JP2016016598A - 加熱装置、処理液塗布装置及び画像形成システム - Google Patents

加熱装置、処理液塗布装置及び画像形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】非接触式温度センサでの異常検知および接触式温度センサでの動作不良が原因する乾燥装置へのダメージの発生を防止および/または抑制できる処理液塗布装置を提供する。
【解決手段】処理液の乾燥に用いられる乾燥手段350に備えられた加熱ローラ40a〜60bの加熱を、実測された表面温度に基づいて算出したデューティ比を用いて制御する乾燥制御部260を有し、乾燥制御部には、加熱ローラ毎に表面温度を検知する非接触式温度センサと接離手段により加熱ローラに接離可能な接触式温度センサとが備えられ、接触式温度センサの接触時および離間時に、非接触式温度センサとの温度差をチェックし、チェック結果が規定範囲内外である場合に非接触式温度センサの異常検知を判定し、接触式温度センサの離間が完了していないと判定して加熱ローラのヒータ41a1〜61b1への給電を停止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、加熱装置、処理液塗布装置及びこれを用いる画像形成システムに関し、さらに詳しくは、電子写真方式により形成されるトナー像の定着や印刷前処理に用いられる処理液の乾燥等に用いられる熱源の温度管理に関する。
従来、加熱装置を用いる画像形成システムとして、電子写真方式を用いて形成されるトナー像を加熱定着する画像形成装置や、インク液滴による画像形成前に被記録媒体である記録紙に塗布された処理液を加熱乾燥するインクジェットプリンタを備えたシステムがある。
インクジェットプリンタを用いる場合に記録紙に塗布される処理液は、上質紙やざら紙などの非塗工紙において発生するフェザリングやブリーディングを防止するために記録紙に塗布される。
この場合のフェザリングとは、インクが用紙に浸透して画像に滲みを生じる現象であり、ブリーディングとは、色同士が重なることで色同士の境界が不鮮明になる現象である。
画像形成装置では、被記録媒体である記録紙に担持されているトナー像を加熱・加圧することにより記録紙中に融解・浸透させて定着が行われる。
一方、インクジェットプリンタでは、上述した定着工程がない代わりに、処理液の乾燥時に加熱が行われる。
トナー像の定着あるいは処理液の乾燥には、ヒータなどの加熱機構が用いられ、加熱機構は、異常温度になるのを防止するように温度管理される。
加熱機構の温度管理を行うための構成として、加熱ローラなどの温度検知対象物に対して接触式温度センサと非接触式温度センサとを用いる技術が知られている(例えば、特許文献2〜4)。
接触および非接触式の温度センサを用いた温度管理では、両方の温度センサからの検知温度の温度差が所定範囲にあるかどうかを判別して温度センサの誤差などが生じた際の異常状態を判断し、温度センサの誤検知による温度管理の精度低下を防止するようになっている。
接触式温度センサは、常時、加熱ローラ表面に接触したままであると摩耗などの機械的劣化を招くため、予め加熱ローラが停止したタイミングで加熱ローラに接触できるように接離可能な構成が用いられている。接離させる構成としては、ソレノイドなどが用いられている。
また、非接触式温度センサは、検知対象から放射される赤外線の量によって作動する熱電対が用いられている。
非接触式温度センサは、赤外線の入射面が汚れている場合あるいは被記録媒体により赤外線を遮られてしまう場合には、機能劣化に繋がる現象である、加熱ローラでの実際の温度よりも低い温度を検知結果として出力するという異常検知を生じる場合がある。
加熱ローラは、非接触式温度センサからの検知結果により目標温度に達していない場合には実際の温度と関係なくヒータへの給電が行われて過剰な昇温状態となる。このため、非接触式温度センサが異常検知状態にあると、加熱ローラが異常な過昇温状態を招く虞がある。
接触式温度センサは、加熱ローラに接触することで直接加熱ローラ表面の温度を検知できるので、過昇温状態にある加熱ローラの温度が規定値に達したことを検知した時点でヒータへの給電を遮断する機能がある。
従って、接触式温度センサは非接触式温度センサの異常検知状態を監視できる部材として用いることができる。
しかし、接触式温度センサは、例えば、ソレノイドの故障などの動作不良により加熱ローラから離れるべき時期に離れていないと、上述したように、機能劣化に繋がる現象である、センサの摩耗や破損が生じる虞があり、このような事態が生じると非接触式温度センサの監視が機能しなくなる。この結果、加熱ローラを含む乾燥装置に大きなダメージを与える虞がある。
本発明の目的は、非接触式温度センサと接触式温度センサとを用いた温度管理において、非接触式温度センサおよび接触式温度センサでの劣化が原因する加熱装置へのダメージの発生を防止および/または抑制できる処理液塗布装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明は、被記録媒体の加熱を行う回転体を加熱するヒータと、前記ヒータの駆動制御を行うヒータ制御回路と、前記回転体の表面温度を検知する非接触式の第1の温度検知センサと、前記回転体への当接時に該回転体の表面温度を検知するための接触式の第2の温度検知センサと、前記第2の検知センサを前記回転体に接離させる接離機構と、前記接離機構に前記回転体を前記第2の検知センサに接離させる信号を入力する接離制御部と、前記第1の温度検知センサによって検知された温度と前記第2の温度検知センサによって検知された温度との温度差に基づいて前記第1の温度検知センサの劣化または前記接離機構の劣化を検出する劣化検知部と、を備え、前記劣化検知部は、前記接離制御部によって前記第2の検知センサを前記回転体に当接させる旨の前記信号が前記接離機構に入力された状態における前記温度差が第1の範囲にないときに前記第1の温度検知センサの劣化を検出し、前記接離制御部によって前記第2の検知センサを前記回転体から離間させる旨の前記信号が前記接離機構に入力された状態における前記温度差が第2の範囲にないときに前記接離機構の劣化を検出し、前記ヒータ制御回路は、前記劣化検知部によって前記第1の温度検知センサの劣化または前記接離機構の劣化が検出されたときに前記ヒータの駆動を停止する加熱装置にある。
