JP2018052841A - ケラチン繊維を染色するための組成物 - Google Patents

ケラチン繊維を染色するための組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018052841A
JP2018052841A JP2016189366A JP2016189366A JP2018052841A JP 2018052841 A JP2018052841 A JP 2018052841A JP 2016189366 A JP2016189366 A JP 2016189366A JP 2016189366 A JP2016189366 A JP 2016189366A JP 2018052841 A JP2018052841 A JP 2018052841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
alkyl
acid
composition according
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016189366A
Other languages
English (en)
Inventor
絵里 樋口
Eri Higuchi
絵里 樋口
北野 聡
Satoshi Kitano
聡 北野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LOreal SA
Original Assignee
LOreal SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LOreal SA filed Critical LOreal SA
Priority to JP2016189366A priority Critical patent/JP2018052841A/ja
Publication of JP2018052841A publication Critical patent/JP2018052841A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】直接染料を使用し、且つ十分な色強度及びコンディショニング効果をケラチン繊維に付与することができる、ケラチン繊維を染色するための組成物を提供すること。【解決手段】本発明は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するための、好ましくはO/Wエマルションの形態の組成物であって、(a)少なくとも1種の直接染料と、(b)少なくとも1種の脂肪物質と、(c)少なくとも1種の、ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤と、(d)水とを含む、組成物に関する。本発明による組成物は、十分な色強度及びコンディショニング効果をケラチン繊維に付与することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ケラチン繊維を染色するための、特に少なくとも1種の直接染料によりケラチン繊維を染色するための組成物、及びそれを使用する方法に関する。
酸化性塩基と一般に呼ばれる酸化着色前駆体、例えばオルト-又はパラ-フェニレンジアミン、オルト-又はパラ-アミノフェノール及び複素環式化合物を含有する染色組成物によりケラチン繊維、特にヒト毛髪を染色することは公知である。これらの酸化ベースは、一般に、カプラーと組み合わされる。これらのベース及びこれらのカプラーは、無色又は薄く着色された化合物であり、酸化性製品と組み合わされて、酸化縮合プロセスを介して着色化合物を生じることができる。
酸化によるこのタイプの着色は、非常に高い視認性で、白髪を被覆する能力を有し、多様な色調における色を得ることを可能にするが、酸化剤及びアルカリ剤の使用に起因して(特に、反復塗布又は他の毛髪処置との組合せによって)、ケラチン繊維に対するダメージをもたらす。
他方で、直接染料を含有する染色組成物によりケラチン繊維、特にヒト毛髪を染色することも公知である。従来の直接染料は、特に以下のものである:硝酸ベンゼン、アントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、キサンチン、アクリジン、アジン、及びトリアリールメタンタイプ又は天然着色料。
直接染料を使用する毛髪着色は、酸化染料を使用する毛髪着色に対して、アレルギーの問題をほとんど生じず、毛髪に対するダメージを引き起こさず、鮮明な色の視認性を与えるという利点を有する。
WO95/15144 WO95/01772 EP714954 FR2189006 FR2285851 FR-2140205 EP1378544 EP1674073 仏国特許第2830189号 米国特許第2,528,378号 米国特許第2,781,354号 米国特許第4,874,554号 米国特許第4,137,180号 US-A-5364633 US-A-5411744 EP-A-337354 仏国特許第2270846号 仏国特許第2383660号 仏国特許第2598611号 仏国特許第2470596号 仏国特許第2519863号 仏国特許第2505348号 仏国特許第2542997号 EP-A-080976 仏国特許第2077143号 仏国特許第2393573号 仏国特許第1492597号 米国特許4131576号 米国特許第3589578号 米国特許第4031307号 仏国特許第2162025号 仏国特許第2280361号 仏国特許第2252840号 仏国特許第2368508号 仏国特許第1583363号 米国特許第3227615号 米国特許第2961347号 仏国特許第2080759号 仏国追加特許第2190406号 仏国特許第2320330号 仏国特許第2316271号 仏国特許第2336434号 仏国特許第2413907号 米国特許第2273780号 米国特許第2375853号 米国特許第2388614号 米国特許第2454547号 米国特許第3206462号 米国特許第2261002号 米国特許第2271378号 米国特許第3874870号 米国特許第4001432号 米国特許第3929990号 米国特許第3966904号 米国特許第4005193号 米国特許第4025617号 米国特許第4025627号 米国特許第4025653号 米国特許第4026945号 米国特許第4027020号 米国特許第4157388号 米国特許第4702906号 米国特許第4719282号 EP-A-122324
Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、2004年出版、第7版、「Fluorescent Dyes」章 Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry(2002年)、「Optical Brighteners」 Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology(1995年):「Fluorescent Whitening Agents」 「Industrial Dyes, Chemistry, Properties, Application」、Klaus Hunger編、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co KGaA社、Weinheim、2003年 「Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Azo Dyes、2005年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a03 245、point 3.2 「Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Textile Auxiliaries、2002年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a26 227 「Ashford's Dictionary of Industrial Chemicals」、第2版、14頁〜39頁、2001年 CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook、第15版、2014年 CTFA dictionary、第3版、1982年 CTFA dictionary、第5版、1993年 CTFA、1997年 「Handbook of Surfactants」、M. R. Porter著、Blackie & Son出版社(Glasgow及びLondon)、1991年、116〜178頁
しかしながら、直接染料によって付与される色強度は、不十分である場合がある。更に、十分な毛髪コンディショニング効果を有する直接染料をベースとする毛髪着色製品を提供することが必要とされている。
本発明の目的は、直接染料を使用し、且つ十分な色強度及びコンディショニング効果をケラチン繊維に付与することができる、ケラチン繊維を染色するための組成物を提供することである。
上記の目的は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するための、好ましくはO/Wエマルションの形態の組成物であって、
(a)少なくとも1種の直接染料と、
(b)少なくとも1種の脂肪物質と、
(c)少なくとも1種の、ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤と、
(d)水と
を含み、
(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して2.0質量%未満、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である、
組成物によって達成することができる。
(a)直接染料は、酸性直接染料、塩基性直接染料及び中性直接染料からなる群から、好ましくは酸性直接染料から選択することができる。
(a)直接染料は、後に示す化学式(II)及び(II')、(III)及び(III')、並びに(IV)による化合物から選択することができる。
(a)直接染料の量は、組成物の総質量に対して0.001質量%から5質量%、好ましくは0.01質量%から3質量%、より好ましくは0.05質量%から1質量%の範囲であってよい。
(b)脂肪物質は、脂肪アルコールから選択することができる。
(b)脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して1質量%から30質量%、好ましくは3質量%から20質量%、より好ましくは5質量%から10質量%の範囲であってよい。
ジアニオン性アミノ酸界面活性剤は、グルタメート、N-アシル化グルタメート、アスパルテート、N-アシル化アスパルテート、及びそれらの塩からなる群から選択することができる。
(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であることができる。
(d)水の量は、組成物の総質量に対して50質量%から99質量%、好ましくは60質量%から95質量%、より好ましくは70質量%から90質量%の範囲であることができる。
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の、(b)脂肪物質以外のアルコールを更に含んでもよい。
本発明による組成物は、(f)少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を更に含んでもよい。
本発明による組成物は、(g)少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を更に含んでもよい。
本発明による組成物のpHは、2から7、好ましくは2から5、より好ましくは2から4の範囲であることができる。
本発明はまた、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するための方法であって、本発明による組成物をケラチン繊維に塗布する工程を含む、方法に関する。
鋭意検討の結果、本発明者等は、直接染料を含み、且つ十分な色強度及びコンディショニング効果をケラチン繊維に付与することができる、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するための、好ましくはO/Wエマルションの形態の組成物を提供することが可能であることを発見した。
したがって、好ましくはO/Wエマルションの形態の本発明による組成物は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色することを意図したものであり、
(a)少なくとも1種の直接染料と、
(b)少なくとも1種の脂肪物質と、
(c)少なくとも1種の、ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤と、
(d)水と
を含み、
(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して2.0質量%未満、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
本発明による組成物は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するために使用することができる。
本発明による組成物は、クリーム等の均一な様相を有することができる。したがって、本発明による組成物は、優れた生産性を有する。したがって、本発明による組成物は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪のための化粧用組成物として使用することができる。
本発明による組成物はまた、安定な着色効果、例えば、長時間持続する着色効果をケラチン繊維に付与することができる。
本発明による組成物は、(a)直接染料、好ましくは酸性直接染料をベースとし、且つ組成物中の(c)アニオン性界面活性剤が、天然に存在する物質をベースとすることにより、環境に優しく、皮膚及び頭皮に対して低刺激であることから、安全でありうる。
本発明による組成物がシリコーンを含む場合、組成物によって付与されるコンディショニング効果を更に改善することができる。本発明による組成物によって付与されるコンディショニング効果を更に改善するために、低粘度及び高粘度を有するシリコーン油の組合せを使用することが好ましい。
本発明による組成物がまた少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む場合、組成物によって付与される着色安定性を更に改善することができる。
本発明による組成物はまた、弾力のあるボリュームをケラチン繊維に付与することができる。これは、本発明による組成物に少なくとも1種のカチオン性ポリマーを添加することによって強化することができる。カチオン性ポリマーの添加はまた、本発明による組成物によって付与される色強度を更に保持することができる。
以下では、本発明による組成物を詳細に説明する。
[直接染料]
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の直接染料を含む。2種以上の直接染料を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの直接染料、又は異なるタイプの直接染料の組合せを使用することができる。
直接染料は、その色を発色するために酸化剤の使用を必要としない着色物質を意味する。
直接染料は、天然直接染料であっても合成直接染料であってもよい。
「天然直接染料」という表現は、天然に存在し、場合により天然化合物、例えば灰又はアンモニアの存在下で、植物基質又は昆虫等の動物からの抽出(及び場合により精製)によって製造される、任意の染料又は染料前駆体を意味すると理解される。
天然直接染料としては、キノン染料(例えばローソン及びジュグロン)、アリザリン、プルプリン、ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴイド、例えばインジゴ、ソルガム、イサチン、ベタニン、クルクミノイド(例えばクルクミン)、スピヌロシン、様々なタイプのクロロフィル及びクロロフィリン、ヘマトキシリン、ヘマテイン、ブラジレイン、ブラジリン、サフラワー染料(例えばカルタミン)、フラボノイド(例えばルチン、ケルセチン、カテキン、エピカテキン、モリン、アピゲニジン、及びビャクダン)、アントシアン(例えばアピゲニニジン及びアピゲニン)、カロテノイド、タンニン、オルセイン、サンタリン並びにコチニールカルミンを挙げることができる。
天然直接染料を含有する抽出物又は浸出液、特にヘンナベース抽出物、ウコン(curcuma longa)抽出物、ソルガム葉鞘抽出物、アカミノキ(haematoxylon campechianum)抽出物、緑茶抽出物、マツ樹皮抽出物、カカオ抽出物、及びログウッド抽出物を使用することも可能である。
天然直接染料は、クルクミノイド、サンタリン、クロロフィリン、ヘマトキシリン、ヘマテイン、ブラジレイン、ブラジリン、ソルガム、ラッカイン酸、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴイド、イサチン、スピヌロシン、アピゲニン、オルセイン、ベタニン、フラボノイド、アントシアン、及びこれらの化合物を含有する抽出物又は浸出液からなる群から選択されることが好ましい。
或いは、天然直接染料は、好ましくは、例えば、ヒドロキシル化キノン、インジゴイド、ヒドロキシフラボン、サンタリンA及びB、イサチン及びその誘導体、並びにブラジリン及びそのヒドロキシル化誘導体から選択することができる。
ヒドロキシル化キノンは、好ましくは、ベンゾキノン、ナフトキノン、及びモノ-又はポリヒドロキシル化アントラキノンであり、これらは、アルキル、アルコキシ、アルケニル、クロロ、フェニル、ヒドロキシアルキル及びカルボキシル等の基で場合により置換されている。
ナフトキノンは、好ましくは、ローソン、ジュグロン、フラビオリン、ナフタザリン、ナフトプルプリン、ラパコール、プルンバギン、クロロプルンバギン、ドロセロン、シコニン、2-ヒドロキシ-3-メチル-1,4-ナフトキノン、3,5-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2,5-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2-メトキシ-5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン及び3-メトキシ-5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンである。
ベンゾキノンは、好ましくは、スピヌロシン、アトロメンチン、オーレンチオグリオクラジン(aurentioglyocladin)、2,5-ジヒドロキシ-6-メチルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-6-メトキシベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシ-3,6-ジフェニルベンゾキノン、2,3-ジメチル-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾキノン及び2,5-ジヒドロキシ-6-イソプロピルベンゾキノンである。
アントラキノンは、好ましくは、アリザリン、キニザリン、プルプリン、カルミン酸、クリソファノール、ケルメス酸、レイン、アロエエモジン、プソイドプルプリン、キニザリンカルボン酸、フラングラエモジン、2-メチルキニザリン、1-ヒドロキシアントラキノン及び2-ヒドロキシアントラキノンである。
インジゴイドは、好ましくは、インジゴ、インジルビン、イソインジゴ及びチリアンパープルである。
ヒドロキシフラボンは、好ましくは、ケルセチン及びモリンである。
「合成直接染料」という表現は、化学合成によって製造される、任意の染料又は染料前駆体を意味すると理解される。
直接染料は、酸性(アニオン性)直接染料、塩基性(カチオン性)直接染料、及び中性(非イオン性)直接染料からなる群から選択することができる。
合成染料の非限定的な例には、単独の又は混合物としての、(非イオン性)中性、アニオン性(酸性)、及びカチオン性(塩基性)染料、例えばアゾ、メチン、カルボニル、アジン、ニトロ(ヘテロ)アリールタイプ又はトリ(ヘテロ)アリールメタン直接染料、ポルフィリン及びフタロシアニンが含まれる。
より特定すると、アゾ染料は、-N=N-官能基を含み、この官能基の2個の窒素原子は、1つの環に同時に含まれない。しかしながら、-N=N-配列の2個の窒素原子の一方が1つの環に含まれることは排除されない。
メチンファミリーの染料は、より特定すると、>C=C<及び-N=C<から選択される少なくとも1つの配列を含む化合物であり、>C=C<及び-N=C<の2つの原子は同時に1つの環に含まれない。しかしながら、配列の窒素又は炭素原子の一方が1つの環に含まれる得ることが規定される。より特定すると、このファミリーの染料は、以下のタイプの化合物から生じる:純粋なメチン(1つ又は複数の上述の-C=C-配列を含む);アゾメチン(少なくとも1つ又は複数の-C=N-配列を含む)、例えば、アザカルボシアニン及びそれらの異性体、ジアザカルボシアニン及びそれらの異性体、テトラアザカルボシアニン;モノ-及びジアリールメタン;インドアミン(又はジフェニルアミン);インドフェノール;インドアニリン。
