JP2015168127A - 補修タイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】損傷個所に充填される補修用ゴムからタイヤ側のゴムへ遊離硫黄の移動が抑制され、かつ、空洞内に充填される補修用ゴムとタイヤ側のゴムとの接着性を向上させ、従来に比べ、より耐久性の高い補修タイヤを製造する方法を提供する。【解決手段】タイヤの損傷部分32を除去して形成した空洞34の表面及び補修用ゴム42の被接着表面の少なくとも一方の表面に、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)及びラジカル発生剤(C)を配合してなる接着剤40を配する工程を有する、補修タイヤの製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、補修タイヤの製造方法に関し、特にタイヤ補修時に特定の接着剤を使用する補修タイヤの製造方法に関する。
一般に、空気入りタイヤに発生した貫通、未貫通の損傷は、以下に説明するような方法によって補修される。すなわち、まず、タイヤの損傷した部分を削り取って、空洞を作成し、さらに空洞の表面をバフ研磨して清掃する。また、必要に応じて、空洞の内表面にゴムセメントを塗布するとともに、空洞中にコード部分が存在する場合、コード部分の接着効果を向上させるためにクッションゴムでコード部分を覆う等の工夫をした後、空洞に未加硫ゴムを埋め込む。空洞全体に未加硫ゴムを充填した後、加熱体を充填された未加硫ゴムの表面、たとえば空気入りタイヤの内側、外側、又はいずれか一方の面に押し当てて、充填個所を部分的に加熱することにより、未加硫ゴムを加硫し、タイヤの部分的な損傷を補修する。
これまでは、部分補修個所の空洞に充填された未加硫ゴムとタイヤ側の加硫ゴムは、それぞれのゴムに配合されている硫黄を媒介とする架橋によって接着されている。したがって、接着性を確保するためには、たとえば、タイヤ製造時に用いる未加硫ゴムに比べ、より多くの硫黄が配合された未加硫ゴムを、部分補修個所の空洞に充填し、さらに加熱加硫することで、損傷の発生したタイヤを補修していた。
また、特許文献1には、特に、空洞に充填された未加硫ゴムの、加熱体と接する部分とそれ以外の部分との加硫速度を近接させるため、空洞の深さ方向に未加硫ゴムを複数に区分して配置し、加熱体から離れた層ほど加硫速度の速い未加硫ゴムを用いることが開示されている。
特開昭61−286123号公報
ところで、加熱によって、補修個所の空洞に充填される未加硫ゴム又は半加硫ゴム中の硫黄が、充填されたこれらと接するタイヤ側の加硫ゴムに移動することで架橋が促進され、その結果、加硫後の補修ゴムとタイヤ側のゴムとが接着する。
しかしながら、加硫後の接着界面には、多くの硫黄が存在することになり、その結果、補修後のタイヤの接着界面付近は、該タイヤの他の部分に比べ、硬くなる傾向がある。
本発明は、補修タイヤの製造方法に関し、特に、空洞に充填された補修用ゴム(特に、未加硫ゴム又は半加硫ゴム)からタイヤ側のゴム(特に、加硫ゴム)への遊離硫黄の移動を抑制するとともに、加硫後の補修ゴムとタイヤ側のゴムとの接着性を向上させ、従来に比べ、より耐久性の高い補修タイヤの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、特に、空洞に充填される補修用ゴムとタイヤ側の加硫ゴムとの間に、チオール基を有する特定の接着剤を介在させることで、特に、補修用ゴムが未加硫ゴム又は半加硫ゴムである場合、これらのゴムからタイヤ側の加硫ゴムへ遊離硫黄が移動することを抑制し、かつ、上記特定の接着剤のチオール基と両ゴム中の炭素間二重結合とを反応させ、従来の硫黄架橋に比べ、より接着性を向上させることから、本発明の課題を解決し得ることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記〔1〕〜〔9〕に関する。
〔1〕 タイヤの損傷部分を除去して形成した空洞の表面及び補修用ゴムの被接着表面の少なくとも一方の表面に、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)及びラジカル発生剤(C)を配合してなる接着剤を配する工程を有する、補修タイヤの製造方法。
〔2〕 前記補修用ゴムが、未加硫ゴム又は半加硫ゴムであり、前記空洞の表面及び補修用ゴムの被接着表面の少なくとも一方の表面に、前記接着剤を配する工程の後に、さらに、前記空洞内に前記接着剤を介して補修用ゴムを充填し、充填された補修用ゴムの露出面に加熱体を当て、加熱加硫する工程を有する、〔1〕に記載の補修タイヤの製造方法。
〔3〕 前記接着剤の層の厚さが、0.01mm以上かつ5.0mm以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の補修タイヤの製造方法。
〔4〕 前記接着剤の層を挟んで配置される、タイヤ側のゴムの硬度に対する補修側のゴムの硬度の比が、タイヤ側のゴムの硬度を1としたとき、0.5以上、2以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の補修タイヤの製造方法。
〔5〕 前記接着剤において、前記ポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、前記イソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が、0.20以上かつ0.78以下である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の補修タイヤの製造方法。
〔6〕 前記ラジカル発生剤(C)が、過酸化物からなる熱ラジカル発生剤である、〔1〕〜〔5〕に記載の補修タイヤの製造方法。
〔7〕 前記接着剤において、前記ポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、前記ラジカル発生剤の合計モル数の比(ラジカル発生剤/チオール基)が0.025以上である、〔1〕〜〔6〕に記載の補修タイヤの製造方法。
〔8〕 前記接着剤が、更に、ウレタン化触媒(D)及び表面調整剤(E)の少なくとも一方を配合してなる、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の補修タイヤの製造方法。
〔9〕 〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の補修タイヤの製造方法により得られるタイヤが、高荷重用タイヤである、補修タイヤの製造方法。
本発明によれば、空洞に充填される補修用ゴムからタイヤ側のゴムへの遊離硫黄の移動が抑制され、かつ、空洞内の加硫後の補修ゴムとタイヤ側のゴムとの接着性が向上する。これにより、従来に比べ、より耐久性の高い補修タイヤを製造することができる。
空気入りタイヤのビード部の一方を示すタイヤ幅方向の部分断面図であって、サイドウォールの外側に損傷が生じた場合の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態における補修タイヤ製造方法の一例を説明する概略図である。
[補修タイヤの製造方法]
本発明の補修タイヤの製造方法は、タイヤの損傷部分を除去して形成した空洞の表面及び補修用ゴムの被接着表面の少なくとも一方の表面に、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)及びラジカル発生剤(C)を配合してなる接着剤を配する工程を有する。
