JP2008105549A - 衝撃センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両の衝突を正確に検出することのできるセンサを提供する。
【解決手段】 衝撃センサ20を、エラストマーと、該エラストマー中に略単粒子状態でかつ高充填率で配合されている球状の導電性フィラーと、を有し、弾性変形量が増加するに従って電気抵抗が増加する弾性変形可能なセンサ本体201と、センサ本体201に接続され、該電気抵抗を出力可能な電極A、B、Mと、を備えて構成し、車両9に内蔵され、外部から加えられた衝撃の伝達経路を構成する衝撃伝達部材903に配置する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、車両に内蔵され、外部から加えられた衝撃の伝達経路を構成する衝撃伝達部材に配置された衝撃センサに関する。
自動車には、衝突時に乗員を保護するための乗員保護システムが搭載されている。乗員保護システムは、衝撃を検出するセンサと、該センサからの信号に基づいて衝突か否かを判断する乗員保護ECU(電子制御ユニット)と、エアバッグ等の乗員保護装置と、を備えている。ここで、衝撃を検出するセンサとしては、例えば、衝突時の加速度(適宜、減速度を含む。以下同じ。)を検出する加速度センサがある(特許文献1参照)。また、光ファイバを利用して衝突時の荷重を検出する荷重センサがある(特許文献2参照)。
特開平6−56000号公報 特開2006−142876号公報
例えば、車両が他の車両等に前方衝突した場合、車両の前方向(進行方向)に加速度が生じる。また、他の車両が側方から衝突してきた場合には、車両の左右方向に加速度が生じる。加速度センサでは、生じた加速度を検出し、乗員保護ECUでは、その加速度の値に基づいて、衝突か否かを判断している。つまり、加速度センサによると、加速度から間接的に衝突の有無を判断している。しかし、衝突以外、例えば、縁石への乗り上げ、悪路走行等の走行状態によっても、加速度は生じる。このため、衝突していない場合でも、生じた加速度により、衝突したと判断してしまい、乗員保護装置が誤動作するおそれがある。
また、加速度センサは、通常、車両ボディに点在して設置されている。また、加速度センサは、自身が加速度を受けないと、加速度を検出することができない。このため、設置位置から離れた部位が部分的に衝突した場合等には、加速度が検出され難く、衝突を正確に認識することができない。
一方、光ファイバセンサでは、衝突により光ファイバが変形すると、当該光ファイバの一端から他端へ伝達される光の損失が大きくなる。乗員保護ECUでは、この光損失の値に基づいて、衝突か否かを判断している。しかし、光ファイバセンサを広範囲に配索することは難しく、配線経路も複雑になる。特に、設置場所が曲面の場合は、配索が困難である。また、上述したように、光ファイバセンサは、光ファイバの変形を利用して衝突判別を行っている。ここで、光ファイバの変形量は比較的小さい。このため、光ファイバセンサの検出レンジは比較的狭い。また、光ファイバセンサを用いて衝突位置を検出しようとした場合、検出位置に応じて各々独立した発光源と受光源とが必要となる。このため、乗員保護システムが高価になってしまう。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、車両の衝突を正確に検出することのできるセンサを提供することを課題とする。
(1)本発明の衝撃センサは、エラストマーと、該エラストマー中に略単粒子状態でかつ高充填率で配合されている球状の導電性フィラーと、を有し、弾性変形量が増加するに従って電気抵抗が増加する弾性変形可能なセンサ本体と、該センサ本体に接続され、該電気抵抗を出力可能な電極と、を備えてなり、車両に内蔵され、外部から加えられた衝撃の伝達経路を構成する衝撃伝達部材に配置されていることを特徴とする(請求項1に対応)。
本発明の衝撃センサは、車両に内蔵された衝撃伝達部材に配置されている。衝撃伝達部材には、補強対象物の変形を抑制する補強部材、自身が変形することにより衝撃を吸収する衝撃吸収部材が含まれる。衝撃伝達部材は、車両の外部に表出していない。このため、例えば、車両の外部に表出している外装部材が撓む程度の軽度な衝撃では、衝撃伝達部材は変形しない。換言すれば、衝撃伝達部材が変形する場合には、乗員保護装置の動作が必要な大きな衝撃が加わったと考えてよい。本発明の衝撃センサは、衝撃伝達部材の変形を検出する。このため、衝突を正確に検出することができる。
