JP2016016349A - 濾材被覆方法および濾過方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄分を含有する塩酸水溶液からSiO2粒子を濾過する際の濾過性能を向上させることができる濾材被覆方法および濾過方法を提供すること。
【解決手段】珪藻土と水とを混合撹拌して40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成する濾材被覆方法、または、珪藻土と水とを混合撹拌して40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成し、プリコートが形成された濾材を用いて水溶液中に含まれるSiO2粒子を濾過除去する濾過方法。
【選択図】図1
【解決手段】珪藻土と水とを混合撹拌して40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成する濾材被覆方法、または、珪藻土と水とを混合撹拌して40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成し、プリコートが形成された濾材を用いて水溶液中に含まれるSiO2粒子を濾過除去する濾過方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、酸化鉄を製造する際に、原料となる鉄分を含有した塩酸水溶液中のSiO2粒子を濾過除去するための濾材被覆方法および濾過方法に関する。
酸化鉄は、触媒、ハードフェライト、ソフトフェライトの原料として用いられ、鋼帯等の鋼材を酸洗する際に発生する塩酸水溶液を精製、焙焼することによって製造される。鋼材を酸洗する酸洗工程では、鋼材表面の酸化膜を塩酸で酸洗除去する酸洗処理に伴い、鉄分を含有する塩酸水溶液が発生する。発生した塩酸水溶液にはSiO2等の不純物が含まれるため、酸洗工程で用いる酸洗装置には、塩酸水溶液中のSiO2粒子を濾過除去するための、脱珪フィルタと呼ばれる濾過装置が設けられる。濾過装置を通液した塩酸水溶液は、焙焼炉で酸化焙焼されることにより、製品である酸化鉄となる。
濾過装置では、水と珪藻土とを混合させた濾過助剤を予め濾過させることで、濾過装置の濾材上にプリコートを形成する方法が知られている。濾材上に形成されたプリコートは、濾材の目詰まりを防止し、有効濾過面積を増加せるため、濾過性能を向上させることができる。例えば、特許文献1には、プリコートによる濾過性能を向上させる方法として、セルロースアシレート溶液を濾過する際に、SiO2の組成が50%以上からなる濾過助剤を用いる方法が開示されている。
ここで、塩酸水溶液中に含まれるSiO2粒子が製品である酸化鉄に混入している場合、酸化鉄を用いた触媒の劣化やフェライトの性能低下の原因となる。このため、酸化鉄中のSiO2の混入量を低減することが求められている。特に、ソフトフェライト用の酸化鉄においては、SiO2の混入量が厳格となるため、他の用途の酸化鉄よりもSiO2混入量の低いものが求められている。
一方、鋼材中のSiO2含有量が近年増加しているため、酸洗工程において発生する鉄分を含有した塩酸水溶液中のSiO2混入量も増加している。このため、従来の水と珪藻土とを混合させた濾過助剤を用いる濾過方法では、酸化鉄中のSiO2の混入量を厳格な基準まで低減することが困難になってきている。
一方、鋼材中のSiO2含有量が近年増加しているため、酸洗工程において発生する鉄分を含有した塩酸水溶液中のSiO2混入量も増加している。このため、従来の水と珪藻土とを混合させた濾過助剤を用いる濾過方法では、酸化鉄中のSiO2の混入量を厳格な基準まで低減することが困難になってきている。
