポリマーは、具体的には、仏国特許第2505348号及び第2542997号に記載されている。前記ポリマーのうち、以下を挙げることができる。
(1)アクリル酸のエステル若しくはアミド、又はメタクリル酸のエステル若しくはアミドに由来し、以下の式(I)、(II)、(III)又は(IV)の単位のうちの少なくとも1つを含む、ホモポリマー又はコポリマー
(式中、
R3は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はCH3基を示し、
Aは、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状の、1〜6個の炭素原子、好ましくは2個又は3個の炭素原子のアルキル基、又は1〜4個の炭素原子のヒドロキシアルキル基を表し、
R4、R5及びR6は、同一であっても異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子又はベンジル基を含有するアルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、
R1及びR2は、同一であっても異なっていてもよく、水素、又は1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基を表し、
Xは、無機酸若しくは有機酸に由来するアニオン、例えばメト硫酸イオンのアニオン、又は塩化物イオン若しくは臭化物イオン等のハロゲン化物イオンを表す)
系統群(1)のポリマーはまた、コモノマーに由来する1つ又は複数の単位を有することもでき、こうしたコモノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、窒素上で低級(C1〜C4)アルキルで置換されているアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸若しくはメタクリル酸又はそれらのエステル、ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタム等のビニルラクタム、並びにビニルエステルの系統群から選択されうる。
そのため、系統群(1)のこれらのポリマーのうち、以下を挙げることができる:
- アクリルアミドと、硫酸ジメチルで又はハロゲン化ジメチルで第四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとのコポリマー、例えばHercules社により名称Hercoflocで販売されている製品
- アクリルアミドと塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムとのコポリマー、例えば欧州特許出願公開第A-080976号に記載され、Ciba Geigy社により名称Bina Quat P 100で販売されているもの
- アクリルアミドとメト硫酸メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムとのコポリマー、Hercules社により名称Retenで販売されているもの
- 第四級化された又は第四級化されていないビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルのアクリル酸若しくはメタクリル酸コポリマー、例えばISP社により名称「Gafquat」で販売されている製品、例としては「Gafquat 734」又は「Gafquat 755」、或いは「Copolymer 845、958及び937」で知られる製品(これらのポリマーは、仏国特許第2077143号及び第2393573号に詳細に記載されている)
- メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンのターポリマー、例えばISP社により名称Gaffix VC 713で販売されている製品
- ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンのコポリマー、具体的にはISP社により名称Styleze CC 10で販売されているもの、及び第四級化されたビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのコポリマー、例えばISP社により名称「Gafquat HS 100」で販売されている製品
- 架橋結合されたメタクリロイルオキシ(C1〜C4)アルキルトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム塩のポリマー、例えば、塩化メチルで第四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルを単独重合することによって、又はアクリルアミドを、塩化メチルで第四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルと共重合することによって、更にこの単独重合又は共重合に続いてメチレンビスアクリルアミド等のオレフィン性不飽和を含有する化合物と架橋結合することによって、得られるポリマー。なかでも、鉱物油中に、前記ポリマーの50質量%が含有される、ディスパーションの形態にある、架橋結合されたアクリルアミド/塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのコポリマー(質量比20/80)が使用されうる。このディスパーションは、Allied Colloids社により名称「Salcare(登録商標)SC 92」で販売されている。鉱物油中又は液体エステル中に、ホモポリマーの約50質量%が含有される、架橋結合された塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマーもまた使用されうる。これらのディスパーションは、Allied Colloids社により名称「Salcare(登録商標)SC 95」及び「Salcare(登録商標)SC 96」で販売されている。
(2)カチオン性多糖類
a)カチオン性セルロース誘導体
カチオン性ポリマーには、第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体が挙げられ、これは、仏国特許第1492597号に記載されており、具体的にはUnion Carbide Corporation社により名称「JR」(JR 400、JR 125、JR 30M)又は名称「LR」(LR 400、LR 30M)で販売されているポリマーである。これらのポリマーはまた、CTFA辞典で、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロース第四級アンモニウムとしても定義されている。
カチオン性ポリマーにはまた、セルロースの、又は水溶性の第四級アンモニウムモノマーでグラフト化されたセルロース誘導体のコポリマーが挙げられ、特に米国特許第4131576号に記載されており、例えばヒドロキシアルキルセルロース、例としては、特にメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム又はジメチルジアリルアンモニウム塩でグラフト化された、ヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-又はヒドロキシプロピル-セルロースである。
この定義に相当する市販製品は、より具体的には、National Starch社により名称Celquat L 200及びCelquat H 100で販売されている製品である。
b)カチオン性グアーガム
カチオン性グアーガムは、より詳細には米国特許第3589578号及び第4031307号に記載されており、例えばカチオン性のトリアルキルアンモニウム基を含有するグアーガムがある。使用されるのは、例えば2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムの塩(例えば塩化物)で改質されたグアーガムである。こうした製品は、具体的には、Meyhall社により商品名Jaguar C13S、Jaguar C15、Jaguar C17及びJaguar C162で販売されている。
(3)ピペラジニル単位と、二価のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基(直鎖又は分枝鎖を含有し、酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子によって、又は芳香族環若しくは複素環によって、任意選択で割り込まれている)とから構成されるポリマー、更には、これらのポリマーを酸化及び/又は第四級化させた製品。こうしたポリマーは、特に、仏国特許第2162025号及び第2280361号に記載されている。
(4)具体的には酸性化合物をポリアミンと重縮合させることによって調製される、水に可溶なポリアミノアミド。これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和二無水物、ビス-不飽和誘導体、ビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン、ビス-ハロゲン化アルキルで架橋結合されてもよく、或いはビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン、ビス-ハロゲン化アルキル、エピハロヒドリン、ジエポキシド又はビス-不飽和誘導体と反応性のある二官能性化合物の反応から得られるオリゴマーで架橋結合されてもよく;架橋結合剤は、ポリアミノアミドのアミン基1つ当たり0.025〜0.35molの範囲の割合で使用され;これらのポリアミノアミドは、アルキル化されてもよく、それらが1つ又は複数の第三級アミン官能基を有する場合、それらは第四級化されてもよい。こうしたポリマーは、具体的には、仏国特許第2252840号及び第2368508号に記載されている。
(5)ポリアルキレンポリアミンをポリカルボン酸と縮合させ、続いて二官能性剤でアルキル化させて得られるポリアミノアミド誘導体。挙げることができるのは、例えば、アジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレントリアミンのポリマーであり、ここでアルキル基は、1〜4個の炭素原子を含有し、好ましくはメチル、エチル又はプロピル基を示す。こうしたポリマーは、具体的には、仏国特許第1583363号に記載されている。
これらの誘導体のうち、より具体的に挙げることができるのは、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンのポリマーであり、これはSandoz社により名称「Cartaretine F、F4又はF8」で販売されている。
(6)2つの第一級アミン基及び少なくとも1つの第二級アミン基を含有するポリアルキレンポリアミンと、ジグリコール酸及び3〜8個の炭素原子を有する飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸との反応によって得られるポリマー。ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸の間のモル比は、0.8:1から1.4:1の間であり;そこから得られるポリアミノアミドは、エピクロロヒドリンと反応させ、ここでエピクロロヒドリンの、ポリアミノアミドの第二級アミン基に対するモル比は、0.5:1から1.8:1の間である。こうしたポリマーは、具体的には、米国特許第3227615号及び第2961347号に記載されている。
この種類のポリマーは、具体的にはHercules Inc.社により名称「Hercosett 57」で販売されており、別のものは、Hercules社により名称「PD 170」又は「Delsette 101」で、アジピン酸/エポキシプロピル/ジエチレントリアミンのコポリマーの事例として販売されている。
(7)アルキルジアリルアミンの、又はジアルキルジアリルアンモニウムの、シクロポリマー、例えば鎖の主要な構成要素として、以下の式(V)又は(VI)に相当する単位を含有するホモポリマー又はコポリマー
(式中、
k及びtは、0又は1に等しく、k+tの和は、1に等しく;R9は、水素原子又はメチル基を示し;R7及びR8は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ここでアルキル基が好ましくは1〜5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、低級(C1〜C4)アミドアルキル基を示し、又はR7及びR8は、それらが結合している窒素原子と共に、ピペリジル若しくはモルホニル基等の複素環基を示すことができ;R7及びR8は、互いに独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を好ましくは示し;Y-は、アニオンであり、例えば臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸水素イオン、硫酸イオン又はリン酸イオンである)。これらのポリマーは、具体的には、仏国特許第2080759号及びその追加特許第2190406号に記載されている。
