JP2016016521A - 樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

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剛 森中
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Abstract

【課題】 自動車、航空機等の窓用ガラス、建築物の窓ガラス等には合わせガラスが広く用ることが可能な透明樹脂積層体とするための製造方法を提供する。【解決手段】以下の工程1〜5を順に含む透明樹脂積層体の製造方法であって、予備積層体を2枚の冶具で挟持する工程を、下記工程1〜4のいずれかの工程間に含区ことにより透明樹脂積層体を得る。工程1:中間膜形成用樹脂シートを2枚の透明樹脂シートで挟み、予備積層体を得る工程工程2:予備積層体の中間膜形成用樹脂シートを軟化させる工程工程3:予備積層体中の気泡を除去する工程工程4:予備積層体の中間膜形成用樹脂シートを加圧下で架橋させる工程工程5:冶具を外す工程【選択図】 図3

Description

本発明は、透明樹脂積層体の製造方法に関し、特に、中間膜形成用樹脂シートを2枚の透明樹脂シートで挟んで得る予備積層体を、2枚の冶具で挟持する工程を含む製造方法に関する。
従来から、自動車、航空機等の窓用ガラス、建築物の窓ガラス等には合わせガラスが広く用いられている。その構造は、複数枚の無機ガラス、または有機ガラス即ち合成樹脂板を、中間膜を介して合わせ加工したものであり、耐貫通性や破損したガラスの飛散防止等の機能を有する。
近年、自動車、航空機等の窓用ガラス、建築物の窓ガラス等の合わせガラスは、軽量化や施工性の観点から、メタクリル樹脂板やポリカーボネート樹脂等の合成樹脂板を用いたものに変更する検討がなされている。
合わせガラスに用いられる中間膜は、ガラス板等との接着性、強度及び透明性等の観点から、エチレン酢酸ビニルアセテート共重合体や、ポリビニルブチラールを主成分とする透明樹脂膜が用いられている。特に、EVA系中間膜は安価であり、優れた耐水性、接着性、透明性を有する点で有用である。また、EVA系中間膜は、有機過酸化物などの架橋剤を用いて共重合体を架橋させることにより、接着性、耐貫通性、耐久性等を向上させることができる。
また、合わせガラスを製造するにあたり、2枚の透明基板と中間膜とを合わせ加工する場合、中間膜と透明基板との境界面に存在する空気を排出し、気泡が生じないようにする必要がある。合わせガラス内に気泡が存在すると、外観不良となる場合があるからである。
従って、合わせガラスの製造方法として、例えば、特許文献1に記載されているように、合成樹脂板の間に中間膜を挟持した積層体を真空袋に入れ、脱気し、加熱下に押圧する予備圧着を行うことで、中間膜中及び合成樹脂板と中間膜の境界面の空気を、僅かに気泡が残存する程度まで除き、その後、本加熱において気泡を十分に除去する方法等が用いられている。
特開平07‐002551号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、オーブンでの加熱により合成樹脂板が軟化し、合成樹脂板表面に真空袋のシワ模様が転写してしまい、外観不良となる等の問題があった。

そこで、本発明は、透明樹脂積層体の製造方法に関し、特に、中間膜形成用樹脂シートを2枚の透明樹脂シートで挟んで得る予備積層体を、2枚の冶具で挟持する工程を含む製造方法であって、透明樹脂積層体の表面に生じる外観不良を改善できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記実情に鑑み種々の検討を行った結果、中間膜形成用樹脂シートを2枚の透明樹脂シートで挟んで得る予備積層体を、平滑性に優れた2枚の冶具で挟持する工程を含む製造方法により、上記課題を解決できることを見出した。
本発明により、外観が良好であり、高透明で軽量、且つ飛散防止性、耐湿熱性に優れる透明樹脂積層体を提供することができる。
本発明の透明樹脂積層体の製造方法に用いる製造装置の一例である。 本発明で得られる透明樹脂積層体の1形態である。 本発明の冶具で矜持した予備透明樹脂積層体の1形態である。
以下、本発明の透明樹脂積層体の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の透明樹脂積層体の製造方法の代表的な一例を示概略断面図である。図1において透明樹脂積層体は、中間膜形成用樹脂シート1を2枚の透明樹脂シート2A,2Bで挟み、更に2枚の冶具3A,3Bで挟持した予備積層体11を形成し、これを加熱圧着(予備圧着ともいう)した後、加熱加圧(本圧着ともいう)することで製造される。
