[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の車両用衝突検知装置について、図1〜図8を参照して説明する。図1〜図3に示すように、本実施形態の車両用衝突検知装置1は、中空の検出用チューブ部材2、圧力センサ3、変形センサ4、速度センサ5、衝突検知ECU6(判定手段に相当)、電源供給部7(電源供給手段に相当)等を備えて構成されている。この車両用衝突検知装置1は、車両前方に設けられたバンパ8への物体(歩行者等)の衝突を検知するものである。このバンパ8は、図4にも示すように、バンパカバー9、バンパブソーバ10、バンパレインフォースメント11を主体として構成されている。
検出用チューブ部材2は、内部に中空部2aが形成され、車幅方向(車両左右方向)に延びている部材であり、車両のバンパ8内におけるバンパレインフォースメント11の前面11a(車両前方側)、且つバンパブソーバ10の車両後方側に配設されている(図4参照)。この検出用チューブ部材2の一端部(左側端部)は圧力センサ3に接続され、他端部(右側端部)は閉塞されている。
この検出用チューブ部材2は、図5に示すように、絶縁性の合成ゴムに導電性粒子である導電材2b(導電部材に相当)を混ぜ合わせた感圧導電性エラストマーからなる。合成ゴムとしては、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)等を用い、導電材2bとしては、例えば銅等を用いるものとする。この感圧導電性エラストマーは、合成ゴムに加わる圧力の変化(歪み)に伴って、導電材2bの電気抵抗値が変化するという特性を有している。具体的には、感圧導電性エラストマーに変形が生じると導電材2bの電気抵抗値が低くなり、変形をなくすと導電材2bの電気抵抗値が高くなる(図6参照)。本実施形態では、この感圧導電性エラストマーの電気抵抗値の変化を利用して、検出用チューブ部材2自体を変形センサ4の一部として用いる。
また、検出用チューブ部材2は、略四角形の断面形状を有し、縦横の長さ(円管の場合の外径に相当)は、例えば10mm程度である。本実施形態では、検出用チューブ部材2の断面形状を略四角形にすることにより、温度変化に伴う衝突検知精度の低下を抑制している。すなわち、検出用チューブ部材2の断面形状を略四角形とすることで、例えば断面形状が円形の検出用チューブ部材2を用いた場合よりも、検出用チューブ部材2の衝突部(衝突時にバンパカバー9の変形に伴って変形する部分)以外の部分を、検出用チューブ部材2内の圧力上昇により膨れ易くしている。この検出用チューブ部材2における衝突部以外の部分の膨張量は、高温では大きくなり、低温では小さくなるため、検出用チューブ部材2は、同一の衝突部の変形量に対し、高温では低感度、低温では高感度になる。一方、検出用チューブ部材2の衝突部の変形量は、バンパブソーバ10の特性によって決まり、高温では変形量が大きく、低温では変形量が小さくなる。従って、温度により変化する衝突部の変形量を、衝突部以外の部分が膨れる作用により相殺することができる。これにより、温度が高くなるにつれて圧力センサ3の出力が大きくなることを抑制し、温度変化に伴う衝突検知精度の低下を抑制することを可能としている。
圧力センサ3は、図1及び図2に示すように、バンパレインフォースメント11の前面11aよりも車両後方側に配置される。具体的には、圧力センサ3は、バンパレインフォースメント11の左側端部の後面11bに1つ設置され、ボルト(図示しない)を締結することにより固定されて取り付けられる。この圧力センサ3は、検出用チューブ部材2の一端(図2では左側端部)に接続されて、検出用チューブ部材2内の圧力を検出するように構成されている。具体的には、圧力センサ3は、気体の圧力変化を検出するセンサ装置であり、検出用チューブ部材2内の空気の圧力変化を検出する。この圧力センサ3は、図1に示すように、伝送線を介して衝突検知ECU6に電気的に接続され、圧力に比例した信号を衝突検知ECU6へ出力する。
また、圧力センサ3は、図7に示すように、本体部30と、センサ部31と、圧力導入管32と、コネクタ部33とを備えて構成される。本体部30は、センサ部31を収容するための箱状のケースである。センサ部31は、圧力検出用のセンサ素子等が設けられた基板等からなる。圧力導入管32は、検出用チューブ部材2の圧力をセンサ部31に導入する略円筒状の管であり、本体部30から検出用チューブ部材2内に差し込まれている。センサ部31は、圧力導入管32を介して検出用チューブ部材2の圧力変化を検出する。このセンサ部31は、コネクタ部33に設けられたコネクタ34に電気的に接続されており、圧力に比例した信号をコネクタ34及び伝送線を介して衝突検知ECU6へ送信する(図1参照)。
変形センサ4は、導電材2b、導通経路4a(導電部材に相当)、図示しない抵抗測定部、リード線等を有して構成される導電性センサである(図5右図参照)。導電材2b及び導通経路4aは、検出用チューブ部材2の変形に伴って変形可能に配設され、検出用チューブ部材2と一体成形されたものである。
導通経路4aは、感圧導電性エラストマーからなり、検出用チューブ部材2に荷重が加わることで、導電材2bが接触することにより形成される。抵抗測定部は、検出用チューブ部材2の変形に伴う電気抵抗値の変化を検出するものである。すなわち、検出用チューブ部材2は、無加圧(無変形)時には、導電材2bが略均等に分散された状態で互いに接触しておらず、導通経路4aが形成されていない状態となっている(図5左図参照)。この負荷荷重Fが小さいときは、図6に示すように、電気抵抗値が高い値となる。一方、加圧により負荷荷重Fが大きくなると、導通経路4aが形成され、導通経路4aが3次元的に増えることにより、電気抵抗値は小さい値となる。尚、負荷荷重Fをなくすと、再び導電材2bは非接触状態に戻り、電気抵抗値は高くなる。
この変形センサ4(導電性センサ)は、抵抗測定部により検出された電気抵抗値が所定の閾値よりも小さくなると、ON動作し、電気抵抗値が所定の閾値以上になると、OFF動作するように構成されている。変形センサ4は、伝送線を介して衝突検知ECU6に電気的に接続され、ON信号またはOFF信号を衝突検知ECU6へ出力する(図3参照)。
速度センサ5は、車両の速度を検出するためのセンサある。速度センサ5は、検出した車両の速度を車速信号として伝送線を介して衝突検知ECU6に出力する。
衝突検知ECU(Electronic Control Unit)6は、CPUを主体として構成され、車両用衝突検知装置1の動作全般を制御するものであり、圧力センサ3、変形センサ4、速度センサ5、歩行者保護装置12のそれぞれに電気的に接続されている(図3参照)。衝突検知ECU6には、圧力センサ3からの圧力信号、変形センサ4からの電気抵抗値信号等が入力される。本実施形態では、衝突検知ECU6は、圧力センサ3による圧力検出結果に基づいてメイン判定を行うとともに、変形センサ4による電気抵抗値検出結果に基づいてセーフィング判定を行う。衝突検知ECU6は、論理回路のAND回路を用いて、これらメイン判定及びセーフィング判定を行った後に、速度センサ5による速度検出結果に基づいて車両速度判定を行う。
この衝突検知ECU6は、上記した各判定を含む後述の衝突判定処理を実行することにより、バンパ8への歩行者(物体)の衝突を検知する。そして、衝突検知ECU6は、バンパ8へ歩行者が衝突したと判定した場合、歩行者保護装置12を作動させる。
