JP2004114752A - 車両用歩行者衝突保護装置及び車両用衝突部位検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造が容易であるとともに歩行者の左右方向衝突部位を高速に特定可能な車両用歩行者衝突保護装置及びそれに好適に採用可能な車両用衝突部位検出装置を提供すること。
【解決手段】車両のバンパーに設けられた衝突検出センサは、バンパーの左右方向に延設されて、衝突部位の検出も併せて行う。この結果、歩行者衝突部位の特定により歩行者保護要素の動作遅れを防止しつつ、歩行者保護要素の衝突に応じて作動する部分を小型軽量化することができる。
【選択図】図1
【解決手段】車両のバンパーに設けられた衝突検出センサは、バンパーの左右方向に延設されて、衝突部位の検出も併せて行う。この結果、歩行者衝突部位の特定により歩行者保護要素の動作遅れを防止しつつ、歩行者保護要素の衝突に応じて作動する部分を小型軽量化することができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用歩行者衝突保護装置及びそれに好適に採用可能な車両用衝突部位検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、歩行者の衝突を検出する車両用歩行者衝突検出装置(以下、バンパーセンサともいう)を車両のフロントバンパーに設け、この検出装置が走行中の車両が歩行者に衝突したことを検出したら、車両フロント部の上面に設けたエアバッグなどを作動させて、車両フロント部の上面に倒れ込む歩行者の衝撃に与える衝撃を緩和する車両用歩行者衝突保護装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3212841号公報
【特許文献2】
特開平8ー216826号公報
【特許文献3】
特開平11ー310095号公報
【0004】
この車両用歩行者衝突保護装置の一例として、特許第3212841号は、上記バンパーセンサ(衝突検出要素)に加えて、車両フロント部の上方空間をモニタするレーザー送受光装置(衝突部位検出要素)を設け、更にエアバッグなどの車両フロント部の上面を複数の領域に分割して各領域ごとにエアバッグ(歩行者保護要素)を設けることを提案している。
【0005】
レーザー送受光装置は、車両フロント部の上方空間に倒れ込んだ歩行者に対して車両フロント部の左右からレーザー光を照射し、反射光に基づいて歩行者が車両フロント部の上面のうち左右どちら側に倒れ込んだかを判定する。これにより、倒れ込んだ方のエアバッグだけを展開することにより展開するエアバッグを小型化することができる。
【0006】
上記したバンパーセンサ(衝突検出要素)の具体例としては、たとえば特開平8ー216826号公報及び特開平11ー310095号公報が知られている。前者の公報のバンパーセンサは、金属微粒子を混練した導電ゴムの両側に電極を設けてなり、長尺に形成されて歩行者がフロントバンパーのどの位置に衝突しても確実に検出できるようにしている。後者の公報のバンパーセンサは、内部に気体が充填された弾性チューブ内の圧力を感知する圧力センサを有し、弾性チューブ内の圧力上昇により歩行者衝突を検出している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許第3212841号の車両用歩行者衝突保護装置は、歩行者との衝突部位(左右方向における)を判別できるので展開するエアバッグを小型化でき、その結果として、少ない作動力でエアバッグの展開などの衝撃緩衝装置を素早く作動させることができ、実用上好都合である。
【0008】
しかしながら、この公報の車両用歩行者衝突保護装置は、バンパーセンサにより衝突自体の検出はできても、歩行者衝突部位検出用の左右一対のレーザー送受光装置のどちらか一方又は両方が車両フロント部の上方に倒れ込んできた歩行者を検出するまでは、歩行者の左右方向衝突部位を確定することができず、この確定からエアバッグを展開するまでの時間的余裕が少ないという問題。レーザー送受光装置の受光装置に強力な太陽光が入射すると、入射光量がその入力ダイナミックレンジを超えてしまい、光学的光反射対象として歩行者の検出が困難となるという問題、車両フロント部の上方の光学的光反射対象を監視するレーザー光送受光装置を一対必要とするため設備費用が大きいという問題、レンズ面などの汚損などにより検出精度が低下するという問題があり、実用化が困難であった。
【0009】
また、特開平8ー216826号公報が開示するバンパーセンサは、金属微粒子を混練した導電ゴムを一対の電極で挟み、衝突により導電ゴムが圧縮されて両電極間の電気抵抗値が低下するという現象を利用して歩行者との衝突を検出する構成を採用している。しかし、バンパーセンサは、歩行者が車両の左右方向いずれの位置に衝突しても検出する必要があるためその電極面積総和がどうしても大きくなってしまう。ところが、このような導電粒子分散ゴムでは、非衝突時の直流電流漏れを低減することが容易でなく、その大きな電極面積と相まって直流電力損失が大きいという問題があった。
【0010】
更に、特開平11ー310095号公報が開示するバンパーセンサは、弾性チューブ内の圧力維持が容易ではなく、また、チューブ内の圧力伝播時間に起因する検出遅れによりエアバッグの作動が遅れるという問題があった。
【0011】
いずれにせよ、従来の車両用歩行者衝突保護装置では、歩行者の左右方向衝突部位を認識するために、歩行者との衝突を検出するバンパーセンサ(フロントバンパーに固定されたセンサ)の他に、左右方向衝突部位を特定するためのセンサを増設する必要があり、実用化のためには製造コスト及び検出応遅れの格段の改善が要望されていた。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、製造が容易であるとともに歩行者の左右方向衝突部位を高速に特定可能な車両用歩行者衝突保護装置及びそれに好適に採用可能な車両用衝突部位検出装置を提供することを、その目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の車両用歩行者衝突保護装置は、車両のバンパーに固定されて歩行者の衝突を検出する衝突検出要素と、左右方向における衝突部位の位置を検出する衝突部位検出要素と、前記車両に設けられて前記歩行者衝突検出要素及び前記歩行者衝突部位検出要素の出力に基づいて歩行者との衝突時に歩行者が衝突した左右方向衝突部位に基づいて前記歩行者の衝突保護を行う歩行者保護要素とを備える車両用歩行者衝突保護装置において、
前記衝突検出要素は、互いに所定間隔を隔てて対面して歩行者の衝突により互いに接触する複数の導電ラインを含むラインセンサと、前記複数の導電ライン間のインピーダンスに関連する電気量の変化に基づいて前記衝突の検出及び前記衝突部位の検出を行う検出回路部とを有して前記衝突部位検出要素を兼ねていることを特徴としている。
【0014】
この発明の車両用歩行者衝突保護装置では、バンパーの長手方に配置されたラインセンサに歩行者が衝突することにより、ラインセンサを構成する複数の導電ラインが局部的に変形して互いに接触する。その結果として生じたこれら導電ライン間のインピーダンス変化を判定して歩行者衝突事故発生の検出と歩行者衝突部位の特定との両方を実施する。
【0015】
これにより、従来のこの種の装置に比較して装置構成を格段に簡素化することができるとともに、歩行者衝突部位の特定により歩行者保護要素の動作遅れを防止しつつ、歩行者保護要素の衝突に応じて作動する部分を小型軽量化することができる。
【0016】
なお、上記した接触は上記インピーダンス変化を検出可能な程度のインピーダンス変化が導電ライン間に生じていればよく、このインピーダンス変化は、たとえば電圧降下検出用抵抗素子を通じて直流電圧又は交流電圧を各導電ライン間に印加し、電圧降下検出用抵抗素子の電圧降下の変化を検出すればよい。
