JP2016015452A - ヒューズ機能を備える半導体基板、その製造方法、記録素子基板および液体吐出ヘッド。 - Google Patents

ヒューズ機能を備える半導体基板、その製造方法、記録素子基板および液体吐出ヘッド。 Download PDF

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洋平 小薄
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好一 小俣
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秀男 田村
卓 谷口
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卓 谷口
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勇治 田丸
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亮治 大橋
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Abstract

【課題】ヒューズの溶断を確実に行いつつ、同じ基板上に配備されたインクジェット記録素子からのインクの侵入を回避することが可能な半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】ヒューズ層602の上に積層された第1の絶縁膜603と更にその上に積層された第2の絶縁膜605の間に、ヒューズ層602の溶断部608を囲う領域についてのみ空洞607を介在させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ヒューズ機能を備えた半導体基板の製造方法に関する。
インクジェット方式の液体吐出ヘッドにおいては、ID(Identity)コードやインク吐出特性のような液体吐出ヘッド固有の情報を保持するために、基体にROM(Read Only Memory)を搭載したものがある。
また、特許文献1には、数本のヒューズ素子を基板上に配備し、個々のヒューズの溶断の有無により液体吐出ヘッド固有の情報を保持する構成が開示されている。特許文献1のような構成であれば、1つのヒューズで1ビット分の情報を保持することが出来るので、小容量の情報を簡易な構成で保持する液体吐出ヘッドを低コストに提供することが可能となる。
さらに、特許文献2には、ヒューズ素子を配備した基板の製造方法であって、ヒューズ層の上方に形成される個々の絶縁膜層の上に複数の空洞形成用パターンを形成し、絶縁膜を積層する際に絶縁膜中に空洞を生成する方法が開示されている。上方に空洞が配備された構成においては、ヒューズを溶断する際に加えられるエネルギが上位に積層された絶縁膜に拡散するのを抑えることが出来るので、エネルギが効率的にヒューズに付与され、ヒューズの溶断不良を回避することが可能となる。
特許第3428683号公報 特開2009−4565号公報
しかしながら、特許文献2の構成においては、1つのヒューズの上位に空洞のほか当該空洞を形成するためのアルミなどの金属を材料とした複数の空洞形成パターンが配置されている。よって、ヒューズを溶断した際にヒューズの飛散物が空洞形成パターンと連結し、確実な溶断が実現されない場合があった。また、1つのヒューズの上に複数の空洞と複数の空洞形成パターンが交互に配列しているので、ヒューズの部分によって付与されるエネルギに偏りが生じ、これによっても確実な溶断が実現されない場合があった。
更に、特許文献2では、ヒューズを溶断する際に、当該ヒューズの上位に位置する全ての絶縁膜を破壊している。この場合、インクを吐出する記録素子をヒューズと同じ基板上に形成する構成においては、破壊された部分からインクが侵入し、配線等を腐食させるおそれがあった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。よってその目的とするところは、ヒューズの溶断を確実に行いつつ、同じ基板上に配備されたインクジェット記録素子からのインクの侵入を回避することが可能な半導体基板の製造方法を提供することである。
そのために本発明は、ヒューズ機能を備える半導体基板であって、溶断部を有するヒューズ層に接触して積層された第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜に対し前記ヒューズ層とは反対側の面に配置され、前記溶断部を含む領域を空洞を介して囲うように配置された第2の絶縁膜と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ヒューズの溶断を溶断部の位置で的確に行うことが可能となる。また、ヒューズやこれに直接接触する絶縁膜の破壊物が飛散しても、破壊された領域からのインクの進入を抑え、配線の腐食を回避することができる。