電源供給部7は、変形センサ4(検出用チューブ部材2の導電材2b)に電源を供給するものである。具体的には、検出用チューブ部材2の一端部から他端部までの車幅方向全体にわたって、所定の直流電源電圧を印加するものとする。
バンパ8は、車両の衝突時における衝撃を和らげるためのものであり、バンパカバー9、バンパブソーバ10、バンパレインフォースメント11等から構成される。バンパカバー9は、バンパ8の構成部品を覆うように設けられ、ポリプロピレン等の樹脂製の部材である。このバンパカバー9は、バンパ8の外観を構成すると同時に、車両全体の外観の一部を構成するものとなっている。
バンパブソーバ10は、図4に示すように、バンパレインフォースメント11の前面11aに設けられ、検出用チューブ部材2を囲むように配設される。このバンパブソーバ10は、バンパ8において衝撃吸収の作用を受け持つ部材であり、例えば発泡ポリプロピレン等からなる。
バンパレインフォースメント11は、バンパカバー9内に配設されて車幅方向に延びるアルミニウム等の金属製の剛性部材であって、図4に示すように、内部中央に梁が設けられた日の字状断面を有する中空部材である。また、バンパレインフォースメント11は、車両前方側の面(前面11a)と、車両後方側の面(後面11b)とを有している。このバンパレインフォースメント11は、図1及び図2に示すように、車両前後方向に延びる一対の金属製部材であるサイドメンバ13の前端に取り付けられる。
通常、車両の衝突事故においては、車両の進行方向(車両前方)に存在する歩行者や車両と衝突する場合が多い。このため、本実施形態では、圧力センサ3をバンパレインフォースメント11の後面11bに配設して、車両前方の歩行者や車両との衝突に伴う衝撃(外力)が、車両前方に設けられたバンパカバー9等から圧力センサ3に直接伝わることをバンパレインフォースメント11の存在によって保護している。
歩行者保護装置12としては、例えばポップアップフードを用いる。このポップアップフードは、車両の衝突検知後瞬時に、エンジンフードの後端を上昇させ、歩行者とエンジン等の硬い部品との間隔(クリアランス)を増加させ、そのスペースを用いて歩行者の頭部への衝突エネルギーを吸収し、歩行者の頭部への衝撃を低減させるものである。尚、ポップアップフードの代わりに、車体外部のエンジンフード上からフロントウインド下部にかけてエアバッグを展開させて歩行者の衝撃を緩衝するカウルエアバッグ等を用いてもよい。
ここで、本実施形態における車両用衝突検知装置1の衝突時の動作について説明する。車両前方に歩行者等の物体が衝突した際には、バンパ8のバンパカバー9が歩行者との衝突による衝撃により変形する。続いて、バンパブソーバ10が衝撃を吸収しながら変形すると同時に、検出用チューブ部材2も変形する。このとき、検出用チューブ部材2内の圧力が急上昇し、この圧力変化が圧力センサ3に伝達する。
更に、検出用チューブ部材2が変形することに伴って、接触する導電材2bが増加することにより、変形センサ4において導通経路4aが形成されて電気抵抗値が小さくなる。この電気抵抗値の変化が、検出用チューブ部材2に電気的に接続された抵抗測定部により測定されるようになっている。
次に、上記構成を有する車両用衝突検知装置1による衝突判定処理の流れについて、図8のフローチャートも参照して説明する。ただし、このフローチャートは一例であり、これに限定されるものではない。本実施形態の衝突判定処理においては、圧力センサ3及び変形センサ4の検出結果に基づいて、歩行者保護装置12の作動を要する歩行者との衝突が発生したか否かの判定を行う。
まず、図8のフローチャートにおいて、車両用衝突検知装置1の衝突検知ECU6は、速度センサ5からの出力により車両速度を取得し(ステップS1、以下ステップを省略)、車両速度が所定の作動範囲内か否かの判定を行っている(S2)。この車両速度の作動範囲としては、例えば時速25km〜55kmの範囲であるとする。この作動範囲は、歩行者保護装置12の歩行者保護機能が有効に作用する速度が車両形状等の条件によって決まっていることによる。
車両速度が作動範囲内でない場合には(S2:No)、S1に戻り、車両速度が作動範囲内の場合(S2:Yes)、衝突検知ECU6は、圧力センサ3の検出値を取得し(S3)、有効質量を算出する(S4)。ここで、「有効質量」とは、衝突時における圧力センサ3の検知値より、運動量と力積の関係を利用して算出する質量をいう。車両と物体との衝突が発生した場合、歩行者とは質量の異なる衝突物では、検知される圧力センサ3の値が異なる。このため、人体の有効質量と、想定される他の衝突物の質量との間に閾値を設定することにより、衝突物の種類を切り分けることが可能となる。この有効質量は、次式に示すように、圧力センサ3により検出される圧力の値の所定時間における区間積分値を車両速度で割ることにより算出される。
M=(∫P(t)dt)/V・・・(式1)
ここで、Mは有効質量、Pは所定時間における圧力センサ3による検出値、tは所定時間(例えば、数ms〜数十ms)、Vは衝突時の車両速度を示している。尚、有効質量を算出する方法には、他にも、衝突した物体の運動エネルギーEを表す式E=1/2・MV2を用いて算出することが可能である。この場合、有効質量は、M=2・E/V2により算出される。
次に、衝突検知ECU6は、算出した有効質量は所定の閾値以上か否かの判定を行う(S5)。有効質量が閾値未満の場合には(S5:No)S1に戻り、有効質量が閾値以上の場合(S5:Yes)、衝突検知ECU6は、変形センサ4の検出値を取得し(S6)、変形センサ4はON動作したか否かの判定を行う(S7)。
そして、衝突検知ECU6は、変形センサ4がON動作した場合(S7:Yes)、車両と歩行者との衝突が発生したものと判定し(S8)、歩行者保護装置12を作動させる制御信号を出力して、歩行者保護装置12を作動させる(S9)。これにより、車両と歩行者との衝突による歩行者への衝撃を低減させる。尚、変形センサ4がOFF動作の場合には(S7:No)、S1に戻る。
以上説明したように、第1の実施形態の車両用衝突検知装置1は、車両のバンパ8内においてバンパレインフォースメント11の前面11a(車両前方側)に車幅方向に延びて配設され、内部に中空部2aが形成された検出用チューブ部材2と、検出用チューブ部材2の中空部2a内の圧力を検出する圧力センサ3と、検出用チューブ部材2の変形を検出する変形センサ4と、圧力センサ3による圧力検出結果及び変形センサ4による検出結果に基づいて、バンパ8へ物体(歩行者)が衝突したことを判定する判定手段6である衝突検知ECU6とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、圧力センサ3の圧力検出結果と、圧力とは異なる物理量を検出する変形センサ4の検出結果とに基づいて、衝突検知ECU6によりバンパ8へ物体(歩行者)が衝突したことを判定するので、衝突検知の精度を向上及び冗長性の確保を図ることができる。また、衝突検知の冗長性確保のために圧力センサ3を複数設ける必要がないため、コストを抑えることができる。更に、圧力センサ3と変形センサ4とを含む異種の複数のセンサを用いる構成のため、冗長性確保のために同種の複数のセンサを用いる構成と比較して製造不良等の同時故障に対する危険性を低減することができる。
