JP6258696B2 - 組成物、接着剤、接着シート及び積層体 - Google Patents
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Description
本発明は、組成物に関し、また、ゴム部材特に加硫ゴム部材を強力に接着することが可能な接着剤及び接着シート、並びに、これら接着剤組成物及び接着シートの少なくとも1種を用いてゴム層を接着してなる積層体に関する。
〔1〕ポリチオール化合物(A)、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらの変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート基含有化合物(B)、並びにラジカル発生剤(C)を配合してなり、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下である、組成物。
〔2〕ラジカル発生剤(C)が過酸化物からなる熱ラジカル発生剤である、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるラジカル発生剤(C)の合計モル数の比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)が0.025以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕ウレタン化触媒(D)を配合してなる、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物を含む接着剤。
〔6〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物を用いてなる接着シート。
〔7〕少なくとも2層が接着されてなる積層体であって、少なくとも1つの層がゴム層からなり、前記ゴム層のうちの少なくとも1層が、〔5〕に記載の接着剤又は〔6〕に記載の接着シートを介して、隣接する層に接着されてなる積層体。
本発明の組成物は、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、及びラジカル発生剤(C)を配合してなり、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下である、組成物である。
ポリチオール化合物(A)の一部とイソシアネート基含有化合物(B)とがウレタン化反応を起こすことにより、組成物が強固に硬化すると考えられる。また、ポリチオール化合物(A)の他の一部が、ラジカル発生剤(C)と反応してチイルラジカルが生じ、このチイルラジカルが、ゴム中に存在する炭素−炭素二重結合と反応すると考えられる。このようなチオール・エン反応により、組成物がゴムに化学的に結合することにより、組成物がゴムに強力に接着すると考えられる。特に、未加硫ゴムのみならず加硫ゴムにも炭素−炭素二重結合が存在するため、本発明の組成物によると、ゴム特に加硫ゴムを強力に接着することができると考えられる。
また、ゴム中に存在する炭素-炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合すると考えられる。したがって、必ずしもゴム中に炭素-炭素二重結合が存在しなくても良い。
なお、本明細書において、ポリチオール化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、ラジカル発生剤(C)、ウレタン化触媒(D)及び表面調整剤(E)を、それぞれ、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)ということがある。
本発明において、ポリチオール化合物(A)とは、1分子中にチオール基を2つ以上有する化合物のことをいう。
ポリチオール化合物(A)には特に制限はないが、接着性を向上させる観点から、1分子中にチオール基を2〜6個有するものが好ましい。
また、ポリチオール化合物(A)には、1級、2級及び3級のものが含まれるが、接着性を向上させる観点から、1級がより好ましい。
ポリチオール化合物(A)の分子量は、接着性を向上させる観点から、好ましくは3000以下であり、より好ましくは2000以下であり、更に好ましくは1000以下であり、より更に好ましくは900以下であり、より更に好ましくは800以下である。なお、ポリチオール化合物(A)がポリマーの場合、分子量とは、スチレン換算の数平均分子量のことをいう。
ここで、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族ポリチオールとは、1分子中にチオール基を2つ以上有する、ヘテロ原子を含んでもよい脂肪族化合物のことをいう。また、ヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族ポリチオールとは、1分子中にチオール基を2つ以上有する、ヘテロ原子を含んでもよい芳香族化合物のことをいう。
ヘテロ原子は、接着力の向上の観点から、好ましくは酸素、窒素、硫黄、リン、ハロゲン原子、ケイ素から選択される少なくとも1種であり、より好ましくは酸素、窒素、硫黄、リン及びハロゲン原子から選択される少なくとも1種であり、更に好ましくは酸素、窒素及び硫黄から選択される少なくとも1種である。
なお、上記の分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類としては、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
