JP2016016643A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム特に加硫ゴムが強力に接着されてなり、耐久性に優れた積層体を提供する。【解決手段】少なくとも2つのゴム層が接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体であって、前記接着剤及び接着シートはいずれも、チオール基を含有する化合物と、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物とを配合してなり、且つ、下記条件(1)及び(2)を満たす積層体。(1)前記接着層の平均弾性率と、前記ゴム層の平均弾性率との比が1.2〜4.0である。(2)接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位の弾性率から50μm離れた部位の弾性率への1μm当たりの変化率が、前記接着層の平均弾性率から、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位への弾性率への1μm当たりの変化率の40分の1以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体に関し、詳しくは、接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体に関する。
従来より、加硫ゴム部材との接着力が良好な材料が求められていたが、十分な接着力を得られる材料がなかった。加硫ゴム部材を接着する方法として、例えば、特許文献1には加硫ゴム部材を表面処理し、当該表面処理面に接着剤を介して他部材を接合することが開示されている。
特開平10−139901号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、加硫ゴムを表面処理した後に接着剤を介して他材料に接着するため、表面処理に手間がかかる。また、ポリウレタン系の接着剤を用いているため、その接着力は不十分である。
本発明は、特定の化合物を含有する接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体であって、特定の条件を満たす積層体に関する。
本発明者等は、特定の条件を満たす積層体であれば、ゴム特に加硫ゴムが強力に接着されてなり、且つ耐久性に優れた積層体となることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記〔1〕〜〔10〕に関する。
〔1〕少なくとも2つのゴム層が接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体であって、
前記接着剤及び接着シートはいずれも、チオール基を含有する化合物と、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物とを配合してなり、且つ、下記条件(1)及び(2)を満たす積層体。
(1)前記接着層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面から接着層側へ10μm、50μm及び100μm離れた部位の弾性率の平均値)と、前記ゴム層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm、50μm、100μm、200μm及び400μm離れた部位の弾性率の平均値)との比[接着層の平均弾性率/ゴム層の平均弾性率]が1.2〜4.0である。
(2)接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位の弾性率(E'a1)から50μm離れた部位の弾性率(E'a2)への1μm当たりの変化率[|E'a1−E'a2|/(50−10)]が、前記接着層の平均弾性率(E'b1)から、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位への弾性率(E'b2)への1μm当たりの変化率[|E'b1−E'b2|/10]の40分の1以下である。
但し、上記弾性率は、いずれも下記測定方法により測定されたときの値である。
−弾性率の測定方法−
積層体について、ゴム層と接着層との接触面に垂直に縦断するように切断して断面を形成し、ダイヤモンド製の三角錐圧子(Berkovich圧子)を、負荷荷重0.5mNをかけて断面の前記所定の部位に押し込んだ後、振幅0.1mNの正弦波で圧子を振動させ、その応力を測定することにより、微小部位の貯蔵弾性率を測定する。前記弾性率の測定には超微小押し込み硬さ試験機を用いる。
〔2〕前記接着剤及び前記接着シートが、ポリチオール化合物(A)、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなるものである、上記〔1〕に記載の積層体。
〔3〕チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)が、イソシアネート基含有化合物、アクリロイル基含有化合物、メタクリロイル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、ビニル基含有化合物、アリル基含有化合物、ビニルオキシ基含有化合物、アリルオキシ基含有化合物、及びノルボルネニル基含有化合物から選択される少なくとも1つである、上記〔2〕に記載の積層体。
〔4〕チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)が、イソシアネート基含有化合物、アクリロイル基を1つ有するモノアクリレート、2以上のアクリロイル基を有するポリアクリレート、2以上のメタクリロイル基を有するポリメタクリレート、2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2以上のアリルオキシ基を有するアリルエーテル化合物、2以上のアリル基を有するアリル化合物、2以上のビニルオキシ基を有するビニルエーテル化合物又はビニルエステル化合物、及び2以上のビニル基を有するビニル化合物から選択される少なくとも1つである、上記〔2〕に記載の積層体。
〔5〕チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)が、イソシアネート基含有化合物、アクリロイル基を1つ有するモノアクリレート、2以上のアクリロイル基を有するポリアクリレート、2以上のメタクリロイル基を有するポリメタクリレート、及び2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物から選択される少なくとも1つである、上記〔4〕に記載の積層体。
〔6〕配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基のモル数に対する、配合されるチオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)に含まれるチオール基との反応性を有する基のモル数の比(チオール基との反応性を有する基/チオール基)が0.2以上0.65以下である、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の積層体。
〔7〕前記接着剤及び接着シートが、更に触媒(D)を配合してなるものである、上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の積層体。
〔8〕前記接着層の厚みが5〜500μmである、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の積層体。
〔9〕少なくとも2つのゴム層が接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体であって、
前記接着剤及び接着シートはいずれも、硫黄原子を含有する化合物と、窒素原子を含有する化合物とを配合してなり、且つ、下記条件(1)及び(2)を満たす積層体。
(1)前記接着層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面から接着層側へ10μm、50μm及び100μm離れた部位の弾性率の平均値)と、前記ゴム層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm、50μm、100μm、200μm及び400μm離れた部位の弾性率の平均値)との比[接着層の平均弾性率/ゴム層の平均弾性率]が1.2〜4.0である。
(2)接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位の弾性率(E'a1)から50μm離れた部位の弾性率(E'a2)への1μm当たりの変化率[|E'a1−E'a2|/(50−10)]が、前記接着層の平均弾性率(E'b1)から、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位への弾性率(E'b2)への1μm当たりの変化率[|E'b1−E'b2|/10]の40分の1以下である。
但し、上記弾性率は、いずれも下記測定方法により測定されたときの値である。
−弾性率の測定方法−
積層体について、ゴム層と接着層との接触面に垂直に縦断するように切断して断面を形成し、ダイヤモンド製三角錐圧子(Berkovich圧子)を、負荷荷重0.5mNをかけて断面の前記所定の部位に押し込んだ後、振幅0.1mNの正弦波で圧子を振動させ、その応力を測定することにより、微小部位の貯蔵弾性率を測定する。前記弾性率の測定には超微小押し込み硬さ試験機を用いる。
〔10〕積層体中の接着層において、硫黄原子に対する窒素原子の存在比率(窒素原子/硫黄原子)が、原子数比で0.2以上0.65以下である、上記〔9〕に記載の積層体。
本発明によれば、ゴム特に加硫ゴムが強力に接着されてなり、且つ耐久性に優れた積層体を提供することができる。
本発明の積層体の断面における弾性率変化のイメージ図である。 実施例及び比較例において耐久性の試験に用いたサンプルのイメージ図である。
本明細書において、好ましいとする規定は任意に選択することができ、好ましいとする規定同士の組み合わせはより好ましいといえる。
本発明の積層体は、少なくとも2つのゴム層が接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体であって、
前記接着剤及び接着シートはいずれも、チオール基を含有する化合物と、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物とを配合してなり、且つ、下記条件(1)及び(2)を満たす積層体。
(1)前記接着層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面から接着層側へ10μm、50μm及び100μm離れた部位の弾性率の平均値)と、前記ゴム層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm、50μm、100μm、200μm及び400μm離れた部位の弾性率の平均値)との比[接着層の平均弾性率/ゴム層の平均弾性率]が1.2〜4.0である。
(2)接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位の弾性率(E'a1)から50μm離れた部位の弾性率(E'a2)への1μm当たりの変化率[|E'a1−E'a2|/(50−10)]が、前記接着層の平均弾性率(E'b1)から、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位への弾性率(E'b2)への1μm当たりの変化率[|E'b1−E'b2|/10]の40分の1以下である。
