JP2015107635A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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秀忠 藤澤
吉範 ▲徳▼田
吉範 ▲徳▼田
Yoshinori Tokuda
健太郎 吉澤
Kentaro Yoshizawa
健太郎 吉澤
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Abstract

【課題】タイヤを構成する各部位の組成に応じた加硫を行い、過加硫になることを抑制して、各部位の特性を維持しつつ、従来に比べ各部位環の界面の接着強度が向上した空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。【解決手段】空気入りタイヤ10は、別々の加硫条件で加硫した、リムガード12とリムガード12以外の構成を有するタイヤ部材14とを、接着剤を用いて接合して成る空気入りタイヤであって、前記接着剤が、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなり、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下である、空気入りタイヤ。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、詳しくは、タイヤを構成する部位を複数個に分けて別々に加硫し、後にそれらを特定の構成を有する接着剤を用いて接合し成型してなる空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
たとえば、使用済みタイヤをリサイクルしてなる再生タイヤの分野では、新品タイヤで摩耗した第一寿命終了品(台タイヤ)の路面部のトレッドゴムを再加工して、第二寿命品として、再使用する技術が開発されている。再生タイヤの加工方法としては、未加硫方式とリモール方式とが挙げられ、特に、未加硫方式は、使用済みのタイヤから、たとえばバフ機等を用いてトレッド部のゴムを削り取り、台タイヤを一定の形状寸法に整え、その表面をバフ研磨した後に、パターン入りの加硫済みトレッドと研磨後の台タイヤとを、接着用のゴムを介して接合し、タイヤ全体を加硫することによって、再生タイヤを得る方式である。
上述の未加硫方式を用いた再生タイヤとして、たとえば、特許文献1には、60℃におけるtanδが0.15以下であるゴム組成物から構成された加硫済トレッドを用い、台タイヤのトレッド幅よりも広い路面用未加硫トレッドが配置できるようにすることで、トレッド幅の異なる複数種類の台タイヤに対して再生タイヤを得ることが可能になることが開示されている。
特開2011−218906号公報
ところで、一般に、タイヤの製造をする場合、タイヤ全体を一様に加硫するため、通常、加硫の遅い部材に合わせて、タイヤ全体の加硫条件が設定されることが多い。これにより、タイヤの一部は、その組成の最適加硫条件を超えた過加硫状態になるおそれがある。
そこで、たとえば、タイヤを構成する部位を別々に加硫した後に接合することも考えられるが、上述した接合用のゴムのみでは、各部位の界面で十分な接着力が得られにくい。したがって、接着力を向上させるためには、各部位の接合面に更に微細な凹凸を形成する必要があるが、この微細な凹凸形成の作業は極めて煩雑である。
本発明は、タイヤ全体を一様に加硫することによる、タイヤの部分的な過加硫を抑制して、タイヤを構成する各構成部位の特性を維持しつつ、各部位の接合面に微細凹凸を形成することなく、各部位の接合界面の接着性を向上させる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。
本発明者等は、タイヤを構成する部位を複数個に分けて、別々に各部位の組成に応じた加硫条件で加硫し、後にそれらを特定の構成を有する接着剤を用いて接合し成型することにより、本発明の課題を解決し得ることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記〔1〕、〔2〕に関する。
〔1〕加硫後の部材を、互いに接着剤を用いて接合して成る空気入りタイヤであって、前記接着剤が、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなり、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下である、空気入りタイヤ。
〔2〕タイヤの各部材を別々に加硫する工程と、加硫後の各部材を、接着剤を用いて接合する工程と、を有し、前記接着剤が、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなり、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下である、空気入りタイヤの製造方法。
本発明によれば、タイヤを構成する各部位を分割し、分割した部材をそれぞれに応じた加硫条件で別々に加硫することにより、過加硫状態が抑制され、かつ、特定の構成の接着剤を用いることにより、接合面に微細凹凸を形成することなく、接着性が向上する。これにより、特に、タイヤ性能として、低発熱性、転がり抵抗が向上し、また、従来の接着剤を用いた場合に比べ、タイヤの各部材における接合箇所の接着耐久性も向上する。
本発明の実施の形態における空気入りタイヤのビード部の一方を示すタイヤ幅方向の部分断面図であって、リムガードの接合作業を説明する図である。 本発明の実施の形態における空気入りタイヤのトレッド部を示す台タイヤ幅方向の部分断面図であって、トレッドの接合作業を説明する図である。 本発明の実施の形態における空気入りタイヤの製造方法の一例を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態における空気入りタイヤの製造方法の他の例を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態における空気入りタイヤのビード部の一方を示すタイヤ幅方向の部分断面図であって、ゴムチェーファーの接合作業を説明する図である。 本発明の実施の形態における空気入りタイヤのビード部の一方を示すタイヤ幅方向の部分断面図であって、ナイロンチェーファーの接合作業を説明する図である。 本発明の実施の形態における空気入りタイヤの製造方法の他の例を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態における空気入りタイヤの製造方法の他の例を説明するフローチャートである。
[空気入りタイヤ及びその製造方法]
本発明の空気入りタイヤは、加硫後の部材を、互いに、後述する特定の構成を有する接着剤を用いて接合して成る空気入りタイヤである。
また、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤの各部材を別々に加硫する工程と、加硫後の各部材を、後述する特定の構成を有する接着剤を用いて接合する工程と、を有する、空気入りタイヤの製造方法である。
タイヤを構成する各部材をそれぞれに応じた加硫条件で別々に加硫することにより、過加硫状態が抑制され、かつ、特定の構成を有する接着剤を用いることにより、接合面に微細凹凸を形成することなく、接着性が向上する。これにより、特に、タイヤ性能として、低発熱性、転がり抵抗が向上し、また、従来の接着剤を用いた場合に比べ、タイヤの各部材における接合箇所の接着耐久性も向上する。
<リムガードを別加硫し後に接合して成る空気入りタイヤ、及びその製造方法>
図1に示すように、本発明の実施の形態における空気入りタイヤ10は、左右一対のビード16(図1では一方のビードのみを示す)及びサイドウォール部20と、サイドウォール部20のタイヤ径方向外側で左右のサイドウォール部20の相互間に亘ってトロイド状に連なるトレッド部(図示せず)とを、備える。
また、空気入りタイヤ10は、一対のビード16間でトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカス18を有し、更に、ビード16のタイヤ半径方向外側で、カーカス18との間には、タイヤ径方向の外側に向かって、先細りに延びるビードフィラー22が挟み込まれて設けられている。
更に、本発明の空気入りタイヤ10には、サイドウォール部20にリムガード12が設けられている。リムガード12は、たとえば、概ね偏平率55%以下の薄いタイヤにおいて、特にタイヤのショルダー部付近の補強のために設けられている。
従来、リムガード12がサイドウォール部20に一体に成型してなるタイヤは、たとえば、リムガード12が予め設けられた未加硫タイヤ部材を、一様に加硫することにより製造されていた。ここで、リムガード12が設けられた部位は、未加硫タイヤ部材の膜厚が他の部位に比べ厚いことから、加硫最遅部位となり、一体成型の場合には、この加硫最遅部位の加硫条件に合わせて、未加硫タイヤ部材全体が加硫されることになる。一方、未加硫タイヤ部材の各部位は、厚みも必要とされる特性も異なることから、それぞれの部位に応じた最適な加硫条件がある。したがって、上記加硫最遅部位の加硫条件に合わせて一様に未加硫タイヤ部材を加硫してしまうと、得られたタイヤの一部分が過加硫状態になるおそれがある。
そこで、図1に示すように、本発明では、空気入りタイヤ10が、別々に好適な加硫条件で加硫された、リムガード12とリムガード12以外のタイヤ部材14とを、後述する構成を有する接着剤を用いて接合し、必要に応じて、後述する加温および/またはプレス加工して成る空気入りタイヤを提案するものである。
