JP2016016347A - 生物学的窒素除去方法 - Google Patents

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【課題】反応器の大幅な変更を伴うことなく、アナモックス菌による効率的な脱窒処理を可能にすることができる生物学的窒素除去方法の提供。
【解決手段】独立栄養性脱窒微生物に接触させて脱窒を行う脱窒工程を有するアンモニア性窒素含有廃水の生物学的窒素除去方法において、脱窒工程で、独立栄養性脱窒微生物を含むグラニュールが形成されている反応器を用い、該反応器の下部側から、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを含有する廃水を流入させて、上向流で通水して該廃水中の窒素を生物学的に除去する際に、反応器内に形成させたグラニュールが、該反応器内の高さの下部側から、少なくとも1/4〜1/2の位置までの範囲内において、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって円周方向に移動するようにして処理を行う生物学的窒素除去方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、生物学的窒素除去方法に関し、より詳しくは、独立栄養性脱窒微生物による嫌気的アンモニア酸化反応よって、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを含有する廃水中から脱窒処理する脱窒工程で、独立栄養性脱窒微生物を含むグラニュールが形成されている反応器を用い、該グラニュールを特有の状態に維持して脱窒処理することで、その効率の向上を達成するアンモニア性窒素含有廃水の生物学的窒素除去方法に関する。
窒素含有廃水の処理を、独立栄養性脱窒微生物(以下、「アナモックス細菌」とも呼ぶ)を利用して浄化処理する技術が知られている。この技術では、亜硝酸型硝化工程で、窒素含有廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)の一部を亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化し、その後に、アナモックス細菌を利用する嫌気的アンモニア酸化反応工程(以下「アナモックス工程」と呼ぶ)を導入しており、従来の硝化脱窒と比較して、曝気量の低減、メタノール等の有機物添加量の削減、余剰汚泥の低減が実現できるとされている(特許文献1)。
廃水処理技術においては、汚泥の自己造粒(自己造粒化したものはグラニュールと呼ばれる形態をとる)を利用したUSB(上向流式スラッジブランケット)や、UASB(上向流式嫌気性スラッジブランケット)等が形成された流動床式水処理装置が開発されており、装置のコンパクト化や、高負荷運転が実現できるとされている。上記したアナモックス細菌においてもグラニュールを形成することが知られており、アナモックス細菌を含むグラニュール汚泥(以下、アナモックスグラニュールとも呼ぶ)を保持する反応槽に上向流で通液してアナモックス工程を行うことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2の図にも記載されているが、USB方式の反応槽(反応器)における底部の内周面は、微生物塊を底部に集積しやすくして、底部から導入される被処理水とグラニュールとの接触効率を高められるようにするため、下細りのテーパー状に形成されている場合も多い。また、効率よく脱窒処理することを目的として、アナモックスグラニュールを流動させながら反応させることについての提案もある(例えば、特許文献3参照)。当該技術では、旋回流を発生させることでアナモックスグラニュールを廃液とともに流動させることについて提案しており、旋回流を発生させる撹拌翼などの撹拌部材としては、アナモックスグラニュールに対する剪断力が小さく、旋回流発生能力の大きいものが望ましいとしている。
また、前記した特許文献2の技術では、アナモックスグラニュールを保持した反応槽で高負荷運転を継続するとグラニュールが肥大化し、グラニュール内部の空洞化が生じ、槽内の上昇水流によりグラニュールが流出しやすいという問題に対し、反応槽内に導入される水にカルシウム化合物を添加することで沈降性のよいグラニュール汚泥を形成するとしている。
特開2003−33784号公報 特開2005−238166号公報 特開2011−251255号公報
しかしながら、上記したような方法で沈降性を高めたとしてもグラニュールを用いる技術では、反応槽内の上向流に伴ってグラニュールがウォッシュアウト(流出)してしまうという問題が避けられなかった。これに対し、上記特許文献3の技術では、グラニュールの流出とともにアナモックス菌が流出するのを抑制するために、液流発生手段よりも上方の領域に、アナモックス菌が付着可能な微生物付着担体を廃液中に配置している。