【0017】
好適態様において、前記ラインセンサは、前記バンパーの長手方向へ
順次並べられて互いに独立に前記歩行者の衝突を検出する導電ライン対を複数有し、前記検出回路部は、前記導電ライン対を構成する少なくとも2本の導電ラインが前記衝突により接触したことを検出した場合に前記衝突と判定し、かつ、前記接触が生じた前記導電ライン対の配置位置により前記衝突部位を判定することを特徴としている。
【0018】
このようにすれば、各導電ラインを車両の左右方向における異なる位置に配置するという簡単な構成を採用するだけで、簡単、確実に衝突検出、衝突部位検出を同時に実施することができる。
【0019】
好適態様において、前記ラインセンサは、前記バンパーの長手方向へ延設されるとともに互いに所定間隔を隔てて対面し、歩行者との衝突位置及びその近傍領域にて互いに局部的に接触する一対の導電ライン対を有し、前記導電ライン対を構成する導電ラインの少なくとも一本は、前記接触の有無による前記電流又は電圧降下を検出可能な数値範囲の比抵抗を有する抵抗ラインからなり、前記検出回路部は、前記導電ライン対に流れる電流又は前記導電ライン対の電圧降下に基づいて前記衝突及び前記左右方向衝突部位を検出することを特徴としている。
【0020】
このようにすれば、衝突部位において少なくとも一対の導電ラインを短絡(接触)させることにより、これら導電ラインの所定部位たとえばそれらの端部から見た導電ライン間のインピーダンスを変更するので、少ない導電ライン数により衝突及び左右方向衝突部位の検出を実現することができる。
【0021】
好適態様において、前記導電ライン対は、良導電性材料からなる導電ラインと、所定の比抵抗をもつ抵抗材料からなる導電ラインとを有することを特徴としている。
【0022】
このようにすれば、導電ラインの一部を安価なたとえばアルミ板やアルミフィルムといった安価な材料を採用することができ、製造費用を低減することができる。
【0023】
好適態様において、前記ラインセンサは前記バンパーの外側表面の最も突出している部位に固定されていることを特徴としている。
【0024】
このようにすれば、歩行者は最初にラインセンサに接触することができるので、高感度に歩行者の接触を検出することができる。なお、ラインセンサはバンパーとともに変形することができるので、バンパーに設けた溝に埋め込んだり、バンパーと一体に形成してもよい。
【0025】
好適態様において、前記ラインセンサは前記バンパーの内側表面に固定されていることを特徴としている。
【0026】
このようにすれば、ラインセンサをバンパーにより隠蔽することができ、美観低下を防止することができる。
【0027】
好適態様において、一つの前記導電ラインは、電気絶縁性を有する弾性部材を介して他の前記導電ライン又は前記バンパーに保持されていることを特徴としている。
【0028】
このようにすれば、衝突検出後、導電ラインを容易に原位置に回復することができる。
【0029】
好適態様において、一つの前記導電ラインは、原位置回復可能な弾性を有して前記衝突により局部的に変形して他の前記導電ライン又は前記バンパーに保持されていることを特徴としている。
【0030】
このようにすれば、上記した弾性部材を必要としないので、製造工程を簡素化することができる。
【0031】
好適態様において、前記電源は、前記導電ライン対を構成する一対の前記導電ラインの同じ側の端部の間に所定の電圧降下検出用抵抗素子を通じて電源電圧を印加し、前記検出回路部は、前記電圧降下検出用抵抗素子の電圧降下に基づいて前記衝突の発生及び衝突部位の特定を行うことを特徴としている。
【0032】
このようにすれば、衝突部位検出を高感度に検出することができる。
【0033】
好適態様において、前記電極ラインは、所定の第一電位源に接続され、前記抵抗ラインの両端はそれぞれ異なる電圧降下検出用抵抗素子を通じて所定の第二電位源に接続され、前記検出回路部は、前記両電圧降下検出用抵抗素子の電圧降下に基づいて前記衝突部位を判定する。
【0034】
このようにすれば、電極ラインの電圧降下を略無視することができるので、第一の電圧降下検出用抵抗素子により導電ライン対の一端側にて高い検出感度を確保し、第二の電圧降下検出用抵抗素子により導電ライン対の他端側にて高い検出感度を確保することができる。たとえば、両電圧降下検出用抵抗素子の電位降下の差を検出すれば、直線性に優れ、かつ、歩行者がしやすい左右両端部において高い検出感度を得ることができる。
【0035】
上記車両用歩行者衝突保護装置に好適に採用可能な本発明の車両用衝突部位検出装置は、車両の前面又は後面に固定されて左右方向へ延在するとともに互いに所定間隔を隔てて配置される少なくとも2本の導電ラインを含むラインセンサと、前記両導電ラインの所定位置間のインピーダンスに関連する電気量を検出する検出回路部とを備え、前記両導電ラインのうち少なくとも一方は、所定の比抵抗を有する抵抗材料により構成され、前記両導電ライン間の間隔は、物体の衝突により衝突位置及びその近傍部位にて局所的に弾性回復可能に縮小され、前記インピーダンスは、前記衝突位置に応じて変化することを特徴としている。
【0036】
すなわち、この発明の車両用衝突部位検出装置は、少なくとも1本は電気抵抗性をもつ導電ラインすなわち抵抗ラインである少なくとも2本の導電ラインを車両の前面又は後面に左右方向に延設し、対人又は対物衝突により衝突部位の両導電ライン間の間隔を局所的に縮小乃至接触させる。これにより、両導電ラインの所定位置からみた両導電ライン間のインピーダンスを衝突部位の変化により変化させることができる。このインピーダンス変化は、電流変化、電圧変化、発振周波数変化などの公知手法により容易に検出することができるので、簡単な装置構成により、衝突部位を検出することができ、更にこれと同時に衝突の発生を検出することができる。衝突時に衝突部位を速やかに検出することができれば、たとえば車室外の複数の歩行者保護用エアバッグのうち、最適なエアバッグだけを展開させるなど、衝突対応処理を最適実施することができ、安全上好都合である。なお、電気抵抗性をもたない導電ラインすなわち電極ラインとしては車体を代用することも可能である。
【0037】
好適態様において、交流電圧と直流電圧が、前記ラインセンサに印加され、前記検出回路部は、前記ラインセンサを流れる直流電流成分に関連する電気量の変化に基づいて少なくとも前記衝突検出及び衝突部位検出を行い、かつ、前記ラインセンサを流れる交流成分に関連する電気量の変化に基づいて障害物の接近を検出することを特徴としている。
【0038】
なお、直流電圧としては、上記交流電圧に対して周波数分離可能な電圧であればよく、上記交流電圧よりも低周波の交流電圧としてもよい。
【0039】
実質的に大容量の導電体もしくは一端が実質的に設置されたコンデンサとみなすことが可能な歩行者がラインセンサの導電ラインに接近すると、導電ラインから交流電流成分が上記歩行者側に流れるため、歩行者が衝突する前に衝突不可避といった信号を検出することができる。その後、衝突が生じれば、上記と同様に衝突検出、衝突部位検出を実現することができ、衝突前に好適な対応を準備することができる。
【0040】
更に、歩行者などを一端が設置されたコンデンサと見なす場合、歩行者が抵抗ラインの所定位置に接近すると、ラインセンサの交流インピーダンスが変化するが、この交流インピーダンスを構成する実数値(抵抗)成分と虚数(容量成分)とは容易に分離検出することができるので、この実数値(抵抗)成分の変化に基づいて、衝突が実際に生じる以前に衝突部位を推定することもできる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用歩行者衝突保護装置の好適な実施形態を具体的に説明する。
【0042】
(実施態様1)