上で定義したポリマーのうち、より具体的に挙げることができるのは、例えばCalgon社により名称「Merquat 100」で販売されている塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー(及び質量平均分子量の低いその同族体)、並びに名称「Merquat 550」で販売されている、塩化ジアリルジメチルアンモニウムとアクリルアミドとのコポリマーである。
(8)式(VII)に相当する繰り返しの単位を含有する第四級ジアンモニウムポリマー
{式中、
R10、R11、R12及びR13は、同一であっても異なっていてもよく、1〜20個の炭素原子を含有する脂肪族基、脂環式基若しくはアリール脂肪族基、又は低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を表し、或いはR10、R11、R12及びR13は、一緒に又は別々に、それらが結合している窒素原子と共に、窒素以外の第2のヘテロ原子を任意選択で含有する複素環を構成し、或いはR10、R11、R12及びR13は、ニトリル基、エステル基、アシル基若しくはアミド基、又は-CO-O-R14-D基若しくは-CO-NH-R14-D基(式中、R14はアルキレン基であり、Dは第四級アンモニウム基である)で置換されている直鎖状又は分枝状のC1〜C6アルキル基を表し、
A1及びB1は、2〜20個の炭素原子を含有するポリメチレン基を表し、これは直鎖状又は分枝状であってよく、飽和又は不飽和であってよく、これは、主鎖中に結合された若しくは挿入された1つ若しくは複数の芳香族環、又は1つ又は複数の酸素原子若しくは硫黄原子、又はスルホキシド基、スルホン基、ジスルフィド基、アミノ基、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、第四級アンモニウム基、ウレイド基、アミド基若しくはエステル基を含有してよく、
X-は、無機酸又は有機酸に由来するアニオンを示し、
A1、R10及びR12は、それらが結合している2個の窒素原子と共に、ピペラジン環を形成することができ;加えて、A1が、直鎖状若しくは分枝状の、飽和若しくは不飽和の、アルキレン基又はヒドロキシアルキレン基を示す場合、B1はまた、-(CH2)n-CO-D-OC-(CH2)n-基も示すことができ、
式中、
Dは、
i) 式-O-Z-O-のグリコール残基
[式中、Zは、直鎖状又は分枝状の炭化水素系基、又は次式:
-(CH2-CH2-O)x-CH2-CH2-、及び-[CH2-CH(CH3)-O]y-CH2-CH(CH3)-
(式中、x及びyは、定義された固有の重合度を表す1〜4の整数を示すか、又は平均重合度を表す1〜4の任意の数を示す)
のうちの1つに相当する基を示す]
ii)ビス-第二級ジアミン残基、例えばピペラジン誘導体
iii)式-NH-Y-NH-(式中、Yは、直鎖状若しくは分枝状の炭化水素系基、或いは二価基-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-基を表す)で表わされるビス-第一級ジアミン残基、又は
iv)式-NH-CO-NH-のウレイレン基
を示す}
好ましくは、X-は、アニオンであり、例えば塩化物イオン又は臭化物イオンである。
これらのポリマーは、数平均分子量が、一般に1000から100000の間である。
この種のポリマーは、具体的には、仏国特許第2320330号、第2270846号、第2316271号、第2336434号及び第2413907号、並びに米国特許第2273780号、第2375853号、第2388614号、第2454547号、第3206462号、第2261002号、第2271378号、第3874870号、第4001432号、第3929990号、第3966904号、第4005193号、第4025617号、第4025627号、第4025653号、第4026945号及び第4027020号に記載されている。
以下の式(VIII)に相当する繰り返しの単位から構成されるポリマーを使用することがとりわけ好ましい。
(式中、
R10、R11、R12及びR13は、同一であっても異なっていてもよく、およそ1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、n及びpは、およそ2〜20の範囲の整数であり、X-は、鉱酸又は有機酸に由来するアニオンである)
(9)以下の式(IX)の単位から構成されるポリ第四級アンモニウムポリマー
[式中、
pは、およそ1〜6の範囲の整数を示し、Dは、不在であっても、(CH2)r-CO-基(式中、rは、4又は7に等しい数を示す)を表してもよく、
X-は、アニオンである]
こうしたポリマーは、米国特許第4157388号、第4702906号及び第4719282号に記載されている方法に従って調製されうる。それらは、具体的には、欧州特許出願公開第A-122324号に記載されている。
これらのポリマーのうち、挙げることができる例には、Miranol社により販売されている製品「Mirapol A15」、「Mirapol AD1」、「Mirapol AZ1」及び「Mirapol 175」が含まれる。
(10)ビニルピロリドンと、ビニルイミダゾールとの第四級ポリマー、例としては、BASF社により名称Luviquat FC 905、FC 550、及びFC 370で販売されている製品
(11)Henkel社により販売されているPolyquart H等のポリアミン、これは、CTFA辞典では、「ポリエチレングリコール(15)獣脂ポリアミン」という参照名が付されている
(12)本発明の関連において使用されうる他のカチオン性ポリマーは、ポリアルキレンイミン、特にポリエチレンイミン、ビニルピリジン単位又はビニルピリジニウム単位を含有するポリマー、ポリアミンとエピクロロヒドリンとの縮合物、第四級ポリウレイレンである
カチオン性ポリマーが、以下のポリマーから選択されることが好ましい:
ポリクオタニウム-5、例えばCalgon社により販売されている製品Merquat 5、
ポリクオタニウム-6、例えばCiba社により販売されている製品Salcare SC 30、及びCalgon社により販売されている製品Merquat 100、
ポリクオタニウム-7、例えばCalgon社により販売されている製品Merquat S、Merquat 2200及びMerquat 550、並びにCiba社により販売されている製品Salcare SC 10、
ポリクオタニウム-10、例えばAmerchol社により販売されている製品Polymer JR400、
ポリクオタニウム-11、例えばISP社により販売されている製品Gafquat 755、Gafquat 755N及びGafquat 734、
ポリクオタニウム-15、例えばRohm社により販売されている製品Rohagit KF 720 F、
ポリクオタニウム-16、例えばBASF社により販売されている製品Luviquat FC905、Luviquat FC370、Luviquat HM552及びLuviquat FC550、
ポリクオタニウム-22、例えばCalgon社により販売されている製品Merquat 280、
ポリクオタニウム-28、例えばISP社により販売されている製品Styleze CC10、
ポリクオタニウム-39、例えばCalgon社により販売されている製品Merquat Plus 3330、
ポリクオタニウム-44、例えばBASF社により販売されている製品Luviquat Care、
ポリクオタニウム-46、例えばBASF社により販売されている製品Luviquat Hold、
ポリクオタニウム-47、例えばCalgon社により販売されている製品Merquat 2001。
カチオン性ポリマーの量は、本発明の方法に従って調製されることになる組成物の総質量に対して、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%の範囲でありうる。
別の実施形態において、(e)ケラチン繊維のための美容活性成分は、酸化染料、直接染料、酸化剤、アルカリ化剤及びそれらの混合物から選択されうる。
(酸化染料)
酸化染料は、酸化ベース及びカプラーから選択されうる。
酸化ベースは、酸化染色において従来知られているものから、好ましくは、オルト-及びパラ-フェニレンジアミン、二重ベース、オルト-及びパラ-アミノフェノール、複素環ベース、並びにそれらの酸付加塩からなる群から選択されうる。
具体的には、以下を挙げることができる:
- (I)以下の式(I)のパラ-フェニレンジアミン及びそれらの酸付加塩:
[式中、
R1は、水素原子、C1〜C4アルキル基、モノヒドロキシ(C1〜C4アルキル)基、ポリヒドロキシ-(C2〜C4アルキル)基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、窒素を含有する基で置換されているC1〜C4アルキル基、フェニル基又は4'-アミノフェニル基を表し、
R2は、水素原子、C1〜C4アルキル基、モノヒドロキシ(C1〜C4アルキル)基、ポリヒドロキシ(C2〜C4アルキル)基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、又は窒素を含有する基で置換されているC1〜C4アルキル基を表し、
R1及びR2はまた、それらを保持する窒素原子と共に、1つ又は複数のアルキル基、ヒドロキシル基、又はウレイド基で任意選択で置換されている5員又は6員の窒素を含有する複素環を形成してもよく、
R3は、水素原子、塩素原子等のハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、スルホ基、カルボキシル基、モノヒドロキシ(C1〜C4アルキル)基、ヒドロキシル(C1〜C4アルコキシ)基、アセチルアミノ(C1〜C4アルコキシ)基、メシルアミノ(C1〜C4アルコキシ)基又はカルバモイルアミノ(C1〜C4アルコキシ)基を表し、
R4は、水素原子若しくはハロゲン原子、又はC1〜C4アルキル基を表す]
上の式(I)の窒素を含有する基のうち、特に挙げることができるのは、アミノ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、(C1〜C4)ジアルキルアミノ、(C1〜C4)トリアルキルアミノ、モノヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ[モノヒドロキシ(C1〜C4)アルキル]アミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基である。
上の式(I)のパラ-フェニレンジアミンのうち、挙げることができるのは、なかでも、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-クロロ-パラフェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチルパラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラフェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラフェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラフェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチルパラ-フェニレンジアミン、N,N-(エチル-β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノ-エチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-メチル-1-N-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、N-(4-アミノフェニル)-3-ヒドロキシ-ピロリジン、2-[{2-[(4-アミノフェニル)アミノ]エチル}(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-エタノール及びそれらの酸付加塩である。
上の式(I)のパラ-フェニレンジアミンのうち、最も特に好ましいパラ-フェニレンジアミンには、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラフェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン及びそれらの酸付加塩がある。
- (II)本発明によれば、「二重ベース」は、その上にアミノ基及び/又はヒドロキシル基が保持される少なくとも2つの芳香族環を含有する化合物を意味すると理解される。
本発明の染色用組成物中の酸化ベースとして使用されうる二重ベースのうち、特に挙げることができるのは、以下の式(II)に相当する化合物及びそれらの酸付加塩である:
[式中、
- Z1及びZ2は、同一であり又は異なり、C1〜C4アルキル基で又は連結アームYで置換されてよい、ヒドロキシル基又は-NH2基を表し、