本発明によれば、回転体に対する第2の温度検知センサの接離時に検知される温度と第1の温度検知センサに検知される温度との温度差を対比することで、第1の温度検知センサの劣化および接離機構の動作不良を判定してヒータの駆動を停止できる。これにより、センサ摩耗や破損などによる加熱装置の回転体その他のダメージを防止または抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る加熱装置を用いる処理液塗布装置が適用される画像形成システムの一例を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る加熱装置を用いる処理液塗布装置の構成を説明するための模式図である。 図2に示した処理液塗布装置を対象とする制御部の構成を説明するためのブロック図である。 図3に示した制御部に用いられる接触式温度センサ、非接触式温度センサの配置構成を説明するための模式図である。 図3に示した制御部に用いられる乾燥制御部で実行される被記録媒体の繰り出し開始時での熱源に対するデューティ制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。 図2に示した乾燥制御部にて加熱装置に用いられる回転体を対象として実行される異常検知時期および接離動作検知時期を説明するための加熱ローラの温度と温度検知時期との関係を説明するための図である。 図3に示した制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
以下、図面に基づき本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下に説明する装置は、インクジェットプリンタを対象とする画像形成システムに用いられる処理機塗布装置101を例とする。
図1に示した処理液塗布装置101を用いる画像形成システム1000では、用紙(以下、被記録媒体という)Wとして長尺状の連続紙が用いられている。そして、これに対して液滴吐出が可能なインクジェット方式の記録装置、つまり、処理液塗布後のインクジェットプリンタを画像形成に用いる記録装置としている。
図1の画像形成システム1000では、給紙装置100から繰り出された被記録媒体Wの搬送路に、後述するが、被記録媒体Wに供給された処理液の乾燥を行う加熱装置をなす乾燥手段350を備えた処理液塗布装置101が備えられている。処理液塗布装置101には、後述するが、その内部で被記録媒体Wを搬送するための搬送路を形成する搬送手段が配置されている。
図1の画像形成システム1000では、被記録媒体Wの両面への印字を行えるようになっている。
このため、被記録媒体Wの搬送路には、処理液塗布装置101から出た被記録媒体Wの通路に、被記録媒体Wの表裏各面への画像形成が可能なインクジェット方式の記録装置が被記録媒体Wの反転装置103を挟んで並置されている。この場合にいうインクジェット方式の記録装置は、前述したように、図1中、符号102a、102bで示すインクジェットプリンタが用いられている。
図2は、被記録媒体Wに処理液を供給する処理液塗布装置101の構成を示している。
同図に示す処理液塗布装置101は、後で詳細を説明する処理液供給手段としての処理液塗布ユニット330と乾燥手段350とが同一筐体内に配置された構成を備えている。処理液塗布ユニット330は、画像形成前に被記録媒体Wの表裏両面へ処理液を供給して塗布を行うために用いられる装置である。また、乾燥手段350は、後述するが、被記録媒体Wを搬送しながら加熱する回転体により処理液を乾燥させる乾燥部として用いられる装置である。
以下、作用と共に処理液塗布装置101に用いられる構成について説明する。
処理液塗布装置101の内部には、エアループユニット320と、処理液塗布ユニット330と、供給ユニット340と、乾燥手段350に用いられる乾燥ユニット(以下、乾燥ユニット350という)と、ダンサーユニット380とが設けられている。
エアループユニット320は、給紙装置100から被記録媒体Wに作用する張力などの影響を取り除くために、被記録媒体Wへの負荷が自重のみとなる状態を設定するために用いられる。このため、エアループユニット320は、回転自在のガイドローラ321と、前述した搬送手段として用いられるフィードイン(以下、FIという)ローラ322およびFIニップローラ323を備えている。F1ローラ322およびF1ニップローラ323は、詳細を説明しないが、自身が有する弾性を利用して被記録媒体Wを挟持搬送することができる部材である。
エアループユニット320では、給紙装置100からガイドローラ321を経由してFIローラ322およびFIニップローラ323によって被記録媒体Wがエアループユニット320内に引き込まれる。
エアループユニット320に引き込まれた被記録媒体Wは、弛み量が、光学センサ(図示せず)により検知され、弛み量が一定となるようなエアループALを形成するように、エアループユニット320側のFIローラ322が回転制御される。
エアループALを経た被記録媒体Wは、エッジガイド(図示せず)との間を通り、且つ、エッジガイド近傍で長手方向が被記録媒体Wの搬送方向(矢印方向)と直交するように配置されているパスシャフト(図示せず)の間を通る。
パスシャフトとエッジガイドとの間を通過した被記録媒体Wは、固定状態にあるテンションシャフト(図示せず)により搬送安定化のための張力が付加される。
処理液塗布ユニット330は、処理液塗布装置101の主要部をなし、被記録媒体Wの表裏各面への処理液を供給して塗布する。このため、処理液塗布ユニット330は、裏面塗布ユニット333および表面塗布ユニット334が被記録媒体Wの搬送路中に設けられている。