但し、上記弾性率は、いずれも下記測定方法により測定されたときの値であり、貯蔵弾性率を意味する。
−弾性率の測定方法−
積層体について、ゴム層と接着層との接触面に垂直に縦断するように切断して断面を形成し、ダイヤモンド製の三角錐圧子(Berkovich圧子)を、負荷荷重0.5mNをかけて断面の前記所定の部位に押し込んだ後、振幅0.1mNの正弦波で圧子を振動させ、その応力を測定することにより、微小部位の貯蔵弾性率を測定する。前記弾性率の測定には超微小押し込み硬さ試験機を用いる。超微小押し込み硬さ試験機としては、株式会社エリオニクス製の超微小押し込み硬さ試験機「ENT2100」を用いることが好ましい。
ここで、弾性率の測定方法は他にもあるが、本発明は、上記測定方法によって測定したときの値を用いて定義したものである。
なお、「接着剤又は接着シートとゴム層との接触面から接着層側へXXμm離れた部位」は、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面に対して「垂直」に接着層側へXXμm距離離れた部位である。同様に、「接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へYYμm離れた部位」も、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面に対して「垂直」にゴム層側へYYμm離れた部位である。
(条件(1)について)
条件(1)は、接着層の平均弾性率が、両側のゴム層それぞれの平均弾性率よりも一定量高いことを示している(図1参照)。従来は、ゴム層の弾性率と接着層の弾性率とに差をつけると、伸縮を繰り返すと接着剤又は接着シートとゴム層との接触面に力がかかってしまい、接触面にて破壊が起こり易いため、ゴム層の弾性率と接着層の弾性率とを同程度にすることで、その問題を解決していた。しかし、本発明者らの更なる検討により、ゴム層の弾性率と接着層の弾性率とが同程度である場合は、ゴムと一緒に接着層も伸縮するため、ゴム層よりも先に接着層が伸縮疲労によって破壊されてしまい、ゴム特性を十分に発揮できないという問題が生じることが判明した。そのため、ゴム層の弾性率と接着層の弾性率とを同等にしても差をつけても、十分な耐久性を保持しながらゴム特性を十分に発揮できる積層体にはならないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決したものであり、特定の成分を含有する接着剤及び接着シートを用いることにより、ゴム層の弾性率と接着層の弾性率とに差をつけても、伸縮によるゴム層と接着剤及び接着シートの接触面での破壊が高度に抑制される積層体を得たものである。このような効果が得られた正確な理由は不明であるが、ゴム層が有する炭素−炭素二重結合と接着剤及び接着シートに含まれる硫黄原子との反応が、ゴム層と接着剤又は接着シートの接触面にて行なわれ、接触面での接着が強固に成し遂げられたためと推測する。
なお、条件(1)において、「ゴム層の平均弾性率」は、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm、50μm、100μm、200μm及び400μm離れた部位の弾性率の平均値としている。これは、接着剤及び接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μmの範囲内では弾性率が大幅に変化する領域があるため(図1参照)であり、その領域を除いたゴム層における平均値としている。つまり、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm、50μm、100μm、200μm及び400μm離れた部位の弾性率は、実際には誤差程度(該誤差は0.6MPa以下に収まることが多いが、特にこの範囲に限定されるものではない。)の差しかないと言える。
条件(1)では、[接着層の平均弾性率/ゴム層の平均弾性率]が1.2〜4.0であり、好ましくは1.25〜3.0、より好ましくは1.25〜2.0、特に好ましくは1.40〜1.85である。本発明においては、このように接着層とゴム層との弾性率に差をつけても、耐久性に優れた積層体が得られる。
(条件(2)について)
条件(2)は、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μmの範囲において弾性率が低下し、ゴム層側へ10μm以降はそれまでの弾性率の低下が終了し、弾性率の変化がほとんどなくなることを示している(図1参照)。つまり、本発明の積層体は、接着剤及び接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ極めて狭い範囲(10μm以内)でのみ弾性率の変化(低下)が認められる。このことは、接着剤又は接着シートとゴム層とがその接触面にて接着していることを示唆しており、接着剤又は接着シートがゴム層へ深く浸透して接着しているものではなく、前記接触面近辺のみにて強固に接着しているものと推察される。本発明の積層体はこのような接着形態であるにも関わらず、後述する様に、前記接触面での破壊は容易には起こらず、優れた耐久性を有している。
接着力及び耐久性の観点から、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位の弾性率(E'a1)から50μm離れた部位の弾性率(E'a2)への1μm当たりの変化率[|E'a1−E'a2|/(50−10)]は、前記接着層の平均弾性率(E'b1)から、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位への弾性率(E'b2)への1μm当たりの変化率[|E'b1−E'b2|/10]の40分の1以下であり、好ましくは50分の1以下、より好ましくは70分の1以下、更に好ましくは80分の1以下である。また、接着力及び耐久性の観点からは、好ましくは1000分の1以上、より好ましくは900分の1以上、より好ましくは500分の1以上、より好ましくは400分の1以上、更に好ましくは300分の1以上、特に好ましくは250分の1以上である。
ここで、|E'a1−E'a2|は、E'a1−E'a2の絶対値を表す。また、|E'b1−E'b2|は、E'b1−E'b2の絶対値を表す。
なお、前記接着層の平均弾性率(E'b1)から、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位への弾性率(E'b2)への1μm当たりの変化率を、|E'b1−E'b2|/10で表している。これは、接着層の平均弾性率(E'b1)を、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面における接着層の弾性率とみなして計算していることを意味する。
前記接着剤は、チオール基を含有する化合物と、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物とを配合してなる組成物を含む接着剤であり、また、前記接着シートは、該組成物を用いてなる接着シートである。以下に、該組成物について詳細に説明する。
[組成物]
前記組成物は、チオール基を含有する化合物と、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物[以下、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)と称することがある。]とを配合してなる組成物である。チオール基を含有する化合物は、好ましくはチオール基を2つ以上含有する化合物、換言するとポリチオール化合物[以下、ポリチオール化合物(A)と称することがある。]である。
つまり前記組成物は、好ましくは、ポリチオール化合物(A)、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなる組成物である。該組成物によると、未加硫ゴムに限らず、加硫ゴムをも強力に接着することができて好ましい。その理由は、次のとおりであると推測される。
硫黄原子を含有する化合物に相当するポリチオール化合物(A)の一部と、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)とが反応を起こすことにより、組成物が強固に硬化すると考えられる。また、硫黄原子を含有する化合物に相当するポリチオール化合物(A)の一部が、ラジカル発生剤(C)と反応してチイルラジカルが生じ、このチイルラジカルが、ゴム中に存在する炭素−炭素二重結合と反応すると考えられる。このようなチオール・エン反応により、組成物がゴムに化学的に結合することにより、組成物がゴムに強力に接着すると考えられる。特に、未加硫ゴムのみならず加硫ゴムにも炭素−炭素二重結合が存在するため、本発明の組成物によると、ゴム特に加硫ゴムを強力に接着することができると考えられる。
また、ゴム中に存在する炭素-炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合すると考えられる。したがって、必ずしもゴム中に炭素-炭素二重結合が存在しなくてもよい。
なお、本明細書において、ポリチオール化合物(A)、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)、ラジカル発生剤(C)、触媒(D)及び表面調整剤(E)を、それぞれ、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)ということがある。
以下、各成分について詳細に説明する。
<ポリチオール化合物(A)>
本発明において、ポリチオール化合物(A)とは、1分子中にチオール基を2つ以上有する化合物のことをいう。ここで、1分子中にチオール基を2つ以上有してさえいれば、たとえその他の官能基を一緒に有していたとしても、成分(A)に該当するものとする。接着剤及び接着シートのゴム層との接着性及び積層体の耐久性の観点から、ポリチオール化合物(A)は炭素−炭素二重結合を含有していないことが好ましい。
ポリチオール化合物(A)には特に制限はないが、接着性を向上させる観点から、1分子中にチオール基を2〜6個有するものが好ましい。
また、ポリチオール化合物(A)には、1級、2級及び3級のものが含まれるが、接着性を向上させる観点から、1級がより好ましい。
ポリチオール化合物(A)の分子量は、接着性を向上させる観点から、好ましくは3000以下であり、より好ましくは2000以下であり、更に好ましくは1000以下であり、より更に好ましくは900以下であり、より更に好ましくは800以下である。なお、ポリチオール化合物(A)がポリマーの場合、分子量とは、スチレン換算の数平均分子量のことをいう。
ポリチオール化合物(A)としては、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオール及びヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族ポリチオールが挙げられ、接着性を向上させる観点から、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールが好ましい。
ここで、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールとは、1分子中にチオール基を2つ以上有する、ヘテロ原子を含んでもよい脂肪族化合物のことをいう。また、ヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族ポリチオールとは、1分子中にチオール基を2つ以上有する、ヘテロ原子を含んでもよい芳香族化合物のことをいう。