- 連結アームYは、1〜14個の炭素原子を含む、直鎖状又は分枝状のアルキレン鎖を表し、これは、1つ若しくは複数の窒素を含有する基によって、及び/又は1個若しくは複数のヘテロ原子、例えば酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子によって割り込まれていても、これらが末端にあってもよく、及び1つ又は複数のヒドロキシル基又はC1〜C6アルコキシ基で任意選択で置換されており;
- R5及びR6は、水素原子若しくはハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、モノヒドロキシ(C1〜C4アルキル)基、ポリヒドロキシ(C2〜C4アルキル)基、アミノ(C1〜C4アルキル)基又は連結アームYを表し、
- R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、同一であり又は異なり、水素原子、連結アームY又はC1〜C4アルキル基を表し、式(II)の化合物が、1分子当たり1つのみの連結アームYを含有することが理解される]。
上の式(II)の窒素を含有する基のうち、特に挙げることができるのは、アミノ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、(C1〜C4)ジアルキルアミノ、(C1〜C4)トリアルキルアミノ、モノヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基である。
上の式(II)の二重ベースのうち、挙げることができるのは、なかでも、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)-テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレン-ジアミン、1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタン及びそれらの酸付加塩である。
それらの式(II)の二重ベースのうち、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタン又はそれらの酸付加塩のうちの1種が特に好ましい。
- (III)以下の式(III)に相当するパラ-アミノフェノール、及びそれらの酸付加塩:
[式中、
- R13は、水素原子、若しくはフッ素等のハロゲン原子、C1〜C4アルキル、モノヒドロキシ(C1〜C4アルキル)、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)-アルキル、アミノ(C1〜C4アルキル)又はヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ-(C1〜C4アルキル)基を表し、
- R14は、水素原子、若しくはフッ素等のハロゲン原子、C1〜C4アルキル、モノヒドロキシ(C1〜C4アルキル)、ポリヒドロキシ(C2〜C4アルキル)、アミノ(C1〜C4アルキル)、シアノ(C1〜C4アルキル)又は(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基を表す]
上の式(III)のパラ-アミノフェノールのうち、挙げることができるのは、なかでも、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及びそれらの酸付加塩である。
- (IV)本発明の関連において酸化ベースとして使用されうるオルト-アミノフェノールは、具体的には、2-アミノフェノール、2-アミノ-1-ヒドロキシ-5-メチルベンゼン、2-アミノ-1-ヒドロキシ-6-メチルベンゼン、5-アセタミド-2-アミノフェノール及びそれらの酸付加塩から選択される。
- (V)本発明の染色用組成物中の酸化ベースとして使用されうる複素環ベースのうち、挙げることができるのは、なかでも、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体及びそれらの酸付加塩である。
ピリジン誘導体のうち、挙げることができるのは、なかでも、例えば英国特許第1026978号及び第1153196号に記載されている化合物、例えば2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン、3,4-ジアミノピリジン及びそれらの酸付加塩である。
ピリミジン誘導体のうち、挙げることができるのは、なかでも、例えば、独国特許第2359399号、特開88-169571、特開91-10659、又は特許出願公開WO96/15765に記載されている化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-ピリミジン、並びにピラゾロピリミジン誘導体、例えば、仏国特許第A-2750048号で挙げられているものであり、それらのうち挙げることができるのは、ピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;2,5-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン; 2,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オール; 3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-オール;2-(3-アミノ-ピラゾロ-[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール、2-(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール、2-[(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)-(2-ヒドロキシ-エチル)アミノ]-エタノール、2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3-イル)-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、5,6-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、2,6-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、2,5,N7,N7-テトラメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、3-アミノ-5-メチル-7-イミダゾリルプロピル-アミノピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン、それらの付加塩及びそれらの互変異性型(互変異性平衡が存在する場合)、並びにそれらの酸付加塩である。
ピラゾール誘導体のうち、挙げることができるのは、なかでも、独国特許第3843892号及び第4133957号、並びに特許出願WO94/08969、WO94/08970、仏国特許第A-2733749号及び独国特許第19543988号に記載されている化合物、例えば、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノ-ピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチル-ピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシ-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピル-ピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピル-ピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノ-ピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシ-エチル)アミノ-1-メチルピラゾール及びそれらの酸付加塩である。
酸化ベースとして使用されうる複素環ベースのうち、挙げることができるのは、なかでも、ジアミノピラゾロピラゾロン、特に2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H5H-[ピラゾロ1,2,a]ピラゾール-1-オン、並びに、これらのジアミノピラゾロピラゾロンの酸付加塩である。
カプラーは、酸化染色において従来知られているものから、好ましくは、メタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフトール、複素環カプラー及びそれらの酸付加塩からなる群から選択されうる酸化カプラーであってよい。
複素環カプラーは、インドール誘導体、インドリン誘導体、セサモール及びその誘導体、ピリジン誘導体、ピラゾロトリアゾール誘導体、ピラゾロン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾール、1,3-ベンゾジオキソール、キノリン並びにそれらの酸付加塩からなる群から選択されてよい。
これらのカプラーは、なかでも、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノフェノール、2-クロロ-3-アミノ-6-メチルフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、セサモール、1-アミノ-2-メトキシ-4,5-メチレン-ジオキシベンゼン、α-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、6-ヒドロキシ-インドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1-H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3,6-ジメチル-ピラゾロ[3,2-c]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール及びそれらの酸付加塩から選択される。
一般に、酸化ベース及びカプラーの酸付加塩は、具体的には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩から選択される。
酸化染料(酸化ベース及び/又はカプラー)の量は、本発明に従った方法によって調製されることになる組成物の総質量に対して、0.001質量%以上の量にあってよく、及び、例えば、0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%を含有してよい。
(直接染料)
直接染料は、その色を発色するために酸化剤の使用を必要としない、着色された物質を意味する。
直接染料は、天然の直接染料又は合成の直接染料であってよい。
表現「天然の直接染料」は、天然に発生し、及び任意選択で灰又はアンモニア等の天然の化合物の存在下で植物マトリックスから抽出すること(及び任意選択で精製すること)によって生成される、任意の染料又は染料前駆体を意味すると理解される。
天然の直接染料として、キノン染料(例えばローソン及びユグロン)、アリザリン、プルプリン、ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ等のインジゴイド、モロコシ、イサチン、ベタニン、クルクミノイド(例えばクルクミン)、スピヌロシン、種々のタイプの葉緑素及びクロロフィリン、ヘマトキシリン、ヘマテイン、ブラジレイン、ブラジリン、ベニバナ染料(例えばカルタミン)、フラボノイド(例えばルチン、クエルセチン、カテキン、エピカテキン、モリン、アピゲニジン及びビャクダン)、アントシアン(例えばアピゲニニジン及びアピゲニジン)、カロテノイド、タンニン、オルセイン、サンタリン及びコチニールカルミンを挙げることができる。
天然の直接染料を含有する抽出物又は煎剤も使用されてもよく、具体的には、ヘナ系抽出物、ウコン(curcuma longa)抽出物、モロコシ葉鞘抽出物、アカミノキ(haematoxylon campechianum)抽出物、緑茶抽出物、松樹皮抽出物、ココア抽出物及びログウッド抽出物である。
天然の直接染料が、クルクミノイド、サンタリン、クロロフィリン、ヘマトキシリン、ヘマテイン、ブラジレイン、ブラジリン、モロコシ、ラッカイン酸、ローソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴイド、イサチン、スピヌロシン、アピゲニジン、オルセイン、ベタニン、フラボノイド、アントシアン、及びこれらの化合物を含有する抽出物又は煎剤からなる群から選択されることが好ましい。
或いは、天然の直接染料は、好ましくは、例えば、水酸化されたキノン、インジゴイド、ヒドロキシフラボン、サンタリンA及びB、イサチン及びその誘導体、並びにブラジリン及びその水酸化された誘導体から選択されうる。
水酸化されたキノンは、好ましくは、ベンゾキノン、ナフトキノン、及びモノ-又はポリヒドロキシル化されたアントラキノンであり、これらは、アルキル、アルコキシ、アルケニル、クロロ、フェニル、ヒドロキシアルキル及びカルボキシル等の基で任意選択で置換されている。