反応槽内の上向流に伴って生じるグラニュールの流出の問題に対しては、上記したような不織布やゲルを担体として利用してグラニュールの流出を防止する方法の他、反応槽内に固液分離手段や気液分離手段を設けたり、反応槽を2段構成にするといった種々の対策が検討されているが、いずれの場合も反応槽の構造の大幅な変更や別部材の適用を伴う煩雑なものであり、反応槽の構造の大幅な変更を伴うことなく、グラニュールの流出を抑制しながら反応効率を向上させることができれば工業上極めて有用である。
従って、本発明の目的は、特に反応槽(反応器)の構造の大幅な変更を伴うことなく、反応効率を向上させることができる方法を見出し、これによって、アナモックス菌による効率的な脱窒処理を可能にすることができるアンモニア性窒素含有廃水の生物学的窒素除去方法を提供することである。本発明の目的は、有用性が認識されているアナモックス菌を利用しての窒素含有廃水を浄化処理する方法を、より簡易で反応効率のよい安定した処理を可能とした実用化する際に重要な処理技術を提供することである。
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、独立栄養性脱窒微生物に接触させて嫌気的アンモニア酸化反応による脱窒を行う脱窒工程を有するアンモニア性窒素含有廃水の生物学的窒素除去方法において、上記脱窒工程で、独立栄養性脱窒微生物を含むグラニュールが形成されている反応器を用い、該反応器の下部側から、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを含有する廃水を流入させて、上向流で通水して該廃水中の窒素を生物学的に除去する際に、反応器内に形成させたグラニュールが、該反応器内の高さの下部側から、少なくとも1/4〜1/2の位置までの範囲内において、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって円周方向に移動するようにして処理を行うことを特徴とする生物学的窒素除去方法を提供する。
さらに、上記した本発明の生物学的窒素除去方法の好ましい形態としては、下記のことが挙げられる。
前記グラニュールの円周方向への移動速度が、0.1m〜5.0m/分であること;前記グラニュール状態の維持を、反応器の底面と略平行な撹拌用の羽根を、反応器の底面近傍に位置するようにして設け、該羽根の径を反応器の底面の径の0.83〜0.94倍とし、かつ、該羽根の先端周速度が1.5〜10m/分となる条件で撹拌することで行うこと;前記撹拌用の羽根が、反応器の底面に接触することなく、かつ、底面から反応器の径の0.3倍を超えない位置に設けられていること;前記廃水の流入速度を0.5〜5.0m/hrの上向流として、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを含有する廃水を前記グラニュールと接触させること;前記独立栄養性脱窒微生物を含むグラニュールが、その平均粒径が0.4〜1.8mmであり、みかけ比重が1.02〜1.08g/cm3であること;反応器内に炭酸カルシウムを、反応器の容積あたり5〜50kg/m3となる範囲で添加すること;反応器に流入させる廃水のpHを6.4以上とし、反応器の上部側から流出する処理水のpHが9.0以下で、かつ、その水温が23℃以上40℃以下になるように調整するである請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物学的窒素除去方法。
本発明によれば、特に反応槽(反応器)の構造の大幅な変更を伴うことなく、反応効率を向上させることができ、これによって、アナモックス菌によるより効率的で、安定した脱窒処理を可能にすることができる、アナモックス菌を利用しての実用性に優れる生物学的窒素除去方法が提供される。
本発明の生物学的窒素除去方法で使用する反応器の一例の模式的な概略図である。 比較例の生物学的窒素除去方法で使用する反応器の別の一例の模式的な概略図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明の生物学的窒素除去方法は、アナモックス菌に接触させて嫌気的アンモニア酸化反応による脱窒を行う脱窒工程を有するものであって、該脱窒工程で、アナモックス菌を含むグラニュールが形成されている反応器を用い、該反応器の下部側から、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを含有する廃水を流入させて、上向流で通水して該廃水中の窒素を生物学的に除去する際に、反応器内に形成させたアナモックスグラニュールが、該反応器内の高さの下部側から、少なくとも1/4〜1/2の位置までの範囲内において、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって円周方向に移動するようにして処理を行うことを特徴とする。