この実施形態の車両用歩行者衝突保護装置の模式斜視図を図1に示し、その模式立て断面図を図2に示す。
【0043】
図1において、1は複数の導電ラインを含むラインセンサであり、2はラインセンサ1から出力される信号に基づいて衝突検出及び衝突部位検出を行う検出回路部であり、3は車両のフロント部上面に設けられた複数のエアバッグ(歩行者保護要素)であり、4はラインセンサ1や検出回路部に給電する電源である。
【0044】
ラインセンサ1は、図2に示すように車両のフロントバンパーとしてのバンパーカバー5に貼着されて左右方向に延設されたテープ状の感圧式可変抵抗体(感圧フィルムともいう)からなる。この感圧フィルム1は、周知のように、カーボンなどを分散した導電性ゴムなどの弾性フィルムの両面に所定の非抵抗を有する導電フィルムを張り付けて構成されている。ラインセンサ1は、図3に示すようにバンパーカバー5の前面に固定されてもよく、図4に示すようにバンパーカバー5の後面に固定されてもよい。なお、図3、図4において、6はバンパリーンフォースであり、7はバンパリーンフォース6の前面に貼着されたウレタンフォーム製の緩衝部材である。
【0045】
この実施例におけるラインセンサ1の構成を図5を参照して説明する。
【0046】
このラインセンサ1は、バンパーカバー5の前面に左右方向に順次貼着された4つの感圧フィルム11〜14からなる。感圧フィルム11〜14は、上述したように導電性ゴムを挟む一対の導電フィルムを有している。このラインセンサ1の等価回路図を図6に示す。図6に示すように、感圧フィルム11〜14の各一対の導電フィルムの一方は接地され、他方は抵抗素子2aを通じて高位電源電位が印加されている。
【0047】
感圧フィルム11〜14のいずれかに歩行者が衝突すると、衝突が生じた感圧フィルムの電気抵抗だけが大幅に低下し、その電圧降下が減少するので、検出回路部2は容易に衝突部位を特定することができる。また、この感圧フィルムの電気抵抗の低下は同時に衝突の発生を表しているので、検出回路部2は少なくとも一つの感圧フィルムの電圧降下が所定レベルを下回ると判定したら直ちに対応する部位のエアバッグだけを作動させる。なお、図6において、抵抗素子2aを定電流源としてもよい。また、感圧フィルム11〜14に流れるDC電力損失を低減するために、たとえば10m秒ごとに1m秒だけ通電を行うなどのインタバル通電を行って電力消費の低減を図ってもよい。更に、接地電位と高位電源電位とを入れ替えてもよい。
(変形態様1)
ラインセンサ1としては、上記した感圧フィルムの代わりに所定間隔を隔てて対面する2枚の導電板(導電ライン)の弾性変形を利用してもよい。導電板弾性変形型ラインセンサの一例を図7を参照して説明する。
【0048】
図7において、ラインセンサ1は感圧フィルム11〜14に相当する4つのスイッチ板を有し、各スイッチ板は、導電板15、16、スペーサ17、コンタクタ18、19、リブ20を有している。導電板15はバンパーカバー5に固定され、導電板16は電気絶縁性のスペーサ17を介して導電板15に指示されている。もちろん、導電板16はスペーサ17を介してバンパーカバー5に直接支持されることもできる。
【0049】
導電板16は所定間隙を隔てて導電板15に対面しており、コンタクタ18は導電板15に、コンタクタ19は導電板16にそれぞれ固定されて互いに小間隔を隔てて対面している。導電板16は良好な弾性を有する金属材料により形成されている。図7の(a)は通常状態を示し、図7の(b)は衝突状態を示す。導電板16に衝突荷重が掛かると、導電板16が弾性変形して凹み、コンタクタ18、19が接触して、導電板15、16間が短絡される。
(変形態様2)
導電板弾性変形型ラインセンサの他例を図8を参照して説明する。
【0050】
図8に示すラインセンサ1は、図7に示すラインセンサ1において、スペーサ17をゴムなどの弾性絶縁体21とし、コンタクタ18、19の代わりに導電板15、16を互いに接近する向きに曲折させたものである。リブ20は省略可能である。導電板16の弾性特性は図7の場合よりも悪くてもよい。図8の(a)は通常状態を示し、図8の(b)は衝突状態を示す。導電板16に衝突荷重が掛かると、導電板16は弾性絶縁体21を圧縮して凹み、導電板15、16が接触して、導電板15、16間が短絡される。
【0051】
(実施態様2)
本発明の車両用衝突部位検出装置を図9に示す回路図を参照して以下に説明する。
【0052】
図9において、導電板15は所定の比抵抗を有する抵抗ラインとされ、導電板16はたとえば銅板のように良好な導電性を有する電極ラインとされている。導電板16の一端160は160には高位直流電位Vdcが印加され、導電板15の一端(他端でもよい)150は抵抗素子2aを通じて接地されている。
【0053】
このようにすれば、抵抗素子2aの電圧降下Vsは導電板15、16間を流れる電流iと、抵抗素子2aの抵抗rfとの積となり、電流iはVdc/(Rx+Rf)となる。導電板16の抵抗は大略無視することができるので、導電板15、16間の抵抗値は、導電板15の一端150と接触点(衝突点)Pとの間の導電板15の抵抗値に等しいとみなすことができる。したがって、電圧降下Vsの大きさから良好に衝突部位を検出することができる。
【0054】
なお、高位直流電位Vdcは、導電板16の一端160に限らず、導電板16のどの位置に印加してもよく、たとえば導電板16の両端に印加してもよい。
【0055】
(変形態様1)
上記実施態様では、片方の導電板15を電極ライン、もう片方の導電板16を抵抗ラインとしたが、両方の導電板15、16を抵抗ラインとしてもよい。
【0056】
(変形態様2)
変形態様を図10を参照して以下に説明する。
【0057】
図10において、31は発振回路、32は半波整流回路、33はシュミットトリガ回路、34はカウンタである。
【0058】
発振回路31は、両導電板15、16間の抵抗Rxの変化により発振周波数が変化するRC発振回路である。この発振電圧は半波整流回路32で検波され、シュミットトリガ回路33でパルス信号に変換され、このパルス信号はカウンタ34でカウントされる。このようにすれば、衝突部位の変位に応じてカウンタが所定期間にカウントする値が変化するので、それに基づいて衝突部位を判定することができる。
【0059】
(変形態様3)
変形態様を図11を参照して以下に説明する。
【0060】
図11は、図9において、高位直流電位Vdcの代わりに交流電圧Vacを両導電板15、16間に印加したものである。
【0061】
交流電圧を印加する場合、衝突部位Pにおける導電板15、16間の接触が悪く、接触抵抗が大きくなる場合でも、衝突時には、この部位における導電板15、16間の静電容量がきわめて大きくなるために交流的に略接触状態となり、上記と同様の検出が可能となる。
【0062】
(変形態様4)
変形態様を図12を参照して以下に説明する。
【0063】
図12は、図11において、高位直流電位Vdcと交流電圧Vacとを混合して両導電板15、16間に印加したものである。ラインセンサ1をなす導電板15、16間の電圧降下の直流成分Vsdcは整流回路やローパスフィルタなどの直流電圧成分分離回路41により分離され、導電板15、16間の電圧降下の交流成分Vsacはハイパスフィルタからなる交流電圧成分分離回路42により分離される。
【0064】
歩行者がラインセンサ1に衝突して導電板15、16が接触した場合には、図9と同様に、直流成分Vsdcの変化により衝突及び衝突部位を検出することができる。また、歩行者がラインセンサ1に接近すると、歩行者は交流的に一端が接地された大容量コンデンサとみなすことができるので、ラインセンサ1の交流インピーダンスは、抵抗Rxとこの大容量コンデンサの静電容量C’との直列回路と大略見なすことができ、歩行者の近接度合いに応じて変化する。
【0065】