本発明の透明樹脂積層体の製造方法における中間膜形成用樹脂シート1は、加熱溶融によって粘着性を示す透明樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
中間膜形成用樹脂シート1としては、加熱溶融によって粘着性を示す透明な樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可塑化したポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、及び架橋型エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタンなどから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記PVB、EVA、及び架橋EVAは、接着後、固化する一般的な接着剤と比較して、接着後も分子鎖の絡み合いによる粘弾性を示す。したがって、こられ透明樹脂からなる中間膜形成用樹脂シートを挟み込んで一体化させた透明樹脂積層体は、高透明で飛散防止性に優れた性能を示す。
前記架橋EVAは、三次元共重合体であるために高温下での溶融粘度が特に高く、ガスバーナーなどの火炎による加熱により、高温状態で溶融したとしてもPVBやEVAと比べて透明樹脂シートとの接着性及び耐久性に優れた性能を示す。
図1における透明樹脂シート2A,2Bは透明であれば良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンブチレート、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂製のシート又はフィルムを用いても良い。
図1における本発明の透明樹脂積層体の製造方法を詳述する。まず、中間膜形成用樹脂シート1を2枚の透明樹脂シート2A,2Bで挟み、予備積層体10を得る工程1を実施する。この予備積層体10を搬送装置6により、搬送しながら加熱炉7を通過させて中間膜形成用樹脂シートを軟化させる工程2を実施する。加熱炉7は近赤外線を照射可能な赤外線ヒーター4を備え、予備積層体10が加熱炉7を通過する間に、中間膜形成用樹脂シート2A,2Bを所定の温度になるまで加熱し、軟化することができる。その後、予備積層体10を、対抗する2基1対のロール部で構成されるニップロール5の間を通過させて予備積層体中の気泡を除去する工程3を実施する。ニップロール5は、ロール部間を通過するものを所定の線圧で連続的に加圧する装置である。これにより予備積層体10が加圧され、加熱された中間膜形成用樹脂シート1が透明樹脂シート2A,2Bそれぞれの境界面に圧着する。
その予備積層体をニップロール5で加圧することで、予備積層体10において、中間膜形成用樹脂シート1と透明樹脂シート2A,2B及び他の透明樹脂シートとの間の気泡を十分に除去することができる。
ここで、予備積層体10を2枚の冶具3A,3Bで挟持する工程Aを上記の工程1と工程2の間、又は工程2と工程3の間、もしくは工程3と工程4の間のいずれかの工程間に含むことができる。
ここで本発明における冶具とは、
透明樹脂シート2A、2Bの全面を覆うものであり、予備積層体の透明樹脂シートの面上を挟むものである。
本発明に用いる冶具としては、透明樹脂シートよりも線膨張係数が小さい素材からなり、シート状で且つ表面の中心線平均粗さRa(JIS−B0601(‘82))が小さい素材を用いることが好ましい。冶具の少なくとも一方の表面の中心線平均粗さRa(JIS−B0601(‘82))が0.1μm以下、より好ましくは0.01μm以下であると、この面を冶具の透明樹脂シートと接する面として用いることにより、加熱により軟化した透明樹脂シート及び他の透明樹脂シートの表面に転写された冶具の表面状態による外観不良を生じることなく透明樹脂積層体を得ることができる。
冶具の素材としては、例えば、ガラスやSUS、表面にコーティング処理を施した木材等があり、熱伝導率が高く、加熱効率に優れることからガラスやSUSを選択することが好ましい。また、冶具の厚みは1mm以上、30mm以下であることが好ましい。この範囲に設定することで、冶具の強度及び重量を確保でき、予備積層体を加熱する際に生じる透明樹脂シート又は他の透明樹脂シートの反りを冶具の自重により速やかに低減することができる。厚み1mm以下の場合、反りの低減効果が小さく、強度も十分でない。一方、厚み30mm以上の場合には重量が増え過ぎ、ハンドリング性が損なわれる。冶具の厚みは2mm以上、20mm以下が好ましく、3mm以上、10mm以下が更に好ましい。