処理液塗布ユニット330は、裏面塗布ユニット333の入口側および表面塗布ユニット334の出口側に、それぞれ前述したF1ローラ322およびF1ニップローラ323と同様に弾性を利用して被記録媒体Wを挟持搬送可能な搬送手段が設けられている。この搬送手段には、上記のフィードインローラ331とフィードニップローラ332とは別にアウトフィードローラ335とアウトフィードニップローラ336が用いられている。
フィードインローラ331とフィードニップローラ332によって搬送される被記録媒体Wは、スクイーズローラ337、塗布ローラ338及び加圧ローラ339を備えた裏面塗布ユニット333で裏面(一方の面)側に処理液を塗布される。
裏面塗布ユニット333を通過した被記録媒体Wは、スクイーズローラ347、塗布ローラ348及び加圧ローラ349を備えた表面塗布ユニット334で表面(他方の面)側に処理液を塗布される。
表面塗布ユニット334を通過した被記録媒体Wは、アウトフィードローラ335とフィードニップローラ336によって乾燥ユニット350に搬送される。なお、裏面塗布ユニット333及び表面塗布ユニット334は、いずれも選択的に作動するものであり、被記録媒体Wは、表面又は裏面のいずれか一方、或いは両面に処理液が塗布される。
処理液塗布ユニット330の下方には、処理液を貯留する供給ユニット340が設けられている。供給ユニット340からは貯留されている処理液が、随時、裏面塗布ユニット333及び表面塗布ユニット334に供給される。
処理液塗布ユニット330によって被記録媒体Wに供給された処理液の乾燥を行う乾燥手段として用いられる乾燥ユニット350は、被記録媒体Wの搬送路中に、複数の回転体である加熱ローラを備えた第1段〜第3段の加熱ローラセット40,50,60を設けられている。
第1段加熱ローラセット40は、第1段裏面加熱ローラ40a及び第1段表面加熱ローラ40bを備えている。第2段加熱ローラセット50は、第2段裏面加熱ローラ50a及び第2段表面加熱ローラ50bを備えている。第3段加熱ローラセット60は、第1段および第2段加熱ローラセット40,50と同様に、第3段裏面加熱ローラ60a及び第3段表面加熱ローラ60bを備えている。
これら第1段加熱ローラセット40、第2段加熱ローラセット50および第3段加熱ローラセット60は、被記録媒体Wの搬送経路中で搬送方向(矢印方向)の上流から下流に並べて配置される。
各加熱ローラ40a、40b、50a、50b、60a、60b(以下、「40a〜60b」と表す)は、長手方向(軸方向)の両端部が軸受け(図示されず)によって回転可能に支持される。
図2において、第1段裏面加熱ローラ40aと第1段表面加熱ローラ40b、第2段裏面加熱ローラ50aと第2段表面加熱ローラ50b、第3段裏面加熱ローラ60aと第3段表面加熱ローラ60bは、それぞれ互いに離間して千鳥状に配置される。
例えば、第1段〜第3段裏面加熱ローラ40a,50a,60aの各回転中心を結ぶ線と、第1段〜第3段の表面加熱ローラ40b、50b、60bの各回転中心を結ぶ線とが平行且つ離間した状態に配置されている。これにより、乾燥に要する加熱路の長さを確保して充分な乾燥が行えるようにしてある。
加熱ローラ40b〜60bは、各加熱ローラ40b〜60bに、熱源としてのハロゲンランプ等のヒータ41a1、41b1、51a1、51b1、61a1、61b1(以下、「41a1〜61b1」と表す)をそれぞれ有する。これにより、加熱ローラ40b〜60b毎にその表面を加熱することができる。
各ヒータ41a1〜61b1の温度管理は、加熱ローラ40b〜60bに配置されてローラ表面温度を検出可能なサーミスタやサーモパイル等の温度センサ(図示せず)を用いて後述する制御部210(図3参照)において実行される。
なお、各ローラ40a〜60bでの加熱効率および均一加熱を目的として、各加熱ローラ40a〜60bの内部にヒートパイプ(図示せず)が設けられていてもよい。このヒートパイプにより、各加熱ローラ40a〜60bの長手方向に熱を効率良く伝達し、ローラ表面の温度を均一にすることができ、記録媒体Wへの効率的な熱供給を行うことができる。
乾燥ユニット350の外には、回転駆動するフィードローラ359及びフィードニップローラ360が配置されている。乾燥ユニット350を通過する被記録媒体Wは、これらローラ359,360に有する弾性を利用して乾燥ユニット350の外に向けて挟持搬送される。
乾燥ユニット350の外に搬送された被記録媒体Wは、フィードローラ359とフィードニップローラ360の間を通ってダンサーユニット380に搬送される。
ダンサーユニット380は、乾燥を終えた被記録媒体Wに対してインクジェットプリンタ102aでの印字開始時の張力を安定させて弛みが発生するのを抑制することに用いられる。
このため、ダンサーユニット380は、2つのガイドローラ381、382および錘383を有する重力方向(矢印Aで示す方向)に移動可能な可動フレーム384を備えている。
可動フレーム384は、回転自在に取り付けられた2つのダンサーローラ385,386を備え、これらダンサーローラ385,386を含めた移動位置が位置検出手段(図示されず)によって検出される。
ダンサーユニット380では、被記録媒体Wがガイドローラ381、382及び2つのダンサーローラ385、386に対してW字状に巻き掛けられている。
ダンサーユニット380は、位置検出手段(図示されず)の出力に基づいてフィードローラ359の回転駆動を制御して、可動フレーム384の上下方向の位置を調整される。これにより、乾燥ユニット350と第1のインクジェットプリンタ102a(図1参照)との間の被記録媒体Wのバッファ量が確保される。
図2に示した処理液塗布装置101は、図3に示す制御部210によって、搭載されている各デバイスの制御が行われる。
図3において制御部210は、マイコン部220と搬送制御部230と塗布制御部240と供給制御部250と乾燥制御部260とを備えている。マイコン部220と各制御部230,240,250,260とは信号ラインに用いられるバスBを介して接続されている。