また、本発明の補修タイヤの製造方法は、前記補修用ゴムが、未加硫ゴム又は半加硫ゴムである場合、前記空洞の表面及び補修用ゴムの被接着表面の少なくとも一方の表面に、前記接着剤を配する工程の後に、さらに、前記空洞内に前記接着剤を介して補修用ゴムを充填し、充填された補修用ゴムの露出面に加熱体を当て、加熱加硫する工程を有する。
ここで、「半加硫ゴム」とは、未加硫ゴムより加硫が進み、かつ、所定の加硫が完了した加硫ゴムほど加硫が完了していないゴムをいう。
また、「空洞」とは、タイヤの未貫通損傷部分を除去して形成された『凹部』、又は、タイヤの貫通損傷部分を除去しタイヤの径方向に沿って形成された『貫通孔』を含む意味である。
空洞に充填される補修用ゴムとタイヤ側のゴムとの間に、上述のチオール基を有する特定の接着剤を介在させることによって、特に、補修用ゴムが未加硫ゴム又は半加硫ゴムである場合、これらのゴムからタイヤ側の加硫ゴムへの遊離硫黄の移動が抑制され、かつ、上記特定の接着剤のチオール基と両ゴム中の炭素間二重結合とが反応して、従来の硫黄架橋に比べ、より接着性が向上する。
また、本発明で用いる特定の接着剤を用いることで、場合によっては、加熱・加圧モールドを用いることなく、補修用ゴムをタイヤ側のゴムの空洞に接着することができる。
さらに、補修用ゴムとして、加硫ゴムを用いる場合に比べ、未加硫ゴム又は半加硫ゴムを用いることにより、本発明で用いる特定の接着剤との接着性も向上し、かつ、後述するように、モールド加工が不要であることから、補修の工程数が削減される。
まず、図1を用いて空気入りタイヤの構成の概略を説明する。
図1に示すように、空気入りタイヤは、左右一対のビード16(図1では一方のビードのみを示す)及びサイドウォール部20(図1では一方のサイドウォールのみを示す)と、サイドウォール部20のタイヤ径方向外側で左右のサイドウォール部20の相互間に亘ってトロイド状に連なるトレッド部(図示せず)とを、備える。
また、空気入りタイヤ14は、一対のビード16間でトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカス18を有し、更に、ビード16のタイヤ半径方向外側で、カーカス18との間には、タイヤ径方向の外側に向かって、先細りに延びるビードフィラー22が挟み込まれて設けられている。
次に、図1に示すように、サイドウォール20の外側に損傷が生じた場合を例に取り、補修タイヤの製造方法を、以下に説明する。
ここで、図1において、破線で囲った損傷部分を含む領域30を、拡大した部分拡大断面図である、図2を用いて、補修タイヤの製造方法の一例を説明する。
図2に示すように、サイドウォール20に損傷部分32が生じた場合(S100)、まず、損傷部分32を削り取って除去し、補修用ゴム42を充填するための空洞34を形成する(S102)。なお、必要に応じて、空洞34の接着表面に、バフ研磨を施してもよい。バフ研磨を施すことで、空洞34の接着表面に微細な凹凸が形成され、その結果、後述する接着剤に対するアンカー効果が発揮され、従来に比べ、より接着性が向上する。
次いで、空洞34の表面及び補修用ゴム42の被接着表面の少なくとも一方の表面に、後述する、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)及びラジカル発生剤(C)を配合してなる接着剤40を塗布し、空洞34内に接着剤40を介して補修用ゴム42を充填する。ここで、補修用ゴム42が、未加硫ゴム又は半加硫ゴムである場合、充填された補修用ゴム42の露出面に加熱体50を当て、加熱加硫する(S104)。
上記製造方法では、接着剤40を塗布しているが、これに限るものではなく、接着剤40のシートを、空洞34の表面及び補修用ゴム42の被接着表面の少なくとも一方の表面に配置してもよい。また、前記接着剤40は、接合面に塗布後、必要に応じて所定時間放置した後に、接面を重ね合わせてもよい。塗布後に所定時間放置する場合、放置時間は、硬化時に接着剤が重ね合せ体から漏れ出ないように接着剤を保形する観点から、好ましくは0超〜30分であり、より好ましくは1〜15分である。
また、加熱体50は、補修用ゴム42が未加硫ゴム又は半加硫ゴムである場合に用いられ、補修用ゴム42の加硫を促進させて、自然加硫に比べ均一に加硫されることから、補修個所の強度が確保されるとともに、補修用タイヤの製造時間も短縮させる。
後述する接着剤がラジカル発生剤として熱ラジカル発生剤を含んでいる場合、硬化は加熱により行うことが好ましい。加熱温度は熱ラジカル発生剤が効率よくラジカルを発生する温度を適宜選択することができるが、好ましくは熱ラジカル発生剤の1分間半減期温度±30℃付近である。
後述する接着剤がラジカル発生剤として光ラジカル発生剤を含んでいる場合、硬化は光照射により行うことが好ましい。接着力の向上及びコスト低減の観点から、光源としては、紫外線ランプを好適に用いることができる。また、同様の観点から、光照射時間は、好ましくは数秒〜数十秒である。
加熱体50は、必要に応じて、又は、補修されるタイヤに部分的な加圧が可能である場合、補修用ゴム42の露出面に押し当ててもよく、タイヤの厚み方向のプレス圧は、たとえば、接着力を向上させると共に積層体から接着剤が漏出することを防止又は抑制する観点から、好ましくは0〜5MPaであり、より好ましくは0〜2.5MPaであり、更に好ましくは0〜1MPaである。また、同様の観点から、プレス時間は、好ましくは5〜120分であり、より好ましくは10〜60分であり、更に好ましくは15〜45分である。
また、本発明の補修タイヤの製造方法は、サイドウォールの補修に限るものではなく、空気入りタイヤのトレッド部やキャップ部でも、同様に行うことができる。また、トレッド部のベルト(図示せず)やサイドウォール20内のカーカス18を貫通する損傷の場合には、ベルトやカーカス18のコード部分に接着効果を向上させるために、クッションゴムを配置してコード部分を覆うことが好ましい。
また、本発明の補修タイヤの製造方法により得られるタイヤの補修部の接着剤40の層の厚さは、0.01mm以上かつ5.0mm以下であり、好ましくは0.02mm以上、2mm以下である。補修部の接着剤40の層の厚みが上記範囲内であることで、特に、補修用ゴムが未加硫ゴム又は半加硫ゴムである場合、これらのゴムからタイヤ側の加硫ゴムへの遊離硫黄の移動が抑制される。さらに、接着剤40のチオール基と両ゴム中の炭素間二重結合とが反応して、従来の硫黄架橋に比べ、より接着性が向上する。
また、本発明の補修タイヤの製造方法により得られるタイヤの補修部において、接着剤40の層を挟んで配置される、タイヤ側のゴムの硬度に対する補修側のゴムの硬度の比が、タイヤ側のゴムの硬度を1としたとき、0.5以上、2以下であり、好ましくは、0.7 以上、1.5以下であり、より好ましくは、1である。ここで、「タイヤ側のゴム」及び「補修側のゴム」は、いずれも加硫処理されたゴムをいう。
両ゴムの硬度の比が上記範囲であることで、弾性段差を防ぎつつ、補修用タイヤの耐久性が確保される。
本発明の補修タイヤの製造方法に得られるタイヤは、特に、補修時に部分的に大きな圧力がかけ難く、また比較的コストの高い、高荷重用タイヤであり、高荷重用タイヤとしては、建設機械用や鉱山車両用等のORタイヤ(オフ・ザ・ロード(OFF THE ROAD)タイヤの略)や、トラック、バス用等の大型の空気入りタイヤが挙げられる。ここで、ORタイヤは、舗装されていない建設現場や鉱山、採掘の現場などに用いる車両のタイヤである。
