JP2016012598A - 反射型位相シフトマスクおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、波長が13.5nm近傍のEUVを光源に用いたEUVリソグラフィが提案されている。EUVリソグラフィは光源波長が短く光吸収性が非常に高いため、真空中で行われる必要がある。またEUVの波長領域においては、ほとんどの物質の屈折率は1よりもわずかに小さい値である。このため、EUVリソグラフィにおいては従来から用いられてきた透過型の屈折光学系を使用することができず、反射光学系となる。従って、原版となるフォトマスク(以下、マスクと呼ぶ)も、従来の透過型のマスクは使用できないため、反射型のマスクとする必要がある。
図2は、従来の反射型マスクの構造の例を説明する側断面図である。このような反射型マスクは、基板10の上に、露光光源波長に対して高い反射率を示す多層反射膜20と、露光光源波長を吸収する光吸収膜40とが順次形成されており、更に基板の裏面には露光機内における静電チャックのための裏面導電膜30が形成されている。また、多層反射膜と光吸収膜の間に、反射膜を保護するため保護膜60を有する構造を持つEUVマスクもある。反射形マスクブランクから反射形マスクへ加工する際には、EBリソグラフィとエッチング技術とにより光吸収膜40を部分的に除去し、光吸収部と反射部とからなる回路パターンを形成する。このように作製された反射型マスクによって反射された光像が反射光学系を経て半導体基板上に転写される(図2および非特許文献1参照)。
一方、反射型マスクを用いて半導体基板上に転写回路パターンを形成する際、一枚の半導体基板上には複数の回路パターンのチップが形成される。この場合、ステッパーに反射型マスクを装着し、反射型マスクを経由してウェハーにマスクの反射光を縮小して露光する。このため、反射型マスクでは通常複数個のチップの回路パターンを多面付けして形成し、ステッパーによるステップ回数を減少し、生産性を向上している。このとき、ステッパーで露光し、ステップして次の露光をするときに、その境界で隙間が生じてしまう恐れがある。このため、多面付けされたパターンの外周部は、アロワンスとしてチップの外側までパターンを形成する必要がある。その結果、多面付けされたパターンの外周部が本来露光しないパターンであってもわずかに露光され、特に角部分では4回露光される。光吸収膜上でのEUV光の反射率は、0.5〜2%程度あるために、以上のようにして発生する多重露光によりチップ外周部が感光してしまう問題があった。このため、マスク上のチップ外周部は通常の吸収層よりもEUV光の遮光性の高い(反射率が一層低い)領域(以下、遮光枠と呼ぶ)の必要性が出てきた。
(微細加工の必要性)
また、大規模集積回路の高集積化は、回路を構成する配線パターンの細線化技術を必須のものとして要求する。大規模集積回路のパターン微細化が加速されるのは、その高速動作と低消費電力化のためであり、その最も有効な手段がパターンの微細化だからである。このため、上述の細線化された配線パターンを有するマスクを実現する目的で、より微細なパターンをマスク基板上に形成する必要がある。しかし、図2に示すように、微細なパ
ターンをマスク基板上に形成すると、パターンのアスペクト比(パターンの高さと幅の比)が大きくなってしまう。一般的にパターンのアスペクト比が大きくなると、パターンの一部が倒れたり剥離を起こしてパターン抜けが生じたりすることが起こり、マスク品質が低下する。
ところで、EUVリソグラフィ技術においても、位相シフトマスク法による高解像度化が可能である。図7はハーフトーン型位相シフトマスクの説明図である。遮光膜にハーフトーン膜を用い、前記ハーフトーン膜を透過する光と、そうでない光との間の位相差を180度反転させ、これら2種類の光の間の相殺干渉効果により分解能が向上する。反射型マスクにおいても位相シフトマスクの構造がいくつか提案されている(図3および特許文献1参照)。
基板と、前記基板上に溝を有して形成された反射膜Aと、前記溝に所定の深さまで埋め込まれた光吸収膜と、前記光吸収膜上に所定の膜厚で成膜された反射膜Bによって形成されたマスクパターン部を有することを特徴とする反射型位相シフトマスクである。
前記反射膜A、反射膜Bが、多層反射膜であることを特徴とする請求項1に記載の反射型位相シフトマスクである。
前記反射膜Aが、SiとMoからなる2層膜を1単位とし、積層して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型位相シフトマスクである。
前記マスクパターン部の光吸収膜の膜厚が、露光光源波長を充分吸収するに足る膜厚以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射型位相シフトマスクである。
前記光吸収膜上に形成された反射膜B表面と他の反射膜B表面の段差が、露光光源波長の反射光の位相差を180度反転させるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射型位相シフトマスクである。
前記光吸収膜上に形成される反射膜Bが、SiとMoからなる2層膜を1単位とし、2〜7単位積層して形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射型位相シフトマスクである。
前記マスクパターン部周辺に光吸収膜によって形成された遮光枠を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射型位相シフトマスクであるである。
前記遮光枠を形成する光吸収膜の膜厚が露光光源波長を充分吸収するに足る膜厚以上であることを特徴とする請求項7に記載の反射型位相シフトマスクである。
請求項1〜6のいずれかに記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、少なくとも下記の製造工程を含む構成であることを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法である。
(1)基板の一方側表面から反射膜Aを積層する工程。
(2)反射膜Aの上にレジストを塗布する工程。
(3)レジストをパターニングする工程。
(4)パターニングしたレジストをマスクとして、反射膜Aをエッチングして、反射膜Aに所定のマスクパターンの逆パターンを形成する工程。
(5)レジストを剥離する工程。
(6)パターニングされた反射膜A表面に、光吸収膜を成膜する工程。
(8)成膜された光吸収膜を、反射膜A表面と光吸収膜表面とに、所定の段差が形成されるようにエッチングする工程。
(9)反射膜Aと光吸収膜表面に、所定の膜厚の反射膜Bを成膜する工程。
請求項7または8記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、少なくとも下記の製造工程を含む構成であることを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法である。
(1)基板の一方側表面から反射膜Aを積層する工程。
(2)反射膜Aの上にレジストを塗布する工程。
(3)レジストをパターニングする工程。
