以下、本発明にかかる冷暖同時運転型空気調和装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる冷暖同時運転型空気調和装置の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)冷暖同時運転型空気調和装置の構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる冷暖同時運転型空気調和装置1の概略構成図である。冷暖同時運転型空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される装置である。
冷暖同時運転型空気調和装置1は、複数(ここでは、4台)の利用ユニット3a、3b、3c、3dと熱源ユニット2(ここでは、1台)と分岐ユニット4a、4b、4c、4d(ここでは、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応して4台)とが、3つの冷媒連絡管(液冷媒連絡管7、高低圧ガス冷媒連絡管8、低圧ガス冷媒連絡管9)を介して接続されることによって構成されている。すなわち、冷暖同時運転型空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源ユニット2と、利用ユニット3a、3b、3c、3dと、分岐ユニット4a、4b、4c、4dと、冷媒連絡管7、8、9とが接続されることによって構成されている。ここで、液冷媒連絡管7は、熱源ユニット2から引き出される熱源側液冷媒連絡管71と、各利用ユニット3a、3b、3c、3dから引き出される利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dとを有している。高低圧ガス冷媒連絡管8は、熱源ユニット2から引き出される熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81と、各利用ユニット3a、3b、3c、3dから引き出される利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82c、82dとを有している。低圧ガス冷媒連絡管9は、熱源ユニット2から引き出される熱源側低圧ガス冷媒連絡管91と、各利用ユニット3a、3b、3c、3dから引き出される利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82c、82dとを有している。尚、利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82c、82dは、高低圧ガス冷媒連絡管8及び低圧ガス冷媒連絡管9に共通の冷媒管である。また、冷媒回路10には、冷媒として、R32等の特定条件下で発火の可能性がある冷媒(可燃性冷媒)が封入されている。そして、冷暖同時運転型空気調和装置1は、各利用ユニット3a、3b、3c、3dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になっており、暖房運転を行う利用ユニットから冷房運転を行う利用ユニットに冷媒を送ることで利用ユニット間において熱回収を行うこと(ここでは、冷房運転と暖房運転とを同時に行う冷暖同時運転を行うこと)が可能になるように構成されている。しかも、冷暖同時運転型空気調和装置1では、上記の熱回収(冷暖同時運転)も考慮した複数の利用ユニット3a、3b、3c、3d全体の熱負荷に応じて、熱源ユニット2の熱負荷をバランスさせるように構成されている。
<利用ユニット>
利用ユニット3a、3b、3c、3dは、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等、又は、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット3a、3b、3c、3dは、冷媒連絡管7、8、9及び分岐ユニット4a、4b、4c、4dを介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、利用ユニット3a、3b、3c、3dの構成について説明する。尚、利用ユニット3aと利用ユニット3b、3c、3dとは同様の構成であるため、ここでは、利用ユニット3aの構成のみ説明し、利用ユニット3b、3c、3dの構成については、それぞれ、利用ユニット3aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
利用ユニット3aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、利用側冷媒回路13a(利用ユニット3b、3c、3dでは、それぞれ、利用側冷媒回路13b、13c、13d)を有している。利用側冷媒回路13aは、主として、利用側膨張弁51aと、利用側熱交換器52aとを有している。
利用側膨張弁51aは、利用側熱交換器52aを流れる冷媒の流量の調節等を行うために、利用側熱交換器52aの液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。利用側膨張弁51aは、利用側液冷媒連絡管72aに接続される利用側液冷媒管55aに接続されている。
利用側熱交換器52aは、冷媒と室内空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。利用側熱交換器52aのガス側は、利用側ガス冷媒連絡管82aに接続される利用側ガス冷媒管56aに接続されている。ここで、利用ユニット3aは、ユニット内に室内空気を吸入して、熱交換した後に、供給空気として屋内に供給するための室内ファン53aを有しており、室内空気と利用側熱交換器52aを流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室内ファン53aは、室内ファンモータ54aによって駆動される。
また、利用ユニット3aには、各種のセンサが設けられている。具体的には、利用ユニット3aからの冷媒の漏洩を検知する冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57aと、利用側熱交換器52aの液側における冷媒の温度を検出する液側温度センサ58aと、が設けられている。また、利用ユニット3aは、利用ユニット3aを構成する各部51a、54aの動作を制御する利用側制御部50aを有している。そして、利用側制御部50aは、利用ユニット3aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2や分岐ユニット4aとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<熱源ユニット>
熱源ユニット2は、ビル等の屋上等に設置されており、冷媒連絡管7、8、9及び分岐ユニット4a、4b、4c、4dを介して利用ユニット3a、3b、3c、3dに接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、熱源ユニット2の構成について説明する。熱源ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、熱源側冷媒回路12を有している。熱源側冷媒回路12は、主として、圧縮機21と、複数(ここでは、2つ)の熱交切換機構22、23と、複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25と、複数(ここでは、2つ)の熱源側膨張弁26、27と、高低圧切換機構30と、液側閉鎖弁31と、高低圧ガス側閉鎖弁32と、低圧ガス側閉鎖弁33とを有している。
圧縮機21は、ここでは、冷媒を圧縮するための機器であり、例えば、圧縮機モータ28をインバータ制御することで運転容量を可変することが可能なスクロール型等の容積式圧縮機からなる。圧縮機21の吸入側は、熱源側低圧ガス冷媒管37に接続されている。
第1熱交切換機構22は、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続し(図1の第1熱交切換機構22の実線を参照)、第1熱源側熱交換器24を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続するように(図1の第1熱交切換機構22の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。また、第2熱交切換機構23は、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続し(図1の第2熱交切換機構23の実線を参照)、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続するように(図1の第2熱交切換機構23の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。そして、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23の切り換え状態を変更することによって、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25は、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
第1熱源側熱交換器24は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第1熱源側熱交換器24は、そのガス側が第1熱交切換機構22に接続され、その液側が第1熱源側膨張弁26に接続されている。また、第2熱源側熱交換器25は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第2熱源側熱交換器25は、そのガス側が第2熱交切換機構23に接続され、その液側が第2熱源側膨張弁27に接続されている。ここでは、第1熱源側熱交換器24と第2熱源側熱交換器25とが一体の熱源側熱交換器として構成されている。そして、熱源ユニット2は、ユニット内に室外空気を吸入して、熱交換した後に、ユニット外に排出するための室外ファン34を有しており、室外空気と熱源側熱交換器24、25を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室外ファン34は、回転数制御が可能な室外ファンモータ29によって駆動される。
第1熱源側膨張弁26は、第1熱源側熱交換器24を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第1熱源側熱交換器24の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。また、第2熱源側膨張弁27は、第2熱源側熱交換器25を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第2熱源側熱交換器25の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。ここで、熱源側膨張弁26、27は、熱源側熱交換器24、25の液側に接続された熱源側液冷媒管35に設けられている。