ヘテロ原子は、接着力の向上の観点から、好ましくは酸素、窒素、硫黄、リン、ハロゲン原子、ケイ素から選択される少なくとも1種であり、より好ましくは酸素、窒素、硫黄、リン及びハロゲン原子から選択される少なくとも1種であり、更に好ましくは酸素、窒素及び硫黄から選択される少なくとも1種である。
ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールとしては、例えば、炭素数2〜20のアルカンジチオール等のようにチオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオール、アルコールのハロヒドリン付加物のハロゲン原子をチオール基で置換してなるポリチオール、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオール、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールとチオグリコール酸とのエステル化により得られるチオグリコール酸エステル化物、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールとメルカプト脂肪酸とのエステル化により得られるメルカプト脂肪酸エステル化物、イソシアヌレート化合物とチオールとを反応させてなるチオールイソシアヌレート化合物、ポリスルフィド基を含有するチオール、チオール基で変性されたシリコーン、チオール基で変性されたシルセスキオキサン等が挙げられる。
なお、上記の分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類としては、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらの中で、接着性の向上の観点から、チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオール、アルコールのハロヒドリン付加物のハロゲン原子をチオール基で置換してなるポリチオール、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオール、チオグリコール酸エステル化物、メルカプト脂肪酸エステル化物、及びチオールイソシアヌレート化合物がより好ましく、メルカプト脂肪酸エステル化物及びチオールイソシアヌレート化合物が更に好ましく、メルカプト脂肪酸エステル化物がより更に好ましい。同様の観点から、ポリスルフィド基やシロキサン結合を含有しないチオールがより好ましい。
(チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオール)
チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオールの例としては炭素数2〜20のアルカンジチオールがある。
前記炭素数2〜20のアルカンジチオールとしては、1,2-エタンジチオール、1,1-プロパンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、2,2-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,5-ペンタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール等が挙げられる。
(チオグリコール酸エステル化物)
チオグリコール酸エステル化物としては、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、1,6-ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等が挙げられる。
(メルカプト脂肪酸エステル化物)
メルカプト脂肪酸エステル化物としては、接着性の向上の観点から、1級チオール基を有するメルカプト脂肪酸エステル化物が好ましく、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールの、β−メルカプトプロピオン酸エステル化物がより好ましく、また、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールとチオグリコール酸とのエステル化反応により得られるチオグリコール酸エステル化物も好ましい。
1級チオール基を有するメルカプト脂肪酸エステル化物は、接着性の向上の観点から、1分子中におけるチオール基の数が4〜6個であることが好ましく、4個又は6個であることが好ましく、4個であることがより好ましい。
上記の分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールとしては、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。該多価アルコールとしては、接着力及び耐久性の観点から、分子内に水酸基3〜4個を有する多価アルコールが好ましく、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールがより好ましく、ペンタエリスリトールが更に好ましい。
上記の1級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物としては、好ましくはテトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)(EGMP−4)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP;下記参照)、及びジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)が挙げられる。これらの中でも、PEMPが好ましい。
なお、2級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物としては、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類と、β−メルカプトブタン酸とのエステル化物が挙げられ、具体的には、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等が挙げられる。
前記チオグリコール酸エステル化物としては、例えば、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、1,6-ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート(TMTG:下記構造参照)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート(PETG:下記構造参照)等が挙げられる。これらの中でも、PETGが好ましい。
なお、PETGは、前記多価アルコールがペンタエリスリトールである場合に相当する。
(チオールイソシアヌレート化合物)
イソシアヌレート化合物とチオールとを反応させてなるチオールイソシアヌレート化合物としては、接着力の向上の観点から、1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物が好ましい。また、1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、接着性の向上の観点から、1分子中におけるチオール基の数が2〜4個であることが好ましく、3個であることがより好ましい。
上記の1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)が好ましい。
(チオール基で変性されたシリコーン)
チオール基で変性されたシリコーンとしては、商品名KF-2001、KF-2004、X-22-167B(信越化学工業)、SMS042、SMS022(Gelest社)、PS849、PS850(UCT社)等が挙げられる。
(芳香族ポリチオール)
芳香族ポリチオールとしては、1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3-トリメルカプトベンゼン、1,2,4-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5-トルエンジチオール、3,4-トルエンジチオール、1,3-ジ(p-メトキシフェニル)プロパン-2,2-ジチオール、1,3-ジフェニルプロパン-2,2-ジチオール、フェニルメタン-1,1-ジチオール、2,4-ジ(p-メルカプトフェニル)ペンタン等が挙げられる。
<チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)>
以下、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)を、チオール反応性化合物(B)と称することがある。
チオール基との反応性を有する基としては、例えば、イソシアネート基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アリルオキシ基、ビニルオキシ基、ノルボルネニル基等が挙げられる。これらの中でも、接着力及び耐久性の観点から、イソシアネート基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基が好ましく、イソシアネート基、アクリロイル基、メタクリロイル基がより好ましい。
チオール反応性化合物(B)としては、具体的には、イソシアネート基含有化合物、アクリロイル基含有化合物(アクリロイル基を1つ有するモノアクリレート又はアクリロイル基を2以上有するポリアクリレート等)、メタクリロイル基含有化合物(2以上のメタクリロイル基を有するポリメタクリレート等)、エポキシ基含有化合物(2以上のエポキシ基を有する化合物等)、ビニル基含有化合物(2以上のビニル基を有する化合物等。但し、後述のアリル基含有化合物、ビニルオキシ基含有化合物及びアリルオキシ基含有化合物を除く。)、アリル基含有化合物(2以上のアリル基を有する化合物等。但し、後述のアリルオキシ基含有化合物を除く。)、ビニルオキシ基含有化合物(2以上のビニルオキシ基を有する化合物等。但し、後述のアリルオキシ基含有化合物を除く。)、アリルオキシ基含有化合物(2以上のアリルオキシ基を有するアリルエーテル化合物又は2以上のアリルオキシ基を有するアリルエステル化合物等)、及びノルボルネニル基含有化合物から選択される少なくとも1つが好ましい。チオール反応性化合物(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、チオール反応性化合物(B)としては、イソシアネート基含有化合物、アクリロイル基を1つ有するモノアクリレート、2以上のアクリロイル基を有するポリアクリレート、2以上のメタクリロイル基を有するポリメタクリレート、2以上のエポキシ基を有する化合物、2以上のビニル基を有する化合物、2以上のアリル基を有する化合物、2以上のビニルオキシ基を有するビニルエーテル化合物又はビニルエステル化合物、及び2以上のアリルオキシ基を有するアリルエーテル化合物から選択される少なくとも1つがより好ましい。イソシアネート基含有化合物、2以上のメタクリロイル基を有するポリメタクリレート及び2以上のエポキシ基を有する化合物から選択される少なくとも1つが更に好ましい。
(イソシアネート基含有化合物)
