JP2018187577A - 窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】嫌気性アンモニア酸化槽の立ち上げを短時間で完了でき、反応槽内の嫌気性アンモニア酸化細菌を系外へ流出させることなく高濃度に保持しながら簡易な設備で安定した脱窒性能を得ることが可能な窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法を提供する。【解決手段】被処理水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素に変換する部分亜硝酸化槽1と、部分亜硝酸化槽1からの処理液中のアンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養性脱窒菌による脱窒反応を行う嫌気性アンモニア酸化槽3とを備える窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法であって、嫌気性アンモニア酸化槽3に、種担体として、脱窒速度が400mg−N/L−担体/h以上である嫌気性アンモニア酸化細菌付着の結合固定化担体を添加して立ち上げ処理を行うことを特徴とする窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、下水消化汚泥の脱水分離液、浸出水、畜産廃液のメタン発酵脱水液、し尿及び浄化槽汚泥の濃縮脱水分離液、食品や化学工場廃液等の窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法に関する。
近年、従来の従属脱窒より省エネである嫌気性アンモニア酸化法が注目されている。本技術はNH4−Nを水素供与体とし、NO2−Nを水素受容体とする独立栄養性微生物を利用し、嫌気状態においてNH4−NとNO2−Nを直接反応させて窒素ガスに変換するため、外部からメタノール等の有機物添加が不要であり、薬品コストが大きく低減するという利点を有する。また、脱窒菌は独立栄養性微生物であるため、汚泥発生量が極めて少ない。
しかしながら、嫌気性アンモニア酸化法はアンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸を水素受容体とした独立栄養細菌を利用する新たな脱窒方法であるゆえに、菌体増殖速度が極めて遅い。このため、立ち上げには長時間が必要となり、所定の脱窒性能を得るためには、予め、嫌気性アンモニア酸化槽に大量の種汚泥を投入する必要がある。
嫌気性アンモニア酸化処理において、反応槽内に菌体を保持するためにUSB方式による処理を行う例、或いは担体充填や固定材に菌体付着させて回収する菌体回収方法が提案されている。例えば、特開2002−346593号公報(特許文献1)には、USB方式を用いて反応槽内に菌体を保持しながら嫌気性アンモニア酸化処理を行う例が記載されている。特開2005−324133号公報(特許文献2)には、嫌気性アンモニア酸化槽の後段に馴養槽を配置し、処理水中の嫌気性アンモニア酸化細菌を馴養槽内の固定化材料に付着させて回収する方法が記載されている。
また、特許第4632178号公報には、嫌気性アンモニア酸化細菌の馴養が済んだ一方の嫌気性アンモニア酸化槽内の嫌気性アンモニア酸化細菌の一部を引き抜き、引き抜いた嫌気性アンモニア酸化細菌を、これから馴養を行う他方の嫌気性アンモニア酸化槽に投入して立ち上げを行う嫌気性アンモニア酸化槽の運転方法が記載されている。
特開2002−346593号公報 特開2005−324133号公報 特許第4632178号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたUSB方式を用いた場合、菌体増殖速度が極めて遅いため、嫌気性アンモニア酸化細菌がグラニュールに付着するまでには約3ヶ月以上必要である。
特許文献2では、嫌気性アンモニア酸化槽の後段に菌体回収槽を設ける方法が提案されているが、この方法では、嫌気性アンモニア酸化槽の後段に更に培養槽を設ける必要があるため、菌体の回収や付着までに時間が必要であるのに加え、装置が大きくなる等の欠点がある。
特許文献3では、実装置での培養を前提としているため、大量の馴養済みアンモニア酸化細菌付着の微生物固定化材料の投入が必要となる。大量の馴養済みアンモニア酸化細菌付着の微生物固定化材料を培養するには時間が必要となるため、全体としては立ち上げ時間が長くなる。また、特許文献3では、馴養済みの嫌気性アンモニア酸化槽中の嫌気性アンモニア酸化細菌を引き抜いて新規に立ち上げを行うことが前提であるため、馴養済みの嫌気性アンモニア酸化槽が存在しない場合や立ち上げ時の処理条件に関してまだ充分な検討がなされていない。