本発明に使用可能なインクジェット記録装置の要部を示した図である。 (a)および(b)は、液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 インクタンク、記録素子基板、電気配線テープの接続状態を示す図である。 記録素子基板の構成を説明するための斜視図である。 記録素子基板の電気的な配線構造を示す平面図である。 ヒューズ素子の1つにおける溶断前の断面図である。 (a)〜(g)は、ヒューズ素子を形成する工程を段階的に説明する図である。 ヒューズ素子領域と駆動回路形成領域の断面図である。 (a)および(b)は、開口部の形成位置の別例を示す上面図である。 2つのヒューズに対し1つの空洞を用意する場合の上面図である。
以下に図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に使用可能なインクジェット記録装置の要部を示した図である。積載された記録媒体108は、オートシートフィーダ132によって1枚ずつY方向に給紙され、搬送ローラ109の回転によって液体吐出ヘッド100および102が記録可能な位置まで搬送される。ブラック用の液体吐出ヘッド100およびカラーインク用の液体吐出ヘッド101は、固定および解放を切り替え可能なヘッドセットレバー106の回動により、キャリッジ102に対して着脱可能になっている。液体吐出ヘッド100および101を搭載したキャリッジ102は、ガイドシャフト103に案内支持されながら図のX方向に往復移動する。この往復移動の最中に液体吐出ヘッド100および101が画像データに従ってインク等の液体を吐出することにより、記録媒体108に1バンド分の画像が記録される。このような記録走査が終了すると搬送ローラ109の回転により、記録媒体108は1バンド分に相当する距離だけY方向に搬送される。以上説明した、液体吐出ヘッド100および102による記録走査と記録媒体108の搬送動作を交互に繰り返すことにより、記録媒体108には段階的に画像が形成されて行く。
図2(a)および(b)は、ブラック用の液体吐出ヘッド100(以下、単に液体吐出ヘッドと言う)の分解斜視図である。カラー用液体吐出ヘッド101についてもほぼ同様の構成を有しているため、ここではブラック用液体吐出ヘッド100について説明する。図2(a)は液体吐出ヘッド100の外部の構成を、図2(b)は内部の構成をそれぞれ示している。
図2(a)を参照する。液体吐出ヘッド100は、主に、インクを保持するインクタンク202、インクタンクから供給されたインクを画像データに従って吐出する記録素子基板200、および記録素子基板200に画像データ信号を送信するための電気配線テープから構成されている。
電気配線部材である電気配線テープ201は、記録素子基板200に対して画像データを送信する電気信号経路を形成するものであり、インクタンク202の外径に沿ってL字型に装着される。L字型の片方の面にはキャリッジ102に配備されたコンタクトピンと接続するための外部入力信号端子209が設けられている。そして、もう片方の面には記録素子基板200を露出するための開口207と記録素子基板200に電気的に接続するための電極端子208が設けられている。外部入力信号端子209と電極端子208は、電気配線テープ201内において、連続した銅箔の配線パターンによって連結されている。
液体吐出ヘッド100を組み立てる際、まず、インクタンク202側に設けられたインク供給口210に記録素子基板200側に設けられたインク供給口が接続するように、記録素子基板200がインクタンク202に配置される。その後、電気配線テープ201の開口207から記録素子基板200が露出するように、電気配線テープ201が位置決めされ接着される。これにより、記録素子基板200側の電極部303と電気配線テープ201側の電極端子208が電気的に接続する。
液体吐出ヘッド100をキャリッジ102に搭載するとき、液体吐出ヘッド100は装着ガイド214を介してキャリッジの所定位置に案内され、キャリッジ102のヘッドセットレバー106の回動によって固定される。この際、インクタンク202に形成されたX方向突き当て部215、Y方向突き当て部216およびZ方向突き当て部216によって液体吐出ヘッド100は位置決めされ、外部入力信号端子209がキャリッジ102上のコンタクトピンと接続する。
図2(b)を参照するに、インクタンク202の内部にはインクを吸収して負圧を発生するためのインク吸収体204が収容され、蓋部材205によってその上部が閉じられている。インク吸収体204が保持するインクはゴミの進入を防ぐためのフィルタ203を介してインク供給口210から記録素子基板200に供給される。