ナフトキノンは、好ましくは、ローソン、ユグロン、フラビオリン、ナフタザリン、ナフトプルプリン、ラパコール、プルムバジン、クロロプルムバジン、ドロセロン、シコニン、2-ヒドロキシ-3-メチル-1,4-ナフトキノン、3,5-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2,5-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2-メトキシ-5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン及び3-メトキシ-5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンである。
ベンゾキノンは、好ましくは、スピヌロシン、アトロメンチン、オーレンチオグリオクラジン、2,5-ジヒドロキシ-6-メチルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-6-メトキシベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシ-3,6-ジフェニルベンゾキノン、2,3-ジメチル-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾキノン及び2,5-ジヒドロキシ-6-イソプロピルベンゾキノンである。
アントラキノンは、好ましくは、アリザリン、キニザリン、プルプリン、カルミン酸、クリソファノール、ケルメス酸、レイン、アロエエモジン、シュードプルプリン、キニザリンカルボン酸、フラングラエモジン、2-メチルキニザリン、1-ヒドロキシアントラキノン及び2-ヒドロキシアントラキノンである。
インジゴイドは、好ましくは、インジゴ、インジルビン、イソインジゴ及びティリアンパープルである。
ヒドロキシフラボンは、好ましくは、クエルセチン及びモリンである。
表現「合成の直接染料」は、化学的合成によって製造された任意の染料又は染料前駆体を意味すると理解される。
イオンの性質の点で、合成の直接染料は、酸性(アニオン性)直接染料、塩基性(カチオン性)直接染料及び中性(非イオン性)直接染料からなる群から選択されてよく、これらは、直接染料の全ての可能な種類を包含しており、例えば、単独で又は混合物として、いわゆるニトロ染料、アゾのようなHC染料、メチン、カルボニル、アジン、ニトロ(ヘテロ)アリールのタイプ又はトリ(ヘテロ)アリールメタンの直接染料、ポルフィリン及びフタロシアニンである。酸性の直接染料は、それらの化学的構造中にアニオン性部分を有する。塩基性の直接染料は、それらの化学的構造中にカチオン性部分を有する。中性の直接染料は、非イオン性である。
より具体的には、アゾ染料は-N=N-官能基を含み、この官能基の2個の窒素原子は、環の中に同時に含まれることはない。しかしながら、配列-N=N-のうちの2個の窒素原子の一方が環の中に含まれることは排除されない。
メチンの系統群の染料は、より具体的には、>C=C<及び-N=C<から選択される少なくとも1つの配列を含む化合物であり、これらの配列の2個の原子は、環の中に同時に含まれることはない。しかしながら、これらの配列の窒素原子又は炭素原子の一方が環の中に含まれうることが指摘される。より具体的には、この系統群の染料は、以下のタイプの化合物から得られる:真性メチン(1つ又は複数の、上に挙げた-C=C-配列を含む);例えばアザカルボシアニン及びそれらの異性体、ジアザカルボシアニン及びそれらの異性体、テトラアザカルボシアニンを有するアゾメチン(1つ又は複数の、上に挙げた-C=N-配列を含む);モノ及びジアリールメタン;インドアミン(又はジフェニルアミン);インドフェノール;インドアニリン。
カルボニルの系統群の染料に関して、例えば、アクリドン、ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンズアントロン、アントラントロン、ピラントロン、ピラゾールアントロン、ピリミジノアントロン、フラバントロン、インダンスレン、フラボン、(イソ)ビオラントロン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、イソキノリノン、アントラピリドン、ピラゾロキナゾロン、ペリノン、キナクリドン、キノフタロン、ナフタルイミド、アントラピリミジン、ジケトピロロピロール又はクマリンから選択される合成染料を挙げることができる。
環式アジンの系統群の染料に関して、具体的には、アジン、キサンテン、チオキサンテン、フルオリンジン、アクリジン、(ジ)オキサジン、(ジ)チアジン及びピロニンの染料を挙げることができる。
ニトロ(ヘテロ)芳香族の染料は、より具体的には、ニトロベンゼン又はニトロピリジンの直接染料である。
ポルフィリン又はフタロシアニンのタイプの染料に関して、1種又は複数種の金属又は金属イオン、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、亜鉛及びケイ素を任意選択で含む、カチオン性又は非カチオン性の化合物を使用してよい。
特に好適である合成の直接染料の例として、単独で又は混合物として、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン又はメチン直接染料、アザカルボシアニン、例えばテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン)、キノン、特にアントラキノン、ナフトキノン若しくはベンゾキノン直接染料、又はアジン、キサンテン、トリアリールメタン、インドアミン、フタロシアニン及びポルフィリンの直接染料を挙げることができる。更により好ましくは、これらの合成の直接染料は、単独で又は混合物として、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン又はメチンの直接染料及びテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン)から選択される。
本発明に従って使用されうる、アゾ、アゾメチン、メチン又はテトラアザペンタメチンの直接染料のうち、特許出願のWO95/15144、WO95/01772、並びに欧州特許出願公開第714954号、仏国特許第2189006号、第2285851号、第2140205号、欧州特許第1378544号及び第1674073号に記載されているカチオン性染料を挙げることができる。
そのため、以下の式に相当するカチオン性直接染料を挙げることができる:
[式中、
Dは、窒素原子又は-CH基を表し、
R1及びR2は、同一であり又は異なり、水素原子;-CN、-OH若しくは-NH2基で置換されうる、又はベンゼン環の炭素原子と共に、1つ若しくは複数のC1〜C4アルキル基で置換されうる任意選択で酸素を含む又は窒素を含む複素環を形成することができる、C1〜C4アルキル基;又は4'-アミノフェニル基を表し、
R3及びR'3は、同一であり又は異なり、水素原子;塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素から選択されるハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基若しくはアセチルオキシ基を表し、
X-は、塩化物イオン、メチル硫酸イオン及びメチル酢酸イオンから好ましくは選択されるアニオンを表し、
Aは、以下の構造式から選択される基を表し、
(式中、
R4は、ヒドロキシル基で置換されうるC1〜C4アルキル基を表す)]
[式中、
R5は、水素原子、C1〜C4アルコキシ基又はハロゲン原子、例えば、臭素、塩素、ヨウ素又はフッ素を表し、
R6は、水素原子若しくはC1〜C4アルキル基を表し、又はベンゼン環中の炭素原子と共に、酸素を任意選択で含んでいる及び/又は1つ又は複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されている、複素環を形成し、
R7は、水素原子又はハロゲン原子、例えば、臭素、塩素、ヨウ素若しくはフッ素を表し、
D1及びD2は、同一であり又は異なり、窒素原子又は-CH基を表し、
m=0又は1であり、
X-は、塩化物イオン、メチル硫酸イオン及びメチル酢酸イオンから好ましくは選択される、美容上の使用に許容されるアニオンを表し、
Eは、以下の構造式から選択される基を表し、
(式中、R'は、C1〜C4アルキル基を表す)
m=0であり、D1が窒素原子を表すとき、Eもまた、以下の構造式を有する基を表す
(式中、
R'は、C1〜C4アルキル基を表す)]。
合成直接染料は、蛍光染料から選択されてよい。2種以上の種類の蛍光染料が、組合せで使用されうる。
幾つかの蛍光染料の使用は、暗色の毛髪上に、従来技術の親水性又は疎水性の直接染料よりも見えやすい色を得ることを可能にすることがある。更に、これらの蛍光染料はまた、暗色の毛髪へ適用されたとき、毛髪を損傷することなく毛髪を明色化することも可能にすることがある。
本明細書で使用されるとき、用語「蛍光染料」は、蛍光化合物及び光学的光沢剤を意味すると理解される。少なくとも1つの実施形態において、蛍光染料は、組成物の媒体に溶解性である。
蛍光染料は、可視的放射、例えば400〜800nmの範囲の波長を吸収する、及び可視領域にある光をより高い波長で再発光することができる、蛍光化合物である。
一実施形態によれば、本発明にとって有用な蛍光染料は、オレンジ色の蛍光を再発光する。それらは、例として、500〜700nmの範囲の最大再発光波長を呈する。
蛍光染料の非限定的な例には、当技術分野で既知の化合物が挙げられ、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、2004年に発刊、第7版、「Fluorescent Dyes」の章に記載されているものである。
本開示の光学的光沢剤(「光沢剤」又は「蛍光光沢剤(fluorescent brighteners)」又は「蛍光光沢剤(fluorescent brightening agents)」又は「FWA」又は「蛍光白色剤(fluorescent whitening agents)」又は「白色剤」又は「蛍光白色剤(fluorescent whiteners)」の名称でも知られる)は、無色の透明な化合物であり、その理由は、それらが、可視光においては吸収せずに、紫外線の光(200〜400ナノメートルの範囲の波長)においてのみ吸収して、吸収されたエネルギーを、スペクトルの可視部分(一般に青色及び/又は緑色、つまり400〜550ナノメートルの範囲の波長にある)において発光される、波長の高い蛍光へと転換するためである。
光学的光沢剤は、当技術分野で既知であり、例えばそれらは、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry(2002年)、「Optical Brighteners」及びKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology(1995年):「Fluorescent Whitening Agents」に記載されている。
本開示の組成物中で使用されうる蛍光染料には、当技術分野で既知である化合物が挙げられ、例えば仏国特許第2830189号に記載のものである。
特に挙げることができる溶解性の蛍光化合物には、以下の系統群に属するものが含まれる:ナフタリミド、クマリン、キサンテン、特定するとキサンテノジキノリジン及びアザキサンテン;ナフトラクタム;アズラクトン;オキサジン;チアジン;ジオキサジン;アゾ化合物;アゾメチン;メチン;ピラジン;スチルベン;ケトピロール;ピレン。
存在する場合、蛍光染料が好ましく、より特定すると、オレンジ色の蛍光を再発光するものが好ましい。
一実施形態によれば、直接染料が酸性の直接染料から選択されることが好ましい。アニオン性の直接染料は、それらの、アルカリ性物質との親和性ゆえに、「酸性の直接染料」として一般に知られる(例えば「Industrial Dyes, Chemistry, Properties, Application」、Klaus Hunger Ed.、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co KGaA、Weinheim、2003年を参照されたい)。アニオン性染料又は酸性染料は、文献において既知である(例えば「Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Azo Dyes、2005年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、Weinheim 10.1002/14356007.a03 245, point 3.2;ibid、Textile Auxiliaries、2002年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、Weinheim 10.1002/14356007.a26 227、及び「Ashford's Dictionary of Industrial Chemicals」、第2版、14〜39頁、2001年を参照されたい)。