高低圧切換機構30は、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送る場合(以下、「放熱負荷運転状態」とする)には、圧縮機21の吐出側と高低圧ガス側閉鎖弁32とを接続し(図1の高低圧切換機構30の破線を参照)、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送らない場合(以下、「蒸発負荷運転状態」とする)には、高低圧ガス側閉鎖弁32と圧縮機21の吸入側とを接続するように(図1の高低圧切換機構30の実線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。ここで、高低圧切換機構30と高低圧ガス側閉鎖弁32との間には、高低圧切換機構30によって、圧縮機21の吐出側又は吸入側への接続を切換可能な熱源側高低圧ガス冷媒管36が接続されている。
液側閉鎖弁31、高低圧ガス側閉鎖弁32及び低圧ガス側閉鎖弁33は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡管7、8及び9)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁31は、熱源側液冷媒管35の液冷媒連絡管7側の末端部に接続されている。そして、熱源側液冷媒管35は、液冷媒連絡管7の熱源側液冷媒連絡管71に接続されている。高低圧ガス側閉鎖弁32は、熱源側高低圧ガス冷媒管36の高低圧ガス冷媒連絡管8側の末端部に接続されている。そして、熱源側高低圧ガス冷媒管36は、高低圧ガス冷媒連絡管8の熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に接続されている。低圧ガス側閉鎖弁33は、熱源側低圧ガス冷媒管37の低圧ガス冷媒連絡管9側の末端部に接続されている。そして、熱源側低圧ガス冷媒管37は、低圧ガス冷媒連絡管9の熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に接続されている。
また、熱源ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、具体的には、圧縮機21の吸入側における冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサ38と、圧縮機21の吐出側における冷媒の圧力を検出する吐出圧力センサ39と、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度を検出する吐出温度センサ40とが設けられている。また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部22、23、26、27、28、29、30の動作を制御する熱源側制御部20を有している。そして、熱源側制御部20は、熱源ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側制御部50a、50b、50c、50dとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<分岐ユニット>
分岐ユニット4a、4b、4c、4dは、ビル等の室内に利用ユニット3a、3b、3c、3dとともに設置されている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dは、冷媒連絡管7、8、9とともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dと熱源ユニット2との間に介在しており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、分岐ユニット4a、4b、4c、4dの構成について説明する。尚、分岐ユニット4aと分岐ユニット4b、4c、4dとは同様の構成であるため、ここでは、分岐ユニット4aの構成のみ説明し、分岐ユニット4b、4c、4dの構成については、それぞれ、分岐ユニット4aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
分岐ユニット4aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、分岐側冷媒回路14a(分岐ユニット4b、4c、4dでは、それぞれ、分岐側冷媒回路14b、14c、14d)を有している。分岐側冷媒回路14aは、主として、液接続管61aと、ガス接続管62aとを有している。
液接続管61aは、その一端が利用ユニット3aに対応する液冷媒連絡管7の利用側液冷媒連絡管72aに接続されており、利用側液冷媒連絡管72a及び利用側液冷媒管55aを介して、利用ユニット3aの利用側膨張弁51aに接続されている。液冷媒管61aの他端は、液冷媒連絡管7の熱源側液冷媒連絡管71に接続されている。ここでは、熱源側液冷媒連絡管71の分岐ユニット側の端部は、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する液冷媒分岐連絡管73a、73b、73c、73dに分岐されている。そして、液冷媒管61aの他端は、液冷媒分岐連絡管73aに接続されており、液冷媒分岐連絡管73aを含む熱源側液冷媒連絡管71、液側閉鎖弁31及び熱源側液冷媒管35を介して、熱源ユニット2の熱源側膨張弁26、27に接続されている。また、ここでは、液接続管61aに、開閉可能な液開閉弁74aが設けられている。ここで、液接続管61aは、分岐ユニット4a、4b、4c、4dを含む熱源側液冷媒連絡管71から利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dまでの液冷媒が流れる液管部分のうち利用ユニット3aに対応する液分岐管部分、すなわち、液冷媒分岐連絡管73a、液接続管61a及び利用側液冷媒連絡管72aまでの液冷媒が流れる液管部分を構成している。このため、液開閉弁74aは、このような液分岐管部分73a、61a、72aに設けられていることになる。そして、後述のように、冷媒の漏洩を冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57aが検知した場合には、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットである利用ユニット3aに対応する液開閉弁74aが閉状態にされる。尚、ここでは、液開閉弁74aとして、開閉のみが可能な電磁弁を採用しているが、開度調節が可能な電動膨張弁を採用してもよい。
ガス接続管62aは、高圧ガス接続管63aと、低圧ガス接続管64aと、高圧ガス接続管63aと低圧ガス接続管64aとを合流させる合流ガス接続管65aと、を有している。
高圧ガス接続管63aは、その一端が合流ガス接続管65aに接続されている。高圧ガス接続管63aの他端は、高低圧ガス冷媒連絡管8の熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に接続されている。ここでは、熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81の分岐ユニット側の端部は、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する高低圧ガス冷媒分岐連絡管83a、83b、83c、83dに分岐されている。そして、高圧ガス接続管63aの他端は、高低圧ガス冷媒分岐連絡管83aに接続されており、高低圧ガス冷媒分岐連絡管83aを含む熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81、高低圧ガス側閉鎖弁32、熱源側高低圧ガス冷媒管36及び高低圧切換機構30を介して、熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側又は吸入側に接続されている。高圧ガス接続管63aには、開閉可能な高圧ガス調節弁66aが設けられている。尚、ここでは、高圧ガス調節弁66aとして、開度調節が可能な電動膨張弁を採用しているが、開閉のみが可能な電磁弁等を採用してもよい。
低圧ガス接続管64aは、その一端が合流ガス接続管65aに接続されている。低圧ガス接続管64aの他端は、低圧ガス冷媒連絡管9の熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に接続されている。ここでは、熱源側低圧ガス冷媒連絡管91の分岐ユニット側の端部は、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する低圧ガス冷媒分岐連絡管93a、93b、93c、93dに分岐されている。そして、低圧ガス接続管64aの他端は、低圧ガス冷媒分岐連絡管93aに接続されており、低圧ガス冷媒分岐連絡管93aを含む熱源側低圧ガス冷媒連絡管91、低圧ガス側閉鎖弁33及び熱源側低圧ガス冷媒管37を介して、熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側に接続されている。低圧ガス接続管64aには、開閉可能な低圧ガス調節弁67aが設けられている。ここでは、低圧ガス調節弁67aとして、開度調節が可能な電動膨張弁を採用しているが、開閉のみが可能な電磁弁等を採用してもよい。
合流ガス接続管65aは、その一端が利用ユニット3aに対応するガス冷媒連絡管8、9に共通の利用側ガス冷媒連絡管82aに接続されており、利用側ガス冷媒連絡管82a及び利用側ガス冷媒管56aを介して、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aのガス側に接続されている。合流ガス接続管65aの他端は、高圧ガス接続管63a及び低圧ガス接続管64aに接続されている。
そして、分岐ユニット4aは、利用ユニット3aが冷房運転を行う際には、低圧ガス調節弁67aを開けた状態にして、熱源側液冷媒連絡管71の液冷媒分岐連絡管73aを通じて液接続管61aに流入する冷媒を、利用側液冷媒連絡管72a、利用側液冷媒管55a及び利用側膨張弁51aを通じて、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって蒸発した冷媒を、利用側ガス冷媒管56a、利用側ガス冷媒連絡管82a、合流ガス接続管65a、低圧ガス調節弁67a及び低圧ガス接続管64aを通じて、熱源側低圧ガス冷媒連絡管91の低圧ガス冷媒分岐連絡管93aに戻すように機能することができる。また、分岐ユニット4aは、利用ユニット3aが暖房運転を行う際には、低圧ガス調節弁67aを閉止し、かつ、高圧ガス調節弁66aを開けた状態にして、熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81の高低圧ガス冷媒分岐連絡管83aを通じて高圧ガス接続管63aに流入する冷媒を、高圧ガス調節弁66a、合流ガス接続管65a、利用側ガス冷媒連絡管82a及び利用側ガス冷媒管56aを通じて、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって放熱した冷媒を、利用側膨張弁51a、利用側液冷媒管55a、利用側液冷媒連絡管72a及び液接続管61aを通じて、熱源側液冷媒連絡管71の液冷媒分岐連絡管73aに戻すように機能することができる。このような機能は、分岐ユニット4aだけでなく、分岐ユニット4b、4c、4dも同様に有しているため、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dは、分岐ユニット4a、4b、4c、4dによって、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