イソシアネート基含有化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート、これらの変性体等が挙げられる。
芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、フェニレンジイソシアネート(PPDI)、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、メチルシクロへキサンジイソシアネート(水素化TDI)、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート(水素化MDI)、シクロへキサンジイソシアネート(水素化PPDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロへキサン(水素化XDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ブタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルへキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルへキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリチオール化合物(A)が、メルカプト脂肪酸エステル化物及びチオールイソシアヌレート化合物である場合、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)は、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の1種又は2種以上が好ましい。また、これらの中では、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロへキサン(水素化XDI)及びトリレンジイソシアネート(TDI)の1種又は2種以上がより好ましい。
また、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートの変性体としては、トリメチロールプロパンとイソシアネートとの反応により得られるTMP(トリメチロールプロパン)アダクト型変性体、イソシアネートの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、ウレアとイソシアネートとの反応により得られるビューレット型変性体、ウレタンとイソシアネートとの反応により得られるアロファネート型変性体、ポリオールとの反応で得られるプレポリマー体等が挙げられ、適宜、使用することができる。
なお、TMPアダクト型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビューレット型変性体、アロファネート型変性体としては、接着性の向上の観点から、次の変性体が好ましい。
すなわち、TMPアダクト型変性体としては、TMPとTDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとXDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPと水添XDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとIPDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとHDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、及びTMPとMDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体が好ましい。
また、イソシアヌレート型変性体としては、HDIの3量化により得られるHDIイソシアヌレート型変性体、IPDIの3量化により得られるIPDIイソシアヌレート型変性体、TDIの3量化により得られるTDIイソシアヌレート型変性体、及び水添XDIの3量化により得られる水添XDIイソシアヌレート型変性体、が好ましい。
また、ビューレット型変性体としては、ウレアとHDIとの反応により得られるビューレット型変性体、が好ましい。
また、アロファネート型変性体としては、ウレタンとIPDIとの反応により得られるアロファネート型変性体が好ましい。
イソシアネート基含有化合物としては、上記の中でも、接着力及び耐久性の観点から、IPDIイソシアヌレート型変性体(IPDIイソシアヌレート変性型イソシアネート)が好ましい。
(アクリロイル基含有化合物)
アクリロイル基含有化合物としては、アクリロイル基を1つ有するモノアクリレート又はアクリロイル基を2以上有するポリアクリレートが好ましい。
該モノアクリレートとしては、例えば、ヘキシルアクリレートやステアリルアクリレート等の直鎖アルカノールのアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の分岐構造を有するアルカノールのアクリレート、シクロヘキシルアクリレートやイソボルニルアクリレート等の環構造を有する脂肪族アルカノールのアクリレート、ベンジルアクリレート等の芳香族アルコールのアクリレート等が挙げられ、その他にも、2−クロロエチルアクリレート等のハロゲン化アルコールのアクリレートや、3−メトキシブチルアクリレート等のアルコキシアルコールのアクリレート等も挙げられる。
また、2以上のアクリロイル基を有するポリアクリレートの具体例としては、上記ジメタクリレート及び多官能メタクリレートのメタクリロイル基をアクリロイル基に代えた化合物が挙げられる。
より好ましいポリアクリレートとしては、接着力及び耐久性の観点から、下記構造式(1)〜(3)で示される化合物が挙げられ、構造式(2)で示される化合物が更に好ましい。
(メタクリロイル基含有化合物)
メタクリロイル基含有化合物としては、接着力及び耐久性の観点から、2以上のメタクリロイル基を有するポリメタクリレートが好ましい。
該ポリメタクリレートのうち、ジメタクリレートの具体例としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等の直鎖アルカンジオールのジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の分岐構造を有するアルカンジオールのジメタクリレート、ジシクロペンタンジオールジメタクリレート等の環構造を有するアルカンジオールのジメタクリレート、及びポリエチレングリコールジメタクリレート等のポリエーテルのジオールジメタクリレート、並びにそれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
なお、前記直鎖アルカンジオールのジメタクリレート、前記分岐構造を有するアルカンジオールのジメタクリレート、及び環構造を有するアルカンジオールのジメタクリレートにおけるアルカンジオールの炭素数としては、例えば2以上50以下が挙げられる。
また、前記ポリエーテルのジオールジメタクリレートにおけるポリエーテルの繰り返し単位数としては、例えば2以上15以下が挙げられる。
3官能以上の多官能メタクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコールのメタクリル酸変性物又はそのアルキレンオキサイド変性物等が挙げられる。なお、多価アルコールの炭素数としては、例えば6以上100以下が挙げられる。
3官能以上の多官能メタクリレートとして、更に具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。
メタクリロイル基を有する化合物として、エポキシポリメタクリレートやポリエステルポリメタクリレート、メタクリロイル基含有メタクリル酸エステル共重合体等も用いることができる。
エポキシポリメタクリレートの具体例としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂とメタクリル酸とを反応させたビスフェノール型エポキシジメタクリレートが挙げられる。
ポリエステルポリメタクリレートの具体例としては、フタル酸等の多塩基酸とエチレングリコール等の多価アルコールとメタクリル酸との反応で得られる化合物が挙げられる。
より好ましいポリメタクリレートとしては、下記構造式(4)〜(6)で示される化合物が挙げられ、構造式(6)で示される化合物が更に好ましい。
(エポキシ基含有化合物)
2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂肪族エポキシド、脂環族エポキシド、これらの変性体等が挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ポリフェノール型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ナフタレン環含有エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物等が挙げられる。これらの中でも、接着力及び耐久性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドとしては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
芳香族エポキシド、脂肪族エポキシド、脂環式エポキシドの変性体としては、例えば、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物、水素添加ビスフェノールF型エポキシ化合物、水素添加ビフェニル型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノール型エポキシ化合物等が挙げられる。
これらの中では、クレゾールノボラック型エポキシ化合物(例えば、三菱化学株式会社製、商品名「Jer152」)、ビスフェノールA型エポキシ化合物(例えば、三菱化学株式会社製、商品名「Jer1001B80」、株式会社ADEKA製、商品名「EP−4100」)、ウレタン骨格を有するエポキシ化合物の芳香族エポキシド、ウレタン骨格を有するエポキシ化合物の脂環式エポキシド、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物(例えば、共栄社化学株式会社製、商品名「エポライト4000」)が好ましい。
エポキシ基含有化合物としては、芳香族エポキシド及びその変性体が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ化合物及びその変性体、クレゾールノボラック型エポキシ化合物及びその変性体がより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物が更に好ましい。
また、接着力及び耐久性の観点から、下記構造式で表されるエポキシ基含有化合物も好ましい。
(ビニル基含有化合物、アリル基含有化合物、ビニルオキシ基含有化合物、アリルオキシ基含有化合物)
ビニル基含有化合物(ビニルオキシ基含有化合物、アリル基含有化合物及びアリルオキシ基含有化合物を含まない。)としては、2以上のビニル基を有するビニル化合物が好ましい。アリル基含有化合物(アリルオキシ基含有化合物を含まない。)としては、2以上のアリル基を有するアリル化合物が好ましい。ビニルオキシ基含有化合物(アリルオキシ基含有化合物を含まない。)としては、2以上のビニルオキシ基を有するビニルエーテル化合物、2以上のビニルオキシ基を有するビニルエステル化合物が好ましい。アリルオキシ基含有化合物としては、2以上のアリルオキシ基を有するアリルエーテル化合物が好ましい。これらの中でも、2以上のアリルオキシ基を有するアリルエーテル化合物が好ましい。