また、検出用チューブ部材2の車両後方側に剛性部材であるバンパレインフォースメント11が設けられているので、衝突時に検出用チューブ部材2が車両後方側に撓むことを防ぐことができ、車幅方向全体にわたって車両用衝突検知装置1の衝突検知性能を確保することができる。
また、圧力センサ3は、衝突検知用のメインセンサであり、変形センサ4は、メインセンサの冗長用のセーフィングセンサであることを特徴とする。この構成によれば、例えば、衝突検知用のメインセンサである圧力センサ3が故障により異常出力を行った場合でも、セーフィングセンサである変形センサ4の出力をセーフィング信号として用いることにより、誤った衝突判定を行うことを防止できる。また、メインセンサと同じ種類の圧力センサ3を冗長用のセーフィングセンサとしてもう1つ設けるのではなく、圧力センサ3とは異なる物理量を検出する変形センサ4をセーフィングセンサとして用いることにより、圧力センサ3に製造不良等があった場合に、メインセンサ及びセーフィングセンサが同時に故障するといった不具合を確実に防止することができる。
また、検出用チューブ部材2の変形に伴って変形可能に配設される導電材2bと、導電材2bに電源を供給する電源供給部7とを備え、変形センサ4は、導電材2bの電気抵抗値の変化を検出することに基づいて、検出用チューブ部材2の変形を検出することを特徴とする。
この構成によれば、検出用チューブ部材2の変形に伴って変形可能に配設された導電材2bを用いることで、検出用チューブ部材2の変形を変形センサ4により検出でき、簡易な構成で車両用衝突検知装置1の衝突検知精度を向上させることができる。
また、導電部材である導電材2b及び導通経路4aは、検出用チューブ部材2と一体成形されたことを特徴とする。この構成によれば、変形センサ4の構成の一部である導電材2b及び導通経路4aを、検出用チューブ部材2と一体成形して一体化することで、別体のセンサを設ける必要がなく、より簡易な構成で車両用衝突検知装置1の衝突検知精度を向上させることができる。
具体的には、検出用チューブ部材2と導電材2bとは、感圧導電性材料によって一体成形され、感圧導電性材料は、感圧導電性エラストマーであることを特徴とする。この構成によれば、荷重が加わることで導通経路4aが形成される感圧導電性エラストマーを検出用チューブ部材2及び導電材2bに用いることにより、車幅方向全体にわたって変形センサ4によるセーフィング判定を行うことが可能となる。
また、圧力センサ3は、バンパレインフォースメント11の後面11bに固定されることを特徴とする。この構成によれば、圧力センサ3をバンパレインフォースメント11の後面11b(車両後方側)に固定しているので、バンパ8の左側端部付近に歩行者等の物体が衝突しても、バンパレインフォースメント11によって衝撃が低減され、圧力センサ3にバンパカバー9からの衝撃が直接伝わらない。このため、バンパカバー9の変形により圧力センサ3に外力が加わり、圧力センサ3が外力により損傷してしまうことを防止できる。これにより、車両用衝突検知装置1の耐性を改善できるとともに、車両用衝突検知装置1による衝突検知の信頼性を向上させることができる。
更に、圧力センサ3をバンパレインフォースメント11の後面11bにボルトの締結により固定しているので、圧力センサ3をバンパレインフォースメント11に確実に固定することができ、衝突時に圧力センサ3が外力により外れたり損傷したりすることを防止できる。
また、検出用チューブ部材2は、略四角形の断面形状を有していることを特徴とする。この構成によれば、検出用チューブ部材2の断面形状を略四角形とすることで、温度変化に伴う衝突検知精度の低下を抑制することができる。すなわち、検出用チューブ部材2の断面形状が四角形の場合、例えば断面形状が円形の検出用チューブ部材2を用いた場合よりも、検出用チューブ部材2の衝突部以外の部分を、検出用チューブ部材2内の圧力上昇により膨れ易くできる。この衝突部以外の部分の膨張量は、高温では大きくなり、低温では小さくなるため、検出用チューブ部材2は、同一の衝突部の変形量に対し、高温では低感度、低温では高感度になる。一方、衝突部の変形量は、バンパブソーバ10の特性によって決まり、高温では変形量が大きく、低温では変形量が小さくなる。従って、温度により変化する衝突部の変形量を、衝突部以外の部分が膨れる作用により相殺することができる。これにより、温度が高くなるにつれて圧力センサ3の出力が大きくなることを抑制し、温度変化に伴う衝突検知精度の低下を抑制することを可能としている。
尚、上記した第1の実施形態では、変形センサ4は、抵抗測定部により電気抵抗値を検出してON・OFF動作するものとしたが、これに限られず、電流値を検出してON・OFF動作するものとしてもよい。この場合、電流測定部を設け、電流値が所定の閾値未満の場合にOFF動作し、電流値が所定の閾値よりも大きくなるとON動作するように変形センサ4を構成すればよい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図9〜図13を参照して説明する。尚、図9〜図13において上記第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。この第2の実施形態では、感圧導電性エラストマーからなる検出用チューブ部材2の代わりに、合成ゴム(エチレンプロピレンゴム等)のみからなり、内部に中空部21aが形成された検出用チューブ部材21を用いる。また、変形センサとして、変形センサ4の代わりにラインセンサ41を用いる。このラインセンサ41は、検出用チューブ部材21の内周面に車幅方向(車両左右方向)に延びて設けられ、所定の間隔を隔てて互いに対向する2つの導電ライン41a,41b(導電板)を有して構成される。
これら2つの導電ライン41a,41bには、複数の一対のコンタクタ41c,41dが車幅方向に所定の間隔をあけて並んで配置されている。具体的には、バンパブソーバ10側の導電ライン41aに設けられたコンタクタ41cと、バンパレインフォースメント11側の導電ライン41bに設けられたコンタクタ41dとが互いに対向するように複数配置されている。ラインセンサ41は、検出用チューブ部材21の変形に伴って、一対のコンタクタ41c,41dが接触したことを検出して物体の衝突を検知するものである。尚、第2の実施形態では、導電ライン41a,41b及びコンタクタ41c,41dが導電部材に相当する。
図9において、導電ライン41aは比抵抗Raをもつ抵抗ラインであり、導電ライン41bは比抵抗Rbをもつ抵抗ラインである。比抵抗とは、単位距離あたりの電気抵抗値を意味する。導電ライン41aには、リード線を介して電源供給部7が接続され、この電源供給部7から直流電源電圧Vが供給される。導電ライン41bの一端は、リード線に接続され、抵抗値Rcをもつ抵抗素子41eを介して接地されている。また、導電ライン41bの他端は、リード線に接続され、抵抗値Rcをもつ抵抗素子41fを介して接地されている。
そして、抵抗素子41eの両端部には、抵抗素子41eの電圧値V1を検出する電圧検出部411が接続されている。また、抵抗素子41fの両端部には、抵抗素子41fの電圧降下V2を検出する電圧検出部412が接続されている。