リムガード12を有するタイヤにおいて、加硫最遅部となるリムガードをその他のタイヤ部分と別に加硫することにより、タイヤ全体の性能が維持され、かつ、特定の構成を有する接着剤を用いることにより、接合面に微細凹凸を形成することなく、接着性が向上する。
次に、本発明の空気入りタイヤの製造方法の一例を説明する。
本発明の実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、図1,3に示すように、リムガード12用の未加硫ゴム部材と、リムガード以外の未加硫タイヤ部材とを別々に加硫する工程(ステップ100)と、図1に示すように、加硫により得られたリムガード12と、加硫後のリムガード以外のタイヤ部材14とを、後述する特定の構成を有する接着剤を用いて接合する工程(ステップ102)とを有する。
リムガード12用の未加硫ゴム部材と、リムガード以外の未加硫タイヤ部材とを別々に加硫することにより、それぞれに応じた加硫条件で加硫することができる。したがって、従来、生じる可能性があったリムガード以外の部位のタイヤにおける過加硫状態が抑制される。これにより、得られた空気入りタイヤ10は、従来のタイヤに比べ、タイヤ全体の低発熱性、すなわちtanδが低くなり、また、転がり抵抗も低くなる。
また、図1に示す接着剤30は、被塗物に直接塗布する接着剤、又は、20μm以上かつ1000μm以下のシート状の接着剤のいずれでもよい。再生タイヤにおけるゴム層を介しての加硫による接着に比べ、薄い接合層で強固に接合することができる。
接着剤の構成及びシート状の接着剤については後述する。
ここで、前記接着剤30は、接合面に塗布後、必要に応じて所定時間放置した後に、接面を重ね合わせてもよく、また、必要に応じて、この重ね合せた部分をその厚み方向のプレス圧を加えながら、硬化させてもよい。
塗布後に所定時間放置する場合、放置時間は、硬化時に接着剤が重ね合せ体から漏れ出ないように接着剤を保形する観点から、好ましくは0超〜30分であり、より好ましくは1〜15分である。
重ね合せ体にプレス圧を加える場合、接着力を向上させると共に積層体から接着剤が漏出することを防止又は抑制する観点から、プレス圧は、好ましくは0〜5MPaであり、より好ましくは0〜2.5MPaであり、更に好ましくは0〜1MPaである。また、同様の観点から、プレス時間は、好ましくは5〜120分であり、より好ましくは10〜60分であり、更に好ましくは15〜45分である。
後述する接着剤がラジカル発生剤として熱ラジカル発生剤を含んでいる場合、硬化は加熱により行うことが好ましい。加熱温度は熱ラジカル発生剤が効率よくラジカルを発生する温度を適宜選択することができるが、好ましくは熱ラジカル発生剤の1分間半減期温度±30℃付近である。
後述する接着剤がラジカル発生剤として光ラジカル発生剤を含んでいる場合、硬化は光照射により行うことが好ましい。接着力の向上及びコスト低減の観点から、光源としては、紫外線ランプを好適に用いることができる。また、同様の観点から、光照射時間は、好ましくは数秒〜数十秒である。
また、シート状の接着剤を用いる場合、必要に応じて、この重ね合せ体にその厚み方向のプレス圧を加えながら、硬化させることにより、積層体を好適に製造することができる。
重ね合せ体にプレス圧を加える場合、接着力を向上させる観点から、プレス圧は、好ましくは0.1〜5.0MPaであり、より好ましくは0.4〜4.0MPaであり、更に好ましくは0.5〜3.0MPaである。
なお、それ以外のプレス条件(プレス時間)や、硬化条件(加熱温度、加熱時間、光源、及び光照射時間)は、前述した接着剤を用いる場合と同様である。
<トレッド部を別加硫し後に接合して成る空気入りタイヤ、及びその製造方法>
図2に示すように、本発明の他の空気入りタイヤ40は、トレッド50の各部位に応じた加硫条件で加硫されたトレッド用の複数のゴム片52同士を後述する構成を有する接着剤32を用いて接合し、必要に応じて、前述した加温および/またはプレス加工することにより形成される、溝54を有するトレッド50と、トレッド50とは別に加硫されたトレッド50以外のタイヤ部材60とを、後述する構成を有する接着剤34を用いて接合し、必要に応じて、前述した加温および/またはプレス加工して成る空気入りタイヤである。
トレッド50を分割して各部位に応じた加硫条件で加硫されたゴム片52同士を接合することにより、トレッド50の各部位に応じた特性を得ることができる。これにより、得られたトレッド50を有する空気入りタイヤ40は、トレッド50を他の構成と一体で成型されたタイヤに比べ、低発熱性になり、かつ転がり抵抗が低くなる。また、トレッド50以外のタイヤ部材60の過加硫を防止することができるので、タイヤ全体の性能が維持される。更に、特定の構成の接着剤を用いることにより、トレッド50を構成する各ゴム片52の接着性、及び、トレッド50とトレッド50以外のタイヤ部材60との接着性が向上する。
次に、本発明の空気入りタイヤの製造方法の他の例を説明する。
本発明の他の実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、図2,4に示すように、トレッド50を形成するための複数の未加硫ゴム片を加硫する工程(ステップ200)と、トレッド50以外の未加硫タイヤ部材を加硫する工程(ステップ202)と、トレッド50を形成するために加硫により得られた複数のゴム片52同士を、特定の構成を有する接着剤32を用いて接合する工程(ステップ204)と、得られたトレッド50を加硫後のトレッド50以外のタイヤ部材60のトレッド部62に特定の構成を有する接着剤34を用いて接合する工程(ステップ206)と、を有する。
トレッド50を形成する各部位に応じて、複数の未加硫ゴム片に分割し、これらをそれぞれに応じた加硫条件で加硫することにより、トレッド50の各部位毎に最適な特性が得られる。同様に、トレッド50以外の未加硫タイヤ部材も、これに応じた加硫条件で加硫されるため、過加硫が防止される。したがって、得られた空気入りタイヤ40は、トレッドを他の構成と一体で成型されたタイヤに比べ、低発熱性になり、かつ転がり抵抗が低くなり、更にタイヤ全体の性能が維持される。また、特定の構成の接着剤32,34を用いることにより、トレッド50を構成する各ゴム片52の接着性、及び、トレッド50とトレッド50以外のタイヤ部材60との接着性が向上する。
なお、上述したのと同様に、接着剤による接合方法を用いてもよく、また、接着剤による接合後に加温および/またはプレス加工を行ってもよい。
<ゴムチェーファーを別加硫し後に接合して成る空気入りタイヤ、及びその製造方法>
図5に示すように、本発明の実施の形態における空気入りタイヤ70は、左右一対のビード16(図5では一方のビードのみを示す)及びサイドウォール部20と、サイドウォール部20のタイヤ径方向外側で左右のサイドウォール部20の相互間に亘ってトロイド状に連なるトレッド部(図示せず)とを、備える。
また、空気入りタイヤ70は、一対のビード16間でトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカス18を有し、更に、ビード16のタイヤ半径方向外側で、カーカス18との間には、タイヤ径方向の外側に向かって、先細りに延びるビードフィラー22が挟み込まれて設けられている。また、トレッド幅方向においてカーカス18の折返し部の外側には、第2のビードフィラー13が設けられている。
更に、本発明の空気入りタイヤ70は、トレッド幅方向において、第2のビードフィラー13の外側に、ゴムチェーファー72が設けられている。ゴムチェーファー72は、リムフランジとタイヤとの接点を少なくとも覆い、一端はサイドウォール部20の少なくともリムフランジまで延在し、他端はビードベースの一部にかかるように延在している。なお、図5に示すゴムチェーファー72は、リムフランジとタイヤとの接点を少なくとも覆い、一端はサイドウォール部20の少なくともリムフランジまで延在し、他端はビードの側面の一部にかかるように延在している。
そして、ゴムチェーファー72は、カーカス18が直接リムに接することが無いように、ビード13を保護し、また、リムとの密着性やビード周りの耐久性を向上させるために設けられている。
従来、ゴムチェーファー72がサイドウォール部20に一体に成型してなるタイヤは、たとえば、ゴムチェーファー72が予め設けられた未加硫タイヤ部材を、一様に加硫することにより製造されていた。ここで、ゴムチェーファー72が設けられた部位は、未加硫タイヤ部材の膜厚が他の部位に比べ厚いことから、加硫最遅部位となり、一体成型の場合には、この加硫最遅部位の加硫条件に合わせて、未加硫タイヤ部材全体が加硫されることになる。一方、未加硫タイヤ部材の各部位は、厚みも必要とされる特性も異なることから、それぞれの部位に応じた最適な加硫条件がある。したがって、上記加硫最遅部位の加硫条件に合わせて一様に未加硫タイヤ部材を加硫してしまうと、得られたタイヤの一部分が過加硫状態になるおそれがある。
そこで、図5に示すように、本発明では、空気入りタイヤ70が、別々に好適な加硫条件で加硫された、ゴムチェーファー72とゴムチェーファー以外のタイヤ部材74とを、後述する構成を有する接着剤を用いて接合し、必要に応じて、後述する加温および/またはプレス加工して成る空気入りタイヤを提案するものである。
ゴムチェーファー72を有するタイヤにおいて、加硫最遅部となるゴムチェーファー72のトレッド幅方向における内側のタイヤ部分と別に加硫することにより、タイヤ全体の性能が維持され、かつ、特定の構成を有する接着剤を用いることにより、接合面に微細凹凸を形成することなく、接着性が向上する。
次に、本発明の空気入りタイヤの製造方法の一例を説明する。