該アリルエーテル化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリン1,3−ジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ウレタンアリルエーテルオリゴマー等のように、ジアルコール又は多価アルコールにおける2以上のアルコール性水酸基がアリルオキシ基に置換された化合物が挙げられる。また、2以上のアリルオキシ基を有するアリルエステル化合物としてはフタル酸ジアリルなどが挙げられる。
より好ましいアリルエーテル化合物としては、下記構造式(7)〜(9)の化合物が挙げられる。
2以上のビニル基を有するビニル化合物、2以上のビニルオキシ基を有するビニルエーテル化合物、及び2以上のアリル基を有するアリル化合物の具体例としては、上記アリルエーテル化合物のアリルオキシ基を、それぞれ、ビニル基、ビニルオキシ基、及びアリル基に代えた化合物が挙げられる。また、2以上のビニルオキシ基を有するビニルエステル化合物としては、上記アリルエステル化合物のアリルオキシ基を、ビニルオキシ基に代えた化合物が挙げられる。
なお、成分(B)が当該イソシアネート基含有化合物などの窒素原子を含有する化合物である場合には、本発明を以下の様に表すこともできる。
「少なくとも2つのゴム層が接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体であって、
前記接着剤及び接着シートはいずれも、硫黄原子を含有する化合物と、窒素原子を含有する化合物とを配合してなり、且つ、前記条件(1)及び(2)を満たす積層体。」
該積層体中の接着層において、硫黄原子に対する窒素原子の存在比率(窒素原子/硫黄原子)は、原子数比で、好ましくは0.2以上0.65以下である。当該比(窒素原子/硫黄原子)が0.2以上であれば、組成物が十分に強固に硬化するため、接着力が小さくなるおそれがない。また、当該比(窒素原子/硫黄原子)が0.65以下であれば、チオール基が少なくなり過ぎず、チオール基とゴム部材の炭素−炭素二重結合との間でチオール・エン反応が十分に行われ、組成物をゴム部材に強固に接着させることができるため、接着力が小さくなるおそれがない。従って、当該比(窒素原子/硫黄原子)は、より好ましくは0.30以上、更に好ましくは0.40以上であり、また好ましくは0.60以下であり、好ましくは0.30以上0.60以下、より好ましくは0.40以上0.60以下である。
なお、上記した接着層中の窒素原子と硫黄原子の存在比率は、断面をSEM−EDXによって求めたときの値である。
<ラジカル発生剤(C)>
ラジカル発生剤(C)としては、熱ラジカル発生剤及び光ラジカル発生剤の少なくとも1種を用いることができる。これらの中で、接着力の向上の観点及び透明ではない(光を通さない)ゴムを接着できるという観点から、熱ラジカル発生剤が好ましく、過酸化物からなる熱ラジカル発生剤がより好ましく、有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤が更に好ましいく、熱ラジカル発生剤と光ラジカル発生剤の併用も好ましい。
ラジカル発生剤(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤としては、例えば、t-ブチル-2-エチルペルオキシヘキサノアート、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノアート、1,1−ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサノン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ(t-ブチル)パーオキサイド、過酸化ベンゾイル1,1'-ジ(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ベンゾイル、1,1'-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、t-ブチル-2-エチルペルオキシヘキサノアート、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノアート、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサノン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、及びt-ブチルクミルパーオキサイドの少なくとも1種である。有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
無機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤としては、過酸化水素と鉄(II)塩との組み合わせ、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、等の酸化剤と還元剤の組み合わせからなるレドックス発生剤が挙げられる。無機化酸化物からなる熱ラジカル発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
光ラジカル発生剤としては、公知のものを広く用いることができ、特に制限されるものではない。
例えば分子内開裂型の光ラジカル発生剤が挙げられ、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系光ラジカル発生剤;2,2−ジエトキシアセトフェノン、4'−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系光ラジカル発生剤;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4'−ドデシル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系光ラジカル発生剤;ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−エチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン等のアントラキノン系光ラジカル発生剤;アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル発生剤等が挙げられる。
また、その他水素引き抜き型の光ラジカル発生剤としてベンゾフェノン/アミン系光ラジカル発生剤、ミヒラーケトン/ベンゾフェノン系光ラジカル発生剤、チオキサントン/アミン系光ラジカル発生剤等を挙げることができる。また未反応光ラジカル発生剤のマイグレーションを避けるため非抽出型光ラジカル発生剤を用いることができる。例えばアセトフェノン系ラジカル発生剤を高分子化したもの、ベンゾフェノンにアクリル基の二重結合を付加したものがある。
これらの光ラジカル発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<任意成分>
本発明で使用し得る前記組成物は、更に任意成分が配合されてもよい。任意成分としては、触媒、表面調整剤、溶剤、バインダー、フィラー、顔料分散剤、導電性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、乾燥防止剤、浸透剤、pH調整剤、金属封鎖剤、防菌防かび剤、界面活性剤、可塑剤、ワックス、レベリング剤等が挙げられる。
(触媒(D))
触媒(D)としては、ウレタン化反応に用いられる任意のウレタン化触媒や、チオール基とエポキシ基又はアクリロイル基もしくはメタクリロイル基等との反応に用いられる任意の触媒などを用いることができる。該触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズチオカルボキシレート、オクテン酸スズ、モノブチルスズオキシド等の有機スズ化合物;塩化第一スズ等の無機スズ化合物;オクテン酸鉛等の有機鉛化合物;ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N',N'-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、ベンジルジメチルアミン、2,2'-ジモルホリノエチルエーテル、N-メチルモルフォリン等のアミン類;p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロ硫酸等の有機スルホン酸;硫酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸;ナトリウムアルコラート、水酸化リチウム、アルミニウムアルコラート、水酸化ナトリウム等の塩基類;テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のチタン化合物;ビスマス化合物;四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは上記アミン類であり、より好ましくはトリエチレンジアミン(TEDA)である。触媒(D)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、触媒(D)がアミン系触媒である場合には、前述したチオール反応性化合物(B)は、イソシアネート基含有化合物、前記アクリレート化合物、前記メタクリレート化合物及び前記エポキシ化合物から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
(表面調整剤(E))
表面調整剤(E)としては、任意の表面調整剤を使用することができる。該表面調整剤としては、アクリル系、ビニル系、シリコーン系、フッ素系などが挙げられる。これらの中でも、相溶性と表面張力低下能の観点からシリコーン系が好ましい。
(溶剤)
溶剤としては、他の配合成分と反応しないものであれば特に制限はなく、芳香族溶媒や脂肪族溶媒が挙げられる。
芳香族溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。脂肪族溶媒としては、ヘキサン等が挙げられる。
<各成分の配合量>
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるチオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)に含まれる「チオール基との反応性を有する基」の合計モル数の比(チオール基との反応性を有する基/チオール基)は、好ましくは0.2以上0.65以下である。当該比(チオール基との反応性を有する基/チオール基)が0.2以上であれば、組成物が十分に強固に硬化するため、接着力が小さくなるおそれがない。また、当該比(チオール基との反応性を有する基/チオール基)が0.65以下であれば、チオール基が少なくなり過ぎず、チオール基とゴム部材の炭素−炭素二重結合との間でチオール・エン反応が十分に行われ、組成物をゴム部材に強固に接着させることができるため、接着力が小さくなるおそれがない。従って、当該比(チオール基との反応性を有する基/チオール基)は、より好ましくは0.30以上、更に好ましくは0.40以上であり、また好ましくは0.60以下であり、好ましくは0.30以上0.60以下、より好ましくは0.40以上0.60以下である。