<接着剤>
本発明で用いる接着剤は、下記の組成物を含む。この接着剤は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、下記の組成物以外の成分を含んでもよい。しかし、本発明の効果を良好に発現させる観点から、接着剤中における該組成物の含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。なお、上述の接着剤40のいずれも、以下の組成物を含む。
本発明の接着剤に含まれる組成物は、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなり、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.20以上かつ0.78以下であることが好ましい。
本発明の接着剤によると、未加硫ゴムに限らず、加硫ゴムをも強力に接着することができる。その理由は、次のとおりであると推測される。
ポリチオール化合物(A)の一部とイソシアネート基含有化合物(B)とがウレタン化反応を起こすことにより、組成物が強固に硬化すると考えられる。また、ポリチオール化合物(A)の他の一部が、ラジカル発生剤(C)と反応してチイルラジカルが生じ、このチイルラジカルが、ゴム中に存在する炭素−炭素二重結合と反応すると考えられる。このようなチオール・エン反応により、接着剤がゴムに化学的に結合し、接着剤がゴムに強力に接着すると考えられる。特に、未加硫ゴムのみならず加硫ゴムにも炭素−炭素二重結合が存在するため、本発明の接着剤によると、ゴム特に加硫ゴムを強力に接着することができると考えられる。
また、ゴム中に存在する炭素-炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合すると考えられる。したがって、必ずしもゴム中に炭素-炭素二重結合が存在しなくても良い。
なお、本明細書において、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、ラジカル発生剤(C)、ウレタン化触媒(D)及び表面調整剤(E)を、それぞれ、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)ということがある。
<ポリチオール化合物(A)>
本発明において、ポリチオール化合物(A)とは、1分子中にチオール基を2つ以上有する化合物のことをいう。
ポリチオール化合物(A)には特に制限はないが、接着性を向上させる観点から、1分子中にチオール基を2〜6個有するものが好ましい。
また、ポリチオール化合物(A)には、1級、2級及び3級のものが含まれるが、接着性を向上させる観点から、1級がより好ましい。
ポリチオール化合物(A)の分子量は、接着性を向上させる観点から、好ましくは3000以下であり、より好ましくは2000以下であり、更に好ましくは1000以下であり、より更に好ましくは900以下であり、より更に好ましくは800以下である。なお、ポリチオール化合物(A)がポリマーの場合、分子量とは、スチレン換算の数平均分子量のことをいう。
ポリチオール化合物(A)としては、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオール及びヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族ポリチオールが挙げられ、接着性を向上させる観点から、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールが好ましい。
ここで、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールとは、1分子中にチオール基を2つ以上有する、ヘテロ原子を含んでもよい脂肪族化合物のことをいう。また、ヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族ポリチオールとは、1分子中にチオール基を2つ以上有する、ヘテロ原子を含んでもよい芳香族化合物のことをいう。
ヘテロ原子は、接着力の向上の観点から、好ましくは酸素、窒素、硫黄、リン、ハロゲン原子、ケイ素から選択される少なくとも1種であり、より好ましくは酸素、窒素、硫黄、リン及びハロゲン原子から選択される少なくとも1種であり、更に好ましくは酸素、窒素及び硫黄から選択される少なくとも1種である。
ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールとしては、例えば、炭素数2〜20のアルカンジチオール等のようにチオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオール、アルコールのハロヒドリン付加物のハロゲン原子をチオール基で置換してなるポリチオール、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオール、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールとチオグリコール酸とのエステル化により得られるチオグリコール酸エステル化物、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールとメルカプト脂肪酸とのエステル化により得られるメルカプト脂肪酸エステル化物、イソシアヌレート化合物とチオールとを反応させてなるチオールイソシアヌレート化合物、ポリスルフィド基を含有するチオール、チオール基で変性されたシリコーン、チオール基で変性されたシルセスキオキサン等が挙げられる。
なお、上記の分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類としては、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらの中で、接着性の向上の観点から、チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオール、アルコールのハロヒドリン付加物のハロゲン原子をチオール基で置換してなるポリチオール、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオール、チオグリコール酸エステル化物、メルカプト脂肪酸エステル化物、及びチオールイソシアヌレート化合物がより好ましく、メルカプト脂肪酸エステル化物及びチオールイソシアヌレート化合物が更に好ましく、メルカプト脂肪酸エステル化物がより更に好ましい。同様の観点から、ポリスルフィド基やシロキサン結合を含有しないチオールがより好ましい。
(チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオール)
チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオールの例としては炭素数2〜20のアルカンジチオールがある。
