JP2017114028A - 透明樹脂積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術では、中間層であるPVB層内に添加された可塑剤がブリードアウトし、アクリル樹脂板との接着力が低下したり、得られた積層体が白化してしまう等の問題があった。そこで、本発明は、透明樹脂積層体に関し、これまでに使用されている透明樹脂積層体よりも優れた耐候性を有し、且つ透明性、耐衝撃性に優れる透明樹脂積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明者らは、上記実情に鑑み種々の検討を行った結果、透明樹脂シートと中間層との接着強度をある特定の範囲で積層することで従来の透明樹脂積層体が持ち合わせていた透明性、耐衝撃性を失うことなく、耐候性に優れた透明樹脂積層体を得ることが出来る事を見出した。
【選択図】図1
【解決手段】本発明者らは、上記実情に鑑み種々の検討を行った結果、透明樹脂シートと中間層との接着強度をある特定の範囲で積層することで従来の透明樹脂積層体が持ち合わせていた透明性、耐衝撃性を失うことなく、耐候性に優れた透明樹脂積層体を得ることが出来る事を見出した。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車、航空機等の窓用ガラス、建築物の窓ガラス、道路用防音板、鉄道軌道用防音板等に使用される透明性、耐衝撃性、耐候性に優れた透明樹脂積層体に関する。
従来、自動車、航空機等の窓用ガラス、建築物の窓ガラス等には合わせガラスが広く用いられている。その構造は、複数枚の無機ガラス、または有機ガラス即ち合成樹脂板を、中間膜を介して合わせ加工したものであり、耐貫通性や破損したガラスの飛散防止等の機能を有する。
近年、自動車、航空機等の窓用ガラス、建築物の窓ガラス等の合わせガラス、道路用防音板、鉄道軌道用防音板は、軽量化や施工性の観点から、メタクリル樹脂板やポリカーボネート樹脂等の合成樹脂板を用いたものに変更する検討がなされている。
合わせガラスに用いられる中間膜は、ガラス板等との接着性、強度及び透明性等の観点から、エチレン−ビニルアセテート(EVA)や、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタンを主成分とする透明樹脂膜が用いられている。特に、EVA系中間膜は安価であり、優れた耐水性、接着性、透明性を有する点で有用である。
耐貫通性や飛散防止性能を付与する手段として、例えば特許文献1〜3に記載されているように、アクリル又はポリカーボネートからなる合成樹脂板の間にPVB、TPU、EVA等を包含する積層構成が提案されている。
しかしながら、特許文献1の構成では、中間層であるPVB層内に添加された可塑剤がブリードアウトし、アクリル樹脂板との接着力が低下したり、得られた積層体が白化してしまう等の問題があった。
また、特許文献2及び3の構成では、アクリル樹脂板と中間膜の間の接着強度について特に記載がない。
また、特許文献2及び3の構成では、アクリル樹脂板と中間膜の間の接着強度について特に記載がない。
そこで、本発明は、透明樹脂積層体に関し、これまでに使用されている透明樹脂積層体よりも優れた耐候性を有し、且つ透明性、耐衝撃性に優れる透明樹脂積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記実情に鑑み種々の検討を行った結果、透明樹脂シートと中間層との接着強度をある特定の範囲で積層することで従来の透明樹脂積層体が持ち合わせていた透明性、耐衝撃性を失うことなく、耐候性に優れた透明樹脂積層体を得ることが出来る事を見出した。
すなわち本発明は、
[1] 少なくとも2つの透明樹脂シートおよび中間層からなり、中間層を形成する樹脂が、エチレン−ビニルアセテートを含み、前記透明樹脂シートと前記中間層の接着強度が25N/25mm以上50N/25mm以下である、透明樹脂積層体。
[2] 中間層が、材質の異なる層からなる積層体である、[1]に記載の透明樹脂積層体。
[3] 前記積層体が、エチレンビニルアセテート共重合体からなる層と熱可塑性ポリウレタンシートからなる層とを含む、[2]に記載の透明樹脂積層体。
[4] 透明樹脂シートがアクリル樹脂シートである[1]〜[3]のいずれかに記載の透明樹脂積層体。
[1] 少なくとも2つの透明樹脂シートおよび中間層からなり、中間層を形成する樹脂が、エチレン−ビニルアセテートを含み、前記透明樹脂シートと前記中間層の接着強度が25N/25mm以上50N/25mm以下である、透明樹脂積層体。
[2] 中間層が、材質の異なる層からなる積層体である、[1]に記載の透明樹脂積層体。
[3] 前記積層体が、エチレンビニルアセテート共重合体からなる層と熱可塑性ポリウレタンシートからなる層とを含む、[2]に記載の透明樹脂積層体。
