JP2016016734A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングコラムを車体に固定する締結ボルトが傾斜して車体に組付けられていても、ステアリングコラムに連結された固定ブラケットの変形を抑制することができるステアリング装置を提供する。【解決手段】ステアリングコラム4と、ステアリングコラム4に連結された固定ブラケット31と、固定ブラケット31を車体に固定する締結機構とを備えたステアリング装置1において、締結機構は、車体に一方側が固定され、固定ブラケット31が有する挿通孔75bに挿通される締結ボルト64と、締結ボルト64に螺合するナット65と、固定ブラケット31とナット65との間に介在し、締結ボルト64が挿通され、固定ブラケット31側端面に挿通孔75bの内周縁部に係合可能な球面凸部66aを有したスペーサ66とを備え、ナット65を締付けることにより、球面凸部66aと車体との間に固定ブラケット31が挟圧される。【選択図】図5
Description
本発明は、ステアリング装置に関する。
従来一般のステアリング装置では、ステアリングシャフトを回転可能に支持するステアリングコラムが、該ステアリングコラムに固定されるコラム側ブラケットと車体側に固定される固定ブラケットを介して、締結ボルトとナットからなる締結機構により車体に取付けられている(例えば、特許文献1参照)。
ステアリング装置では、運転者の体格や運転姿勢に合わせて、車両に対するステアリングホイールの位置(ステアリング位置)を調整できることが望ましく、チルト調整機能やテレスコ調整機能を備えるものが多くなっている。特許文献1に記載のステアリング装置では、チルト調整機能とテレスコ調整機能を備えるために、コラム側ブラケットには、テレスコ方向にテレスコ用の長孔が形成され、車体側の固定ブラケットには、チルト方向にチルト用の長孔が形成され、コラム側ブラケットが固定ブラケットに対してチルト方向及びテレスコ方向に相対移動可能に連結されている。
さらに、近年のステアリング装置では、例えば車両が前面衝突し、慣性の作用により運転者がステアリングホイールに二次衝突した際に、その衝撃緩和等を目的として、ステアリングコラムが車両から離脱するように構成されものが広く普及している。特許文献1に記載のステアリング装置では、車体に一方側が固定された締結ボルトに、離脱用のカプセル機構を介して固定ブラケットを挿通させ、ナットを締付けることにより、ステアリングコラムに連結された固定ブラケットを車体に固定している。そして、固定ブラケットに作用する衝撃力が所定の離脱荷重を超えた時に、カプセル機構を車体に残した状態で、ステアリングコラムを車両前方に離脱させるようになっている。
ところで、車体に固定される締結ボルトが、車体への組付精度等により、正規の位置から傾斜して車体側に組付けられている場合がある。締結ボルトが傾斜した状態で、固定ブラケットをナットにより固定すると、固定ブラケットに曲げの力が作用し、固定ブラケットが変形するおそれがある。その結果、チルト調整機能やテレスコ調整機能を備えたステアリング装置においては、固定ブラケットと該固定ブラケットに対し相対移動可能なコラム側ブラケットとの間の隙間が所定値より減少し、チルト操作力やテレスコ操作力が高くなるといった問題が発生するおそれがある。また、ステアリングコラムが車両から離脱するように構成されステアリング装置においては、離脱用のカプセル機構にこじれが生じ、離脱荷重が高くなるといった問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ステアリングコラムを車体に固定する締結ボルトが傾斜して車体に組付けられていても、ステアリングコラムに連結された固定ブラケットの変形を抑制することができるステアリング装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、ステアリングシャフトを回転可能に支持するステアリングコラムと、前記ステアリングコラムに連結された固定ブラケットと、前記固定ブラケットを車体に固定する締結機構とを備えたステアリング装置において、前記締結機構は、前記車体に一方側が固定され、前記固定ブラケットが有する挿通孔に挿通される締結ボルトと、前記締結ボルトに螺合するナットと、前記固定ブラケットと前記ナットとの間に介在し、前記締結ボルトが挿通され、前記固定ブラケット側端面に前記挿通孔の内周縁部に係合可能な球面凸部を有したスペーサとを備え、前記ナットを締付けることにより、前記球面凸部と前記車体との間に前記固定ブラケットが挟圧されることを特徴とする。