工程Aを工程1と工程2の間に行う場合、工程2で加熱された予備積層体の中の透明樹脂シートがシート表裏の線膨張係数の差により生じる反りを、2枚の冶具で挟持することで速やかに低減することができ、且つ、軟化した透明樹脂シートの表面に生じる凹凸荒れを防止することができる。また、工程3〜4で発生する可能性のある中間膜形成用樹脂シートと透明樹脂シート間の気泡の残存や、透明樹脂シート表面への凹凸荒れを防止することができる。
なお、上述の工程Aを工程1と工程2の間に行う実施形態においては、2枚の透明樹脂シート2A,2Bで挟んで予備成形体とした後(工程1)、2枚の冶具3A,3Bで挟持しているが、冶具の上に透明樹脂シート、中間膜形成用樹脂シート、透明樹脂シート、冶具の順に積層した後冶具で挟持して(すなわち、工程1と工程Aを同時に行って)、その後工程2移行を行う予備積層体を得る方法が挙げられる。
工程Aを工程2と工程3の間に含む場合、工程2で加熱された予備積層体の中の透明樹脂シートの表面に生じた凹凸荒れを平滑面に矯正でき、且つ、工程3で治具の自重により、気泡を除去し易くなる。また、ニップロール等を用いて直接接触し加圧して気泡を除去する際に生じる加圧源の凹凸を透明樹脂シート表面へ転写されることを防止することができる。また、上述の工程Aを工程2と同時に、すなわち、加熱しながら冶具の挟持を行ってもよい。
工程Aを工程3と工程4の間に含む場合、工程2で加熱された予備積層体の中の透明樹脂シート表面に生じた凹凸荒れを平滑面に矯正でき、且つ、工程4で治具の自重により、気泡を除去し易くできる。ニップロールを用いる加圧を含む圧着工程を行う場合、更に中間膜形成用樹脂シートと透明樹脂シート間の気泡を抜け易くするために、中間膜形成用樹脂の物性を以下のように設定することが好ましい。すなわち、温度70℃における溶融粘度が、2×10Pa・s以下であり、中間膜形成用樹脂シートの表面の中心線平均粗さRa(JIS−B0601(‘82))が、5〜15μmであり、且つ平均厚みが、0.4mm以上であることが好ましい。
また、中間膜形成用樹脂シートの少なくとも一方の面の表面性状を、上記の中心線平均粗さRaの範囲に設定することで、圧着工程において、ニップロールを用いる加圧時の中間膜形成用樹脂シートと透明樹脂シートの境界面において空気の移動が速やかになるため、より空気が抜け易くなり、気泡が生じるのを更に防ぐことができる。中心線平均粗さRaが5μm未満では空気の通り道が小さくなり、又はRaが20μmを超えると大きな気泡が生じることがあり、中間膜形成用樹脂シートと透明樹脂シートの境界面に空気が残存する場合がある。中間膜形成用樹脂シートの表面の中心線平均粗さRaは、5〜15μmが好ましく、更に7〜13μmが好ましい。なお、中間膜形成用樹脂シートの両方の面が上記の中心線平均粗さRaの範囲であることが好ましい。通常、中間膜形成用樹脂シートの表面にエンボス加工することにより、凹凸パターンを付与し、上記のような表面性状を付与することができる。
中間膜形成用樹脂の温度70℃における溶融粘度を上記のように設定することで、圧着工程における中間膜形成用樹脂の流れ性が向上し、予備積層体をニップロールで加圧する際に、中間膜形成用樹脂が、透明樹脂シートとの境界面により速やかに行き渡るようにすることができる。中間膜形成用樹脂の流れ性が高くなり過ぎると、中間膜形成用樹脂が透明樹脂シートの間からはみ出る場合があるため、温度70℃における溶融粘度は、1×10〜2×10Pa・sが好ましく、2×10〜2×10Pa・sが更に好ましい。
さらに、中間膜形成用樹脂シートにおける1層の平均厚みを上記のように設定することで、中間膜形成用樹脂シートと透明樹脂シート間の気泡を更に十分に除去することができる。中間膜形成用樹脂シートの平均厚みが大き過ぎると、中間膜形成用樹脂シートが透明樹脂シートの間からはみ出る場合があるため、中間膜形成用樹脂シートの平均厚みは0.4〜2.0mmが好ましく、0.4〜1.2mmが更に好ましい。
図1に示したニップロール5、搬送装置6及び乾燥炉7は、いずれも従来公知のものを使用することができる。ニップロール5はどの様な形態のものでも良く、複数対のニップロールを有するものでも良い。また、加圧時の温度低下を避けるため、加熱ロールで構成されているものでも良い。ニップロール5による加圧の線圧は特に制限は無いが、5〜100kN/mが好ましく、10〜50kN/mが更に好ましい。