チオール基以外の部分が脂肪族炭化水素であるポリチオールの例としては炭素数2〜20のアルカンジチオールがある。
前記炭素数2〜20のアルカンジチオールとしては、1,2-エタンジチオール、1,1-プロパンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、2,2-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,5-ペンタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール等が挙げられる。
チオグリコール酸エステル化物としては、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、1,6-ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等が挙げられる。
メルカプト脂肪酸エステル化物としては、接着性の向上の観点から、1級チオール基を有するメルカプト脂肪酸エステル化物が好ましく、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコールの、β−メルカプトプロピオン酸エステル化物がより好ましい。また、1級チオール基を有するメルカプト脂肪酸エステル化物は、接着性の向上の観点から、1分子中におけるチオール基の数が4〜6個であることが好ましく、4個又は6個であることが好ましく、4個であることがより好ましい。
イソシアヌレート化合物とチオールとを反応させてなるチオールイソシアヌレート化合物としては、接着力の向上の観点から、1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物が好ましい。また、1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、接着性の向上の観点から、1分子中におけるチオール基の数が2〜4個であることが好ましく、3個であることがより好ましい。
上記の1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)が好ましい。
チオール基で変性されたシリコーンとしては、商品名KF-2001、KF-2004、X-22-167B(信越化学工業)、SMS042、SMS022(Gelest社)、PS849、PS850(UCT社)等が挙げられる。
芳香族ポリチオールとしては、1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等が挙げられる。
イソシアネート基含有化合物(B)としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート、これらの変性体等が挙げられる。
すなわち、TMPアダクト型変性体としては、TMPとTDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとXDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPと水添XDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとIPDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、TMPとHDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体、及びTMPとMDIとの反応により得られるTMPアダクト型変性体が好ましい。
また、イソシアヌレート型変性体としては、HDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、IPDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、TDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、及び水添XDIの3量化により得られるイソシアヌレート型変性体、が好ましい。
また、ビューレット型変性体としては、ウレアとHDIとの反応により得られるビューレット型変性体、が好ましい。
また、アロファネート型変性体としては、ウレタンとIPDIとの反応により得られるアロファネート型変性体が好ましい。
ここで、1級チオール基を有するβ−メルカプトプロピオン酸エステル化物としては、好ましくはペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)及びジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)DPMPの少なくとも1種である。また、この1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物としては、好ましくは1分子中におけるチオール基の数が3個である1級チオール基を有するチオールイソシアヌレート化合物であり、より好ましくはトリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)である。
ラジカル発生剤(C)としては、熱ラジカル発生剤及び光ラジカル発生剤の少なくとも1種を用いることができる。これらの中で、接着力の向上の観点及び透明ではない(光を通さない)ゴムを接着できるという観点から、熱ラジカル発生剤が好ましく、過酸化物からなる熱ラジカル発生剤がより好ましく、有機過酸化物からなる熱ラジカル発生剤が更に好ましい。