また、塩酸水溶液中のSiO2粒子の粒度は、0.1μm程度であるため、特許文献1に記載の方法では、濾過精度が低いためにSiO2粒子を濾過することができない。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、鉄分を含有する塩酸水溶液からSiO2粒子を濾過する際の濾過性能を向上させることができる濾材被覆方法および濾過方法を提供することを目的としている。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、鉄分を含有する塩酸水溶液からSiO2粒子を濾過する際の濾過性能を向上させることができる濾材被覆方法および濾過方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る濾材被覆方法は、珪藻土と水とを混合撹拌して40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る濾過方法は、珪藻土と水とを混合撹拌して40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成し、プリコートが形成された濾材を用いて水溶液中に含まれるSiO2粒子を濾過除去することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る濾過方法は、珪藻土と水とを混合撹拌して40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成し、プリコートが形成された濾材を用いて水溶液中に含まれるSiO2粒子を濾過除去することを特徴とする。
本発明に係る濾材被覆方法および濾過方法によれば、鉄分を含有する塩酸水溶液からSiO2粒子を濾過する際の濾過性能を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<装置構成>
図1に示すように、本発明の一実施形態における酸化鉄の製造装置は、酸洗装置1と、脱珪フィルタ2と、焙焼炉3と、珪藻土タンク4と、珪藻土ポンプ5と、濾過助剤搬送ライン6と、濾過助剤循環ライン7とを有する。
酸洗装置1は、鋼材の酸洗工程で用いられる装置であり、塩酸浴槽に鋼材を通板することで、鋼材表面の酸化膜を酸洗除去する。酸洗装置1において酸洗処理に用いられた塩酸水溶液は、脱珪フィルタ2に送られる。このとき、塩酸水溶液には、鉄分が含有され、さらに酸洗処理によって生じたSiO2粒子等の不純物が混入している。
<装置構成>
図1に示すように、本発明の一実施形態における酸化鉄の製造装置は、酸洗装置1と、脱珪フィルタ2と、焙焼炉3と、珪藻土タンク4と、珪藻土ポンプ5と、濾過助剤搬送ライン6と、濾過助剤循環ライン7とを有する。
酸洗装置1は、鋼材の酸洗工程で用いられる装置であり、塩酸浴槽に鋼材を通板することで、鋼材表面の酸化膜を酸洗除去する。酸洗装置1において酸洗処理に用いられた塩酸水溶液は、脱珪フィルタ2に送られる。このとき、塩酸水溶液には、鉄分が含有され、さらに酸洗処理によって生じたSiO2粒子等の不純物が混入している。
脱珪フィルタ2は、濾過装置(例えば、横型リーフフィルタ)であり、塩酸水溶液中を濾過するための濾材(例えば、290dtexの糸を畳織りし、通気度が30〜40cm3/cm2/secであるもの)を有する。脱珪フィルタ2は、酸洗装置1から送られた塩酸水溶液を濾過することで、塩酸水溶液中からSiO2粒子等の不純物を除去する。濾過された塩酸水溶液は、焙焼炉3に送られる。
焙焼炉3は、焙焼法を用いて水溶液を焙焼する装置である。焙焼法には、噴霧焙焼や流動焙焼等の方式が用いられる。焙焼炉3は、脱珪フィルタ2で濾過された塩酸水溶液を焙焼することで、酸化鉄を製造する。
焙焼炉3は、焙焼法を用いて水溶液を焙焼する装置である。焙焼法には、噴霧焙焼や流動焙焼等の方式が用いられる。焙焼炉3は、脱珪フィルタ2で濾過された塩酸水溶液を焙焼することで、酸化鉄を製造する。
珪藻土タンク4は、珪藻土と水とを撹拌混合することで40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製する装置である。本実施形態では、珪藻土と混合させる水に、40℃以上90℃以下の温水を用いる。温水を用いることにより、混合時に珪藻土が均一分散しやすくなり、撹拌時間を短縮することができる。珪藻土タンク4で作製された濾過助剤は、珪藻土ポンプ5によって珪藻土搬送ライン6を介して、脱珪フィルタ2まで送られる。また、濾過助剤が脱珪フィルタ2に送られた後、珪藻土タンク4には、脱珪フィルタ2で濾過された濾過助剤が、濾過助剤循環ライン7を介して送られる。濾過助剤循環ライン7を介して送られ濾過助剤は、珪藻土タンク4から、脱珪フィルタ2へと再度送られる。本発明の一実施形態では、このように、濾過助剤が循環することで、濾過助剤が脱珪フィルタ2に連続して供給される。