加熱炉7の加熱方法は、赤外線ヒーターによる赤外線方式を用いても良く、熱風方式を用いても良い。加熱は、中間膜形成用樹脂シート1が軟化し、中間膜形成用樹脂シートに含まれる架橋剤が反応しない温度であれば特に制限は無い。中間膜形成用樹脂シート1の流れ性と加圧時の応力緩和性を考慮すると、工程2の加熱温度は50℃以上、120℃以下であることが好ましく、60℃以上、110℃以下であることが更に好ましい。
工程2の中間膜形成用樹脂シートを軟化させるための加熱時間は10分以上、60分以下であることが好ましく、20分以上、50分以下であることが更に好ましい。上述の圧着工程(工程3)の後、予備圧着された予備積層体中の中間膜形成用樹脂シートを加圧下で架橋させる工程4を実施し、その後、冶具を外す工程5を実施することで透明樹脂積層体を得ることができる。中間膜形成用樹脂シートを加圧下で架橋させる工程4は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、オートクレーブ等の高温高圧処理を用いることができる。
工程4で中間膜形成用樹脂シートを架橋させるための加熱温度は110℃以上、170℃以下であることが好ましい。この範囲に設定することで、圧着工程における中間膜形成用樹脂シートに含まれる架橋剤が反応し、短時間で効率的に架橋反応が進行する。加熱温度が110℃未満の場合、架橋剤の反応が低く、架橋反応が進まず、十分な耐久性を示す中間膜が形成できず、十分な性能を示す透明樹脂積層体を得ることができない。加熱温度が170℃以上の場合、中間膜形成用樹脂シートが熱劣化により変色し、透明性に優れた透明樹脂積層体を得ることができない。そのため、加熱温度は120℃以上、160℃以下であることが好ましく、130℃以上、150℃以下であることが更に好ましい。
工程4の中間膜形成用樹脂シートを架橋させるための加熱時間は10分以上、180分以下であることが好ましく、20分以上、170分以下であることが更に好ましい。また、加圧条件は、1.0×10Pa〜5.0×10Paの圧力で加圧しながら行うことが好ましい。このとき、予備積層体を架橋後の冷却は一般に室温で行われるが、特に、冷却は速いほど好ましい。
なお、上述の実施形態においては、工程2、工程3及び工程4をそれぞれ行っているが、これらのうちの2工程もしくは3つすべての工程を1つの装置で同時に行ってもよい。例えば、加熱したロールで中間膜形成用樹脂シートを軟化させ、気泡を除去するとともに架橋を同時に進行させる方法が挙げられる。
<透明樹脂シート>
本発明の透明樹脂シートとしては、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合体樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。この中で、メタクリル樹脂シートは透明性が高く、耐候性に優れ、更に高剛性であるため好適である。また、ポリカーボネート樹脂シートは、透明性、耐衝撃性、耐燃焼性に優れるため好適である。
透明樹脂シートの表面には、耐摩耗性、耐擦傷性、耐薬品性、耐光性などを高める目的で、アクリル系、シリコーン系、無機粒子系のハードコートなどの表面保護層が設けられていてもよい。また、飛散防止性能を更に高めるために樹脂フィルムなどを貼ってもよい。
また、透明樹脂シートの表面には、中間層との接着性を制御する目的で、プライマー層が設けられていてもよい。プライマー層としては、中間層の樹脂成分と化学的親和性の高い樹脂組成物や反応性の官能基を有する樹脂組成物を使用することができる。また、コロナ処理やプラズマ処理等の後処理により極性基をシート表面に導入してもよい。
透明樹脂シートには、耐候性を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤や成形性を向上させるための可塑剤、熱安定剤、その他、熱線吸収剤、着色剤、装飾層、難燃剤、帯電防止剤等を含有してもよい。透明樹脂シートには寸法安定性を向上するために、シリカ微粒子、ガラスフレーク、グラスファイバー、もしくは、結晶性又は固体のケイ酸塩化合物などの無機化合物を添加することができる。これらの化合物は、透明樹脂シートの組成物の重合の際に添加しても、成形時に添加してもよい。