本発明の実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、図5,7に示すように、ゴムチェーファー72用の未加硫ゴム部材と、ゴムチェーファー以外の未加硫タイヤ部材とを別々に加硫する工程(ステップ300)と、図5に示すように、加硫により得られたゴムチェーファー72と、加硫後のゴムチェーファー以外のタイヤ部材74とを、後述する特定の構成を有する接着剤を用いて接合する工程(ステップ302)とを有する。
ゴムチェーファー72用の未加硫ゴム部材と、ゴムチェーファー以外の未加硫タイヤ部材74とを別々に加硫することにより、それぞれに応じた加硫条件で加硫することができる。したがって、従来、生じる可能性があったゴムチェーファー以外の部位のタイヤにおける過加硫状態が抑制される。これにより、得られた空気入りタイヤ70は、従来のタイヤに比べ、タイヤ全体の低発熱性、すなわちtanδが低くなり、また、転がり抵抗も低くなる。
また、図5に示す接着剤30は、被塗物に直接塗布する接着剤、又は、20μm以上かつ1000μm以下のシート状の接着剤のいずれでもよい。再生タイヤにおけるゴム層を介しての加硫による接着に比べ、薄い接合層で強固に接合することができる。
接着剤の構成及びシート状の接着剤については後述する。
ここで、前記接着剤30は、接合面に塗布後、必要に応じて所定時間放置した後に、接面を重ね合わせてもよく、また、必要に応じて、この重ね合せた部分をその厚み方向のプレス圧を加えながら、硬化させてもよい。
塗布後に所定時間放置する場合、放置時間は、硬化時に接着剤が重ね合せ体から漏れ出ないように接着剤を保形する観点から、好ましくは0超〜30分であり、より好ましくは1〜15分である。
重ね合せ体にプレス圧を加える場合、接着力を向上させると共に積層体から接着剤が漏出することを防止又は抑制する観点から、プレス圧は、好ましくは0〜5MPaであり、より好ましくは0〜2.5MPaであり、更に好ましくは0〜1MPaである。また、同様の観点から、プレス時間は、好ましくは5〜120分であり、より好ましくは10〜60分であり、更に好ましくは15〜45分である。
後述する接着剤がラジカル発生剤として熱ラジカル発生剤を含んでいる場合、硬化は加熱により行うことが好ましい。加熱温度は熱ラジカル発生剤が効率よくラジカルを発生する温度を適宜選択することができるが、好ましくは熱ラジカル発生剤の1分間半減期温度±30℃付近である。
後述する接着剤がラジカル発生剤として光ラジカル発生剤を含んでいる場合、硬化は光照射により行うことが好ましい。接着力の向上及びコスト低減の観点から、光源としては、紫外線ランプを好適に用いることができる。また、同様の観点から、光照射時間は、好ましくは数秒〜数十秒である。
また、シート状の接着剤を用いる場合、必要に応じて、この重ね合せ体にその厚み方向のプレス圧を加えながら、硬化させることにより、積層体を好適に製造することができる。
重ね合せ体にプレス圧を加える場合、接着力を向上させる観点から、プレス圧は、好ましくは0.1〜5.0MPaであり、より好ましくは0.4〜4.0MPaであり、更に好ましくは0.5〜3.0MPaである。
なお、それ以外のプレス条件(プレス時間)や、硬化条件(加熱温度、加熱時間、光源、及び光照射時間)は、前述した接着剤を用いる場合と同様である。
<ナイロンチェーファーを別加硫し後に接合して成る空気入りタイヤ、及びその製造方法>
図6に示すように、本発明の実施の形態における空気入りタイヤ80は、左右一対のビード16(図5では一方のビードのみを示す)及びサイドウォール部20と、サイドウォール部20のタイヤ径方向外側で左右のサイドウォール部20の相互間に亘ってトロイド状に連なるトレッド部(図示せず)とを、備える。
また、空気入りタイヤ80は、一対のビード16間でトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカス18を有し、更に、ビード16のタイヤ半径方向外側で、カーカス18との間には、タイヤ径方向の外側に向かって、先細りに延びるビードフィラー22が挟み込まれて設けられている。また、トレッド幅方向においてカーカス18の折返し部の外側には、第2のビードフィラー13が設けられている。
更に、本発明の空気入りタイヤ80は、リムフランジとタイヤとの接点を少なくとも覆い、一端はビード13の底面全体を覆うように延在し、他端はサイドウォール部20に延在している、ナイロンチェーファー82が設けられている。なお、図6に示すナイロンチェーファー82は、リムフランジとタイヤとの接点を少なくとも覆い、一端はビード13の底面全体を覆うように延在し、他端は少なくともビード13の側面を覆うように延在している。
ナイロンチェーファー82は、それ自体がパンタグラフ変形しても、カーカス18が直接リムに接することが無いように、ビード13を保護し、また、リムとの密着性やビード周りの耐久性を向上させるために設けられている。
ここで、ナイロンチェーファーは、相互に平衡に引き揃えた経糸を、この経糸に対して略直角方向の延びる緯糸によって廉織り又は平織りしたタイヤ用織物であって、経糸と緯糸がナイロンからなり、このタイヤ用織物を織成後、経糸と緯糸を確実に接着するために、ラテックス接着剤等に浸漬した後、経糸に張力をかけた状態で加熱してストレッチ処理を行った後、このタイヤ用織物の両側面を未加硫のトッピングゴムで被覆したものが用いられる。
経糸と緯糸は、ナイロン6、ナイロン66の少なくとも一種からなる。また、経糸は、1〜21本のフィラメントからなり、フィラメントが、ナイロン6、ナイロン66の少なくとも一種からなることが好ましい。緯糸は、10〜32本のフィラメントを撚り合わすことにより形成されていることが好ましい。各フィラメントは、400〜1000dtexの範囲であることが好ましい。
従来、ナイロンチェーファー82がビード13の底面部に一体に成型してなるタイヤは、たとえば、未加硫のナイロンチェーファー82とそれ以外の予め設けられた未加硫タイヤ部材を、一様に加硫することにより製造されていた。ここで、ナイロンチェーファー82が設けられた部位は、未加硫タイヤ部材の膜厚が他の部位に比べ厚いことから、加硫最遅部位となり、一体成型の場合には、この加硫最遅部位の加硫条件に合わせて、未加硫タイヤ部材全体が加硫されることになる。一方、未加硫タイヤ部材の各部位は、厚みも必要とされる特性も異なることから、それぞれの部位に応じた最適な加硫条件がある。したがって、上記加硫最遅部位の加硫条件に合わせて一様に未加硫タイヤ部材を加硫してしまうと、得られたタイヤの一部分が過加硫状態になるおそれがある。
そこで、図6に示すように、本発明では、空気入りタイヤ80が、別々に好適な加硫条件で加硫された、ナイロンチェーファー82とナイロンチェーファー以外のタイヤ部材84とを、後述する構成を有する接着剤を用いて接合し、必要に応じて、後述する加温および/またはプレス加工して成る空気入りタイヤを提案するものである。
ナイロンチェーファー82を有するタイヤにおいて、加硫最遅部となるナイロンチェーファー82のタイヤ径方向における内側のタイヤ部分と別に加硫することにより、タイヤ全体の性能が維持され、かつ、特定の構成を有する接着剤を用いることにより、接合面に微細凹凸を形成することなく、接着性が向上する。
次に、本発明の空気入りタイヤの製造方法の一例を説明する。
本発明の実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、図6,8に示すように、ナイロンチェーファー82用の未加硫ゴム部材と、ナイロンチェーファー以外の未加硫タイヤ部材とを別々に加硫する工程(ステップ400)と、図6に示すように、加硫により得られたナイロンチェーファー82と、加硫後のゴムチェーファー以外のタイヤ部材84とを、後述する特定の構成を有する接着剤を用いて接合する工程(ステップ402)とを有する。
ナイロンチェーファー82用の未加硫ゴム部材と、ゴムチェーファー以外の未加硫タイヤ部材84とを別々に加硫することにより、それぞれに応じた加硫条件で加硫することができる。したがって、従来、生じる可能性があったゴムチェーファー以外の部位のタイヤにおける過加硫状態が抑制される。これにより、得られた空気入りタイヤ80は、従来のタイヤに比べ、タイヤ全体の低発熱性、すなわちtanδが低くなり、また、転がり抵抗も低くなる。
なお、ゴムチェーファーとそれ以外のゴム部材との接合と同様に、接着剤による接合方法を用いてもよく、また、接着剤による接合後に加温および/またはプレス加工を行ってもよい。
<接着剤>
本発明で用いる接着剤は、下記の組成物を含む。この接着剤は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、下記の組成物以外の成分を含んでもよい。しかし、本発明の効果を良好に発現させる観点から、接着剤中における該組成物の含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。なお、上述の接着剤30,32,34のいずれも、以下の組成物を含む。
本発明の接着剤に含まれる組成物は、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなり、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下である、組成物である。
本発明に係る組成物によると、未加硫ゴムに限らず、加硫ゴムをも強力に接着することができる。その理由は、次のとおりであると推測される。
ポリチオール化合物(A)の一部とイソシアネート基含有化合物(B)とがウレタン化反応を起こすことにより、組成物が強固に硬化すると考えられる。また、ポリチオール化合物(A)の他の一部が、ラジカル発生剤(C)と反応してチイルラジカルが生じ、このチイルラジカルが、ゴム中に存在する炭素−炭素二重結合と反応すると考えられる。このようなチオール・エン反応により、組成物がゴムに化学的に結合することにより、組成物がゴムに強力に接着すると考えられる。特に、未加硫ゴムのみならず加硫ゴムにも炭素−炭素二重結合が存在するため、本発明に係る組成物によると、ゴム特に加硫ゴムを強力に接着することができると考えられる。