上記課題を鑑み、本発明は、嫌気性アンモニア酸化槽の立ち上げを短時間で完了でき、反応槽内の嫌気性アンモニア酸化細菌を系外へ流出させることなく高濃度に保持しながら簡易な設備で安定した脱窒性能を得ることが可能な窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討した結果、部分亜硝酸化槽と嫌気性アンモニア酸化槽とを備える窒素含有排水処理システムにおいて、種担体として、脱窒速度が400mg−N/L−担体/h以上である嫌気性アンモニア酸化細菌付着の結合固定化担体を添加して立ち上げ処理を行うことで、種担体と同時に投入する未馴養の新品の固定化担体の表面に短時間で嫌気性アンモニア酸化細菌を付着させ、短時間で目標とする脱窒性能が得られることを見いだした。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、被処理水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素に変換する部分亜硝酸化槽と、部分亜硝酸化槽からの処理液中のアンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養性脱窒菌による脱窒反応を行う嫌気性アンモニア酸化槽とを備える窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法であって、嫌気性アンモニア酸化槽に、種担体として、脱窒速度が400mg−N/L−担体/h以上である嫌気性アンモニア酸化細菌付着の結合固定化担体を添加して立ち上げ処理を行う窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法が提供される。
本発明に係る窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法は一実施態様において、嫌気性アンモニア酸化槽内に種担体と未馴養の新品の固定化担体とを添加することを含み、種担体が嫌気性アンモニア酸化槽内の担体総量の5〜50V%となるように添加することを含む。
本発明に係る窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法は別の一実施態様において、立ち上げ処理が、部分亜硝酸化槽の処理液を嫌気性アンモニア酸化槽へ連続通水することを含み、部分亜硝酸化槽の処理液の全窒素濃度負荷が、種担体の脱窒速度の1.05〜1.5倍となるように、部分亜硝酸化槽の処理液の処理水量を調整することを含む。
本発明に係る窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法は更に別の一実施態様において、嫌気性アンモニア酸化槽内を機械撹拌することを含み、撹拌羽の周速が1〜50m/分となるように撹拌速度を調整することを含む。
本発明に係る窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法は更に別の一実施態様において、嫌気性アンモニア酸化槽内で発生する槽内ガスを嫌気性アンモニア酸化槽内に循環させることによりガス撹拌することを含み、ガス撹拌の風量が50〜500L/m2−断面積/分となるように調整することを含む。
本発明に係る窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法は更に別の一実施態様において、結合固体化担体が、嫌気性アンモニア酸化槽内で自由に流動可能な親水性高分子担体材料を含む。
本発明によれば、嫌気性アンモニア酸化槽の立ち上げを短時間で完了でき、反応槽内の嫌気性アンモニア酸化細菌を系外へ流出させることなく高濃度に保持しながら簡易な設備で安定した脱窒性能を得ることが可能な窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法が提供できる。
本発明の実施の形態に係る窒素含有排水処理システムの処理フロー例を示す概略図である。 実施例の嫌気性アンモニア酸化槽の脱窒T−N負荷とT−N除去速度経過を表すグラフである。 比較例の窒素含有排水処理システムの処理フロー例を表す概略図である。 比較例の嫌気性アンモニア酸化槽の脱窒T−N負荷とT−N除去速度経過を表すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の図面の記載においては、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお、以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る窒素含有排水処理システムは、被処理水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素に変換する部分亜硝酸化槽1と、部分亜硝酸化槽1からの処理液中のアンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養性脱窒菌による脱窒反応を行う嫌気性アンモニア酸化槽3とを備える。部分亜硝酸化槽1と嫌気性アンモニア酸化槽3との間には沈澱池2が配置されている。