マイコン部220は、処理液塗布ユニット330の動作を指示すると共にその動作に必要な演算を行うCPU221と、CPU221で実行される様々なプログラムが格納されるROM222と、演算結果などを一時的に記憶するRAM223から構成されている。
搬送制御部230では、図2に示したエアループユニット320、ダンサーユニット380に有する搬送手段に用いられる各種ローラそしてフィードローラ359のデバイス制御を実施する。搬送制御部230で制御されるデバイスには、上述した搬送手段に用いられる各種ローラおよびフィードローラ359の駆動源である搬送モータMが含まれているが、図3においては、各ローラを対象とする搬送モータを纏めて符号Mで示してある。
塗布制御部240では、図2に示した処理液塗布ユニット330に備えられた塗布ローラ338,348やスクイーズローラ337,347などのデバイス制御を実施している。
供給制御部250では、図2に示した供給ユニット340のデバイス制御を実施している。
乾燥制御部260では、複数設けられた加熱ローラ40a〜60bにおいてそれぞれ実測された温度に基づいて算出したデューティ比を用いてヒータ41a1〜61b1の給電制御が行われる。実測温度は、後述する第1の温度検知センサに相当するサーモパイル42a〜62bにより検知さえた温度が用いられる。これにより、乾燥を行うための温度が加熱ローラ40a〜60bに設定される。この場合の乾燥を行うための温度は、乾燥に必要な熱量が得られる目標温度が用いられる。
乾燥制御部260には、ヒータ41a1〜61b1の駆動(給電)制御のためにヒータ制御回路41a〜61bが設けられている。ヒータ制御回路41a〜61bは、SSR(Solid State Relay)を備えており、算出されたデューティ比(0%〜100%)によりヒータ41a1〜61b1への通電切り換えを行う。具体的には、ある一定の制御周期毎に変更することによりヒータ41a1〜61b1を制御している。これによってヒータ制御中は常時目標温度に対してある一定の領域の温度に制御している。
一方、回転体である加熱ローラ40a〜60bの表面温度を検知するための温度測定には、図4に示すように、後述する第1の温度検知センサおよび第2の温度検知センサが用いられる。
第1の温度検知センサには、非接触式温度センサであるサーモパイル(便宜上、加熱ローラ40aを対象とする符号42aのみを示す)が用いられている。
第2の温度検知センサには、接触式温度センサであるサーミスタ(便宜上、符号43aのみを示す)が用いられる。サーミスタ43aは、回転体である加熱ローラ40a〜60bへの当接時加熱ローラ40a〜60bの表面温度を検知することができる。
なお、以下の説明では、各加熱ローラ40a〜60bを対象としたサーモパイル42a〜62bと表現する場合と図4に示した符号42aのみを用いる場合とがあることを前置きしておく。
サーモパイル42aおよびサーミスタ43aは、図4(A)に示すように、加熱ローラ40aの周方向で被記録媒体Wが掛け回されていない領域で加熱ローラ40aの表面が露出している範囲に対向させて配置されている。他の加熱ローラ40b,50a,50b,60a、60bも同様に被記録媒体Wが掛け回されていない領域の周面に対向させて配置されている。図2においては、加熱ローラ40b、50b、60bの上周面、加熱ローラ40aに加えて加熱ローラ50a、60aの下周面にそれぞれサーモパイル(図2では示されず)およびサーミスタ(図2では示されず)が配置されている。
サーモパイル42aおよびサーミスタ43aは、図4(B)に示すように、加熱ローラ40aの軸方向で同じ側となる軸方向端部近傍に配置されている。両部材の軸方向での位置は、同じ位置とされ、周方向で検知位置を接近させる位置関係とされている。これにより、加熱ローラ40aの軸方向でセンサ間での温度勾配が生じにくい状態での検知を可能にしている。なお、サーモパイル42aおよびサーミスタ43aの配置位置および個数は、ヒータの形式によって変更可能である。例えば、ヒータが加熱ローラの軸方向両端および軸方向中央を対象として個別に加熱できるように複数設けられている場合には、各ヒータの設置位置に対応する箇所に設けることが可能である。
接触式温度センサであるサーミスタ43aは、図4(A)に示すように、接離機構として用いられるソレノイド44a1により加熱ローラ40aに対して接離可能に設けられている。
図3においてソレノイド44a1〜64a1は、接離制御部をなすソレノイド駆動回路44a〜64aにより所定タイミングを用いて接離させる信号を入力されるのに応じて接離動作を行い、サーミスタ43aを加熱ローラ40a〜60bに対して接離する。
サーモパイル42a〜62bは常時加熱ローラ40a〜60bの表面温度を監視し、サーミスタ(便宜上、図4に示した符号42aを用いて説明する)は、接触時に加熱ローラ40b〜60bの表面温度を検知する。
図4に示したサーミスタ43aは、加熱ローラ40b〜60bの表面から離間時の温度を出力するようにもなっている。離間時の温度とは、ソレノイド44a1がオフされた時点の温度を指す。
サーミスタ43aは、加熱ローラ40b〜60bに接触したときには、サーモパイル42a〜62bの異常検知を監視し、加熱ローラ40b〜60bから離れているとされた状態の時には、実際の接離状態を判別するために用いることができる。
加熱ローラ40b〜60bに接触している時には、前述したように、赤外線入射面の汚れや用紙の通過によりサーモパイル42a〜62bに対して赤外線が遮断されているような場合に発生する異常検知を監視し、ヒータ41a1〜61b1の過昇温を防止する。
一方、サーミスタ43aは、加熱ローラ40b〜60bから離れる時期であるのにも拘わらず、加熱ローラ40b〜60bの表面に接触したままである場合を意味する動作不良を監視して、センサの摩耗や破損を防止するようになっている。