また、ゴム中に存在する炭素-炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合すると考えられる。したがって、必ずしもゴム中に炭素-炭素二重結合が存在しなくてもよい。
なお、本明細書において、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、ラジカル発生剤(C)、ウレタン化触媒(D)及び表面調整剤(E)を、それぞれ、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)ということがある。
<ポリチオール化合物(A)>
本発明において、ポリチオール化合物(A)とは、1分子中にチオール基を2つ以上有する化合物のことをいう。
ポリチオール化合物(A)には特に制限はないが、接着性を向上させる観点から、1分子中にチオール基を2〜6個有するものが好ましい。
また、ポリチオール化合物(A)には、1級、2級及び3級のものが含まれるが、接着性を向上させる観点から、1級がより好ましい。
ポリチオール化合物(A)の分子量は、接着性を向上させる観点から、好ましくは3000以下であり、より好ましくは2000以下であり、更に好ましくは1000以下であり、より更に好ましくは900以下であり、より更に好ましくは800以下である。なお、ポリチオール化合物(A)がポリマーの場合、分子量とは、スチレン換算の数平均分子量のことをいう。
ポリチオール化合物(A)としては、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオール及びヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族ポリチオールが挙げられ、接着性を向上させる観点から、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールが好ましい。
ここで、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールとは、1分子中にチオール基を2つ以上有する、ヘテロ原子を含んでもよい脂肪族化合物のことをいう。また、ヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族ポリチオールとは、1分子中にチオール基を2つ以上有する、ヘテロ原子を含んでもよい芳香族化合物のことをいう。
ヘテロ原子は、接着力の向上の観点から、好ましくは酸素、窒素、硫黄、リン、ハロゲン原子、ケイ素から選択される少なくとも1種であり、より好ましくは酸素、窒素、硫黄、リン及びハロゲン原子から選択される少なくとも1種であり、更に好ましくは酸素、窒素及び硫黄から選択される少なくとも1種である。
ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールとしては、例えば、炭素数2〜20のアルカンジチオール等のようにチオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオール、アルコールのハロヒドリン付加物のハロゲン原子をチオール基で置換してなるポリチオール、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオール、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールとチオグリコール酸とのエステル化により得られるチオグリコール酸エステル化物、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールとメルカプト脂肪酸とのエステル化により得られるメルカプト脂肪酸エステル化物、イソシアヌレート化合物とチオールとを反応させてなるチオールイソシアヌレート化合物、ポリスルフィド基を含有するチオール、チオール基で変性されたシリコーン、チオール基で変性されたシルセスキオキサン等が挙げられる。
なお、上記の分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類としては、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらの中で、接着性の向上の観点から、チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオール、アルコールのハロヒドリン付加物のハロゲン原子をチオール基で置換してなるポリチオール、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオール、チオグリコール酸エステル化物、メルカプト脂肪酸エステル化物、及びチオールイソシアヌレート化合物がより好ましく、メルカプト脂肪酸エステル化物及びチオールイソシアヌレート化合物が更に好ましく、メルカプト脂肪酸エステル化物がより更に好ましい。同様の観点から、ポリスルフィド基やシロキサン結合を含有しないチオールがより好ましい。
(チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオール)
チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオールの例としては炭素数2〜20のアルカンジチオールがある。
前記炭素数2〜20のアルカンジチオールとしては、1,2-エタンジチオール、1,1-プロパンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、2,2-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,5-ペンタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール等が挙げられる。
(チオグリコール酸エステル化物)
チオグリコール酸エステル化物としては、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、1,6-ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等が挙げられる。
(メルカプト脂肪酸エステル化物)
メルカプト脂肪酸エステル化物としては、接着性の向上の観点から、1級チオール基を有するメルカプト脂肪酸エステル化物が好ましく、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールの、β−メルカプトプロピオン酸エステル化物がより好ましい。また、1級チオール基を有するメルカプト脂肪酸エステル化物は、接着性の向上の観点から、1分子中におけるチオール基の数が4〜6個であることが好ましく、4個又は6個であることが好ましく、4個であることがより好ましい。
上記の1級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物としては、好ましくはテトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)(EGMP−4)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)、及びジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)が挙げられる。これらの中で、PEMP及びDPMPが好ましく、PEMPがより好ましい。
なお、2級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物としては、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類と、β−メルカプトブタン酸とのエステル化物が挙げられ、具体的には、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等が挙げられる。
(チオールイソシアヌレート化合物)
イソシアヌレート化合物とチオールとを反応させてなるチオールイソシアヌレート化合物としては、接着力の向上の観点から、1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物が好ましい。また、1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、接着性の向上の観点から、1分子中におけるチオール基の数が2〜4個であることが好ましく、3個であることがより好ましい。
上記の1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)が好ましい。
(チオール基で変性されたシリコーン)
チオール基で変性されたシリコーンとしては、商品名KF-2001、KF-2004、X-22-167B(信越化学工業)、SMS042、SMS022(Gelest社)、PS849、PS850(UCT社)等が挙げられる。
(芳香族ポリチオール)
芳香族ポリチオールとしては、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等が挙げられる。
<イソシアネート基含有化合物(B)>
イソシアネート基含有化合物(B)としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート、これらの変性体等が挙げられる。
芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、フェニレンジイソシアネート(PPDI)、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、メチルシクロへキサンジイソシアネート(水素化TDI)、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート(水素化MDI)、シクロへキサンジイソシアネート(水素化PPDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロへキサン(水素化XDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ブタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルへキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルへキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
配合されるポリチオール化合物(A)が、メルカプト脂肪酸エステル化物及びチオールイソシアヌレート化合物である場合、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)は、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の1種又は2種以上が好ましい。また、これらの中では、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロへキサン(水素化XDI)及びトリレンジイソシアネート(TDI)の1種又は2種以上がより好ましい。
また、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートの変性体としては、トリメチロールプロパンとイソシアネートとの反応により得られるTMP(トリメチロールプロパン)アダクト型変性体、イソシアネートの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、ウレアとイソシアネートとの反応により得られるビューレット型変性体、ウレタンとイソシアネートとの反応により得られるアロファネート型変性体、ポリオールとの反応で得られるプレポリマー体等が挙げられ、適宜、使用することができる。
なお、TMPアダクト型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビューレット型変性体、アロファネート型変性体としては、接着性の向上の観点から、次の変性体が好ましい。
すなわち、TMPアダクト型変性体としては、TMPとTDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとXDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPと水添XDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとIPDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとHDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、及びTMPとMDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体が好ましい。
また、イソシアヌレート型変性体としては、HDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、IPDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、TDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、及び水添XDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、が好ましい。
また、ビューレット型変性体としては、ウレアとHDIとの反応により得られるビューレット型変性体、が好ましい。
また、アロファネート型変性体としては、ウレタンとIPDIとの反応により得られるアロファネート型変性体が好ましい。
上記TMPアダクト型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビューレット型変性体及びアロファネート型変性体の少なくとも1種と組み合せて使用されるポリチオール化合物(A)としては、好ましくは1級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物及び1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物の1種又は2種である。
ここで、1級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物としては、好ましくはペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)及びジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)DPMPの少なくとも1種である。また、この1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、好ましくは1分子中におけるチオール基の数が3個である1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物であり、より好ましくはトリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)である。
<ラジカル発生剤(C)>
ラジカル発生剤(C)としては、熱ラジカル発生剤及び光ラジカル発生剤の少なくとも1種を用いることができる。これらの中で、接着力の向上の観点及び透明ではない(光を通さない)ゴムを接着できるという観点から、熱ラジカル発生剤が好ましく、過酸化物からなる熱ラジカル発生剤がより好ましく、有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤が更に好ましい。
ラジカル発生剤(C)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサノン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ(t−ブチル)パーオキサイド、過酸化ベンゾイル1,1’−ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ベンゾイル、1,1’−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、t−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサノン、ジ−t―ブチルパーオキサイド、及びt−ブチルクミルパーオキサイドの少なくとも1種である。有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
無機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤としては、過酸化水素と鉄(II)塩との組み合わせ、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、等の酸化剤と還元剤の組み合わせからなるレドックス発生剤が挙げられる。無機化酸化物からなる熱ラジカル発生剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
光ラジカル発生剤としては、公知のものを広く用いることができ、特に制限されるものではない。
例えば分子内開裂型の光ラジカル発生剤が挙げられ、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系光ラジカル発生剤;2,2−ジエトキシアセトフェノン、4'−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系光ラジカル発生剤;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4'−ドデシル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系光ラジカル発生剤;ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−エチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン等のアントラキノン系光ラジカル発生剤;アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル発生剤等が挙げられる。
また、その他水素引き抜き型の光ラジカル発生剤としてベンゾフェノン/アミン系光ラジカル発生剤、ミヒラーケトン/ベンゾフェノン系光ラジカル発生剤、チオキサントン/アミン系光ラジカル発生剤等を挙げることができる。また未反応光ラジカル発生剤のマイグレーションを避けるため非抽出型光ラジカル発生剤を用いることができる。例えばアセトフェノン系ラジカル発生剤を高分子化したもの、ベンゾフェノンにアクリル基の二重結合を付加したものがある。
これらの光ラジカル発生剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