また、分岐ユニット4aは、分岐ユニット4aを構成する各部66a、67a、74aの動作を制御する分岐側制御部60aを有している。そして、分岐側制御部60aは、分岐ユニット60aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3aの利用側制御部50aとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
以上のように、冷暖同時運転型空気調和装置1は、複数(ここでは、4台)の利用ユニット3a、3b、3c、3dと、熱源ユニット2と、熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81と、熱源側低圧ガス冷媒連絡管91と、熱源側液冷媒連絡管71と、利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82c、82dと、利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dと、分岐ユニット4a、4b、4c、4dと、を有している。ここで、利用ユニット3a、3b、3c、3dは、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dと、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dと、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dのガス側に接続される利用側ガス冷媒管56a、56b、56c、56dと、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dに接続される利用側液冷媒管55a、55b、55c、55dと、を有している。熱源ユニット2は、圧縮機21と、熱源側熱交換器24、25と、圧縮機21の吐出側又は吸入側への接続を切換可能な熱源側高低圧ガス冷媒管36と、圧縮機21の吸入側に接続される熱源側低圧ガス冷媒管37と、熱源側熱交換器24、25の液側に接続される熱源側液冷媒管35と、を有している。熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81は、熱源側高低圧ガス冷媒管36に接続されており、熱源ユニット2から引き出される冷媒管である。熱源側低圧ガス冷媒連絡管91は、熱源側低圧ガス冷媒管37に接続されており、熱源ユニット2から引き出される冷媒管である。熱源側液冷媒連絡管71は、熱源側液冷媒管35に接続されており、熱源ユニット2から引き出される冷媒管である。利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82c、82dは、利用側ガス冷媒管56a、56b、56c、56dに接続されており、各利用ユニット3a、3b、3c、3dから引き出される冷媒管である。利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dは、利用側液冷媒管55a、55b、55c、55dに接続されており、各利用ユニット3a、3b、3c、3dから引き出される冷媒管である。分岐ユニット4a、4b、4c、4dは、各利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82c、82d及び各利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dを熱源側高低圧ガス冷媒連絡管36、熱源側低圧ガス冷媒連絡管37及び熱源側液冷媒連絡管35に接続しており、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66d及び低圧ガス調節弁67a、67b、67c、67dを有している。ここでは、冷媒の漏洩を検知する冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57a、57b、57c、57dを設け、分岐ユニット4a、4b、4c、4dを含む熱源側液冷媒連絡管71から利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dまでの液冷媒が流れる液管部分のうち各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する液分岐管部分に液開閉弁74a、74b、74c、74dを設けている。
(2)冷暖同時運転型空気調和装置の動作
次に、冷暖同時運転型空気調和装置1の動作について、図2〜図5を用いて説明する。
冷暖同時運転型空気調和装置1の冷凍サイクル運転は、主として、冷房運転と、暖房運転と、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)と、冷暖同時運転(放熱負荷主体)とに分けることができる。ここで、冷房運転は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる冷凍サイクル運転である。暖房運転は、暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる冷凍サイクル運転である。冷暖同時運転(蒸発負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が蒸発負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる冷凍サイクル運転である。冷暖同時運転(放熱負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が放熱負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる冷凍サイクル運転である。
尚、これらの冷凍サイクル運転を含む冷暖同時運転型空気調和装置1の動作は、上記の制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。
<冷房運転>
冷房運転の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の放熱器として機能する際、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10は、図2に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図2の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図2の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を放熱運転状態(図2の第2熱交切換機構23の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を蒸発負荷運転状態(図2の高低圧切換機構30の実線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側膨張弁26、27は、開度調節されている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、液開閉弁74a、74b、74c、74d、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66d、及び、低圧ガス調節弁67a、67b、67c、67dを開状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが高低圧ガス冷媒連絡管8及び低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、熱交切換機構22、23を通じて、熱源側熱交換器24、25の両方に送られる。熱源側熱交換器24、25に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。熱源側熱交換器24、25において放熱した冷媒は、熱源側膨張弁26、27において流量調節された後、熱源側液冷媒管35に送られて、液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7の熱源側液冷媒連絡管71に送られる。
そして、熱源側液冷媒連絡管71に送られた冷媒は、液冷媒連絡管7の4つの液冷媒分岐連絡管73a、73b、73c、73dに分岐されて、各分岐ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、液開閉弁74a、74b、74c、74d及び液冷媒連絡管7の利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dを通じて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側液冷媒管55a、55b、55c、55dに送られる。
そして、利用側液冷媒管55a、55b、55c、55dに送られた冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dに送られる。利用側膨張弁51a、51b、51c、51dに送られた冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて蒸発した低圧のガス冷媒は、利用側ガス冷媒管56a、56b、56c、56dを通じて、ガス冷媒連絡管8、9の利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82c、82dに送られる。
そして、利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82c、82dに送られた低圧のガス冷媒は、分岐ユニット4a、4b、4c、4dの合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られる。
そして、合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られた低圧のガス冷媒は、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66d及び高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dを通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8の高低圧ガス冷媒分岐連絡管83a、83b、83c、83dに送られるとともに、低圧ガス調節弁67a、67b、67c、67d及び低圧ガス接続管64a、64b、64c、64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9の低圧ガス冷媒分岐連絡管93a、93b、93c、93dに送られる。