ここで、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数は、配合されるポリチオール化合物(A)のモル数に、ポリチオール化合物(A)の1分子が有するチオール基数を乗じることにより算出した値である。
また、配合される成分(B)に含まれるチオール基との反応性を有する基の合計モル数は、チオール基との反応性を有する基がイソシアネート基の場合には、JIS K1603−1 B法に従って測定した値である。また、チオール基との反応性を有する基がエポキシ基の場合には、JIS K7236:2001に従って測定した値である。さらに、チオール基との反応性を有する基がアクリロイル基又はメタクリロイル基の場合には、「アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物の末端に含まれる炭素−炭素二重結合の合計モル数(Ene)」は、配合量を理論分子量で除し、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物の1分子が有する末端二重結合の数を乗じることにより算出した値である。
更に、上記モル数の比(チオール基との反応性を有する基/チオール基)は、上記のようにして得られる、成分(B)に含まれるチオール基との反応性を有する基の合計モル数を、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数で除することにより求めた値である。
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるラジカル発生剤(C)の合計モル数の比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)は、0.025以上であることが好ましい。これにより、接着性が向上する。この観点から、当該比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)は、好ましくは0.03以上であり、より好ましくは0.035以上であり、更に好ましくは0.04以上である。また、接着性の向上の観点から、当該比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.45以下であり、更に好ましくは0.4以下である。
上記のとおり、前記組成物は、必須成分である成分(A)〜(C)の他に、任意成分を含有してもよい。しかし、ゴム特に加硫ゴムを強力に接着するという観点から、組成物中における成分(A)〜(C)の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上である。
同様の観点から、成分(A)〜(E)の合計含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
[接着剤]
本発明で使用する接着剤は、上記の組成物を含むことが好ましい。この接着剤は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、上記の組成物以外の成分を含んでもよい。しかし、本発明の効果を良好に発現させる観点から、接着剤中における上記の組成物の含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
[接着シート]
本発明の接着シートは、前述した組成物を用いてなるものであることが好ましい。
この接着シートは、剥離紙や剥離フィルム等の剥離シート上に組成物を塗布し、シート形状を保持することにより、好適に製造することができる。この保持により、組成物中のチオール基と、チオール基と反応性を有する基(例えばイソシアネート基)の少なくとも一部が反応(イソシアネート基との反応の場合はチオールウレタン反応)することにより、シート形状になるものと考えられる。なお、塗布後、常温で放置することにより、接着シートを好適に製造することができる。また、塗布後、ラジカル発生剤によるラジカル反応が開始しない程度に加熱することにより、接着シートを製造してもよい。塗布後の放置又は加熱温度は、好ましくは−30〜60℃であり、より好ましくは−20〜40℃、更に好ましくは0〜40℃である。
塗布後、放置又は加熱する前の状態における、剥離シート及びその上の組成物の合計厚さは、接着する対象や要求される接着力等に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜1000μmであり、好ましくは10〜300μmであり、より好ましくは30〜200μmである。
保持時間は、触媒の量により調整することができる。シート化形成の作業性及び接着作業時にシート形状を維持し得る程度に保形させる観点から、好ましくは1分以上であり、より好ましくは3分以上であり、更に好ましくは30分以上であり、より更に好ましくは60分以上である。また、保持温度は、通常室温でシート化可能であるが、材料中のラジカル発生剤が開裂しない程度に加温することも可能である。以上の観点から好ましくは0〜60℃であり、より好ましくは15〜40℃である。
剥離シートの材料としては特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルスルフォン等のケトン系樹脂、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン等のスルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を好適に用いることができる。
接着シートの厚さは、接着する対象や要求される接着力等に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜1000μmであり、好ましくは10〜300μmであり、より好ましくは30〜200μmである。なお、当該接着シートを用いるときには、当該接着シートを剥離シートから剥離してから又は剥離しながら用いることができる。
[積層体]
本発明の積層体は、前述のとおり、少なくとも2つのゴム層が、前述の接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体である。
該積層体は、ゴム層/接着層/ゴム層の構成以外に、後述するその他の層を有していてもよい。
各層の寸法や層数は、目的に応じて適宜選択することができる。接着層の厚みは、接着力及び耐久性の観点から、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜300μmである。
本発明の積層体においては、前記接着剤又は前記接着シートと接するゴム層が有するゴム中の炭素原子が、該接着剤又は該接着シートが含有するチオール基を含有する化合物中の硫黄原子と炭素−硫黄結合を形成することによって、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面において強力な接着力を発現しているものと考えられる。
この炭素−硫黄結合は、ポリチオール化合物(A)等のチオール基を含有する化合物の一部がラジカル発生剤(C)と反応してチイルラジカルが生じ、このチイルラジカルが、ゴム中に存在する炭素−炭素二重結合と反応して形成されたものであるか、または、ゴム中に存在する炭素−炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)等のチオール基を含有する化合物の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合して形成されたものと考えられる。
<ゴム層>
ゴム層は、加硫ゴムであっても未加硫ゴムであってもよい。
また、ゴム層を構成するゴムが、炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。この場合、前記接着剤又は前記接着シートに接するゴム層が有する炭素−炭素二重結合の炭素原子が、前記接着剤又は前記接着シートが有するポリチオール化合物(A)等のチオール基を含有する化合物の硫黄原子と炭素−硫黄結合を形成すると推測される。
ただし、ゴム層を構成するゴムが、炭素−炭素二重結合を有しなくても、接着力が高く、耐久性に優れる積層体を得ることができると推測される。この場合、ポリチオール化合物(A)等のチオール基を含有する化合物による、ゴム中に存在する炭素-炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)等のチオール基を含有する化合物の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合すると推測される。しかし、接着力の向上の観点からは、ゴム層を構成するゴムが、炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。
また、ゴム層の材料は特に限定されず、例えば、天然ゴム;ポリイソプレン合成ゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等の共役ジエン系合成ゴム;エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、ポリシロキサンゴムなどか挙げられるが、これらの中では、天然ゴム、共役ジエン系合成ゴムが好ましい。本発明の積層体においては、ゴム層/接着層/ゴム層からなる構成のうちの一方のゴム層と他方のゴム層とが同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
<その他の層>
本発明の積層体は、前述の通り、ゴム層/接着層/ゴム層の構成以外のその他の層として、金属層や樹脂層を有していてもよく、またこれらの層は、2つのゴム層のいずれか一方又は両方に隣接していてもよい。更に、前記接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により、これら金属層及び樹脂層をゴム層と接着した構成となっていてもよい。
<積層体の製造方法(接着剤を用いる場合)>
次に、接着剤を用いて積層体を製造する方法について説明する。
本発明の積層体は、2つのゴム層同士を、本発明の接着剤を介して接着することにより、好適に得ることができる。
例えば、先ず、少なくとも一方のゴム層に接着剤を塗布する。次いで、必要に応じて所定時間放置した後、この接着剤の塗布面に対して、他の層、すなわち、前記ゴム層と対向するゴム層を接面させ、重ね合せ体を得る。この際、前記ゴム層と対向するゴム層の方にも予め接着剤が塗布されていてもよい。すなわち、対向する2面のうち片面に接着剤が塗布されてもよく、両面に接着剤が塗布されていてもよい。次いで、必要に応じて、この重ね合せ体にその厚み方向のプレス圧を加えながら、硬化させることにより、積層体を好適に製造することができる。
塗布後に所定時間放置する場合、放置時間は、硬化時に接着剤が重ね合せ体から漏れ出ないように接着剤を保形する観点から、好ましくは0〜30分であり、より好ましくは1〜15分である。
重ね合せ体にプレス圧を加える場合、接着力を向上させると共に積層体から接着剤が漏出することを防止又は抑制する観点から、プレス圧は、好ましくは0〜5MPaであり、より好ましくは0〜2.5MPaであり、更に好ましくは0〜1MPaである。また、同様の観点から、プレス時間は、好ましくは5〜120分であり、より好ましくは10〜60分であり、更に好ましくは15〜45分である。
接着剤がラジカル発生剤として熱ラジカル発生剤を含んでいる場合、硬化は加熱により行うことが好ましい。加熱温度は熱ラジカル発生剤が効率よくラジカルを発生する温度を適宜選択することができるが、好ましくは熱ラジカル発生剤の1分間半減期温度±30℃付近である。