先に説明したように、アナモックス細菌においてもグラニュールを形成することが知られており、アナモックスグラニュールを保持する反応槽に上向流で通液してアナモックス工程を行うことについての提案はあり、槽内の上昇水流によりグラニュールが流出しやすいという課題についての記載や、これに対する種々の提案もある。また、旋回流発生能力の大きい撹拌翼などの撹拌部材で旋回流を発生させることでアナモックスグラニュールを廃液とともに流動させることで、脱窒処理を効率よくすることについての提案もある。
これに対し、本発明者らは鋭意検討した結果、グラニュールの中でもアナモックスグラニュールは強度が弱く、特に撹拌部材の撹拌速度を上げすぎると、グラニュールが壊れてグラニュールの径が小さくなり、グラニュールの流出の問題が顕著になることがわかった。一方、撹拌部材を用いて旋回流を発生させる際に、グラニュールの流出を防止するために撹拌部材の撹拌速度を小さく設定すると、グラニュール層内の流れが不均一となってアナモックス反応で発生する窒素ガスの抜けが悪く、ガス抜けに伴ってグラニュール層が大きく乱れて流れが不均一となり、ガスに同伴する形でグラニュールの流出が生じるだけでなく、このことがアナモックス菌との反応効率の低下を招き、処理性能が高くとれない大きな要因となっているとの知見を得た。すなわち、反応器中におけるアナモックスグラニュールの状態を、全体が一体となった常に均一な状態に維持させる、換言すれば、アナモックス菌の周囲の環境変化を最小にしつつアナモックス反応をさせるようにすることが、その処理効率を高めるためには必要であるとの認識を持つに至った。
本発明者らは、撹拌部材として、例えば、撹拌用の羽根を用い撹拌しながら処理することは、アナモックスグラニュール内から発生する窒素ガスを除く方法として有用であるが、その場合に、撹拌速度が速すぎるとグラニュールの径が小さくなってしまい、グラニュール流出の問題を生じるために、反応器全体としての処理効率および処理安定性に劣ることを見出した。さらに、グラニュールの径が小さい方がアナモックス菌と廃水との接触率は向上すると考えられるが、驚くことに、アナモックスグラニュールの場合は、形成したグラニュールが一定の粒径を維持してグラニュール全体が一体となっている状態の方が、一定の接触効率を維持しながら生物量の系外流出を防ぐことができ、このような構成とすることで、反応器全体としての脱窒の処理効率を高くできることを見出した。
このため、本発明で規定するように、反応器内において、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって円周方向に移動するようにして処理すれば、発生する窒素ガスをアナモックスグラニュール内から良好な状態で除きつつ、処理効率の向上を達成することができる。その際に、グラニュールの円周方向への移動速度を、例えば、0.1m〜5.0m/分の範囲内となるように制御すれば、より安定に、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって反応器内を移動させることができることがわかった。さらに、グラニュールの流出の問題も考慮すると、反応器内に形成させたグラニュールが、該反応器内の高さの下部側から、少なくとも1/4〜1/2の位置までの範囲内とすることが有効であることを見出した。以下に本発明を構成する各要件について説明する。
<反応器>
本発明で使用する反応器としては、従来より使用されている、グラニュール汚泥を保持する反応槽に上向流で通液して生物学的な浄化処理を行う場合の反応槽を適宜に使用することができる。その底面は、図1に示したような、下細りのテーパー状に形成されているものが好ましいが、底面が平坦な反応器も用いることができる。本発明において重要なことは、反応器内に形成させたグラニュールが、該反応器内の高さの下部側から少なくとも1/4〜1/2の位置にあり、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって反応器内を移動させることであり、アナモックスグラニュールの状態を上記した状態にできれば、反応器の形状等は特に限定されない。
<撹拌>
本発明の方法では、アナモックス菌で廃水を脱窒処理する際に、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって円周方向に移動するように構成することが重要である。このため、上記の状態を実現できれば特に限定されないが、例えば、撹拌部材として、下記に挙げるような撹拌羽根を有するものを用いることが好ましい。本発明では、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体を一体に移動させる必要があるため、例えば、その羽根が、パドル翼やアンカー翼である可変撹拌機を用いることが好ましい。パドル翼は傾斜翼でないものの方が好ましい。その羽根の数も特に限定されず、例えば、2〜4枚のものが好ましい。また、本発明者らの検討によれば、アナモックスグラニュール全体を一体に移動させることを安定に行うためには、その翼が反応器の底面に平行に位置する形状の撹拌部材を用いることが好ましい。