ラインセンサ41は、電圧検出部411,412により、衝突に伴って接触した2つの導電ライン41a,41b間の電圧値の変化(電圧降下)を検出することにより、バンパ8の車幅方向における物体(歩行者)の衝突位置を検出する。このラインセンサ41は、衝突検知ECU6に伝送線を介して接続されており、衝突検出信号を衝突検知ECU6に出力する。尚、コンタクタ41c,41dは、検出用チューブ部材21の弾性力により、負荷荷重がなくなると互いに離れるものとする。
この衝突検知ECU6は、図12に示すように、圧力センサ3による圧力検出結果に基づいてメイン判定を行うとともに、ラインセンサ41による電圧値検出結果に基づいてセーフィング判定を行う。また、衝突検知ECU6は、速度センサ5による速度検出結果に基づいて、車両速度判定を行う。
第2の実施形態では、衝突検知ECU6は、ラインセンサ41の検出結果に基づいて、歩行者の衝突位置の特定を行い、メイン判定及びセーフィング判定の閾値を設定(変更)した後に、上記メイン判定及びセーフィング判定を実行する。すなわち、メイン判定及びセーフィング判定に用いる閾値は、ラインセンサ41により検出された歩行者の衝突位置に応じて設定されている。衝突検知ECU6は、圧力センサ3及びラインセンサ41の検出結果がそれぞれの閾値以上になったことに基づいて、バンパ8へ歩行者が衝突したことを判定する。
次に、第2の実施形態の車両用衝突検知装置1による衝突判定処理の流れについて、図13のフローチャートも参照して説明する。ただし、このフローチャートは一例であり、これに限定されるものではない。第2の実施形態の衝突判定処理においては、圧力センサ3及び変形センサ41の検出結果に基づいて、歩行者保護装置12の作動を要する歩行者との衝突が発生したか否かの判定を行うとともに、衝突位置の特定を行う。
まず、図13のフローチャートにおいて、車両用衝突検知装置1の衝突検知ECU6は、第1の実施形態と同様に、速度センサ5からの出力により車両速度を取得し(ステップS11)、車両速度が所定の作動範囲内か否かの判定を行う(S12)。
車両速度が作動範囲内でない場合(S12:No)、S11に戻り、車両速度が作動範囲内の場合(S12:Yes)、衝突検知ECU6は、圧力センサ3の検出値を取得し(S13)、有効質量を算出する(S14)。有効質量は、第1の実施形態と同様に、(式1)より算出される。続いて、ラインセンサの検出値を取得し(S15)、歩行者の衝突位置を算出する(S16)。以下、この衝突位置の算出方法について説明する。
車両と歩行者との衝突により、バンパ8のバンパカバー9が変形すると、バンパブソーバ10が衝撃を吸収しながら変形すると同時に、検出用チューブ部材21も変形する。このとき、検出用チューブ部材21内に配設された2つの導電ライン41a,41bのうち、バンパブソーバ10側の導電ライン41aの衝突部位が変形し、導電ライン41aのコンタクタ41cと、このコンタクタ41cに対向する導電ライン41bのコンタクタ41dとが接触する(図10下図参照)。このコンタクタ41c,41d(導電ライン41a,41b)が接触した状態では、導電ライン41a,41b間の電気抵抗値は0に近くなり、導電ライン41a,41b間が短絡される。
ここで、図9に示すように、導電ライン41aの右側端部から歩行者の衝突位置(衝突により変形した部位)までの距離をXとする。また、導電ライン41aの左側端部から歩行者の衝突位置までの距離を1−Xとする。この場合、導電ライン41aの右側端部から衝突位置までの抵抗値は、X・Raとなり、導電ライン41aの左側端部から衝突位置までの抵抗値は(1−X)・Raとなる。また、導電ライン41bの右側端部から衝突位置までの抵抗値は、X・Rbとなり、導電ライン41bの左側端部から衝突位置までの抵抗値は、(1−X)・Rbとなる。これらの関係から、距離Xは、抵抗素子41eにおける電圧値V1、抵抗素子41fにおける電圧値V2、抵抗値Rb,Rcを用いて次式により算出することができる。
X={(Rb+Rc)・V2−Rc・V1}/{(V1+V2)・Rb}・・・(式2)
このように、歩行者の衝突位置を算出した後、衝突検知ECU6は、有効質量の閾値を設定するとともに(S17)、ラインセンサ41の閾値を設定する(S18)。
図11に示すように、物体(歩行者)が衝突したバンパ8の車幅方向の位置に応じて、衝突判定のON要件及びOFF要件が異なっている。図11に示す例では、車両中央部側のON要件の方が、車両端部側のON要件よりも有効質量の値が大きくなっている、すなわち、車両端部側の閾値の方が、車両中央部側の閾値よりも小さくなっている。これは、車両端部側(コーナー部分)は車幅方向に対して傾斜した構造となっているため、車両中央部側の車幅方向に対して平坦な構造となっている部分よりも、圧力センサ3による出力が小さくなることを考慮していることに基づく。また、ラインセンサ41においても、車両端部側の閾値を車両中央部側の閾値よりも小さく設定する。これは、車両中央部側よりも車両端部側の方が、衝突時におけるコンタクタ41c,41d(導電ライン41a,41b)の接触状態が弱くなるため、ラインセンサ41の出力が小さくなることを考慮している。従って、S17及びS18において、歩行者の衝突位置に応じて、有効質量及びラインセンサ41の閾値を変更するものとする。
尚、ON要件は、体重7kg程度の子供が時速25kmで走行する車両と衝突した場合を想定している。また、OFF要件は、道路上に設置されたロードサイドマーカに対して車両が衝突した場合を想定している。人体(歩行者)とロードサイドマーカとでは質量(重量)が異なるため、人体とそれ以外の物体とでは、圧力センサ3の検出値及びラインセンサ41の検出値が異なるものとなり、この差異を衝突物の判定に用いている。
次に、衝突検知ECU6は、S14にて算出した有効質量がS17にて設定された閾値以上か否かの判定を行う(S19)。有効質量が閾値未満の場合(S19:No)、S11に戻り、有効質量が閾値以上の場合(S19:Yes)、衝突検知ECU6は、ラインセンサ41の検出値を取得し(S20)、ラインセンサ41の検出値がS18にて設定された閾値以上か否かの判定を行う(S21)。ここで、ラインセンサ41の検出値とは、電圧検出部411,412により検出される電圧値のことである。
そして、衝突検知ECU6は、ラインセンサ41の検出値が閾値以上の場合(S21:Yes)、車両と歩行者との衝突が発生したものと判定し(S22)、歩行者保護装置12を作動させる制御信号を出力して、歩行者保護装置12を作動させる(S23)。これにより、車両と歩行者との衝突による歩行者への衝撃を低減させる。尚、ラインセンサ41の検出値が閾値未満の場合には(S21:No)、S11に戻る。
以上説明した第2の実施形態の車両用衝突検知装置1では、導電部材(導電ライン41a,41b及びコンタクタ41c,41d)は、検出用チューブ部材2に沿って車幅方向に複数配列され、車幅方向に延びて所定間隔を隔てて対向する複数の導電ライン41a,41bを有し、変形センサとしてのラインセンサ41は、2つの導電ライン41a,41bが検出用チューブ部材2の変形に伴って接触したことを検出することを特徴とする。
この構成によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、圧力センサ3の圧力検出結果と、圧力とは異なる物理量を検出するラインセンサ41の検出結果とに基づいて、衝突検知ECU6によりバンパ8へ歩行者が衝突したことを判定することにより、車両と歩行者との衝突検知精度を向上させることができる。更に、導電部材(導電ライン41a,41b及びコンタクタ41c,41d)が検出用チューブ部材2に沿って車幅方向に複数配列されているので、セーフィングセンサであるラインセンサ41の車幅方向における衝突検知範囲を十分確保することができる。