接着剤がラジカル発生剤として光ラジカル発生剤を含んでいる場合、硬化は光照射により行うことが好ましい。接着力の向上及びコスト低減の観点から、光源としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線などの電磁波、及び、α線、γ線、電子線などの粒子線から選択される少なくとも1種を好適に用いることができ、紫外線ランプをより好適に用いることができる。また、同様の観点から、光照射時間は、好ましくは数秒〜数十秒であり、より好ましくは1秒〜40秒、更に好ましくは3秒〜20秒である。
なお、加熱によって硬化させた場合にも強力な接着力が得られることは、接着剤へ十分な光照射をし難い場合に、加熱する方法を採用できる点で有益である。
<積層体の製造方法(接着シートを用いる場合)>
次に、接着シートを用いて積層体を製造する方法について説明する。
本発明の積層体は、2つのゴム層同士を、本発明の接着シートを介して接着することにより、好適に得ることができる。
例えば、先ず、隣接する層同士の間に、接着シートを介在させ、重ね合せ体を得る。例えば、ゴム層のうちの少なくとも1層と、当該ゴム層と対向する層(ゴム層又はゴム層以外の層)との間に、接着シートを介在させ、重ね合せ体を得る。次いで、必要に応じて、この重ね合せ体にその厚み方向のプレス圧を加えながら、硬化させることにより、積層体を好適に製造することができる。
重ね合せ体にプレス圧を加える場合、接着力を向上させる観点から、プレス圧は、好ましくは0.1〜5MPaであり、より好ましくは0.2〜4MPaであり、更に好ましくは0.3〜3MPaであり、より更に好ましくは0.4〜3MPaであり、より更に好ましくは0.5〜3MPaである。
なお、それ以外のプレス条件(プレス時間)や、硬化条件(加熱温度、加熱時間、光源、及び光照射時間)は、前述した接着剤を用いる場合と同様である。
[本発明の積層体の適用例]
本発明の積層体の好適な適用例を以下に示すが、本発明は当該適用例に限定されるものではない。
本発明の積層体は、タイヤへの印刷に関する技術に適用することができ、具体的には、タイヤ表面の加飾及び保護材料に適用することができる。これにより、タイヤ表面と加飾及び保護材料との密着性、接着力及び耐久性を向上させることができる。
また、前記接着剤及び接着シートを、タイヤ、例えば航空機用タイヤのリトレッド(トレッドの再生)を行う際に、トレッドと台タイヤとの接着に利用することにより、本発明の積層体とすることもできる。これにより、従来接着剤として用いられていたクッションゴムからの台タイヤへの硫黄移行、及びトレッドから台タイヤへの硫黄移行を抑制することができる。
更に、リトレッドタイヤを生産する際に、本発明の積層体とすることにより、トレッドと台タイヤとの接着力及び耐久性を向上させることができる。
また、前記接着剤及び接着シートは、ポンプ機構を備えたプラグをタイヤの側面に備えてなる空気入りタイヤに適用したものも、本発明の積層体に含まれる。
このプラグは、タイヤ側面に設けられた穴内に装着される。このプラグは、穴のタイヤ内側開口部を覆う第1のプラグと、穴のタイヤ外側開口部を覆う第2のプラグと、これら第1及び第2のプラグの内部に形成される空洞と、当該空洞とタイヤ内部の空間とを連通する逆止弁付きの第1流路と、当該空洞とタイヤ外部の空間とを連通する逆止弁付きの第2流路と、空洞内に設けられた弾性体と、を有する。当該空気入りタイヤが通常の走行状態のときには、プラグにタイヤ径方向の圧縮力が作用し、また、高荷重が負荷された走行状態のときには、プラグにタイヤ径方向の引張力が作用する。プラグが圧縮力を受けると弾性体が圧縮し、空洞内の空気が圧縮されてタイヤ内へ当該空気が供給される。プラグが引張力を受けると弾性体が拡張し、タイヤ外部から空洞内に空気が流入する。例えば、前記組成物は、第1のプラグ及び第2のプラグの材料として用いてもよい。また、前記接着剤は、第1のプラグ及び第2のプラグをタイヤ側面の穴内に接着する際に用いられてもよい。
また、前記接着剤及び接着シートは、タイヤのサイドゴム補強層を接着するときに、未加硫のサイドゴムとスチールコード補強層との加硫接着に用い、本発明の積層体とすることもできる。これにより、接着力のバラつきの低減及び材料ロスの低減を達成することができる。
また、本発明の積層体は、オフザロードタイヤ(鉱山車両用タイヤ又は建設車両用タイヤ)のパンク箇所の修理に利用することができる。例えば、オフザロードタイヤタイヤを加硫ゴムで補修する際に、当該パンク箇所と加硫ゴムとを、前記接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着し、補修することにより、本発明の積層体とすることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
[原料等]
原料等としては、次のものを用いた。
<チオール基を含有する化合物:ポリチオール化合物(A)>
ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート(PETG;下記参照):チオール基4個
ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(PEMP;下記参照):SC有機化学株式会社製、チオール基4個
<チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)>
(イソシアネート基含有化合物)
イソシアネート1:IPDIイソシアヌレート変性型イソシアネート、住化バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールZ4470BA」、NCO含有率11.9%
イソシアネート2:HDIビューレット変性型イソシアネート、住友バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールN3200」、NCO含有率23.0%
(エポキシ基含有化合物)
エポキシ1:下記構造式で表される化合物。
(メタクリロイル基含有化合物)
ポリメタクリレート1:下記構造式(D−MAc)で表される化合物。
<ラジカル発生剤(C)>
熱ラジカル発生剤::t-ブチル-2-エチルペルオキシヘキサノアート、日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルO」
光ラジカル発生剤:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、BASF株式会社製、商品名「LUCIRIN TPO」
<触媒(D)>
トリエチレンジアミン(TEDA):Air Products社製、商品名「DABCO 33LV catalyst」
<表面調整剤(E)>
シリコーンウレタンアクリレート:MIWON社製、商品名「Miramer SIU2400」
<接着用ゴム(比較例用)>
下記表1の配合を行なって組成物を調製した。当該組成物を150mm×270mm×2mmtに圧延して接着シートを得た。
なお、表1中の各成分の詳細は、次のとおりである。
天然ゴム(NR):RSS#3
スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR):JSR社製、商品名「JSR 1500」
カーボンブラック(HAF):旭カーボン株式会社製、商品名「旭#70」
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
亜鉛華:3号亜鉛華、ハクスイテック株式会社製
加硫促進剤1:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーNS−P」
<市販接着剤(参考例用)>
塩化ゴム系接着剤、コニシ株式会社製、商品名「G17」
[チオール基数の測定]
配合される前記ポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数は、配合量を理論分子量で除し、ポリチオール化合物(A)の1分子が有するチオール基数を乗じることにより算出することにより求めた。
[イソシアネート基数の測定]
成分(B)がイソシアネート基含有化合物である場合、配合される前記イソシアネート基含有化合物に含まれるイソシアネート基の合計モル数は、JIS K1603−1 B法により測定した。
[エポキシ基数の測定]
成分(B)がエポキシ化合物である場合、JIS K7236:2001に準拠した方法により、エポキシ化合物のエポキシ当量(1当量のエポキシ基を含む化合物の質量)を測定し、エポキシ化合物の数平均分子量を得られたエポキシ当量で除して、成分(B)に含まれるエポキシ基の合計モル数を算出した。
[メタクリロイル基数の測定]
成分(B)がポリメタクリレートである場合、配合される前記ポリメタクリレートに含まれるメタクリロイル基中の炭素−炭素二重結合の合計モル数は、配合量を理論分子量で除し、メタクリロイル基を有する化合物の1分子が有する末端二重結合の数を乗じることにより算出した値とした。
[ゴム部材の製造]
下記の表2のとおりに配合を行い、当該配合物を150mm×270mm×3.4mmtに圧延してシートを得た。当該シートを3枚重ね、150mm×270mm×10mmtのモールド中で150℃、45分の条件で加硫を行った。得られた加硫物を縦100mm、幅25mmにカットして試験用ゴム部材とした。
なお、表2中の各成分の詳細は、次のとおりである。
天然ゴム(NR):RSS#3
スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR):JSR社製、商品名「JSR 1500」
カーボンブラック(HAF):旭カーボン株式会社製、商品名「旭#70」
カーボンブラック(FT):旭カーボン株式会社製、商品名「旭#15」
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
可塑剤:ナフテン系プロセスオイル、出光興産社製、商品名「ダイアナプロセスオイルNR」
亜鉛華:3号亜鉛華、ハクスイテック株式会社製
加硫促進剤2:1,3−ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーD(D−P)」
加硫促進剤3:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDM−P(DM)」
加硫促進剤4:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーCZ−G(CZ)」
[積層体の各層の弾性率の測定方法]
各例で得られた積層体について、ゴム層と接着層との接触面に垂直に縦断するように切断して断面を形成し、ダイヤモンド製の三角錐圧子(Berkovich圧子)を、負荷荷重0.5mNをかけて断面の前記所定の部位に押し込んだ後、振幅0.1mNの正弦波で圧子を振動させ、その応力を測定することにより、微小部位の貯蔵弾性率を測定した。前記弾性率の測定には、株式会社エリオニクス製の超微小押し込み硬さ試験機「ENT2100」を用いた。
[積層体の接着力の測定方法]
各例で得られた積層体を、引張速度50mm/分の条件で、180度の方向に引っ張り、剥離強度(N/25mm)を測定して接着性の指標とした。
接着力の値としては200N/25mm以上の力であればゴム基材が破壊されるレベルの十分な接着力を有する。好ましくは300N/25mm以上、より好ましくは400N/25mm以上である。一方、200N/25mm未満の力では基材と接着剤の反応が十分でなく界面で剥離している状態あるいは接着力の凝集力が十分でなく、接着剤自身が凝集破壊してしまう。そのような状態ではいずれも接着力は十分とは言えない。