前記炭素数2〜20のアルカンジチオールとしては、1,2-エタンジチオール、1,1-プロパンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、2,2-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,5-ペンタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール等が挙げられる。
(チオグリコール酸エステル化物)
チオグリコール酸エステル化物としては、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、1,6-ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等が挙げられる。
(メルカプト脂肪酸エステル化物)
メルカプト脂肪酸エステル化物としては、接着性の向上の観点から、1級チオール基を有するメルカプト脂肪酸エステル化物が好ましく、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールの、β−メルカプトプロピオン酸エステル化物がより好ましい。また、1級チオール基を有するメルカプト脂肪酸エステル化物は、接着性の向上の観点から、1分子中におけるチオール基の数が4〜6個であることが好ましく、4個又は5個であることが好ましく、4個であることがより好ましい。
上記の1級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物としては、好ましくはテトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)(EGMP−4)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)、及びジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)が挙げられる。これらの中で、PEMP及びDPMPが好ましく、PEMPがより好ましい。
なお、2級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物としては、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類と、β−メルカプトブタン酸とのエステル化物が挙げられ、具体的には、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等が挙げられる。
(チオールイソシアヌレート化合物)
イソシアヌレート化合物とチオールとを反応させてなるチオールイソシアヌレート化合物としては、接着力の向上の観点から、1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物が好ましい。また、1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、接着性の向上の観点から、1分子中におけるチオール基の数が2〜4個であることが好ましく、3個であることがより好ましい。
上記の1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)が好ましい。
(チオール基で変性されたシリコーン)
チオール基で変性されたシリコーンとしては、商品名KF-2001、KF-2004、X-22-167B(信越化学工業)、SMS042、SMS022(Gelest社)、PS849、PS850(UCT社)等が挙げられる。
(芳香族ポリチオール)
芳香族ポリチオールとしては、1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等が挙げられる。
<イソシアネート基含有化合物(B)>
イソシアネート基含有化合物(B)としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート、これらの変性体等が挙げられる。
芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、フェニレンジイソシアネート(PPDI)、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、メチルシクロへキサンジイソシアネート(水素化TDI)、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート(水素化MDI)、シクロへキサンジイソシアネート(水素化PPDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロへキサン(水素化XDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ブタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルへキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルへキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
配合されるポリチオール化合物(A)が、メルカプト脂肪酸エステル化物及びチオールイソシアヌレート化合物である場合、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)は、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の1種又は2種以上が好ましい。また、これらの中では、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロへキサン(水素化XDI)及びトリレンジイソシアネート(TDI)の1種又は2種以上がより好ましい。
また、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートの変性体としては、トリメチロールプロパンとイソシアネートとの反応により得られるTMP(トリメチロールプロパン)アダクト型変性体、イソシアネートの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、ウレアとイソシアネートとの反応により得られるビューレット型変性体、ウレタンとイソシアネートとの反応により得られるアロファネート型変性体、ポリオールとの反応で得られるプレポリマー体等が挙げられ、適宜、使用することができる。
なお、TMPアダクト型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビューレット型変性体、アロファネート型変性体としては、接着性の向上の観点から、次の変性体が好ましい。
すなわち、TMPアダクト型変性体としては、TMPとTDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとXDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPと水添XDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとIPDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとHDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、及びTMPとMDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体が好ましい。