ラジカル発生剤(C)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
例えば分子内開裂型の光ラジカル発生剤が挙げられ、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系光ラジカル発生剤;2,2−ジエトキシアセトフェノン、4'−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系光ラジカル発生剤;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4'−ドデシル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系光ラジカル発生剤;ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−エチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン等のアントラキノン系光ラジカル発生剤;アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル発生剤等が挙げられる。
これらの光ラジカル発生剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の組成物は、更に任意成分が配合されてもよい。任意成分としては、ウレタン化触媒、表面調整剤、溶剤、バインダー、フィラー、顔料分散剤、導電性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、乾燥防止剤、浸透剤、pH調整剤、金属封鎖剤、防菌防かび剤、界面活性剤、可塑剤、ワックス、レベリング剤等が挙げられる。
ウレタン化触媒(D)としては、任意のウレタン化触媒を用いることができる。該ウレタン化反応用触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズチオカルボキシレート、オクテン酸スズ、モノブチルスズオキシド等の有機スズ化合物;塩化第一スズ等の無機スズ化合物;オクテン酸鉛等の有機鉛化合物;ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、ベンジルジメチルアミン、2,2’-ジモルホリノエチルエーテル、N-メチルモルフォリン等のアミン類;p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロ硫酸等の有機スルホン酸;硫酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸;ナトリウムアルコラート、水酸化リチウム、アルミニウムアルコラート、水酸化ナトリウム等の塩基類;テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のチタン化合物;ビスマス化合物;四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは上記アミン類であり、より好ましくはトリエチレンジアミン(TEDA)である。これら触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
表面調整剤(E)としては、任意の表面調整剤を使用することができる。該表面調整剤としては、アクリル系、ビニル系、シリコーン系、フッ素系などが挙げられる。これらの中でも、相溶性と表面張力低下能の観点からシリコーン系が好ましい。
溶剤としては、他の配合成分と反応しないものであれば特に制限はなく、芳香族溶媒や脂肪族溶媒が挙げられる。
芳香族溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。脂肪族溶媒としては、ヘキサン等が挙げられる。
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)は、0.20以上0.78以下である。当該比(イソシアネート基/チオール基)が0.20未満であると、組成物が十分に強固に硬化せず、接着強度が小さくなる。また、当該比(イソシアネート基/チオール基)が0.78よりも大きいと、チオール基が少ないために、チオール基とゴム部材の炭素−炭素二重結合との間でチオール・エン反応が十分に行われず、組成物をゴム部材に強固に接着させることができなくなり、接着強度が小さくなる。従って、当該比(イソシアネート基/チオール基)は、好ましくは0.3以上であり、好ましくは0.7以下であり、好ましくは0.4〜0.7である。
ここで、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数は、配合されるポリチオール化合物(A)のモル数に、ポリチオール化合物(A)の1分子が有するチオール基数を乗じることにより算出することができる。
また、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数は、JIS K1603−1 B法により測定することができる。
更に、上記モル数の比(イソシアネート基/チオール基)は、上記のようにして得られる、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数を、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数で除することにより求めることができる。