そして、高低圧ガス冷媒分岐連絡管83a、83b、83c、83dに送られた低圧のガス冷媒は、高低圧ガス冷媒連絡管8の熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に送られて合流し、低圧ガス冷媒分岐連絡管93a、93b、93c、93dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒連絡管9の熱源側高低圧ガス冷媒連絡管91に送られて合流する。
そして、熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に送られた低圧のガス冷媒は、高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、熱源側高低圧ガス冷媒管36及び高低圧切換機構30を通じて、熱源側低圧ガス冷媒管37に送られ、熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁33を通じて、熱源側低圧ガス冷媒管37に送られて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷房運転における動作が行われる。尚、利用ユニット3a、3b、3c、3dのいくつかが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dのいくつかが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、熱源側熱交換器24、25の一方(例えば、第1熱源側熱交換器24)だけを冷媒の放熱器として機能させる運転が行われる。
<暖房運転>
暖房運転の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の蒸発器として機能する際、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10は、図3に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図3の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図3の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を蒸発運転状態(図3の第2熱交切換機構23の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷運転状態(図3の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側膨張弁26、27は、開度調節されている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、液開閉弁74a、74b、74c、74d、及び、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66dを開状態にし、低圧ガス調節弁67a、67b、67c、67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30、熱源側高低圧ガス冷媒管36及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8の熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に送られる。
そして、熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に送られた高圧のガス冷媒は、高低圧ガス冷媒連絡管8の4つの高低圧ガス冷媒分岐連絡管83a、83b、83c、83dに分岐されて、各分岐ユニット4a、4b、4c、4dの高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66d、合流ガス接続管65a、65b、65c、65d、及び、高低圧ガス冷媒連絡管8の利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82c、82dを通じて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側ガス冷媒管56a、56b、56c、56dに送られる。
そして、利用側ガス冷媒管56a、56b、56c、56dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られる。利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて放熱した冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、利用側液冷媒管55a、55b、55c、55dを通じて、液冷媒連絡管7の利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dに送られる。
そして、利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dに送られた冷媒は、分岐ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、液開閉弁74a、74b、74c、74dを通じて、液冷媒連絡管7の液冷媒分岐連絡管73a、73b、73c、73dに送られる。
そして、液冷媒分岐連絡管73a、73b、73d、73dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7の熱源側液冷媒連絡管71に送られて合流する。
そして、熱源側液冷媒連絡管71に送られた冷媒は、液側閉鎖弁31を通じて、熱源側液冷媒管35に送られる。熱源側液冷媒管35に送られた冷媒は、熱源側膨張弁26、27の両方に送られる。熱源側膨張弁26、27に送られた冷媒は、熱源側膨張弁26、27において流量調節された後、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、熱交切換機構22、23に送られる。熱交切換機構22、23に送られた低圧のガス冷媒は、合流して熱源側低圧ガス冷媒管37に送られて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、暖房運転における動作が行われる。尚、利用ユニット3a、3b、3c、3dのいくつかが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dのいくつかが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の放熱負荷が小さくなる場合には、熱源側熱交換器24、25の一方(例えば、第1熱源側熱交換器24)だけを冷媒の蒸発器として機能させる運転が行われる。
<冷暖同時運転(蒸発負荷主体)>
冷暖同時運転(蒸発負荷主体)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転、かつ、利用ユニット3dが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能する際、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10は、図4に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図4の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図4の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷運転状態(図4の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側膨張弁26は、開度調節され、第2熱源側膨張弁27は、閉状態になっている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス調節弁66d、及び、低圧ガス調節弁67a、67b、67cを開状態にし、かつ、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス調節弁67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、その一部が、高低圧切換機構30、熱源側高低圧ガス冷媒管36及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8の熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に送られ、残りが、第1熱交切換機構22を通じて、第1熱源側熱交換器24に送られる。
そして、熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に送られた高圧のガス冷媒は、高低圧ガス冷媒連絡管8の高低圧ガス冷媒分岐連絡管83dを通じて、分岐ユニット4dの高圧ガス接続管63dに送られる。高圧ガス接続管63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス調節弁66d、合流ガス接続管65d、及び、高低圧ガス冷媒連絡管8の利用側ガス冷媒連絡管82dを通じて、利用ユニット3dの利用側ガス冷媒管56dに送られる。
そして、利用側ガス冷媒管56dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52dに送られる。利用側熱交換器52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52dにおいて放熱した冷媒は、利用側膨張弁51dにおいて流量調節された後、利用側液冷媒管55dを通じて、液冷媒連絡管7の利用側液冷媒連絡管72dに送られる。
そして、利用側液冷媒連絡管72dに送られた冷媒は、分岐ユニット4dの液接続管61dに送られる。液接続管61dに送られた冷媒は、液開閉弁74dを通じて、液冷媒連絡管7の液冷媒分岐連絡管73dに送られる。
また、第1熱源側熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。第1熱源側熱交換器24において放熱した冷媒は、第1熱源側膨張弁26において流量調節された後、熱源側液冷媒管35に送られて、液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7の熱源側液冷媒連絡管71に送られる。
そして、利用側熱交換器52dにおいて放熱して液冷媒分岐連絡管73dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7の熱源側液冷媒連絡管71に送られて、第1熱源側熱交換器24において放熱して液冷媒連絡管7の熱源側液冷媒連絡管71に送られた冷媒と合流する。
そして、熱源側液冷媒連絡管71において合流した冷媒は、液冷媒連絡管7の3つの液冷媒分岐連絡管73a、73b、73cに分岐されて、各分岐ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。液接続管61a、61b、61cに送られた冷媒は、液開閉弁74a、74b、74c及び液冷媒連絡管7の利用側液冷媒連絡管72a、72b、72cを通じて、利用ユニット3a、3b、3cの利用側液冷媒管55a、55b、55cに送られる。