カルボニルファミリーの染料に関しては、例えば、アクリドン、ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンズアントロン、アントラントロン(anthranthrone)、ピラントロン、ピラゾールアントロン、ピリミジノアントロン、フラバントロン、インダントロン、フラボン、(イソ)ビオラントロン、イソインドリノン、ベンゾイミダゾロン、イソキノリノン、アントラピリドン、ピラゾロキナゾロン、ペリノン、キナクリドン、キノフタロン、ナフタルイミド、アントラピリミジン、ジケトピロロピロール又はクマリン染料から選択される合成染料を挙げることができる。
環状アジンファミリーの染料に関しては、特に、アジン、キサンテン、チオキサンテン、フルオリンジン、アクリジン、(ジ)オキサジン、(ジ)チアジン又はピロニン染料を挙げることができる。
ニトロ(ヘテロ)芳香族染料は、より特定すると、ニトロベンゼン又はニトロピリジン直接染料である。
ポルフィリン又はフタロシアニンタイプの染料に関しては、1種又は複数の金属又は金属イオン、例えば、アルカリ及びアルカリ土類金属、亜鉛並びにケイ素等を場合により含む、カチオン性又は非カチオン性化合物を使用することができる。
特に好適な合成直接染料の例としては、単独の又は混合物としての、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン若しくはメチン直接染料、アザカルボシアニン、例えばテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン)、キノン、特にアントラキノン、ナフトキノン若しくはベンゾキノン直接染料、又はアジン、キサンテン、トリアリールメタン、インドアミン、フタロシアニン及びポルフィリン直接染料を挙げることができる。更に好ましくは、これらの合成直接染料は、単独の又は混合物としての、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン又はメチン直接染料及びテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン)から選択される。
本発明に従って使用することができるアゾ、アゾメチン、メチン又はテトラアザペンタメチン直接染料の中では、特許出願WO95/15144、WO95/01772及びEP714954;FR2189006、FR2285851、FR-2140205、EP1378544及びEP1674073に記載されているカチオン性染料を挙げることができる。
したがって、特に、以下の式に相当するカチオン性直接染料を挙げることができる:
Figure 2018052841
[式中、
Dは、窒素原子又は-CH基を表し、
R1及びR2は、同一であるか又は異なり、水素原子;-CN、-OH若しくは-NH2基で置換されていてもよく、又はベンゼン環の炭素原子と一緒になって、酸素若しくは窒素を場合により含み、1個若しくは複数のC1〜C4アルキル基で置換されていてもよい複素環を形成してもよい、C1〜C4アルキル基;又は4'-アミノフェニル基を表し、
R3及びR'3は、同一であるか又は異なり、水素原子、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素から選択されるハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基又はアセチルオキシ基を表し、
X-は、好ましくは塩化物イオン、メチル硫酸イオン及び酢酸イオンから選択されるアニオンを表し、
Aは、以下の構造:
Figure 2018052841
(式中、R4は、ヒドロキシル基で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基を表す)
から選択される基を表す];
Figure 2018052841
[式中、
R5は、水素原子、C1〜C4アルコキシ基、又はハロゲン原子、例えば臭素、塩素、ヨウ素若しくはフッ素を表し、
R6は、水素原子若しくはC1〜C4アルキル基を表すか、又はベンゼン環中の炭素原子と一緒になって、酸素を場合により含む、及び/若しくは1個若しくは複数のC1〜C4アルキル基で場合により置換されている複素環を形成し、
R7は、水素原子又はハロゲン原子、例えば臭素、塩素、ヨウ素若しくはフッ素を表し、
D1及びD2は、同一であるか又は異なり、窒素原子又は-CH基を表し、
m=0又は1であり、
X-は、好ましくは塩化物イオン、メチル硫酸イオン及び酢酸イオンから選択される化粧品として許容されるアニオンを表し、
Eは、以下の構造:
Figure 2018052841
(式中、R'は、C1〜C4アルキル基を表す)から選択される基を表し、
m=0であり、且つD1が窒素原子を表す場合、Eはまた、以下の構造:
Figure 2018052841
(式中、R'は、C1〜C4アルキル基を表す)
を有する基を示すことができる]。
合成直接染料は、蛍光染料から選択することができる。2種以上のタイプの蛍光染料を組み合わせて使用してもよい。
いくつかの蛍光染料の使用は、暗色の毛髪上に、従来の親水性又は疎水性の直接染料によるよりも視認性の高い色を得ることを可能にしうる。更に、これらの蛍光染料はまた、暗色の毛髪に塗布された場合、ダメージを与えることなく毛髪を明色化することを可能にしうる。
本明細書で使用する場合、「蛍光染料」という用語は、蛍光化合物及び光学的光沢剤を意味すると理解される。少なくとも1つの実施形態では、蛍光染料は、組成物の媒体に可溶性である。
蛍光染料は、可視放射、例えば400から800nmの範囲の波長を吸収し、より高い波長の可視領域で光を再放出することができる蛍光化合物である。
一実施形態によれば、本発明に有用な蛍光染料は、オレンジ色の蛍光を再放出する。それらは、例として、500から700nmの範囲の最大再放出波長を示す。
蛍光染料の非限定的な例には、当技術分野で公知の化合物、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、2004年出版、第7版、「Fluorescent Dyes」章に記載されているものが含まれる。
本開示の光学的光沢剤は、「光沢剤」、又は「蛍光光沢剤」、又は「蛍光光沢物質」、又は「FWA」、又は「蛍光増白物質」、又は「増白剤」、又は「蛍光増白剤」の名称でも知られており、無色透明の化合物であり、その理由は、それらは可視光では吸収せず、紫外光(200から400ナノメートルの範囲の波長)のみで吸収し、吸収されたエネルギーを、一般に青色及び/又は緑色のスペクトルの可視部分、つまり400から550ナノメートルの範囲の波長で放出される、より高い波長の蛍光に変換するからである。
光学的光沢剤は、当技術分野で公知であり、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry(2002年)、「Optical Brighteners」及びKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology(1995年):「Fluorescent Whitening Agents」に記載されている。
本開示の組成物中で使用することができる蛍光染料には、当技術分野から公知の化合物、例えば、仏国特許第2830189号に記載されているものが含まれる。
とりわけ挙げることができる可溶性蛍光化合物には、以下のファミリーに属するものが含まれる:ナフタルイミド、クマリン、キサンテン、特にキサンテノジキノリジン及びアザキサンテン;ナフトラクタム;アズラクトン;オキサジン;チアジン;ジオキサジン;アゾ化合物;アゾメチン;メチン;ピラジン;スチルベン;ケトピロール;並びにピレン。
存在する場合には、蛍光染料は、より特定すると、オレンジ色の蛍光を再放出するものが好ましい。
イオン性の観点から、(a)直接染料は、酸性直接染料、塩基性直接染料及び中性直接染料からなる群から選択することができ、これは、可能な全てのタイプの直接染料、例えばいわゆるニトロ染料及びHC染料を包含する。酸性直接染料は、その化学構造中に、アニオン性部分を有する。塩基性直接染料は、その化学構造中に、カチオン性部分を有する。中性直接染料は、非イオン性である。
一実施形態によれば、(a)直接染料は、酸性直接染料から選択されることが好ましい。
アニオン性直接染料は、アルカリ性物質とのその親和性のため、「酸性直接染料」として通常知られている(例えば、「Industrial Dyes, Chemistry, Properties, Application」、Klaus Hunger編、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co KGaA社、Weinheim、2003年を参照されたい)。アニオン性又は酸性染料は、文献で公知である(例えば、「Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Azo Dyes、2005年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a03 245、point 3.2、「Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、Textile Auxiliaries、2002年、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、Weinheim 10.1002/14356007.a26 227、及び「Ashford's Dictionary of Industrial Chemicals」、第2版、14頁〜39頁、2001年を参照されたい)。アニオン性又は酸性染料は、他の直接染料と比較して、皮膚刺激をあまり引き起こさない。
「アニオン性直接染料」という用語は、その構造中に、少なくとも1個のスルホネート基SO3 -及び/又は少なくとも1個のカルボキシレート基C(O)O-及び/又は少なくとも1個のホスホネート基P(=O)O-O-及び場合により1個又は複数のアニオン性基G-を含む任意の直接染料を意味し、G-は、同一であっても異なっていてもよく、アルコキシドO-、チオアルコキシドS-、ホスホネート、カルボキシレート及びチオカルボキシレート:C(Q)Q'-から選択されるアニオン性基を表し、Q及びQ'は、同一であっても異なっていてもよく、酸素又は硫黄原子を表し、好ましくは、G-は、カルボキシレートを表し、即ち、Q及びQ'は、酸素原子を表す。
本発明の配合物の好ましいアニオン性染料は、酸性ニトロ直接染料、酸性アゾ染料、酸性アジン染料、酸性トリアリールメタン染料、酸性インドアミン染料、酸性アントラキノン染料、アニオン性スチリル染料、及びインジゴイド並びに酸性天然染料から選択され、これらの染料のそれぞれは、カチオン性対イオンX+を有する少なくとも1個のスルホネート、ホスホネート又はカルボキシレート基を含有し、ここで、X+は、好ましくはアルカリ及びアルカリ土類金属から選択される有機又は無機のカチオン性対イオン、例えばNa+及びK+を表す。
好ましい酸性染料は、
a)式(II)又は(II')のジアリールアニオン性アゾ染料:
Figure 2018052841
[式(II)及び(II')中、
・R7、R8、R9、R10、R'7、R'8、R'9及びR'10は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
- アルキル、
- アルコキシ、アルキルチオ、
- ヒドロキシル、メルカプト、
- ニトロ、
- R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(R°は、水素原子又はアルキル若しくはアリール基を表し、X、X'及びX''は同一であっても異なっていてもよく、酸素若しくは硫黄原子を表す)、又はNR(Rは水素原子又はアルキル基を表す)、
- 先に規定した(O)2S(O-)-, X+
- 先に規定した(O)CO--, X+
- 先に規定した(O)P(O2 -)-, 2X+
- R''-S(O)2 (R''は、水素原子又はアルキル、アリール、(ジ)(アルキル)アミノ若しくはアリール(アルキル)アミノ基、好ましくはフェニルアミノ又はフェニル基を表す)、
- -R'''-S(O)2-X'-(R'''は、アルキル又は場合により置換されているアリール基を表し、X'は先に規定した通りである)、
- (ジ)(アルキル)アミノ、
- i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-, X+、及びiv)X+を伴うアルコキシから選択される1個又は複数の基で場合により置換されているアリール(アルキル)アミノ、
- 場合により置換されているヘテロアリール、好ましくはベンゾチアゾリル基、
- シクロアルキル、とりわけシクロヘキシル、
- Ar-N=N-(Arは、場合により置換されているアリール基、好ましくは、1個又は複数のアルキル、(O)2S(O-)-, X+又はフェニルアミノ基で場合により置換されているフェニルを表す)、
から選択される基を表すか、
- 或いは2個の隣接する基R7とR8、又はR8とR9、又はR9とR10 は、一緒になって、縮合ベンゾ基A'を形成し、R'7とR'8、又はR'8とR'9、又はR'9とR'10 は、一緒になって、縮合ベンゾ基B'を形成し、A'及びB'は、i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-, X+、iv)ヒドロキシル、v)メルカプト、vi)(ジ)(アルキル)アミノ、vii)R°-C(X)-X'-、viii)R°-X'-C(X)-、ix)R°-X'-C(X)-X''-、x)Ar-N=N-及びxi)場合により置換されているアリール(アルキル)アミノから選択される1個又は複数の基で場合により置換されており、X+、R°、X、X'、X''及びArは先に規定した通りであり、
・Wは、シグマ結合σ、酸素若しくは硫黄原子、又は二価の基i)-NR-(Rは、先に規定の通りである)若しくはii)メチレン-C(Ra)(Rb)-を表し、Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子若しくはアリール基を表すか、或いはRa及びRbは、それらを有する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルを形成し、好ましくは、Wは、硫黄原子を表すか、又はRa及びRbは、一緒になって、シクロヘキシルを形成し、
式(II)及び(II')は、少なくとも1個のスルホネート(O)2S(O-)-, X+又はホスホネート(O)P(O2 -) 2X+又はカルボキシレート(O)C(O-)-, X+基を、環A、A'、B、B'又はCの1つに含み、X+は、先に規定の通りであることが理解され、
式(II)の染料の例としては、Acid Red 1、Acid Red 4、Acid Red 13、Acid Red 14、Acid Red 18、Acid Red 27、Acid Red 32、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 37、Acid Red 40、Acid Red 41、Acid Red 42、Acid Red 44、Acid Red 68、Acid Red 73、Acid Red 135、Acid Red 138、Acid Red 184、Food Red 1、Food Red 13、Food Red 17、Acid Orange 4、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 19、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Acid Yellow 9、Acid Yellow 36、Acid Yellow 199、Food Yellow 3、Acid Violet 7、Acid Violet 14、Acid Blue 113、Acid Blue 117、Acid Black 1、Acid Brown 4、Acid Brown 20、Acid Black 26、Acid Black 52、Food Black 1、Food Black 2、Pigment Red 57を挙げることができ、
式(II')の染料の例としては、Acid Red 111、Acid Red 134、Acid Yellow 38を挙げることができる];
b)式(III)及び(III')のアントラキノン染料:
Figure 2018052841
[式(III)及び(III')中、
・R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、同一であっても異なっていてもよく、水素若しくはハロゲン原子又は
- アルキル、
- ヒドロキシル、メルカプト、
- アルコキシ、アルキルチオ、
- 場合により置換されている、好ましくはアルキル及び(O)2S(O-)-, X+(X+は、先に規定の通りである)から選択される1個又は複数の基で場合により置換されているアリールオキシ又はアリールチオ、
- アルキル及び (O)2S(O-)-, X+(X+は、先に規定の通りである)から選択される1個又は複数の基で場合により置換されているアリール(アルキル)アミノ、
- (ジ)(アルキル)アミノ、
- (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ、
- (O)2S(O-)-, X+(X+は、先に規定の通りである)
から選択される基を表し、
・Z'は、水素原子又は、NR28R29基を表し、R28及びR29は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
- アルキル、
- ポリヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシエチル、
- 1個又は複数の基、特にi)アルキル、例えばメチル、n-ドデシル、n-ブチル、ii)、(O)2S(O-)-, X+(X+は、先に規定の通りである)、iii) R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(R°、X、X'及びX''は、先に規定の通りであり、好ましくは、R°は、アルキル基を表す)で場合により置換されているアリール、
- シクロアルキル、とりわけシクロヘキシル
から選択される基を表し
・Zは、ヒドロキシル及びNR'28R'29から選択される基を表し、R'28及びR'29は、同一であっても異なっていてもよく、先に規定したR28及びR29と同じ原子又は基を表し、
式(III)及び(III')は、少なくとも1個のスルホネート基(O)2S(O-)-, X+を含み、X+は、先に規定の通りであることが理解され、
式(III)の染料の例としては、Acid Blue 25、Acid Blue 43、Acid Blue 62、Acid Blue 78、Acid Blue 129、Acid Blue 138、Acid Blue 140、Acid Blue 251、Acid Green 25、Acid Green 41、Acid Violet 42、Acid Violet 43、Mordant Red 3、EXT Violet 2を挙げることができ、
式(III')の染料の例としては、Acid Black 48を挙げることができる];
並びに
g)式(IV)のキノリンベース染料:
Figure 2018052841
[式(IV)中、
・R61は、水素若しくはハロゲン原子又はアルキル基を表し、
・R62、R63及びR64は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は (O)2S(O-)-, X+基を表し、X+は、先に規定の通りであるか、
・或いはR61とR62、又はR61とR64は、一緒になって、1個又は複数の(O)2S(O-)-, X+基で場合により置換されているベンゾ基を形成し、X+は、先に規定の通りであり、
・Gは、酸素若しくは硫黄原子又はNRe基を表し、Reは、水素原子又はアルキル基を表し、特に、Gは、酸素原子を表し、
式(IV)は、少なくとも1個のスルホネート基(O)2S(O-)-, X+を含み、X+は、先に規定の通りであることが理解され、
式(IV)の染料の例としては、Acid Yellow 2、Acid Yellow 3及びAcid Yellow 5を挙げることができる]
から選択することができる。
酸性直接染料は、Acid Black 1、Ex. Violet 2、Yellow 5、Acid Red 22及びOrange 4からなる群から選択されることが好ましい。
(a)直接染料の量は、本発明による組成物の総質量に対して5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下であってよく、ただし、(a)直接染料の量は、0ではないことを条件とする。(a)直接染料の量は、組成物の総質量に対して0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であることができる。
したがって、本発明による組成物中の(a)直接染料の量は、組成物の総質量に対して0.001質量%から5質量%、好ましくは0.01質量%から3質量%、より好ましくは0.05質量%から1質量%の範囲であることができる。