ここで、配合される炭素−炭素二重結合を含む化合物に含まれる炭素−炭素二重結合の合計モル数は、配合される当該化合物のモル数に、当該化合物の1分子が有する炭素−炭素二重結合の数を乗じることにより求めることができる。
また、上記モル数の比(炭素−炭素二重結合/チオール基)は、上記のようにして得られる、炭素−炭素二重結合の合計モル数を、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数で除することにより求めることができる。
同様の観点から、成分(A)〜(E)の合計含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
本発明の接着剤は、上記の組成物を含む。この接着剤は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、上記の組成物以外の成分を含んでもよい。しかし、本発明の効果を良好に発現させる観点から、接着剤中における組成物の含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
本発明の接着シートは、前述した組成物を用いてなるものである。
この接着シートは、剥離紙や剥離フィルム等の剥離シート上に組成物を塗布し、シート形状を保持することにより、好適に製造することができる。この保持により、組成物中のチオール基とイソシアネート基の少なくとも一部がチオールウレタン反応することにより、シート形状になるものと考えられる。なお、塗布後、常温で放置することにより、接着シートを好適に製造することができる。また、塗布後、ラジカル発生剤によるラジカル反応が開始しない程度に加熱することにより、接着シートを製造してもよい。塗布後の放置又は加熱温度は、好ましくは−30〜60℃であり、より好ましくは−20〜40℃、更に好ましくは0〜40℃である。
塗布後、放置又は加熱する前の状態における、剥離シート及びその上の組成物の合計厚さは、接着する対象や要求される接着強度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜1000μmであり、好ましくは10〜300μmであり、より好ましくは30〜200μmである。
保持時間は、ウレタン化触媒の量により調整することができる。シート化形成の作業性及び接着作業時にシート形状を維持し得る程度に保形させる観点から、好ましくは1分以上であり、より好ましくは3分以上であり、更に好ましくは30分以上であり、より更に好ましくは60分以上である。また、保持温度は、通常室温でシート化可能であるが、材料中のラジカル発生剤が開裂しない程度に加温することも可能である。以上の観点から好ましくは0〜60℃であり、より好ましくは15〜40℃である。
接着シートの厚さは、接着する対象や要求される接着強度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜1000μmであり、好ましくは10〜300μmであり、より好ましくは30〜200μmである。なお、当該接着シートを用いるときには、当該接着シートを剥離シートから剥離してから又は剥離しながら用いることができる。
本発明の積層体は、複数の層が接着されてなる積層体であって、少なくとも1つの層がゴム層からなり、前記ゴム層が、前述の接着剤又は接着シートを介して隣接する層に接着されてなるものである。
複数の層は、すべてゴム層でもよく、ゴム層以外の層が含まれていてもよい。
各層の寸法や層数は、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の積層体においては、前記接着剤又は前記接着シートと接するゴム層が有するゴム中の炭素原子が、該接着剤又は該接着シートが含有するポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−硫黄結合を形成することによって、強力な接着力を発現しているものと考えられる。
この炭素−硫黄結合は、ポリチオール化合物(A)の他の一部が、ラジカル発生剤(C)と反応してチイルラジカルが生じ、このチイルラジカルが、ゴム中に存在する炭素−炭素二重結合と反応して形成されたものであるか、または、ゴム中に存在する炭素−炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合して形成されたものと考えられる。
ゴム層は、加硫ゴムであっても未加硫ゴムであってもよい。
また、ゴム層を構成するゴムが、炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。この場合、前記接着剤又は前記接着シートに接するゴム層が有する炭素−炭素二重結合の炭素原子が、前記接着剤又は前記接着シートが有するポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−硫黄結合を形成すると推測される。
ただし、ゴム層を構成するゴムが、炭素−炭素二重結合を有しなくても、積層体を得ることができると推測される。この場合、ポリチオール化合物(A)による、ゴム中に存在する炭素-炭素結合主鎖からの水素引き抜き反応により、ポリチオール化合物(A)のチオール基の硫黄原子と炭素−炭素結合の炭素原子とが化学的に結合すると推測される。しかし、接着力の向上の観点からは、ゴム層を構成するゴムが、炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。