また、イソシアヌレート型変性体としては、HDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、IPDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、TDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、及び水添XDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、が好ましい。
また、ビューレット型変性体としては、ウレアとHDIとの反応により得られるビューレット型変性体、が好ましい。
また、アロファネート型変性体としては、ウレタンとIPDIとの反応により得られるアロファネート型変性体が好ましい。
上記TMPアダクト型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビューレット型変性体及びアロファネート型変性体の少なくとも1種と組み合せて使用されるポリチオール化合物(A)としては、好ましくは1級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物及び1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物の1種又は2種である。
ここで、1級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物としては、好ましくはペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)及びジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)DPMPの少なくとも1種である。また、この1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、好ましくは11分子中におけるチオール基の数が3個である1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物であり、より好ましくはトリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)である。
<ラジカル発生剤(C)>
ラジカル発生剤(C)としては、熱ラジカル発生剤及び光ラジカル発生剤の少なくとも1種を用いることができる。これらの中で、接着力の向上の観点及び透明ではない(光を通さない)ゴムを接着できるという観点から、熱ラジカル発生剤が好ましく、過酸化物からなる熱ラジカル発生剤がより好ましく、有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤が更に好ましい。
ラジカル発生剤(C)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノアート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサノン、ジ−t―ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ(t-ブチル)パーオキサイド、過酸化ベンゾイル1,1’−ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ベンゾイル、1,1’−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、t−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノアート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサノン、ジ−t―ブチルパーオキサイド、及びt−ブチルクミルパーオキサイドの少なくとも1種である。有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
無機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤としては、過酸化水素と鉄(II)塩との組み合わせ、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、等の酸化剤と還元剤の組み合わせからなるレドックス発生剤が挙げられる。無機化酸化物からなる熱ラジカル発生剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
光ラジカル発生剤としては、公知のものを広く用いることができ、特に制限されるものではない。
例えば分子内開裂型の光ラジカル発生剤が挙げられ、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系光ラジカル発生剤;2,2−ジエトキシアセトフェノン、4'−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系光ラジカル発生剤;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4'−ドデシル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系光ラジカル発生剤;ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−エチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン等のアントラキノン系光ラジカル発生剤;アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル発生剤等が挙げられる。
また、その他水素引き抜き型の光ラジカル発生剤としてベンゾフェノン/アミン系光ラジカル発生剤、ミヒラーケトン/ベンゾフェノン系光ラジカル発生剤、チオキサントン/アミン系光ラジカル発生剤等を挙げることができる。また未反応光ラジカル発生剤のマイグレーションを避けるため非抽出型光ラジカル発生剤を用いることができる。例えばアセトフェノン系ラジカル発生剤を高分子化したもの、ベンゾフェノンにアクリル基の二重結合を付加したものがある。
これらの光ラジカル発生剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
<任意成分>
本発明の組成物は、更に任意成分が配合されてもよい。任意成分としては、ウレタン化触媒、表面調整剤、溶剤、バインダー、フィラー、顔料分散剤、導電性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、乾燥防止剤、浸透剤、pH調整剤、金属封鎖剤、防菌防かび剤、界面活性剤、可塑剤、ワックス、レベリング剤等が挙げられる。
(ウレタン化触媒(D))