[脂肪物質]
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種の脂肪物質を含む。2種以上の脂肪物質を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの脂肪物質、又は異なるタイプの脂肪物質の組合せを使用することができる。
「脂肪物質」という用語は、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で水に不溶性(溶解度5質量%未満、好ましくは1質量%未満、更に優先的には0.1質量%未満)である有機化合物を意味する。脂肪物質は、その構造中に、少なくとも2個のシロキサン基の配列、又は少なくとも6個の炭素原子を含有する少なくとも1つの炭化水素系鎖を含有することができる。加えて、脂肪性物質は、同じ温度及び圧力条件下で、有機溶媒、例として、クロロホルム、エタノール、ベンゼン又はデカメチルシクロペンタシロキサンに可溶性であってもよい。
本発明の範囲では、(b)脂肪物質は、C2〜C3オキシアルキレン単位も、グリセロール化単位も、一切含まないことに留意する必要がある。
(b)脂肪物質は、液体又は固体の形態であってよい。本明細書において、「液体」及び「固体」は、脂肪物質が、大気圧(760mmHg又は105Pa)下室温(25℃)で、それぞれ液体若しくはペースト(非固体)又は固体の形態であることを意味する。(b)脂肪物質は、室温及び大気圧下で、ペースト又は固体の形態、好ましくは固体の形態の少なくとも1種の脂肪物質を含むことが好ましい。固体の形態の脂肪物質の例としては、例えば、脂肪アルコールを挙げることができる。脂肪物質は、室温及び大気圧下で、ペースト又は固体の形態、好ましくは固体の形態の少なくとも1種の脂肪物質と、液体の形態の少なくとも1種の脂肪物質とを含むことがより好ましい。
(b)脂肪物質は、動物又は植物起源の油、合成グリセリド、動物又は植物油及び合成グリセリド以外の脂肪アルコール及び/又は脂肪酸のエステル、脂肪アルコール、脂肪酸、シリコーン油、並びに脂肪族炭化水素からなる群から選択することができる。これらの脂肪物質は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。好ましくは、(b)脂肪物質は、動物又は植物起源の油、合成グリセリド、動物又は植物油及び合成グリセリド以外の脂肪エステル、脂肪アルコール、脂肪酸、シリコーン油、並びに脂肪族炭化水素からなる群から選択される。より好ましくは、(b)脂肪物質は、脂肪アルコールから選択される。
脂肪族炭化水素の例としては、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば鉱油(例えば、流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム、ナフタレン等;水添ポリイソブテン、イソエイコサン、ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばParleam、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
他の脂肪族炭化水素の例としては、直鎖状若しくは分枝状、又は場合によって環状のC6〜C16低級アルカンも挙げることができる。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、並びにイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン及びイソデカンが含まれる。
合成グリセリドの例としては、例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例としてStearineries Dubois社によって販売されているもの又はDynamit Nobel社によってMiglyol(登録商標)810、812及び818の名称で販売されているものを挙げることができる。
シリコーン油の例としては、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等;環状オルガノポリシロキサン、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等;及びそれらの混合物を挙げることができる。シリコーン油の粘度は、限定されないが、大気圧(760mmHg又は105Pa)下室温、例えば25℃で、1から300,000cst、好ましくは10から200,000cst、より好ましくは30から100,000cstであることができる。シリコーン油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
植物油の例としては、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、アンズ油、ダイズ油、アララ(arara)油、ヘーゼルナッツ油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、ブドウ種子油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナッツ油、及びそれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例としては、例えば、スクワレン、ペルヒドロスクワレン及びスクワランを挙げることができる。
有利には上述の動物又は植物油及び合成グリセリドとは異なる、脂肪酸及び/又は脂肪アルコールのエステルの例としては、とりわけ、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族モノ-又はポリアルコールとのエステルを挙げることができ、エステルの総炭素数は、10以上である。
モノエステルの中では、ベヘン酸ジヒドロアビエチル;ベヘン酸オクチルドデシル;ベヘン酸イソセチル;乳酸セチル;乳酸アルキル(C12〜C15);乳酸イソステアリル;乳酸ラウリル;乳酸リノレイル;乳酸オレイル;オクタン酸(イソ)ステアリル;オクタン酸イソセチル;オクタン酸オクチル;オクタン酸セチル;オレイン酸デシル;イソステアリン酸イソセチル;ラウリン酸イソセチル;ステアリン酸イソセチル;オクタン酸イソデシル;オレイン酸イソデシル;イソノナン酸イソノニル;パルミチン酸イソステアリル;リシノレイン酸メチルアセチル;ステアリン酸ミリスチル;イソノナン酸オクチル;イソノナン酸2-エチルヘキシル;パルミチン酸オクチル;ペラルゴン酸オクチル;ステアリン酸オクチル;エルカ酸オクチルドデシル;エルカ酸オレイル;パルミチン酸エチル及びパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル又はミリスチン酸ステアリル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシルを挙げることができる。
更にこの変形形態との関連において、C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC1〜C22アルコールとのエステル及びモノ-、ジ-又はトリカルボン酸とC2〜C26ジ-、トリ-、テトラ-又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルも使用することができる。
とりわけ、以下のものを挙げることができる:セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ジオクチル、ウンデシレン酸グリセリル、ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル、モノリシノレイン酸ペンタエリスリチル、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル、テトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、エルカ酸トリデシル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコール、及びジステアリン酸ポリエチレングリコール。
上述のエステルの中では、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル若しくはパルミチン酸ステアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチル若しくはミリスチン酸2-オクチルドデシル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、又はオクタン酸セチルを使用することが好ましい。
本組成物はまた、脂肪エステルとして、C6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを含んでもよい。「糖」という用語は、アルデヒド又はケトン官能基の有無にかかわらず、いくつかのアルコール官能基を含有し、少なくとも4個の炭素原子を含有する、酸素含有炭化水素系化合物を意味する。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖であってよい。
挙げることができる好適な糖の例には、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フルクトース、マルトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにそれらの誘導体、とりわけ、アルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例としてメチルグルコースが含まれる。
脂肪酸の糖エステルは、とりわけ、先に記載した糖と、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸とのエステル又はエステルの混合物を含む群から選択することができる。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1から3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
この変形形態によるエステルはまた、モノ-、ジ-、トリ-、テトラエステル及びポリエステル、並びにそれらの混合物から選択することができる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル及びアラキドン酸エステル、又はそれらの混合物、例えば、とりわけオレオ-パルミチン酸、オレオ-ステアリン酸及びパルミト-ステアリン酸の混合エステルから選択することができる。
モノエステル及びジエステル、とりわけスクロース、グルコース又はメチルグルコースのモノ-又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル及びオレオステアリン酸エステルを使用することがより特に好ましい。
挙げることができる例は、Amerchol社によってGlucate(登録商標)DOの名称で販売されている製品であり、これは、ジオレイン酸メチルグルコースである。
更に挙げることができる糖と脂肪酸とのエステル又はエステルの混合物の例には、以下のものが含まれる:
- Crodesta社によってF160、F140、F110、F90、F70及びSL40の名称で販売されている、それぞれ73%モノエステル及び27%ジエステル及びトリエステル、61%モノエステル及び39%ジエステル、トリエステル及びテトラエステル、52%モノエステル及び48%ジエステル、トリエステル及びテトラエステル、45%モノエステル及び55%ジエステル、トリエステル及びテトラエステル、39%モノエステル及び61%ジエステル、トリエステル及びテトラエステルから形成されるパルミトステアリン酸スクロース、並びにモノラウリン酸スクロースを示す製品、
- 例えばB370で参照され、20%モノエステル及び80%ジ-トリエステル-ポリエステルから形成されるベヘン酸スクロースに相当する、Ryoto Sugar Estersの名称で販売されている製品、
- Goldschmidt社によってTegosoft(登録商標)PSEの名称で販売されているモノ-ジパルミト-ステアリン酸スクロース。
脂肪物質は、少なくとも1種の脂肪酸であってよく、2種以上の脂肪酸を使用してもよい。脂肪酸は、酸性形態(即ち、石鹸を回避するため、塩化されていない)であるべきであり、飽和であっても不飽和であってもよく、6から30個の炭素原子、特に9から30個の炭素原子を含有し、特に1個又は複数のヒドロキシル基(特に1から4個)で場合により置換されている。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1から3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。それらは、より特定すると、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びイソステアリン酸から選択される。好ましくは、脂肪物質は、脂肪酸ではない。
脂肪物質は、少なくとも1種の脂肪アルコールであってよく、2種以上の脂肪アルコールを使用してもよい。
「脂肪アルコール」という用語は、本明細書において、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、任意のC8〜C30脂肪アルコールを意味し、これは、特に1個又は複数のヒドロキシル基(特に1から4個)で場合により置換されている。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1から3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
C8〜C30脂肪アルコールの中では、例えば、C12〜C22脂肪アルコールが使用される。これらの中では、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、リノレイルアルコール、ウンデシレニルアルコール、パルミトレイルアルコール、リノレニルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキドニルアルコール及びエルシルアルコール、並びにそれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、セチルアルコール、ステアリルアルコール又はそれらの混合物(例えば、セテアリルアルコール)、及びミリスチルアルコールを、固体脂肪物質として使用することができる。別の実施形態では、イソステアリルアルコールを、液体脂肪物質として使用することができる。
脂肪物質は、ワックスであってもよい。本明細書において、「ワックス」は、脂肪物質が、大気圧(760mmHg)下室温(25℃)で実質的に固体の形態であり、一般に35℃以上の融点を有することを意味する。ワックス状の脂肪物質としては、化粧品において一般に使用されるワックスを、単独で又はそれらを組み合わせて使用することができる。
例えば、ワックスは、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、水添ホホバ油、ポリエチレンワックス、例えばNew Phase Technologies社によって「Performalene 400 Polyethylene」の名称で販売されているワックス、シリコーンワックス、例としてポリ(C24〜C28)アルキルメチルジメチルシロキサン、例えばGoldschmidt社によって「Abil Wax 9810」の名称で販売されている製品、パーム脂、Kester Keunen社によって「Kester Wax K82H」の名称で販売されているステアリン酸アルキル(C20〜C40)、安息香酸ステアリル、セラックワックス、及びそれらの混合物から選択することができる。例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オゾケライト、水添ホホバ油及びポリエチレンワックスから選択されるワックスを使用することができる。少なくとも1つの実施形態では、ワックスは、好ましくは、キャンデリラワックス及びオゾケライト、並びにそれらの混合物から選択される。
(b)脂肪物質は、少なくとも1種の脂肪アルコール、例えばステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、それらの混合物、例えばセテアリルアルコールを含むことが好ましい。
(b)脂肪物質は、少なくとも1種のオルガノポリシロキサン、好ましくは直鎖状オルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサンを含むことも好ましく、これは、より好ましくは不揮発性である。(b)脂肪物質は、異なる粘度(異なる分子量)を有する複数のオルガノポリシロキサン、例えば、大気圧(760mmHg又は105Pa)下室温、例えば25℃で、1から1000cst、好ましくは10から500cst、より好ましくは30から100cstの粘度を有するジメチルポリシロキサンと、5,000から300,000cst、好ましくは10,000から200,000cst、より好ましくは50,000から100,000cstの粘度を有するジメチルポリシロキサンとを含むことがより好ましい場合がある。
(b)脂肪物質の量は、本発明による組成物の総質量に対して30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下であってよく、ただし、(b)脂肪物質の量は、0ではないことを条件とする。(b)脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であってよい。
したがって、本発明による組成物中の(b)脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して1質量%から30質量%、好ましくは3質量%から20質量%、より好ましくは5質量%から10質量%の範囲であってよい。
[ジアニオン性アミノ酸界面活性剤]
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種の、ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤を含む。2種以上のそのようなアニオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのそのようなアニオン性界面活性剤、又は異なるタイプのそのようなアニオン性界面活性剤の組合せを使用することができる。
(ジアニオン性アミノ酸界面活性剤)
ジアニオン性アミノ酸界面活性剤は、少なくとも1つのアミノ部分と、少なくとも2つのカルボン酸部分とを含み、そのうち2つがカルボキシレートの形態である、アニオン性界面活性剤である。
ジアニオン性アミノ酸界面活性剤は、好ましくは、ジアニオン性アミノ酸誘導体から選択される。ジアニオン性アミノ酸誘導体は、好ましくは、ジアニオン性アミノ酸及びN-アシル化ジアニオン性アミノ酸の塩、例えば、ジアニオン性アミノ酸及びN-アシル化ジアニオン性アミノ酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばジアニオン性アミノ酸及びN-アシル化ジアニオン性アミノ酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩から選択することができる。
ジアニオン性アミノ酸誘導体のN-アシル部分を形成するアシル基は、C1〜C30アシル基、好ましくはC6〜C28アシル基、より好ましくはC12〜C24アシル基であることができる。
ジアニオン性アミノ酸界面活性剤は、より好ましくは、グルタメート、N-アシル化グルタメート、アスパルテート、N-アシル化アスパルテート、及びそれらの塩からなる群から選択される。
ジアニオン性アミノ酸界面活性剤の例には、以下のものが含まれるがこれらに限定されない:
- グルタメート、例えばグルタミン酸二ナトリウム、味の素株式会社によってAmisoft(登録商標)HS-21Pの名称で販売されているステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、及びそれらの混合物、並びに
- アスパルテート、例えばアスパラギン酸二ナトリウム、N-ラウロイルアスパラギン酸二ナトリウム、及びそれらの混合物。
(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤の量は、本発明による組成物の総質量に対して2.0質量%未満、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下であり、ただし、(c)アニオン性界面活性剤の量は、0ではないことを条件とする。(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であることができる。
したがって、本発明による組成物中の(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して0.01質量%から2.0質量%未満、好ましくは0.05質量%から1.5質量%、より好ましくは0.1質量%から1.0質量%の範囲であることができる。
[水]
本発明による組成物は、(d)水を含む。