ゴム層以外の層としては、金属層や樹脂層が挙げられる。本発明の接着剤及び着シートによると、これら金属層及び樹脂層をも強力に接着することができる。
次に、接着剤を用いて積層体を製造する方法について説明する。
本発明の積層体は、隣接する層同士を、本発明の接着剤を介して接着することにより、好適に得ることができる。
例えば、先ず、ゴム層に、又はゴム層と対向するゴム層以外の層に、接着剤を塗布する。次いで、必要に応じて所定時間放置した後、この接着剤の塗布面に対して、他の層、すなわち、前記ゴム層と対向するゴム層以外の層又は前記ゴム層を接面させ、重ね合せ体を得る。この際、前記ゴム層と対向するゴム層以外の層又は前記ゴム層の方にも接着剤が塗布されていても良い。すなわち、対向する2面のうち片面に接着剤が塗布されても良く、両面に接着剤が塗布されていても良い。次いで、必要に応じて、この重ね合せ体にその厚み方向のプレス圧を加えながら、硬化させることにより、積層体を好適に製造することができる。
重ね合せ体にプレス圧を加える場合、接着力を向上させると共に積層体から接着剤が漏出することを防止又は抑制する観点から、プレス圧は、好ましくは0〜5MPaであり、より好ましくは0〜2.5MPaであり、更に好ましくは0〜1MPaである。また、同様の観点から、プレス時間は、好ましくは5〜120分であり、より好ましくは10〜60分であり、更に好ましくは15〜45分である。
接着剤がラジカル発生剤として光ラジカル発生剤を含んでいる場合、硬化は光照射により行うことが好ましい。接着力の向上及びコスト低減の観点から、光源としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線などの電磁波、及び、α線、γ線、電子線などの粒子線から選択される少なくとも1種を好適に用いることができ、紫外線ランプをより好適に用いることができる。また、同様の観点から、光照射時間は、好ましくは数秒〜数十秒であり、より好ましくは1秒〜40秒、更に好ましくは3秒〜20秒である。
なお、加熱によって硬化させた場合にも強力な接着力が得られることは、接着剤へ十分な光照射をし難い場合に、加熱する方法を採用できる点で有益である。
次に、接着シートを用いて積層体を製造する方法について説明する。
本発明の積層体は、隣接する層同士を、本発明の接着シートを介して接着することにより、好適に得ることができる。
例えば、先ず、隣接する層同士の間に、接着シートを1枚又は2枚以上介在させ、重ね合せ体を得る。例えば、ゴム層のうちの少なくとも1層と、当該ゴム層と対向する層(ゴム層又はゴム層以外の層)との間に、接着シートを介在させ、重ね合せ体を得る。次いで、必要に応じて、この重ね合せ体にその厚み方向のプレス圧を加えながら、硬化させることにより、積層体を好適に製造することができる。
重ね合せ体にプレス圧を加える場合、接着力を向上させる観点から、プレス圧は、好ましくは0.1〜5.0MPaであり、より好ましくは0.2〜4.0MPaであり、更に好ましくは0.3〜3.0MPaであり、より更に好ましくは0.4〜3.0MPaであり、より更に好ましくは0.5〜3.0MPaである。
なお、それ以外のプレス条件(プレス時間)や、硬化条件(加熱温度、加熱時間、光源、及び光照射時間)は、前述した接着剤を用いる場合と同様である。
本発明の組成物、接着剤、接着シート及び積層体の好適な適用例を以下に示すが、本発明は当該適用例に限定されるものではない。
本発明の組成物、接着剤、接着シート及び積層体は、タイヤへの印刷に関する技術に適用することができ、具体的には、タイヤ表面の加飾及び保護材料に適用することができる。これにより、タイヤ表面と加飾及び保護材料との密着性及び接着性を向上させることができる。
また、本発明の組成物及び接着剤は、タイヤ例えば航空機用タイヤのリトレッド(トレッドの再生)を行う際に、トレッドと台タイヤとの接着剤として用いることができる。これにより、従来接着剤として用いられていたクッションゴムからの台タイヤへの硫黄移行、及びトレッドから台タイヤへの硫黄移行を抑制することができる。
更に、リトレッドタイヤを生産する際に、本発明の組成物、接着剤、接着シート及び積層体を適用することができる。これにより、トレッドと台タイヤとの接着性を向上させることができる。
また、本発明の組成物および接着剤は、ポンプ機構を備えたプラグをタイヤの側面に備えてなる空気入りタイヤに適用することもできる。
このプラグは、タイヤ側面に設けられた穴内に装着される。このプラグは、穴のタイヤ内側開口部を覆う第1のプラグと、穴のタイヤ外側開口部を覆う第2のプラグと、これら第1及び第2のプラグの内部に形成される空洞と、当該空洞とタイヤ内部の空間とを連通する逆止弁付きの第1流路と、当該空洞とタイヤ外部の空間とを連通する逆止弁付きの第2流路と、空洞内に設けられた弾性体と、を有する。当該空気入りタイヤが通常の走行状態のときには、プラグにタイヤ径方向の圧縮力が作用し、また、高荷重が負荷された走行状態のときには、プラグにタイヤ径方向の引張力が作用する。プラグが圧縮力を受けると弾性体が圧縮し、空洞内の空気が圧縮されてタイヤ内へ当該空気が供給される。プラグが引張力を受けると弾性体が拡張し、タイヤ外部から空洞内に空気が流入する。例えば、本発明の組成物は、第1のプラグ及び第2のプラグの材料として用いてもよい。また、本発明の接着剤は、第1のプラグ及び第2のプラグをタイヤ側面の穴内に接着する際に用いてもよい。