図3は、インクタンク202と、記録素子基板200と、電気配線テープ201の接続状態を説明するための断面図である。本実施形態においては、熱超音波圧着法により電気配線テープ201と記録素子基板200との電気的接続を行い、更に第1の封止剤400および第2の封止剤401を用いて、これら3者を封止している。第1の封止剤400は、主に電気配線テープ201の電極端子208と、記録素子基板200に設けられたバンプ304の接続部の裏面側と記録素子基板200の外周部分を封止している。また、第2の封止剤401は、記録素子基板200のバンプ304との接続部の表側を封止している。これら2段階の封止により、電気接続部分がインクによる腐食や外的衝撃から保護されるようになっている。電気配線テープ201の未接着部は、L字型に折り曲げられインクタンク202の側面に熱カシメもしくは接着等で固定される。このような接着により、インクタンク202側に設けられたインク供給口210と記録素子基板200側に設けられたインク供給口301とが互いにずれることなく連結する。結果、インクタンク202内のインクが確実に記録素子基板200に供給される。
図4は、記録素子基板200の構成を説明するために一部を断面にして示した斜視図である。記録素子基板200は、例えば、厚さ0.5〜1mmのシリコンから成る基板300にインク流路である長溝状の貫通口のインク供給口301がシリコンの結晶方位を利用した異方性エッチングやサンドブラストなどの方法で形成されている。
インク供給口301を挟んだX方向の両側には、インク等の液体を吐出するために利用されるエネルギを発生するエネルギ発生素子であるTaSiN等から成る電気熱変換素子302が1列ずつY方向に所定のピッチで配置されている。これら2列の素子列はY方向に互いに半ピッチずれている。そして、これら複数の電気熱変換素子302のそれぞれには、Alなどから成る不図示の電気配線から電力が供給されるようになっている。これら複数の電気熱変換素子302と電気配線とは成膜技術により形成される。基板300のY方向の両端には、個々の電気熱変換素子302に電圧を印加するための電極部303が配備されており、電極部303上にはAuなどからなるバンプ304が形成されている。
基板300上には、個々の電気熱変換素子302に対応した位置にインク流路305と吐出口306が形成された構造体が配置されている。当該構造体は、樹脂材料からなり、インク流路305や吐出口306はフォトリソ技術によって形成されている。このような構成により、画像データに従い所定の電気熱変換素子302に所定の電圧が印加されると、インク供給口301から導かれた電気熱変換素子302近傍にあるインク中に膜沸騰が起こる。そして、発生した泡の成長エネルギによって対応する吐出口306よりインクが滴として吐出される仕組みになっている。本実施形態においてはエネルギ発生素子として電気熱変化素子302の例を示したが、本発明はこれに限られず例えばピエゾ素子等の液体を吐出するために利用されるエネルギを発生する素子であればあらゆるものが適用可能である。
図5は、本発明の半導体基板となりうる記録素子基板200の電気的な配線構造を示す平面図である。基板300上には、ヒューズ機能や駆動素子機能などを実現するための様々な半導体素子と配線が半導体製造プロセスによって形成されている。本実施形態では、上述した複数の電気熱変換素子302のほか、液体吐出ヘッド100固有の情報を示すためのヒューズ素子500も配備されている。電気熱変換素子302がインク供給口301の長辺に沿うように所定のピッチで配列しているのに対し、ヒューズ素子500はインク供給口301の短辺に隣接する位置に形成されている。
インク供給口301に対して電気熱変換素子302の更に外側には、個々の電気熱変換素子302を駆動するための第1の駆動素子501と、ヒューズ素子500を溶断したり溶断状態を検出したりするための第2の駆動素子502がY方向に連続的に配列している。第1の駆動素子501および第2の駆動素子502は、トランジスタ形態になっている。
インク供給口301に対して第1および第2の駆動素子501、502の更に外側には、シフトレジスタなどより出力された信号線に従ってON/OFFを決定するための選択回路503が、Y方向に連続的に配列している。選択回路503はAND回路であり、同じものが第1の駆動素子501および第2の駆動素子502のそれぞれに対応して配備されている。
VH電源パッド504eから延びるVH電源配線505は個々の電気熱変換素子302に接続し、これらにVH電源を供給している。GNDH電源パッド504fから延びるGNDH電源配線506は、第1の駆動素子501と第2の駆動素子502のそれぞれに接続し、これらにGNDH電源を供給している。