ウレタン化触媒(D)としては、任意のウレタン化触媒を用いることができる。該ウレタン化反応用触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズチオカルボキシレート、オクテン酸スズ、モノブチルスズオキシド等の有機スズ化合物;塩化第一スズ等の無機スズ化合物;オクテン酸鉛等の有機鉛化合物;ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、ベンジルジメチルアミン、2,2’-ジモルホリノエチルエーテル、N-メチルモルフォリン等のアミン類;p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロ硫酸等の有機スルホン酸;硫酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸;ナトリウムアルコラート、水酸化リチウム、アルミニウムアルコラート、水酸化ナトリウム等の塩基類;テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のチタン化合物;ビスマス化合物;四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは上記アミン類であり、より好ましくはトリエチレンジアミン(TEDA)である。これら触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(表面調整剤(E))
表面調整剤(E)としては、任意の表面調整剤を使用することができる。該表面調整剤としては、アクリル系、ビニル系、シリコーン系、フッ素系などが挙げられる。これらの中でも、相溶性と表面張力低下能の観点からシリコーン系が好ましい。
(溶剤)
溶剤としては、他の配合成分と反応しないものであれば特に制限はなく、芳香族溶媒や脂肪族溶媒が挙げられる。
芳香族溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。脂肪族溶媒としては、ヘキサン等が挙げられる。
<各成分の配合量>
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)は、0.20以上0.78以下であることが好ましい。当該比(イソシアネート基/チオール基)が上記範囲内であることにより、組成物が十分に強固に硬化して、接着強度が向上する。ここで、当該比(イソシアネート基/チオール基)は、好ましくは0.3以上であり、好ましくは0.7以下であり、好ましくは0.4〜0.7である。
ここで、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数は、配合されるポリチオール化合物(A)のモル数に、ポリチオール化合物(A)の1分子が有するチオール基数を乗じることにより算出することができる。
また、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数は、JIS K1603−1 B法により測定することができる。
更に、上記モル数の比(イソシアネート基/チオール基)は、上記のようにして得られる、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数を、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数で除することにより求めることができる。
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるラジカル発生剤(C)の合計モル数の比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)は、0.025以上であることが好ましい。これにより、接着性が向上する。この観点から、当該比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)は、好ましくは0.03以上であり、より好ましくは0.035以上であり、更に好ましくは0.04以上である。また、接着性の向上の観点から、当該比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.45以下であり、更に好ましくは0.4以下である。
任意成分として、炭素−炭素二重結合を含む化合物を配合してもよい。ただし、この炭素−炭素二重結合を含む化合物の配合量が多くなると、ポリチオール化合物(A)がこの炭素−炭素二重結合を含む化合物と反応してしまう。これにより、ポリチオール化合物(A)とゴム中の炭素−炭素二重結合との間のチオール・エン反応が生じ難くなり、ゴムに対する組成物の接着力が低下するおそれがある。または、これにより、ゴムの炭素-炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合する反応が生じ難くなり、ゴムに対する組成物の接着力が低下するおそれがある。したがって、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合される炭素−炭素二重結合を含む化合物に含まれる炭素−炭素二重結合の合計モル数の比(炭素−炭素二重結合/チオール基)が、0.4未満であることが好ましく、0.1未満であることが好ましく、0.08以下であることがより好ましく、0.05以下であることが更に好ましく、0.01以下であることがより更に好ましい。
ここで、配合される炭素−炭素二重結合を含む化合物に含まれる炭素−炭素二重結合の合計モル数は、配合される当該化合物のモル数に、当該化合物の1分子が有する炭素−炭素二重結合の数を乗じることにより求めることができる。
また、上記モル数の比(炭素−炭素二重結合/チオール基)は、上記のようにして得られる、配合されるラジカル発生剤(C)の合計モル数を、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数で除することにより求めることができる。
上記のとおり、本発明に係る組成物は、必須成分である成分(A)〜(C)の他に、任意成分を含有してもよい。しかし、ゴム特に加硫ゴムを強力に接着するという観点から、組成物中における成分(A)〜(C)の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上である。
同様の観点から、成分(A)〜(E)の合計含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
[接着シート]
本発明における、シート状の接着剤は、前述した組成物を用いてなるものである。
この接着シートは、剥離紙や剥離フィルム等の剥離シート上に組成物を塗布し、シート形状を保持することにより、好適に製造することができる。この保持により、組成物中のチオール基とイソシアネート基の少なくとも一部がチオールウレタン反応することにより、シート形状になるものと考えられる。なお、塗布後、常温で放置することにより、接着シートを好適に製造することができる。また、塗布後、ラジカル発生剤によるラジカル反応が開始しない程度に加熱することにより、接着シートを製造してもよい。
保持時間は、ウレタン化触媒の量により調整することができる。シート化形成の作業性及び接着作業時にシート形状を維持し得る程度に保形させる観点から、好ましくは1分以上であり、より好ましくは3分以上である。また、保持温度は、通常室温でシート化可能であるが、材料中のラジカル発生剤が開裂しない程度に加温することも可能である。以上の観点から好ましくは0〜60℃であり、より好ましくは15〜40℃である。