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、ステアリングコラムに連結された固定ブラケットを車体に固定する際に、スペーサの球面凸部と固定ブラケットが有する挿通孔の内周縁部とが係合した状態で、固定ブラケットが球面凸部と車体との間に挟圧されて固定される。これにより、締結ボルトが傾斜して車体に組付けられていても、ナットの締付けにより発生する締結力を挿通孔の内周縁部に対し均一にすることができる。したがって、固定ブラケットに曲げの力が作用することがなくなり、固定ブラケットの変形を抑制することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のステアリング装置であって、前記ナットの前記固定ブラケット側端面を球面凸状に形成することにより、前記ナットと前記球面凸部を有する前記スペーサとを一体に形成したことを特徴とする。
上記のように構成した請求項2に係る発明によれば、ナットと球面凸部を有するスペーサとを一体に形成しているので、部品点数の増加を抑制することができる。また、固定ブラケットを車体に固定する際の組付作業性をより向上することができる。
本発明によれば、ステアリングコラムを車体に固定する締結ボルトが傾斜して車体に組付けられていても、ステアリングコラムに連結された固定ブラケットの変形を抑制することができるステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係るステアリング装置について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、ステアリング装置1は、車両後方側(図1の右側)の端部にステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト3と、該ステアリングシャフト3を回転可能に支持するステアリングコラム4とを備えている。そして、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3の車両前方側(図1の左側)の端部が自在継手(図示略)を介してインターミディエイトシャフト(図示略)に連結されることにより、ステアリング操作に伴う回転及び操舵トルクをラックアンドピニオン機構等の図示しない転舵機構へと伝達するように構成されている。なお、ステアリングシャフト3は、車両前方側の端部が鉛直方向下側(図1の下側)に位置するように傾斜した状態で車両に搭載されている。
また、ステアリング装置1は、鉛直方向(図1の上下方向)におけるステアリングホイール2の位置(ステアリング位置)を調整可能とするチルト調整機能と、ステアリングシャフト3の軸線方向におけるステアリング位置を調整可能とするテレスコ調整機能とを備えている。
具体的には、ステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2が固定される中空状のアッパシャフト11と、該アッパシャフト11に収容されるロアシャフト12とを備えている。アッパシャフト11の内周にはスプライン嵌合部11aが形成され、ロアシャフト12の外周にはスプライン嵌合部12aが形成されている。そして、アッパシャフト11とロアシャフト12とは、スプライン嵌合することにより互いに軸線方向へ相対摺動可能、且つ一体回転可能に構成されている。
ステアリングコラム4は、軸受5を介してアッパシャフト11を収容支持するアウタチューブ13と、ロアシャフト12を収容するインナチューブ14とを備えている。アウタチューブ13は、その内周にインナチューブ14が挿入されることにより、インナチューブ14に対して軸線方向へ相対摺動可能に設けられている。
なお、本実施形態では、インナチューブ14の車両前方側の端部には、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する電動モータ(図示略)の出力軸16が収容されるハウジング17が設けられている。出力軸16は、ロアシャフト12の車両前方側の端部に連結されるインプットシャフト16aと、ウォームホイール22が固定されるとともにインターミディエイトシャフトに連結されるアウトプットシャフト16cとをトーションバー16bを介して連結することにより構成され、ハウジング17内に軸受19,20,21を介して回転可能に支持されている。
そして、ウォームホイール22と該ウォームホイール22に噛合し電動モータに連結されるウォーム軸(図示略)とからなる減速機構を介して、電動モータの回転を出力軸16に伝達することにより、操舵系に対してアシスト力を付与することが可能な構成となっている。なお、出力軸16は、ステアリングシャフト3の一部を構成し、ハウジング17は、ステアリングコラム4の一部を構成している。
ステアリングコラム4は、車体の一部を構成する取付ステー24の車両前方側に固定されたロアブラケット25によって、ハウジング17に設けられたチルト中心軸Oを中心として傾動可能に支持されている。また、ステアリングコラム4は、取付ステー24の車両後方側に固定されたアッパブラケット26によって、ステアリングコラム4のアウタチューブ13がチルト中心軸Oを中心として傾動可能、且つ軸線方向移動可能に支持されている。