そして、利用側液冷媒管55a、55b、55cに送られた冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51cに送られる。利用側膨張弁51a、51b、51cに送られた冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの冷房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて蒸発した低圧のガス冷媒は、利用側ガス冷媒管56a、56b、56cを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9の利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82cに送られる。
そして、利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82cに送られた低圧のガス冷媒は、分岐ユニット4a、4b、4cの合流ガス接続管65a、65b、65cに送られる。
そして、合流ガス接続管65a、65b、65cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス調節弁67a、67b、67c及び低圧ガス接続管64a、64b、64cを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9の低圧ガス冷媒分岐連絡管93a、93b、93cに送られる。
そして、低圧ガス冷媒分岐連絡管93a、93b、93cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒連絡管9の熱源側高低圧ガス冷媒連絡管91に送られて合流する。
そして、熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁33を通じて、熱源側低圧ガス冷媒管37に送られて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)における動作が行われる。尚、冷房運転を行う利用ユニット(すなわち、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器)の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24の放熱負荷と第2熱源側熱交換器25の蒸発負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の放熱負荷を小さくする運転が行われる。
<冷暖同時運転(放熱負荷主体)>
冷暖同時運転(放熱負荷主体)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが暖房運転、かつ、利用ユニット3dが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の放熱器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の蒸発器として機能する際、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10は、図5に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図5の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図5の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を蒸発運転状態(図5の第2熱交切換機構23の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷運転状態(図5の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側膨張弁26、27は、開度調節されている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス調節弁67dを開状態にし、かつ、高圧ガス調節弁66d、及び、低圧ガス調節弁67a、67b、67cを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の放熱器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30、熱源側高低圧ガス冷媒管36及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8の熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に送られる。
そして、熱源側高低圧ガス冷媒連絡管81に送られた高圧のガス冷媒は、高低圧ガス冷媒連絡管8の3つの高低圧ガス冷媒分岐連絡管83a、83b、83cに分岐されて、各分岐ユニット4a、4b、4cの高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、合流ガス接続管65a、65b、65c、及び、高低圧ガス冷媒連絡管8の利用側ガス冷媒連絡管82a、82b、82cを通じて、利用ユニット3a、3b、3cの利用側ガス冷媒管56a、56b、56cに送られる。
そして、利用側ガス冷媒管56a、56b、56cに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52cに送られる。利用側熱交換器52a、52b、52cに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて放熱した冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、利用側液冷媒管55a、55b、55cを通じて、液冷媒連絡管7の利用側液冷媒連絡管72a、72b、72cに送られる。
そして、利用側液冷媒連絡管72a、72b、72cに送られた冷媒は、分岐ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。液接続管61a、61b、61cに送られた冷媒は、液開閉弁74a、74b、74cを通じて、液冷媒連絡管7の液冷媒分岐連絡管73a、73b、73cに送られる。
そして、液冷媒分岐連絡管73a、73b、73cに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7の熱源側液冷媒連絡管71に送られて合流する。
そして、熱源側液冷媒連絡管71に送られた冷媒は、その一部が、液冷媒連絡管7の液冷媒分岐連絡管73dに送られ、残りが、液側閉鎖弁31を通じて、熱源側液冷媒管35に送られる。
そして、液冷媒分岐連絡管73dに送られた冷媒は、分岐ユニット4dの液接続管61dに送られる。液接続管61dに送られた冷媒は、液開閉弁74d及び液冷媒連絡管7の利用側液冷媒連絡管72dを通じて、利用ユニット3dの利用側液冷媒管55dに送られる。
そして、利用側液冷媒管55dに送られた冷媒は、利用側膨張弁51dに送られる。利用側膨張弁51dに送られた冷媒は、利用側膨張弁51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3dの冷房運転が行われる。利用側熱交換器52dにおいて蒸発した低圧のガス冷媒は、利用側ガス冷媒管56dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9の利用側ガス冷媒連絡管82dに送られる。
そして、利用側ガス冷媒連絡管82dに送られた低圧のガス冷媒は、分岐ユニット4dの合流ガス接続管65dに送られる。
そして、合流ガス接続管65dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス調節弁67d及び低圧ガス接続管64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9の低圧ガス冷媒分岐連絡管93dに送られる。
そして、低圧ガス冷媒分岐連絡管93dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒連絡管9の熱源側高低圧ガス冷媒連絡管91に送られる。
そして、熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁33を通じて、熱源側低圧ガス冷媒管37に送られる。
また、熱源側液冷媒管35に送られた冷媒は、熱源側膨張弁26、27の両方に送られる。熱源側膨張弁26、27に送られた冷媒は、熱源側膨張弁26、27において流量調節された後、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、熱交切換機構22、23に送られる。熱交切換機構22、23に送られた低圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52dにおいて蒸発して低圧のガス冷媒と熱源側低圧ガス冷媒管37において合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(放熱負荷主体)における動作が行われる。尚、暖房運転を行う利用ユニット(すなわち、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器)の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の放熱負荷が小さくなる場合には、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24との放熱負荷と第2熱源側熱交換器25の蒸発負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の蒸発負荷を小さくする運転が行われる。
(3)冷媒の漏洩が検知された場合の動作
冷暖同時運転型空気調和装置1では、上記のように、冷媒回路10にR32等の可燃性冷媒が封入されており、その漏洩を検知するための冷媒漏洩検知手段として冷媒センサ57a、57b、57c、57dが設けられている。そして、冷媒センサ57a、57b、57c、57dによって冷媒の漏洩が検知された場合には、利用ユニット3a、3b、3c、3dのうち冷媒の漏洩が検知された利用ユニットから熱源ユニット2に冷媒を回収しつつ、他の利用ユニットの冷房運転や暖房運転を継続することが好ましい。
しかし、特許文献1に記載の従来の冷媒回収の手法では、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dから分岐ユニット4a、4b、4c、4dまでの間の液冷媒が流れる液管部分(液分岐管部分)における接続不良等が冷媒の漏洩原因になっている場合があり、このような液分岐管部分における冷媒漏洩箇所を他の冷媒回路部分から隔離することができないという問題がある。尚、液分岐管部分とは、液冷媒分岐連絡管73a、73b、73c、73d、液接続管61a、61b、61c、61d及び利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dまでの液冷媒が流れる液管部分である。
そこで、ここでは、上記のように、液分岐管部分を構成する液接続管61a、61b、61c、61dに液開閉弁74a、74b、74c、74dを設けて、液開閉弁74a、74b、74c、74dを用いて、液分岐管部分を他の冷媒回路部分から隔離して冷媒回収を行えるようにしている。