原水(被処理水)としては、アンモニア性窒素(NH4−N)及び亜硝酸性窒素(NO2−N)を含む窒素含有排水が利用可能である。原水には、アンモニア性窒素及び亜硝酸性窒素以外に、有機物、炭酸塩、その他物質等を含んでいてもよい。
部分亜硝酸化槽1では、原水中に含まれるアンモニア性窒素(NH4−N)の一部を亜硝酸菌の働きにより、亜硝酸性窒素(NO2−N)に変換する部分亜硝酸化処理が行われる。部分亜硝酸化処理では、部分亜硝酸化槽1内にアンモニア酸化細菌を付着固定可能な流動担体を添加することにより、亜硝酸菌としてのアンモニア酸化細菌を安定して部分亜硝酸化槽1内に維持させることができる。担体の材質、形状、大きさ等は、後述する嫌気性アンモニア酸化槽3と同等のものを用いることができる。
部分亜硝酸化槽1で安定的に処理を進めるために、部分亜硝酸化槽1内に浮遊活性汚泥を共存させることが望ましい。浮遊活性汚泥の共存により、部分亜硝酸化槽1に流入する被処理水の水質が変動しても、活性汚泥処理による平均化が可能であるため、アンモニア酸化細菌付着の微生物担体への影響がほとんど無く、安定した亜硝酸化処理が得られる。
浮遊活性汚泥は、被処理水中のBODやCODの分解、SS成分の分解や凝集に用いられる。沈澱池2では亜硝酸化処理液中に含まれる浮遊活性汚泥の固液分離が行われ、固液分離によって得られたSSの少ない清澄な亜硝酸化処理水が嫌気性アンモニア酸化槽3へ送られる。沈澱池2内で沈降分離された汚泥の一部は、返送汚泥として循環ライン4を介して部分亜硝酸化槽1の上流側へ返送され、原水と混合されて、部分亜硝酸化槽1へ供給することが可能である。
嫌気性アンモニア酸化槽3内では、アンモニア性窒素を水素供与体とし亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養性微生物(嫌気性アンモニア酸化細菌)を利用し、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を嫌気性状態において反応させて窒素ガスに変換する嫌気性アンモニア酸化が行われる。嫌気性アンモニア酸化槽3の新規立ち上げ時には、種担体として、脱窒速度が400mg−N/L−担体/h以上である嫌気性アンモニア酸化細菌付着の結合固定化担体と、未馴養の新品の固定化担体とを添加して、立ち上げ処理を行う。
嫌気性アンモニア酸化槽3に投入する種担体の量は、嫌気性アンモニア酸化槽3内に充填される担体総量の5V%以上あれば効果が得られる。種担体量が多いほど、初期の全窒素(T−N)濃度が高く設定でき、立ち上げ期間も短期で済む。種担体量の入手に伴う制約等を考慮すれば、種担体として用いられる嫌気性アンモニア酸化細菌付着の微生物担体は、嫌気性アンモニア酸化槽3内に充填される担体総量の5〜50V%となるように添加することが好ましく、より好ましくは10〜15V%である。
嫌気性アンモニア酸化槽3内に流動させる微生物担体としては、嫌気性アンモニア酸化槽3内での処理経過に伴い、嫌気性アンモニア酸化細菌が徐々に付着する結合固定化担体を用いることが好ましい。「結合固定化担体」とは、主として担体の外表面上に微生物を付着又は成長させる結合固定化法によって、微生物を固定化した担体を意味する。嫌気性アンモニア酸化処理において結合固定化担体を用いることで、基質の微生物への輸送効率が上昇し、反応速度が向上する。固定化担体の外表面上に微生物を付着固定させることにより、反応で発生した窒素ガスを液中に放出し易くなる効果等も得られ、早期に立ち上げ処理を完了させることが可能になる。
種担体及び未馴養の新品の固定化担体としては、嫌気性アンモニア酸化槽内で自由に流動可能な親水性高分子担体材料であることが好ましい。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)やポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリルアミド、光硬化性樹脂等の合成高分子、カラギーナン、アルギン酸ソーダ等の高分子を用いたゲル担体、ポリエチレンやポリウレタン、ポリポロピレン等の担体があげられる。
担体の形状としては球形、四角形、円筒形の何れも使用可能であり、その有効径は、反応槽出口に設けられたスクリーンより安定して分離できる1〜20mmであり、より好ましくは3〜15mm、更に好ましくは3〜10mmが好ましい。担体の表面性状としては、表面に微細孔径を多く有するもの、表面に無数の凹凸を有するものが、嫌気性アンモニア酸化細菌の付着固定が速いために、短期間で高い脱窒性能が得られ、且つ長期間、嫌気性アンモニア酸化細菌を槽内で高濃度に維持できる。