図2及び図3に示すように、アッパブラケット26は、取付ステー24に固定される固定ブラケット31と、ステアリングコラム4のアウタチューブ13が固定されるコラム側ブラケット32とを備えている。固定ブラケット31は、支軸33によりコラム側ブラケット32に連結され、該コラム側ブラケット32を介してステアリングコラム4に連結されている。固定ブラケット31及びコラム側ブラケット32は、板金により形成されている。
固定ブラケット31は、ステアリングシャフト3の軸線方向視で略コ字状に形成されるクランプ部35と、クランプ部35の上端に固定される平板状のプレート部36とから構成されている。そして、クランプ部35に設けられた一対の側板37には、ステアリングコラム4の傾動方向に沿った略円弧状のチルト長孔38がそれぞれ形成されている。
コラム側ブラケット32は、ステアリングシャフト3の軸線方向視で略コ字状に形成されるとともに、該コラム側ブラケット32に設けられた一対の側板41には、軸線方向に沿って長いテレスコ長孔42が形成されている。さらに、本実施形態の固定ブラケット31には、その剛性を確保すべく、ステアリングシャフト3の軸線方向と直交する補強部43が側板37の左右方向(図2の左右方向)両側にそれぞれ形成されている。
支軸33は、軸状に形成されるとともに、その基端側(図2の左側)には径方向外側に延出される円板状の頭部45が形成されている。そして、支軸33は、コラム側ブラケット32が固定ブラケット31の内側に配置された状態で、両ブラケット31,32にそれぞれ形成されたチルト長孔38とテレスコ長孔42に挿通されることにより、固定ブラケット31とコラム側ブラケット32とを連結している。
支軸33の先端側(図2の右側)には、支軸固定ナット46が螺着されることにより、支軸33が両ブラケット31,32に対してその軸線方向移動不能に固定されている。これにより、コラム側ブラケット32は、チルト長孔38の形成された範囲内で固定ブラケット31に対してチルト中心軸Oを中心として傾動可能となるとともに、テレスコ長孔42の形成された範囲内で軸線方向に沿って移動可能となっている。つまり、固定ブラケット31は、コラム側ブラケット32を介してステアリングコラム4を上記範囲内で傾動可能且つ軸線方向移動可能に支持している。
また、ステアリング装置1には、鉛直方向及びステアリングシャフト3の軸線方向におけるステアリング位置を保持するためのロック機構51が設けられている。
具体的には、ロック機構51は、支軸33を中心として該支軸33と一体で回動可能に設けられた操作レバー52と、支軸33の頭部45とクランプ部35の側板37との間に設けられ、操作レバー52(支軸33)の回動位置に応じて側板37を支軸33の軸線方向先端側(図2の右側)に押圧するカム機構53とを備えている。なお、カム機構53は、支軸33と一体回転する第1カム部材54、及び該第1カム部材54と相対回転可能な第2カム部材55からなり、その相対回転位置に応じてこれら第1カム部材54と第2カム部材55とが接離する構成となっている。
また、ロック機構51は、操作レバー52の回動位置に応じてインナチューブ14を、ステアリングシャフト3の軸線方向及び車両幅方向と直交する上下方向における上側(図2の上側)に押圧する略筒状の押圧部材56を備えている。なお、支軸33の外周にはスプライン嵌合部33aが形成されるとともに、押圧部材56の内周にはスプライン嵌合部56aが形成されており、押圧部材56はスプライン嵌合することにより、支軸33と一体回転するように構成されている。また、押圧部材56は、支軸33の中心に対して偏心した位置に配置される断面円弧状のカム部57を有しており、該カム部57はアウタチューブ13の下部に形成された開口13aを介してインナチューブ14に当接している。そして、支軸33の回動位置に応じてカム部57がインナチューブ14を押圧する構成となっている。
そして、操作レバー52を周方向一方側に回動させることで、カム機構53によって固定ブラケット31とコラム側ブラケット32の各側板37,41同士が摩擦係合するとともに、押圧部材56によってインナチューブ14の外周面とアウタチューブ13の内周面とが摩擦係合する。これにより、コラム側ブラケット32が固定ブラケット31に対して相対移動できなくなり、ステアリング位置を変更不能なロック状態となる。一方、操作レバー52を周方向他方側に回動させることで、カム機構53による押圧力がなくなって固定ブラケット31とコラム側ブラケット32の各側板37,41同士の摩擦係合が解除されるとともに、押圧部材56による押圧力がなくなり、インナチューブ14とアウタチューブ13との摩擦係合が解除される。これにより、コラム側ブラケット32が固定ブラケット31に対して相対移動可能になり、ステアリング位置を変更可能なアンロック状態となる。
このように構成されたステアリング装置1では、ロック機構51をアンロック状態とし、固定ブラケット31に対してコラム側ブラケット32及びステアリングコラム4を傾動させることにより、チルト長孔38の範囲内で上下方向におけるステアリング位置を調整可能な構成となっている。また、インナチューブ14及びロアシャフト12に対してアウタチューブ13及びアッパシャフト11を相対移動させるとともに、固定ブラケット31に対してコラム側ブラケット32を軸線方向に相対移動させることにより、テレスコ長孔42の範囲内で軸線方向におけるステアリング位置を調整可能な構成となっている。