[4] 透明樹脂シートがアクリル樹脂シートである[1]〜[3]のいずれかに記載の透明樹脂積層体。
本発明により、耐候性が良好であり、高透明で軽量、且つ耐衝撃性に優れる透明樹脂積層体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いながら説明するが、本発明はこれらの図に限定されるものではない。
図1は、本発明の透明樹脂積層体の実施の形態の一例を示す断面図である。図1の透明樹脂積層体11は、2枚の透明樹脂シート3A、3Bを中間層で接着一体化されたものである。中間層は、EVA層2であり、透明性、接着性、耐候性、遮音性、耐衝撃性が良好である。
図2は、本発明の積層体の好ましい実施の形態の一例を示す断面図である。図2の透明樹脂積層体11は、2枚の透明樹脂シート3A、3Bを中間層10で接着一体化されたものである。中間層10は、EVA層2A、TPU層1及びEVA層2Bをこの順で積層した3層積層膜であり、両方の透明樹脂シート3A、3Bに、EVA層2A、2Bがそれぞれ接している。中間層10は、透明性、耐貫通性や耐衝撃性が良好であるTPU層1と、その欠点(耐候性、接着性)を補うためのEVA層2A、2Bが積層される。得られる積層体は、透明性、接着性、耐候性、遮音性、耐貫通性、耐衝撃性が良好であるだけでなく、さらに厳しい条件(高温高湿)における耐候性にも優れている。
透明樹脂シートと中間層の接着強度が25N/25mm以上50N/25mm以下であることが好ましく、30N/25mm以上45N/25mm以下であることがより好ましく、35N/25mm以上40N/25mm以下であることが更に好ましい。透明樹脂シートと中間層の接着強度が25N/25mm以上50N/25mm以下であると、高温高湿環境下で透明樹脂シートと中間層の間に界面剥離を生じず、耐衝撃試験において透明樹脂積層体が破壊したときに、透明樹脂シートの破片を中間層との接着で保持出来、飛散しないため好ましい。
接着強度が25N/25mm以上とするための方法としては、成形時の成形時間を調整することでも接着強度を変えることができる。また、後述するように中間層にシランカップリング剤接着力調整剤等を加える、中間層の表面処理により透明樹脂シートとの接着性を構造させてもよい。
本発明の透明樹脂積層体の透明樹脂シート3A、3Bにおいて、透明性に優れる樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンブチレート、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂等の樹脂製のシート又はフィルムが挙げられる。
本発明の透明樹脂積層体の中間層10は、加熱溶融によって粘着性を示す樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有することができる。中間層10としては、加熱溶融によって粘着性を示す樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可塑化したポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−ビニルアセテート(EVA)、及び架橋型エチレン−ビニルアセテート(架橋EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シクロオレフィン(COP)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)などから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記PVBやEVA、架橋EVA、TPU、COP、EMMAは、接着後、固化する一般的な接着剤と比較して、接着後も分子鎖の絡み合いによる粘弾性を示す。したがって、これら透明樹脂からなる中間層を挟み込んで一体化させた透明樹脂積層体は、高透明で飛散防止性に優れた性能を示す。
<透明樹脂シート>
本発明の透明樹脂シートとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合体樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等からなるシートが挙げられる。中でも、アクリル樹脂シートは透明性が高く、耐候性に優れ、さらに高剛性であるため好適である。また、ポリカーボネート樹脂シートは、透明性、耐衝撃性、耐燃焼性に優れるため好適である。
本発明の透明樹脂シートとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合体樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等からなるシートが挙げられる。中でも、アクリル樹脂シートは透明性が高く、耐候性に優れ、さらに高剛性であるため好適である。また、ポリカーボネート樹脂シートは、透明性、耐衝撃性、耐燃焼性に優れるため好適である。