剥離シートの材料としては特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルスルフォン等のケトン系樹脂、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン等のスルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を好適に用いることができる。
接着シートの厚さは、接着する対象や要求される接着強度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、20〜3000μmであり、好ましくは30〜1000μmである。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。また、下記実施例中、「部」及び「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
[ゴム組成物]
実施例及び比較例の補修用ゴムとして用いる、未加硫ゴムの組成を、下記の表1に示す。
なお、表1の組成の配合量は、いずれも「質量部」に基づく。
Figure 2015168127
[注]
*1: 「RSS#1」
*2: 宇部興産株式会社製、商品名「UBEPOL BR150」(「UBEPOL」は宇部興産株式会社の登録商標である)
*3: HAFカーボン、東海カーボン株式会社製、商品名「シーストNB」(窒素吸収比表面積:71m2/g、DBP吸収量(A法):103cm3/100g、「SEAST」は東海カーボン株式会社の登録商標である)
*4: 出光興産株式会社製、商品名「ダイアナプロセスAH−24」
*5: 日油株式会社製、「桐印ステアリン酸」
*6: ハクスイテック株式会社製、酸化亜鉛2種
*7: 新日本石油化学株式会社製、商品名「ネオレジンB−100」
*8: 日本精鑞株式会社製、商品名「オゾエース0280」(「オゾエース」は日本精鑞株式会社の登録商標である)
*9: 住友化学株式会社製、商品名「アンチゲン6C」(「アンチゲン」は住友化学株式会社登録商標である)
*10:細井化学工業株式会社製、商品名「HK−200」
*11:「N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド」(平均粒子径:4.6μm)
Figure 2015168127
なお、表2中の各成分及び評価の詳細は、次のとおりである。
<ポリチオール化合物(A)(成分(A))>
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP):SC有機化学株式会社製
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP):SC有機化学株式会社製
トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート(TEMPIC):SC有機化学株式会社製、商品名「TEMPIC」
<イソシアネート基含有化合物(B)(成分(B))>
HDIビューレット変性型イソシアネート:住友バイエルウレタン株式会社製、商品名「デスモジュールN3200」
HDIイソシアヌレート変性型イソシアネート:日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートHXLV」
IPDIイソシアヌレート変性型イソシアネート:住化バイエルウレタン株式会社製、商品名「デスモジュールZ4470BA」
IPDIアロファネート変性型イソシアネート:住化バイエルウレタン株式会社製、商品名「デスモジュールXP2565」
TDI TMPアダクト変性型イソシアネート:住化バイエルウレタン株式会社製、商品名「デスモジュールL75(C)」
TDIイソシアヌレート変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン株式会社製、商品名「D-204」
XDI TMPアダクト変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン株式会社製、商品名「D-110N」
6XDI TMPアダクト変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン株式会社製、商品名「D-120N」
6XDI イソシアヌレート変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン株式会社製、商品名「D-127N」
IPDI:エボニックデグサジャパン株式会社製、商品名「VESTANAT IPDI」、官能基当量111
<ラジカル発生剤(C)(成分(C))>
t−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート:日油株式会社製、商品名「パーブチルO」
ジラウロイルパーオキサイド:日油株式会社製、商品名「パーロイルL」
1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノアート:日油株式会社製、商品名「パーオクタO」
1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサノン:日油株式会社製、商品名「パーヘキサHC」
ジ−t―ブチルパーオキサイド:日油株式会社製、商品名「パーブチルD」
t−ブチルクミルパーオキサイド:日油株式会社製、商品名「パーブチルC」
<ウレタン化触媒(D)(成分(D))>
トリエチレンジアミン(TEDA): Air Products社製、商品名「DABCO 33LV catalyst」
<表面調整剤(E)(成分(E))>
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物:ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「BYK−307」、含有量100%
[チオール基数の測定]
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数は、配合量を理論分子量で除し、ポリチオール化合物(A)の1分子が有するチオール基数を乗じることにより算出することにより求めた。
[イソシアネート基数の測定]
配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数は、JIS K1603−1 B法により測定した。
表2において、チオール官能基濃度とは、接着剤又は接着シートの各構成成分の合計量に対するチオール基の濃度(mmol/g)のことをいう。また、NCO官能基濃度とは、接着剤又は接着シートの各構成成分の合計量に対するイソシアネート基の濃度(mmol/g)のことをいう。更に発生剤濃度とは、接着剤又は接着シートの各構成成分の合計量に対するラジカル発生剤の濃度(mmol/g)のことをいう。但し、各構成成分は相互に反応したり分解したりすることがあるため、いずれの値も、各構成成分が反応又は分解する前において算出した値、換言すると、実際に配合する直前の各構成成分の量から算出される理論値とした。
実施例1〜10
表3に示す補修されるタイヤの損傷部分を削り取り、その個所に貫通孔を形成した。次に、貫通孔の内表面に、表2に示した組成を有する接着剤を、加熱加硫処理後の接着剤の層の厚みに基づいて、それぞれ所定量塗布した。その後、表1に示すゴム組成物A〜Eのいずれかの未加硫ゴムを補修用ゴムとして、貫通孔に充填した。次に、加硫温度150℃、加硫時間45分間の条件で加硫し、「補修タイヤ」を製造した。なお、この加熱加硫と同時に、接着剤は硬化し、最終的に、タイヤ側のゴムと補修側の加硫後の補修ゴムが接着している。