さらに、本発明者らの検討によれば、これらの羽根の径を、反応器の底面の径の0.83〜0.94倍とし、さらに、該羽根の先端周速度が1.5〜10m/分となる条件で撹拌することが好ましいことを確認した。本発明者らの検討によれば、このようにすると、アナモックスグラニュール全体を一体に移動させることをより安定に行うことが可能になる。
また、本発明者らは、撹拌羽根の設置位置によって生じる、アナモックスグラニュール全体を一体に移動させることへの影響を、その代表例として上記の羽根を用いて調べた。その結果、良好なグラニュール状態の維持は、反応器の底面と略平行な撹拌用の羽根を、反応器の底面近傍に位置するようにして設けることが好ましいことがわかった。さらに、その際に、撹拌用の羽根は、当然のことながら反応器の底面に設置しないようにするが、底面から反応器の径の0.3倍を超えない位置、更に好ましくは1〜5cm程度離した底面すれすれの状態で設置することが好ましいことがわかった。より具体的には、例えば、径が34cmの反応器において、撹拌用の羽根を底面から11cm以上離すと、グラニュールが一体とならずに乱れてしまう場合があることを目視で確認した。また、底面から1〜5cm、より好ましくは1cm程度の位置に設置することで、グラニュール全体が一体となって、より安定した状態で移動することを確認した。
<アナモックスグラニュール>
本発明の方法で形成されるアナモックスグラニュールは、その平均粒径が0.4〜1.8mmであり、みかけ比重が1.02〜1.08g/cm3であるものが好ましいが、本発明では、特にこのような形態のグラニュールを壊すことなく、全体を一体に移動させながら被処理廃水と接触させるように構成することが重要である。良好なグラニュールを形成させるためには、反応器内に炭酸カルシウムを、反応器の容積あたり5〜50kg/m3となる範囲で添加することも好ましい形態である。
<被処理廃水>
本発明の生物学的窒素除去方法で行う処理は、アナモックス菌による脱窒処理であるので、反応器に導入する被処理廃水は、その前段で、窒素含有廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)の一部を亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化し、より好適には、アンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を、アナモックス反応が良好に行われる1:1.32(0.43:0.57)に維持したものであることが好ましい。さらに、反応器に流入させる被処理廃水のpHを6.4以上とすることが好ましい。また、反応器の上部側から流出する処理水のpHが9.0以下で、かつ、その水温が23℃以上40℃以下になるように調整することが好ましい。
また、被処理廃水を反応器に導入する際には、その流入速度を0.5〜5.0m/hrの上向流として、より好ましくは2.0〜3.0m/hrの上向流として、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを含有する被処理廃水を前記グラニュールと接触させることが好ましい。このようにすれば、流入されてくる被処理廃水が反応器内に形成したグラニュール状態を壊すことなく、グラニュール状態を維持しつつグラニュールと接触し、グラニュール状態全体が一体となって円周方向に移動しながらの処理がより安定に行われるようになる。
反応器に導入させる被処理廃水の比率を、アナモックス反応が良好に行われるアンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を、1:1.32(0.43:0.57)近傍に維持したものにする方法は特に限定されないが、例えば、下記のようにすれば、好適な比率に調整した被処理廃水の反応器への連続供給が可能になる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
表1に示す組成の人工原水(pH7.2)を被処理水として用い、下記のようにして処理した。
Figure 2016016347
Figure 2016016347
Figure 2016016347