用語「アニオン性の直接染料」は、その構造中に、少なくとも1つのスルホン酸基SO3 -及び/又は少なくとも1つのカルボキシル酸基C(O)O-及び/又は少なくとも1つのリン酸基P(=O)O-O-、並びに任意選択で1つ又は複数のアニオン性基G-[式中、G-は、同一であっても異なっていてもよく、アルコキシドO-、チオアルコキシドS-、ホスホン酸イオン、カルボン酸イオン及びチオカルボキシル酸イオン:C(Q)Q'-(式中、Q及びQ'は、同一であっても異なっていてもよく、酸素原子又は硫黄原子を表す)から選択されるアニオン性基を表し、好ましくはG-は、カルボン酸イオンを表し、即ちQ及びQ'は酸素原子を表す]を含む、任意の直接染料を意味する。
本発明の配合物の好ましいアニオン性染料は、酸性ニトロ直接染料、酸性アゾ染料、酸性アジン染料、酸性トリアリールメタン染料、酸性インドアミン染料、酸性アントラキノン染料、アニオン性スチリル染料、及びインジゴイド、並びに酸性の天然染料から選択され;これらの染料のそれぞれは、カチオン性対イオンX+(式中、X+は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、例えばNa+及びK+から選択される有機又は無機カチオン性対イオンを表す)を保持する、少なくとも1つのスルホン酸基、ホスホン酸基又はカルボン酸基を含む。
好ましい酸染料は、以下の染料から選択されてよい。
式(II)又は(II')のジアリールアニオン性アゾ染料:
[式(II)及び(II')中、
・R7、R8、R9、R10、R'7、R'8、R'9及びR'10は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は以下から選択される基を表し、
- アルキル
- アルコキシ、アルキルチオ
- ヒドロキシル、メルカプト
- ニトロ
- R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-[式中、R°は、水素原子又はアルキル基若しくはアリール基を表し;X、X'及びX''は、同一であっても異なっていてもよく、酸素原子若しくは硫黄原子、又はNR(式中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す)を表す]
- 先に定義した(O)2S(O-)-,X+
- 先に定義した(O)CO--,X+
- 先に定義した(O)P(O2 -)-,2X+
- R''-S(O)2-[式中、R''は、水素原子、又はアルキル、アリール、(ジ)(アルキル)アミノ又はアリール(アルキル)アミノ基;好ましくはフェニルアミノ又はフェニル基を表す]
- R'''-S(O)2-X'-(式中、R'''は、アルキル基、又は任意選択で置換されているアリール基を表し、X'は、先に定義したものである)
- (ジ)(アルキル)アミノ
- i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-,X+、及びiv)X+を有するアルコキシ、から選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノ
- 任意選択で置換されているヘテロアリール、好ましくはベンゾチアゾリル基
- シクロアルキル、特にシクロヘキシル
- Ar-N=N-[式中、Arは、任意選択で置換されているアリール基、好ましくは1つ又は複数のアルキル、(O)2S(O-)-,X+、又はフェニルアミノ基で任意選択で置換されているフェニルを表す]
- 或いは2つの隣接した基R7とR8、又はR8とR9、又はR9とR10は、一緒に縮合ベンゾ基A'を形成し;R'7とR'8、又はR'8とR'9、又はR'9とR'10は、一緒に縮合ベンゾ基B'を形成し;ここでA'及びB'は、i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-,X+、iv)ヒドロキシル、v)メルカプト、vi)(ジ)(アルキル)アミノ、vii)R°-C(X)-X'-、viii)R°-X'-C(X)-、ix)R°-X'-C(X)-X''-、x)Ar-N=N-、及びxi)任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノ、から選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されており;ここでX+、R°、X、X'、X''及びArは、先に定義したものである
・Wは、シグマ結合σ、酸素原子若しくは硫黄原子、又は二価基i)-NR-(式中、Rは先に定義したものである)、若しくはii)メチレン-C(Ra)(Rb)-(式中、Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はアリール基を表す)を表し、或いはRa及びRbは、それらを保持する炭素原子と一緒にスピロシクロアルキルを形成し;好ましくはWは、硫黄原子を表し、又はRa及びRbは、一緒にシクロヘキシルを形成する]
式(II)及び(II')が、環A、A'、B、B'又はCのうちの1つの上に、少なくとも1つの、スルホン酸基(O)2S(O-)-,X+、又はホスホン酸基(O)P(O2 -)2X+、又はカルボン酸基(O)C(O-)-,X+(式中、X+は、先に定義したものである)を含むことが理解される。
式(II)の染料の例として、Acid Red 1、Acid Red 4、Acid Red 13、Acid Red 14、Acid Red 18、Acid Red 27、Acid Red 32、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 37、Acid Red 40、Acid Red 41、Acid Red 42、Acid Red 44、Acid Red 68、Acid Red 73、Acid Red 135、Acid Red 138、Acid Red 184、Food Red 1、Food Red 13、Food Red 17、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 19、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Acid Yellow 9、Acid Yellow 36、Acid Yellow 199、Food Yellow 3;Acid Violet 7、Acid Violet 14、Acid Blue 113、Acid Blue 117、Acid Black 1、Acid Brown 4、Acid Brown 20、Acid Black 26、Acid Black 52、Food Black 1、Food Black 2、Pigment Red 57を挙げることができ、式(II')の染料の例として、Acid Red 111、Acid Red 134、Acid Yellow 38を挙げることができる。
式(III)及び(III')のアントラキノン染料:
[式(III)及び(III')中、
・R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子若しくはハロゲン原子、又は以下から選択される基を表し、
- アルキル
- ヒドロキシル、メルカプト
- アルコキシ、アルキルチオ
- アルキル及び(O)2S(O-)-,X+(式中、X+は先に定義したものである)から選択される1つ又は複数の基で好ましくは任意選択で置換されているアリールオキシ又はアリールチオ
- アルキル及び(O)2S(O-)-,X+(式中、X+は先に定義したものである)から選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノ
- (ジ)(アルキル)アミノ
- (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ
- (O)2S(O-)-,X+(式中、X+は先に定義したものである)
・Z'は、水素原子又はNR28R29基[式中、R28及びR29は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は、以下から選択される基を表し、
- アルキル
- ポリヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシエチル
- 1つ又は複数の基で任意選択で置換されているアリール、具体的にはi)アルキル、例えばメチル、n-ドデシル、n-ブチル、ii)(O)2S(O-)-,X+(式中、X+は、先に定義したものである)、iii)R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(式中、R°、X、X'及びX''は、先に定義したものであり、好ましくはR°はアルキル基を表す)
- シクロアルキル、特にシクロヘキシル]
・Zは、ヒドロキシル及びNR'28R'29(式中、R'28及びR'29は、同一であっても異なっていてもよく、同じ原子又は先に定義したR28基及びR29基を表す)から選択される基を表す]
式(III)及び(III')が、少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-,X+(式中、X+は、先に定義したものである)を含むことが理解される。
式(III)の染料の例として、Acid Blue 25、Acid Blue 43、Acid Blue 62、Acid Blue 78、Acid Blue 129、Acid Blue 138、Acid Blue 140、Acid Blue 251、Acid Green 25、Acid Green 41、Acid Violet 42、Acid Violet 43、Mordant Red 3;EXT Violet 2を挙げることができ、式(III')の染料の例として、Acid Black 48を挙げることができる。
式(IV)の、キノリンをベースとする染料:
[式(IV)中、
・R61は、水素原子若しくはハロゲン原子、又はアルキル基を表し、
・R62、R63及びR64は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は-(O)2S(O-),X+基(式中、X+は、先に定義したものである)を表し、
・或いは、R61とR62、又はR61とR64は、一緒に、1つ又は複数の(O)2S(O-)-,X+(式中、X+は、先に定義したものである)で任意選択で置換されているベンゾ基を形成し、
・Gは、酸素原子若しくは硫黄原子、又はNRe基(式中、Reは、水素原子又はアルキル基を表す)を表し、特定するとGは、酸素原子を表す]
式(IV)が、少なくとも1種のスルホン酸基(O)2S(O-)-,X+(式中、X+は、先に定義したものである)を含むことが理解される。
式(IV)の染料の例として、Acid Yellow 2、Acid Yellow 3及びAcid Yellow 5を挙げることができる。
式(V)及び(V')のピラゾロンアニオン性アゾ染料:
[式(V)及び(V')中、
・R11、R12及びR13は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子若しくはハロゲン原子、アルキル基又は-(O)2S(O-),X+(式中、X+は、先に定義したものである)を表し、
・R14は、水素原子、アルキル基、-C(O)O-,X+基、又はホスホン酸基(O)P(O2 -)-,2X+(式中、X+は、先に定義したものである)を表し、
・R15は、水素原子を表し、
・R16は、オキソ基を表し、この事例においてR'16は不在であり、或いはR15とR16は一緒に、二重結合を形成し、
・R17及びR18は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は以下から選択される基を表し、
- (O)2S(O-)-,X+(式中、X+は、先に定義した通りである)
- Ar-O-S(O)2-(式中、Arは、任意選択で置換されているアリール基を表し、優先的には、1つ又は複数のアルキル基で任意選択で置換されているフェニルを表す)
・R19及びR20は、一緒に、二重結合か、又は任意選択で置換されているベンゾ基D'のいずれかを形成し、
・R'16、R'19及びR'20は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又はアルキル基若しくはヒドロキシル基を表し、
・R21は、水素原子、又はアルキル基若しくはアルコキシ基を表し、
・Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、先に定義したものであり、優先的にはRaは水素原子を表してRbはアリール基を表し、
・Yは、ヒドロキシル基又はオキソ基のいずれかを表し、
は、Yがオゾ基であるときに単結合を表し、Yがヒドロキシル基を表すときに二重結合を表す]