比較例1、2
表4に示す補修されるタイヤの損傷部分を削り取り、その個所に貫通孔を形成した。次いで、貫通孔の内表面をバフ研磨した。その後、貫通孔の内表面に、接着剤を塗布することなく、表1に示すゴム組成物A、Bの未加硫ゴムを補修用ゴムとして、貫通孔に充填した。次に、加硫温度150℃、加硫時間45分間の条件で加硫し、「補修タイヤ」を製造した。なお、この加熱加硫と同時に、接着剤は硬化し、最終的に、タイヤ側のゴムと補修側の加硫後の補修ゴムが接着している。
《測定方法及び評価方法》
[接着力の測定方法]
本実施例等で用いる高荷重用タイヤを補修した後に、補修部分を含む試験片を切り出すことが難しいことから、ラボ試験として、表3及び4に示す補修される各タイヤの補修個所のゴム部分を切り出し、この「ゴム部分」を半分に切断して、比較例のみ、各ゴム片の切断面をバフ研磨した。次に、実施例では、表2に示す組成を有する各接着剤を、表3及び4に示す加熱加硫後の接着剤の層の厚みになるように、所定量塗布し、次いで、接着剤が塗布された「ゴム片」の間に、厚さ5mmの表3及び4に示す補修用ゴムとして用いるゴム組成物を挟み込み、加熱する。加熱温度は150℃で、45分保持し、試験片を得た。得られた試験片を、引張速度50mm/分の条件で、180度の方向に引っ張り、剥離強度(N/25mm)を測定して接着性の指標とした。
接着力の値としては、100N/25mm以上の力であればゴム基材が破壊されるレベルの十分な接着力を有する。好ましくは300N/25mm以上である。一方100N/25mm未満の力では基材と接着剤の反応が十分でなく界面で剥離している状態あるいは接着力の凝集力が十分でなく、接着剤自身が凝集破壊してしまう。そのような状態ではいずれも接着力は十分とは言えない。
[ゴム硬度の測定方法]
補修されるタイヤのゴム硬度は、「デュロメータ」のタイプDを用いて、JIS K 6253:2006に準拠して、測定した。
同様に、上述の実施例1〜10及び比較例1、2により補修された補修タイヤの補修個所のゴム硬度も、「デュロメータ」のタイプDを用いて、JIS K 6253に準拠して、測定した。
[硬さの比]
上記ゴム硬度の測定方法により得られた、それぞれの補修されるタイヤのゴム硬度を「1」としたときの、同測定方法により得られた、各補修個所のゴム硬度の比を求めた。
[接着剤の層の厚みの測定方法]
補修タイヤをタイヤの径方向に切断し、補修個所を走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名「VE8800」、キーエンス社製)により、10箇所測定した厚みの値の平均値である。
[走行試験]
<「53/80R63」の走行試験>
本試験では、表3及び4に示す補修タイヤとして「53/80R63」を用いた場合、直径7mの鉄板表面を持つドラム試験機を用いて、速度15km/hにて正規内圧による140%ロード条件にて、全てのタイヤについて、故障が発生するまでの「走行時間」を測定し、また、故障形態について判定した。
<「235R25」の走行試験>
本試験では、表3及び4に示す補修タイヤとして「235R25」を用いた場合、直径5mの鉄板表面を持つドラム試験機を用いて、速度20km/h、正規内圧による140%ロード条件にて、全てのタイヤについて、故障が発生するまでの「走行時間」を測定し、また、故障形態について判定した。
表3及び4に、補修タイヤの評価結果を示す。
Figure 2015168127
なお、表3、4で用いる、補修されるタイヤの詳細は、次のとおりである。
「53/80R63」(株式会社ブリヂストン製、建設・鉱山車両用タイヤ、外形:3,828mm、総幅:1,304mm、溝深さ:110.0mm、重量:4,860kg)、トレッドのパターンは「VRPS」である。
「245R25」(Quingdao Keter Tyre Co.Ltd.製、ORタイヤ又はトラック・バス・クレーン用タイヤ)、トレッドのパターンは「VLT」である。
Figure 2015168127
表3に示す実施例1〜10の補修タイヤは、表4に示す比較例1、2の補修タイヤに比べ、補修部の耐久性が高く、優れることが分かった。
本発明の補修タイヤの製造方法は、オフ・ザ・ロード用のタイヤやトラック・バス用の大型タイヤ等の高荷重用タイヤの損傷部分を補修し、耐久性を確保しながら補修タイヤとして再利用する場合に利用することができる。
14 空気入りタイヤ、16 ビード、18 カーカス、20 サイドウォール部、22、ビードフィラー、30 損傷部分を含む領域、32 損傷部分、34 空洞、40 接着剤、42 補修用ゴム、50 加熱体。

Claims (9)

  1. タイヤの損傷部分を除去して形成した空洞の表面及び補修用ゴムの被接着表面の少なくとも一方の表面に、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)及びラジカル発生剤(C)を配合してなる接着剤を配する工程を有する、補修タイヤの製造方法。
  2. 前記補修用ゴムが、未加硫ゴム又は半加硫ゴムであり、前記空洞の表面及び補修用ゴムの被接着表面の少なくとも一方の表面に、前記接着剤を配する工程の後に、さらに、前記空洞内に前記接着剤を介して補修用ゴムを充填し、充填された補修用ゴムの露出面に加熱体を当て、加熱加硫する工程を有する、請求項1に記載の補修タイヤの製造方法。
  3. 前記接着剤の層の厚さが、0.01mm以上かつ5.0mm以下である、請求項1又は2に記載の補修タイヤの製造方法。
  4. 前記接着剤の層を挟んで配置される、タイヤ側のゴムの硬度に対する補修側のゴムの硬度の比が、タイヤ側のゴムの硬度を1としたとき、0.5以上、2以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の補修タイヤの製造方法。
  5. 前記接着剤において、前記ポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、前記イソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が、0.20以上かつ0.78以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の補修タイヤの製造方法。
  6. 前記ラジカル発生剤(C)が、過酸化物からなる熱ラジカル発生剤である、請求項1〜5に記載の補修タイヤの製造方法。
  7. 前記接着剤において、前記ポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、前記ラジカル発生剤の合計モル数の比(ラジカル発生剤/チオール基)が0.025以上である、請求項1〜6に記載の補修タイヤの製造方法。
  8. 前記接着剤が、更に、ウレタン化触媒(D)及び表面調整剤(E)の少なくとも一方を配合してなる、請求項1〜7のいずれかに記載の補修タイヤの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の補修タイヤの製造方法により得られるタイヤが、高荷重用タイヤである、補修タイヤの製造方法。
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