なお、40℃以上90℃以下の濾過助剤を得る方法としては、40℃未満の水と珪藻土とを混合させた後に40℃以上90℃以下まで加熱する方法や、40℃未満の水と珪藻土とを混合させる際に加熱も同時に行う方法が用いられてもよい。
なお、40℃以上90℃以下の濾過助剤を得る方法としては、40℃未満の水と珪藻土とを混合させた後に40℃以上90℃以下まで加熱する方法や、40℃未満の水と珪藻土とを混合させる際に加熱も同時に行う方法が用いられてもよい。
<濾過方法>
次に、本発明の一実施形態に係る濾過方法について説明する。まず、珪藻土タンク4にて、珪藻土と温水とを撹拌混合し、濾過助剤を作製する。このとき、40℃以上90℃以下の温水を用いる。次いで、珪藻土ポンプ5を用いて、作成した濾過助剤を脱珪フィルタ2まで送る。さらに、脱珪フィルタ2において、送られた濾過助剤を0.098MPaのフィルタ圧力で120秒間濾過する。なお、脱珪フィルタ2で濾過された濾過助剤は、珪藻土循環ライン7を経て、珪藻土タンク4へと送られ、その後、珪藻土搬送ラインを通じて脱珪フィルタに再び送られる。本実施形態では、上記のように濾過助剤を循環させて120秒間濾過させることにより、濾材上にプリコートを均一に形成する。さらに、濾過助剤の温度を40℃以上90℃以下と従来よりも高い温度とすることにより、濾過助剤の液粘度が低下する。このため、5〜50μmの粒度分布をもつ珪藻土の粒子が濾過助剤の液中で均一に分散し易い状態となり、濾材にプリコートが形成される際に珪藻土の粒子が均一な層を形成することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る濾過方法について説明する。まず、珪藻土タンク4にて、珪藻土と温水とを撹拌混合し、濾過助剤を作製する。このとき、40℃以上90℃以下の温水を用いる。次いで、珪藻土ポンプ5を用いて、作成した濾過助剤を脱珪フィルタ2まで送る。さらに、脱珪フィルタ2において、送られた濾過助剤を0.098MPaのフィルタ圧力で120秒間濾過する。なお、脱珪フィルタ2で濾過された濾過助剤は、珪藻土循環ライン7を経て、珪藻土タンク4へと送られ、その後、珪藻土搬送ラインを通じて脱珪フィルタに再び送られる。本実施形態では、上記のように濾過助剤を循環させて120秒間濾過させることにより、濾材上にプリコートを均一に形成する。さらに、濾過助剤の温度を40℃以上90℃以下と従来よりも高い温度とすることにより、濾過助剤の液粘度が低下する。このため、5〜50μmの粒度分布をもつ珪藻土の粒子が濾過助剤の液中で均一に分散し易い状態となり、濾材にプリコートが形成される際に珪藻土の粒子が均一な層を形成することができる。
濾過助剤の温度が90℃超の場合、水の沸騰現象により、配管途中に空気溜まりが生じたり、ポンプ揚水不良等が生じたりするため、均一にプリコートできない。濾過助剤の温度が40℃未満の場合、脱珪フィルタ出側でのSiO2濃度のばらつきが大きくなるため、濾過効率が低下する。
濾過助剤を脱珪フィルタ2で濾過させた後、酸洗装置1から酸洗処理で使用した鉄分を含有する塩酸水溶液を脱珪フィルタ2に送り、塩酸水溶液を濾過する。このとき、脱珪フィルタ2の濾材の濾面には、均一なプリコートが形成されているため、塩酸水溶液からSiO2粒子等の不純物が効率よく濾過除去される。
次いで、濾過した塩酸水溶液を焙焼炉3まで送り、焙焼炉3にて焙焼処理することにより、酸化鉄が得られる。
濾過助剤を脱珪フィルタ2で濾過させた後、酸洗装置1から酸洗処理で使用した鉄分を含有する塩酸水溶液を脱珪フィルタ2に送り、塩酸水溶液を濾過する。このとき、脱珪フィルタ2の濾材の濾面には、均一なプリコートが形成されているため、塩酸水溶液からSiO2粒子等の不純物が効率よく濾過除去される。
次いで、濾過した塩酸水溶液を焙焼炉3まで送り、焙焼炉3にて焙焼処理することにより、酸化鉄が得られる。
<変形例>