導電部材(導電ライン41a,41b及びコンタクタ41c,41d)は、検出用チューブ部材21とは別体で成形されたことを特徴とする。この構成によれば、検出用チューブ部材21に導電ライン41a,41b及びコンタクタ41c,41dを増設することで、ラインセンサ41を容易に構成可能であるので、簡易な製造工程により、車両用衝突検知装置1の衝突検知精度を向上できる。
また、ラインセンサ41は、検出用チューブ部材21の変形に伴って接触した2つの導電ライン41a,41b間の電圧値、電気抵抗値の変化を検出することにより、バンパ8の車幅方向における物体(歩行者)の衝突位置を検出することを特徴とする。
この構成によれば、2つの導電ライン41a,41bを有するラインセンサ41を用いて、衝突による導電ライン41a,41b間の電圧値、電気抵抗値の変化を検出することにより、簡易な構成で歩行者の衝突位置を正確に検出することができる。
また、判定手段である衝突検知ECU6は、圧力センサ3及びラインセンサ41の検出結果がそれぞれの閾値以上になったことに基づいて、バンパ8へ物体(歩行者)が衝突したことを判定するものであり、閾値は、ラインセンサ41により検出された歩行者の衝突位置に応じて設定されることを特徴とする。
この構成によれば、ラインセンサ41により検出された歩行者の衝突位置に応じて、圧力センサ3及びラインセンサ41の閾値を設定しているので、例えば、圧力センサ3及びラインセンサ41の出力値が異なる車両中央部側と車両端部側とで閾値を変更することにより、衝突検知精度を効果的に向上させることができ、バンパ8の車幅方向全域において歩行者の衝突検知をより正確に行うことができる。
尚、上記した第2の実施形態では、車両中央部側と車両端部側とで閾値を変更するものとしたが、これに限られない。例えば、車両中央部の意匠部分における閾値を小さく設定してもよい。これは、車両前端中央部の意匠が施された部分は他の部分よりも構造が硬くなっているので、圧力センサ3及び変形センサ41の出力が小さくなることを想定している。
また、導電ライン41b側のリード線に、抵抗素子41e,41fの代わりに、コンデンサを接続してもよい。この場合、衝突時の検出用チューブ部材21の変形により、第1導電部材421bと第2導電部材422bとが接触したことに伴って、コンデンサの静電容量が変化する。この静電容量の変化を検出する静電容量センサを変形センサとして用いてもよい。この静電容量センサによっても、接触した一対のコンタクタ41c,41dの位置を判別する判別回路を設けることにより、衝突位置を特定することが可能である。
また、第2の実施形態では、導電ラインを2つ設けた場合について説明したが、これに限られず、導電ラインを3つ以上設けた場合においても本発明を適用することが可能である。
また、ラインセンサ41を2つの導電ライン41a,41bを有する構成としたが、これに限られない。他にも、導電ラインの代わりに、例えば光ファイバーを用いても物体(歩行者)の衝突位置を検出することが可能である。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について、図14〜図16を参照して説明する。尚、図14〜図16において上記第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。この第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、合成ゴムのみからなる検出用チューブ部材21を用いる。また、変形センサとして、第1の実施形態の変形センサ4の代わりに、図14に示す荷重センサ42を用いる。
この荷重センサ42は、図14に示すように、車両前方側に配設された第1導線421a及び第1導電部材421b、車両後方側に配設された第2導線422a及び第2導電部材422b、出力検出用抵抗42c、電圧検出部42d等を備えて構成されている。第1導線421a、第1導電部材421b、第2導線422a、及び第2導電部材422bは、導電性部材からなり、本発明の導電部材に相当する。この導電部材(第1導線421a、第1導電部材421b、第2導線422a、第2導電部材422b)は、検出用チューブ部材21の内周面に沿って車幅方向(車両左右方向)に延びて設けられている。
第1導線421a及び第1導電部材421bは、検出用チューブ部材21内の車両前方側に、5個ずつ車両上下方向に並んで配設されている。また、第2導線422a及び第2導電部材422bは、検出用チューブ部材21内の車両後方側に、5個ずつ車両上下方向に並んで配設されている。
第1導線421aは、銅線からなり、第1導電部材421bにより外周を被覆されている。また、第2導線422aは、銅線からなり、第2導電部材422bにより外周を被覆されている。第1導線421a及び第2導線422aは、互いに平行に配置され、検出用チューブ部材21の車幅方向(車両左右方向)に延びて配設されている。第1導電部材421b及び第2導電部材422bは、導電性ゴムからなり、断面略四角形状に形成されている。
5本の第1導線421aは、出力検出用抵抗42cを介して接地されている。また、5本の第2導線422aには、リード線を介して、電源供給部7から直流電源を供給する。第1導線421aと出力検出用抵抗42cと間には、電圧検出部42dが接続されている。
次に、第3の実施形態における車両用衝突検知装置1の衝突時の動作について説明する。車両前方に歩行者等の物体が衝突した際には、バンパ8のバンパカバー9が歩行者との衝突による衝撃により変形する。続いて、バンパブソーバ10が衝撃を吸収しながら変形すると同時に、検出用チューブ部材21も変形する。このとき、検出用チューブ部材21内の圧力が急上昇し、この圧力変化が圧力センサ3に伝達する。
更に、検出用チューブ部材21が変形することに伴って、荷重センサ42に衝突荷重が伝達される。これにより、検出用チューブ部材21の変形部位においては、図15右図に示すように、第1導電部材421bと第2導電部材422bとの間の接触面積が衝突荷重に正相関を有して増加する。また、第1導線421aと第2導線422aとの間の電気抵抗値は、衝突荷重に正相関を有して減少する(図16参照)。従って、電圧検出部42dにより検出される出力電圧は、衝突荷重に正相関を有して増加する。これにより、荷重センサ42は、バンパ8のどの部位に衝突が発生したとしても、良好な衝突荷重波形を速やかに検出する。
この荷重センサ42は、衝突検知ECU6に電気的に接続され、衝突荷重信号を衝突検知ECU6に出力する。衝突検知ECU6は、衝突荷重信号の波形に基づいて、車両と歩行者との衝突が発生したか否かの判定を行う。
上記荷重センサ42は、メインセンサである圧力センサ3の冗長用のセーフィングセンサであり、衝突時にON動作し、非衝突時にOFF動作するというスイッチ機能と、衝突時に衝突荷重に応じた電気抵抗値を変化させる可変抵抗機能とを有する構成となっている。