次に、冷媒の漏洩が検知された場合の動作について、すべての利用ユニット3a、3b、3c、3dが冷房運転を行っている場合において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして、図6及び図7を用いて説明する。ここで、図6は、冷媒の漏洩が検知された場合の動作のフローチャートであり、図7は、冷房運転時に冷媒の漏洩が検知された場合の動作(冷媒の流れ)を示す図である。尚、冷媒の漏洩が検知された場合の動作についても、制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。
まず、ステップST1において、冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57a、57b、57c、57dのいずれかが冷媒の漏洩を検知すると(ここでは、利用ユニット3a用の冷媒センサ57aが冷媒の漏洩を検知すると)、ステップST2の処理に移行する。
次に、ステップST2において、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収するために、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作を行う。具体的には、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aを閉状態にし、低圧ガス調節弁67aを開状態にし、利用側膨張弁51aを開度調節された状態から全開状態にする。これにより、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する液分岐管部分(すなわち、液冷媒分岐連絡管73a、液接続管61a及び利用側液冷媒連絡管72aまでの液冷媒が流れる液管部分)を他の冷媒回路部分から隔離するとともに、利用ユニット3a(漏洩機)を分岐ユニット4a及び低圧ガス冷媒連絡管9を通じて熱源ユニット2に連通した状態にすることができる。ここでは、利用ユニット3a(漏洩機)が冷房運転中の場合を想定しており、液開閉弁74a、高圧ガス調節弁66a及び低圧ガス調節弁67aが開状態で、かつ、利用側膨張弁51aが開度調節された状態になっているため、この状態から液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aを閉止し、利用側膨張弁51aを開度調節された状態から開いて全開状態にする操作を行う。
これにより、利用ユニット3a(漏洩機)に存在する冷媒は、分岐ユニット4a及び低圧ガス冷媒連絡管9を通じて熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側に送られる。このようにして、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作が開始される。ここで、利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作中においても、他の冷媒の漏洩が検知されていない利用ユニット3b〜3dにおいては、冷房運転が継続可能である。
また、このとき、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)の利用側膨張弁51aを開度調節された状態から全開状態にしているため、利用側熱交換器52aを通じて、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)の利用側液冷媒管55a及びこれに対応する利用側液冷媒連絡管72aからも冷媒を熱源ユニット2に回収することができる。
次に、ステップST3において、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2への冷媒の回収(ここでは、利用ユニット3aから熱源ユニット2への冷媒の回収)が終了したかどうかを判定する。具体的には、ステップST2の冷媒回収の開始から所定時間が経過した場合には、冷媒の回収が終了したものとみなすことができる冷媒回収終了条件を満たしているものと判定する。尚、冷媒回収終了条件は、冷媒回収の開始からの時間ではなく、利用ユニット3a(漏洩機)の利用側熱交換器52aにおける冷媒の温度や圧力等を使用してもよい。
次に、ステップST4において、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2への冷媒の回収を終了するために、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作を行う。具体的には、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する液開閉弁74a、高圧ガス調節弁66a及び低圧ガス調節弁67aを閉状態にし、利用側膨張弁51aを全開状態から開度調節された状態にする。すなわち、ステップST2によって設定された各種弁の状態から低圧ガス調節弁67aを閉止し、利用側膨張弁51aを全開状態から開度調節された状態にする操作を行う。
これにより、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収することができる。そして、冷媒の回収が終了した後は、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する液分岐管部分(すなわち、液冷媒分岐連絡管73a、液接続管61a及び利用側液冷媒連絡管72aまでの液冷媒が流れる液管部分)を含む利用ユニット3a(漏洩機)及び対応する分岐ユニット4a全体を他の冷媒回路部分から隔離した状態にすることができる。また、冷媒回収後においても、上記の冷媒回収時と同様に、他の冷媒の漏洩が検知されていない利用ユニット3b〜3dにおける冷房運転を継続することができる。
また、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する際には、ステップST2において、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作とともに、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3aの室内ファン43aを運転するようにしてもよい。すなわち、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3aにおいて、室内ファン43aの運転を停止せずに、運転を継続するのである。
ここでは、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)の利用側熱交換器52aに存在する冷媒の蒸発を促進することができ、これにより、冷媒が漏洩した利用ユニット3a(漏洩機)から冷媒を熱源ユニット2に回収する際の冷媒を回収する速度を向上させることができる。
尚、ここでは、すべての利用ユニット3a、3b、3c、3dが冷房運転を行っている場合において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして説明したが、暖房運転や冷暖同時運転の場合においても、上記の冷媒回収の動作を行うことが可能である。すなわち、利用ユニット3a(漏洩機)が暖房運転中の場合には、液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aが開状態で、利用側膨張弁51aが開度調節された状態で、かつ、低圧ガス調節弁67aが閉状態になっているため、冷媒回収を冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収するために、ステップST2において、液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aを閉止し、低圧ガス調節弁67aを開け、利用側膨張弁51aを開度調節された状態から開いて全開状態にする操作を行う。そして、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2への冷媒の回収を終了するために、ステップST4において、ステップST2によって設定された各種弁の状態から低圧ガス調節弁67aを閉止する操作を行う。また、上記の冷房運転時と同様に、冷媒回収の動作時及び冷媒回収後においても、他の冷媒の漏洩が検知されていない利用ユニットにおける冷房運転や暖房運転を継続することができる。
(4)変形例1
上記の実施形態において、冷房運転を行う利用ユニットが存在する運転(冷房運転や冷暖同時運転)時に、冷房運転を行う利用ユニットの利用側熱交換器に送られる冷媒を冷却するための熱交換の構成をさらに設けることがある。
具体的には、図8に示すように、各分岐ユニット4a、4b、4c、4dに、液分岐管部分を流れる冷媒を分岐して熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に送る分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dと、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dを流れる冷媒によって液分岐管部分を流れる冷媒を冷却する分岐側過冷却熱交換器68a、68b、68c、68dとを設けている。ここで、液分岐管部分とは、分岐ユニット4a、4b、4c、4dを含む熱源側液冷媒連絡管71から利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dまでの液冷媒が流れる液管部分のうち利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する部分であるため、例えば、利用ユニット3aに対応する液分岐管部分とは、液冷媒分岐連絡管73a、液接続管61a及び利用側液冷媒連絡管72aまでの液冷媒が流れる液管部分のことである。そして、ここでは、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dは、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する液分岐管部分を流れる冷媒を分岐するように、その一端が、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する液分岐管部分を構成する液接続管61a、61b、61c、61dの途中部分(ここでは、液開閉弁74a、74b、74c、74dよりも利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72d寄りの部分)に接続されている。そして、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dは、液分岐管部分から分岐した冷媒を熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に送るように、その他端が、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する熱源側低圧ガス冷媒連絡管91の低圧ガス冷媒分岐連絡管93a、93b、93c、93dに接続されている低圧ガス接続管64a、64b、64c、64dの途中部分(ここでは、低圧ガス調節弁67a、67b、67c、67dよりも下流側の部分)に接続されている。