そこで、ラインセンサ1の電圧降下の高周波交流成分を交流電圧成分分離回路42により分離すれば、この高周波交流成分の変化により、歩行者の接近を検出することができる。また、ラインセンサ1の交流インピーダンスのうちの直列抵抗成分Rxを更に抽出すれば、接近しつつある歩行者の衝突予定位置をす推定することができる。
【0066】
(変形態様5)
変形態様を図13を参照して以下に説明する。
【0067】
図13は、図9において、抵抗ラインである導電板15の幅を、導電板15の一端150から遠ざかるにつれて縮小したものである。このようにすれば、衝突部位Pが一端150から遠ざかるにつれて信号電圧Vsの変化率が減少するという図9の欠点を改善することができる。
【0068】
なお、抵抗ラインの幅縮小は連続的になされることが好ましいが、段階的に行ってもよい。また、抵抗ラインの幅縮小の代わりに、導電板15の比抵抗をその一端150から離れるにつれて連続的に又は段階的に高くしてもよい。
【0069】
(変形態様6)
変形態様を図14を参照して以下に説明する。
【0070】
図14は、図9において、抵抗ラインである導電板15の他端151を抵抗素子2bを通じて接地し、抵抗素子2aの電圧降下Vs1と、抵抗素子2bの電圧降下Vs2とに基づいて衝突部位検出を行うものである。なお、図14に示すように、電極ラインである導電板16の他端に高位直流電位Vdcを印加してもよい。
【0071】
このようにすれば、電圧降下Vs1は衝突点Pと一端150との間の抵抗ライン15の抵抗r1と抵抗素子2aの抵抗Rfとの比で決定され、電圧降下Vs2は衝突点Pと他端151との間の抵抗ライン15の抵抗r2と抵抗素子2bの抵抗Rfとの比で決定されるので、車両の一端側での衝突は信号電圧
Vs1により高感度に検出することができ、車両の他端側での衝突は信号電圧Vs2により高感度に検出することができる。
【0072】
信号電圧Vs1、Vs2を変数パラメータとする信号を用いた信号処理の一例を図15を参照して説明する。
【0073】
図15においては、信号電圧Vs1、Vs2の差である電圧(Vs1ーVs2)をオペアンプ減算回路51により求め、この電圧(Vs1ーVs2)の変化により衝突部位を決定するものである。このようにすれば車両一端側の衝突では電圧(Vs1ーVs2)は正側の最大値となり、車両中央での衝突では電圧(Vs1ーVs2)は0となり、車両他端側での衝突では電圧(Vs1ーVs2)は負側の最大値となり、かつ、全領域にわたって図9の例よりも良好な直線性が得られる。
【0074】
(変形態様7)
変形態様を図16を参照して以下に説明する。
【0075】
図16は、図14において、導電板15、16をそれぞれ抵抗ラインとし、導電板16の他端161を接地し、信号電圧Vs1と信号電圧Vs2との比を検出するものである。
【0076】
このようにすれば、導電板15、16をそれぞれ抵抗ラインとし、導電板16の他端を接地せず、導電板15の一端150を抵抗素子2aを通じて接地し、抵抗素子2aの電圧降下である信号電圧Vs1を検出するだけの場合に比較して、信号電圧の直線性を改善することができる。
【0077】
なお、この変形態様において、図17に示すように補助抵抗Rcを付加すれば信号電圧の直線性を一層改善することができる。また、図18に示すように導電板15又は16の中央部に高抵抗体を介設しても同じく信号電圧の直線性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用歩行者衝突保護装置を示すブロック図である。
【図2】図1のラインセンサの配置を示す模式斜視図である。
【図3】図1のラインセンサの一配置例を示す模式縦断面図である。
【図4】図1のラインセンサの他配置例を示す模式縦断面図である。
【図5】図1のラインセンサを構成例を示す模式正面図である。
【図6】図5のラインセンサの等価回路図である。
【図7】(a)は図1のラインセンサの一例における通常状態を示す模式縦断面図であり、(b)はこのラインセンサの一例における衝突状態を示す模式縦断面図である。
【図8】(a)は図1のラインセンサの他例における通常状態を示す模式縦断面図であり、(b)はこのラインセンサの一例における衝突状態を示す模式縦断面図である。
【図9】本発明の車両用衝突部位検出装置を示す回路図である。
【図10】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図11】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図12】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図13】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図14】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図15】図14の回路の信号処理例を示すブロック回路図である。
【図16】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図17】図16の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図18】図16の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1 ラインセンサ(衝突検出要素、衝突部位検出要素)
2 検出回路部(衝突検出要素、衝突部位検出要素)
3 エアバッグ(歩行者保護要素)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用歩行者衝突保護装置及びそれに好適に採用可能な車両用衝突部位検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、歩行者の衝突を検出する車両用歩行者衝突検出装置(以下、バンパーセンサともいう)を車両のフロントバンパーに設け、この検出装置が走行中の車両が歩行者に衝突したことを検出したら、車両フロント部の上面に設けたエアバッグなどを作動させて、車両フロント部の上面に倒れ込む歩行者の衝撃に与える衝撃を緩和する車両用歩行者衝突保護装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3212841号公報
【特許文献2】
特開平8ー216826号公報
【特許文献3】
特開平11ー310095号公報
【0004】
この車両用歩行者衝突保護装置の一例として、特許第3212841号は、上記バンパーセンサ(衝突検出要素)に加えて、車両フロント部の上方空間をモニタするレーザー送受光装置(衝突部位検出要素)を設け、更にエアバッグなどの車両フロント部の上面を複数の領域に分割して各領域ごとにエアバッグ(歩行者保護要素)を設けることを提案している。
【0005】
レーザー送受光装置は、車両フロント部の上方空間に倒れ込んだ歩行者に対して車両フロント部の左右からレーザー光を照射し、反射光に基づいて歩行者が車両フロント部の上面のうち左右どちら側に倒れ込んだかを判定する。これにより、倒れ込んだ方のエアバッグだけを展開することにより展開するエアバッグを小型化することができる。
【0006】
上記したバンパーセンサ(衝突検出要素)の具体例としては、たとえば特開平8ー216826号公報及び特開平11ー310095号公報が知られている。前者の公報のバンパーセンサは、金属微粒子を混練した導電ゴムの両側に電極を設けてなり、長尺に形成されて歩行者がフロントバンパーのどの位置に衝突しても確実に検出できるようにしている。後者の公報のバンパーセンサは、内部に気体が充填された弾性チューブ内の圧力を感知する圧力センサを有し、弾性チューブ内の圧力上昇により歩行者衝突を検出している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許第3212841号の車両用歩行者衝突保護装置は、歩行者との衝突部位(左右方向における)を判別できるので展開するエアバッグを小型化でき、その結果として、少ない作動力でエアバッグの展開などの衝撃緩衝装置を素早く作動させることができ、実用上好都合である。