<任意成分>
本発明に係る組成物は、更に任意成分が配合されてもよい。任意成分としては、ウレタン化触媒、表面調整剤、溶剤、バインダー、フィラー、顔料分散剤、導電性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、乾燥防止剤、浸透剤、pH調整剤、金属封鎖剤、防菌防かび剤、界面活性剤、可塑剤、ワックス、レベリング剤等が挙げられる。
(ウレタン化触媒(D))
ウレタン化触媒(D)としては、任意のウレタン化触媒を用いることができる。該ウレタン化反応用触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズチオカルボキシレート、オクテン酸スズ、モノブチルスズオキシド等の有機スズ化合物;塩化第一スズ等の無機スズ化合物;オクテン酸鉛等の有機鉛化合物;ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、ベンジルジメチルアミン、2,2’-ジモルホリノエチルエーテル、N−メチルモルフォリン等のアミン類;p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロ硫酸等の有機スルホン酸;硫酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸;ナトリウムアルコラート、水酸化リチウム、アルミニウムアルコラート、水酸化ナトリウム等の塩基類;テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のチタン化合物;ビスマス化合物;四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは上記アミン類であり、より好ましくはトリエチレンジアミン(TEDA)である。これら触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
組成物中、ウレタン化触媒(D)が0.0001〜0.1質量%含まれることが好ましい。
(表面調整剤(E))
表面調整剤(E)としては、任意の表面調整剤を使用することができる。該表面調整剤としては、アクリル系、ビニル系、シリコーン系、フッ素系などが挙げられる。これらの中でも、相溶性と表面張力低下能の観点からシリコーン系が好ましい。
組成物中、表面調整剤(E)が0.001〜10質量%含まれることが好ましい。
(溶剤)
溶剤としては、他の配合成分と反応しないものであれば特に制限はなく、芳香族溶媒や脂肪族溶媒が挙げられる。
芳香族溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。脂肪族溶媒としては、ヘキサン等が挙げられる。
<各成分の配合量>
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)は、0.20以上0.78以下である。当該比(イソシアネート基/チオール基)が0.20未満であると、組成物が十分に強固に硬化せず、接着強度が小さくなる。また、当該比(イソシアネート基/チオール基)が0.78よりも大きいと、チオール基が少ないために、チオール基とゴム部材の炭素−炭素二重結合との間でチオール・エン反応が十分に行われず、組成物をゴム部材に強固に接着させることができなくなり、接着強度が小さくなる。従って、当該比(イソシアネート基/チオール基)は、好ましくは0.30以上であり、好ましくは0.70以下であり、好ましくは0.40〜0.70である。
ここで、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数は、配合されるポリチオール化合物(A)のモル数に、ポリチオール化合物(A)の1分子が有するチオール基数を乗じることにより算出することができる。
また、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数は、JIS K1603−1 B法により測定することができる。
更に、上記モル数の比(イソシアネート基/チオール基)は、上記のようにして得られる、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数を、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数で除することにより求めることができる。
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるラジカル発生剤(C)の合計モル数の比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)は、0.025以上であることが好ましい。これにより、接着性が向上する。この観点から、当該比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)は、好ましくは0.03以上であり、より好ましくは0.035以上であり、更に好ましくは0.04以上である。また、接着性及び/又は密着性の向上の観点から、当該比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.45以下であり、更に好ましくは0.4以下である。
配合されるラジカル発生剤(C)が、光ラジカル発生剤を含むときは、前記ポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、該光ラジカル発生剤の合計モル数の比(光ラジカル発生剤/チオール基)が0.0005以上であることが好ましい。これにより、接着性及び/又は密着性が向上する。この観点から、当該比(光ラジカル発生剤/チオール基)は、より好ましくは0.001以上であり、さらに好ましくは0.005以上である。また、過剰の光ラジカル発生剤はコスト高を招くので、経済性の観点から、好ましくは、0.2以下であり、より好ましくは、0.1以下であり、さらに好ましくは、0.05以下である。
前記ラジカル発生剤(C)が、熱ラジカル発生剤を含むときは、前記ポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、該熱ラジカル発生剤の合計モル数の比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)が0.025以上であることが好ましい。これにより、接着性及び/又は密着性が向上する。この観点から、当該比(熱ラジカル発生剤/チオール基)は、好ましくは0.03以上であり、より好ましくは0.035以上であり、更に好ましくは0.04以上である。また、接着性及び/又は密着性の向上の観点から、当該比(熱ラジカル発生剤/チオール基)は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.45以下であり、更に好ましくは0.4以下である。
前記ラジカル発生剤(C)が光ラジカル発生剤と熱ラジカル発生剤とを含むときは、前記ポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、光ラジカル発生剤及び熱ラジカル発生剤の合計モル数の比{(光ラジカル発生剤及び熱ラジカル発生剤)/チオール基}が0.025以上であることが好ましい。これにより、接着性及び/又は密着性が向上する。この観点から、当該比{(光ラジカル発生剤及び熱ラジカル発生剤)/チオール基}は、好ましくは0.03以上であり、より好ましくは0.035以上であり、更に好ましくは0.04以上である。また、接着性及び/又は密着性の向上の観点から、当該比{(光ラジカル発生剤及び熱ラジカル発生剤)/チオール基}は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.45以下であり、更に好ましくは0.4以下である。
任意成分として、炭素−炭素二重結合を含む化合物を配合してもよい。ただし、この炭素−炭素二重結合を含む化合物の配合量が多くなると、ポリチオール化合物(A)がこの炭素−炭素二重結合を含む化合物と反応してしまう。これにより、ポリチオール化合物(A)とゴム中の炭素−炭素二重結合との間のチオール・エン反応が生じ難くなり、ゴムに対する組成物の接着力が低下するおそれがある。または、これにより、ゴムの炭素-炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合する反応が生じ難くなり、ゴムに対する組成物の接着力が低下するおそれがある。したがって、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合される炭素−炭素二重結合を含む化合物に含まれる炭素−炭素二重結合の合計モル数の比(炭素−炭素二重結合/チオール基)が、0.4未満であることが好ましく、0.1未満であることが好ましく、0.08以下であることがより好ましく、0.05以下であることが更に好ましく、0.01以下であることがより更に好ましい。
ここで、配合される炭素−炭素二重結合を含む化合物に含まれる炭素−炭素二重結合の合計モル数は、配合される当該化合物のモル数に、当該化合物の1分子が有する炭素−炭素二重結合の数を乗じることにより求めることができる。
また、上記モル数の比(炭素−炭素二重結合/チオール基)は、上記のようにして得られる、炭素−炭素二重結合の合計モル数を、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数で除することにより求めることができる。