上記実施形態では、脱珪フィルタ2で濾過助剤を濾過する際に、0.098MPaのフィルタ圧力で120秒間循環濾過するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、フィルタ圧力および循環濾過する時間は、所望するプリコートの厚みや各装置の仕様等に応じて適宜最適な値が設定されてもよい。
上記実施形態では、脱珪フィルタ2で濾過助剤を濾過する際に、0.098MPaのフィルタ圧力で120秒間循環濾過するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、フィルタ圧力および循環濾過する時間は、所望するプリコートの厚みや各装置の仕様等に応じて適宜最適な値が設定されてもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一実施形態に係る濾材被覆方法は、珪藻土と40℃以上90℃以下の温水とを混合撹拌して濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成する。
上記構成によれば、40℃以上90℃以下の温水を用いることにより、濾過助剤の液粘度が低下し、濾過助剤の流動性を向上させることができる。このため、珪藻土の粒子が均一に分散したプリコートを形成することができ、珪藻土と40℃未満の水とから作成した濾過助剤を用いた場合に比べ、濾過性能を向上させることができる。また、上記構成によれば、濾過助剤に用いる水の温度を制御するだけで濾材の濾過性能を向上させることができる。このため、濾過性能を向上させるに際して、大規模な設備改造をする必要がなく、また既存の設備についても容易に適用することができる。
(1)本発明の一実施形態に係る濾材被覆方法は、珪藻土と40℃以上90℃以下の温水とを混合撹拌して濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成する。
上記構成によれば、40℃以上90℃以下の温水を用いることにより、濾過助剤の液粘度が低下し、濾過助剤の流動性を向上させることができる。このため、珪藻土の粒子が均一に分散したプリコートを形成することができ、珪藻土と40℃未満の水とから作成した濾過助剤を用いた場合に比べ、濾過性能を向上させることができる。また、上記構成によれば、濾過助剤に用いる水の温度を制御するだけで濾材の濾過性能を向上させることができる。このため、濾過性能を向上させるに際して、大規模な設備改造をする必要がなく、また既存の設備についても容易に適用することができる。
(2)また、本発明の一態様に係る濾過方法は、珪藻土と40℃以上90℃以下の温水とを混合撹拌して濾過助剤を作製し、濾過助剤を濾材で濾過し、濾材の濾面にプリコートを形成し、プリコートが形成された濾材を用いて水溶液中に含まれるSiO2粒子を濾過除去する。
上記構成によれば、(1)の効果に加え、珪藻土と40℃未満の水とから作成した濾過助剤を用いた場合に比べ、鉄分を含有する塩酸水溶液から0.1μm程度のSiO2粒子を濾過する際の濾過性能を向上させることができる。
上記構成によれば、(1)の効果に加え、珪藻土と40℃未満の水とから作成した濾過助剤を用いた場合に比べ、鉄分を含有する塩酸水溶液から0.1μm程度のSiO2粒子を濾過する際の濾過性能を向上させることができる。
次に、本発明者らが行った実施例について説明する。
実施例では、水溶液中における珪藻土粒子の分散性を確認するめにラボテストを行った。まず、実施例では、80℃の温水200mlと、1.0gの珪藻土(平均粒径33.1μm)とを撹拌混合させて80℃の濾過助剤を作製した。次いで、1μmのメンブランフィルタで濾過助剤を濾過し、濾過時間を測定した。なお、比較例として、実施例の80℃の温水の代わりに、5℃の水を用いた濾過助剤を作製し、同様の条件にて濾過時間を測定した。また、実施例および比較例ともに、濾過助剤の作成・濾過および濾過時間の測定を3回ずつ行った。
実施例では、水溶液中における珪藻土粒子の分散性を確認するめにラボテストを行った。まず、実施例では、80℃の温水200mlと、1.0gの珪藻土(平均粒径33.1μm)とを撹拌混合させて80℃の濾過助剤を作製した。次いで、1μmのメンブランフィルタで濾過助剤を濾過し、濾過時間を測定した。なお、比較例として、実施例の80℃の温水の代わりに、5℃の水を用いた濾過助剤を作製し、同様の条件にて濾過時間を測定した。また、実施例および比較例ともに、濾過助剤の作成・濾過および濾過時間の測定を3回ずつ行った。