この第3の実施形態の車両用衝突検知装置1による衝突判定処理の流れは、S6及びS7以外は、第1の実施形態と同様のものである(図8参照)。第3の実施形態においては、S6において、衝突検知ECU6は、荷重センサ42の検出値を取得し(S6´)、荷重センサ42はON動作したか否かの判定を行う(S7´)。荷重センサ42がON動作した場合(S7´:Yes)、衝突検知ECU6は、荷重センサ42からの衝突荷重信号の波形に基づいて、車両と歩行者との衝突が発生したものと判定し(S8)、歩行者保護装置12を作動させる(S9)。
以上説明した第3の実施形態の車両用衝突検知装置1は、第1の実施形態の変形センサ4の代わりに、変形センサとしてバンパ8への物体(歩行者)の衝突荷重を検出する荷重センサ42を設けたことを特徴とする。この構成によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができることに加えて、荷重センサ42により、車両と歩行者との衝突荷重を正確に測定することができる。これにより、測定された衝突荷重を用いて、衝突した物体が歩行者か否かを確実に判別することができ、歩行者保護装置12をより適切に作動させることが可能となる。
また、導電部材(第1導線421a、第1導電部材421b、第2導線422a、第2導電部材422b)は、検出用チューブ部材21とは別体で形成され、且つ検出用チューブ部材21に沿って車幅方向に複数配列されていることを特徴とする。
この構成によれば、導電部材(第1導線421a、第1導電部材421b、第2導線422a、第2導電部材422b)が検出用チューブ部材2に沿って車幅方向に複数配列されているので、セーフィングセンサである荷重センサ42の車幅方向における衝突検知範囲及び荷重検出範囲を十分確保することができる。
尚、上記した第3の実施形態では、5つの第1導電部材421bを互いに上下に隣接して配置するとともに、5つの第2導電部材422bを上下に互いに隣接して配置したが、これに限られない。例えば、各第1導電部材421b、及び各第2導電部材422bを上下に所定間隔をあけて配置するようにしてもよい。また、第1導電部材421b及び第2導電部材422bの形状や材質、設置個数は適宜変更可能であるものとする。
また、上記した第3の実施形態では、圧力センサ3とは別体の電源供給部7を設ける構成としたが、圧力センサ3の内部に電源供給部7を設けてもよい。以下、圧力センサの内部に電源供給部を設けた場合について説明する。図17に示す例では、圧力センサ31の内部に、電源供給部311、出力検出用抵抗312及び電圧検出部313が配設されている。
電源供給部311は、5本の第1導線421aの一端部(圧力センサ31側)に接続され、5本の第1導線421aに直流電源を供給する。5本の第1導線421aの他端部(圧力センサ31とは反対側)は、第2導線422aの一端部(圧力センサ31とは反対側)にそれぞれ接続されている。5本の第2導線422aの他端部(圧力センサ31側)は、圧力センサ31内に配設された出力検出用抵抗312に接続され、出力検出用抵抗312を介して接地されている。第2導線422aと出力検出用抵抗312との間には、電圧検出部313が接続されている。第1導線421aは、比抵抗Raを有し、第2導線422aは、比抵抗Rbを有する。また、出力検出用抵抗312は、抵抗値Rcを有する。
上記構成の圧力センサ31及び荷重センサ42を有する車両用衝突検知装置1では、車両前方に歩行者等の物体が衝突すると、図17に示すように、検出用チューブ部材21の変形部位において第1導電部材421bと第2導電部材422bとが接触する。このとき、第1導電部材421b及び第2導電部材422bを介して、第1導線421aと第2導線422aとが導通する。荷重センサ42は、導通経路の電圧値を圧力センサ31内の電圧検出部313により検出することに基づいて、バンパ8の車幅方向における歩行者の衝突位置を検知可能である。
図18に示す例では、圧力センサ31の内部に電源供給部311、出力検出用抵抗312及び電圧検出部313が配設され、電源供給部311が第1導線421aの他端部(圧力センサ31とは反対側)に接続されている。
第2導線422aの一端部(圧力センサ31側)は、圧力センサ31内に配設された出力検出用抵抗312に接続され、出力検出用抵抗312を介して接地されている。第2導線422aと出力検出用抵抗312との間には、電圧検出部313が接続されている。第1導線421aは、比抵抗Raを有し、第2導線422aは、比抵抗Rbを有する。また、出力検出用抵抗312は、抵抗値Rcを有する。
上記構成の圧力センサ31及び荷重センサ42を有する車両用衝突検知装置1において、車両前方に歩行者等の物体が衝突すると、図18に示すように、検出用チューブ部材21の変形部位において第1導電部材421bと第2導電部材422bとが接触し、第1導線421aと第2導線422aとが導通する。そして、荷重センサ42は、電圧検出部313により、導通経路の電圧値を検出することに基づいて、バンパ8の車幅方向における歩行者の衝突位置を検知可能である。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について、図19〜図27を参照して説明する。尚、図19〜図27において上記実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。
第4の実施形態の車両用衝突検知装置1は、検出用チューブ部材22、圧力センサ3、導電性センサ43(変形センサに相当)、速度センサ5、衝突検知ECU6、電源供給部7、異常検知ECU14(異常検知手段に相当)、異常報知ランプ15(異常報知手段に相当)等を備えて構成される(図19及び図24参照)。
検出用チューブ部材22は、図21に示すように、内部に中空部22aが形成され、円形の断面形状を有している。この検出用チューブ部材22は、図19及び図20に示すように、車幅方向(車両左右方向)に延びている部材であり、車両のバンパ8内におけるバンパレインフォースメント11の前面11a(車両前方側)に対向する位置、且つバンパブソーバ10の車両後方側に配設される。検出用チューブ部材22の外径は、例えば10mm程度である。検出用チューブ部材22の周壁の肉厚は、1〜2mm程度である。第1の実施形態と同様に、検出用チューブ部材2の一端部(左側端部)は圧力センサ3に接続され、他端部(右側端部)は閉塞されている(図2参照)。尚、図20では、抵抗体43a及び導体43bの図示が省略されている。
また、検出用チューブ部材22は、第1の実施形態と同様の感圧導電性エラストマー(感圧導電性ゴム)からなる(図5参照)。すなわち、検出用チューブ部材22は、導電性を有する弾性部材からなり、加わる圧力の変化(歪み)に伴って電気抵抗値R1が変化するという特性を有している。具体的には、検出用チューブ部材22に変形が生じると、電気抵抗値R1が低くなり、変形をなくすと電気抵抗値が高くなる(図6参照)。
また、第4の実施形態では、図23に示すように、検出用チューブ部材22の一端部(左側端部)側の内部に、導電線22cが配設されている。導電線22cは、検出用チューブ部材22の外部に延び、圧力センサ3のセンサ部31に接続される。この導電線22cは、検出用チューブ部材22と圧力センサ3(圧力導入管32)との接続状態を検知するために用いられる。