上記のとおり、本発明に係る組成物は、必須成分である成分(A)〜(C)の他に、任意成分を含有してもよい。しかし、ゴム特に加硫ゴムを強力に接着するという観点から、組成物中における成分(A)〜(C)の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上である。
同様の観点から、成分(A)〜(E)の合計含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
[接着シート]
本発明における、シート状の接着剤は、前述した組成物を用いてなるものである。
この接着シートは、剥離紙や剥離フィルム等の剥離シート上に組成物を塗布し、シート形状を保持することにより、好適に製造することができる。この保持により、組成物中のチオール基とイソシアネート基の少なくとも一部がチオールウレタン反応することにより、シート形状になるものと考えられる。なお、塗布後、常温で放置することにより、接着シートを好適に製造することができる。また、塗布後、ラジカル発生剤によるラジカル反応が開始しない程度に加熱することにより、接着シートを製造してもよい。
保持時間は、ウレタン化触媒の量により調整することができる。シート化形成の作業性及び接着作業時にシート形状を維持し得る程度に保形させる観点から、好ましくは1分以上であり、より好ましくは3分以上である。また、保持温度は、通常室温でシート化可能であるが、材料中のラジカル発生剤が開裂しない程度に加温することも可能である。以上の観点から好ましくは0〜60℃であり、より好ましくは15〜40℃である。
剥離シートの材料としては特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルスルフォン等のケトン系樹脂、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン等のスルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を好適に用いることができる。
接着シートの厚さは、接着する対象や要求される接着強度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、20〜1000μmであり、好ましくは30〜300μmであり、より好ましくは30〜200μmである。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
《タイヤの性能評価》
(1)接着力の測定方法
[接着剤の硬化体についての接着力の測定方法]
接着剤を、厚さが30μmになるように2枚のゴム部材に塗布し、塗布面を貼り合せて硬化させた。硬化は、温度150℃にて、0.05MPaのプレス圧を加えながら30分保持することにより行った。該ゴム部材を、引張速度50mm/分の条件で、180度の方向に引っ張り、剥離強度(N/25mm)を測定して接着性の指標とした。
[接着シートの硬化体についての接着力の測定方法]
厚さ30μmの接着シートを、ゴム部材同士で挟み、硬化させた。硬化は、温度150℃にて、2.5MPaのプレス圧を加えながら30分保持することにより行った。該ゴム部材を、引張速度50mm/分の条件で、180度の方向に引っ張り、剥離強度(N/25mm)を測定して接着性の指標とした。
接着力の値としては100N/25mm以上の力であればゴム基材が破壊されるレベルの十分な接着力を有する。好ましくは300N/25mm以上である。一方100N/25mm未満の力では基材と接着剤の反応が十分でなく界面で剥離している状態あるいは接着力の凝集力が十分でなく、接着剤自身が凝集破壊してしまう。そのような状態ではいずれも接着力は十分とは言えない。
(2)転がり抵抗の評価
本試験では、全てのラジアルタイヤのサイズを「215/45R17」とした。また、本試験では、全てのラジアルタイヤにおいて、1枚のカーカスプライ、2枚の交錯ベルト(タイヤ幅方向に対して66°の傾斜角を有している)及び、ナイロンの周方向補強層を備えた。
また、本試験では、直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機を用いて、速度80km/h、荷重4.276kN、内圧210kPaとした状態で、全てのラジアルタイヤについての転がり抵抗性能を算出した。ここで、本試験で用いたリムの幅は、7J(JATMA規定の標準サイズ)とした。
転がり抵抗性能の評価結果については指数で表示し、かかる転がり抵抗指数が小さいほど、転がり抵抗性能が優れている。
[製造例1]
下記の表1の配合に従い、リムガードとその他部位を張り合わせて成型した未加硫タイヤを加硫成型して成るタイヤAを製造した。
[製造例2]
下記の表1の配合に従い、別々に加硫されたリムガードとリムガード以外の構成を有するゴム部材とを、下記表2に記載の接着剤を用いて接合してタイヤB〜Pを製造した。
[製造例3]
下記の表1の配合に従い、別々に加硫されたリムガードとリムガード以外の構成を有するゴム部材とを、表1の配合のゴム層で厚さ1.0mmを介して接合した後、更に加硫缶にて加硫して、タイヤQを製造した。
Figure 2015107635
なお、表1中の各成分の詳細は、次のとおりである。
天然ゴム(NR):RSS#3
ポリブタジエンゴム(BR):JSR社製、商品名「JSR BRO1」
カーボンブラック:旭カーボン株式会社製、商品名「旭#70」
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
加硫促進剤1:1,3−ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーD(D−P)」
加硫促進剤2:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDM−P(DM)」
Figure 2015107635
なお、表2中の各成分及び評価の詳細は、次のとおりである。
<ポリチオール化合物(A)(成分(A))>
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP):SC有機化学株式会社製
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP):SC有機化学株式会社製
トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート(TEMPIC):SC有機化学株式会社製、商品名「TEMPIC」
<イソシアネート基含有化合物(B)(成分(B))>
HDIビューレット変性型イソシアネート:住友バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールN3200」
HDIイソシアヌレート変性型イソシアネート:日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHXLV」
IPDIイソシアヌレート変性型イソシアネート:住化バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールZ4470BA」
IPDIアロファネート変性型イソシアネート:住化バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールXP2565」
TDI TMPアダクト変性型イソシアネート:住化バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールL75(C)」
TDIイソシアヌレート変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「D-204」
XDI TMPアダクト変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「D-110N」
6XDI TMPアダクト変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「D-120N」
6XDI イソシアヌレート変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「D-127N」
IPDI:エボニックデグサジャパン(株)製、商品名「VESTANAT IPDI」、官能基当量111
<ラジカル発生剤(C)(成分(C))>
t−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート:日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルO」
ジラウロイルパーオキサイド:日本油脂株式会社製、商品名「パーロイルL」
1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノアート:日本油脂株式会社製、商品名「パーオクタO」
1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサノン:日本油脂株式会社製、商品名「パーヘキサHC」
ジ−t―ブチルパーオキサイド:日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルD」
t−ブチルクミルパーオキサイド:日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルC」
<ウレタン化触媒(D)(成分(D))>
トリエチレンジアミン(TEDA): Air Products社製、商品名「DABCO 33LV catalyst」
<表面調整剤(E)(成分(E))>
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物:ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「BYK−307」、含有量100%