本発明の衝撃センサにおけるセンサ本体(以下、適宜「本発明におけるセンサ本体」と称す。)は、弾性変形可能であり、エラストマーと球状の導電性フィラーとを有する。本明細書において、「エラストマー」は、ゴムおよび熱可塑性エラストマーを含む。また、導電性フィラーは、エラストマー中に、略単粒子状態で、かつ高充填率で配合されている。ここで、「略単粒子状態」とは、導電性フィラーの全重量を100重量%とした場合の50重量%以上が、凝集した二次粒子としてではなく、単独の一次粒子の状態で存在していることをいう。また、「高充填率」とは、導電性フィラーが最密充填に近い状態で配合されていることをいう。
このように、導電性フィラーが、略単粒子状態で、かつ高充填率で配合されると、エラストマー分(皮膜)を介した導電性フィラー同士の接触により、三次元的な導電パスが形成される。したがって、本発明におけるセンサ本体は、荷重が印加されていない状態(以下、適宜「無荷重状態」と称す。)、言い換えると、変形していない自然状態で、高い導電性を有する。なお、本明細書における「弾性変形」には、圧縮、伸張、曲げ等による変形がすべて含まれる。
例えば、従来からある感圧導電性樹脂は、非圧縮状態で電気抵抗が大きく、圧縮により変形すると電気抵抗が減少する。これは、感圧導電性樹脂の構成から次のように説明することができる。すなわち、感圧導電性樹脂は、樹脂と、該樹脂に配合された導電性フィラーと、からなる。ここで、導電性フィラーの充填率は低い。このため、無荷重状態において、導電性フィラー同士は離れている。つまり、無荷重状態では、感圧導電性樹脂の電気抵抗は大きい。また、荷重が印加され感圧導電性樹脂が変形すると、導電性フィラー同士が接触して、一次元的な導電パスが形成される。これにより、電気抵抗が減少する。
これに対して、本発明におけるセンサ本体は、弾性変形量が増加するに従って電気抵抗が増加する。この理由は、次のように考えられる。図1、図2に、本発明におけるセンサ本体の、荷重の印加前後における導電パスの変化をモデルで示す。ただし、図1、図2に示すのは、センサ本体の一例であり、本発明におけるセンサ本体、導電性フィラーの形状、材質等を何ら限定するものではない。
図1に示すように、センサ本体100において、導電性フィラー102の多くは、エラストマー101中に一次粒子の状態で存在している。また、導電性フィラー102の充填率は高く、最密充填に近い状態で配合されている。これにより、無荷重状態において、センサ本体100には、導電性フィラー102による三次元的な導電パスPが形成されている。よって、無荷重状態では、センサ本体100の電気抵抗は小さい。一方、図2に示すように、センサ本体100に荷重が印加されると、センサ本体100は弾性変形する(図2中の点線枠は、図1の無荷重状態を示している。)。ここで、導電性フィラー102は最密充填に近い状態で配合されているため、導電性フィラー102が移動できるスペースはほとんどない。よって、センサ本体100が弾性変形すると、導電性フィラー102同士が反発し合い、導電性フィラー102同士の接触状態が変化する。その結果、三次元的な導電パスPが崩壊し、電気抵抗が増加する。
このようなセンサ本体を備えた本発明の衝撃センサは、電極から出力されるセンサ本体の電気抵抗の増加に基づいて、車両の衝撃伝達部材に生じる圧縮、伸張、曲げ等の様々な変形を直接検出することができる。並びに、当該変形の原因となる荷重等を検出することができる。ここで、「電気抵抗を出力可能」とは、電気抵抗を直接あるいは間接的に出力可能なことをいう。すなわち、直接、電極から電気抵抗を出力する場合は勿論、電圧や電流など電気抵抗に関連する他の電気量を出力する場合を含む。
また、本発明におけるセンサ本体は、エラストマーを母材とする。このため、本発明の衝撃センサは、加工性に優れ、形状設計の自由度が高い。よって、衝撃伝達部材の形状が複雑であっても、また、衝撃伝達部材が広範囲に亘る場合でも配置が容易である。例えば、本発明の衝撃センサを、車両の全周に亘って配置すれば、前方、後方、側方からの衝突等をもれなく検出することができる。また、センサ本体に接続される電極の数、配置を調整することにより、より細かなセンシングが可能となり、衝突位置の特定も可能となる。