また、本発明の組成物及び接着剤は、タイヤのサイドゴム補強層を接着するときに、未加硫のサイドゴムとスチールコード補強層との加硫接着に用いることができる。これにより、接着強度のバラつきの低減及び材料ロスの低減を達成することができる。
また、本発明の組成物、接着剤、接着シート及び積層体は、オフザロードタイヤ(鉱山車両用タイヤ又は建設車両用タイヤ)のパンク箇所の修理に用いることができる。例えば、オフザロードタイヤタイヤを加硫ゴムで補修する際に、当該パンク箇所と加硫ゴムとを、本発明の組成物又は接着剤で接着し、補修することができる。
原料等としては、次のものを用いた。
<ポリチオール化合物(A)(成分(A))>
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP):SC有機化学株式会社製、チオール基4個
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3―メルカプトプロピオネート)(DPMP):SC有機化学株式会社製、チオール基6個
トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート(TEMPIC):SC有機化学株式会社製、商品名「TEMPIC」、チオール基3個
HDIビューレット変性型イソシアネート:住友バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールN3200」、NCO含有率23.0%
HDIイソシアヌレート変性型イソシアネート:日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHXLV」、NCO含有率23.2%
IPDIイソシアヌレート変性型イソシアネート:住化バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールZ4470BA」、NCO含有率11.9%
IPDIアロファネート変性型イソシアネート:住化バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールXP2565」、NCO含有率12.0%
TDI TMPアダクト変性型イソシアネート:住化バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールL75(C)」、NCO含有率13.3%
TDIイソシアヌレート変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「D-204」、NCO含有率7.5%
XDI TMPアダクト変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「D-110N」、NCO含有率11.5%
H6XDI TMPアダクト変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「D-120N」、NCO含有率11.0%
H6XDI イソシアヌレート変性型イソシアネート:三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「D-127N」、NCO含有率13.5%
IPDI:エボニックデグサジャパン(株)製、商品名「VESTANAT IPDI」、官能基当量111、NCO含有率37.6%
t−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート:日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルO」
ジラウロイルパーオキサイド:日本油脂株式会社製、商品名「パーロイルL」
1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノアート:日本油脂株式会社製、商品名「パーオクタO」
1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサノン:日本油脂株式会社製、商品名「パーヘキサHC」
ジ−t―ブチルパーオキサイド:日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルD」
t−ブチルクミルパーオキサイド:日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルC」
トリエチレンジアミン(TEDA): Air Products社製、商品名「DABCO 33LV catalyst」
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物:ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「BYK−307」、含有量100%
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数は、配合量を理論分子量で除し、ポリチオール化合物(A)の1分子が有するチオール基数を乗じることにより算出することにより求めた。
配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数は、JIS K1603−1 B法により測定した。
下記の表1の配合に従い、ゴム部材(縦100mm×横25mm×厚さ10mm)を製造した。