また、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dには、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dを流れる冷媒の流量の調節等を行うための分岐側膨張弁70a、70b、70c、70dが設けられている。ここでは、分岐側膨張弁70a、70b、70c、70dは、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dのうち分岐側過冷却熱交換器68a、68b、68c、68dの入口よりも上流側の部分に設けられており、開度調節が可能な電動膨張弁からなる。分岐側過冷却熱交換器68a、68b、68c、68dは、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する液分岐管部分を構成する液接続管61a、61b、61c、61dの途中部分(ここでは、液開閉弁74a、74b、74c、74dよりも利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72d寄りの部分)に設けられており、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dを流れる冷媒を冷却源として液接続管61a、61b、61c、61dを流れる冷媒を冷却する冷却器である。ここで、分岐側過冷却熱交換器68a、68b、68c、68dは、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dと液接続管61a、61b、61c、61dとを接触させることによって構成される配管熱交換器や二重管熱交換器等からなる。そして、このような熱交換の構成(分岐ユニット4a、4b、4c、4dに分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69d及び分岐側過冷却熱交換器68a、68b、68c、68dを設けた構成)によって、冷房運転を行う利用ユニットが存在する運転(冷房運転や冷暖同時運転)時に、冷房運転を行う利用ユニットの利用側熱交換器に冷媒を送る前に冷媒を過冷却しておくことができる。
このような分岐ユニット4a、4b、4c、4dに分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69d及び分岐側過冷却熱交換器68a、68b、68c、68dを設けた構成においても、利用ユニット3a、3b、3c、3dのいずれかにおいて冷媒の漏洩が検知された際に、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作を行うことで、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作を行うことが考えられるところ、この場合には、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dの開閉操作も考慮する必要がある。そして、このとき、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する速度の向上を図るようにしてもよい。
次に、本変形例における冷媒の漏洩が検知された場合の動作について、すべての利用ユニット3a、3b、3c、3dが暖房運転を行っている場合において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして、図9及び図10を用いて説明する。ここで、図9は、本変形例における冷媒の漏洩が検知された場合の動作のフローチャートであり、図10は、暖房運転時に冷媒の漏洩が検知された場合の動作(冷媒の流れ)を示す図である。尚、本変形例の冷媒の漏洩が検知された場合の動作についても、制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。また、ステップST1、ST3の処理については、上記の実施形態(図6参照)のステップST1、ST3と同様であるため、ここでは説明を省略し、漏洩機からの冷媒回収開始及び漏洩機からの冷媒回収終了の処理(ステップST12、ST14)について説明する。
ステップST12においては、上記の実施形態のステップST2と同様に、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aを閉状態にし、低圧ガス調節弁67aを開状態にし、利用側膨張弁51aを開度調節された状態から全開状態にする。ここでは、利用ユニット3a(漏洩機)が暖房運転中の場合を想定しており、液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aが開状態で、利用側膨張弁51aが開度調節された状態で、かつ、低圧ガス調節弁67aが閉状態になっているため、この状態から液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aを閉止し、低圧ガス調節弁67aを開け、利用側膨張弁51aを開度調節された状態から開いて全開状態にする操作を行う。しかも、ここでは、上記の各種弁の開閉操作に加えて、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する分岐側膨張弁70aを開状態にする。
これにより、利用ユニット3a(漏洩機)に存在する冷媒は、分岐ユニット4a及び低圧ガス冷媒連絡管9を通じて熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側に送られる。このようにして、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作が開始される。ここで、利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作中においても、他の冷媒の漏洩が検知されていない利用ユニット3b〜3dにおいては、暖房運転が継続可能である。
また、このとき、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)の利用側液冷媒管55a及びこれに対応する利用側冷媒連絡管72aに存在する冷媒は、上記の実施形態と同様に、利用側熱交換器52aを通じて分岐ユニット4aに送られることで、熱源ユニット2に回収される分もあるが、これに加えて、分岐側吸入戻し管69aを通じて、分岐ユニット4aに送られることで、熱源ユニット2に回収される分もある。このため、ここでは、冷媒が漏洩した利用ユニット3a(漏洩機)から冷媒を熱源ユニット2に回収する際の冷媒を回収する速度を向上させることができる。
ステップST14においては、上記の実施形態のステップST4と同様に、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する液開閉弁74a、高圧ガス調節弁66a及び低圧ガス調節弁67aを閉状態にし、利用側膨張弁51aを全開状態から開度調節された状態にする。すなわち、ステップST2によって設定された各種弁の状態から低圧ガス調節弁67aを閉止し、利用側膨張弁51aを全開状態から開度調節された状態にする操作を行う。しかも、ここでは、上記の各種弁の開閉操作に加えて、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する分岐側膨張弁70aを閉状態にする。
これにより、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収することができる。そして、冷媒の回収が終了した後は、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する液分岐管部分(すなわち、液冷媒分岐連絡管73a、液接続管61a及び利用側液冷媒連絡管72aまでの液冷媒が流れる液管部分)を含む利用ユニット3a(漏洩機)及び対応する分岐ユニット4a全体を他の冷媒回路部分から隔離した状態にすることができる。また、冷媒回収後においても、上記の実施形態における冷媒回収時と同様に、他の冷媒の漏洩が検知されていない利用ユニット3b〜3dにおける暖房運転を継続することができる。
また、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する際には、ステップST12において、上記の実施形態と同様に、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作とともに、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3aの室内ファン43aを運転するようにしてもよい。すなわち、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3aにおいて、室内ファン43aの運転を停止せずに、運転を継続するのである。
ここでは、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)の利用側熱交換器52aに存在する冷媒の蒸発を促進することができ、これにより、冷媒が漏洩した利用ユニット3a(漏洩機)から冷媒を熱源ユニット2に回収する際の冷媒を回収する速度を向上させることができる。
尚、ここでは、すべての利用ユニット3a、3b、3c、3dが暖房運転を行っている場合において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして説明したが、冷房運転や冷暖同時運転の場合においても、上記の冷媒回収の動作を行うことが可能である。
但し、暖房運転のような冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器を有する利用ユニットだけが存在する運転においては、冷房運転や冷暖同時運転のような冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器を有する利用ユニットが少なくとも1つ存在する運転とは異なり、基本的に熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に冷媒が流れていない。このため、熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に少量の液冷媒が流れたとしても、液バックによる圧縮機21への悪影響は小さいものである。このため、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dを通じて冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側液冷媒管55a、55b、55c、55d及びこれに対応する利用側冷媒連絡管72a、72b、72c、72dから冷媒を熱源ユニット2に積極的に回収する動作(ステップST12、ST14)は、暖房運転のような冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器を有する利用ユニットだけが存在する運転時のみ行うようにして、冷媒が漏洩した利用ユニットから冷媒を熱源ユニットに回収する際の冷媒を回収する速度を向上させるほうが好ましい。