担体の比表面積は200〜30000m2/m3、より好ましくは200〜20000m2/m3、更に好ましくは200〜10000m2/m3あるものが好ましい。担体比重は曝気状態において均一に流動可能となる1.01〜1.15、より好ましくは1.01〜1.10、更に好ましくは1.01〜1.05であるものが好ましい。担体充填量は均一に混合流動可能となる5〜30V%であるのが好ましく、より好ましくは10〜20V%である。
嫌気性アンモニア酸化槽3の撹拌方式は、機械撹拌でもガス撹拌でもいずれでもよい。しかしながら、嫌気性アンモニア酸化細菌等のような自己造粒型の嫌気性微生物は、不定形に自己造粒する微生物であるため、撹拌羽根付近で発生する強い乱流によって、担体に付着した嫌気性アンモニア細菌の一部が剥離を引き起こす場合もある。剥離が生じた嫌気性アンモニア酸化細菌は、大きさが小さく軽いため、嫌気性アンモニア酸化槽3内の対流によって徐々に浮上する結果、槽外への流出が生じやすくなる。
反応槽内の嫌気性アンモニア酸化細菌を系外へ流出させることなく高濃度に保持しながら嫌気性アンモニア酸化槽3を早期に立ち上げるために、嫌気性アンモニア酸化槽3内を機械撹拌する場合においては、撹拌羽の周速が1〜50m/分、より好ましくは1〜10m/分であることが好ましい。
嫌気性アンモニア酸化槽3内をガス撹拌する場合においては、嫌気性アンモニア酸化槽内で発生する槽内ガスを嫌気性アンモニア酸化槽内に循環させることによりガス撹拌し、ガス撹拌の風量が50〜500L/m2−断面積/分、より好ましくは50〜100L/m2−断面積/分となるように風量を調節することが好ましい。
嫌気性アンモニア酸化槽3の立ち上げ運転の開始時に添加される嫌気性アンモニア酸化細菌付着の微生物担体は、脱窒速度が400mg−N/L−担体/h以上であることが好ましく、より好ましくは500〜1000mg−N/L−担体/hである。脱窒速度が400mg−N/L−担体/h以上の微生物担体を用いることによって、担体付着の嫌気性アンモニア酸化細菌の活性が高く、立ち上げ初期のT−N負荷を好適な範囲に設定でき、新品担体に嫌気性酸化細菌をより短期間に付着させることができ、少ない投入量でも短期間で立ち上がるという効果が得られる。
なお、種担体の脱窒速度は、嫌気性アンモニア酸化槽、即ち、反応槽容積当たりの窒素除去速度より求めることができ、以下の式により求めることができる。
担体の脱窒速度=反応槽容積当たりの脱窒速度/担体充填率(%)×100
更に、嫌気性アンモニア酸化槽3の立ち上げ運転時には、嫌気性アンモニア酸化槽へ供給される部分亜硝酸化処理液の全窒素濃度負荷が、嫌気性アンモニア酸化槽へ添加される嫌気性アンモニア酸化細菌付着の結合固定化担体の脱窒速度の1.05〜1.5倍、好ましくは1.1〜1.3倍となるように、処理水量を調整することが好ましい。これにより、約3週間の短期間で全窒素除去速度(T−N除去速度)が開始時の2.5倍以上となり、新品担体表面にも嫌気性アンモニア酸化細菌の付着が認められ、良好な立ち上げ運転が可能となる。
本実施形態では、例えば、嫌気性アンモニア酸化槽3内のT−N除去速度が2kg/m3/日以上を目標値とし、この目標値に達成した時点で立ち上げ運転を完了する。本発明の実施の形態に係る窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法によれば、嫌気性アンモニア酸化槽の立ち上げを短時間で完了でき、反応槽内の嫌気性アンモニア酸化細菌を系外へ流出させることなく高濃度に保持しながら簡易な設備で安定した脱窒性能を得ることが可能となる。
(実施例)
図1の処理フローに従って、原液として消化汚泥脱水ろ液の処理を行った場合の嫌気性アンモニア酸化槽の処理条件を表1に示す。
部分亜硝酸化槽については有効容積5Lとし、流動担体として平均粒径4.2mmのポリエチレングリコール(PEG)ゲル担体を20V%添加した。部分亜硝酸化槽の種汚泥として、硝化脱窒の活性汚泥を槽内MLSSが2500mg/Lとなるように添加して部分亜硝酸化槽の立ち上げを行った。部分亜硝酸化槽のNH4−N負荷が0.5kg/m3/dに到達した時点で亜硝酸化処理水を嫌気性アンモニア酸化槽に連続通水し、嫌気性アンモニア酸化槽の立ち上げを開始した。
嫌気性アンモニア酸化槽には平均粒径4.0mmのポリビニルアルコール(PVA)ゲル担体を新品担体0.9L、種担体として、嫌気性アンモニア酸化細菌付着の結合固定化担体0.1Lを添加した。種担体の脱窒速度は500mg−N/L−担体/hであった。反応槽に対する容積充填率は新品担体で18V%、種担体で2V%とした。嫌気性アンモニア酸化槽に供給する水量としては、投入した新品にも基質が確実に供給されて担体表面に脱窒菌が付着できるように、反応槽T−N除去速度の1.05倍以上となるように設定した。また、脱窒菌付着の種担体の脱窒速度が400mg−N/L−担体/h以上となる担体を投入して立ち上げ処理を行った。