下記の表1のとおりに配合を行い、当該配合物を150mm×270mm×3.4mmtに圧延してシートを得た。当該シートを3枚重ね、150mm×270mm×10mmtのモールド中で150℃、45分の条件で加硫を行った。得られた加硫物を縦100mm、幅25mmにカットして引張試験用サンプルとした。
天然ゴム(NR):RSS#3
ポリブタジエンゴム(BR):JSR社製、商品名「JSR BRO1」
スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR):JSR社製、商品名「JSR 1500」
ポリイソプレン合成ゴム(IR):JSR社製、商品名「JSR IR2200」
カーボンブラック:旭カーボン株式会社製、商品名「旭#70」
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
加硫促進剤1:1,3−ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーD(D−P)」
加硫促進剤2:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDM−P(DM)」
鋼板は株式会社テストピース社製SPCC−SDを利用した。
接着剤を、厚さが30μmになるように2枚のゴム部材に塗布し、塗布面を貼り合せて硬化させた。硬化は、温度150℃にて、0.05MPaのプレス圧を加えながら30分保持することにより行った。該ゴム部材を、引張速度50mm/分の条件で、180度の方向に引っ張り、剥離強度(N/25mm)を測定して接着性の指標とした。
[接着シートの硬化体についての接着力の測定方法]
厚さ30μmの接着シートを、ゴム部材同士で挟み、硬化させた。硬化は、温度150℃にて、2.5MPaのプレス圧を加えながら30分保持することにより行った。該ゴム部材を、引張速度50mm/分の条件で、180度の方向に引っ張り、剥離強度(N/25mm)を測定して接着性の指標とした。
接着力の値としては100N/25mm以上の力であればゴム基材が破壊されるレベルの十分な接着力を有する。好ましくは300N/25mm以上である。一方100N/25mm未満の力では基材と接着剤の反応が十分でなく界面で剥離している状態あるいは接着力の凝集力が十分でなく、接着剤自身が凝集破壊してしまう。そのような状態ではいずれも接着力は十分とは言えない。
実施例1〜7及び比較例1〜7(接着剤)では、配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)を変えることにより、当該比(イソシアネート基/チオール基)と接着力との関係を検討した。
また、実施例8〜14及び比較例8〜14(接着シート)では、上記実施例1〜7及び比較例1〜7(接着剤)の接着剤を接着シートにしたこと以外は同様にして、当該比(イソシアネート基/チオール基)と接着力との関係を検討した。
次に、これら実施例及び比較例について具体的に説明する。
下記表2に示すとおり(各成分の数値は質量部を示す。)に各成分を配合して組成物を得、当該組成物を接着剤とした。
得られた接着剤を、上記のとおりに硬化し、上記のとおりに接着剤の硬化体についての接着力を測定した。ゴム部材としてはNR/BRを用いた。その結果を表3に示す。
なお、表2並びに後述する表4、表6、表8、表10及び表12において、チオール官能基濃度とは、接着剤又は接着シートの各構成成分の合計量に対するチオール基の濃度(mmol/g)のことをいう。また、NCO官能基濃度とは、接着剤又は接着シートの各構成成分の合計量に対するイソシアネート基の濃度(mmol/g)のことをいう。更に発生剤濃度とは、接着剤又は接着シートの各構成成分の合計量に対するラジカル発生剤の濃度(mmol/g)のことをいう。なお、これらチオール官能基濃度、NCO官能基濃度及び発生剤濃度の値は、接着剤又は接着シートの各構成成分の各官能基が反応しないと仮定した場合の理論値とする。
表2に示すとおり、実施例8〜14及び比較例8〜14では、それぞれ、実施例1〜7及び比較例1〜7と同様の接着剤を用意した。
当該接着剤をPET製剥離シート上に塗布し、室温で30分間保持することにより、縦100mm、横25mm、厚さ30μmの接着シートを得た。
得られた接着シートを、上記のとおりに硬化し、上記のとおりに接着シートの硬化体についての接着力を測定した。ゴム部材としては、実施例1と同様にNR/BRを用いた。その結果を表3に示す。
実施例15〜20及び比較例15(接着剤)では、主に配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるラジカル発生剤(C)の合計モル数の比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)を変えることにより、当該比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)と接着力との関係を検討した。
また、実施例21〜26及び比較例16(接着シート)では、上記実施例15〜20及び比較例15(接着剤)の接着剤を接着シートにしたこと以外は同様にして、当該比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)と接着力との関係を検討した。
次に、これら実施例及び比較例について具体的に説明する。
表4に示す配合としたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表5に示す。
表4に示す配合としたこと以外は実施例8と同様の操作を行った。その結果を表5に示す。