透明樹脂シートの表面には、耐摩耗性、耐擦傷性、耐薬品性、耐光性などを高める目的で、アクリル系、シリコーン系、無機粒子系のハードコートなどの表面保護層が設けられていてもよい。また、飛散防止性能をさらに高めるために樹脂フィルムなどを貼ってもよい。
また、透明樹脂シートの表面には、中間層との接着性を制御する目的で、プライマー層が設けられていてもよい。プライマー層としては、中間層の樹脂成分と化学的親和性の高い樹脂組成物や反応性の官能基を有する樹脂組成物を使用することができる。また、コロナ処理やプラズマ処理等により極性基をシート表面に導入してもよい。
透明樹脂シートには、耐候性を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤や成形性を向上させるための可塑剤、熱安定剤、その他、熱線吸収剤、着色剤、装飾層、難燃剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
透明樹脂シートには寸法安定性を向上するために、シリカ微粒子、ガラスフレーク、グラスファイバー、結晶性又は固体のケイ酸塩化合物などの無機化合物を添加することができる。これらの化合物は、透明樹脂シートの組成物の重合の際に添加しても、成形時に添加してもよい。
透明樹脂シートには寸法安定性を向上するために、シリカ微粒子、ガラスフレーク、グラスファイバー、結晶性又は固体のケイ酸塩化合物などの無機化合物を添加することができる。これらの化合物は、透明樹脂シートの組成物の重合の際に添加しても、成形時に添加してもよい。
透明樹脂積層体の厚み、形状、サイズは、用途によって適宜選択されればよく、特に限定されるものではない。また、透明樹脂シートは吸湿性があるため、加熱時に吸着水が気泡となって透明樹脂積層体の透明性や外観を損なうことがあるので、透明樹脂シートを中間層に接着させる前に、80〜125℃で1〜10時間程度乾燥処理することでシート中の水分を除去しておくことが望ましい。
<中間層>
本発明の中間層としては、EVA樹脂シート(EVA層ともいう)を用いるのが好ましい。中間層には、耐候性を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤や熱安定剤、その他、熱線吸収剤、着色剤、装飾層、難燃剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
本発明の中間層としては、EVA樹脂シート(EVA層ともいう)を用いるのが好ましい。中間層には、耐候性を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤や熱安定剤、その他、熱線吸収剤、着色剤、装飾層、難燃剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
中間層には、透明樹脂シートおよびその他の透明樹脂シートとの接着性を制御する目的で、シランカップリング剤などの接着力調整剤が含まれてもよい。また、コロナ処理やプラズマ処理等により極性基をシート表面に導入してもよい。
中間層の80℃における貯蔵弾性率は0.5MPa以上1.0MPa以下であることが好ましく、0.6MPa以上0.9MPa以下がより好ましく、0.7MPa以上0.8MPa以下が更に好ましい。0.5MPa以上1.0MPa以下の場合、高温の環境にさらされても中間層が変形することがないため、透明樹脂積層体中の気泡の生成を抑えることができ、透明樹脂積層体の外観を損なうことがないため、好ましい。
また、透明樹脂積層体を作製する過程において、透明樹脂シートおよびその他の透明樹脂シートに吸湿した水分が放出される際に、透明樹脂積層体中に気泡が生成するおそれがある。弾性率向上のために、EVAは架橋タイプのものを用いるのが好ましい。さらに架橋反応は透明樹脂積層体の作製時に進行するのが好ましい。透明樹脂積層体の作製時に架橋反応が進行することで、重ねた各部材の層間に存在する空気は未架橋のEVAの軟化状態で取り除くことができるため、層間の密着性が良く、層間に気泡を含まない、外観に優れた透明樹脂積層体を得ることが可能となる。
また、透明樹脂積層体を作製する過程において、透明樹脂シートおよびその他の透明樹脂シートに吸湿した水分が放出される際に、透明樹脂積層体中に気泡が生成するおそれがある。弾性率向上のために、EVAは架橋タイプのものを用いるのが好ましい。さらに架橋反応は透明樹脂積層体の作製時に進行するのが好ましい。透明樹脂積層体の作製時に架橋反応が進行することで、重ねた各部材の層間に存在する空気は未架橋のEVAの軟化状態で取り除くことができるため、層間の密着性が良く、層間に気泡を含まない、外観に優れた透明樹脂積層体を得ることが可能となる。