圧力センサ3は、第1の実施形態と同様に、本体部30と、センサ部31と、圧力導入管32と、コネクタ部33とを備えて構成される(図23参照)。第4の実施形態では、センサ部31は、上述の検出用チューブ部材22の導電線22cに電気的に接続されている。圧力センサ3の脱落等が発生した場合、検出用チューブ部材22とセンサ部31との間における導電線22cの接続状態に不具合が発生することに伴って、導電性センサ43における電気抵抗値が変化する。異常検知ECU14は、導電性センサ43の電気抵抗値の変化を検出することに基づいて、圧力センサ3に脱落等が発生したことを検知する。
導電性センサ43は、図21に示すように、抵抗体43aと、検出用チューブ部材22と、導体43bとから構成される。この導電性センサ43は、車両の歩行者等との衝突に伴う衝撃(外力)が加わると、衝突部(衝突時にバンパカバー8の変形に伴って変形する部分)において、抵抗体43aと導体43bとの間が導通するように構成される。具体的には、図24に示すように、歩行者等との衝突時に、検出用チューブ部材22の車両前方側の外周面における衝突部(図26の白抜き矢印参照)にて、抵抗体43aと導体43bとの間が検出用チューブ部材22を介して導通する。
抵抗体43aは、図21に示すように、円環状の断面形状を有し、検出用チューブ部材22の外周面を覆うように固定され、車幅方向に沿って設けられている。抵抗体43aは、比抵抗Raをもつ。導体43bは、円環状の断面形状を有し、検出用チューブ部材22の内周面を覆うように固定され、車幅方向に沿って設けられている。導体43bは、比抵抗Rbをもつ。
図19及び図22に示すように、導電性センサ43(抵抗体43a、検出用チューブ部材22、導体43b)の一端部(車両右側端部)は、リード線を介して電源供給部7に接続されている。電源供給部7は、導電性センサ43に電源を供給するためのものであり、検出用チューブ部材22の一端部から他端部までの車幅方向全体に亘って、所定の直流電源電圧Vinを印加する。
導電性センサ43の他端部(車両左側端部)は、リード線に接続され、抵抗値Rcをもつ抵抗素子43cを介して接地されている。また、抵抗素子43cの両端部には、抵抗素子43cの電圧値Voutを検出する電圧検出部431が接続されている。尚、第4の実施形態では、抵抗体43a、導体43bが導電部材に相当する。
異常検知ECU14は、検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落の検知を行うためのものである。具体的には、異常検知ECU14は、所定時間間隔ごとに継続して、導電性センサ43の電気抵抗値を取得し、当該電気抵抗値が所定の閾値以上になった場合に、検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落等が発生したものと検知する。
異常報知ランプ15は、車両内に設けられ、ランプを点灯させることにより車両の乗員に異常報知を行うためのものである。異常報知ランプ15は、異常検知ECU14により検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落が検知された場合に、車両の乗員に異常報知を行う(図25参照)。
尚、衝突検知ECU6は、異常検知ECU14により検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落が検知された場合であっても、車両の歩行者等との衝突判定を継続して行うものとする。第4の実施形態における車両用衝突検知装置1による衝突判定処理も、第2の実施形態と同様に行われる。すなわち、衝突検知ECU6は、導電性センサ43の検出結果に基づいて、歩行者の衝突位置の特定を行い、メイン判定及びセーフィング判定の閾値を設定(変更)した後に、メイン判定及びセーフィング判定を実行する。衝突検知ECU6は、圧力センサ3及び導電性センサ43の検出結果がそれぞれの閾値以上になったことに基づいて、バンパ8へ歩行者が衝突したことを判定する。
また、第4の実施形態の衝突検知ECU6は、導電性センサ43の電圧検出部431により、衝突に伴う電圧値の変化(電圧降下)を検出することにより、バンパ8の車幅方向における物体(歩行者)の衝突位置を検出する。具体的には、以下に説明するようにして衝突位置の算出を行う。
上述の通り、歩行者等との衝突が発生すると、検出用チューブ部材22の車両前方側の衝突部において、抵抗体43aと導体43bとの間が検出用チューブ部材22を介して導通する。ここで、導電性センサ43の右側端部から歩行者の衝突位置(衝突により変形した部位)までの距離をXとし、抵抗体43aの抵抗係数をρとする。この場合、抵抗体43aの右側端部から衝突位置までの抵抗値Rは、R=ρXとなる。
また、導電性センサ43の導通経路における電圧値V及び電流値Iとすると、導電性センサ43の電圧値Vは、V=ρX×Iとなる。従って、X=V/(ρ×I)となる。この関係式により、電圧値V及び電流値Iを測定することに基づいて、第2の実施形態と同様に、第4の実施形態においても歩行者の衝突位置を推定することが可能である。
次に、第4の実施形態における異常判定処理の流れについて、図25に示すフローチャートを参照して説明する。この異常判定処理において、異常検知ECU14は、所定時間間隔ごとに継続して、導電性センサ43の電気抵抗値を取得し(S31)、導電性センサ43の電気抵抗値が所定の閾値以上か否かの判定を行う(S32)。導電性センサ43の電気抵抗値が所定の閾値未満である場合(S32:No)、S31に戻り、導電性センサ43の電気抵抗値が所定の閾値以上になった場合(S32:Yes)、検出用チューブ部材22の破損、又は圧力センサ3の脱落が発生したものと判定する(S33)。
ここで、検出用チューブ部材22の「破損」には、経年劣化などにより、検出用チューブ部材22に亀裂、断裂等が発生した場合が含まれる。図27に示すように、検出用チューブ部材22に亀裂、断裂等が発生すると、導電性センサ43の電気抵抗値が大きくなり、この電気抵抗値の変化を検出することに基づいて検出用チューブ部材22の破損の検知が行われる。具体的には、電圧検出部431により検出される電圧値Voutに基づいて破損の検知を行う。すなわち、検出用チューブ部材22に破損がない状態では、Voutは次式により表される。
Vout=Rc/(R1+Ra+Rb+Rc)×Vin・・・(式3)
検出用チューブ部材22に亀裂、断裂等が発生すると、Voutは次式により表される。
Vout=Rc/(R1+Ra+Rb+Rc+R2)×Vin・・・(式4)
上記(式4)におけるR2が検出用チューブ部材22に亀裂、断裂等に伴う電手抵抗値の増加量となる。このようにして、電圧検出部431の電圧値Voutの変化を検出することに基づいて検出用チューブ部材22における破損の検知を行うことができる。
また、圧力センサ3の「脱落」には、検出用チューブ部材22と圧力センサ3との間における接続の不具合、圧力センサ3が検出用チューブ部材22から外れること等が含まれる。この場合も、電圧検出部431の電圧値Voutの変化を検出することに基づいて圧力センサ3の脱落等の検知を行うことができる。例えば、圧力センサ3が検出用チューブ部材22から外れた場合には、導電性センサ43の電気経路(導電線22c)において短絡が生じる。異常検知ECU14は、電圧検出部431により検出される電圧値Voutに基づいて、上記短絡を検知することにより、圧力センサ3の脱落を検知する。