(d)水の量は、本発明による組成物の総質量に対して99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であることができるが、ただし、(d)水の量は、0ではない。(d)水の量は、組成物の総質量に対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であることができる。
したがって、本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して50質量%から99質量%、好ましくは60質量%から95質量%、より好ましくは70質量%から90質量%の範囲であることができる。
[アルコール(脂肪物質以外)]
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の、(b)脂肪物質、特に脂肪アルコール以外のアルコールを含んでもよい。2種以上のそのようなアルコールを組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのそのようなアルコール、又は異なるタイプのそのようなアルコールの組合せを使用することができる。
(e)(b)脂肪物質以外のアルコールは、好ましくは、大気圧(760mmHg又は105Pa)下室温、例えば25℃で液体の形態である。
(e)(b)脂肪物質以外のアルコールは、一価アルコール及び多価アルコールから選択することができる。
(e)(b)脂肪物質以外のアルコールの量は、本発明による組成物の総質量に対して20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下であることができ、ただし、(e)アルコールの量は、0ではないことを条件とする。(e)(b)脂肪物質以外のアルコールの量は、組成物の総質量に対して0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上であることができる。
本発明による組成物中の(e)(b)脂肪物質以外のアルコールの量は、組成物の総質量に対して0.1質量%から20質量%、好ましくは0.5質量%から15質量%、より好ましくは1質量%から10質量%の範囲であることができる。
(一価アルコール)
「一価アルコール」という用語は、本明細書において、1個のヒドロキシ基を有するアルコールを意味する。
一価アルコールは、非芳香族(脂肪族)であっても芳香族であってもよい。
非芳香族一価アルコールは、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の低級脂肪族一価アルコール、より好ましくはC2〜C6脂肪族一価アルコール、更に好ましくは飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC2〜C5脂肪族一価アルコール、最も好ましくは飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC2〜C4脂肪族一価アルコールである。好ましい非芳香族一価アルコールは、エタノール、イソプロパノール、エチルマルトール、及びそれらの混合物である。
芳香族一価アルコールは、好ましくは、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、ジフェニルエタノール、ケイ皮アルコール、トリプトフォール、3-ニトロベンジルアルコール、ベラトリルアルコール、ベンゾイン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
(b)脂肪物質以外の一価アルコールは、低級脂肪族アルコール、芳香族アルコール、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、及びそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
(e)(b)脂肪物質以外のアルコールが一価アルコールである場合、一価アルコールの量は、本発明による組成物の総質量に対して10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下であることができ、ただし、一価アルコールの量は、0ではないことを条件とする。他方で、(e)(b)脂肪物質以外のアルコールが一価アルコールである場合、一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上であることができる。
したがって、(e)(b)脂肪物質以外のアルコールが一価アルコールである場合、本発明による組成物中の一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して0.1質量%から10質量%、好ましくは0.5質量%から8質量%、より好ましくは1質量%から6質量%の範囲であることができる。
(多価アルコール)
「多価アルコール」又は「ポリオール」という用語は、本明細書において、2個以上のヒドロキシ基を有するアルコールを意味し、糖類又はそれらの誘導体を包含しない。糖類の誘導体には、糖類の1個又は複数のカルボニル基を還元することによって得られる糖アルコール、及びそれらの1個又は複数のヒドロキシ基中の水素原子が少なくとも1個の置換基、例えばアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基又はカルボニル基で置き換えられた糖類又は糖アルコールが含まれる。
ポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシ基、好ましくは2から5個のヒドロキシ基を含む、C2〜C24ポリオール、好ましくはC2〜C9ポリオールであることができる。
ポリオールは、天然ポリオールであっても合成ポリオールであってもよい。ポリオールは、直鎖状、分枝状又は環状の分子構造を有することができる。
ポリオールは、グリセリン及びそれらの誘導体、並びにグリコール及びそれらの誘導体から選択することができる。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコール、C6〜C24ポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、及び1,5-ペンタンジオールからなる群から選択することができる。
ポリオールの量は、本発明による組成物の総質量に対して15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることができ、ただし、ポリオールの量は、0ではないことを条件とする。ポリオールの量は、組成物の総質量に対して0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であることができる。
したがって、本発明による組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%の範囲であることができる。
[追加の界面活性剤]
本発明による組成物は、(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤以外の、少なくとも1種の追加の界面活性剤を含んでもよい。2種以上のそのような追加の界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのそのような追加の界面活性剤、又は異なるタイプのそのような追加の界面活性剤の組合せを使用することができる。
本発明において使用される追加の界面活性剤は、(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤以外のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、(f)カチオン性界面活性剤及び(g)非イオン性界面活性剤からなる群から、好ましくは(f)カチオン性界面活性剤及び(g)非イオン性界面活性剤から選択することができる。
追加の界面活性剤の量は、本発明による組成物の総質量に対して15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることができ、ただし、追加の界面活性剤の量は、0ではないことを条件とする。追加の界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上であることができる。
したがって、本発明による組成物中の追加の界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%の範囲であることができる。
(1)アニオン性界面活性剤
本発明による組成物は、(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤以外の、少なくとも1種の追加のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。2種以上のそのような追加のアニオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
追加のアニオン性界面活性剤は、(C6〜C30)アルキルスルフェート、(C6〜C30)アルキルエーテルスルフェート、(C6〜C30)アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート;(C6〜C30)アルキルスルホネート、(C6〜C30)アルキルアミドスルホネート、(C6〜C30)アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート;(C6〜C30)アルキルホスフェート;(C6〜C30)アルキルスルホスクシネート、(C6〜C30)アルキルエーテルスルホスクシネート、(C6〜C30)アルキルアミドスルホスクシネート;(C6〜C30)アルキルスルホアセテート;(C6〜C24)アシルサルコシネート;(C6〜C24)アシルグルタミン酸の一価金属単塩;(C6〜C30)アルキルポリグリコシドカルボン酸エーテル;(C6〜C30)アルキルポリグリコシドスルホスクシネート;(C6〜C30)アルキルスルホスクシナメート;(C6〜C24)アシルイセチオネート;C6〜C30脂肪酸塩;ヤシ油酸塩又は水添ヤシ油酸塩;(C8〜C20)アシルラクチレート;(C6〜C30)アルキル-D-ガラクトシドウロン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアリールエーテルカルボン酸塩;及びポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアミドエーテルカルボン酸塩;並びに対応する酸の形態からなる群から選択されることが好ましい。
少なくとも1つの実施形態では、追加のアニオン性界面活性剤は、塩、例えばアルカリ金属、例としてナトリウムの塩;アルカリ土類金属、例としてマグネシウムの塩;アンモニウム塩;アミン塩;及びアミノアルコール塩の形態である。条件に応じて、それらはまた、酸の形態であってもよい。
追加のアニオン性界面活性剤は、(C6〜C30)アルキル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルエーテルスルフェート又は塩化されている若しくは塩化されていないポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸から選択されることがより好ましい場合がある。
(2)両性界面活性剤
本発明による組成物は、少なくとも1種の両性界面活性剤を含んでもよい。2種以上の両性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
両性又は双性イオン性界面活性剤は、例えば(非限定的な一覧)、アミン誘導体、例えば脂肪族の第二級又は第三級アミン、及び場合により四級化されているアミン誘導体であってよく、その脂肪族基は、8から22個の炭素原子を含み、且つ少なくとも1個の水可溶化アニオン性基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネート)を含有する、直鎖状又は分枝状の鎖である。
両性界面活性剤は、好ましくは、ベタイン及びアミドアミンカルボキシル化誘導体からなる群から選択することができる。
両性界面活性剤は、ベタイン型界面活性剤から選択されることが好ましい。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくは、アルキルベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン、及びアルキルアミドアルキルスルホベタイン、特に(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルベタイン、スルホベタイン、及び(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタインからなる群から選択される。一実施形態では、ベタイン型の両性界面活性剤は、(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタイン、スルホベタイン、及びホスホベタインから選択される。
挙げることができる非限定的な例には、単独の又は混合物としての、ココベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、及びココスルタインの名称で、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook、第15版、2014年において分類されている化合物が含まれる。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくは、アルキルベタイン及びアルキルアミドアルキルベタイン、特にココベタイン及びコカミドプロピルベタインである。
アミドアミンカルボキシル化誘導体の中では、Miranolの名称で販売されている、米国特許第2,528,378号及び第2,781,354号に記載され、アンホカルボキシグリシネート及びアンホカルボキシプロピオネートの名称でCTFA dictionary、第3版、1982年において分類されている(それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)製品を挙げることができ、以下のそれぞれの構造を有する:
R1-CONHCH2CH2-N+(R2)(R3)(CH2COO-) M+ X- (B1)
[式中、
R1は、加水分解ヤシ油中に存在する酸R1-COOHのアルキル基、ヘプチル、ノニル又はウンデシル基を示し、
R2は、β-ヒドロキシエチル基を示し、
R3は、カルボキシメチル基を示し、
M+は、ナトリウム等のアルカリ金属に由来するカチオン性イオン;アンモニウムイオン;又は有機アミンに由来するイオンを示し、
X-は、有機又は無機のアニオン性イオン、例えばハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、アルキル(C1〜C4)硫酸イオン、アルキル(C1〜C4)-又はアルキル(C1〜C4)アリール-スルホン酸イオン、特にメチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオンを示すか、或いはM+及びX-は、存在しない];
R1'-CONHCH2CH2-N(B)(C) (B2)
[式中、
R1'は、ヤシ油若しくは加水分解アマニ油中に存在する酸R1'-COOHのアルキル基、C7、C9、C11若しくはC13アルキル基等のアルキル基、C17アルキル基及びそのイソ型、又は不飽和C17基を示し、
Bは、-CH2CH2OX'を表し、
Cは、-(CH2)z-Y'を表し、z=1又は2であり、
X'は、-CH2-COOH基、-CH2-COOZ'、-CH2CH2-COOH、-CH2CH2-COOZ'又は水素原子を示し、
Y'は、-COOH、-COOZ'、-CH2-CHOH-SO3Z'、-CH2-CHOH-SO3H基又は-CH2-CH(OH)-SO3-Z'基を示し、
Z'は、ナトリウム等のアルカリ若しくはアルカリ土類金属のイオン、有機アミンに由来するイオン、又はアンモニウムイオンを表す];
及び
Ra''-NH-CH(Y'')-(CH2)n-C(O)-NH-(CH2)n'-N(Rd)(Re) (B'2)
[式中、
Y''は、-C(O)OH、-C(O)OZ''、-CH2-CH(OH)-SO3H又は-CH2-CH(OH)-SO3-Z''を示し、ここで、Z''は、ナトリウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属に由来するカチオン性イオン、有機アミンに由来するイオン、又はアンモニウムイオンを示し、
Rd及びReは、C1〜C4アルキル又はC1〜C4ヒドロキシアルキル基を示し、
Ra''は、酸由来のC10〜C30アルキル基又はアルケニル基を示し、
n及びn'は、独立して、1から3の整数を示す]。
式B1及びB2を有する両性界面活性剤は、(C8〜C24)-アルキルアンホモノアセテート、(C8〜C24)アルキルアンホジアセテート、(C8〜C24)アルキルアンホモノプロピオネート、及び(C8〜C24)アルキルアンホジプロピオネートから選択されることが好ましい。
これらの化合物は、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウロアンホジ酢酸二ナトリウム、カプリルアンホジ酢酸二ナトリウム、カプリロアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸及びココアンホジプロピオン酸の名称で、CTFA dictionary、第5版、1993年において分類されている。
例として、Rhodia Chimie社によってMiranol(登録商標)C2M濃縮物の商品名で販売されているココアンホジアセテートを挙げることができる。
式(B'2)の化合物の中では、CHIMEX社によってCHIMEXANE HBの呼称で市販されているジエチルアミノプロピルココアスパルトアミドナトリウム(CTFA)を挙げることができる。
(f)カチオン性界面活性剤
本発明による組成物は、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含んでもよい。2種以上のカチオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
カチオン性界面活性剤は、場合によりポリオキシアルキレン化されている第一級、第二級又は第三級脂肪アミン塩、第四級アンモニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
挙げることができる第四級アンモニウム塩の例には、以下のものが含まれるがこれらに限定されない:
下記の一般式(B3)のもの:
Figure 2018052841
[式中、
R1、R2、R3、及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、1から30個の炭素原子を含み、酸素、窒素、硫黄及びハロゲン等のヘテロ原子を場合により含む、直鎖状及び分枝状の脂肪族基であって、例えば、アルキル、アルコキシ、C2〜C6ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル、(C12〜C22)アルキルアセテート及びヒドロキシアルキル基から選択することができる、脂肪族基;並びに芳香族基、例えばアリール及びアルキルアリールから選択され、X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C2〜C6)アルキル硫酸イオン、及びアルキル-又はアルキルアリール-スルホン酸イオンから選択される];
イミダゾリンの第四級アンモニウム塩、例として下記の式(B4)のもの:
Figure 2018052841
[式中、
R5は、8から30個の炭素原子を含むアルケニル及びアルキル基、例えば牛脂又はヤシの脂肪酸誘導体から選択され、
R6は、水素、C1〜C4アルキル基、並びに8から30個の炭素原子を含むアルケニル及びアルキル基から選択され、
R7は、C1〜C4アルキル基から選択され、
R8は、水素及びC1〜C4アルキル基から選択され、
X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、及びアルキルアリールスルホン酸イオンから選択される。一実施形態では、R5及びR6は、例えば、12から21個の炭素原子を含むアルケニル及びアルキル基から選択される基の混合物、例えば牛脂の脂肪酸誘導体であり、R7は、メチルであり、R8は、水素である。そのような生成物の例には、Witco社によって「Rewoquat(登録商標)」W75、W90、W75PG及びW75HPGの名称で販売されているクオタニウム-27(CTFA、1997年)及びクオタニウム-83(CTFA、1997年)が含まれるがこれらに限定されない];
式(B5)のジ又はトリ第四級アンモニウム塩:
Figure 2018052841
[式中、
R9は、16から30個の炭素原子を含む脂肪族基から選択され、
R10は、水素、又は1から4個の炭素原子を含むアルキル基、又は-(CH2)3 (R16a)(R17a)(R18a)N+X--基から選択され、
R11、R12、R13、R14、R16a、R17a、及びR18aは、同一であっても異なっていてもよく、水素、及び1から4個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、