上述したサーモパイル42a〜62bの異常検知の判定およびサーミスタ43aの動作不良判定に関しては後で詳しく説明する。
搬送制御部230は、前述した搬送手段の駆動源として用いられる搬送モータMを制御して搬送手段に用いられる前述した処理液塗布装置101内での各種ローラによる搬送路での被記録媒体Wの搬送速度を制御する。
このため、搬送制御部230では、被記録媒体Wに画像形成を行う記録装置であるインクジェットプリンタ102a、102bで出力される画像形成開始後の被記録媒体Wの搬送速度情報に基づいて搬送速度を設定するようになっている。具体的には、被記録媒体Wの搬送速度情報を画像形成終了までの間、複数回、例えば、印刷中に1/6インチ毎に出力される情報(以下、便宜上、6ppi信号という)によって取得すると共に、取得の度にその搬送速度情報に基づき搬送速度を設定する。
搬送制御部230では、6ppi信号に基づいて被記録媒体Wの搬送に用いられる搬送モータMの速度に変換する速度検出回路231によるダンサーユニット位置とエアループ量およびダンサーユニット位置を検出した結果に基づき、搬送モータMの補正量を算出する。補正量の算出結果が搬送モータMに出力されると、搬送モータMは、それまでの搬送速度から補正量に基づく搬送速度で搬送手段を駆動する。
モータ速度の補正に基づく速度変更機能を発揮させるために、バッファ補正量検出回路232と、前記速度検出回路231の速度データとバッファ補正量検出回路232の補正量より各モータの回転数を算出するモータ回転数補正回路233が用いられる。なお、図3では、上述した速度検出回路231、バッファ補正量検出回路232,モータ回転数補正回路233が搬送制御回路部と表記したボードに搭載されていることを示している。
インクジェットプリンタ102a,102bは、印刷を開始する場合、処理液塗布装置101に対し、シリアル通信にて印刷開始するための印刷準備命令を送信し、印刷準備完了後、用紙搬送信号をアクティブにする。
前記用紙搬送信号がアクティブとなった契機(タイミング)に基づき、被記録媒体Wの搬送速度情報に用いられる6ppi信号が速度検出回路231に出力可能となる。速度検出回路231に入力された信号をモータ回転数補正回路233で補正することで搬送モータMの駆動が開始され、その後6ppi信号に同期して各搬送モータMが駆動される。
図1に示した画像形成システム1000では、図2に示した乾燥手段350に有する、サーモパイル42a〜62bの劣化判定と、サーミスタ43a(図4参照)の接離動作不良、つまり、接離機構であるソレノイド44a1の動作不良を判定することができる。
つまり、サーモパイル42a〜62bの入射面への加熱ローラ40b〜60bからの赤外線が遮断された場合には、加熱ローラ40b〜60bの表面温度よりも低い温度を検知するという異常検知が発生する。このような現象が発生すると、加熱ローラ40b〜60bの加熱が継続されて過昇温を招く。よって、サーモパイル42a〜62bは、自身の機能劣化に繋がる異常な検知状態を監視される必要がある部材といえる。
一方、サーミスタ43aは、加熱ローラ40b〜60bから離れるべき時期、いわゆる、離間時に離れていないと、センサの摩耗や破損を来す虞がある。よって、サーミスタ43aは、機能劣化に繋がる摩耗や破損が生じる虞のあるソレノイド44a1の接離動作不良を監視される必要がある部材といえる。
そこで、サーミスタ43aを加熱ローラ40a〜60bに当接させる旨の信号がソレノイド44a1に入力されたオン状態におけるサーモパイル42a〜62bからの検知温度とサーミスタ43aからの検知温度との温度差が第1の規定範囲にあるかをチェックする。
このチェックおよび機能劣化に繋がる現象が生じていることを劣化判定する劣化検知部は乾燥制御部260が用いられる。
乾燥制御部260では、前記温度差が第1の規定範囲にない場合と判断すると、前述したように、サーモパイル42a〜62bの機能劣化に繋がる異常な検知状態と判定(検知)してヒータ41a1〜61a1の駆動(給電)を停止する。
第1の規定範囲を対象とする検知は、少なくとも、被記録媒体搬送開始の際の目標温度に達した時点、いわゆる、印刷準備完了後の印刷開始時に目標となる温度に達した時点で行われる。
また、上記第1の規定範囲を対象とする検知後には、上記温度差が第2の規定範囲にあるかをチェックする。つまり、サーミスタ43aを加熱ローラ40a〜60bから離間させる旨のオフ信号がソレノイド44a1に入力されたオフ状態時に、サーモパイル42a〜62bからの検知温度とサーミスタ43aからの検知温度との温度差が第2の規定範囲にあるかをチェックする。よって、ソレノイド44a1を加熱ローラ40a〜60bから離間させるための信号がソレノイド44a1に入力された後に得られる上記温度差に基づき、ソレノイド44a1の機能劣化に繋がる摩耗や破損を検知することになる。
乾燥制御部260では、第2の規定範囲にない場合、サーミスタ43aの機能劣化に繋がる摩耗や破損が生じるソレノイド44a1の接離動作不良状態であると判定(検知)し、ヒータ41a1〜61a1の駆動(給電)を停止および/または被記録媒体Wの搬送を停止する。
なお、判定結果は、インクジェットプリンタ102の操作部に警報表示することも可能である。
乾燥制御部260では、通常、電源起動(パワーON)から印刷終了までの期間で加熱ローラ40b〜60bの制御を行い、乾燥温度を目標温度に管理することが行われる。以下、この制御動作について図5により説明すると次の通りである。
パワーONされた時に待機中の温度制御を開始する(期間(1))。
印刷開始準備開始契機で目標温度を印刷中の温度に切り替えることによって印刷中の目標温度への立ち上げが開始される(期間(2))。
印刷準備完了後、印刷が開始されるまでは印刷中の目標温度に制御される(期間(3))。
その後、上述したように被記録媒体Wとして用いられる用紙の搬送が開始され、印刷開始時の制御が実施される(期間(4))。
任意の期間だけ印刷開始時の制御を実施した後に通常印刷中の制御を実施する(期間(5))。