実施例27〜32(接着剤)では、接着対象物であるゴムの種類を変えることにより、接着対象物であるゴムの種類と接着力との関係を検討した。
また、実施例33〜38(接着シート)では、上記実施例27〜32(接着剤)の接着剤を接着シートにしたこと以外は同様にして、接着対象物であるゴムの種類と接着力との関係を検討した。
次に、これら実施例について具体的に説明する。
表6に示す配合とし、表7に示すゴム部材を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表7に示す。
表6に示す配合とし、表7に示すゴム部材を用いたこと以外は実施例8と同様の操作を行った。その結果を表7に示す。
実施例39〜40(接着剤)では、配合されるポリチオール化合物(A)の種類を変えることにより、ポリチオール化合物(A)と接着力との関係を検討した。
また、実施例41〜42(接着シート)では、上記実施例39〜40(接着剤)の接着剤を接着シートにしたこと以外は同様にして、ポリチオール化合物(A)の種類と接着力との関係を検討した。
次に、これら実施例について具体的に説明する。
表8に示す配合とし、表9に示すポリチオール化合物(A)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表9に示す。
表8に示す配合とし、表9に示すポリチオール化合物(A)を用いたこと以外は実施例8と同様の操作を行った。その結果を表9に示す。
実施例43〜51(接着剤)では、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)の種類を変えることにより、イソシアネート基含有化合物(B)の種類と接着力との関係を検討した。
また、実施例52〜60(接着シート)では、上記実施例43〜51(接着剤)の接着剤を接着シートにしたこと以外は同様にして、イソシアネート基含有化合物(B)との関係を検討した。
次に、これら実施例について具体的に説明する。
表10に示す配合とし、表11に示すイソシアネート基含有化合物(B)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表11に示す。
表10に示す配合とし、表11に示すイソシアネート基含有化合物(B)を用いたこと以外は実施例8と同様の操作を行った。その結果を表11に示す。
実施例61〜65(接着剤)では、配合されるラジカル発生剤(C)の種類を変えることにより、ラジカル発生剤(C)の種類と接着力との関係を検討した。
また、実施例66〜70(接着シート)では、上記実施例61〜65(接着剤組成物)の接着剤を接着シートにしたこと以外は同様にして、接着対象物であるゴムの種類と接着力との関係を検討した。
次に、これら実施例について具体的に説明する。
表12に示す配合とし、表13に示すラジカル発生剤(C)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表13に示す。
表12に示す配合とし、表13に示すラジカル発生剤(C)を用いたこと以外は実施例8と同様の操作を行った。その結果を表13に示す。
表2〜表13に示すとおり、実施例1〜70は、成分(A)〜(C)を含み、かつ成分(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、成分(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下であるため、接着力が高かった。
一方、比較例1〜14は、比(イソシアネート基/チオール基)が本発明の範囲外であるため、接着力が低かった。
また、比較例15及び16は、ラジカル発生剤(C)を配合していないため、接着力が低かった。
Claims (7)
- ポリチオール化合物(A)、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらの変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート基含有化合物(B)、並びにラジカル発生剤(C)を配合してなり、
配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるイソシアネート基含有化合物(B)に含まれるイソシアネート基の合計モル数の比(イソシアネート基/チオール基)が0.2以上かつ0.78以下である、組成物。 - ラジカル発生剤(C)が過酸化物からなる熱ラジカル発生剤である、請求項1に記載の組成物。
- 配合されるポリチオール化合物(A)に含まれるチオール基の合計モル数に対する、配合されるラジカル発生剤(C)の合計モル数の比(ラジカル発生剤(C)/チオール基)が0.025以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
- ウレタン化触媒(D)を配合してなる、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を含む接着剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を用いてなる接着シート。
- 少なくとも2層が接着されてなる積層体であって、
少なくとも1つの層がゴム層からなり、
前記ゴム層のうちの少なくとも1層が、請求項5に記載の接着剤又は請求項6に記載の接着シートを介して、隣接する層に接着されてなる積層体。
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