以上の構成により、第1の駆動素子501も第2の駆動素子502も、外部より入力される信号線から、シフトレジスタ、ラッチ回路、デコーダを経由する等しい回路を介して駆動することが出来る。その結果、第1の駆動素子501については、画像データに従ってON/OFFを切り替えることにより、選択された電気熱変換素子302のみが印加され、対応する吐出口306よりインクが吐出される。第2の駆動素子502については、液体吐出ヘッド固有の情報に従ってON/OFFを切り替えることにより、ヒューズ素子500のそれぞれが選択的に溶断される。
図6は、ヒューズ素子500の1つにおける溶断前の断面図である。本実施形態のヒューズ素子500においては、シリコンなどの基板300上に熱酸化膜601が成膜され、さらに上層にヒューズ層602(以下、単にヒューズとも言う)が形成されている。この際、図6の下図に示すように、ヒューズ層602にはY方向中央においてX方向に短い領域が形成され、この領域が結果として溶断部608となる。そして、ヒューズ層602の直上層には第1の絶縁膜603が一様に積層され、この第1の絶縁膜603のヒューズ層602とは反対側の面にヒューズ602の溶断部608を囲うように空洞607を設けた状態で第2の絶縁膜605が形成される。更に、第2の絶縁膜605を覆うように第3の絶縁膜606が積層されている。
図7(a)〜(g)は、図6のようなヒューズ素子500を形成する工程を段階的に説明するための図である。なお、ヒューズ素子500は記録素子基板200の一部に形成された領域であり、製造時には電気熱変換素子302が配備される駆動回路形成領域を含む他の領域も同時進行に形成される。ここでは、図8に示す構成を例に、ヒューズ素子500と駆動回路形成領域を並行して形成する場合について説明する。なお、図8に一例は示しているが、駆動回路形成領域についてはこのような構成および製造工程に限定されるものではない。
図7(a)は第1工程を示す図である。ここでは、基板300上に熱酸化膜601が形成され、更にヒューズ602が形成された状態を示している。本実施形態において、ヒューズ602はポリシリコンからなり約400nmの厚みを有している。この際、下図に示すように、ヒューズ602には溶断部608となるX方向に短い領域が形成されている。本実施形態において、溶断部608はY方向に10μmX方向に1.5μmの大きさを有し、電流を流した際に発熱し溶断されるようになっている。なお、ヒューズ602の材料としては、駆動回路形成領域における電気熱変換素子(ヒータ)やゲート部の構成と同じ材料とすることが出来る。この場合、図8を参照するに、第1工程では、ヒューズ層602と電気熱変換素子(ヒータ)やゲート部の構成を併せて形成することが出来る。なお、ヒューズの材料としてはポリシリコンに限定されるものではなく、アルミを含む合金とすることも出来る。
図7(b)は第2工程である。ここでは、ヒューズ602上を被覆するように第1の絶縁膜603が積層される。具体的には、プラズマCVD法によって、リンを含有する酸化シリコン層が約500nmの厚みでヒューズ602上に形成される。第1の絶縁膜でヒューズ602全体を被覆することにより、ヒューズ溶断の際に印加された電圧エネルギを蓄積し、溶断部608に対し効率的にエネルギを付与することが可能となる。また、この後の工程でエッチング処理などが行われても、ヒューズ602がエッチング液に直接晒されることを防ぐので、ヒューズの抵抗値も維持することが出来る。すなわち、第1の絶縁膜を設けておくことにより、ヒューズ溶断の安定性および確実性を向上させることが出来る。なお、ここでは第1の絶縁膜603の膜厚を約500nmとしたが、300〜1000nmの範囲であれば、上記説明したような好適な効果を得ることは出来る。本実施形態において、第1の絶縁膜603の材料は、駆動回路形成領域における層間絶縁膜の材料と等しくすることが出来、これら構成はこの第2工程で同時に形成することが出来る。
図7(c)は第3工程である。ここでは、ヒューズ602の溶断部608上に犠牲層604が積層される。犠牲層604は、例えばアルミを含む合金からなり、ヒューズ602の領域よりは小さく且つ溶断部608を十分に覆う大きさで、約400nmの厚さで積層される。但し、このような厚みは特に限定されるものではなく、300〜1000nm程度の厚みであれば、本発明の効果は十分に得ることが出来る。本実施形態において、犠牲層604の材料は、駆動回路形成領域における各種配線の材料と等しくすることが出来、この場合これら構成は第3工程で同時に形成することが出来る。