その後、印刷停止命令がインクジェットプリンタ102から発信されると待機中の制御を実施する。
印刷を実施されるまでの期間(1)〜(3)では、ある一定の制御周期で制御目標温度と現在温度(実測温度)との差分(比例分)から0%〜100%で設定されるヒータ41a1〜61b1の点灯デューティ比(以下、デューティ比(I)という)を決定する。そして、デューティ比(I)を用いて加熱ローラの温度が目標温度T0となるよう制御部210にて制御している。
印刷中の期間(4)〜(5)では、前記比例制御に加えて、印刷中に記録媒体Wへ放出される熱量を補うためのデューティ比(以下、デューティ比(II)という)を次の式で算出する。
デューティ比(I)+デューティ比(II)
この計算式で算出された値を最終的なデューティ比としてヒータ41a1〜61b1の温度制御を実施して目標温度T1を維持させる。この制御を前記加熱ローラ40b〜60bで実施している。
以上の手順により加熱制御される加熱ローラ40a〜60bは、表面温度をサーモパイル42a〜62bおよびサーミスタ43aにより検知される。
各センサによる温度検知、いわゆる、チェックのタイミングは、図6に示すように、ヒータ41a1〜61b1への給電開始から待機温度に達した時点と印刷準備完了温度に達した時点と印刷目標温度に達した時点である。なお、図6においてサーモパイル42a〜62bによるチェックのタイミングは「チェック1」、「チェック2」、「チェック3」で表示し、サーミスタ43aによるチェックのタイミングは「チェックS1」、「チェックS2」で示してある。これら各タイミングに対応してソレノイド44a1は、サーミスタ42aを加熱ローラ40a〜60bに接触させるように駆動される。
図6において、加熱ローラ40a〜60bへの加熱が開始されると、サーモパイル42a〜62bでは、加熱ローラ40b〜60bの温度上昇に伴い検知温度が上昇する。
サーミスタ43aは、加熱開始と共にソレノイド44a1の駆動により加熱ローラ40b〜60bの表面に接触し、熱時定数により遅延した状態(図6中、WAITと表示する部分)で温度が上昇する。
サーモパイル42a〜62bの検知温度が待機温度(T1)に達すると、サーミスタ43aからの検知温度との温度差がチェック(チェック1)される。
このときのサーミスタ43a側でのサーモパイル42aに対する温度差が、待機用の規定範囲として予め定められている±20℃であれば、サーモパイル42a〜62bの異常検知が生じていないと判定する。つまり、目標温度を40℃とした場合、検知温度が20℃〜60℃の範囲であれば正常と判断する。よって、サーモパイル42a側の検知温度に対してサーミスタ43a側の検知温度が低い場合には、加熱ローラ40a〜60bでの過昇温は起きないので、ヒータ41a1〜61b1への給電が不用意に停止されることはない。
また、実際の印刷に用いられる目標温度(T2)をサーモパイル42aにより検知された時点では、サーミスタ43aによる検知温度との温度差が第2の規定範囲として予め設定されている±20℃にあるかをチェックする。つまり、印刷時での目標温度が80℃である場合には、検知温度が60℃〜100℃であるかどうかが判別される。
上記規定範囲外の場合には、サーモパイル42aの機能劣化に繋がる異常検知が生じているとしてヒータエラー処理が実行されてヒータ41a1〜61b1への駆動(給電)停止および/または記録媒体Wの搬送停止を行う。
一方、待機温度(T1)に達した時点で上述したサーモパイル42a〜62bの異常検知判定が行われるとソレノイド44a1はオフされてサーミスタ43aが加熱ローラ40b〜60bの表面から離される。これにより、接触したままの場合に発生するセンサ摩耗や破損を防止される。
ソレノイド44a1がオフされた際のサーミスタ43aの検知温度とサーモパイル42a〜62bからの検知温度の温度差をチェックする際に、サーミスタ43aの接離動作不良についての判定も行われる。つまり、このときのサーミスタ43a側でのサーモパイル42aに対する温度差が第2の規定範囲である±20℃である場合には、サーミスタ42がソレノイド44a1のオフに連動して加熱ローラ40b〜60bから離れていると判定する。なお、図6では、ソレノイド44a1の離間時に温度が下がることを表示している。
仮に離れていない場合には、図6に示したように、離れている場合の温度勾配とは異なる検知温度(TX1≠TX1’、TX2≠TX2’)が得られ、上記規定範囲にない状態が判断されてサーミスタ43aに動作不良が生じていることを判定できる。サーミスタ43aが離れていないままの動作不良が生じていると判定した場合にはヒータエラー処理が実行されてヒータ41a1〜61b1への駆動(給電)停止および/又は記録媒体Wの搬送停止を行う。
以上のような乾燥制御部260での作用は、図7に示すフローチャートに基づき説明すると次の通りである。
電源がオンされると、サーミスタを接触させるためのソレノイド44a1がオンされ(ST1)、ヒータ41a1〜61b1への給電による立ち上げ制御が行われる(ST2)。立ち上げ制御では、サーモパイル42a〜62bおよびサーミスタ43aからの検知温度に基づくヒータ41a1〜61b1のフィードバック制御により実行される。
ソレノイド44a1により加熱ローラ40a〜60bに接触したサーミスタ43aは、熱時定数による遅延後(図7中、一定時間待機)温度上昇を開始し(ST3)、検知温度を出力する。
ステップST3の判別において、サーモパイル42a〜62bからの検知温度が待機温度に達すると、サーモパイル42a〜62bの異常検知チェックが行われる。
このチェックは、図6においてチェック1で示したタイミングに相当している。チェック1では、サーモパイル42a〜62bおよびサーミスタ43aからの検知温度の温度差をチェックし、サーミスタ43a側の検知温度が待機用の規定範囲である−20〜−60℃であるかどうかを判別する(ST4,5)。
