JP2016014294A - 耐力壁フレーム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耐力壁フレームは、隣合う柱2,2に耐力ユニット3の両端を接合してなり、耐力ユニット3は、上下の横桟4,5と、横桟4,5間に介在したせん断力負担部材6とを有し、せん断力負担部材6は、複数本の縦桟11からなり、耐力ユニット3の横桟4,5の両端と柱2とを接合する接合部12A〜12Dのうち、少なくとも1箇所は上下方向を向くボルト9で、少なくとも他の1箇所は横桟4,5の長手方向を向くボルト10で接合する。
【選択図】図2
Description
耐力要素の断面を大きくすれば、幅の広い耐力壁においても適用は可能であるが、耐力壁の両側の柱間の中間に耐力壁フレームが存在するため、耐力壁を配置する外壁面に開口を設けることが難しい。そのため、建物の間取りのプラン上の制約が生じる。
また、はしご形の耐力壁フレームは、建物の軸柱を兼ねるはしごの縦桟と横桟とが接合されているため、大地震等で耐力壁フレームが損傷した場合は、耐力壁フレームの全体を交換する必要がある。
さらに、前記耐力ユニット23は、上下の横桟24,25とこれらを繋ぐせん断力負担部材26とで構成されるため、耐力ユニットを一体の部材で構成するものと異なり、せん断力負担部材26の個数や断面形状の調整、および単純な形状の部材である上下の横桟24,25の長さの調整により、要求される各種の寸法や強度への対応が容易に行える。
前記耐力ユニットの前記上下一対の横桟の両端と前記柱とをそれぞれ前記ボルトで接合する4箇所の接合部のうち、少なくとも1箇所の接合部は上下方向を向くボルトで接合し、少なくとも他の1箇所の接合部は前記横桟の長手方向を向くボルトで接合したことを特徴とする。
また、この耐力壁フレームは、隣合う一対の柱に耐力ユニットの両端をボルトで接合してなる構成のため、耐力ユニットを避けた上下位置に開口を設けることにより、耐力壁フレームでありながら、開口部の形成が可能である。
前記耐力ユニットは、上下に離れた一対の横桟と、これら上下の横桟間に介在したせん断力負担部材とを有する構成であるため、地震等により建物に作用する水平力は、両側の柱耐力ユニットの上下の横桟に伝わるが、これら上下の横桟間に介在したせん断力負担部材により前記水平力が負担され、水平力に抵抗する。また、前記耐力ユニットのせん断力負担部材および上下の横桟、並びに左右の柱からなる耐力壁フレームの全体に応力が分散する。そのため、変形能力が高くてねばり強い架構を構成でき、建物に優れた耐震性能を与えることができる。
上記のようにボルトの引っ張り耐力で荷重を負担するボルト接合部において、それぞれ2本のボルトを用いることで、少ないボルト本数で確実なすべり防止、および確実な接合が行える。
このように各接合金物を設けることで、上下方向を向くボルトおよび長手方向を向くボルトにより、各方向の荷重を引っ張り耐力で負担してすべりを無くす接合構造が、簡素な構成で実現できる。
この構成の場合、上下の各横桟毎に、ボルト接合部における上下方向および長手方向の滑りをそれぞれ両端で抑制できる。
この構成の場合、2本のうちの一方の横桟ではボルト接合部における上下方向の滑りを、他方の横桟では長手方向のすべりを抑制することになる。
前記耐力ユニットの前記せん断力負担部材が複数の縦桟からなるはしご形であると、これら複数の縦桟で分担してせん断力を負担するため、応力が分散され、塑性変形能力が向上して、より一層ねばり強い架構を構成できる。
はしご形の耐力ユニットは、一般的には、縦形として上下の梁間に接続する構成のものとされているが、このように横形に使用することで、耐力壁に、両側の柱2,2間に渡る幅の広い開口部(図示せず)を設けることができ、かつ柱2,2間の幅が広い場合にも適用できる構成としながら、はしご形の利点である応力分散の作用が得られる。
このため、耐力壁フレームにおいて耐力壁の壁面に対して垂直方向に向くボルトで耐力ユニットの端部を柱に接合した従来例(図9)と異なり、ボルト9,10に中ボルトを用いながら、水平力作用時に、左右および上下方向にボルト接合部ですべりが生じることがなく、その耐力試験結果を図8にグラフで示すように、剛性ロスが生じない。なお、図5には、はしご形とした前記耐力ユニット3に作用する曲げモーメントを示している。
2…柱
3…耐力ユニット
4,5…横桟
6…せん断力負担部材
9,10…ボルト
11…縦桟
12A〜12D…接合部
13…接合金物
14a,14b…横桟上下面形成部
15…接合金物
16…端板
Claims (6)
- 隣合う一対の柱に耐力ユニットの両端をボルトで接合してなり、前記耐力ユニットは、上下に離れた一対の横桟と、これら上下の横桟間に介在したせん断力負担部材とを有する耐力壁フレームであって、
前記耐力ユニットの前記上下一対の横桟の両端と前記柱とをそれぞれ前記ボルトで接合する4箇所の接合部のうち、少なくとも1箇所の接合部は上下方向を向くボルトで接合し、少なくとも他の1箇所の接合部は前記横桟の長手方向を向くボルトで接合したことを特徴とする耐力壁フレーム。 - 請求項1に記載の耐力壁フレームにおいて、前記各接合部のうち、上下方向を向くボルトで接合する接合部、および前記横桟の長手方向を向くボルトで接合する接合部は、それぞれ2本のボルトを用いたボルト接合構造とした耐力壁フレーム。
- 請求項1または請求項2に記載の耐力壁フレームにおいて、前記上下方向を向くボルトで接合する接合部は、前記柱の前記耐力ユニット接合側の側面に突出して接合されて前記横桟の上下面にそれぞれ接する上下一対の接合金物と、前記横桟の上下面をそれぞれ構成する横桟上下面形成部とに渡って前記上下方向を向くボルトを貫通させた構造であり、前記横桟の長手方向を向くボルトで接合する接合部は、前記柱の前記耐力ユニット接合側の側面に突出して接合された接合金物と前記横桟に設けられた端板とに渡って前記横桟の長手方向を向くボルトを貫通させた構造である耐力壁フレーム。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の耐力壁フレームにおいて、前記上下の各横桟の一端を前記上下方向を向くボルトで接合し、他端を前記横桟の長手方向を向くボルトで接合した耐力壁フレーム。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の耐力壁フレームにおいて、前記上下一対の横桟のうち上下いずれか一方の横桟の両端を前記上下方向を向くボルトで接合し、他方の横桟の両端を前記横桟の長手方向を向くボルトで接合した耐力壁フレーム。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の耐力壁フレームにおいて、前記耐力ユニットの前記せん断力負担部材が、前記上下の横桟間に長手方向の複数箇所でそれぞれ接合された複数の縦桟である耐力壁フレーム。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2014-07-03 JP JP2014137658A patent/JP6404015B2/ja active Active
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