【0008】
しかしながら、この公報の車両用歩行者衝突保護装置は、バンパーセンサにより衝突自体の検出はできても、歩行者衝突部位検出用の左右一対のレーザー送受光装置のどちらか一方又は両方が車両フロント部の上方に倒れ込んできた歩行者を検出するまでは、歩行者の左右方向衝突部位を確定することができず、この確定からエアバッグを展開するまでの時間的余裕が少ないという問題。レーザー送受光装置の受光装置に強力な太陽光が入射すると、入射光量がその入力ダイナミックレンジを超えてしまい、光学的光反射対象として歩行者の検出が困難となるという問題、車両フロント部の上方の光学的光反射対象を監視するレーザー光送受光装置を一対必要とするため設備費用が大きいという問題、レンズ面などの汚損などにより検出精度が低下するという問題があり、実用化が困難であった。
【0009】
また、特開平8ー216826号公報が開示するバンパーセンサは、金属微粒子を混練した導電ゴムを一対の電極で挟み、衝突により導電ゴムが圧縮されて両電極間の電気抵抗値が低下するという現象を利用して歩行者との衝突を検出する構成を採用している。しかし、バンパーセンサは、歩行者が車両の左右方向いずれの位置に衝突しても検出する必要があるためその電極面積総和がどうしても大きくなってしまう。ところが、このような導電粒子分散ゴムでは、非衝突時の直流電流漏れを低減することが容易でなく、その大きな電極面積と相まって直流電力損失が大きいという問題があった。
【0010】
更に、特開平11ー310095号公報が開示するバンパーセンサは、弾性チューブ内の圧力維持が容易ではなく、また、チューブ内の圧力伝播時間に起因する検出遅れによりエアバッグの作動が遅れるという問題があった。
【0011】
いずれにせよ、従来の車両用歩行者衝突保護装置では、歩行者の左右方向衝突部位を認識するために、歩行者との衝突を検出するバンパーセンサ(フロントバンパーに固定されたセンサ)の他に、左右方向衝突部位を特定するためのセンサを増設する必要があり、実用化のためには製造コスト及び検出応遅れの格段の改善が要望されていた。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、製造が容易であるとともに歩行者の左右方向衝突部位を高速に特定可能な車両用歩行者衝突保護装置及びそれに好適に採用可能な車両用衝突部位検出装置を提供することを、その目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の車両用歩行者衝突保護装置は、車両のバンパーに固定されて歩行者の衝突を検出する衝突検出要素と、左右方向における衝突部位の位置を検出する衝突部位検出要素と、前記車両に設けられて前記歩行者衝突検出要素及び前記歩行者衝突部位検出要素の出力に基づいて歩行者との衝突時に歩行者が衝突した左右方向衝突部位に基づいて前記歩行者の衝突保護を行う歩行者保護要素とを備える車両用歩行者衝突保護装置において、
前記衝突検出要素は、互いに所定間隔を隔てて対面して歩行者の衝突により互いに接触する複数の導電ラインを含むラインセンサと、前記複数の導電ライン間のインピーダンスに関連する電気量の変化に基づいて前記衝突の検出及び前記衝突部位の検出を行う検出回路部とを有して前記衝突部位検出要素を兼ねていることを特徴としている。
【0014】
この発明の車両用歩行者衝突保護装置では、バンパーの長手方に配置されたラインセンサに歩行者が衝突することにより、ラインセンサを構成する複数の導電ラインが局部的に変形して互いに接触する。その結果として生じたこれら導電ライン間のインピーダンス変化を判定して歩行者衝突事故発生の検出と歩行者衝突部位の特定との両方を実施する。
【0015】
これにより、従来のこの種の装置に比較して装置構成を格段に簡素化することができるとともに、歩行者衝突部位の特定により歩行者保護要素の動作遅れを防止しつつ、歩行者保護要素の衝突に応じて作動する部分を小型軽量化することができる。
【0016】
なお、上記した接触は上記インピーダンス変化を検出可能な程度のインピーダンス変化が導電ライン間に生じていればよく、このインピーダンス変化は、たとえば電圧降下検出用抵抗素子を通じて直流電圧又は交流電圧を各導電ライン間に印加し、電圧降下検出用抵抗素子の電圧降下の変化を検出すればよい。
【0017】
好適態様において、前記ラインセンサは、前記バンパーの長手方向へ
順次並べられて互いに独立に前記歩行者の衝突を検出する導電ライン対を複数有し、前記検出回路部は、前記導電ライン対を構成する少なくとも2本の導電ラインが前記衝突により接触したことを検出した場合に前記衝突と判定し、かつ、前記接触が生じた前記導電ライン対の配置位置により前記衝突部位を判定することを特徴としている。
【0018】
このようにすれば、各導電ラインを車両の左右方向における異なる位置に配置するという簡単な構成を採用するだけで、簡単、確実に衝突検出、衝突部位検出を同時に実施することができる。
【0019】
好適態様において、前記ラインセンサは、前記バンパーの長手方向へ延設されるとともに互いに所定間隔を隔てて対面し、歩行者との衝突位置及びその近傍領域にて互いに局部的に接触する一対の導電ライン対を有し、前記導電ライン対を構成する導電ラインの少なくとも一本は、前記接触の有無による前記電流又は電圧降下を検出可能な数値範囲の比抵抗を有する抵抗ラインからなり、前記検出回路部は、前記導電ライン対に流れる電流又は前記導電ライン対の電圧降下に基づいて前記衝突及び前記左右方向衝突部位を検出することを特徴としている。
【0020】
このようにすれば、衝突部位において少なくとも一対の導電ラインを短絡(接触)させることにより、これら導電ラインの所定部位たとえばそれらの端部から見た導電ライン間のインピーダンスを変更するので、少ない導電ライン数により衝突及び左右方向衝突部位の検出を実現することができる。
【0021】
好適態様において、前記導電ライン対は、良導電性材料からなる導電ラインと、所定の比抵抗をもつ抵抗材料からなる導電ラインとを有することを特徴としている。
【0022】
このようにすれば、導電ラインの一部を安価なたとえばアルミ板やアルミフィルムといった安価な材料を採用することができ、製造費用を低減することができる。
【0023】
好適態様において、前記ラインセンサは前記バンパーの外側表面の最も突出している部位に固定されていることを特徴としている。
【0024】
このようにすれば、歩行者は最初にラインセンサに接触することができるので、高感度に歩行者の接触を検出することができる。なお、ラインセンサはバンパーとともに変形することができるので、バンパーに設けた溝に埋め込んだり、バンパーと一体に形成してもよい。
【0025】
好適態様において、前記ラインセンサは前記バンパーの内側表面に固定されていることを特徴としている。
【0026】
このようにすれば、ラインセンサをバンパーにより隠蔽することができ、美観低下を防止することができる。
【0027】
好適態様において、一つの前記導電ラインは、電気絶縁性を有する弾性部材を介して他の前記導電ライン又は前記バンパーに保持されていることを特徴としている。
【0028】
このようにすれば、衝突検出後、導電ラインを容易に原位置に回復することができる。
【0029】
好適態様において、一つの前記導電ラインは、原位置回復可能な弾性を有して前記衝突により局部的に変形して他の前記導電ライン又は前記バンパーに保持されていることを特徴としている。
【0030】
このようにすれば、上記した弾性部材を必要としないので、製造工程を簡素化することができる。