積層板の厚み、形状、サイズは、用途によって適宜選択されればよく、特に限定されるものではない。 また、透明樹脂シートは吸湿性があるため、加熱時に吸着水が気泡となって透明樹脂積層体の透明性や外観を損なうことがあるので、透明樹脂シートを中間膜形成用樹脂シートに接着させる前に、乾燥処理することでシート中の水分を除去しておくことが望ましい。この時の処理温度としては、80℃〜125℃であることが好ましく、処理時間としては1〜10時間とすることが好ましい。
<中間膜形成用樹脂シート>
本発明の中間膜形成用樹脂シートとしては、EVA樹脂シートを用いるのが好ましい。中間膜形成用樹脂シートには、耐候性を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤や熱安定剤、その他、熱線吸収剤、着色剤、装飾層、難燃剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
中間膜形成用樹脂シートには、透明樹脂シート及びその他の透明樹脂シートとの接着性を制御する目的で、シランカップリング剤などの接着力調整剤が含まれてもよい。また、コロナ処理やプラズマ処理等の後処理により極性基をシート表面に導入してもよい。
中間膜形成用樹脂シートの80℃における貯蔵弾性率は0.5MPa以上であることが好ましい。0.5MPa未満の場合、高温の環境にさらされた際に中間膜形成用樹脂シートが変形することができるため、透明樹脂積層体中に気泡が生成し、透明樹脂積層体の外観を損なうおそれがある。また、透明樹脂積層体を作製する過程において、透明樹脂シート及びその他の透明樹脂シートに吸湿した水分が放出される際に、透明樹脂積層体中に気泡が生成するおそれがある。弾性率向上のために、EVAは架橋タイプのものを用いるのが好ましい。更に架橋反応は透明樹脂積層体の作製時に架橋反応が進行するのが好ましい。透明樹脂積層体の作製時に架橋反応が進行することで、重ねた各部材の層間に存在する空気は未架橋のEVAの軟化状態で取り除くことができるため、層間の密着性が良く、層間に気泡を含まず外観に優れた透明樹脂積層体を得ることが可能となる。
EVA中のビニルアセテート単位は20〜40重量%単位であることが好ましい。ビニルアセテート単位が20%未満では透明樹脂シート及びその他の透明樹脂シートと中間膜の接着性が低下する傾向にあり、40%を超えると透明樹脂積層体の耐衝撃性が不足することがある。
以下、本発明を実施例により説明する。
[気泡評価]
気泡の評価は、作製した透明樹脂積層体中の透明樹脂シートと中間膜形成用樹脂シートの間に、目視で確認できる直径1mm以下の気泡が、0個の場合を「○」とし、直径1mm以下の気泡が、1〜9個の場合を「△」とし、直径1mm以下の気泡が10個以上、又は直径1mmを超える気泡が1個以上認められる場合を「×」とした。
[外観評価]
外観の評価は、作製した透明樹脂積層体の表面荒れや歪みを透過及び反射による目視で確認し、表面荒れや歪みが認められない場合を「○」とし、表面荒れや歪みが薄く認められる場合を「△」とし、荒れや歪みが濃く認められる場合を「×」とした。
[耐久性評価]
JIS B7753(2007年)に準拠してスガ試験機(株)製サンシャインウェザーメーターS80を用いて、サンシャインカーボンアーク(ウルトラロングライフカーボン4対)光源で放電電圧50V、放電電流60Aに設定して照射し、そのうち1時間あたり12分間表面スプレー(降雨)し、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%の条件下、透明樹脂積層体に対して、5000時間照射処理を行った。ガラスフィルターはAタイプを用いた。
照射試験後、透明樹脂積層体中の気泡、剥離の発生有無を確認し、気泡、剥離の発生がある場合を「○」、気泡、剥離の発生がない場合を「×」とした。
[平均表面粗さ中心線平均粗さ(Ra)の評価]
冶具の中心線平均粗さRaは、表面粗さ計(東京精密社製、商品名サーフコム1500DX−3DF)を使用し、1μmの測定子を用いて測定した(JIS−B0601(‘82))。測定は10回測定し、その平均値を中心線平均粗さRaの値とした。
(実施例1)
厚さ0.45mm、300mm四方サイズの架橋EVA(サンビック社製PV−F4U)を厚さ8mm、300mm四方サイズの2枚のメタクリル樹脂シート(三菱レイヨン社製アクリライトL−001、中心線平均粗さ0.006μm)で挟んで、予備積層体を得た。(工程1)
工程1で得られた予備積層体を2枚のガラス板(厚さ5mm、300mm四方サイズ)で挟持し、予備積層体を得た(工程A)。なお、このガラス板の予備積層体に接触する面の中心線平均粗さ(Ra)は0.004μmであった。