また、剥離部位を走査型電子顕微鏡(SEM)にて拡大観察(倍率:100倍)し、剥離部位が接着層であるか、又はゴム層であるかを調査した。なお、接着層が凝集破壊している場合には、そのように明記した。破断部位はゴム層であることが好ましい。
[積層体の耐久性の評価方法]
各例に記載の方法とは別の方法で積層体を作製した。
具体的には、まず、被着用ゴムのブロック(60mm×70mm×t30mm)を作成する。続いて加硫後のゴム間に各例で作製した接着シートを挟みプレス機を用いて接着を行う。接着圧力は2.5MPaとし、接着温度は熱電対を用いて界面中央が120℃到達後30分となるように設定した。接着後のサンプルをスライサーで2mm厚にスライス後、接着層が切り込み部に来るように調整を行いながら、打ち抜き機でアングル形(JIS K6252 引裂試験用)にカットを行った(図2参照)。
接着用ゴムの場合、被着用ゴムブロックのブラスト処理にて表面を荒らした後、接着用ゴムを挟み、上記同様の条件で接着後、サンプルを作成した。
市販接着剤については、被着用ゴム両面に接着剤を塗布して重ね合わせ体を作製した後、常温(25℃)にて2.4MPaのプレス圧を加えながら30分間保持することにより積層体を作製した。
25℃及び伸長率50%の条件で一軸伸長試験を行い、破断するまでの回数(破断回数と略称する。)を耐久性の指標とした。
破断するまでの伸長回数が5万回以上であれば耐久性に優れており、より高い耐久性が求められる場合には、8万回以上が好ましく、15万回以上がより好ましく、20万回以上が更に好ましく、25万回以上が特に好ましい。
また、破断部位を走査型電子顕微鏡(SEM)にて拡大観察(倍率:100倍)し、破断部位が接着層であるか、ゴム層であるか、又はそれらの接触面であるかを調査した。破断部位は、ゴム層であることが好ましい。
さらに、下記評価基準に従って総合評価を行った。
◎:耐久性に極めて優れる。
○:耐久性に優れる。
△:耐久性が不十分である。
×:耐久性に極めて乏しい。
<実施例1〜8、比較例1〜4、参考例1>
比較例2及び参考例1以外においては、下記表3(1)又は表3(2)に示すとおり(各成分の数値は不揮発分の含有量(質量部)を示す。)に各成分を配合し、必要に応じて溶媒(溶剤)を配合した組成物を、剥離シート上で成形することによって、厚さ30μmの接着シートを得た。なお、溶媒(溶剤)としては、相溶性及び溶解性保持のため、メチルエチルケトン(MEK)を使用した。
得られた接着シートを2枚の試験用ゴム部材の間に挟んで重ね合わせ体を作製し、該重ね合わせ体を温度120℃にて2.4MPaのプレス圧を加えながら30分間保持することにより積層体を作製した。得られた積層体における接着層の厚さをマイクロメータで測定したところ、30μmであった。
一方、比較例2においては、2つのゴム3それぞれの表面をブラスト処理によって荒らした後、接着用ゴムをゴム3のブラスト処理した面で挟み、上記同様の条件でプレスすることにより積層体を作製した。
また、参考例1においては、前記市販接着剤を一方の試験用ゴム部材に塗布し、他方の試験用ゴム部材で挟むことにより重ね合わせ体を作製し、該重ね合わせ体を常温(25℃)にて2.4MPaのプレス圧を加えながら30分保持することにより積層体を作製した。得られた積層体における接着層の厚さをマイクロメータで測定したところ、30μmであった。
該積層体を用いて、各層の弾性率の測定を行い、且つ積層体の接着力の測定を行なった。また前記方法に従って耐久性を評価した。結果を表3に示す。

[評価]
表4に示すとおり、実施例1〜8で得られた積層体は、接着力の測定及び耐久性の測定のいずれの場合においても破断部位がゴム層であり、接着力に優れ、且つ破断回数が多くて耐久性が改善されているのが分かる。更には、実施例2及び3で得られた積層体は、破断回数が極めて多く、耐久性の改善効果が極めて大きいことが分かる。
一方、比較例1及び2で得られた積層体は、接着力は高いが、耐久性試験では接着層にて破断してしまい、それゆえに破断回数も少なく、耐久性に乏しいことが分かる。更に、比較例3及び4で得られた積層体は、接着層にて剥離しており、接着力が極めて低く、且つ、耐久性の測定においては、接着層とゴム層との接触面にて破断し、耐久性が極めて小さかった。
本発明の積層体は、ゴム特に加硫ゴムの接着に利用することができる。

Claims (10)

  1. 少なくとも2つのゴム層が接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体であって、
    前記接着剤及び接着シートはいずれも、チオール基を含有する化合物と、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物とを配合してなり、且つ、下記条件(1)及び(2)を満たす積層体。
    (1)前記接着層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面から接着層側へ10μm、50μm及び100μm離れた部位の弾性率の平均値)と、前記ゴム層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm、50μm、100μm、200μm及び400μm離れた部位の弾性率の平均値)との比[接着層の平均弾性率/ゴム層の平均弾性率]が1.2〜4.0である。
    (2)接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位の弾性率(E'a1)から50μm離れた部位の弾性率(E'a2)への1μm当たりの変化率[|E'a1−E'a2|/(50−10)]が、前記接着層の平均弾性率(E'b1)から、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位への弾性率(E'b2)への1μm当たりの変化率[|E'b1−E'b2|/10]の40分の1以下である。
    但し、上記弾性率は、いずれも下記測定方法により測定されたときの値である。
    −弾性率の測定方法−
    積層体について、ゴム層と接着層との接触面に垂直に縦断するように切断して断面を形成し、ダイヤモンド製三角錐圧子(Berkovich圧子)を、負荷荷重0.5mNをかけて断面の前記所定の部位に押し込んだ後、振幅0.1mNの正弦波で圧子を振動させ、その応力を測定することにより、微小部位の貯蔵弾性率を測定する。前記弾性率の測定には超微小押し込み硬さ試験機を用いる。
  2. 前記接着剤及び前記接着シートが、ポリチオール化合物(A)、チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなるものである、請求項1に記載の積層体。
  3. チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)が、イソシアネート基含有化合物、アクリロイル基含有化合物、メタクリロイル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、ビニル基含有化合物、アリル基含有化合物、ビニルオキシ基含有化合物、アリルオキシ基含有化合物、及びノルボルネニル基含有化合物から選択される少なくとも1つである、請求項2に記載の積層体。
  4. チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)が、イソシアネート基含有化合物、アクリロイル基を1つ有するモノアクリレート、2以上のアクリロイル基を有するポリアクリレート、2以上のメタクリロイル基を有するポリメタクリレート、2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2以上のアリルオキシ基を有するアリルエーテル化合物、2以上のアリル基を有するアリル化合物、2以上のビニルオキシ基を有するビニルエーテル化合物又はビニルエステル化合物、及び2以上のビニル基を有するビニル化合物から選択される少なくとも1つである、請求項2に記載の積層体。
  5. チオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)が、イソシアネート基含有化合物、アクリロイル基を1つ有するモノアクリレート、2以上のアクリロイル基を有するポリアクリレート、2以上のメタクリロイル基を有するポリメタクリレート、及び2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物から選択される少なくとも1つである、請求項4に記載の積層体。
  6. 配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基のモル数に対する、配合されるチオール基との反応性を有する基を含有する化合物(B)に含まれるチオール基との反応性を有する基のモル数の比(チオール基との反応性を有する基/チオール基)が0.2以上0.65以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記接着剤及び接着シートが、更に触媒(D)を配合してなるものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記接着層の厚みが5〜500μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 少なくとも2つのゴム層が接着剤及び接着シートのうちの少なくとも1種により接着されてなる、ゴム層/接着層/ゴム層の構成を有する積層体であって、
    前記接着剤及び接着シートはいずれも、硫黄原子を含有する化合物と、窒素原子を含有する化合物とを配合してなり、且つ、下記条件(1)及び(2)を満たす積層体。
    (1)前記接着層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面から接着層側へ10μm、50μm及び100μm離れた部位の弾性率の平均値)と、前記ゴム層の平均弾性率(但し、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm、50μm、100μm、200μm及び400μm離れた部位の弾性率の平均値)との比[接着層の平均弾性率/ゴム層の平均弾性率]が1.2〜4.0である。
    (2)接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位の弾性率(E'a1)から50μm離れた部位の弾性率(E'a2)への1μm当たりの変化率[|E'a1−E'a2|/(50−10)]が、前記接着層の平均弾性率(E'b1)から、接着剤又は接着シートとゴム層との接触面からゴム層側へ10μm離れた部位への弾性率(E'b2)への1μm当たりの変化率[|E'b1−E'b2|/10]の40分の1以下である。
    但し、上記弾性率は、いずれも下記測定方法により測定されたときの値である。
    −弾性率の測定方法−
    積層体について、ゴム層と接着層との接触面に垂直に縦断するように切断して断面を形成し、ダイヤモンド製三角錐圧子(Berkovich圧子)を、負荷荷重0.5mNをかけて断面の前記所定の部位に押し込んだ後、振幅0.1mNの正弦波で圧子を振動させ、その応力を測定することにより、微小部位の貯蔵弾性率を測定する。前記弾性率の測定には超微小押し込み硬さ試験機を用いる。
  10. 積層体中の接着層において、硫黄原子に対する窒素原子の存在比率(窒素原子/硫黄原子)が、原子数比で0.2以上0.65以下である、請求項9に記載の積層体。
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