式(V)及び(V')が、環D又はEのうちの1つの上に少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-,X+を含み、又は式(V)及び(V')が、環D又はEのうちの1つの上に少なくとも1つのカルボン酸基(O)C(O-)-,X+を含み、又は式(V)及び(V')が、環D又はEのうちの1つの上にホスホン酸基(O)P(O2 -)-,2X+を含み、それぞれの式中、X+は、先に定義したものであり;優先的には、環D又はEのうちの1つの上に少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-,X+を含むことが理解される。
式(V)の染料の例として、Acid Red 195、Acid Yellow 23、Acid Yellow 27、Acid Yellow 76に由来する塩を挙げることができ、式(V')の染料の例として、Acid Yellow 17に由来するアンモニウム塩を挙げることができる。
直接染料が、酸性の直接染料から、例えばRed 227(Acid Red 33)、Yellow 4(Acid Yellow 23)、Orange 205(Acid Orange 7)、Purple 401(Acid Violet 43)及びBlack 401(Acid Black 1)から選択されることが好ましい。
直接染料の量は、本発明の方法によって調製されることになる組成物の総質量に対して、0.001〜5質量%、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%の範囲でありうる。
(酸化剤)
酸化剤は、過酸化水素、過酸化塩、及び加水分解によって過酸化水素を生成することができる化合物から選択されうる。例えば、酸化剤は、過酸化水素水溶液、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩及びフェリシアン化物、並びに過ホウ酸塩及び過硫酸塩等の過酸塩から選択されうる。例えばラッカーゼ、ペルオキシダーゼ及び2-電子オキシドレダクターゼ、例えばウリカーゼから選択される少なくとも1種のオキシダーゼ酵素もまた、それらのそれぞれの供与体又は補助因子の存在下において適切なところで、酸化剤として使用されうる。
一実施形態において、酸化剤は、過酸化水素、例えば過酸化水素水溶液である。
過酸化水素の濃度は、酸化剤の総質量に対して、0.15〜12質量%、例えば0.6〜9質量%の範囲でありうる。加水分解によって過酸化水素を形成することができる化合物の濃度は、酸化剤の総質量に対して0.1〜25質量%の範囲でありうる。
一実施形態では、酸化剤が過酸化水素水溶液であるとき、酸化剤は、少なくとも1種の過酸化水素安定剤を含有してもよく、それは、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のピロリン酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のスズ酸塩、フェナセチン、並びに酸とオキシキノリンとの塩、例えば硫酸オキシキノリンから選択されうる。別の実施形態において、少なくとも1種のピロリン酸塩と任意選択で組み合わせた少なくとも1種のスズ酸塩が使用される。
サリチル酸及びその塩、ピリジンジカルボン酸及びその塩、並びにパラセタモールを使用してもよい。
酸化剤中で、過酸化水素安定剤の濃度は、酸化剤の総質量に対して、0.0001〜5質量%、例えば0.01〜2質量%の範囲でありうる。
過酸化水素水溶液を含む酸化剤中で、過酸化水素の、少なくとも1種の安定剤に対する濃度比は、0.05:1〜1000:1、例えば0.1:1〜500:1、更に例えば1:1〜200:1の範囲でありうる。
酸化剤は、本発明のために使用される組成物中に存在してよく、又は酸化組成物の形態として、独立してケラチン繊維へ適用されてよい。
酸化剤の量は、本発明の方法に従って調製されることになる組成物の総質量に対して、0.0001〜10質量%、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲でありうる。
(アルカリ化剤)
アルカリ化剤は、無機アルカリ化剤であってよい。無機アルカリ化剤が、アンモニア;アルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物;アルカリ金属リン酸塩及びリン酸一水素塩、例えばリン酸ナトリウム又はリン酸一水素ナトリウム;アンモニウム水酸化物;及び重炭酸アンモニウムからなる群から選択されることが好ましい。
無機アルカリ金属水酸化物の例として、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを挙げることができる。アルカリ土類金属水酸化物の例として、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムを挙げることができる。無機アルカリ化剤として、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム及び重炭酸アンモニウムが好ましい。
アルカリ化剤は、有機アルカリ化剤であってよい。有機アルカリ化剤が、モノアミン及びその誘導体;ジアミン及びその誘導体;ポリアミン及びその誘導体;塩基性アミノ酸及びその誘導体;塩基性アミノ酸及びその誘導体のオリゴマー;塩基性アミノ酸及びその誘導体のポリマー;尿素及びその誘導体;並びにグアニジン及びその誘導体からなる群から選択されることが好ましい。
有機アルカリ化剤の例として、モノ、ジ及びトリエタノールアミン並びにイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;尿素、グアニジン及びそれらの誘導体;リシン、オルニチン又はアルギニン等の塩基性アミノ酸;並びに以下の構造式:
(式中、
Rは、ヒドロキシル基又はC1〜C4アルキル基によって任意選択で置換されているプロピレン等のアルキレンを表し、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表し、これには1,3-プロパンジアミン及びその誘導体を例示することができる)
で説明されているもの等のジアミンがある。アルギニン、尿素及びモノエタノールアミンが好ましい。
アルカリ化剤の濃度は、本発明の方法に従って調製されることになる組成物の総質量に対して、0.1〜30質量%、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%の範囲でありうる。
(水)
本発明の組成物は、水を含む。
水の量は、限定されず、本発明の方法に従って調製されることになる美容組成物の総質量に対して、30〜80質量%、好ましくは40〜70質量%、より好ましくは50〜60質量%でありうる。
(方法)
本発明の、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物を調製する方法は、いわゆるD相乳化に基づく。
本発明の方法は、
(1)(a)少なくとも1種の界面活性剤と、(b)少なくとも1種の油と、(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、(d)少なくとも1種のポリオールと、水とを混合することによって界面活性剤(detergent)中油[O/D]型エマルションを調製する工程と、
(2)工程(1)によって得たO/D型エマルションへ水を加えて水中油[O/W]型エマルションを調製する工程と、
(3)工程(2)によって得たO/W型エマルションへ、(e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分を加える工程と
を含む。
本発明の方法における各工程を以下に説明する。
工程(1)は、(a)少なくとも1種の界面活性剤と、(b)少なくとも1種の油と、(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、(d)少なくとも1種のポリオールと、水とを混合することによって、界面活性剤(detergent)中油[O/D]型エマルションを調製する工程である。O/D型エマルション中の連続相は、(a)界面活性剤と、(d)ポリオールと、水とを含む。
上記の成分(a)から(d)を、水と混合する前に予混合することが好ましい。
工程(1)で使用される水の量は、本発明の方法に従って調製されることになる組成物中に含まれることになる水の総量のうちの比較的小さい部分である。工程(1)で使用される水の量は、本発明の方法に従って調製されることになる組成物中に含まれることになる水の総量に対して、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%でありうる。
工程(1)は、室温(25℃)から昇温(例えば50〜90℃、好ましくは60〜85℃、より好ましくは70〜80℃)の範囲の温度で実施されうる。
工程(1)で使用される成分(a)から(d)並びに水の温度は、室温(25℃)から昇温(例えば50〜90℃、好ましくは60〜85℃、より好ましくは70〜80℃)の範囲の温度に調節されうる。
界面活性剤(detergent)中油[O/D]型エマルションは、好ましくは、透明で粘性のある液体、例えばゲルの形態にある。
工程(2)は、工程(1)によって得たO/D型エマルションへ水を加えて水中油[O/W]型エマルションを調製する工程である。
O/D型エマルション中の連続相は、O/W型エマルションを形成するために、工程(2)において水で置き換えられる。O/W型エマルションは、透明な液体の形態、又はクリーム等のペースト状の形態にあってよい。
工程(2)で使用される水の量は、本発明の方法に従って調製されることになる組成物中に含まれることになる水の総量のうちの大きい部分である。例えば、工程(2)で使用される水は、本発明の方法に従って調製されることになる組成物中に含まれることになる水の総量から、工程(1)で使用される水の量を引いた後に残っている水とすることができる。工程(2)で使用される水の量は、本発明の方法に従って調製されることになる組成物に含まれることになる水の総質量の、80〜99.99質量%、好ましくは85〜99.9質量%、より好ましくは90〜99質量%でありうる。
工程(2)は、室温(25℃)から昇温(例えば50〜90℃、好ましくは60〜85℃、より好ましくは70〜80℃)の範囲の温度で実施されうる。
工程(2)で使用される水の温度は、室温(25℃)から昇温(例えば50〜90℃、好ましくは60〜85℃、より好ましくは70〜80℃)の範囲の温度に調節されうる。
工程(3)は、工程(2)によって得たO/W型エマルションへ、上記の成分(e)を加える工程である。成分(e)は、工程(2)からのO/W型エマルションに、ケラチン繊維に任意の種類の美容効果をもたらす能力を付与することができる。
混合物又はエマルションが、工程(1)から(3)において、混合物又はエマルションを均一にするために、混合、撹拌(stirring)又は撹拌(agitating)によって均質にされることが好ましい。
D相乳化により、極めて微細な分散相、即ち油滴を含むO/W型エマルションを調製することが可能になる。そのため、極めて微細な油滴を含むO/W型エマルションの形態にある美容組成物は、上記の、本発明の方法によって製造されうる。
工程(1)から(3)は、通常の又は従来の、エマルションを調製するための装置で実施されうる。そのため、本発明の方法を実施するために、特別な装置は必要ない。したがって、本発明の方法は、経済的に実施されうる。
したがって、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物は、本発明の方法によって調製されうる。
[組成物]
次に、本発明の組成物を以下に説明する。
本発明の組成物は、上で説明した本発明の方法によって調製される、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物である。
本発明の組成物は、ケラチン繊維の美容処置、例えば、カラーリング、ブリーチ、直毛化、パーマネントウェーブ及びコンディショングのために使用されうる。
本発明の組成物が、毛髪用のカラーリング製品又はブリーチ製品であることが好ましい。
本発明はまた、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための、O/W型エマルションの形態にある安定な美容組成物にも関し、これは、D相乳化によって好ましくは調製されてもよく、該組成物は、
(a)少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(b)少なくとも1種の油と、
(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、
(d)少なくとも1種のポリオールと、
(e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分と、
(f)水と
を含み、
ここで、
該エマルション中の油滴の最頻粒径は、7μm未満であり、
(d)ポリオールの量は、組成物の総質量に対して5質量%以上である。
本発明の方法のための成分(a)から(e)及び水に関する上記の説明は、それぞれ、本発明の上記の美容組成物中の成分(a)から(e)にも当てはめることができる。
本発明のエマルション中の油滴の最頻粒径は、体積の点での最頻粒径又は直径を意味し、これは、組成物の顕微鏡画像によって求められうる。油滴の粒径分布は、好ましくは単峰型である。