(5)変形例2
上記の変形例1の冷房運転を行う利用ユニットが存在する運転(冷房運転や冷暖同時運転)時に、冷房運転を行う利用ユニットの利用側熱交換器に送られる冷媒を冷却するための熱交換の構成をさらに設けたもの(図8参照)において、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作を行う際に、変形例1のように冷媒を回収する速度の向上を図るのではなく、液バックによる圧縮機21の発生を抑制するように、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dの開閉操作を行うようにしてもよい。
次に、本変形例における冷媒の漏洩が検知された場合の動作について、冷房運転を行う利用ユニット3dと暖房運転を行う利用ユニット3a、3b、3cとが混在した冷暖同時運転(放熱負荷主体)を行っている場合において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして、図11及び図12を用いて説明する。ここで、図11は、本変形例における冷媒の漏洩が検知された場合の動作のフローチャートであり、図12は、冷暖同時運転(放熱負荷主体)時に冷媒の漏洩が検知された場合の動作(冷媒の流れ)を示す図である。尚、本変形例の冷媒の漏洩が検知された場合の動作についても、制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。また、ステップST1、ST3の処理については、上記の実施形態(図6参照)のステップST1、ST3と同様であり、ステップ14の処理については、上記の変形例1(図9参照)であるため、ここでは説明を省略し、漏洩機からの冷媒回収開始の処理(ステップST22)について説明する。
ステップST22においては、上記の実施形態のステップST2、ST12と同様に、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aを閉状態にし、低圧ガス調節弁67aを開状態にし、利用側膨張弁51aを開度調節された状態から全開状態にする。ここでは、利用ユニット3a(漏洩機)が暖房運転中の場合を想定しており、液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aが開状態で、利用側膨張弁51aが開度調節された状態で、かつ、低圧ガス調節弁67aが閉状態になっているため、この状態から液開閉弁74a及び高圧ガス調節弁66aを閉止し、低圧ガス調節弁67aを開け、利用側膨張弁51aを開度調節された状態から開いて全開状態にする操作を行う。しかも、ここでは、上記の各種弁の開閉操作に加えて、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する分岐側膨張弁70aを閉状態にする。すなわち、ここでは、冷媒回収の開始から終了まで、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する分岐側膨張弁70aを閉状態に維持する。
これにより、利用ユニット3a(漏洩機)に存在する冷媒は、分岐ユニット4a及び低圧ガス冷媒連絡管9を通じて熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側に送られる。このようにして、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作が開始される。ここで、利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作中においても、他の冷媒の漏洩が検知されていない利用ユニット3b〜3dにおいては、暖房運転や冷房運転が継続可能である。
また、このとき、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)の利用側液冷媒管55a及びこれに対応する利用側冷媒連絡管72aに存在する冷媒は、上記の変形例1とは異なり、分岐側吸入戻し管69aを通じて冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)の利用側液冷媒管55a及びこれに対応する利用側冷媒連絡管72aから熱源ユニット2に冷媒が流れることがなく、上記の実施形態と同様に、利用側熱交換器52aを通じて分岐ユニット4aに送られることで、熱源ユニット2に回収される分だけになる。このため、ここでは、冷媒が漏洩した利用ユニット3a(漏洩機)から冷媒を熱源ユニット2に回収する際の圧縮機21への液バックの発生を抑制することができる。
これにより、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収することができる。そして、冷媒の回収が終了した後は、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する液分岐管部分(すなわち、液冷媒分岐連絡管73a、液接続管61a及び利用側液冷媒連絡管72aまでの液冷媒が流れる液管部分)を含む利用ユニット3a(漏洩機)及び対応する分岐ユニット4a全体を他の冷媒回路部分から隔離した状態にすることができる。また、冷媒回収後においても、上記の実施形態や変形例1における冷媒回収時と同様に、他の冷媒の漏洩が検知されていない利用ユニット3b〜3dにおける暖房運転や冷房運転を継続することができる。
また、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する際には、ステップST22において、上記の実施形態や変形例1と同様に、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作とともに、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3aの室内ファン43aを運転するようにしてもよい。すなわち、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3aにおいて、室内ファン43aの運転を停止せずに、運転を継続するのである。
ここでは、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)の利用側熱交換器52aに存在する冷媒の蒸発を促進することができ、これにより、冷媒が漏洩した利用ユニット3a(漏洩機)から冷媒を熱源ユニット2に回収する際の冷媒を回収する速度を向上させることができる。特に、本変形例では、変形例1とは異なり、圧縮機21への液バックの発生を抑制するために、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する分岐側膨張弁70aを閉状態にしているため、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3aにおいて、室内ファン43aを運転することによる冷媒を回収する速度の向上が有効である。
尚、ここでは、冷房運転を行う利用ユニット3dと暖房運転を行う利用ユニット3a、3b、3cとが混在した冷暖同時運転(放熱負荷主体)を行っている場合において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして説明したが、冷房運転や暖房運転、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)時の場合においても、上記の冷媒回収の動作を行うことが可能である。
但し、冷房運転や冷暖同時運転のような冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器を有する利用ユニットが少なくとも1つ存在する運転においては、暖房運転のような冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器を有する利用ユニットだけが存在する運転とは異なり、熱源側低圧ガス冷媒連絡管91に冷媒が流れている。このため、分岐側膨張弁70a、70b、70c、70dを開状態にして、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dを通じて冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側液冷媒管55a、55b、55c、55d及びこれに対応する利用側冷媒連絡管72a、72b、72c、72dから冷媒を熱源ユニット2に回収すると、液バックによる圧縮機21への悪影響が大きくなるおそれがある。このため、冷房運転や冷暖同時運転のような冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器を有する利用ユニットが少なくとも1つ存在する運転時においては、分岐側吸入戻し管69a、69b、69c、69dを通じて冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側液冷媒管55a、55b、55c、55d及びこれに対応する利用側冷媒連絡管72a、72b、72c、72dから冷媒を熱源ユニット2に回収しないことで(ステップST22、ST14)、冷媒を熱源ユニット2に回収する際の圧縮機21への液バックの発生を抑制するほうが好ましい。
(6)他の変形例
上記の実施形態及び変形例1、2では、熱源ユニット2が1台だけであるが、これに限定されるものではなく、2台以上であってもよい。また、上記の実施形態及び変形例1、2では、熱源側熱交換器が2つの熱源側熱交換器24、25から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば1つの熱源側熱交換器や3つ以上の熱源側熱交換器から構成されていてもよい。
上記の実施形態及び変形例1、2では、複数の利用ユニット3a、3b、3c、3dのそれぞれに対応する分岐ユニット4a、4b、4c、4dが接続されているが、これに限定されるものではなく、分岐ユニットが複数の利用ユニット毎にまとまった構成であってもよい。
上記の実施形態及び変形例1、2では、冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57a、57b、57c、57dを利用ユニット3a、3b、3c、3dに設けているが、これに限定されるものではなく、冷媒センサ57a、57b、57c、57dを利用ユニット3a、3b、3c、3dが設置される室内空間に設けてもよい。また、上記の実施形態及び変形例1、2では、冷媒漏洩検知手段として冷媒センサ57a、57b、57c、57dを使用しているが、これに限定されるものではなく、冷凍サイクル運転の状態(高圧の時間変化など)によって冷媒の漏洩の有無を検知してもよい。
上記の実施形態及び変形例1、2では、液開閉弁74a、74b、74c、74dが分岐ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに設けられているが、これに限定されるものではなく、分岐ユニット4a、4b、4c、4dを含む熱源側液冷媒連絡管71から利用側液冷媒連絡管72a、72b、72c、72dまでの液冷媒が流れる液管部分のうち各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する液分岐管部分に設けられていればよい。