次に、固定ブラケット31の車体への締結部について説明する。本実施形態では、固定ブラケット31は、例えば二次衝突時にステアリングコラム4が車体の一部を構成する取付ステー24から離脱すべく、固定ブラケット31に対して所定の離脱荷重以上の車両前方への荷重が作用したときに、取付ステー24から離脱するように構成されている。
具体的には、図4に示すように、固定ブラケット31のプレート部36は、クランプ部35の車両幅方向(図4の上下方向)両側に延出する延出部61を有しており、各延出部61には、ステアリングシャフト3の軸線方向に沿って長く形成されるとともに車両後方側(図4の右側)に開口した締結孔62がそれぞれ形成されている。
固定ブラケット31の各締結孔62に、図2及び図5に示すように、後述するカプセル機構63を介して、取付ステー24に固定された締結ボルト64が挿通されている。そして、固定ブラケット31は、カプセル機構63とナット65の間にスペーサ66を挟み、締結ボルト64にナット65を締付けることで取付ステー24に固定されている。すなわち、締結ボルト64と、締結ボルト64に螺合するナット65と、カプセル機構63とナット65の間に介在するスペーサ66とによって締結機構が構成されている。なお、本実施形態では、カプセル機構63は、クランプ部35とプレート部36とともに固定ブラケット31を構成している。
締結ボルト64は、その一方側の端部が溶接等により取付ステー24に固定されている。図2において、右側の締結ボルト64は、締結ボルト64の軸線が取付ステー24の取付面24aに対し直交する正規の位置に固定されている場合を示し、左側の締結ボルト64は、例えば締結ボルト64の溶接固定時の組付精度不良等により、正規の位置から傾斜して取付ステー24に固定された場合を示している。
スペーサ66は、例えば鋼材等により円筒状に形成され、固定ブラケット31側の端面には球面凸部66aが形成されている。スペーサ66の球面凸部66aは、後述するカプセル機構63のカラー75の挿通孔75bの内周縁部に係合可能に形成されている。なお、スペーサ66は、強度と軸力が十分確保できる材料であれば、鋼材に限らず、樹脂等を用いて製作しても良い。
固定ブラケット31の締結孔62は、図4及び図6に示すように、略円形状の円形部71と、該円形部71に連続するとともにその直径よりも狭い幅に形成された等幅帯状のスリット部72とから構成されている。一方、図5及び図6に示すように、カプセル機構63は、固定ブラケット31のプレート部36と取付ステー24との間に介在する平板状のカプセル73を備えている。このカプセル73には、締結孔62の円形部71に挿入される円筒状のボス部74が形成されている。このボス部74の外径は締結孔62の円形部71の内径と略等しく形成されており、スリット部72の幅よりも大きくなっている。
また、カプセル機構63は、ボス部74の内周に嵌合するとともに締結ボルト64が挿通される挿通孔75bを有する円筒状のカラー75と、カラー75に外嵌される円環状の皿ばね76と、皿ばね76を収容する円環状のハウジング77とを備えている。カラー75の下端には径方向外側に延出した環状のフランジ部78が形成されており、皿ばね76の端部が当接するようになっている。そして、カプセル機構63は、締結ボルト64の先端側にスペーサ66を介してナット65を締付けることにより、皿ばね76が弾性変形した状態でスペーサ66の球面凸部66aと取付ステー24との間に狭圧され、取付ステー24に固定されるようになっている。この皿ばね76の付勢力により、固定ブラケット31のプレート部36が取付ステー24から離脱する際に、カプセル73とプレート部36及び取付ステー24との間に付勢力に応じた摩擦力が作用するようになっている。
なお、ボス部74の内周面には径方向内側に突出する係合凸部74aが形成されるとともに、カラー75の上端には係合凸部74aが係合する係合溝75aが形成されている。そして、ボス部74の係合凸部74aをカラー75の係合溝75aに係合させることで、車両への組付け前の状態でカプセル機構63が固定ブラケット31のプレート部36に対して固定されるようになっている。これにより、車両への組付け前の状態でステアリング装置1を移動させる際に、カプセル機構63が脱落しないようになっている。
そして、固定ブラケット31に対して所定の離脱荷重以上の車両前方への荷重が作用すると、カプセル機構63を車体に残した状態で、ステアリングシャフト3の軸線方向における車両前方側に固定ブラケット31のプレート部36及びクランプ部35が離脱するようになっている。なお、所定の離脱荷重とは、カプセル73のボス部74が締結孔62のスリット部72を通過する際の抵抗、及び皿ばね76の付勢力に応じた固定ブラケット31のプレート部36とカプセル73との間の摩擦力に抗してプレート部36を移動させるのに必要な荷重である。