得られた予備積層体を赤外線ヒーター(ヘレウス社製ZKC7000/1700G)を用いて、100℃、30分間加熱し、EVAを軟化させた。(工程2)
次に、EVAを軟化させた予備積層体をニップロールを用いて、線圧12kN/mで圧着し、メタクリル樹脂シートとEVAの境界面に存在する気泡を除去した。(工程3)
続いて、気泡を除去した予備積層体をオートクレーブを用いて、130℃、60分間、圧力0.5MPaの条件下で加熱加圧してEVAを架橋させた(工程4)
更に、EVAを架橋させた予備積層体から2枚のガラス板を外して透明樹脂積層体を得た。(工程5)。得られた透明樹脂積層体は気泡及び歪みは認められず、耐久性も良好であった。
(実施例2)
工程Aを工程2と工程3の間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
工程Aを工程3と工程4の間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
工程4の温度を150℃、時間を30分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
工程Aを工程2と工程3の間に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
工程Aを工程3と工程4の間に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
工程2の温度を70℃、時間を50分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
工程2の温度を120℃、時間を10分、工程4の温度を110℃、時間を180分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
工程4の温度を170℃、時間を10分に変更したこと以外は、実施例8と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例10)
工程2の温度を100℃、時間を20分、工程4の温度を150℃、時間を60分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例11)
工程4の温度を140℃、時間を120分に変更したこと以外は、実施例10と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例12)
透明樹脂シートをポリカーボネート樹脂の組合せ、工程2の時間を50分、工程4の時間を180分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例13)
透明樹脂シートをメタクリル樹脂とポリカーボネート樹脂の組合せに変更したこと以外は、実施例2と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
工程4の時間を5分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は架橋が十分に進行していないため耐久性が悪かった。
(比較例2)
工程2の温度を170℃、時間を10分、工程4の温度を180℃、時間を20分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は気泡除去の前に架橋が進行したため気泡が残存し、表面荒れや歪みが認められ、外観が不良であった。
(比較例3)
工程2の温度を40℃、時間を120分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は軟化が不十分な状態で架橋させたため気泡が残存した。
(比較例4)
工程2の温度を120℃、時間を5分、工程4の温度を100℃、時間を170分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は架橋が十分に進行していないため耐久性が悪かった。
(比較例5)
工程4の温度を70℃、時間を180分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は架橋が十分に進行していないため耐久性が悪かった。
(比較例6)
工程Aを含まない製造工程に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は表面荒れや歪みが認められ、外観が不良であった。
(比較例7)