X-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、エチル硫酸イオン、及びメチル硫酸イオンから選択される。
そのようなジ第四級アンモニウム塩の一例は、FINETEX社のFINQUAT CT-P(クオタニウム-89)又はFINQUAT CT(クオタニウム-75)である];
及び
少なくとも1個のエステル官能基を含む第四級アンモニウム塩、例えば下記の式(B6)のもの:
Figure 2018052841
[式中、
R22は、C1〜C6アルキル基及びC1〜C6ヒドロキシアルキル及びジヒドロキシアルキル基から選択され、
R23は、
下記の基:
Figure 2018052841
、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC1〜C22炭化水素系基R27、並びに水素から選択され、
R25は、
下記の基:
Figure 2018052841
、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC1〜C6炭化水素系基R29、並びに水素から選択され、
R24、R26、及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC7〜C21炭化水素系基から選択され、
r、s、及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2から6の範囲の整数から選択され、
r1及びt1のそれぞれは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1であり、r2+r1=2r及びt1+t2=2tであり、
yは、1から10の範囲の整数から選択され、
x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0から10の範囲の整数から選択され、
X-は、単体及び錯体の、有機及び無機のアニオンから選択され、ただし、和x+y+zは、1から15の範囲であり、xが0である場合、R23は、R27を示し、zが0である場合、R25は、R29を示すことを条件とする。R22は、直鎖状及び分枝状のアルキル基から選択することができる。一実施形態では、R22は、直鎖状のアルキル基から選択される。別の実施形態では、R22は、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、及びジヒドロキシプロピル基、例えばメチル及びエチル基から選択される。一実施形態では、和x+y+zは、1から10の範囲である。R23が炭化水素系基R27である場合、これは、長鎖であり12から22個の炭素原子を含んでもよく、又は短鎖であり1から3個の炭素原子を含んでもよい。R25が炭化水素系基R29である場合、これは、例えば、1から3個の炭素原子を含んでもよい。非限定的な例として、一実施形態では、R24、R26、及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11〜C21炭化水素系基、例えば、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11〜C21アルキル及びアルケニル基から選択される。別の実施形態では、x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1である。一実施形態では、yは、1に等しい。別の実施形態では、r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2又は3に等しく、例えば2に等しい。アニオンX-は、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオン;並びにのC1〜C4アルキル硫酸イオン、例えばメチル硫酸イオンから選択することができる。しかしながら、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、トシル酸イオン、有機酸に由来するアニオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオン、並びにエステル官能基を含むアンモニウムに適合する全ての他のアニオンは、本発明に従って使用することができるアニオンの他の非限定的な例である。一実施形態では、アニオンX-は、塩化物イオン及びメチル硫酸イオンから選択される]。
別の実施形態では、式(B6)のアンモニウム塩[式中、
R22は、メチル及びエチル基から選択され、
x及びyは、1に等しく、
zは、0又は1に等しく、
r、s及びtは、2に等しく、
R23は、
下記の基:
Figure 2018052841
、メチル、エチル、及びC14〜C22炭化水素系基、水素から選択され、
R25は、
下記の基:
Figure 2018052841
及び水素から選択され、
R24、R26、及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13〜C17炭化水素系基、例えば、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13〜C17アルキル及びアルケニル基から選択される]を使用することができる。
一実施形態では、炭化水素系基は、直鎖状である。
挙げることができる式(B6)の化合物の非限定的な例には、ジアシルオキシエチル-ジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-メチルアンモニウム、モノアシルオキシエチル-ジヒドロキシエチル-メチルアンモニウム、トリアシルオキシエチル-メチルアンモニウム、モノアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-ジメチル-アンモニウムの、塩、例えば塩化物及びメチル硫酸塩、並びにそれらの混合物が含まれる。一実施形態では、アシル基は、14から18個の炭素原子を含んでもよく、例えば、植物油、例としてパーム油及びヒマワリ油に由来してもよい。化合物がいくつかのアシル基を含む場合、これらの基は、同一であっても異なっていてもよい。
これらの生成物は、例えば、場合によりオキシアルキレン化されているトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン又はアルキルジイソプロパノールアミンを、脂肪酸に又は植物若しくは動物起源の脂肪酸の混合物に、直接エステル化することによって、又はそれらのメチルエステルをエステル交換することによって得ることができる。このエステル化に続いて、ハロゲン化アルキル、例えばハロゲン化メチル及びハロゲン化エチル;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル及び硫酸ジエチル;メタンスルホン酸メチル;パラ-トルエンスルホン酸メチル;グリコールクロロヒドリン;並びにグリセロールクロロヒドリンから選択されるアルキル化剤を使用して四級化してもよい。
そのような化合物は、例えば、Cognis社によってDehyquart(登録商標)の名称で、Stepan社によってStepanquat(登録商標)の名称で、Ceca社によってNoxamium(登録商標)の名称で、及びRewo-Goldschmidt社によって「Rewoquat(登録商標)WE 18」の名称で販売されている。
本発明による組成物中で使用することができるアンモニウム塩の他の非限定的な例には、米国特許第4,874,554号及び第4,137,180号に記載されている少なくとも1個のエステル官能基を含むアンモニウム塩が含まれる。
本発明による組成物中で使用することができる上述の第四級アンモニウム塩には、式(I)に相当するもの、例えば、塩化テトラアルキルアンモニウム、例として塩化ジアルキルジメチルアンモニウム及び塩化アルキルトリメチルアンモニウム(そのアルキル基は、約12から22個の炭素原子を含む)、例えば塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム及び塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム;塩化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム;並びにVan Dyk社によって「Ceraphyl(登録商標)70」の名称で販売されている塩化ステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムが含まれるがこれらに限定されない。
一実施形態によれば、本発明による組成物中で使用することができるカチオン性界面活性剤は、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、クオタニウム-83、クオタニウム-87、クオタニウム-22、塩化ベヘニルアミドプロピル-2,3-ジヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム、塩化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、及びステアラミドプロピルジメチルアミンから選択される。
(g)非イオン性界面活性剤
本発明による組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。2種以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
非イオン性界面活性剤は、それら自体で周知の化合物である(例えば、この点に関しては、「Handbook of Surfactants」、M. R. Porter著、Blackie & Son出版社(Glasgow及びLondon)、1991年、116〜178頁を参照されたい)。したがって、それらは、例えば、アルコール、α-ジオール、アルキルフェノール及び脂肪酸のエステルから選択することができ、これらの化合物は、エトキシル化、プロポキシル化又はグリセロール化されており、例えば8から30個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を有し、エチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数が2から50の範囲であり、グリセロール基の数が1から30の範囲であることが可能である。マルトース誘導体も挙げることができる。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、脂肪アルコールとの縮合物;例えば2から30molのエチレンオキシドを含むポリエトキシル化脂肪アミド;例えば1.5から5個、例えば1.5から4個のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2から30molのエチレンオキシドを含むソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物起源のエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロール(C6〜C24)アルキルポリグリコシドのポリエトキシル化脂肪酸モノ又はジエステル;N-(C6〜C24)アルキルグルカミン誘導体;アミンオキシド、例えば(C10〜C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10〜C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド;シリコーン界面活性剤;並びにそれらの混合物も非限定的に挙げることができる。
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、モノオキシアルキレン化、ポリオキシアルキレン化、モノグリセロール化又はポリグリセロール化非イオン性界面活性剤から選択することができる。オキシアルキレン単位は、より特定すると、オキシエチレン若しくはオキシプロピレン単位、又はそれらの組合せであり、好ましくはオキシエチレン単位である。
挙げることができるモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤の例には、単独の又は混合物としての、以下のものが含まれる:
モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルフェノール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8〜C30アルコール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8〜C30アミド、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸とポリアルキレングリコールとのエステル、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸とソルビトールとのモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化エステル、
飽和又は不飽和の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化植物油、
とりわけ、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物。
界面活性剤は、好ましくは、1から100の間、最も好ましくは2から50の間のモル数のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含有する。本発明の実施形態の1つによれば、ポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール(脂肪アルコールのポリエチレングリコールエーテル)及びポリオキシエチレン化脂肪エステル(脂肪酸のポリエチレングリコールエステル)から選択される。
挙げることができるポリオキシエチレン化飽和脂肪アルコール(又はC8〜C30アルコール)の例には、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ9から50個のオキシエチレン単位を含有するもの、より特定すると10から12個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名としてはラウレス-10からラウレス-12);ベヘニルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ9から50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名としてはベヘネス-9からベヘネス-50);セテアリルアルコール(セチルアルコール及びステアリルアルコールの混合物)のエチレンオキシド付加物、とりわけ10から50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名としてはセテアレス-10からセテアレス-50);セチルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10から50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名としてはセテス-10からセテス-50);ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10から50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名としてはステアレス-10からステアレス-50);イソステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10から50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名としてはイソステアレス-10からイソステアレス-50);並びにそれらの混合物が含まれる。
挙げることができるポリオキシエチレン化不飽和脂肪アルコール(又はC8〜C30アルコール)の例には、オレイルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ2から50個のオキシエチレン単位を含有するもの、より特定すると10から40個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名としてはオレス-10からオレス-40);及びそれらの混合物が含まれる。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化非イオン性界面活性剤の例としては、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールが好ましくは使用される。
特に、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールは、以下の式に相当する:
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H又はRO-[CH(CH2OH)-CH2O]m-H
[式中、Rは、直鎖状又は分枝状のC8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル又はアルケニル基を表し、mは、1から30、好ましくは1.5から10の範囲の数を表す]。
本発明との関連で好適な化合物の例としては、4molのグリセロールを含有するラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5molのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するオレオセチルアルコール、及び6molのグリセロールを含有するオクタデカノールを挙げることができる。
アルコールは、mの値が統計値を表すのと同様に、アルコールの混合物を表す場合があり、これは、市販製品において、いくつかの種のポリグリセロール化脂肪アルコールが混合物の形態で共存しうることを意味する。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化アルコールの中では、1molのグリセロールを含有するC8/C10アルコール、1molのグリセロールを含有するC10/C12アルコール及び1.5molのグリセロールを含有するC12アルコールを使用することが好ましい。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40脂肪エステルは、以下の式に相当しうる:
R'O-[CH2-CH(CH2OR''')-O]m-R''又はR'O-[CH(CH2OR''')-CH2O]m-R''
[式中、R'、R''及びR'''のそれぞれは、独立して、水素原子、又は直鎖状若しくは分枝状のC8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル-CO-若しくはアルケニル-CO-基を表し、ただし、R'、R''及びR'''の少なくとも1つは、水素原子ではないことを条件とし、mは、1から30、好ましくは1.5から10の範囲の数を表す]。
挙げることができるポリオキシエチレン化脂肪エステルの例には、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸のエステルのエチレンオキシド付加物、及びそれらの混合物、とりわけ9から100個のオキシエチレン単位を含有するもの、例えばラウリン酸PEG-9からPEG-50(CTFA名:ラウリン酸PEG-9からラウリン酸PEG-50);パルミチン酸PEG-9からPEG-50(CTFA名:パルミチン酸PEG-9からパルミチン酸PEG-50);ステアリン酸PEG-9からPEG-50(CTFA名:ステアリン酸PEG-9からステアリン酸PEG-50);パルミトステアリン酸PEG-9からPEG-50;ベヘン酸PEG-9からPEG-50(CTFA名:ベヘン酸PEG-9からベヘン酸PEG-50);モノステアリン酸ポリエチレングリコール100 EO(CTFA名:ステアリン酸PEG-100);及びそれらの混合物が含まれる。
本発明の実施形態の1つによれば、非イオン性界面活性剤は、ポリオールと、例えば8から24個の炭素原子、好ましくは12から22個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和鎖を有する脂肪酸とのエステル、及び好ましくは10から200個、より好ましくは10から100個のオキシアルキレン単位を含有するそれらのポリオキシアルキレン化誘導体、例えばC8〜C24、好ましくはC12〜C22脂肪酸のグリセリルエステル、及び好ましくは10から200個、より好ましくは10から100個のオキシアルキレン単位を含有するそれらのポリオキシアルキレン化誘導体;C8〜C24、好ましくはC12〜C22脂肪酸のソルビトールエステル、及び好ましくは10から200個、より好ましくは10から100個のオキシアルキレン単位を含有するそれらのポリオキシアルキレン化誘導体;C8〜C24、好ましくはC12〜C22脂肪酸の糖(スクロース、マルトース、グルコース、フルクトース、及び/又はアルキルグリコース)エステル、及び好ましくは10から200個、より好ましくは10から100個のオキシアルキレン単位を含有するそれらのポリオキシアルキレン化誘導体;脂肪アルコールのエーテル;糖及びC8〜C24、好ましくはC12〜C22脂肪アルコールのエーテル;並びにそれらの混合物から選択することができる。