図7(d)は、第4工程である。ここでは、犠牲層604や露出した第1の絶縁膜603を被覆するように第2の絶縁膜605が積層される。具体的には、酸化シリコン層が300〜1000nm程度の厚みで犠牲層604および露出した第1の絶縁膜603上に凸状に形成される。第2の絶縁膜603の材料についても、駆動回路形成領域における層間絶縁膜の材料と等しくすることが出来、これら構成はこの第4工程で同時に形成することが出来る。
図7(e)は第5工程である。ここでは、第4工程で形成した第2の絶縁膜605の一部をエッチングして、犠牲層604を挟む両端部の2箇所に開口部609を形成する。このような第5工程では、駆動回路形成領域の絶縁膜をエッチングする処理を同時に行うことも出来る。
図7(f)は第6工程である。ここでは、第5工程で形成した開口部609を介してウェットエッチングを行い、犠牲層604を除去する。これにより、第1の絶縁膜603と第2の絶縁膜605との間には、空洞607が形成される。
図7(g)は第7工程である。ここでは、凸型の第2の絶縁膜605を被覆するように第3の絶縁膜606が積層される。具体的には、炭素、酸素、窒素の少なくともいずれかと結合したシリコンの層が約400nmの厚みで凸型の第2の絶縁膜605上に形成される。但し、このような厚みは特に限定されるものではなく、200〜600nm程度の厚みであれば、本発明の効果は十分に得ることが出来る。第3の絶縁膜603の材料は、駆動回路形成領域における層間絶縁膜の材料や保護膜と等しくすることが出来、これら構成はこの第7工程で同時に形成することが出来る。第7工程により、2つの開口部609は閉塞され空洞607は外部から遮断され、以上でヒューズ素子500が完成する。
本実施形態のヒューズ素子500によれば、第1の絶縁膜603に覆われたヒューズ602のうち、溶断部608に相当する領域の上方に空洞が配置され、更にその上方に第2の絶縁膜605と第3の絶縁膜606が積層されている。つまり、溶断部608の上方には、特許文献2のように空洞形成用パターンのような金属材料が接続せず空洞607のみが配置されている。よって、ヒューズ602の両端に電圧が印加された際、発生する熱エネルギはヒューズ602以外の領域に分散し難く、幅の短い溶断部608に対し効果的に付与される。結果、ヒューズ602の溶断を溶断部608の位置で的確に行うことが可能となる。
また、ヒューズ602に接触する第1の絶縁膜は、上述したようにヒューズ溶断の際に印加された電圧エネルギを蓄積し、溶断部608に対し効率的にエネルギを付与する役割を果たしている。従って、ヒューズ602が溶断される際には第1の絶縁膜603も破壊される。しかしながら、ヒューズ602や第1の絶縁膜603の破壊物が空洞607に飛散しても、空洞607はこれら飛散を包含するのに十分大きく、その上に位置する第2の絶縁膜605や第3の絶縁膜606が破壊されることは無い。よって、インクが導入される駆動回路形成領域とヒューズ素子500とが、同じ基板上に形成された構成であっても、破壊された領域からインクが進入することは無く、配線の腐食も回避できる。
以下、本発明の他の実施形態について説明する。
(第2の実施形態)
図9(a)および(b)は、第2の絶縁膜605に形成する開口部609の、第1の実施形態とは異なる例を示す上面図である。図9(a)は、溶断部608に対し短手方向の両端部に開口部609を形成した状態を示している。また同図(b)は、長手方向と短手方向の両方の両端部に開口部609を形成した状態を示している。いずれの場合も、開口部609は溶断部608の領域から外れた位置に形成され、形成された複数の開口部を介して溶断部608を被覆する犠牲層604を囲い込むようにエッチング液を流入することが出来る。結果、第1の実施形態と同様、犠牲層604の全体を効果的に除去し、ヒューズ602の溶断部608を囲うように空洞607を設けた状態で第2の絶縁膜605を形成することが出来る。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、1つのヒューズ602に対し1つの空洞607を対応させる形態で説明したが、本発明は複数のヒューズに対し共通した1つの空洞を対応させることも出来る。
図10は、2つのヒューズ602の2つの溶断部608に対し1つの空洞を用意する場合の上面図である。このような状態は、2つのヒューズ602に対し共通する犠牲層を用意し、当該犠牲層を囲うようにエッチング液を流入可能なように空洞を形成すれば、実現することが出来る。本実施形態を採用すれば、第1の実施形態よりも空洞の容積を更に大きくすることが出来るので、溶断部608を溶断する際の効果を更に高めることが期待出来る。
(第4の実施形態)