図1に示す試験装置(上向流スラッジブランケット法反応器)を用いて廃水の処理を行った。塩化ビニル製円筒反応器は、直径34cm、直胴部の長さは110cm(容積は約100リットル)、オーバーフロー部の長さは10cmである。反応器内の中央部にある可変撹拌機の回転軸には、テーパーが設けられている反応器の底面の勾配に平行なV字状の、2枚の羽根からなる撹拌パドル翼が設置されている。反応器の底面の勾配に平行な羽根の径は、反応器の底面の径の0.94倍であるものを用いた。この際、撹拌パドル羽は、反応器の底面より1cm(反応器の径の0.03倍)離して設置した。
反応器内のアナモックスグラニュールは、先に記載した人工原水で十分に馴養させてから使用した。グラニュールの初期MLSS(混合液中の活性汚泥量)は、6,000mg/Lに調整した。また、アナモックスグラニュールの性状を調べた結果、その平均粒径が約1.1mmであり、そのみかけ比重が1.04g/cm3であった。
可変撹拌機を稼働させて、羽根の先端周速度が3.0m/分となるように羽根を回転させた。原水タンク中の被処理廃水は、反応器の下部に配置したポンプ(不図示)で、反応器内へと、3.0m/hrの上向流となるようにして4.5L/分の速度で供給した。このような条件で処理されながら、オーバーフロー部まで上昇した処理水はオーバーフローして処理水出口から処理水槽(不図示)に送られて、処理水として排出される。上記のようにして反応器内に形成させたグラニュールは、反応中、反応器内の高さの下部側から1/2の位置までには至っておらず、ほぼ1/4〜1/3までの範囲内に留まっており、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって円周方向に0.1〜5.0m/分の速度で移動していることを確認した。
上記した被処理水の上記装置による処理は、30℃で7日間連続して実施した。表4に、連続処理における容積負荷、窒素除去速度、窒素除去率及びpHを示した。目視により観察した結果、処理開始後は、反応器内のグラニュール層から均一に窒素ガスが発生して、水流の乱れは認められなかった
(比較例)
図2に示す装置を用いて廃水の処理を行った。使用した撹拌羽根の形状を除き実施例1で行ったと同じ条件で処理した。反応器内の回転軸には、図2に示したように、回転軸に対して水平方向に2枚の羽根が延伸した長方形の撹拌パドル翼が設置されているものを用いた。平行な羽根の径は、反応器の底面の径の0.5倍であるものを用いた。そして、実施例1と同様に、可変撹拌機を稼働させて、羽根の先端周速度が3.0m/分となるようにモーターで羽根を回転させた。反応器内のアナモックスグラニュールは、実施例1と同じグラニュールを用い、実施例1と同様に30℃で7日間の連続処理を行った。得られた結果を表4に示した。
上記のようにして反応器内に形成させたグラニュールは、反応中、反応器内の高さの下部側から1/2を超えてその一部は上部に到達しており、また、形成したグラニュール状態を観察したところ、明らかにグラニュール全体が一体となっていなかった。具体的には、処理開始後は、反応器内の中心部付近の水流が早く、グラニュール層が乱れており、窒素ガスの発生が不均一であることが確認された。
Figure 2016016347
表4に示した処理結果から明らかのように、本発明の方法によれば、窒素除去速度が17kg−T−N/m3/dayとなり、比較例と比べて明らかに高負荷処理が可能であった。また、比較例の方法に比べて、本発明の方法を実現した実施例1では、窒素除去速度が1.8倍高いことが分かる。
(実施例2)
実施例1で使用したと同様の反応器と被処理水を用い、羽根の先端周速度を変更して、グラニュールの円周方向への移動速度を0.1m〜5.0m/分の範囲内として、反応器内に形成させたグラニュールの先端が、該反応器内の高さの下部側から、1/4を超えた状態に保持されるようにした場合と、該反応器内の高さの下部側から、1/2を超えない状態に保持されるようにした場合で種々検討を行った。その結果、上記した移動速度の範囲内で制御すれば、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって円周方向に移動することが確認できた。また、この移動速度を1.0m〜4.0m/分、さらには2.0m〜3.0m/分程度とした場合に、より効率のよいアナモックス処理が行えることがわかった。そして、本発明で規定する条件で処理することで、それ以外の条件で処理した場合と比較して、窒素除去速度は明らかに早くなり、その場合のT−N除去率は、少なくとも70%、さらには80%を超えたものになることを確認した。
(実施例3)