EVA層中のビニルアセテート単位の含有率は20質量%以上40質量%以下であることが好ましく、22質量%以上38質量%以下がより好ましく、24質量%以上36質量%以下が更に好ましい。ビニルアセテート単位が20質量%未満では透明樹脂シートおよびその他の透明樹脂シートと中間層の接着性が低下する傾向にあり、40質量%を超えると透明樹脂積層体の耐衝撃性が不足することがある。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[接着性評価]
透明樹脂シートに貼り合せた中間層の端部を剥がして、つかみ冶具で固定し、180°の方向に試験速度200mm/minで剥がした時の荷重を測定した。中間層の幅は25mmとした。
透明樹脂シートに貼り合せた中間層の端部を剥がして、つかみ冶具で固定し、180°の方向に試験速度200mm/minで剥がした時の荷重を測定した。中間層の幅は25mmとした。
[耐候性評価]
JIS B7753(2007年)に準拠してスガ試験機(株)製サンシャインウェザーメーターS80を用いて、サンシャインカーボンアーク(ウルトラロングライフカーボン4対)光源で放電電圧50V、放電電流60Aに設定して照射し、そのうち1時間あたり12分間表面スプレー(降雨)し、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%の条件下、透明樹脂積層体に対して、5000時間照射処理を行った。ガラスフィルターはAタイプを用いた。
照射試験後、透明樹脂積層体中の気泡、剥離の発生有無を確認し、気泡、剥離の発生がある場合を「○」、気泡、剥離の発生がない場合を「×」とした。
JIS B7753(2007年)に準拠してスガ試験機(株)製サンシャインウェザーメーターS80を用いて、サンシャインカーボンアーク(ウルトラロングライフカーボン4対)光源で放電電圧50V、放電電流60Aに設定して照射し、そのうち1時間あたり12分間表面スプレー(降雨)し、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%の条件下、透明樹脂積層体に対して、5000時間照射処理を行った。ガラスフィルターはAタイプを用いた。
照射試験後、透明樹脂積層体中の気泡、剥離の発生有無を確認し、気泡、剥離の発生がある場合を「○」、気泡、剥離の発生がない場合を「×」とした。
[耐衝撃性評価]
4辺枠で固定した縦1000×横2000mmの透明樹脂積層体を、地面と垂直方向に設置し、その短辺を支柱にボルトを用いて固定した。300kgの鋼球を振り子により、高さ95cmの高さから落下させ、試料の中央部に衝突させた時の、試料の破壊の様子を観察した。なお、荷重には試料と衝突する部分にボルトを取り付けて、応力が集中するようにした。つまりボルトとの接点から試料が破壊するようにした。試料の破片が、透明樹脂積層体の固定箇所から1m以上飛散しなかった場合を「○」、試料の破片が1m以上飛散した場合を「×」とした。
4辺枠で固定した縦1000×横2000mmの透明樹脂積層体を、地面と垂直方向に設置し、その短辺を支柱にボルトを用いて固定した。300kgの鋼球を振り子により、高さ95cmの高さから落下させ、試料の中央部に衝突させた時の、試料の破壊の様子を観察した。なお、荷重には試料と衝突する部分にボルトを取り付けて、応力が集中するようにした。つまりボルトとの接点から試料が破壊するようにした。試料の破片が、透明樹脂積層体の固定箇所から1m以上飛散しなかった場合を「○」、試料の破片が1m以上飛散した場合を「×」とした。
(実施例1)
縦1000×横2000×厚み0.15mmのEVA層(メルセンG7055:東ソー・ニッケミ(株)製)を縦1000×横2000×厚み5mmの80℃で24時間乾燥させた2枚のメタクリル樹脂シート(アクリライトMR−200:三菱レイヨン(株)製)で挟んだ積層体を、2枚のガラス板(縦1000×横2000×厚み5mm)で挟持し、マイクロ波照射装置内に移して真空吸引し、ダイヤフラムゴムシートにより積層体の全面を覆い圧着した。次いで、マイクロ波を0〜100Wの出力で照射し、積層体中のメタクリル樹脂シートの側面温度が70℃となるよう出力調整を行い、70℃に保持した状態で30分間、圧力0.5MPaの条件下で加圧加熱し、メタクリル樹脂シートとEVA層の境界面に存在する気泡を除去しながら、接着した。評価試験結果を表1に示す。
縦1000×横2000×厚み0.15mmのEVA層(メルセンG7055:東ソー・ニッケミ(株)製)を縦1000×横2000×厚み5mmの80℃で24時間乾燥させた2枚のメタクリル樹脂シート(アクリライトMR−200:三菱レイヨン(株)製)で挟んだ積層体を、2枚のガラス板(縦1000×横2000×厚み5mm)で挟持し、マイクロ波照射装置内に移して真空吸引し、ダイヤフラムゴムシートにより積層体の全面を覆い圧着した。次いで、マイクロ波を0〜100Wの出力で照射し、積層体中のメタクリル樹脂シートの側面温度が70℃となるよう出力調整を行い、70℃に保持した状態で30分間、圧力0.5MPaの条件下で加圧加熱し、メタクリル樹脂シートとEVA層の境界面に存在する気泡を除去しながら、接着した。評価試験結果を表1に示す。