油滴の最頻粒径は、7μm未満であり、好ましくは5μm未満であり、より好ましくは3μm未満である。油滴の最頻粒径は、10nm以上であってよく、好ましくは20nm以上であってよく、更により好ましくは30nm以上であってよい。そのため、油滴の最頻粒径が、10nmから7μm未満、好ましくは20nmから5μm未満、より好ましくは30nmから3μm未満であってよい。
(a)界面活性剤/(d)ポリオールの質量比が、1.5以下、好ましくは1.2以下、より好ましくは1以下であることが好ましい。
(c)飽和脂肪族アルコール/(b)油の質量比が、0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上であって、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.2以下、更により好ましくは2.0以下であると求めることによって、好適な粘性を有するクリーム状組成物を得ることが好ましい。
本発明の美容組成物中の(d)ポリオールの量は、組成物の総質量に対して、8質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上でありうる。本発明の美容組成物中の(d)ポリオールの量は、組成物の総質量に対して、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下でありうる。そのため、(d)ポリオールの量が、組成物の総質量に対して、5〜40質量%、好ましくは8〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%の範囲でありうる。
本発明の美容組成物が、毛髪の明色化又はブリーチのために使用される場合、(d)ポリオールの量が、組成物の総質量に対して5〜10質量%であることが好ましい。
本発明の美容組成物はまた、美容組成物中で一般的である、他の、有効量の成分を含んでよく、例えば通常の各種アジュバント、ビタミンC等のビタミン、抗エージング剤、白色剤、抗脂性皮膚剤、EDTA及びペンテト酸五ナトリウム等のキレート剤、UV遮断剤、ビタミンC及びメタ重亜硫酸ナトリウム等の抗酸化剤、フェノキシエタノール等の保存剤、ビタミン又はプロビタミン、例としては、ペンタノール、透明化剤、芳香剤、植物抽出物、カチオン性ポリマー等である。
本発明の組成物は、少なくとも1種の有機溶媒を更に含んでよい。そのため、有機溶媒は、好ましくは水混和性又は水溶性である。有機溶媒として、例えばC1〜C4アルカノール、例えばエタノール及びイソプロパノール;芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール及びフェノキシエタノール;類似の製品;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
有機溶媒は、組成物の総質量に対して、20質量%未満、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の範囲の量で存在しうる。本発明の美容組成物中の有機溶媒の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上でありうる。そのため、有機溶媒の量が、組成物の総質量に対して、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲でありうる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1〜7及び比較例1)
(調製)
実施例1〜7及び比較例1による、表1に示す以下の組成物を、表1に示す成分を以下の通り混合して調製した。
(実施例1〜7)
工程1:セテアリルアルコール、鉱物油、セテアレス-33、ステアレス-20、ステアリン酸グリセリル及びポリオールの成分(グリセリン、ジグリセリン、プロピレグリコール、ブチレングリコール及びソルビトールから選択する)を、ガラス製ビーカーに入れ、80℃の水浴中で加熱した。全ての材料が溶解したら、該混合物中へ、組成物の総質量に対して5質量%の量にある予加熱した水を80℃で緩やかに撹拌しながら加えた。こうして、不透明な混合物を、透明で粘性のある液体に変換した。
工程2:次に、該混合物中へ、残っている水を加え、80℃で10分乳化した。次いで、該混合物を冷却して温度40℃未満へ下げた。ペンテト酸五ナトリウム、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムを水に予溶解し、上記混合物中へ加えた。最後に、エタノールアミンを該混合物中に入れ、撹拌して該混合物を均質にした。
(比較例1)
上記の工程1及び工程2は、ポリオール成分を使用しないという条件で実施した。
表1に示す成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
(評価)
実施例1〜7及び比較例1によって得たO/W型エマルションの、工程1の終了時における混合物の態様、エマルションの粒径、エマルションの安定性及びエマルションの粘性を、以下の通り測定して評価した。結果を表1に示す。
(1)工程1における態様
工程1の終了時における混合物の態様を、目視の観察に基づき、以下の評価基準で評価した。
(2)エマルションの粒径
得られたO/W型エマルションを、顕微鏡(Olympus BX51、DIC mode×400)で観察し、油滴の最頻粒径を顕微鏡画像から測定した。測定した最頻値に基づき、エマルションを、以下の評価基準で評価した。
(3)エマルションの安定性
得られたO/W型エマルションの安定性を、45℃のインキュベータ中での加速試験によって調べた。該エマルションを、顕微鏡の観察により、以下の評価基準で評価した。
(4)エマルションの粘性
得られたO/W型エマルションの粘性を、RM180 Rheomat(Rheometric Scientific、mode No. 4)により、室温(25℃)で測定した。測定した粘度に基づき、該エマルションを、以下の評価基準で評価した。
表1から、ポリオール成分を含むエマルションは、ポリオールを含まないエマルションよりも、油滴のサイズが小さく、適当な粘性を有することが明らかである。
(実施例8〜10及び比較例2〜4)
(調製)
実施例8〜10及び比較例2〜4による、表2に示す以下の組成物を、表2に示す成分を以下の通り混合して調製した。
(実施例8〜10)
工程1:セテアリルアルコール、鉱物油、セテアレス-33、ステアレス-20、ステアリン酸グリセリル、グリセリン及びブチレングリコールを、ガラス製ビーカーに入れ、80℃の水浴中で加熱した。全ての材料が溶解したら、該混合物中へ、組成物の総質量に対して5質量%の量にある予加熱した水を80℃で緩やかに撹拌しながら加えた。こうして、不透明な混合物を、透明で粘性のある液体に変換した。
工程2:次に、該混合物中へ、残っている水を加え、80℃で10分乳化した。次いで、該混合物を冷却して温度40℃未満へ下げた。ペンテト酸五ナトリウム、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムを水に予溶解し、上記混合物中へ加えた。最後に、エタノールアミンを該混合物中に入れ、撹拌して該混合物を均質にした。
(比較例2〜4)
上記の工程1及び工程2は、油成分を、表2で示すものとは変えるという条件で実施した。
表2に示す成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
(評価)
実施例8〜10及び比較例2〜4によって得たO/W型エマルションの、工程1の終了時における混合物の態様、エマルションの粒径、エマルションの安定性及びエマルションの粘性を、上で説明した通り測定して評価した。結果を表2に示す。
表2から、飽和脂肪族アルコール(セテアリルアルコール)を含むエマルションは、飽和脂肪族アルコールを含まないエマルションよりも、安定であり、適当な粘性を有することが明らかである。
(実施例11A)
(調製)
実施例11Aによる以下の組成物を、表3に示す成分を以下の通り混合して調製した。
工程1:セテアリルアルコール、鉱物油、セテアレス-33、ステアレス-20、ステアリン酸グリセリル、グリセリン及びブチレングリコールを、ガラス製ビーカーに入れ、80℃の水浴中で加熱した。全ての材料が溶解したら、該混合物中へ、組成物の総質量に対して5質量%の量にある予加熱した水を80℃で緩やかに撹拌しながら加えた。こうして、不透明な混合物を、透明で粘性のある液体に変換した。
工程2:次に、該混合物中へ、残っている水を加え、80℃で10分乳化した。次いで、該混合物を冷却して温度40℃未満へ下げた。染料、EDTA、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムを水に予溶解して上記混合物中へ加えた。最後に、エタノールアミン、水酸化アンモニウム及び重炭酸アンモニウムを該混合物中に入れ、撹拌して該混合物を均質にした。
表3に示す成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
(評価)
実施例11Aによって得たO/W型エマルションの、工程1の終了時における混合物の態様、エマルションの安定性及びエマルションの粘性を、上で説明した通り測定して評価した。結果を表3に示す。
(実施例11B)
(調製)
実施例11Bによる以下の組成物を、表4に示す成分を以下の通り混合して調製した。
工程1:セテアリルアルコール、鉱物油、セテアレス-33、ステアレス-20、ステアリン酸グリセリル、グリセリン及びブチレングリコールを、ガラス製ビーカーに入れ、80℃の水浴中で加熱した。全ての材料が溶解したら、該混合物中へ、組成物の総質量に対して5質量%の量にある予加熱した水を80℃で緩やかに撹拌しながら加えた。こうして、不透明な混合物を、透明で粘性のある液体に変換した。
工程2:次に、該混合物中へ、残っている水を加え、80℃で10分乳化した。次いで、該混合物を冷却して温度40℃未満へ下げた。染料、ベンジルアルコール及びエタノールを水に予溶解させ、上記混合物中へ加え、撹拌して該混合物を均質にした。最後に、こうして得たO/W型エマルションのpHを、乳酸を加えることによって2.5に調整した。
表4に示す成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
(評価)
実施例11Bによって得たO/W型エマルションの、工程1の終了時における混合物の態様、エマルションの安定性及びエマルションの粘性を、上で説明した通り測定し評価した。結果を表4に示す。
表3及び表4から、本発明のエマルションは、該エマルションが酸化染料又は直接染料並びに有機溶媒を含むときでさえ、良好な安定性及び粘性を有することが明らかである。
(実施例12〜14)
(調製)
実施例12〜14による、表5に示す以下の組成物を、表5に示す成分を以下の通り混合して調製した。
工程1:セテアリルアルコール、鉱物油、セテアレス-33、ステアレス-20、ステアリン酸グリセリル、グリセリン及びブチレングリコールを、ガラス製ビーカーに入れ、80℃の水浴中で加熱した。全ての材料が溶解したら、該混合物中へ、組成物の総質量に対して5質量%の量にある予加熱した水を80℃で緩やかに撹拌しながら加えた。こうして、不透明な混合物を、透明で粘性のある液体に変換した。
工程2:次に、該混合物中へ、残っている水を加え、80℃で10分乳化した。次いで、該混合物を冷却して温度40℃未満へ下げた。EDTA、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムを水に予溶解させ、上記混合物中へ加えた。次いで、アルカリ化剤(エタノールアミン、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸カリウム及びメタ重亜硫酸ナトリウムから選択する)を、該混合物中に入れた。最後に、ポリクオタニウム-6を該混合物へ加え、撹拌して該混合物を均質にした。
表5に示す成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
(評価)
実施例12〜14によって得たO/W型エマルションの、エマルションの安定性及びエマルションの粘性を、上で説明した通り測定して評価した。結果を表5に示す。
加えて、実施例12〜14による組成物の、毛髪の明色化効果及びコンディショニング効果、並びに刺激臭を、以下の通り評価した。結果を表6に示す。
(5)毛髪の明色化効果
得られた各O/W型エマルションを、以下の表に示す組成物を有する顕色剤 (A)と混合し(混合質量比1:1.5)、こうして得た混合物を、日本人のヘアメッシュ上へ適用した。
該ヘアメッシュを27℃で30分放置した後、ヘアメッシュを濯ぎ、シャンプーし、乾燥させた。元の染色していないヘアメッシュと、染色したヘアメッシュとのそれぞれの色を、KONICA MINOLTA SPECTROPHOTOMETER CM-3600dにより測定し、元の染色していないヘアメッシュと染色したヘアメッシュの間の色の変化(ΔE*ab)を、以下の評価基準で評価した。
(6)毛髪のコンディショニング効果