このとき、サーミスタ43a側の検知温度がサーモパイル42aの検知温度に対して−20〜−60℃の規定範囲となる温度であれば、異常検知が発生していないと判定し、規定範囲外であれば、異常検知が発生していると判定する。異常検知を判定した場合には、ステップST19におけるヒータエラー処理が実行される。ヒータエラー処理では、ヒータ41a1〜61b1への給電停止、および/または記録媒体Wの搬送停止が行われる。
サーモパイル42a〜62bに異常が発生していないと判定した場合には、ソレノイド44a1がオフされてサーミスタ43aが加熱ローラ40b〜60bから離される。これにより、サーミスタ43aが接触したままである場合に発生するセンサ摩耗や破損を防止できる。
しかし、サーミスタ43aが離れているはずの時に、例えば、前述したように、ソレノイド44a1の故障により加熱ローラ40b〜60bにサーミスタ43aが接触したままであると、センサ摩耗や破損の原因となる。
そこで、ソレノイド44a1がオフされた時点でサーミスタ43aからの検知温度を読み込み、サーモパイル42a〜62bとの温度差をチェックしてサーミスタ43aの接離動作不良の判定を行う。具体的には、ソレノイド44a1がオフされた時点でのサーミスタ43a側の検知温度がサーモパイル42a側の検知温度に対して上記規定範囲となる温度であるかどうかにより接離動作のチェックを行う。
図7においてソレノイド44a1がオフされると(ST6)、図中、「接離チェック」と表示した処理が行われる。つまり、サーミスタ43aからの検知温度が熱時定数による遅延後(一定時間待機)入力される。そして、温度差をチェックしてサーミスタ43a側での検知温度がサーモパイル43a側の検知温度に対して規定範囲の温度差を得られる温度であるかどうか判別される(ST15,16)。サーミスタ43a側での検知温度がサーモパイル42a側の検知温度との温度差として予め設定されている規定範囲の温度であるかどうかの処理に関しては、図7において、「規定範囲内か?」という表現で示されている。
この場合のサーミスタ43aの温度の規定範囲は、第1の規定範囲に相当する−20〜−60℃の範囲である。
この規定範囲外である場合には、図6において説明したように、正常時での検知温度とは異なることになるので、サーミスタ43aが加熱ローラ40b〜60bに接触したままであると判定し、ステップST19のヒータエラー処理を実行される。
「接離チェック」に関しては、ソレノイド44a1がオフされてサーミスタ43aが加熱ローラ40b〜60bから離れる時期に対応して実行されるものである。このため、図7において後述する、サーモパイル42a〜62bにおいて印刷目標温度に達したことを検知した後の機会にも対象として実行される。
サーモパイル42a〜62bの異常検知が生じていないと判断した場合には、サーモパイル42a〜62bを用いて加熱ローラ40b〜60bの待機中のヒータ温度制御が実行される(ST7)。
待機温度(T1)が維持されるようになると、インクジェットプリンタ等の上位装置からの印刷開始信号の有無が判別される(ST8)。
印刷開始信号が入力された場合には、ソレノイド44a1がオンしてサーミスタ43aが加熱ローラ40b〜60bに接触され、サーモパイル42a〜62bによる異常検知判定に備えられる。
印字に必要な熱量を加熱ローラ40b〜60bに保有させるためにヒータ41a1〜61b1の立ち上げ制御が行われる(ST10)。立ち上げ制御時には、ソレノイド44a1がオンされてサーミスタ43aが加熱ローラ40b〜60bに接触され、上述したサーモパイル42a〜62bの異常検知判定に備えられる。
ヒータ41a1〜61b1の立ち上げ制御による待機温度から加熱ローラ40b〜60bの温度が目標温度(80℃)に達したかどうかが判別される(ST11)。目標温度に達したことをサーモパイル42a〜62bにより検知されると(ST11)、サーミスタ43aの熱時定数による遅延時間(WAIT)経過後に検知温度が判別される(ST12,13)。
ステップST13において、サーミスタ43a側の検知温度がサーモパイル42a側の検知温度(目標温度)に対して予め設定されている第1の規定範囲である±20℃の範囲に含まれる場合には、サーモパイル42a〜62bの異常検知なしと判定する。このステップST13において規定範囲外であるときには異常検知ありと判定して、ステップST19におけるヒータエラー処理を実行する。
一方、ステップST13で、印刷に必要な目標温度設定に際しての異常検知判定後、ソレノイド44a1がオフされてサーミスタ43aが加熱ローラ40b〜60bから離され、上述したサーミスタ43aの接離チェックが行われる(ST14〜16)。
この場合でのサーミスタ43a側の検知温度は、サーモパイル43a側の検知温度に対して第2の規定範囲としての−20〜−60℃が得られる温度である。この規定範囲にあるときには、サーミスタ43aが離れていると判断し、規定範囲外であるときにはヒータエラー処理(ST19)に移行する。
印刷に必要な目標温度が設定された後には、印刷時の温度を維持するためのヒータ温度制御が印刷終了までの間継続される(ST27,18)。
加熱ローラ40a〜60bでの表面温度を検知するサーモパイル42a〜62bは、サーミスタ43aにより異常検知を監視され一方、サーミスタ43aは、接離動作状態を監視されることで接触したままで発生するセンサ摩耗や破損が防止されることになる。
なお、上述したサーミスタ43a、いわゆる、接触式温度センサの動作不良判定は、加熱ローラ40a〜60b毎に独自で判定条件を設定することも可能である。これにより、加熱ローラ同士の温度が同じであっても、サーミスタ43aを加熱ローラ40a〜60b同士で異なる位置で接触している場合でも、個別の判定条件で独自に動作不良を判定することができる。また、サーモパイル42a〜62b、サーミスタ43a〜63bおよびサーミスタ43a〜63bを接離させるソレノイド44aは、乾燥手段350の内部において複数組備えでおくことも可能であり、これら温度検知センサおよび接離機構の劣化を独立して検知するようにしてもよい。