【0031】
好適態様において、前記電源は、前記導電ライン対を構成する一対の前記導電ラインの同じ側の端部の間に所定の電圧降下検出用抵抗素子を通じて電源電圧を印加し、前記検出回路部は、前記電圧降下検出用抵抗素子の電圧降下に基づいて前記衝突の発生及び衝突部位の特定を行うことを特徴としている。
【0032】
このようにすれば、衝突部位検出を高感度に検出することができる。
【0033】
好適態様において、前記電極ラインは、所定の第一電位源に接続され、前記抵抗ラインの両端はそれぞれ異なる電圧降下検出用抵抗素子を通じて所定の第二電位源に接続され、前記検出回路部は、前記両電圧降下検出用抵抗素子の電圧降下に基づいて前記衝突部位を判定する。
【0034】
このようにすれば、電極ラインの電圧降下を略無視することができるので、第一の電圧降下検出用抵抗素子により導電ライン対の一端側にて高い検出感度を確保し、第二の電圧降下検出用抵抗素子により導電ライン対の他端側にて高い検出感度を確保することができる。たとえば、両電圧降下検出用抵抗素子の電位降下の差を検出すれば、直線性に優れ、かつ、歩行者がしやすい左右両端部において高い検出感度を得ることができる。
【0035】
上記車両用歩行者衝突保護装置に好適に採用可能な本発明の車両用衝突部位検出装置は、車両の前面又は後面に固定されて左右方向へ延在するとともに互いに所定間隔を隔てて配置される少なくとも2本の導電ラインを含むラインセンサと、前記両導電ラインの所定位置間のインピーダンスに関連する電気量を検出する検出回路部とを備え、前記両導電ラインのうち少なくとも一方は、所定の比抵抗を有する抵抗材料により構成され、前記両導電ライン間の間隔は、物体の衝突により衝突位置及びその近傍部位にて局所的に弾性回復可能に縮小され、前記インピーダンスは、前記衝突位置に応じて変化することを特徴としている。
【0036】
すなわち、この発明の車両用衝突部位検出装置は、少なくとも1本は電気抵抗性をもつ導電ラインすなわち抵抗ラインである少なくとも2本の導電ラインを車両の前面又は後面に左右方向に延設し、対人又は対物衝突により衝突部位の両導電ライン間の間隔を局所的に縮小乃至接触させる。これにより、両導電ラインの所定位置からみた両導電ライン間のインピーダンスを衝突部位の変化により変化させることができる。このインピーダンス変化は、電流変化、電圧変化、発振周波数変化などの公知手法により容易に検出することができるので、簡単な装置構成により、衝突部位を検出することができ、更にこれと同時に衝突の発生を検出することができる。衝突時に衝突部位を速やかに検出することができれば、たとえば車室外の複数の歩行者保護用エアバッグのうち、最適なエアバッグだけを展開させるなど、衝突対応処理を最適実施することができ、安全上好都合である。なお、電気抵抗性をもたない導電ラインすなわち電極ラインとしては車体を代用することも可能である。
【0037】
好適態様において、交流電圧と直流電圧が、前記ラインセンサに印加され、前記検出回路部は、前記ラインセンサを流れる直流電流成分に関連する電気量の変化に基づいて少なくとも前記衝突検出及び衝突部位検出を行い、かつ、前記ラインセンサを流れる交流成分に関連する電気量の変化に基づいて障害物の接近を検出することを特徴としている。
【0038】
なお、直流電圧としては、上記交流電圧に対して周波数分離可能な電圧であればよく、上記交流電圧よりも低周波の交流電圧としてもよい。
【0039】
実質的に大容量の導電体もしくは一端が実質的に設置されたコンデンサとみなすことが可能な歩行者がラインセンサの導電ラインに接近すると、導電ラインから交流電流成分が上記歩行者側に流れるため、歩行者が衝突する前に衝突不可避といった信号を検出することができる。その後、衝突が生じれば、上記と同様に衝突検出、衝突部位検出を実現することができ、衝突前に好適な対応を準備することができる。
【0040】
更に、歩行者などを一端が設置されたコンデンサと見なす場合、歩行者が抵抗ラインの所定位置に接近すると、ラインセンサの交流インピーダンスが変化するが、この交流インピーダンスを構成する実数値(抵抗)成分と虚数(容量成分)とは容易に分離検出することができるので、この実数値(抵抗)成分の変化に基づいて、衝突が実際に生じる以前に衝突部位を推定することもできる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用歩行者衝突保護装置の好適な実施形態を具体的に説明する。
【0042】
(実施態様1)
この実施形態の車両用歩行者衝突保護装置の模式斜視図を図1に示し、その模式立て断面図を図2に示す。
【0043】
図1において、1は複数の導電ラインを含むラインセンサであり、2はラインセンサ1から出力される信号に基づいて衝突検出及び衝突部位検出を行う検出回路部であり、3は車両のフロント部上面に設けられた複数のエアバッグ(歩行者保護要素)であり、4はラインセンサ1や検出回路部に給電する電源である。
【0044】
ラインセンサ1は、図2に示すように車両のフロントバンパーとしてのバンパーカバー5に貼着されて左右方向に延設されたテープ状の感圧式可変抵抗体(感圧フィルムともいう)からなる。この感圧フィルム1は、周知のように、カーボンなどを分散した導電性ゴムなどの弾性フィルムの両面に所定の非抵抗を有する導電フィルムを張り付けて構成されている。ラインセンサ1は、図3に示すようにバンパーカバー5の前面に固定されてもよく、図4に示すようにバンパーカバー5の後面に固定されてもよい。なお、図3、図4において、6はバンパリーンフォースであり、7はバンパリーンフォース6の前面に貼着されたウレタンフォーム製の緩衝部材である。
【0045】
この実施例におけるラインセンサ1の構成を図5を参照して説明する。
【0046】
このラインセンサ1は、バンパーカバー5の前面に左右方向に順次貼着された4つの感圧フィルム11〜14からなる。感圧フィルム11〜14は、上述したように導電性ゴムを挟む一対の導電フィルムを有している。このラインセンサ1の等価回路図を図6に示す。図6に示すように、感圧フィルム11〜14の各一対の導電フィルムの一方は接地され、他方は抵抗素子2aを通じて高位電源電位が印加されている。
【0047】
感圧フィルム11〜14のいずれかに歩行者が衝突すると、衝突が生じた感圧フィルムの電気抵抗だけが大幅に低下し、その電圧降下が減少するので、検出回路部2は容易に衝突部位を特定することができる。また、この感圧フィルムの電気抵抗の低下は同時に衝突の発生を表しているので、検出回路部2は少なくとも一つの感圧フィルムの電圧降下が所定レベルを下回ると判定したら直ちに対応する部位のエアバッグだけを作動させる。なお、図6において、抵抗素子2aを定電流源としてもよい。また、感圧フィルム11〜14に流れるDC電力損失を低減するために、たとえば10m秒ごとに1m秒だけ通電を行うなどのインタバル通電を行って電力消費の低減を図ってもよい。更に、接地電位と高位電源電位とを入れ替えてもよい。
(変形態様1)
ラインセンサ1としては、上記した感圧フィルムの代わりに所定間隔を隔てて対面する2枚の導電板(導電ライン)の弾性変形を利用してもよい。導電板弾性変形型ラインセンサの一例を図7を参照して説明する。
【0048】
図7において、ラインセンサ1は感圧フィルム11〜14に相当する4つのスイッチ板を有し、各スイッチ板は、導電板15、16、スペーサ17、コンタクタ18、19、リブ20を有している。導電板15はバンパーカバー5に固定され、導電板16は電気絶縁性のスペーサ17を介して導電板15に指示されている。もちろん、導電板16はスペーサ17を介してバンパーカバー5に直接支持されることもできる。
【0049】