[チオール基数の測定]
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数は、配合量を理論分子量で除し、ポリチオール化合物(A)の1分子が有するチオール基数を乗じることにより算出することにより求めた。
[イソシアネート基数の測定]
配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数は、JIS K1603−1 B法により測定した。
得られたタイヤA〜Qについて、接着力の測定結果、及び転がり抵抗指数を表3に示す。
Figure 2015107635
[製造例4]
上記の表1の配合に従い、トレッドを一体型でモールドし加硫成型して成るタイヤaを製造した。
[製造例5]
上記の表1の配合に従い、別々に加硫されたトレッド用ゴム片と、トレッド以外の構成を有するゴム部材とを、上記表2に記載の接着剤を用いて接合してタイヤb〜pを製造した。
[製造例6]
上記の表1の配合に従い、別々に加硫されたトレッド用ゴム片と、トレッド以外の構成を有するゴム部材とを、表1の配合のゴム層で厚さ1.0mmを介して接合した後、更に加硫缶にて加硫して、タイヤqを製造した。
得られたタイヤa〜qについて、接着力の測定結果、及び転がり抵抗指数を表4に示す。
Figure 2015107635
[製造例7]
上記の表1の配合に従い、図5に示すようにリムフランジとタイヤとの接点を少なくとも覆い、一端はサイドウォール部20の少なくともリムフランジまで延在し、他端はビードの側面の一部にかかるように延在しているゴムチェーファーと、その他部位を張り合わせて成型した未加硫タイヤを加硫成型して成るタイヤIを製造した。
[製造例8]
上記の表1の配合に従い、別々に加硫されたゴムチェーファーとゴムチェーファー以外の構成を有するゴム部材とを、下記表5に記載の接着剤を用いて接合してタイヤII〜XVを製造した。なお、ゴムチェーファーは、図5に示すように、リムフランジとタイヤとの接点を少なくとも覆い、一端はサイドウォール部20の少なくともリムフランジまで延在し、他端はビードの側面の一部にかかるように延在している。
[製造例9]
上記の表1の配合に従い、別々に加硫されたゴムチェーファーとゴムチェーファー以外の構成を有するゴム部材とを、表1の配合のゴム層で厚さ1.0mmを介して接合した後、更に加硫缶にて加硫して、タイヤXVIを製造した。ゴムチェーファーの配置は図5に示すとおりである。
[製造例10]
上記の表1の配合に従い、別々に加硫されたゴムチェーファーとゴムチェーファー以外の構成を有するゴム部材とを、ニトリルゴム系接着剤を用いて接合してタイヤXVIIを製造した。ここで、ニトリルゴム系接着剤は、商品名「TB 1521」(スリーボンド社製)を用いた。ゴムチェーファーの配置は図5に示すとおりである。
Figure 2015107635
[製造例11]
上記の表1の配合に従い、ナイロンチェーファーとその他部位を張り合わせて成型した未加硫タイヤを加硫成型して成るタイヤiを製造した。ここで、ナイロンチェーファーは、
経糸と緯糸とを用いて平織りしたタイヤ用織物の両側面が、表1の配合処方のみ加硫のトッピングゴムによって覆われている。また、上記タイヤ用織物の経糸と緯糸は、主にナイロン66からなり、経糸は10本のフィラメントからなり、緯糸は20本のフィラメントを撚り合わすことにより形成され、各フィラメントは600dtexである。
なお、ナイロンチェーファーは、図6に示すように、リムフランジとタイヤとの接点を少なくとも覆い、一端はビードの底面全体を覆うように延在し、他端は少なくともビードの側面を覆うように延在している。
[製造例12]
上記の表1の配合に従い、製造例11と同様に製造されたものを加硫して成るナイロンチェーファーと、加硫されたナイロンチェーファー以外の構成を有するゴム部材とを、下記表6に記載の接着剤を用いて接合してタイヤii〜xvを製造した。なお、ナイロンチェーファーの配置は図6に示すとおりである。
[製造例13]
上記の表1の配合に従い、製造例11と同様に製造されたものを加硫して成るナイロンチェーファーと加硫されたナイロンチェーファー以外の構成を有するゴム部材とを、表1の配合のゴム層で厚さ1.0mmを介して接合した後、更に加硫缶にて加硫して、タイヤxviを製造した。なお、ナイロンチェーファーの配置は図6に示すとおりである。
[製造例14]
上記の表1の配合に従い、製造例11と同様に製造されたものを加硫して成るナイロンチェーファーと加硫されたナイロンチェーファー以外の構成を有するゴム部材とを、上述したニトリルゴム系接着剤を用いて接合してタイヤxviiを製造した。なお、ナイロンチェーファーの配置は図6に示すとおりである。
Figure 2015107635
本発明の空気入りタイヤ及びその製造方法は、後接合可能な部材を予め分割して、タイヤの各部位に応じた加硫がなされる空気入りタイヤを提供する場合に利用することができる。
10,40,70,80 空気入りタイヤ、12 リムガード、13 第2のビードフィラー、14 リムガード以外のタイヤ部材、16 ビード、18 カーカス、20 サイドウォール部、22、ビードフィラー、30,32,34 接着剤、50 トレッド、52 ゴム片、54 溝、72 ゴムチェーファー、74 ゴムチェーファー以外のタイヤ部材、82 ナイロンチェーファー、84 ナイロンチェーファー以外のタイヤ部材。

Claims (11)

  1. 加硫後の部材を、互いに接着剤を用いて接合して成る空気入りタイヤであって、
    前記接着剤が、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなり、
    配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下である、空気入りタイヤ。
  2. 加硫後の部材が、リムガードと、リムガード以外のタイヤ部材であって、これらの部材を前記接着剤を用いて接合してなる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 加硫後の部材が、トレッドを形成する複数のゴム片、及び、トレッド以外のタイヤ部材であり、
    該複数のゴム片同士を前記接着剤を用いて接合して成るトレッドと、トレッド以外のタイヤ部材とを、前記接着剤を用いてさらに接合して成る、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 加硫後の部材が、ゴムチェーファーと、ゴムチェーファー以外のタイヤ部材であって、これらの部材を前記接着剤を用いて接合してなる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 加硫後の部材が、ナイロンチェーファーと、ナイロンチェーファー以外のタイヤ部材であって、これらの部材を前記接着剤を用いてさらに接合してなる、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤの各部材を別々に加硫する工程と、
    加硫後の各部材を、接着剤を用いて接合する工程と、
    を有し、
    前記接着剤が、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなり、
    配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下である、空気入りタイヤの製造方法。
  7. 各部材を別々に加硫する工程が、リムガード用の未加硫ゴム部材と、リムガード以外の未加硫タイヤ部材とを別々に加硫する工程であり、
    接合する工程が、加硫により得られたリムガードと、加硫後のリムガード以外のタイヤ部材とを、接着剤を用いて接合する工程である、請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 各部材を別々に加硫する工程が、トレッドを形成するための複数の未加硫ゴム片を加硫する工程と、トレッド以外の未加硫タイヤ部材を加硫する工程とからなり、
    接合する工程が、トレッドを形成するための加硫された複数のゴム片同士を接着剤を用いて接合し、トレッドを得る工程と、得られたトレッドと加硫後のトレッド以外のタイヤ部材とを前記接着剤を用いて接合する工程とからなる、請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 各部材を別々に加硫する工程が、ゴムチェーファー用の未加硫ゴム部材と、ゴムチェーファー以外の未加硫タイヤ部材とを別々に加硫する工程であり、
    接合する工程が、加硫により得られたゴムチェーファーと、加硫後のゴムチェーファー以外のタイヤ部材とを、接着剤を用いて接合する工程である、請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 各部材を別々に加硫する工程が、ナイロンチェーファー用の未加硫ゴム部材と、ナイロンチェーファー以外の未加硫タイヤ部材とを別々に加硫する工程であり、
    接合する工程が、加硫により得られたナイロンチェーファーと、加硫後のナイロンチェーファー以外のタイヤ部材とを、接着剤を用いて接合する工程である、請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  11. 前記接着剤は、被塗物に直接塗布する接着剤、又は、20μm以上かつ1000μm以下のシート状の接着剤である、請求項6〜10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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