図2に本処理条件で約2ヶ月連続通水した時のT−N負荷とT−N除去速度の経過を示す。嫌気性アンモニア酸化槽の立ち上げ期間中、T−N負荷が0.5kg/m3/d程度に到達するまで反応槽のT−N負荷をT−N除去速度の1.05〜1.09倍とした。その結果、約3週間の短期間でT−N除去速度が0.5kg/m3/d以上に達し、開始時の2.5倍以上となり、新品担体表面にも嫌気性アンモニア酸化細菌の付着が認められた。その後、T−N除去速度の増加が速く、約2ヶ月後にT−N除去速度が目標値の2kg/m3/dに達した。上記のように種担体を用いることにより、約2ヶ月でT−N除去速度が初期の0.2kg/m3/dから2kg/m3/dに達成できた。
(比較例)
図3に、実施例と同じ亜硝酸化槽及び嫌気性アンモニア酸化槽を用いた比較例の処理フローを示す。比較例では嫌気性アンモニア酸化槽の後段に固液分離用の沈澱池5を設け、返送汚泥を循環ライン6を介して嫌気性アンモニア酸化槽3上流側へ返送した。その他は実施例1と同じものを用いた。表2に比較例1での嫌気性アンモニア酸化槽の処理条件を示す。
比較例では、嫌気性アンモニア酸化槽の担体はすべて新品担体を用い、20V%投入した。立ち上げ用の種汚泥としては、実施例1と異なり、浮遊性種汚泥を用い、反応槽MLSS濃度が2,500mg/Lとなるように添加した。他の条件は実施例1と同じとした。
図4には、立ち上げ期間中での嫌気性アンモニア酸化槽のT−N負荷とT−N除去速度の経過を示す。T−N負荷が開始時の0.2kg/m3/dから徐々に増加させたところ、処理経過3週間後もT−N除去速度が0.28kg/m3/dであり、開始時の1.4倍に止まった。担体表面にも脱窒菌の付着が認められなかった。また、反応槽内種汚泥濃度も低下したため、再び同量の種汚泥を再度添加した。その後は、T−N除去速度を見ながら、T−N負荷を徐々に増加した結果、約3ヵ月後にT−N除去速度が目標の2.0kg/m3/dとなった。上記のように種汚泥投入を2回行った場合は、立ち上げ期間も実施例1の1.5倍必要となった。
1…部分亜硝酸化槽
2…沈澱池
4…循環ライン
5…沈澱池
6…循環ライン

Claims (6)

  1. 被処理水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素に変換する部分亜硝酸化槽と、前記部分亜硝酸化槽からの処理液中のアンモニア性窒素を水素供与体、亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養性脱窒菌による脱窒反応を行う嫌気性アンモニア酸化槽とを備える窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法であって、
    前記嫌気性アンモニア酸化槽に、種担体として、脱窒速度が400mg−N/L−担体/h以上である嫌気性アンモニア酸化細菌付着の結合固定化担体を添加して立ち上げ処理を行うことを特徴とする窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法。
  2. 前記嫌気性アンモニア酸化槽内に前記種担体と未馴養の新品の固定化担体とを添加することを含み、前記種担体が前記嫌気性アンモニア酸化槽内の担体総量の5〜50V%となるように添加することを含む請求項1に記載の窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法。
  3. 前記立ち上げ処理が、前記部分亜硝酸化槽の処理液を前記嫌気性アンモニア酸化槽へ連続通水することを含み、前記部分亜硝酸化槽の処理液の全窒素濃度負荷が、前記種担体の脱窒速度の1.05〜1.5倍となるように、前記部分亜硝酸化槽の処理液の処理水量を調整することを含む請求項1又は2に記載の窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法。
  4. 前記嫌気性アンモニア酸化槽内を機械撹拌することを含み、撹拌羽の周速が1〜50m/分となるように撹拌速度を調整することを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法。
  5. 前記嫌気性アンモニア酸化槽内で発生する槽内ガスを前記嫌気性アンモニア酸化槽内に循環させることによりガス撹拌することを含み、前記ガス撹拌の風量が50〜500L/m2−断面積/分となるように調整することを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法。
  6. 前記結合固体化担体が、前記嫌気性アンモニア酸化槽内で自由に流動可能な親水性高分子担体材料を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒素含有排水処理システムの立ち上げ方法。
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