脂肪酸のグリセリルエステルとしては、ステアリン酸グリセリル(モノ-、ジ-及び/又はトリステアリン酸グリセリル)(CTFA名:ステアリン酸グリセリル)、ラウリン酸グリセリル又はリシノレイン酸グリセリル、並びにそれらの混合物を列挙することができ、それらのポリオキシアルキレン化誘導体としては、脂肪酸とポリオキシアルキレン化グリセロールとのモノ-、ジ-又はトリエステル(脂肪酸とグリセロールのポリアルキレングリコールエーテルとのモノ-、ジ-又はトリエステル)、好ましくはステアリン酸(モノ-、ジ-及び/又はトリステアリン酸)ポリオキシエチレン化グリセリル、例えばステアリン酸(モノ-、ジ-及び/又はトリステアリン酸)PEG-20グリセリルを列挙することができる。
これらの界面活性剤の混合物、例えばUniqema社によってARLACEL 165の名称で市販されている、ステアリン酸グリセリル及びステアリン酸PEG-100を含有する製品、並びにGoldschmidt社によってTEGINの名称で市販されている、ステアリン酸グリセリル(モノ-及びジステアリン酸グリセリル)及びステアリン酸カリウムを含有する製品(CTFA名:ステアリン酸グリセリルSE)等も使用することができる。
C8〜C24脂肪酸のソルビトールエステル及びそれらのポリオキシアルキレン化誘導体は、パルミチン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、並びに例えば20から100 EOを含有する脂肪酸及びアルコキシル化ソルビタンのエステル、例えばICI社によってSpan 60の名称で販売されているモノステアリン酸ソルビタン(CTFA名:ステアリン酸ソルビタン)、ICI社によってSpan 40の名称で販売されているモノパルミチン酸ソルビタン(CTFA名:パルミチン酸ソルビタン)、及びICI社によってTween 65の名称で販売されているトリステアリン酸ソルビタン20 EO(CTFA名:ポリソルベート65)、トリオレイン酸ポリエチレンソルビタン(ポリソルベート85)又はUniqema社によってTween 20若しくはTween 60の商品名で市販されている化合物等から選択することができる。
脂肪酸及びグルコース又はアルキルグルコースのエステルとしては、パルミチン酸グルコース、セスキステアリン酸アルキルグルコース、例えばセスキステアリン酸メチルグルコース、パルミチン酸アルキルグルコース、例えばパルミチン酸メチルグルコース又はパルミチン酸エチルグルコース、メチルグルコシド脂肪エステル、メチルグルコシド及びオレイン酸のジエステル(CTFA名:ジオレイン酸メチルグルコース)、メチルグルコシド及びオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸の混合物の混合エステル(CTFA名:ジオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸メチルグルコース)、メチルグルコシド及びイソステアリン酸のエステル(CTFA名:イソステアリン酸メチルグルコース)、メチルグルコシド及びラウリン酸のエステル(CTFA名:ラウリン酸メチルグルコース)、メチルグルコシド及びイソステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:セスキ-イソステアリン酸メチルグルコース)、メチルグルコシド及びステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:セスキステアリン酸メチルグルコース)、特にAMERCHOL社によってGlucate SSの名称で市販されている製品、並びにそれらの混合物を列挙することができる。
脂肪酸及びグルコース又はアルキルグルコースのエトキシル化エーテルとしては、例えば、脂肪酸及びメチルグルコースのエトキシル化エーテル、特に約20モルのエチレンオキシドを有するメチルグルコース及びステアリン酸のジエステルのポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:ジステアリン酸PEG-20メチルグルコース)、例えばAMERCHOL社によってGlucam E-20 distearateの名称で市販されている製品、約20モルのエチレンオキシドを有するメチル-グルコース及びステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物のポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース)、特にAMERCHOL社によってGlucamate SSE-20の名称で市販されている製品及びGOLDSCHMIDT社によってGrillocose PSE-20の名称で市販されているもの、並びにそれらの混合物を列挙することができる。
スクロースエステルとしては、例えば、パルミト-ステアリン酸サッカロース、ステアリン酸サッカロース及びモノラウリン酸サッカロースを列挙することができる。
糖エーテルとしては、アルキルポリグルコシドを使用することができ、例えば、デシルグルコシド、例えばKao Chemicals社によってMYDOL 10の名称で市販されている製品、Henkel社によってPLANTAREN 2000の名称で市販されている製品、及びSeppic社によってORAMIX NS 10の名称で市販されている製品、カプリリル/カプリルグルコシド、例えばSeppic社によってORAMIX CG 110の名称で又はBASF社によってLUTENSOL GD 70の名称で市販されている製品、ラウリルグルコシド、例えばHenkel社によってPLANTAREN 1200 N及びPLANTACARE 1200の名称で市販されている製品、ココ-グルコシド、例えばHenkel社によってPLANTACARE 818/UPの名称で市販されている製品、セトステアリルアルコールと場合によって混合されているセトステアリルグルコシド、例えばSeppic社によってMONTANOV 68の名称で、Goldschmidt社によってTEGO-CARE CG90の名称で、及びHenkel社によってEMULGADE KE3302の名称で市販されているもの、アラキジルグルコシド、例えばSeppic社によってMONTANOV 202の名称で市販されているアラキジル及びベヘニルアルコール並びにアラキジルグルコシドの混合物の形態のもの、ココイルエチルグルコシド、例えばSeppic社によってMONTANOV 82の名称で市販されているセチル及びステアリルアルコールとの混合物(35/65)の形態のもの、並びにそれらの混合物を特に列挙することができる。
アルコキシル化植物油のグリセリドの混合物、例えばエトキシル化(200 EO)パーム及びコプラ(7 EO)グリセリドの混合物も列挙することができる。
本発明による非イオン性界面活性剤は、好ましくは、アルケニル又は分枝状のC12〜C22アシル鎖、例えばオレイル又はイソステアリル基を含有する。より好ましくは、本発明による非イオン性界面活性剤は、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルである。
本発明の実施形態の1つによれば、非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、特に以下の式のコポリマー:
HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)cH
[式中、a、b及びcは、a+cが2から100の範囲であり、bが14から60の範囲であるような整数である]、及びそれらの混合物から選択することができる。
本発明の実施形態の1つによれば、非イオン性界面活性剤は、シリコーン界面活性剤から選択することができる。文献US-A-5364633及びUS-A-5411744に開示されたものを非限定的に挙げることができる。
シリコーン界面活性剤は、好ましくは、式(I)の化合物:
Figure 2018052841
[式中、
R1、R2及びR3は、互いに独立して、C1〜C6アルキル基又は-(CH2)x-(OCH2CH2)y-(OCH2CH2CH2)z-OR4基を表し、R1、R2又はR3基の少なくとも1つは、アルキル基でなく、R4は、水素、アルキル基又はアシル基であり、
Aは、0から200の範囲の整数であり、
Bは、0から50の範囲の整数であり、ただし、A及びBは、同時に0に等しいことはないことを条件とし、
xは、1から6の範囲の整数であり、
yは、1から30の範囲の整数であり、
zは、0から5の範囲の整数である]
であってもよい。
本発明の好ましい一実施形態によれば、式(I)の化合物中、アルキル基は、メチル基であり、xは、2から6の範囲の整数であり、yは、4から30の範囲の整数である。
式(I)のシリコーン界面活性剤の例としては、式(II)の化合物:
Figure 2018052841
[式中、Aは、20から105の範囲の整数であり、Bは、2から10の範囲の整数であり、yは、10から20の範囲の整数である]
を挙げることができる。
式(I)のシリコーン界面活性剤の例としては、式(III)の化合物:
H-(OCH2CH2)y-(CH2)3-[(CH3)2SiO]A'-(CH2)3-(OCH2CH2)y-OH (III)
[式中、A'及びyは、10から20の範囲の整数である]も挙げることができる。
使用することができる本発明の化合物は、Dow Corning社によってDC 5329、DC 7439-146、DC 2-5695及びQ4-3667の名称で販売されているものである。化合物DC 5329、DC 7439-146及びDC 2-5695は、それぞれ、Aが22であり、Bが2であり、yが12である式(II)の化合物;Aが103であり、Bが10であり、yが12である式(II)の化合物;Aが27であり、Bが3であり、yが12である式(II)の化合物である。
化合物Q4-3667は、Aが15であり、yが13である式(III)の化合物である。
[カチオン性ポリマー]
本発明による組成物は、(h)少なくとも1種のカチオン性ポリマーを含んでもよい。2種以上のカチオン性ポリマーを使用してもよい。したがって、単一のタイプのカチオン性ポリマー、又は異なるタイプのカチオン性ポリマーの組合せを使用することができる。
本発明の目的において、「カチオン性ポリマー」という用語は、カチオン性基、及び/又はカチオン性基へとイオン化されうる基を含有する、任意のポリマーを示すことに留意すべきである。
そのようなポリマーは、それ自体が毛髪の美容特性を改善すると既に知られているもの、即ち、とりわけ特許出願EP-A-337354、並びに仏国特許第2270846号、第2383660号、第2598611号、第2470596号及び第2519863号に記載されているものから選択することができる。
好ましい(h)カチオン性ポリマーは、第一級、第二級、第三級及び/又は第四級アミン基を含む単位を含有するものから選択され、これらは、ポリマー主鎖の一部を形成していてもよく、又はそれに直接結合している側鎖置換基によって含有されていてもよい。
使用される(h)カチオン性ポリマーは、一般に、およそ500からおよそ5*106の間、好ましくはおよそ103からおよそ3*106の間の数平均分子量を有する。
挙げることができる(h)カチオン性ポリマーの中には、より特定すると、ポリアミン、ポリアミノアミド及びポリ第四級アンモニウムタイプのポリマーがある。
これらは、公知の製品である。それらは、特に仏国特許第2505348号及び第2542997号に記載されている。前記ポリマーの中では、以下のものを挙げることができる。
(1)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドに由来する、下記の式(I)、(II)、(III)又は(IV)
Figure 2018052841
[式中、
R3は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はCH3基を示し、
Aは、同一であっても異なっていてもよく、1から6個の炭素原子、好ましくは2個若しくは3個の炭素原子の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、又は1から4個の炭素原子のヒドロキシアルキル基を表し、
R4、R5及びR6は、同一であっても異なっていてもよく、1から18個の炭素原子を含有するアルキル基、又はベンジル基、好ましくは1から6個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、
R1及びR2は、同一であっても異なっていてもよく、水素、又は1から6個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチル又はエチルを表し、
Xは、無機若しくは有機酸に由来するアニオン、例えばメト硫酸アニオン、又はハロゲン化物イオン、例えば塩化物イオン若しくは臭化物イオンを示す]
の単位の少なくとも1つを含むホモポリマー又はコポリマー。
ファミリー(1)のポリマーはまた、コモノマーに由来する1つ又は複数の単位を含有することができ、コモノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、窒素上で低級(C1〜C4)アルキルで置換されているアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸若しくはメタクリル酸又はそれらのエステル、ビニルラクタム、例えばビニルピロリドン又はビニル-カプロラクタム、並びにビニルエステルのファミリーから選択することができる。
したがって、ファミリー(1)のこれらのポリマーの中では、以下のものを挙げることができる:
- アクリルアミドと、硫酸ジメチル又はハロゲン化ジメチルで四級化されているメタクリル酸ジメチルアミノエチルとのコポリマー、例えばHercules社によってHercoflocの名称で販売されている製品、
- 例えば特許出願EP-A-080976に記載され、Ciba Geigy社によってBina Quat P 100の名称で販売されている、アクリルアミドと塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムとのコポリマー、
- Hercules社によってRetenの名称で販売されている、アクリルアミドとメト硫酸メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムとのコポリマー、
- 四級化又は非四級化ビニルピロリドン/アクリル酸又はメタクリル酸ジアルキルアミノアルキルコポリマー、例えばISP社によって「Gafquat」の名称で販売されている製品、例として「Gafquat 734」又は「Gafquat 755」、或いは「Copolymer 845、958及び937」として知られている製品。これらのポリマーは、仏国特許第2077143号及び第2393573号に詳細に記載されている、
- メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、例えばISP社によってGaffix VC 713の名称で販売されている製品、並びに
- 特にISP社によってStyleze CC 10の名称で販売されている、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンコポリマー、及び四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、例えばISP社によって「Gafquat HS 100」の名称で販売されている製品。
(2)仏国特許第1492597号に記載されている、第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体、特にUnion Carbide Corporation社によって「JR」(JR 400、JR 125、JR 30M)又は「LR」(LR 400、LR 30M)の名称で販売されているポリマー。これらのポリマーはまた、CTFA辞典において、トリメチルアンモニウム基で置換されているエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロース第四級アンモニウムとして定義されている。
(3)カチオン性セルロース誘導体、例えば水溶性第四級アンモニウムモノマーをグラフトしたセルロース又はセルロース誘導体のコポリマー、とりわけ米国特許4131576号に記載されているもの、例えばとりわけメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム又はジメチルジアリルアンモニウム塩をグラフトしたヒドロキシアルキルセルロース、例としてヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-又はヒドロキシプロピルセルロース。
この定義に相当する市販製品は、より特定すると、National Starch社によってCelquat L 200及びCelquat H 100の名称で販売されている製品である。
(4)カチオン性グアーガム、より特定すると米国特許第3589578号及び第4031307号に記載されているもの、例えばカチオン性トリアルキルアンモニウム基を含有するグアーガム。例えば、2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムの塩(例えば塩化物)で変性されたグアーガムが使用される。そのような製品は、とりわけMeyhall社によってJaguar C13S、Jaguar C15、Jaguar C17及びJaguar C162の商品名で販売されている。
(5)ピペラジニル単位と、二価のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基(直鎖又は分枝鎖を含有し、場合により酸素、硫黄若しくは窒素原子又は芳香族若しくは複素環式環で中断されている)とからなるポリマー、更にはこれらのポリマーの酸化及び/又は四級化生成物。そのようなポリマーは、特に仏国特許第2162025号及び第2280361号に記載されている。
(6)特に酸性化合物をポリアミンと重縮合させることによって調製される、水溶性ポリアミノアミド;これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和二無水物、ビス-不飽和誘導体、ビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン、ビス-ハロゲン化アルキルで、或いはビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン、ビス-ハロゲン化アルキル、エピハロヒドリン、ジエポキシド又はビス-不飽和誘導体と反応性である二官能性化合物の反応から得られるオリゴマーで架橋されていてもよく、架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基1個当たり0.025から0.35molの範囲の割合で使用され、これらのポリアミノアミドは、アルキル化されていてもよく、又はそれらが1個又は複数の第三級アミン官能基を含有する場合、四級化されていてもよい。そのようなポリマーは、特に仏国特許第2252840号及び第2368508号に記載されている。
(7)ポリアルキレンポリアミンをポリカルボン酸と縮合させ、続いて、二官能性物質でアルキル化することから得られるポリアミノアミド誘導体。例えば、アジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレン-トリアミンポリマー(そのアルキル基は、1から4個の炭素原子を含有し、好ましくはメチル、エチル又はプロピルを示す)を挙げることができる。そのようなポリマーは、特に仏国特許第1583363号に記載されている。
これらの誘導体の中では、より特定すると、Sandoz社によって「Cartaretine F、F4又はF8」の名称で販売されているアジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンポリマーを挙げることができる。
(8)2個の第一級アミン基及び少なくとも1個の第二級アミン基を含有するポリアルキレンポリアミンと、ジグリコール酸及び3から8個の炭素原子を有する飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸との反応によって得られるポリマー。ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸とのモル比は、0.8:1から1.4:1の間であり、それらから得られるポリアミノアミドを、エピクロロヒドリンと、エピクロロヒドリン対ポリアミノアミドの第二級アミン基のモル比0.5:1から1.8:1の間で反応させる。そのようなポリマーは、特に米国特許第3227615号及び第2961347号に記載されている。
このタイプのポリマーは、特にHercules Inc.社によって「Hercosett 57」の名称で、或いはアジピン酸/エポキシプロピル/ジエチレントリアミンコポリマーの場合、Hercules社によって「PD 170」又は「Delsette 101」の名称で販売されている。