表1に実施例および比較例での濾過時間の測定結果を示す。表1に示すように、実施例の濾過時間は、比較例の濾過時間の半分以下となり、濾過助剤の液温が高いことで流動性が高くなり、珪藻土粒子の分散性が向上することが確認できた。
次に、本発明者らは、脱珪フィルタの濾過除去効果を確認するため、酸洗工程で発生した鉄分を含有する塩酸水溶液を用いて濾過を行った。実施例では、まず、80℃の温水200mlと、1.0gの珪藻土(平均粒径33.1μm)とを撹拌混合させて80℃の濾過助剤を作製した。次いで、1μmのメンブランフィルタに、濾過助剤を0.098MPaのフィルタ圧力で120秒間循環濾過した。さらに、濾過前の塩酸水溶液中のSiO2濃度[ppm]と、濾過後である脱珪フィルタ出側のSiO2濃度[ppm]をそれぞれ測定した。なお、比較例として、実施例の80℃の温水の代わりに、5℃の水を用いた濾過助剤を作製し、同様の条件にて濾過を行い、SiO2濃度を測定した。また、実施例および比較例ともに、一連の工程による濾過を3回ずつ行った。
表2に実施例および比較例でのSiO2濃度の測定結果を示す。比較例では、脱珪フィルタ出側でのSiO2濃度のばらつきが大きく、濾過効率が悪いことを確認した。これは、濾材上のプリコートが均一に形成されていないためであると考えられる。一方、実施例では、脱珪フィルタ出側でのSiO2濃度を5ppm以下まで濾過除去できることを確認した。
以上の結果から、本発明に係る濾材被覆方法によれば、濾材面に均一にプリコートを形成することができ、濾過性能を向上させることができることを確認した。さらに、0.1μm程度のSiO2粒子を安定して高い濾過性能で除去することができることを確認した。
1 :酸洗装置
2 :脱珪フィルタ
3 :焙焼炉
4 :珪藻土タンク
5 :珪藻土ポンプ
6 :珪藻土搬送ライン
7 :珪藻土循環ライン
2 :脱珪フィルタ
3 :焙焼炉
4 :珪藻土タンク
5 :珪藻土ポンプ
6 :珪藻土搬送ライン
7 :珪藻土循環ライン
Claims (2)
- 珪藻土と水とを混合撹拌して40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製し、
前記濾過助剤を濾材で濾過し、前記濾材の濾面にプリコートを形成することを特徴とする濾材被覆方法。 - 珪藻土と水とを混合撹拌して40℃以上90℃以下の濾過助剤を作製し、
前記濾過助剤を濾材で濾過し、前記濾材の濾面にプリコートを形成し、
前記プリコートが形成された前記濾材を用いて水溶液中に含まれるSiO2粒子を濾過除去することを特徴とする濾過方法。
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JP2014139768A JP2016016349A (ja) | 2014-07-07 | 2014-07-07 | 濾材被覆方法および濾過方法 |
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JP2017210388A (ja) * | 2016-05-25 | 2017-11-30 | Jfeケミカル株式会社 | 塩化第一鉄水溶液の精製方法及び酸化第二鉄の製造方法 |
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JP2002211973A (ja) * | 2001-01-10 | 2002-07-31 | Kawasaki Steel Corp | Ni系フェライト原料用酸化物の製造方法 |
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2014
- 2014-07-07 JP JP2014139768A patent/JP2016016349A/ja active Pending
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