工程Aを含まない製造工程に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は表面荒れや歪みが認められ、外観が不良であった。
本発明により、透明樹脂積層体を高い生産性で提供することができる。本発明により製造される透明樹脂積層体は、高速道路等で用いられる遮音壁、建造物内の透光板などで好適に用いることができる。
1 中間膜形成用樹脂シート
2A,2B 透明樹脂シート
3A,3B 冶具
4 ヒーター
5 ニップロール
6 搬送装置
7 加熱装置
10 予備積層体
11 冶具で挟まれた(予備)積層体

Claims (15)

  1. 以下の工程1〜5を順に含む透明樹脂積層体の製造方法であって、下記工程Aが工程1〜4のいずれかの工程間に含まれる透明樹脂積層体の製造方法。
    工程1:中間膜形成用樹脂シートを2枚の透明樹脂シートで挟み、予備積層体を得る工程
    工程2:予備積層体の中間膜形成用樹脂シートを軟化させる工程
    工程3:予備積層体中の気泡を除去する工程
    工程4:予備積層体の中間膜形成用樹脂シートを加圧下で架橋させる工程
    工程5:冶具を外す工程
    工程A:予備積層体を2枚の冶具で挟持する工程
  2. 冶具の表面粗さ中心線平均粗さRaが0.20.1μm以下である請求項1に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  3. 冶具の材質がガラス、SUS、アルミニウム、真鍮、ベークライト、木材から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  4. 冶具の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上である請求項1に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  5. 工程Aが工程1と工程2の間に含まれる請求項1記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  6. 工程Aが工程2と工程3の間に含まれる請求項1記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  7. 工程Aが工程3と工程4の間に含まれる請求項1記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  8. 工程2において50℃以上、120℃以下の温度で軟化させる請求項1〜7いずれかに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  9. 工程2において10分以上、60分以下の時間で軟化させる請求項1〜8いずれかに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  10. 工程3においてニップロールを用いた加圧により気泡を除去する請求項1〜9いずれかに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  11. 工程4においてオートクレーブを用いた加圧下で架橋させる請求項1〜10に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  12. 工程4において110℃以上、170℃以下の温度で架橋させる請求項1〜11いずれかに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  13. 工程4において10分以上、180分以下の時間で架橋させる請求項1〜12いずれかに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  14. 透明樹脂シートがメタクリル樹脂シートである請求項1〜13いずれかに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  15. 中間膜形成用樹脂シートがエチレン−ビニルアセテート共重合体である請求項1〜14いずれかに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019044267A1 (ja) * 2017-08-28 2019-03-07 日本ゼオン株式会社 合わせガラス

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