(9)アルキルジアリルアミンの又はジアルキルジアリルアンモニウムのシクロポリマー、例えば鎖の主要な構成要素として式(V)又は(VI)
Figure 2018052841
[式中、
k及びtは、0又は1に等しく、和k+tは、1に等しく、R9は、水素原子又はメチル基を示し、R7及びR8は、互いに独立して、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、アルキル基が好ましくは1から5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、低級(C1〜C4)アミドアルキル基を示すか、又はR7及びR8は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環式基、例えばピペリジル若しくはモルホリニルを示すことができ、R7及びR8は、互いに独立して、好ましくは、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を示し、Y-は、アニオン、例えば臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸水素イオン、硫酸イオン又はリン酸イオンである]
に相当する単位を含有するホモポリマー又はコポリマー。これらのポリマーは、特に仏国特許第2080759号及びその追加特許第2190406号に記載されている。
上記に定義したポリマーの中では、より特定すると、Calgon社によって「Merquat 100」の名称で販売されている塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー(及び低い質量平均分子量のその同族体)、並びに「Merquat 550」の名称で販売されている、塩化ジアリルジメチルアンモニウムとアクリルアミドとのコポリマーを挙げることができる。
(10)以下の式
Figure 2018052841
[式中、
R10、R11、R12及びR13は、同一であっても異なっていてもよく、1から20個の炭素原子を含有する脂肪族、脂環式若しくはアリール脂肪族基、又は低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を表すか、或いはR10、R11、R12及びR13は、一緒に又は別々に、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素以外の第2のヘテロ原子を場合により含有する複素環を構成するか、或いはR10、R11、R12及びR13は、ニトリル、エステル、アシル若しくはアミド基で置換されている直鎖状若しくは分枝状のC1〜C6アルキル基、又は-CO-O-R14-D若しくは-CO-NH-R14-D基(式中、R14は、アルキレンであり、Dは、第四級アンモニウム基である)を表し、
A1及びB1は、2から20個の炭素原子を含有するポリメチレン基を表し、これは、直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和であることができ、主鎖に連結又は挿入されて、1つ若しくは複数の芳香族環、又は1個若しくは複数の酸素若しくは硫黄原子、又はスルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第四級アンモニウム、ウレイド、アミド若しくはエステル基を含有していてもよく、
X-は、無機又は有機酸に由来するアニオンを示し、
A1、R10及びR12は、それらが結合している2個の窒素原子と一緒になって、ピペラジン環を形成することができ、加えて、A1が、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基を示す場合、B1はまた、-(CH2)n-CO-D-OC-(CH2)n-基を示すことができ、ここで、Dは、
i)式:-O-Z-O-のグリコール残基(式中、Zは、直鎖状若しくは分枝状の炭化水素系基、又は以下の式:
-(CH2-CH2-O)x-CH2-CH2-、及び
-[CH2-CH(CH3)-O]y-CH2-CH(CH3)-
の1つに相当する基を示し、ここで、x及びyは、規定された固有の重合度を表す1から4の整数、又は平均重合度を表す1から4の任意の数を示す);
ii)ビス-第二級ジアミン残基、例えばピペラジン誘導体;
iii)式-NH-Y-NH-のビス-第一級ジアミン残基(式中、Yは、直鎖状若しくは分枝状の炭化水素系基、或いは二価の基-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-を示す);又は
iv)式-NH-CO-NH-のウレイレン基
を示す]
に相当する繰り返し単位を含有する第四級ジアンモニウムポリマー。
好ましくは、X-は、アニオン、例えば塩化物イオン又は臭化物イオンである。
これらのポリマーは、一般に、1000から100000の間の数平均分子量を有する。
このタイプのポリマーは、特に仏国特許第2320330号、第2270846号、第2316271号、第2336434号及び第2413907号、並びに米国特許第2273780号、第2375853号、第2388614号、第2454547号、第3206462号、第2261002号、第2271378号、第3874870号、第4001432号、第3929990号、第3966904号、第4005193号、第4025617号、第4025627号、第4025653号、第4026945号及び第4027020号に記載されている。
より特定すると、以下の式(VIII)
Figure 2018052841
[式中、
R10、R11、R12及びR13は、同一であっても異なっていてもよく、およそ1から4個の炭素原子を含有するアルキル又はヒドロキシアルキル基を示し、n及びpは、およそ2から20の範囲の整数であり、X-は、無機又は有機酸に由来するアニオンである]
に相当する繰り返し単位からなるポリマーを使用することが可能である。
(11)式(IX)
Figure 2018052841
[式中、
pは、およそ1から6の範囲の整数を示し、Dは、存在しなくてもよく、又は-(CH2)r-CO-基(式中、rは、4又は7に等しい数を示す)を表すことができ、
X-は、アニオンである]
の単位からなるポリ第四級アンモニウムポリマー。
そのようなポリマーは、米国特許第4157388号、第4702906号及び第4719282号に記載されている方法に従って調製することができる。それらは、とりわけ、特許出願EP-A-122324に記載されている。
これらのポリマーの中では、挙げることができる例には、Miranol社によって販売されている製品「Mirapol A 15」、「Mirapol AD1」、「Mirapol AZ1」及び「Mirapol 175」が含まれる。
(12)ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの第四級ポリマー、例としてBASF社によってLuviquat FC 905、FC 550及びFC 370の名称で販売されている製品。
(13)ポリアミン、例えばHenkel社によって販売されているPolyquart H、これは、CTFA辞典において、「ポリエチレングリコール(15)タロウポリアミン」の参照名で示されている。
(14)架橋メタクリロイルオキシ(C1〜C4)アルキルトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム塩ポリマー、例えば塩化メチルで四級化されているメタクリル酸ジメチルアミノエチルを単独重合し、又はアクリルアミドと塩化メチルで四級化されているメタクリル酸ジメチルアミノエチルとを共重合し、単独重合又は共重合に続いて、オレフィン性不飽和を含有する化合物、特にメチレンビスアクリルアミドと架橋することによって得られるポリマー。より特定すると、架橋アクリルアミド/塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムコポリマー(質量で20/80)を、鉱油中に50質量%の前記コポリマーを含有する分散体の形態で使用することができる。この分散体は、Allied Colloids社によって「Salcare(登録商標)SC 92」の名称で販売されている。架橋塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムホモポリマーであって、鉱油又は液体エステル中に約50質量%のホモポリマーを含有するものも使用することができる。これらの分散体は、Allied Colloids社によって「Salcare(登録商標)SC 95」及び「Salcare(登録商標)SC 96」の名称で販売されている。
(15)本発明との関連で使用することができる他のカチオン性ポリマーは、ポリアルキレンイミン、特にポリエチレンイミン、ビニルピリジン又はビニルピリジニウム単位を含有するポリマー、ポリアミンとエピクロロヒドリンとの縮合物、第四級ポリウレイレン及びキチン誘導体である。
(h)カチオン性ポリマーは、ポリクオタニウムポリマー又は重合第四級アンモニウム塩であることが好ましい。
重合第四級アンモニウム塩は、少なくとも1個の四級化窒素原子を含むカチオン性ポリマーである。重合第四級アンモニウム塩としては、特に、ポリクオタニウム製品(CTFA名)を挙げることができ、これは、主として泡の質及び使用後の皮膚感触、特に使用後の皮膚感触に寄与する。これらのポリマーは、好ましくは、以下のポリマーから選択することができる:
ポリクオタニウム-5、例えばCalgon社によって販売されている製品Merquat 5、
ポリクオタニウム-6、例えばCiba社によって販売されている製品Salcare SC 30及びCalgon社によって販売されている製品Merquat 100、
ポリクオタニウム-7、例えばCalgon社によって販売されている製品Merquat S、Merquat 2200、Merquat 7SPR及びMerquat 550、並びにCiba社によって販売されている製品Salcare SC 10、
ポリクオタニウム-10、例えばAmerchol社によって販売されている製品Polymer JR400、
ポリクオタニウム-11、例えばISP社によって販売されている製品Gafquat 755、Gafquat 755N及びGafquat 734、
ポリクオタニウム-15、例えばRohm社によって販売されている製品Rohagit KF 720 F、
ポリクオタニウム-16、例えばBASF社によって販売されている製品Luviquat FC905、Luviquat FC370、Luviquat HM552及びLuviquat FC550、
ポリクオタニウム-28、例えばISP社によって販売されている製品Styleze CC10、
ポリクオタニウム-44、例えばBASF社によって販売されている製品Luviquat Care、
ポリクオタニウム-46、例えばBASF社によって販売されている製品Luviquat Hold、並びに
ポリクオタニウム-47、例えばCalgon社によって販売されている製品Merquat 2001。
好ましくは、第四級アンモニウム塩は、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-47及びそれらの混合物から選択される。
本発明による組成物中の(h)カチオン性ポリマーの量は限定されないが、カチオン性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して0.01質量%から5質量%、好ましくは0.1質量%から3質量%、より好ましくは0.3質量%から2質量%であることができる。
[他の成分]
本発明による組成物は、(b)脂肪物質又は(e)アルコールとは異なる、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒を含んでもよい。2種以上の非プロトン性極性溶媒を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの非プロトン性極性溶媒、又は異なるタイプの非プロトン性極性溶媒の組合せを使用することができる。
「非プロトン性極性溶媒」という用語は、酸性水素を含有せず、水素結合供与体として作用しない極性溶媒を意味する。
非プロトン性極性溶媒としては、エーテル系溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサン;ケトン系溶媒、例えば2-プロパノン;スルホキシド系溶媒、例えばジメチルスルホキシド及びジエチルスルホキシド;アミド系溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン等;エステル系溶媒、例えば酢酸エチル、ガンマ-ブチロラクトン等;エーテルエステル系溶媒、例えば酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル等;ヘキサメチルホスホアミド等;アセトニトリル等を好ましくは使用することができる。
非プロトン性極性溶媒としては、以下の化学式(1)
Figure 2018052841
[式中、R''は、水素原子、(C1〜C8)アルキル基、(C1〜C4)ヒドロキシアルキル基を表す]
の炭酸アルキレンを挙げることができる。
炭酸アルキレンとしては、炭酸エチレン(R''=H)、炭酸プロピレン(R''=CH3)、炭酸グリセロール(R''=CH2OH)、或いは炭酸ブチレン(R''=CH2CH3)を挙げることができる。炭酸アルキレンの中では、炭酸プロピレンが好ましい。
(b)非プロトン性極性溶媒は、炭酸プロピレン、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、ジメチルスルホン、2-プロパノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド、及びそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい場合がある。
本発明による組成物は、非プロトン性極性溶媒を、組成物の総質量に対して0.01質量%から10質量%、好ましくは0.05質量%から5質量%、より好ましくは0.1質量%から3質量%の量で含有してもよい。
本発明による組成物のpHは、ケラチン繊維の染色において通常使用される酸性化又は塩基性化剤を使用して、或いは従来の緩衝系を使用して、所望の値に調整することができる。
本発明による組成物は、好ましくは酸性である。したがって、組成物のpHは、2から7、より好ましくは2から5、更に好ましくは2から4であることが好ましい。
酸性化剤の中では、例として、無機又は有機酸、例えば塩酸、オルト-リン酸、硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸、並びにスルホン酸を挙げることができる。
塩基性化剤の中では、例として、水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-及びトリエタノールアミン、更にはそれらの誘導体、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、並びに下記の式の化合物:
Figure 2018052841
[式中、
Wは、ヒドロキシル又はC1〜C4アルキル基で場合により置換されているアルキレン、例えばプロピレンを示し、Ra、Rb、Rc及びRdは、独立して、水素原子、アルキル基又はC1〜C4ヒドロキシアルキル基を示す]を挙げることができ、これは、1,3-プロパンジアミン及びそれらの誘導体により例示することができる。水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく、その理由は、これはまた、インサイチューで緩衝剤を形成するよう機能しうるからである。
酸性化又は塩基性化剤は、組成物の総質量に対して0.001質量%から15質量%、好ましくは0.01質量%から10質量%、より好ましくは0.1質量%から5質量%の範囲の量で使用することができる。
本発明による組成物はまた、毛髪を染色するための組成物中で従来使用されている様々な補助剤、例えばアニオン性、非イオン性、両性若しくは双性イオン性ポリマー、又はそれらの混合物、抗酸化剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、香料、分散剤、コンディショニング剤、皮膜形成剤、セラミド、保存剤及び乳白剤を含有してもよい。
本発明による組成物の形態は、水ベースである限り特に限定されず、例えばエマルション(O/W又はW/O型)、水性ゲル、水溶液等の様々な形態を取ることができる。本発明による組成物は、O/Wエマルションの形態であることが好ましい。
本発明による組成物は、ケラチン繊維を染色するための組成物であり、好ましくは、ケラチン繊維を染色するための化粧用組成物である。「ケラチン繊維」は、本明細書において、少なくとも1種のケラチン物質を含む繊維を意味する。ケラチン繊維の表面の少なくとも一部は、ケラチン繊維によって形成されることが好ましい。ケラチン繊維の例には、毛髪、眉毛、まつ毛等が含まれる。本発明による組成物は、毛髪を染色するために使用されることが好ましい。
[調製]
本発明による組成物は、必須成分としての成分(a)から(d)、及び上記で説明した任意選択の成分を混合することによって調製することができる。
上記の必須及び任意選択の成分を混合するための方法及び手段は限定されない。上記の必須及び任意選択の成分を混合するための任意の従来の方法及び手段を使用して、本発明による組成物を調製することができる。
本発明による組成物は、好ましくは、いわゆる一液型組成物又は即時使用可能な組成物である。本発明の目的において、「即時使用可能な組成物」という表現は、毛髪等のケラチン繊維に直ちに塗布される組成物として本明細書で定義される。
いわゆる二液型組成物と比較して、いわゆる一液型組成物は、使用前に組成物中の成分を混合する必要がない。したがって、消費者が本発明による組成物を、ケラチン繊維を染色するために使用することは容易である。更に、本発明による組成物は、ケラチン繊維の安定な着色が可能であり、その理由は、ケラチン繊維を染色するための二液型組成物に必要とされる正確な混合比で成分を混合し損なう可能性がないからである。
[方法]
本発明はまた、本発明による組成物をケラチン繊維に塗布する工程を含む、ケラチン繊維を染色するための方法に関する。
本発明による組成物をケラチン繊維に塗布する工程は、従来の塗布具、例えばブラシによって、又は更に手によって実施することができる。
本発明による組成物が塗布されたケラチン繊維は、ケラチン繊維を処置するのに必要とされる適切な時間にわたり放置することができる。処置のための時間の長さは限定されないが、1分から1時間、好ましくは1分から30分、より好ましくは1分から15分であってもよい。例えば、ケラチン繊維を染色するための時間は、1から20分、好ましくは5から15分であってもよい。
ケラチン繊維は、室温で処置してもよい。或いは、本発明による組成物をケラチン繊維に塗布する工程、及び/又は本発明による組成物が塗布されたケラチン繊維を放置する工程中に、ケラチン繊維を25℃から65℃、好ましくは30℃から60℃、より好ましくは35℃から55℃、更に好ましくは40℃から50℃で加熱してもよい。
本発明による組成物をケラチン繊維に塗布する工程後、及び/又は本発明による組成物が塗布されたケラチン繊維を放置する工程後に、ケラチン繊維をすすいでもよい。
本発明はまた、毛髪等のケラチン繊維を染色するための本発明による組成物の使用に関しうる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
(実施例1〜8及び比較例1〜6)
[調製]
実施例1〜8及び比較例1〜6による毛髪を染色するための化粧用組成物のそれぞれを、脂肪物質、界面活性剤、及び水を80℃で乳化し、得られたエマルションを冷却し、次いで、表1〜表2に示す染料、シリコーン及び溶媒を添加することによって調製した。成分の量の数値は全て、活性原料としての「質量%」に基づく。
[生産性]
実施例1〜8及び比較例1〜6による組成物を調製した直後に、各組成物の生産性を、以下の基準に従って評価した。
良好:均一なクリームが調製された
不良:均一なクリームが調製されなかった
結果を表1〜表2に示す。
[安定性]
実施例1〜8及び比較例1及び3による組成物のそれぞれ(4g)を、白色のヤギ毛の房1gに均一に塗布した。次いで、房を室温で5分間放置し、続いて、水で洗浄した。次に、房を乾燥し、房の色を、測色計(Konica Minolta CM-3600A)によって検査した。
実施例1〜8及び比較例1及び3による組成物を45℃で1か月間保存し、組成物のそれぞれを、白色のヤギ毛の房1gに均一に塗布した。次いで、房を室温で5分間放置し、続いて、水で洗浄した。次に、房を乾燥し、房の色を、測色計(Konica Minolta CM-3600A)によって検査した。
組成物を45℃で1か月間保存したことに起因する房の色差を、以下の基準により評価した。
良好:変化なし又はわずかな変化
可(fair):変化するが許容可能
不良:変化し許容不能
結果を表1〜表2に示す。
比較例2及び4〜6による組成物は試験することができず、その理由は、生産性試験により、均一なクリーム及び使用可能な染料製品を製造できないことが判明したからであることに留意すべきである。
[色強度]