導電板16は所定間隙を隔てて導電板15に対面しており、コンタクタ18は導電板15に、コンタクタ19は導電板16にそれぞれ固定されて互いに小間隔を隔てて対面している。導電板16は良好な弾性を有する金属材料により形成されている。図7の(a)は通常状態を示し、図7の(b)は衝突状態を示す。導電板16に衝突荷重が掛かると、導電板16が弾性変形して凹み、コンタクタ18、19が接触して、導電板15、16間が短絡される。
(変形態様2)
導電板弾性変形型ラインセンサの他例を図8を参照して説明する。
【0050】
図8に示すラインセンサ1は、図7に示すラインセンサ1において、スペーサ17をゴムなどの弾性絶縁体21とし、コンタクタ18、19の代わりに導電板15、16を互いに接近する向きに曲折させたものである。リブ20は省略可能である。導電板16の弾性特性は図7の場合よりも悪くてもよい。図8の(a)は通常状態を示し、図8の(b)は衝突状態を示す。導電板16に衝突荷重が掛かると、導電板16は弾性絶縁体21を圧縮して凹み、導電板15、16が接触して、導電板15、16間が短絡される。
【0051】
(実施態様2)
本発明の車両用衝突部位検出装置を図9に示す回路図を参照して以下に説明する。
【0052】
図9において、導電板15は所定の比抵抗を有する抵抗ラインとされ、導電板16はたとえば銅板のように良好な導電性を有する電極ラインとされている。導電板16の一端160は160には高位直流電位Vdcが印加され、導電板15の一端(他端でもよい)150は抵抗素子2aを通じて接地されている。
【0053】
このようにすれば、抵抗素子2aの電圧降下Vsは導電板15、16間を流れる電流iと、抵抗素子2aの抵抗rfとの積となり、電流iはVdc/(Rx+Rf)となる。導電板16の抵抗は大略無視することができるので、導電板15、16間の抵抗値は、導電板15の一端150と接触点(衝突点)Pとの間の導電板15の抵抗値に等しいとみなすことができる。したがって、電圧降下Vsの大きさから良好に衝突部位を検出することができる。
【0054】
なお、高位直流電位Vdcは、導電板16の一端160に限らず、導電板16のどの位置に印加してもよく、たとえば導電板16の両端に印加してもよい。
【0055】
(変形態様1)
上記実施態様では、片方の導電板15を電極ライン、もう片方の導電板16を抵抗ラインとしたが、両方の導電板15、16を抵抗ラインとしてもよい。
【0056】
(変形態様2)
変形態様を図10を参照して以下に説明する。
【0057】
図10において、31は発振回路、32は半波整流回路、33はシュミットトリガ回路、34はカウンタである。
【0058】
発振回路31は、両導電板15、16間の抵抗Rxの変化により発振周波数が変化するRC発振回路である。この発振電圧は半波整流回路32で検波され、シュミットトリガ回路33でパルス信号に変換され、このパルス信号はカウンタ34でカウントされる。このようにすれば、衝突部位の変位に応じてカウンタが所定期間にカウントする値が変化するので、それに基づいて衝突部位を判定することができる。
【0059】
(変形態様3)
変形態様を図11を参照して以下に説明する。
【0060】
図11は、図9において、高位直流電位Vdcの代わりに交流電圧Vacを両導電板15、16間に印加したものである。
【0061】
交流電圧を印加する場合、衝突部位Pにおける導電板15、16間の接触が悪く、接触抵抗が大きくなる場合でも、衝突時には、この部位における導電板15、16間の静電容量がきわめて大きくなるために交流的に略接触状態となり、上記と同様の検出が可能となる。
【0062】
(変形態様4)
変形態様を図12を参照して以下に説明する。
【0063】
図12は、図11において、高位直流電位Vdcと交流電圧Vacとを混合して両導電板15、16間に印加したものである。ラインセンサ1をなす導電板15、16間の電圧降下の直流成分Vsdcは整流回路やローパスフィルタなどの直流電圧成分分離回路41により分離され、導電板15、16間の電圧降下の交流成分Vsacはハイパスフィルタからなる交流電圧成分分離回路42により分離される。
【0064】
歩行者がラインセンサ1に衝突して導電板15、16が接触した場合には、図9と同様に、直流成分Vsdcの変化により衝突及び衝突部位を検出することができる。また、歩行者がラインセンサ1に接近すると、歩行者は交流的に一端が接地された大容量コンデンサとみなすことができるので、ラインセンサ1の交流インピーダンスは、抵抗Rxとこの大容量コンデンサの静電容量C’との直列回路と大略見なすことができ、歩行者の近接度合いに応じて変化する。
【0065】
そこで、ラインセンサ1の電圧降下の高周波交流成分を交流電圧成分分離回路42により分離すれば、この高周波交流成分の変化により、歩行者の接近を検出することができる。また、ラインセンサ1の交流インピーダンスのうちの直列抵抗成分Rxを更に抽出すれば、接近しつつある歩行者の衝突予定位置をす推定することができる。
【0066】
(変形態様5)
変形態様を図13を参照して以下に説明する。
【0067】
図13は、図9において、抵抗ラインである導電板15の幅を、導電板15の一端150から遠ざかるにつれて縮小したものである。このようにすれば、衝突部位Pが一端150から遠ざかるにつれて信号電圧Vsの変化率が減少するという図9の欠点を改善することができる。
【0068】
なお、抵抗ラインの幅縮小は連続的になされることが好ましいが、段階的に行ってもよい。また、抵抗ラインの幅縮小の代わりに、導電板15の比抵抗をその一端150から離れるにつれて連続的に又は段階的に高くしてもよい。
【0069】
(変形態様6)
変形態様を図14を参照して以下に説明する。
【0070】
図14は、図9において、抵抗ラインである導電板15の他端151を抵抗素子2bを通じて接地し、抵抗素子2aの電圧降下Vs1と、抵抗素子2bの電圧降下Vs2とに基づいて衝突部位検出を行うものである。なお、図14に示すように、電極ラインである導電板16の他端に高位直流電位Vdcを印加してもよい。
【0071】
このようにすれば、電圧降下Vs1は衝突点Pと一端150との間の抵抗ライン15の抵抗r1と抵抗素子2aの抵抗Rfとの比で決定され、電圧降下Vs2は衝突点Pと他端151との間の抵抗ライン15の抵抗r2と抵抗素子2bの抵抗Rfとの比で決定されるので、車両の一端側での衝突は信号電圧
Vs1により高感度に検出することができ、車両の他端側での衝突は信号電圧Vs2により高感度に検出することができる。
【0072】
信号電圧Vs1、Vs2を変数パラメータとする信号を用いた信号処理の一例を図15を参照して説明する。
【0073】
図15においては、信号電圧Vs1、Vs2の差である電圧(Vs1ーVs2)をオペアンプ減算回路51により求め、この電圧(Vs1ーVs2)の変化により衝突部位を決定するものである。このようにすれば車両一端側の衝突では電圧(Vs1ーVs2)は正側の最大値となり、車両中央での衝突では電圧(Vs1ーVs2)は0となり、車両他端側での衝突では電圧(Vs1ーVs2)は負側の最大値となり、かつ、全領域にわたって図9の例よりも良好な直線性が得られる。
【0074】
(変形態様7)
変形態様を図16を参照して以下に説明する。
【0075】
図16は、図14において、導電板15、16をそれぞれ抵抗ラインとし、導電板16の他端161を接地し、信号電圧Vs1と信号電圧Vs2との比を検出するものである。
【0076】
このようにすれば、導電板15、16をそれぞれ抵抗ラインとし、導電板16の他端を接地せず、導電板15の一端150を抵抗素子2aを通じて接地し、抵抗素子2aの電圧降下である信号電圧Vs1を検出するだけの場合に比較して、信号電圧の直線性を改善することができる。
【0077】
なお、この変形態様において、図17に示すように補助抵抗Rcを付加すれば信号電圧の直線性を一層改善することができる。また、図18に示すように導電板15又は16の中央部に高抵抗体を介設しても同じく信号電圧の直線性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用歩行者衝突保護装置を示すブロック図である。