(4)パターニングしたレジストをマスクとして、反射膜Aをエッチングして、反射膜A
に所定のマスクパターンの逆パターンを形成する工程。
(5)レジストを剥離する工程。
(6)パターニングされた反射膜A表面に、光吸収膜を成膜する工程。
(7)遮光枠となる部分に、レジストパターンを形成する工程。
(8)成膜された光吸収膜を、反射膜A表面と光吸収膜表面とに、所定の段差が形成されるようにエッチングする工程。
(9)反射膜Aと光吸収膜表面に、所定の膜厚の反射膜Bを成膜する工程。
(10)レジストパターンを剥離することにより、レジストパターン上の多層反射膜をリフトオフする工程。
請求項9または10記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、
基板の一方側表面から多反射膜Aを積層する工程で、積層後さらにもう一方側の表面に裏面導電膜を成膜することを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法である。
請求項9または10記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、
反射膜Aの上にレジストを塗布する工程で、塗布後にレジスト上に導電膜を塗布することを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法である。
請求項9または10記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、
反射膜Aと光吸収膜表面に、所定の膜厚の反射膜Bを成膜する工程で、さらに成膜した反射膜B上に、保護膜を成膜することを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法である。
光波長にて所望の反射率が得られるよう、多層反射膜50を成膜する。さらに多層反射膜50の表面に、保護膜(例えば、スパッタによりRuを膜厚2.5nm)を成膜しても良い。
方法で実施した。
20 多層反射膜
30 裏面導電膜
40 光吸収膜
50 多層反射膜
60 保護膜
70 レジスト
80 レジストパターン
Claims (13)
- 基板と、前記基板上に溝を有して形成された反射膜Aと、前記溝に所定の深さまで埋め込まれた光吸収膜と、前記光吸収膜上に所定の膜厚で成膜された反射膜Bによって形成されたマスクパターン部を有することを特徴とする反射型位相シフトマスク。
- 前記反射膜A、反射膜Bが、多層反射膜であることを特徴とする請求項1に記載の反射型位相シフトマスク。
- 前記反射膜Aが、SiとMoからなる2層膜を1単位とし、積層して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型位相シフトマスク。
- 前記マスクパターン部の光吸収膜の膜厚が、露光光源波長を充分吸収するに足る膜厚以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射型位相シフトマスク。
- 前記光吸収膜上に形成された反射膜B表面と他の反射膜B表面の段差が、露光光源波長の反射光の位相差を180度反転させるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射型位相シフトマスク。
- 前記光吸収膜上に形成される反射膜Bが、SiとMoからなる2層膜を1単位とし、2〜7単位積層して形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射型位相シフトマスク。
- 前記マスクパターン部周辺に光吸収膜によって形成された遮光枠を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射型位相シフトマスクである。
- 前記遮光枠を形成する光吸収膜の膜厚が露光光源波長を充分吸収するに足る膜厚以上であることを特徴とする請求項7に記載の反射型位相シフトマスク。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、少なくとも下記の製造工程を含む構成であることを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法。
(1)基板の一方側表面から反射膜Aを積層する工程。
(2)反射膜Aの上にレジストを塗布する工程。
(3)レジストをパターニングする工程。
(4)パターニングしたレジストをマスクとして、反射膜Aをエッチングして、反射膜Aに所定のマスクパターンの逆パターンを形成する工程。
(5)レジストを剥離する工程。
(6)パターニングされた反射膜A表面に、光吸収膜を成膜する工程。
(8)成膜された光吸収膜を、反射膜A表面と光吸収膜表面とに、所定の段差が形成されるようにエッチングする工程。
(9)反射膜Aと光吸収膜表面に、所定の膜厚の反射膜Bを成膜する工程。 - 請求項7または8記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、少なくとも下記の製造工程を含む構成であることを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法。
(1)基板の一方側表面から反射膜Aを積層する工程。
(2)反射膜Aの上にレジストを塗布する工程。
(3)レジストをパターニングする工程。
(4)パターニングしたレジストをマスクとして、反射膜Aをエッチングして、反射膜Aに所定のマスクパターンの逆パターンを形成する工程。
(5)レジストを剥離する工程。
(6)パターニングされた反射膜A表面に、光吸収膜を成膜する工程。
(7)遮光枠となる部分に、レジストパターンを形成する工程。
(8)成膜された光吸収膜を、反射膜A表面と光吸収膜表面とに、所定の段差が形成されるようにエッチングする工程。
(9)反射膜Aと光吸収膜表面に、所定の膜厚の反射膜Bを成膜する工程。
(10)レジストパターンを剥離することにより、レジストパターン上の多層反射膜をリフトオフする工程。 - 請求項9または10記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、
基板の一方側表面から多反射膜Aを積層する工程で、積層後さらにもう一方側の表面に裏面導電膜を成膜することを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法。 - 請求項9または10記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、
反射膜Aの上にレジストを塗布する工程で、塗布後にレジスト上に導電膜を塗布することを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法。 - 請求項9または10記載の反射型位相シフトマスクの製造方法であって、
反射膜Aと光吸収膜表面に、所定の膜厚の反射膜Bを成膜する工程で、さらに成膜した反射膜B上に、保護膜を成膜することを特徴とする反射型位相シフトマスクの製造方法。
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