なお、上述した構成は、インクジェットプリンタに用いられる処理液塗布装置の乾燥手段に適用したが、これに限らない。例えば、画像形成装置の定着装置に用いられる回転体である定着部材としての定着ローラの表面温度をサーモパイルとサーミスタとを組み合わせて検知する構成を対象とすることも可能である。
さらに、画像形成装置の定着ローラだけでなく、加熱される対象が移動するものであればローラに限らず、無端状ベルトや連続して移動する板材などを対象とすることもできる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、図7において説明した接離チェックは、少なくとも、装置へのダメージが大きくなりやすい状態となる加熱ローラ40a〜60bが高温になりやすい印刷時の目標温度検知後を対象としてもよい。また、被記録媒体としては、図2に示した長尺状の被記録媒体Wを用いることに限らず単葉の被記録媒体であっても良い。また両面への印字あるいは画像形成だけでなく片面のみを印字あるいは画像形成の対象とする搬送形態を用いることもちろん可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
40a,40b,50a,50b,60a,60b 回転体、加熱ローラ
41a1,41b1,51a1,51b1,61a1,61b1 熱源であるヒータ
41a,41b,51a,51b,61a,61b ヒータ制御回路
42a,42b,52a,52b,62a,62b 第1の温度検知センサ、非接触式温度センサ
43a,43b,53a,53b,63a,63b 第2の温度検知センサ、接触式温度センサ
44a1,44b1,54a1,54b1,64a1,64b1 接離機構
44a,44b,54a,54b,64a,64b 接離制御部
101 処理液塗布装置
260 乾燥制御部、劣化検知部
330 処理液供給手段
350 乾燥部、加熱装置、乾燥手段
1000 画像形成システム
M 駆動源である搬送モータ
W 被記録媒体
特開2012−196955号公報 特開2008−310086号公報 特開2008−102413号公報 特開2008−089974号公報

Claims (8)

  1. 被記録媒体の加熱を行う回転体を加熱するヒータと、
    前記ヒータの駆動制御を行うヒータ制御回路と、
    前記回転体の表面温度を検知する非接触式の第1の温度検知センサと、
    前記回転体への当接時に該回転体の表面温度を検知するための接触式の第2の温度検知センサと、
    前記第2の温度検知センサを前記回転体に接離させる接離機構と、
    前記接離機構に前記回転体を前記第2の温度検知センサに接離させる信号を入力する接離制御部と、
    前記第1の温度検知センサによって検知された温度と前記第2の温度検知センサによって検知された温度との温度差に基づいて前記第1の温度検知センサの劣化または前記接離機構の劣化を検出する劣化検知部と、を備え、
    前記劣化検知部は、
    前記接離制御部によって前記第2の温度検知センサを前記回転体に当接させる旨の前記信号が前記接離機構に入力された状態における前記温度差が第1の範囲にないときに前記第1の温度検知センサの劣化を検出し、
    前記接離制御部によって前記第2の温度検知センサを前記回転体から離間させる旨の前記信号が前記接離機構に入力された状態における前記温度差が第2の範囲にないときに前記接離機構の劣化を検出し、
    前記ヒータ制御回路は、前記劣化検知部によって前記第1の温度検知センサの劣化または前記接離機構の劣化が検出されたときに前記ヒータの駆動を停止する加熱装置。
  2. 前記ヒータ制御回路は、前記第1の温度検知センサによって検知された温度に基づいて前記ヒータの駆動制御を行うことを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  3. 前記ヒータ制御回路は、前記第1の温度検知センサによって検知された温度に基づいて算出されたデューティ比を用いて前記ヒータの駆動制御を行うことを特徴とする請求項2記載の加熱装置。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載の加熱装置と、
    前記加熱装置によって加熱される前の前記被記録媒体に処理液を供給する処理液供給手段と、を備え、
    前記加熱装置は、前記処理液供給手段によって前記処理液を供給された前記被記録媒体を前記回転体の回転によって搬送しながら前記処理液を乾燥する乾燥部である処理液塗布装置。
  5. 前記乾燥部は、前記回転体と該回転体の表面温度を検知する前記第1の温度検知センサ、第2の温度検知センサおよび該第2の温度検知センサを該回転体に接離させる前記接離機構とを複数組備え、
    前記劣化検知部は、前記複数組のそれぞれに備えられた前記第1の温度検知センサの劣化または前記接離機構の劣化を独立して検出することを特徴とする処理液塗布装置。
  6. 前記劣化検知部は、
    前記第1の温度検知センサの劣化を、該第1の温度検知センサによって前記回転体の温度が待機温度に達したことが検知されたとき、または、被記録媒体搬送開始の際の目標温度に達したことが検知されたときにおける前記温度差に基づいて検出し、
    この検出後であって、前記接離制御部によって前記第2の温度検知センサを前記回転体から離間させる旨の前記信号が前記接離機構に入力された後の前記温度差に基づいて、前記接離機構の劣化を検出することを特徴とする請求項4または5記載の処理液塗布装置。
  7. 請求項4乃至6のうちのいずれか一つに記載の処理液塗布装置と、
    該処理液塗布装置を経た前記被記録媒体への画像形成を行う記録装置と、を有する画像形成システム。
  8. 前記記録装置は、前記被記録媒体の表裏各面への画像形成を行うことが可能であることを特徴とする請求項7記載の画像形成システム。
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