(実施例2)
中間層のEVA層の厚みを0.4mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
中間層のEVA層の厚みを0.4mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
中間層を3層構成とし、その中央層に厚み1.0mmのTPU層(ハイグレスTEND50601:シーダム(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
中間層を3層構成とし、その中央層に厚み1.0mmのTPU層(ハイグレスTEND50601:シーダム(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
中間層の中央層を厚み1.0mmのEMMA層(TA270717−171:サンビック(株)製)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
中間層の中央層を厚み1.0mmのEMMA層(TA270717−171:サンビック(株)製)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、透明樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
加工時の保持時間を10分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は接着強度が10N/25mmで接着強度が低いため、耐候性、耐衝撃性が悪かった。
加工時の保持時間を10分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は接着強度が10N/25mmで接着強度が低いため、耐候性、耐衝撃性が悪かった。
(比較例2)
加工時の保持時間を10分間に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は接着強度が23N/25mmで接着強度が低いため、耐候性、耐衝撃性が悪かった。
加工時の保持時間を10分間に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は接着強度が23N/25mmで接着強度が低いため、耐候性、耐衝撃性が悪かった。
(比較例3)
加工時の保持時間を10分間に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は接着強度が20N/25mmで接着強度が低いため、耐候性、耐衝撃性が悪かった。
加工時の保持時間を10分間に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、透明樹脂積層体を得た。得られた透明樹脂積層体は接着強度が20N/25mmで接着強度が低いため、耐候性、耐衝撃性が悪かった。
本発明により、耐候性が良好であり、高透明で軽量、且つ耐衝撃性に優れる透明樹脂積層体を提供することができる。
1 TPU層
2(2A、2B) EVA層
3A、3B 透明樹脂シート
10 中間層
11 透明樹脂積層体
2(2A、2B) EVA層
3A、3B 透明樹脂シート
10 中間層
11 透明樹脂積層体
Claims (4)
- 少なくとも2つの透明樹脂シートおよび中間層からなり、中間層を形成する樹脂が、エチレン−ビニルアセテートを含み、前記透明樹脂シートと前記中間層の接着強度が25N/25mm以上50N/25mm以下である、透明樹脂積層体。
- 中間層が、材質の異なる層からなる積層体である、請求項1に記載の透明樹脂積層体。
- 前記積層体が、エチレンビニルアセテート共重合体からなる層と熱可塑性ポリウレタンシートからなる層とを含む、請求項2に記載の透明樹脂積層体。
- 透明樹脂シートがアクリル樹脂シートである請求項1〜3いずれかに記載の透明樹脂積層体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020130117A1 (ja) * | 2018-12-21 | 2020-06-25 | 積水化学工業株式会社 | 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス |
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2015
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