第1の実施形態では、一例としてヒューズ602の厚みを400nm、空洞すなわち犠牲層604の厚みを400nmとしたが、本実施形態ではヒューズ602の厚み400nmに対して800nmの厚みを有する犠牲層を用いる。これにより、ヒューズ602の厚みの2倍の厚みを有する空洞を形成することが出来る。溶断部608が飛散する程度は、ヒューズやその周辺の膜の材質や厚みのほか、ヒューズに投入されるエネルギ(電圧や電流)など、様々な条件によって変化する。空洞を設けていても、その容積が各種条件に対して不十分であると、十分な飛散が行われず確実な溶断が実現されないおそれが生じる。本実施形態のように、空洞がヒューズの2倍以上の厚みを有していれば、より確実な飛散および溶断を期待することが出来る。
500 ヒューズ素子
602 ヒューズ層
603 第1の絶縁膜
605 第2の絶縁膜
607 空洞

Claims (15)

  1. ヒューズ機能を備える半導体基板であって、
    溶断部を有するヒューズ層に接触して積層された第1の絶縁膜と、
    該第1の絶縁膜に対し前記ヒューズ層とは反対側の面に配置され、前記溶断部を含む領域を空洞を介して囲うように配置された第2の絶縁膜と、
    を備えることを特徴とする半導体基板。
  2. 前記第2の絶縁膜は、複数の前記溶断部を含む領域を共通する前記空洞を介して囲うように配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板。
  3. 前記ヒューズ層はポリシリコンで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体基板。
  4. 前記空洞は前記ヒューズ層の2倍以上の厚みを有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体基板。
  5. インクを滴として吐出させる駆動素子としての機能を更に備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体基板。
  6. ヒューズ機能を備える半導体基板の製造方法であって、
    基板上に溶断部を有するヒューズ層を形成する工程と、
    前記ヒューズ層の上に第1の絶縁膜を積層する工程と、
    前記第1の絶縁膜の前記溶断部を含む領域の上に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層および露出した前記第1の絶縁膜の上に第2の絶縁膜を積層する工程と、
    前記第2の絶縁膜の前記溶断部から外れた領域の一部を除去して開口部を形成する工程と、
    前記開口部を介して前記犠牲層を除去する工程と、
    前記第2の絶縁膜の上に第3の絶縁膜を積層し前記開口部を閉塞する工程と
    を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  7. 前記開口部の複数が、前記溶断部から外れた領域であって前記溶断部を囲うように形成されることを特徴とする請求項6に記載の半導体基板の製造方法。
  8. 前記ヒューズ層はポリシリコンで形成されることを特徴とする請求項6または7に記載の半導体基板の製造方法。
  9. 前記犠牲層はアルミを含む合金で形成されることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
  10. 前記犠牲層は前記ヒューズ層の2倍以上の厚みを有していることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
  11. 前記犠牲層は、複数の前記溶断部を含む領域の上に形成されることを特徴とする請求項6ないし10のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
  12. 液体を吐出するために利用されるエネルギを発生するエネルギ発生素子を備える記録素子基板であって、
    溶断部を有するヒューズ層と、
    前記ヒューズ層に接触して積層された第1の絶縁膜と、
    該第1の絶縁膜に対し前記ヒューズ層とは反対側の面に配置され、前記溶断部を含む領域を空洞を介して囲うように配置された第2の絶縁膜と、
    を備えることを特徴とする記録素子基板。
  13. 前記ヒューズ層はポリシリコンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の記録素子基板。
  14. 前記空洞は前記ヒューズ層の2倍以上の厚みを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の記録素子基板。
  15. 請求項12ないし14のいずれか1項に記載の記録素子基板と、
    前記記録素子基板に信号を送信するための電気配線部材と、
    を備える液体吐出ヘッド。
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