本発明の衝撃センサでは、エラストマーや導電性フィラーの種類、導電性フィラーの充填率等を調整することにより、無荷重状態における電気抵抗値を所定の範囲に設定することができる。このため、検出可能な荷重、弾性変形量の範囲、つまり、検出レンジを大きくすることができる。加えて、弾性変形量に対する電気抵抗の増加挙動を調整することができるため、所望の応答感度を実現することができる。
また、本発明の衝撃センサは、無荷重状態において高い導電性を有する。つまり、本発明の衝撃センサは、無荷重状態において導電状態にある。このため、無荷重状態において、導電性の低いセンサ(例えば、従来の感圧導電性樹脂を用いたセンサ)と比較して、作動診断が容易である。すなわち、無荷重状態において導電性の低いセンサの場合、無荷重状態のままでは、正常なのか異常なのか(例えば回路に断線等が生じているのか)判別し難い。このため、導電性が低いセンサに、敢えて、比較的高い電圧を印加して、通電させてみる必要がある。あるいは、センサを試験的に作動させて通電状態をチェックする必要がある。したがって、作動診断が煩雑である。これに対して、本発明の衝撃センサの場合、無荷重状態において高い導電性を有している。このため、無荷重状態のままで、正常、異常の判別がし易い。したがって、作動診断が容易である。例えば、エンジンを作動させた時に、車両のイグニッションスイッチのオンに連動して、本発明の衝撃センサが組み込まれている回路に電流が流れるようにすることで、容易に作動診断を行うことができる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記衝撃伝達部材は、バンパリインフォースメント、クラッシュボックス、サイドメンバ、サイドインパクトプロテクションビームから選ばれる一種以上である構成とするとよい(請求項2に対応)。車両前方、後方からの衝突の場合、衝突エネルギは、バンパカバーから車両のボディに至る衝撃伝達経路を伝播しながら吸収される。当該衝撃伝達経路には、バンパリインフォースメント、クラッシュボックス、サイドメンバが配置されている。このため、バンパリインフォースメント、クラッシュボックス、サイドメンバは、前方、後方からの衝突の際、衝突エネルギが入力されやすい(つまり変形しやすい)部材だと言える。したがって、本発明の衝撃センサがバンパリインフォースメント、クラッシュボックス、サイドメンバに配置されている場合、車両前方、後方からの衝突を確実に検出することができる。
また、車両側方からの衝突の場合、衝突エネルギは、ドアアウタパネルから車両のボディに至る衝撃伝達経路を伝播しながら吸収される。当該衝撃伝達経路には、サイドインパクトプロテクションビームが配置されている。このため、サイドインパクトプロテクションビームは、側方からの衝突の際、衝突エネルギが入力されやすい(つまり変形しやすい)部材だと言える。したがって、本発明の衝撃センサがサイドインパクトプロテクションビームに配置されている場合、車両側方からの衝突を確実に検出することができる。
このように、本構成によると、衝突時以外は変形し難く、かつ衝突時には変形し易い衝撃伝達部材であるバンパリインフォースメント、クラッシュボックス、サイドメンバ、サイドインパクトプロテクションビームの少なくとも一つに、本発明の衝撃センサが配置されている。このため、衝突を確実に検出することができる。また、非衝突時における乗員保護装置の誤作動を抑制することができる。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記センサ本体は、弾性的に曲げ変形可能である構成とするとよい(請求項3に対応)。本構成によると、衝撃伝達部材が曲げ変形した時の電気抵抗の変化を検出することができる。また、単なる圧縮変形、伸張変形と比較して、曲げ変形の方が大きな弾性変形量を確保し易い。このため、本構成によると、衝撃伝達部材に作用する荷重、および衝撃伝達部材の曲げ変形を、高精度で検出することができる。