【図2】図1のラインセンサの配置を示す模式斜視図である。
【図3】図1のラインセンサの一配置例を示す模式縦断面図である。
【図4】図1のラインセンサの他配置例を示す模式縦断面図である。
【図5】図1のラインセンサを構成例を示す模式正面図である。
【図6】図5のラインセンサの等価回路図である。
【図7】(a)は図1のラインセンサの一例における通常状態を示す模式縦断面図であり、(b)はこのラインセンサの一例における衝突状態を示す模式縦断面図である。
【図8】(a)は図1のラインセンサの他例における通常状態を示す模式縦断面図であり、(b)はこのラインセンサの一例における衝突状態を示す模式縦断面図である。
【図9】本発明の車両用衝突部位検出装置を示す回路図である。
【図10】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図11】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図12】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図13】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図14】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図15】図14の回路の信号処理例を示すブロック回路図である。
【図16】図9の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図17】図16の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【図18】図16の装置の変形態様を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1 ラインセンサ(衝突検出要素、衝突部位検出要素)
2 検出回路部(衝突検出要素、衝突部位検出要素)
3 エアバッグ(歩行者保護要素)
Claims (12)
- 車両のバンパーに固定されて歩行者の衝突を検出する衝突検出要素と、
左右方向における衝突部位の位置を検出する衝突部位検出要素と、
前記車両に設けられて前記歩行者衝突検出要素及び前記歩行者衝突部位検出要素の出力に基づいて歩行者との衝突時に歩行者が衝突した左右方向衝突部位に基づいて前記歩行者の衝突保護を行う歩行者保護要素と、
を備える車両用歩行者衝突保護装置において、
前記衝突検出要素は、互いに所定間隔を隔てて対面して歩行者の衝突により互いに接触する複数の導電ラインを含むラインセンサと、前記複数の導電ライン間のインピーダンスに関連する電気量の変化に基づいて前記衝突の検出及び前記衝突部位の検出を行う検出回路部とを有して前記衝突部位検出要素を兼ねていることを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 請求項1記載の車両用歩行者衝突保護装置において、
前記ラインセンサは、
前記バンパーの長手方向へ順次並べられて互いに独立に前記歩行者の衝突を検出する導電ライン対を複数有し、
前記検出回路部は、
前記導電ライン対を構成する少なくとも2本の導電ラインが前記衝突により接触したことを検出した場合に前記衝突と判定し、かつ、前記接触が生じた前記導電ライン対の配置位置により前記衝突部位を判定することを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 請求項1記載の車両用歩行者衝突保護装置において、
前記ラインセンサは、
前記バンパーの長手方向へ延設されるとともに互いに所定間隔を隔てて対面し、歩行者との衝突位置及びその近傍領域にて互いに局部的に接触する一対の導電ライン対を有し、
前記導電ライン対を構成する導電ラインの少なくとも一本は、前記接触の有無による前記電流又は電圧降下を検出可能な数値範囲の比抵抗を有する抵抗ラインからなり、
前記検出回路部は、
前記導電ライン対に流れる電流又は前記導電ライン対の電圧降下に基づいて前記衝突及び前記左右方向衝突部位を検出することを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 請求項3記載の車両用歩行者衝突保護装置において、
前記導電ライン対は、良導電性材料からなる電極ラインと、所定の比抵抗をもつ抵抗材料からなる抵抗ラインとを有することを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 請求項3記載の車両用歩行者衝突保護装置において、
前記導電ライン対は前記バンパーの外側表面に固定されていることを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 請求項3記載の車両用歩行者衝突保護装置において、
前記導電ライン対は前記バンパーの内側表面に固定されていることを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 請求項5又は6記載の車両用歩行者衝突保護装置において、
一つの前記導電ラインは、電気絶縁性を有する弾性部材を介して他の前記導電ライン又は前記バンパーに保持されていることを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 請求項5又は6記載の車両用歩行者衝突保護装置において、
一つの前記導電ラインは、原位置回復可能な弾性を有して前記衝突により局部的に変形して他の前記導電ライン又は前記バンパーに保持されていることを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 請求項5又は6記載の車両用歩行者衝突保護装置において、
前記電源は、前記導電ライン対を構成する一対の前記導電ラインの同じ側の端部の間に所定の電圧降下検出用抵抗素子を通じて電源電圧を印加し、
前記検出回路部は、前記電圧降下検出用抵抗素子の電圧降下に基づいて前記衝突の発生及び衝突部位の特定を行うことを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 請求項4記載の車両用歩行者衝突保護装置において、
前記電極ラインは、所定の第一電位源に接続され、
前記抵抗ラインの両端はそれぞれ異なる電圧降下検出用抵抗素子を通じて所定の第二電位源に接続され、
前記検出回路部は、前記両電圧降下検出用抵抗素子の電圧降下に基づいて前記衝突部位を判定することを特徴とする車両用歩行者衝突保護装置。 - 車両の前面又は後面に固定されて左右方向へ延在するとともに互いに所定間隔を隔てて配置される少なくとも2本の導電ラインを含むラインセンサと、
前記両導電ラインの所定位置間のインピーダンスに関連する電気量を検出する検出回路部と、
を備え、
前記両導電ラインのうち少なくとも一方は、所定の比抵抗を有する抵抗材料により構成され、
前記両導電ライン間の間隔は、物体の衝突により衝突位置及びその近傍部位にて局所的に弾性回復可能に縮小され、
前記インピーダンスは、前記衝突位置に応じて変化することを特徴とする車両用衝突部位検出装置。 - 請求項11記載の車両用衝突部位検出装置において、
交流電圧と直流電圧が、前記ラインセンサに印加され、
前記検出回路部は、前記ラインセンサを流れる直流電流成分に関連する電気量の変化に基づいて少なくとも前記衝突検出及び衝突部位検出を行い、かつ、前記ラインセンサを流れる交流成分に関連する電気量の変化に基づいて障害物の接近を検出することを特徴とする車両用衝突部位検出装置。
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