上記のように構成されたステアリング装置1によれば、ステアリングコラム4に連結された固定ブラケット31を車体側の取付ステー24に固定する際に、スペーサ66の球面凸部66aと固定ブラケット31の挿通孔75bの内周縁部とが係合した状態で、カプセル機構63を有する固定ブラケット31が球面凸部66aと取付ステー24との間に挟圧されて固定されている。
これにより、締結ボルト64が取付ステー24の取付面24aに対し直交する正規の位置から傾斜して取付ステー24に組付けられていても、ナット65の締付けにより発生する締結力を挿通孔75bの内周縁部に対し均一にすることができる。したがって、固定ブラケット31に曲げの力が作用することがなくなり、固定ブラケット31の変形を抑制することができる。
また、チルト調整機能とテレスコ調整機能とを備えたステアリング装置1において、締結ボルト64が傾斜して取付ステー24に組付けられていても固定ブラケット31の変形を抑制することができるので、この変形による固定ブラケット31の側板37とコラム側ブラケット32の側板41との隙間の増減を抑制することができる。したがって、締結ボルト64の組付精度の影響を受けずに、チルト操作力やテレスコ操作力を適切な値に安定して維持することができる。
また、ステアリングコラム4が車体側の取付ステー24から離脱するように構成されステアリング装置1において、締結ボルト64が傾斜して取付ステー24に組付けられていても固定ブラケット31の変形を抑制することができるので、カプセル機構63にこじれが生じることがない。したがって、締結ボルト64の組付精度の影響を受けることなく、固定ブラケット31のプレート部36とカプセル73との間の摩擦力等により決定される所定の離脱荷重を適切な値に安定して維持することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、以下の実施形態に変更することも可能である。
上記実施形態では、球面凸部66aを有するスペーサ66とナット65が別体として締結機構を構成していたが、スペーサ66とナット65に代えて、ナットの固定ブラケット31側の端面を球面凸状に形成し、ナット65と球面凸部66aを有するスペーサ66とを一体としたナットを用いて締結機構を構成してもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果が得られ、さらに、部品点数の増加を抑制することができる。また、固定ブラケット31を車体側の取付ステー24に固定する際の組付作業性をより向上することができる。
上記実施形態では、溶接等により取付ステー24に固定された締結ボルト64を用いた場合について示したが、締結ボルトとして、両端に雄ねじが形成されたスタッドボルトを用いた場合についても本発明が適用できる。この場合、スタッドボルトは、取付ステー24に形成される雌ねじ孔に螺着される。
上記実施形態では、本発明をチルト調整機能及びテレスコ調整機能を有するステアリング装置1に適用したが、これに限らず、チルト調整機能及びテレスコ調整機能のいずれか一方のみを有するステアリング装置、又はこれらの各機能を有さないステアリング装置に本発明を適用してもよい。
上記実施形態では、カプセル機構63として、固定ブラケット31のプレート部36が車体から離脱する際に、カプセル73のボス部74が締結孔62のスリット部72を通過するように構成されたカプセル機構63を用いたが、これに限定されず、各種の離脱用のカプセル機構を用いることができる。例えば、一対の固定片で固定ブラケットのプレート部を挟み、一方の固定片から突出しプレート部を貫通して他方の固定片に固定される樹脂ピンを備えたカプセル機構等(特開2003−170837号公報等参照)を用いてもよい。
上記実施形態では、固定ブラケット31は、カプセル機構63を介して車体側の取付ステー24に締結ボルト64等からなる締結機構により固定されている。しかし、これに限らず、離脱用のカプセル機構を車体への締結を担う締結ボルトの軸線上とは別の位置に設け、カプセル機構を介さず、固定ブラケットを締結機構により直接固定されるようにしたステアリング装置(特開2013−112147号公報等参照)に本発明を適用してもよい。
上記実施形態では、ステアリング装置1を、ステアリングシャフト3を構成する出力軸16にアシスト力を付与する所謂コラムアシスト式の電動パワーステアリング装置として構成した。しかし、これに限らず、例えば、所謂ラックアシスト式等、コラムアシスト以外の電動パワーステアリング装置や油圧式のパワーステアリング装置、或いはノンアシスト型のステアリング装置に適用してもよい。
1:ステアリング装置、 2:ステアリングホイール、 3:ステアリングシャフト、
4:ステアリングコラム、 5,19,20,21:軸受、 11:アッパシャフト、
11a,12a:スプライン嵌合部、 12:ロアシャフト、