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、前記センサ本体は、前記衝撃伝達部材に固定された固定面と、該固定面に背向する背向面と、を備え、該背向面には、該背向面の弾性変形を拘束する拘束部材が配置されている構成とするとよい(請求項4に対応)。ここで、「衝撃伝達部材に固定された」とは、センサ本体が衝撃伝達部材に、直接固定されている態様と、何らかの固定部材を介して間接的に固定されている態様と、の両方を含む(以下(5)の構成においても同じ)。本構成によると、センサ本体の背向面の弾性変形が、拘束部材により規制される。これにより、固定面の弾性変形量と、背向面の弾性変形量と、の較差が大きくなる。その結果、センサ本体全体としての弾性変形量が大きくなり、電気抵抗の増加量も大きくなる。つまり、衝撃伝達部材に作用する荷重、およびそれにより生じる変形を検出し易くなる。
(5)また、好ましくは、上記(3)の構成において、前記センサ本体は、前記衝撃伝達部材に固定された固定面と、該固定面に背向する背向面と、を備え、該背向面は、表出している構成とするとよい(請求項5に対応)。本構成によると、センサ本体は、固定面により確実に衝撃伝達部材に固定される。よって、衝撃伝達部材の曲げ変形を正確に検出することができる。また、上記(4)の構成のような拘束部材が配置されていない分、構成が簡単になり、製造コストを抑えることができる。
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記センサ本体は長尺状を呈し、前記電極は、該センサ本体の長手方向に沿って複数配置されている構成とするとよい(請求項6に対応)。本構成によると、例えば、電極をセンサ本体の長手方向の所定間隔ごとに配置することで、より細かなセンシングが可能となる。また、荷重の印加位置、変形位置の特定も可能となる。
(7)好ましくは、上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、前記センサ本体は、前記エラストマーと前記導電性フィラーとを必須成分とするエラストマー組成物からなり、該エラストマー組成物の、該導電性フィラーの配合量と電気抵抗との関係を表すパーコレーションカーブにおいて、電気抵抗変化が飽和する第二変極点の該導電性フィラーの配合量(飽和体積分率:φs)が35vol%以上である構成とするとよい(請求項7に対応)。
一般に、絶縁性のエラストマーに導電性フィラーを混合してエラストマー組成物とした場合、エラストマー組成物の電気抵抗は、導電性フィラーの配合量によって変化する。図3に、エラストマー組成物における、導電性フィラーの配合量と電気抵抗との関係を模式的に示す。
図3に示すように、エラストマー101に導電性フィラー102を混合していくと、エラストマー組成物の電気抵抗は、はじめはエラストマー101の電気抵抗とほとんど変わらない。しかし、導電性フィラー102の配合量がある体積分率に達すると、電気抵抗が急激に低下して、絶縁体−導電体転移が起こる(第一変極点)。この第一変極点における導電性フィラー102の配合量を、臨界体積分率(φc)と称す。また、さらに導電性フィラー102を混合していくと、ある体積分率から、電気抵抗の変化が少なくなり電気抵抗変化が飽和する(第二変極点)。この第二変極点における導電性フィラー102の配合量を、飽和体積分率(φs)と称す。このような電気抵抗の変化は、パーコレーションカーブと呼ばれ、エラストマー101中に導電性フィラー102による導電パスP1が形成されるためと考えられている。
例えば、導電性フィラーの粒子径が小さい、導電性フィラーとエラストマーとの相溶性が悪い等の理由により、導電性フィラーが凝集し、凝集体が形成されている場合には、一次元的な導電パスが形成され易い。このような場合には、エラストマー組成物の臨界体積分率(φc)は、20vol%程度と比較的小さくなる。同様に、飽和体積分率(φs)も比較的小さくなる。言い換えると、臨界体積分率(φc)および飽和体積分率(φs)が小さい場合には、導電性フィラーは一次粒子として存在し難く、二次粒子(凝集体)を形成し易い。よって、この場合、導電性フィラーをエラストマー中に多量に配合することは難しい。つまり、導電性フィラーを最密充填に近い状態で配合することは難しい。また、粒子径の小さな導電性フィラーを多量に配合すると、凝集構造が三次元的に成長するため、変形に対する導電性の変化が乏しくなる。