得られた各O/W型エマルションを、上の表に示す組成物を有する顕色剤 (A)と混合し(混合質量比1:1.5)、こうして得た混合物(3g)を、白人の、穏やかにブリーチしたヘアメッシュ(1g)へ適用し、27℃で30分放置した。該メッシュを濯ぎ、シャンプーし、乾燥させた後、ヘアメッシュの触感を、5名のパネリストが、以下の評価基準で評価した。
(7)刺激臭
得られた各O/W型エマルションを、上の表に示す組成物を有する顕色剤 (A)と混合し(混合質量比1:1.5)、該混合物の上15cmでの刺激臭について、8名のパネリストが、以下の評価基準に基づく5点の尺度でスコアを付けた。
該混合物を、8名のパネリストが、以下の評価基準に基づく平均スコアにより評価した。
表5及び表6から、本発明のエマルションは、該エマルションがアンモニア、アンモニウム塩、アルカノールアミン及び無機アルカリ化剤を含むときでさえ、良好な安定性及び粘性を有すること、及び本発明のエマルションは、刺激臭なしに、良好な毛髪の明色化効果及びコンディショニング効果を有することが明らかである。
(実施例15〜17)
(調製)
実施例15〜17による、表7に示す以下の組成物を、表7に示す成分を以下の通り混合して調製した。
工程1:セテアリルアルコール、鉱物油、セテアレス-33、ステアレス-20、ステアリン酸グリセリル、グリセリン及びブチレングリコールを、ガラス製ビーカーに入れ、80℃の水浴中で加熱した。全ての材料が溶解したら、該混合物中へ、組成物の総質量に対して5質量%の量にある予加熱した水を80℃で緩やかに撹拌しながら加えた。こうして、不透明な混合物を、透明で粘性のある液体に変換した。
工程2:次に、該混合物中へ、残っている水を加え、80℃で10分乳化した。次いで、該混合物を冷却して温度40℃未満へ下げた。EDTA、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムを水に予溶解させ、上記混合物中へ加えた。最後に、エタノールアミンを該混合物に入れ、撹拌して該混合物を均質にした。
表7に示す成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
(評価)
実施例15〜17によって得たO/W型エマルションの、エマルションの安定性及びエマルションの粘性を、上で説明した通り測定し評価した。結果を表7に示す。加えて、実施例15〜17による組成物の、毛髪の明色化効果及びコンディショニング効果もまた、上に説明した通り評価した。結果を表8に示す。
表7及び表8から、本発明のエマルションは、該エマルション中のポリオールの量がエマルションの総質量に対して10質量%以下であるときに、より良好な毛髪の明色化効果を示しうることが明らかである。
(実施例18〜20)
実施例18〜20による、表9に示す以下の組成物を、表9に示す成分を以下の通り混合して調製した。表9に示す成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
(実施例18)
(調製)
工程1:セテアリルアルコール、鉱物油、セテアレス-33、ステアレス-20、ステアリン酸グリセリル、グリセリン及びブチレングリコールを、ガラス製ビーカーに入れ、80℃の水浴中で加熱した。全ての材料が溶解したら、該混合物中へ、組成物の総質量に対して5質量%の量にある予加熱した水を80℃で緩やかに撹拌しながら加えた。こうして、不透明な混合物を、透明で粘性のある液体に変換した。
工程2:次に、該混合物中へ、残っている水を加え、80℃で10分乳化した。次いで、該混合物を冷却して温度40℃未満へ下げた。EDTA、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムを水に予溶解させ、上記混合物中へ加えた。次いで、エタノールアミン、水酸化アンモニウム及び重炭酸アンモニウムを、該混合物中に入れた。最後に、ポリクオタニウム-6を該混合物へ加え、撹拌して該混合物を均質にした。
(実施例19)
(調製)
工程1:(実施例18の工程1と同じ)
工程2:次に、該混合物中へ、残っている水を加え、80℃で10分乳化した。次いで、該混合物を冷却して温度40℃未満へ下げた。染料、EDTA、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムを水に予溶解させ、上記混合物中へ加えた。最後に、エタノールアミン、水酸化アンモニウム及び重炭酸アンモニウムを該混合物中に入れ、撹拌して該混合物を均質にした。
(実施例20)
(調製)
工程1:(参考例18の工程1と同じ)
工程2:次に、該混合物中へ、残っている水を加え、80℃で10分乳化した。次いで、該混合物を冷却して温度40℃未満へ下げた。水に予溶解させた染料、ベンジルアルコール及びエタノールを上記混合物中へ加え、撹拌して該混合物を均質にした。最後に、こうして得たO/W型エマルションのpHを、乳酸を加えることによって2.5に調整した。
(参考例1〜3)
参考例1〜3による以下の組成物を、それぞれ、実施例18〜20のための、表9に示す成分を以下の通り混合して調製した。
(調製)
(参考例1)
工程1:セテアレス-33、ステアレス-20、ステアリン酸グリセリル、グリセリン及びブチレングリコールを80℃で水に溶解し、次いで予加熱したセテアリルアルコール及び鉱物油を加えた。こうして得た混合物を、80℃で10分、強力な機械的撹拌によって乳化した。次に、該混合物を冷却して40℃未満へ下げた。
工程2:次に、EDTA、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムを水に予溶解させ、工程1によって得た混合物中へ加えた。次いで、エタノールアミン、水酸化アンモニウム及び重炭酸アンモニウムを該混合物中に入れ、撹拌して該混合物を均質にした。最後に、ポリクオタニウム-6を該混合物へ加え、撹拌して該混合物を均質にした。
(参考例2)
工程1:(参考例1の工程1と同じ)
工程2:次に、染料、EDTA、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムを水に予溶解させ、工程1によって得た混合物中へ加えた。最後に、エタノールアミン、水酸化アンモニウム及び重炭酸アンモニウムを該混合物中に入れ、撹拌して該混合物を均質にした。
(参考例3)
工程1:(参考例1の工程1と同じ)
工程2:次に、工程1によって得た混合物中へ、水に予溶解させた染料、ベンジルアルコール及びエタノールを加え、撹拌して該混合物を均質にした。最後に、こうして得たO/W型エマルションのpHを、乳酸を加えることによって2.5に調整した。
実施例18〜20を、D相乳化方法を通じて調製し、参考例1〜3を、従来技術の機械的乳化方法によって調製した。実施例18〜20及び参考例1〜3は、それぞれ、組成物に関しては同一である。
(評価)
(8)エマルションの粒径
実施例18及び参考例1による各O/W型エマルション中の、エマルションの粒径を、上で説明した通り測定した。実施例18中のエマルションの粒径は1μm未満であり、一方、参考例1中の該粒径は7μm超であった。
図1A及び図1Bは、それぞれ、実施例18及び参考例1によるO/W型エマルションの顕微鏡画像を示す。図1A及び図1Bは、実施例18によって調製したエマルション中の、エマルションの粒径及び油滴の分布と、参考例1のそれらとが、明らかに異なることを示している。D相乳化方法によって調製したエマルションは、均質な粒子分布を伴った極めて微細な粒子を有し、一方、機械的乳化方法によって調製したエマルションは、エマルションの粒径のサイズが、より大きくてまちまちである。
(9)毛髪のコンディショニング効果
実施例19及び20、並びに参考例2及び3による、各O/W型エマルションの、毛髪のコンディショニング効果を、以下の通り測定し評価した。
実施例19及び参考例2による各O/W型エマルションを、上の表に示す組成物を有する顕色剤(A)と混合し(混合質量比1:1.5)、こうして得た混合物(3g)を、白人の、穏やかにブリーチしたヘアメッシュ(1g)へ適用し、27℃で30分放置した。該メッシュを濯ぎ、シャンプーし、乾燥させた後、ヘアメッシュの毛髪表面の摩擦係数を、Friction tester KES-SE(カトーテック株式会社、1mm/sec、N=4)により測定した。結果を図2に示す。
図2は、実施例19による組成物で処置したヘアメッシュの摩擦係数が、参考例2による組成物で処置したものよりも有意に小さいことを示し、このことは、美容効果(毛髪の滑らかさ)が改善したことを示唆している。
実施例20及び参考例3による各O/W型エマルション(3g)を、白人の、穏やかにブリーチしたヘアメッシュ(1g)へ適用し、27℃で10分放置した。該メッシュを濯ぎ、乾燥させた後、ヘアメッシュの毛髪表面の摩擦係数を、Friction tester KES-SE(カトーテック株式会社、1mm/sec、N=4)により測定した。結果を図3に示す。
図3は、実施例20による組成物で処置したヘアメッシュの摩擦係数が、参考例3による組成物で処置したものよりも有意に小さいことを示し、このことは、美容効果(毛髪の滑らかさ)が改善したことを示唆している。

Claims (15)

  1. ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物を調製する方法であって、
    (1)(a)少なくとも1種の界面活性剤と、(b)少なくとも1種の油と、(c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、(d)少なくとも1種のポリオールと、水とを混合することによって界面活性剤(detergent)中油[O/D]型エマルションを調製する工程と、
    (2)工程(1)によって得たO/D型エマルションへ水を加えて水中油[O/W]型エマルションを調製する工程と、
    (3)工程(2)によって得たO/W型エマルションへ、(e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分を加える工程と
    を含む、方法。
  2. (a)界面活性剤が、非イオン性界面活性剤から選択され、10超のオキシエチレン単位を有するオキシエチレン化脂肪族アルコール、グリセロールの脂肪酸エステル、及びそれらの混合物から好ましくは選択される、請求項1に記載の方法。
  3. (a)界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して、0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. (b)油が、炭化水素油から、好ましくは鉱物油から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. (b)油の量が、組成物の総質量に対して、0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. (c)飽和脂肪族アルコールが、C6〜C 20直鎖状又は分枝状のアルコールからなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. (c)飽和脂肪族アルコールの量が、組成物の総質量に対して、0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. (d)ポリオールが、グリセリン、ブチレングリコール、ジグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (d)ポリオールの量が、組成物の総質量に対して、0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. (e)ケラチン繊維のための美容活性成分が、酸化染料、直接染料、酸化剤、アルカリ化剤及びそれらの混合物から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に規定の方法によって調製される、ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための美容組成物。
  12. 毛髪の、カラーリング製品又はブリーチ製品である、請求項11に記載の組成物。
  13. ケラチン繊維のための、好ましくは毛髪のための、O/W型エマルションの形態にある安定な美容組成物であって、
    (a)少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
    (b)少なくとも1種の油と、
    (c)少なくとも1種の飽和脂肪族アルコールと、
    (d)少なくとも1種のポリオールと、
    (e)少なくとも1種の、ケラチン繊維のための美容活性成分と、
    (f)水と
    を含み、
    ここで、
    前記エマルション中の油滴の最頻粒径が、7μm未満であり、
    (d)ポリオールの量が、組成物の総質量に対して5質量%以上である、
    組成物。
  14. (a)界面活性剤/(d)ポリオールの質量比が1.5以下である、請求項13に記載の組成物。
  15. (c)飽和脂肪族アルコール/(b)油の質量比が0.5以上である、請求項13又は14に記載の組成物。
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