異常検知ECU14は、検出用チューブ部材22の破損、又は圧力センサ3の脱落が発生したものと判定すると、制御信号を出力して異常報知ランプ15を点灯させる(S34)。これにより、車両内の乗員は、車両用衝突検知装置1に、検出用チューブ部材22の破損、圧力センサ3の脱落等の異常が発生した旨を視認することができる。尚、異常報知手段は、異常報知ランプ15に限られず、例えばスピーカ等であってもよい。
以上説明した第4の実施形態の車両用衝突検知装置1では、導電性センサ43による検出結果に基づいて、検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落を検知する異常検知ECU14を備える。異常検知ECU(14,S33)は、導電性センサ43により検出された導電性センサ43の電気抵抗値が所定の閾値以上になった場合に、検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落が発生したものと検知することを特徴とする。
この構成によれば、異常検知ECU14により導電性センサ43の電気抵抗値が所定の閾値以上になったか否かを判定することによって、検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落の発生を正確に検知することができる。
また、異常検知ECU(14,S32)は、所定時間間隔ごとに継続して検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落の検知を行うことを特徴とする。この構成によれば、異常検知ECU14により所定時間間隔ごとに継続して検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落の検知を行うので、経年劣化に伴う検出用チューブ部材22の破損や、車両の長時間走行等に伴う圧力センサ3の脱落を迅速に見つけ出すことができる。
また、異常検知ECU14により検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落が検知された場合に、車両の乗員に異常報知を行う異常報知手段としての異常報知ランプ(15,S34)を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、異常検知ECU14により検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落が検知された場合に、異常報知ランプ15によって異常報知が行われるので、車両の乗員が検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落を迅速に認識して、当該車両を修理に出す等の適切な処置を行うことができる。
また、衝突検知ECU6は、異常検知ECU14により検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落が検知された場合であっても、衝突判定を行うことを特徴とする。
この構成によれば、異常検知ECU14により検出用チューブ部材22の破損又は圧力センサ3の脱落が検知された場合であっても、衝突検知ECU6により継続して衝突判定を行うことができる。つまり、検出用チューブ部材22の破損状況又は圧力センサ3の脱落状況の程度が低い状態で、衝突検知ECU6による衝突判定が可能である(圧力センサ3による圧力検出が可能である)場合には、継続して衝突判定を行う。これにより、異常検知ECU14により異常検知中であっても、衝突検知ECU6により車両の歩行者等との衝突が検知された時には、歩行者保護装置12を適切に作動させることができる。
尚、上記した第4の実施形態では、圧力センサ3とは別体の電源供給部7を設ける構成としたが、圧力センサ3の内部に電源供給部7を設けてもよい。図28に示す例では、圧力センサ31の内部に、電源供給部311、出力検出用抵抗312及び電圧検出部313が配設されている。
電源供給部311は、抵抗体43aの一端部(圧力センサ31側)に接続され、抵抗体43aに直流電源を供給する。導体43bの一端部(圧力センサ31側)は、圧力センサ31内に配設された出力検出用抵抗312に接続され、出力検出用抵抗312を介して接地されている。導体43bと出力検出用抵抗312との間には、電圧検出部313が接続されている。抵抗体43aは、比抵抗Raを有し、抵抗体43aは、比抵抗Rbを有する。また、出力検出用抵抗312は、抵抗値Rcを有する。
上記構成の圧力センサ31及び導電性センサ43を有する車両用衝突検知装置1では、車両前方に歩行者等が衝突すると、図28に示すように、衝突部(衝突時にバンパカバー8の変形に伴って変形する部分)において、抵抗体43aと導体43bとの間が検出用チューブ部材22を介して導通する。導電性センサ43は、導通経路の電圧値を圧力センサ31内の電圧検出部313により検出することに基づいて、バンパ8の車幅方向における歩行者の衝突位置を検知可能である。
[その他の実施形態]
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形または拡張を施すことができる。例えば、検出用チューブ部材2,21の配設位置を変更させてもよく、図29に示すように、検出用チューブ部材2,21を、バンパレインフォースメント11の車両前方側におけるバンパブソーバ10の中央上部に配置してもよい。また、図30に示すように、検出用チューブ部材2,21を、バンパレインフォースメント11の車両前方側におけるバンパブソーバ10の前方上部に配置してもよい。
更に、上記実施形態では、検出用チューブ部材2,21の断面形状を略四角形にしたが、これに限られず、断面形状が多角形のものを用いてもよい。
また、上記した実施形態では、圧力センサ3は、バンパレインフォースメント11の左側端部の後面11bに配設されるものとしたが、これに限られず、圧力センサ3の配置箇所は適宜変更可能であるものとする。また、電源供給部7は、所定の直流電源電圧を印加するものとしたが、交流電源電圧を供給するようにしても、本発明を適用することができる。
また、検出用チューブ部材2,21の車両左端部におけるバンパレインフォースメント11の端部からはみ出した部分に、接続用のチューブを設けてもよい。この接続用チューブは、中空のチューブ状を呈する部材であって、一端が検出用チューブ部材2,21に対して中空部2aが互いに連通するように接続され、且つ他端に圧力センサ3が接続される。この構成によれば、圧力センサ3が接続用チューブを介して検出用チューブ部材2,21に接続されるので、検出用チューブ部材2,21による圧力検出範囲を確保しながら、圧力センサ3を適切な位置に配設することができる。
更に、この接続用チューブを検出用チューブ部材2,21よりも高い剛性を有するものとすれば、接続用チューブの強度を確保することができるので、衝突時において、バンパカバー9の変形に伴って、接続用チューブがつぶれたり切断されたりしてしまう等の損傷を起こすことを防止できる。また、接続用チューブを検出用チューブ部材2の端部側からバンパレインフォースメント11の後面11b側に湾曲させても、接続用チューブの湾曲部分が座屈等を起こして、衝突検知に悪影響を及ぼすことを防止できる。これにより、車両用衝突検知装置1の耐性をより改善させ、衝突検知の信頼性をより向上させることができる。