13:アウタチューブ、 13a:開口、 14:インナチューブ、 16:出力軸、
16a:インプットシャフト、 16b:トーションバー、
16c:アウトプットシャフト、 17:ハウジング、 22:ウォームホイール、
24:取付ステー、 24a:取付面、 25:ロアブラケット、
26:アッパブラケット、 31:固定ブラケット、 32:コラム側ブラケット、
33:支軸、 33a,56a:スプライン嵌合部、 35:クランプ部、
36:プレート部、 37,41:側板、 38:チルト長孔、
42:テレスコ長孔、 43:補強部、 45:頭部、 46:支軸固定ナット、
51:ロック機構、 52:操作レバー、 53:カム機構、 54:第1カム部材、
55:第2カム部材、 56:押圧部材、 57:カム部、 61:延出部、
62:締結孔、 63:カプセル機構、 64:締結ボルト、 65:ナット、
66:スペーサ、 66a:球面凸部、 71:円形部、 72:スリット部、
73:カプセル、 74:ボス部、 74a:係合凸部、 75:カラー、
75a:係合溝、 75b:挿通孔、 76:皿ばね、 77:ハウジング、
78:フランジ部、 O:チルト中心軸
4:ステアリングコラム、 5,19,20,21:軸受、 11:アッパシャフト、
11a,12a:スプライン嵌合部、 12:ロアシャフト、
13:アウタチューブ、 13a:開口、 14:インナチューブ、 16:出力軸、
16a:インプットシャフト、 16b:トーションバー、
16c:アウトプットシャフト、 17:ハウジング、 22:ウォームホイール、
24:取付ステー、 24a:取付面、 25:ロアブラケット、
26:アッパブラケット、 31:固定ブラケット、 32:コラム側ブラケット、
33:支軸、 33a,56a:スプライン嵌合部、 35:クランプ部、
36:プレート部、 37,41:側板、 38:チルト長孔、
42:テレスコ長孔、 43:補強部、 45:頭部、 46:支軸固定ナット、
51:ロック機構、 52:操作レバー、 53:カム機構、 54:第1カム部材、
55:第2カム部材、 56:押圧部材、 57:カム部、 61:延出部、
62:締結孔、 63:カプセル機構、 64:締結ボルト、 65:ナット、
66:スペーサ、 66a:球面凸部、 71:円形部、 72:スリット部、
73:カプセル、 74:ボス部、 74a:係合凸部、 75:カラー、
75a:係合溝、 75b:挿通孔、 76:皿ばね、 77:ハウジング、
78:フランジ部、 O:チルト中心軸
Claims (2)
- ステアリングシャフトを回転可能に支持するステアリングコラムと、前記ステアリングコラムに連結された固定ブラケットと、前記固定ブラケットを車体に固定する締結機構とを備えたステアリング装置において、
前記締結機構は、前記車体に一方側が固定され、前記固定ブラケットが有する挿通孔に挿通される締結ボルトと、前記締結ボルトに螺合するナットと、前記固定ブラケットと前記ナットとの間に介在し、前記締結ボルトが挿通され、前記固定ブラケット側端面に前記挿通孔の内周縁部に係合可能な球面凸部を有したスペーサとを備え、
前記ナットを締付けることにより、前記球面凸部と前記車体との間に前記固定ブラケットが挟圧されることを特徴とするステアリング装置。 - 請求項1に記載のステアリング装置であって、前記ナットの前記固定ブラケット側端面を球面凸状に形成することにより、前記ナットと前記球面凸部を有する前記スペーサとを一体に形成したことを特徴とするステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014140405A JP2016016734A (ja) | 2014-07-08 | 2014-07-08 | ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014140405A JP2016016734A (ja) | 2014-07-08 | 2014-07-08 | ステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016016734A true JP2016016734A (ja) | 2016-02-01 |
Family
ID=55232306
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014140405A Pending JP2016016734A (ja) | 2014-07-08 | 2014-07-08 | ステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016016734A (ja) |
-
2014
- 2014-07-08 JP JP2014140405A patent/JP2016016734A/ja active Pending
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