被処理水として、遊離アンモニアガス選択性の隔膜式電極を用いたアンモニア測定装置で、並行して、亜硝酸化槽への流入水の遊離アンモニア(NH3)濃度aと、亜硝酸化槽内の硝化液の遊離アンモニア(NH3)濃度b或いは亜硝酸化槽からの流出水の遊離アンモニア(NH3)濃度bとを連続測定し、得られた遊離アンモニア(NH3)濃度の各測定値に基づいてアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度をそれぞれに算出し、上記遊離アンモニア(NH3)濃度aに基づいて算出したアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度をA、上記遊離アンモニア(NH3)濃度bに基づいて算出したアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度をBとした場合に、各時点におけるアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度比B/Aが、0.28〜0.58の範囲内となるように、上記亜硝酸化槽における曝気量を制御装置によって制御しながら連続して処理した実際の原水を用いた。そして、実施例1で使用したと同様の反応器を用い、同様の条件で処理したところ、効率的に安定して、さらに連続して被処理水(原水)中の窒素の除去処理が可能になることを確認した。
本発明によれば、アナモックス工程で発生する窒素ガスがグラニュール層を乱すことなく上手く抜けて、課題であった脱窒反応に伴うグラニュールの浮上流出が有効に防止されて、効率のよい処理が可能になる。本発明の活用例としては、脱窒処理に有効であるとされているものの、実用化が難しかったアナモックス細菌を利用しての生物学的窒素除去方法において、その嫌気的アンモニア酸化反応工程に、高負荷処理が可能であり、設置面積も少なくて済み、装置のコンパクト化が可能な本発明の方法を適用することで、廃水に対する脱窒処理がより効率的で経済的にできるようになることが期待される。さらに、当該嫌気的アンモニア酸化反応工程に導入する被処理廃水について、アンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を好適な範囲に制御しつつ連続的に導入できる技術を組み合わすことで、アナモックス細菌を利用しての生物学的窒素除去方法の工業的利用への可能性がさらに高まる。

Claims (8)

  1. 独立栄養性脱窒微生物に接触させて嫌気的アンモニア酸化反応による脱窒を行う脱窒工程を有するアンモニア性窒素含有廃水の生物学的窒素除去方法において、
    上記脱窒工程で、独立栄養性脱窒微生物を含むグラニュールが形成されている反応器を用い、該反応器の下部側から、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを含有する廃水を流入させて、上向流で通水して該廃水中の窒素を生物学的に除去する際に、反応器内に形成させたグラニュールが、該反応器内の高さの下部側から、少なくとも1/4〜1/2の位置までの範囲内において、形成したグラニュール状態を維持しつつグラニュール全体が一体となって円周方向に移動するようにして処理を行うことを特徴とする生物学的窒素除去方法。
  2. 前記グラニュールの円周方向への移動速度が、0.1m〜5.0m/分である請求項1に記載の生物学的窒素除去方法。
  3. 前記グラニュール状態の維持を、反応器の底面と略平行な撹拌用の羽根を、反応器の底面近傍に位置するようにして設け、該羽根の径を反応器の底面の径の0.83〜0.94倍とし、かつ、該羽根の先端周速度が1.5〜10m/分となる条件で撹拌することで行う請求項1又は2に記載の生物学的窒素除去方法。
  4. 前記撹拌用の羽根が、反応器の底面に接触することなく、かつ、底面から反応器の径の0.3倍を超えない位置に設けられている請求項3に記載の生物学的窒素除去方法。
  5. 前記廃水の流入速度を0.5〜5.0m/hrの上向流として、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを含有する廃水を前記グラニュールと接触させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の生物学的窒素除去方法。
  6. 前記独立栄養性脱窒微生物を含むグラニュールが、その平均粒径が0.4〜1.8mmであり、みかけ比重が1.02〜1.08g/cm3である請求項1〜5のいずれか1項に記載の生物学的窒素除去方法。
  7. 前記反応器内に炭酸カルシウムを、反応器の容積あたり5〜50kg/m3となる範囲で添加する請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物学的窒素除去方法。
  8. 前記反応器に流入させる廃水のpHを6.4以上とし、反応器の上部側から流出する処理水のpHが9.0以下で、かつ、その水温が23℃以上40℃以下になるように調整する請求項1〜7のいずれか1項に記載の生物学的窒素除去方法。
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