実施例1〜8及び比較例1及び3による組成物のそれぞれ(4g)を、白色のヤギ毛の房1gに均一に塗布した。次いで、房を室温で5分間放置し、続いて、水で洗浄した。次に、房を乾燥し、房の色を、パネリストが以下の基準に従って評価した。
非常に良好:色が強い
良好:色が中程度
可:色が視認できるが弱い
不良:色が視認できない
NT:試験せず
比較例2及び4〜6による組成物は試験することができず、その理由は、生産性試験により、均一なクリーム及び使用可能な染料製品を製造できないことが判明したからであることに留意すべきである。
結果を表1〜表2に示す。
[毛髪コンディショニング]
毛の房10gをシャンプーすることによって洗浄し、実施例1〜8及び比較例1及び3による組成物のそれぞれ(4g)を均一に塗布した。次いで、房を室温で5分間放置し、続いて、水で洗浄した。次に、房を乾燥し、房の滑らかさ及び柔らかさを、パネリストが以下の基準に従って評価した。
非常に良好:非常に滑らかで非常に柔らかい
良好:滑らかで柔らかい
可:粗くないが硬い
不良:粗く硬い
NT:試験せず
比較例2及び4〜6による組成物は試験することができず、その理由は、生産性試験により、均一なクリーム及び使用可能な染料製品を製造できないことが判明したからであることに留意すべきである。
結果を表1〜表2に示す。
Figure 2018052841
Figure 2018052841
表1に示す実施例1及び2と比較例1及び3との比較から、(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤を含む本発明による化粧用組成物は、他のタイプのアニオン性界面活性剤を含む化粧用組成物と比較して、毛髪色強度及び毛髪コンディショニングの両方の観点から有利な効果を付与することができる、直接染料ベースの毛髪着色化粧料でありうることが認められる。
表1に示す実施例1及び2と比較例4との比較から、有利な毛髪色強度及び毛髪コンディショニング効果を付与するために、本発明による化粧用組成物中で、(c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤を、組成物の総質量に対して2.0質量%未満の量で使用することが必要であることが認められる。
表2に示す実施例3と実施例4との比較から、シリコーン油の添加により、毛髪コンディショニング効果を更に改善できることが認められる。
表2に示す実施例5と実施例6との比較から、低粘度及び高粘度を有するシリコーン油の組合せの使用により、毛髪コンディショニング効果を更に改善できることが認められる。
表2に示す実施例6と実施例7〜8との比較から、カチオン性界面活性剤の使用により、着色安定性を改善できることが認められる。

Claims (15)

  1. ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するための、好ましくはO/Wエマルションの形態の組成物であって、
    (a)少なくとも1種の直接染料と、
    (b)少なくとも1種の脂肪物質と、
    (c)少なくとも1種の、ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤と、
    (d)水と
    を含み、
    (c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して2.0質量%未満、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である、
    組成物。
  2. (a)直接染料が、酸性直接染料、塩基性直接染料及び中性直接染料からなる群から、好ましくは酸性直接染料から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. (a)直接染料が、
    式(II)又は(II')のジアリールアニオン性アゾ染料:
    Figure 2018052841
    [式(II)及び(II')中、
    ・R7、R8、R9、R10、R'7、R'8、R'9及びR'10は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
    - アルキル、
    - アルコキシ、アルキルチオ、
    - ヒドロキシル、メルカプト、
    - ニトロ、
    - R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(R°は、水素原子又はアルキル若しくはアリール基を表し、X、X'及びX''は、同一であっても異なっていてもよく、酸素若しくは硫黄原子又はNRを表し、Rは、水素原子又はアルキル基を表す)、
    - (O)2S(O-)-, X+(X+は、有機又は無機のカチオン性対イオンを表す)、
    - (O)CO--, X+
    - (O)P(O2 -)-, 2X+
    - R''-S(O)2-(R''は、水素原子又はアルキル、アリール、(ジ)(アルキル)アミノ若しくはアリール(アルキル)アミノ基、好ましくはフェニルアミノ又はフェニル基を表す)、
    - R'''-S(O)2-X'-(R'''は、アルキル又は場合により置換されているアリール基を表す)、
    - (ジ)(アルキル)アミノ、
    - i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-, X+、及びiv)X+を伴うアルコキシから選択される1個又は複数の基で場合により置換されているアリール(アルキル)アミノ、
    - 場合により置換されているヘテロアリール、好ましくはベンゾチアゾリル基、
    - シクロアルキル、とりわけシクロヘキシル、
    - Ar-N=N-(Arは、場合により置換されているアリール基、好ましくは、1個又は複数のアルキル、(O)2S(O-)-, X+又はフェニルアミノ基で場合により置換されているフェニルを表す)
    から選択される基を表すか、
    - 或いは2個の隣接する基であるR7とR8、又はR8とR9、又はR9とR10は、一緒になって、縮合ベンゾ基A'を形成し、R'7とR'8、又はR'8とR'9、又はR'9とR'10は、一緒になって、縮合ベンゾ基B'を形成し、A'及びB'は、i)ニトロ、ii)ニトロソ、iii)(O)2S(O-)-, X+、iv)ヒドロキシル、v)メルカプト、vi)(ジ)(アルキル)アミノ、vii)R°-C(X)-X'-、viii)R°-X'-C(X)-、ix)R°-X'-C(X)-X''-、x)Ar-N=N-及びxi)場合により置換されているアリール(アルキル)アミノから選択される1個又は複数の基で場合により置換されており、
    ・Wは、シグマ結合σ、酸素若しくは硫黄原子、又は二価の基i)-NR-若しくはii)メチレン-C(Ra)(Rb)-を表し、Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子若しくはアリール基を表すか、或いはRa及びRbは、それらを有する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルを形成し、好ましくは、Wは、硫黄原子を表すか、又はRa及びRbは、一緒になって、シクロヘキシルを形成し、
    式(II)及び(II')は、少なくとも1個のスルホネート(O)2S(O-)-, X+又はホスホネート(O)P(O2 -) 2X+又はカルボキシレート(O)C(O-)-, X+基を、環A、A'、B、B'又はCの1つに含む];
    式(III)及び(III')のアントラキノン染料:
    Figure 2018052841
    [式(III)及び(III')中、
    ・R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、同一であっても異なっていてもよく、水素若しくはハロゲン原子又は
    - アルキル、
    - ヒドロキシル、メルカプト、
    - アルコキシ、アルキルチオ、
    - 場合により置換されている、好ましくはアルキル及び (O)2S(O-)-, X+(X+は、有機又は無機のカチオン性対イオンを表す)から選択される1個又は複数の基で場合により置換されているアリールオキシ又はアリールチオ、
    - アルキル及び(O)2S(O-)-, X+から選択される1個又は複数の基で場合により置換されているアリール(アルキル)アミノ、
    - (ジ)(アルキル)アミノ、
    - (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ、
    - (O)2S(O-)-, X+
    から選択される基を表し、
    ・Z'は、水素原子又はNR28R29基を表し、R28及びR29は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
    - アルキル、
    - ポリヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシエチル、
    - 1個又は複数の基、特にi)アルキル、例えばメチル、n-ドデシル、n-ブチル、ii)(O)2S(O-)-, X+、iii) R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(好ましくは、R°は、アルキル基を表す)で場合により置換されているアリール、
    - シクロアルキル、とりわけシクロヘキシル
    から選択される基を表し、
    ・Zは、ヒドロキシル及びNR'28R'29から選択される基を表し、R'28及びR'29は、同一であっても異なっていてもよく、R28及びR29と同じ原子又は基を表し、
    式(III)及び(III')は、少なくとも1個のスルホネート基(O)2S(O-)-, X+を含む];
    並びに
    式(IV)のキノリンベース染料:
    Figure 2018052841
    [式(IV)中、
    ・R61は、水素若しくはハロゲン原子又はアルキル基を表し、
    ・R62、R63及びR64は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は (O)2S(O-)-, X+基を表し、X+は、有機又は無機のカチオン性対イオンを表すか、
    ・或いはR61とR62、又はR61とR64は、一緒になって、1個又は複数の(O)2S(O-)-, X+基で場合により置換されているベンゾ基を形成し、
    ・Gは、酸素若しくは硫黄原子又はNRe基を表し、Reは、水素原子又はアルキル基を表し、特に、Gは、酸素原子を表し、
    式(IV)は、少なくとも1個のスルホネート基(O)2S(O-)-, X+を含む]
    からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (a)直接染料の量が、組成物の総質量に対して0.001質量%から5質量%、好ましくは0.01質量%から3質量%、より好ましくは0.05質量%から1質量%の範囲である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. (b)脂肪物質が、脂肪アルコールから選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. (b)脂肪物質の量が、組成物の総質量に対して1質量%から30質量%、好ましくは3質量%から20質量%、より好ましくは5質量%から10質量%の範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. ジアニオン性アミノ酸界面活性剤が、グルタメート、N-アシル化グルタメート、アスパルテート、N-アシル化アスパルテート、及びそれらの塩からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. (c)ジアニオン性アミノ酸界面活性剤から選択されるアニオン性界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. (d)水の量が、組成物の総質量に対して50質量%から99質量%、好ましくは60質量%から95質量%、より好ましくは70質量%から90質量%の範囲である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. (e)少なくとも1種の、(b)脂肪物質以外のアルコールを更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. (f)少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. (g)少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. (h)少なくとも1種のカチオン性ポリマーを更に含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 組成物のpHが、2から7、好ましくは2から5、より好ましくは2から4の範囲である、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. ケラチン繊維、好ましくは毛髪を染色するための方法であって、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物をケラチン繊維に塗布する工程を含む、方法。
JP2016189366A 2016-09-28 2016-09-28 ケラチン繊維を染色するための組成物 Pending JP2018052841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016189366A JP2018052841A (ja) 2016-09-28 2016-09-28 ケラチン繊維を染色するための組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016189366A JP2018052841A (ja) 2016-09-28 2016-09-28 ケラチン繊維を染色するための組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018052841A true JP2018052841A (ja) 2018-04-05

Family

ID=61835135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016189366A Pending JP2018052841A (ja) 2016-09-28 2016-09-28 ケラチン繊維を染色するための組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018052841A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020164478A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社マンダム 乳化毛髪化粧料
KR20210080505A (ko) * 2018-11-27 2021-06-30 로레알 직접 염료를 포함하는 케라틴 섬유용 조성물

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210080505A (ko) * 2018-11-27 2021-06-30 로레알 직접 염료를 포함하는 케라틴 섬유용 조성물
US11672743B2 (en) 2018-11-27 2023-06-13 L'oreal Composition for keratin fibers comprising a direct dye
KR102598449B1 (ko) * 2018-11-27 2023-11-03 로레알 직접 염료를 포함하는 케라틴 섬유용 조성물
JP2020164478A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社マンダム 乳化毛髪化粧料
JP7399625B2 (ja) 2019-03-29 2023-12-18 株式会社マンダム 乳化毛髪化粧料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2266528B1 (fr) Procédé de coloration et/ou de blanchiement des cheveux à base d&#39;une composition comprenant une amino trialcoxysilane
KR101701231B1 (ko) 모발 처리제 조성물 및 이를 이용한 모발 처리 방법
CN113616552A (zh) 用于改变毛发颜色的组合物
KR20120027497A (ko) 모발 처리제 조성물과 이를 사용하는 모발 처리 방법
FR2954093A1 (fr) Agent de coloration et/ou de decoloration des fibres keratiniques en deux parties ou plus sous forme d&#39;emulsion et de dispersion
FR2988595A1 (fr) Composition comprenant le (2,5-diaminophenyl) ethanol, un tensioactif non ionique alkylpolyglucoside dans un milieu riche en corps gras, procede de coloration et dispositif
JP2018052841A (ja) ケラチン繊維を染色するための組成物
JP6523282B2 (ja) 毛髪処理用水性組成物
US20230310285A1 (en) Developer composition comprising direct dye
JP2017193513A (ja) ケラチン繊維を染色するための組成物
JP2021528409A (ja) レベル2着色用冷間生産からの酸化的ヘアブライトナーまたは染毛剤
JP7418362B2 (ja) 塗布特性が改善された酸化的ヘアブライトナーまたはヘアダイ
JP2016017031A (ja) ケラチン繊維のための美容組成物を調製する方法
US11446220B2 (en) Transparent hair lightening compositions, kits, and methods of use
GB2580761A (en) Oxidation coloring agent in red shades with reduced color shift due to copper ions
US20240082129A1 (en) Hair coloring compositions suitable for facial hair
GB2571410A (en) Oxidative hair dyeing agent having reduced hair damage and improved dyeing properties
FR2984737A1 (fr) Procede de coloration ou d&#39;eclaircissement de fibres keratiniques en deux parties, a partir d&#39;une emulsion directe alcaline riche en huile a base de tensioactif non ionique solide et de polymere thermo-epaississant
JP2019182780A (ja) ケラチン繊維を染色するための組成物
JP2019014654A (ja) ケラチン繊維を染色するための組成物
JP2023173161A (ja) ケラチン繊維を着色するための組成物
WO2016097123A1 (en) Composition for direct dyeing of keratin fibres, in the form of a microemulsion based on water, oil(s) and surfactant(s)
FR3141071A1 (fr) Compositions de coloration des poils convenant pour les poils du visage
FR3124715A1 (fr) Composition comprenant de l’acide N,N-dicarboxyméthyl glutamique, au moins un alcool gras, au moins un acide gras, au moins un polyol, au moins un agent alcalin et éventuellement au moins un colorant
WO2023228870A1 (en) Composition for coloring keratin fibers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201012

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210510