本構成によると、センサ本体は、飽和体積分率(φs)が35vol%以上であるエラストマー組成物からなる。飽和体積分率(φs)が35vol%以上と大きいため、導電性フィラーは、エラストマー中に略単粒子状態で安定に存在する。よって、導電性フィラーを、最密充填に近い状態で配合することができる。
(8)好ましくは、上記(1)ないし(7)のいずれかの構成において、前記導電性フィラーの充填率は、前記センサ本体の全体の体積を100vol%とした場合の30vol%以上65vol%以下である構成とするとよい(請求項8に対応)。
本構成によると、エラストマー中に導電性フィラーが最密充填に近い状態で配合される。よって、センサ本体に、導電性フィラーによる三次元的な導電パスが形成され易くなる。
(9)好ましくは、上記(1)ないし(8)のいずれかの構成において、前記導電性フィラーは、カーボンビーズである構成とするとよい(請求項9に対応)。カーボンビーズは、導電性が良好で、比較的安価である。また、略真球状を呈しているため、高充填率で配合することができる。
(10)好ましくは、上記(1)ないし(9)のいずれかの構成において、前記導電性フィラーの平均粒子径は、0.05μm以上100μm以下である構成とするとよい(請求項10に対応)。本構成によると、導電性フィラーは凝集し難く、一次粒子の状態で存在し易い。なお、平均粒子径は、一次粒子の状態で存在する導電性フィラーの平均粒子径を意味する。
(11)好ましくは、上記(1)ないし(10)のいずれかの構成において、前記エラストマーは、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴムから選ばれる一種以上を含む構成とするとよい(請求項11に対応)。本構成によると、エラストマーと導電性フィラーとの相溶性が良好である。このため、導電性フィラーが一次粒子の状態で存在し易くなる。
以下、本発明の衝撃センサの実施形態について説明する。まず、本発明の衝撃センサの実施形態について説明し、次に、本発明の衝撃センサを構成するセンサ本体について詳しく説明する。
〈衝撃センサ〉
以下に示す実施形態は、本発明の衝撃センサを、自動車の乗員保護システムに組み込んだものである。
(1)第一実施形態
まず、本実施形態の衝撃センサの配置について説明する。図4(a)に、同衝撃センサが配置された車両の透過上面図を示す。図4(b)に、同車両の透過側面図を示す。なお、図4以降の図において、方位は、車両9の進行方向を基準に定義している。
図4に示すように、車両9のフロントバンパ90にはフロントバンパセンサユニット2が、左フロントドア91Lには左フロントドアセンサユニット3Lが、左リアドア92Lには左リアドアセンサユニット4Lが、右フロントドア91Rには右フロントドアセンサユニット3Rが、右リアドア92Rには右リアドアセンサユニット4Rが、リアバンパ93にはリアバンパセンサユニット5が、各々内蔵されている(図4においては、説明の便宜上、これらのセンサユニットにハッチングを施して示す)。また、車両9の略中央フロア下には、乗員保護ECU(図4においては、説明の便宜上、ハッチングを施して示す)6が埋設されている。
フロントバンパセンサユニット2、左フロントドアセンサユニット3L、左リアドアセンサユニット4L、右フロントドアセンサユニット3R、右リアドアセンサユニット4R、リアバンパセンサユニット5と、乗員保護ECU6とは、それぞれハーネスにより接続されている。
フロントバンパセンサユニット2およびリアバンパセンサユニット5は、各々車両の左右方向(車幅方向)に沿って延設されている。左フロントドアセンサユニット3L、左リアドアセンサユニット4L、右フロントドアセンサユニット3R、右リアドアセンサユニット4Rは、各々車両の前後方向に沿って延設されている。
次に、フロントバンパ90に内蔵されたフロントバンパセンサユニット2の配置について詳しく説明する。なお、リアバンパ93に内蔵されたリアバンパセンサユニット5の配置、構成、動き、作用効果は、フロントバンパセンサユニット2と同様である。したがって、以下、フロントバンパセンサユニット2についてのみ説明し、リアバンパセンサユニット5についての説明を兼ねるものとする。
図5に、車両9のフロントバンパ90付近の透過斜視図を示す。なお、説明の便宜上、バンパリインフォースメント903、フロントサイドメンバ904、クラッシュボックス905を太線で示す。フロントバンパセンサユニット2は、バンパリインフォースメント903に内蔵されている。
図6に、バンパリインフォースメント903の前壁903cの裏面図(後面図)を示す。なお、図6に示すのは、前壁903cの裏面のうち、仕切板903a、903bにより囲まれた区間である。図7に、図5および図6のVII−VII断面図を示す。図6、図7に示すように、フロントバンパ90は、バンパカバー900とエネルギアブソーバ901とバンパリインフォースメント903と、クラッシュボックス905とを備えている。
バンパリインフォースメント903は、アルミ合金製であって、長尺の四角筒状を呈している。バンパリインフォースメント903は、車幅方向に延設されている。バンパリインフォースメント903の内部空間は、二枚の仕切板903a、903bにより、区画されている。
クラッシュボックス905は、アルミ合金製であって、後方に向かって開口する箱状を呈している。クラッシュボックス905は、車幅方向に離間して、合計二つ配置されている。一対のクラッシュボックス905の前壁には、バンパリインフォースメント903の左右両端が、固定されている。一対のクラッシュボックス905は、各々フロントサイドメンバ904の前端に、開口が伏せられた状態で、固定されている。
エネルギアブソーバ901は、発泡PP(ポリプロピレン)製であって、長尺状を呈している。エネルギアブソーバ901は、車幅方向に延在している。エネルギアブソーバ901は、バンパリインフォースメント903の前壁903cの表面(前面)に固定されている。
バンパカバー900は、オレフィン系樹脂製であって、長尺状を呈している。バンパカバー900は、車幅方向に延在している。バンパカバー900は、エネルギアブソーバ901を覆っている。
フロントバンパセンサユニット2は、バンパリインフォースメント903の前壁903cの裏面のうち、仕切板903a、903bにより囲まれた区間に固定されている。つまり、フロントバンパセンサユニット2は、バンパリインフォースメント903内部に収容されている。
次に、フロントバンパセンサユニット2の構成について説明する。図8に、図7の円VIII内の拡大図を示す。図6〜図8に示すように、フロントバンパセンサユニット2は、フロントバンパセンサ20と、ブリッジ回路21と、アンプ22と、を備えている。このうち、フロントバンパセンサ20は、本発明の衝撃センサに含まれる。
フロントバンパセンサ20は、電極フィルム部200とセンサ本体201と拘束フィルム部202とコネクタ203とを備えている。電極フィルム部200は、基材フィルム200aとカバーフィルム200bとを備えている。基材フィルム200aは、ポリイミド製であって、左右方向に延びる帯状を呈している。基材フィルム200aは、バンパリインフォースメント903の前壁903c裏面(後面)に固定されている。
カバーフィルム200bは、ポリイミド製であって、左右方向に延びる帯状を呈している。カバーフィルム200bは、基材フィルム200aの表面(後面)を覆っている。カバーフィルム200bの幅方向(上下方向)中央には、左右方向に延びる長方形状の長孔200cが開設されている。
センサ本体201は、左右方向に延びる長尺板状を呈している。センサ本体201は、カバーフィルム200bの長孔200cに収容された状態で、基材フィルム200aの表面に固定されている。センサ本体201における基材フィルム200aとの当接面は、本発明の固定面に相当する。
センサ本体201は、EPDM中に、カーボンビーズ(日本カーボン社製「ニカビーズICB0520」、平均粒子径約5μm)が配合されたエラストマー複合材料からなる。カーボンビーズの充填率は、センサ本体201の体積を100vol%とした場合の48vol%である。また、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)にカーボンビーズを混合したエラストマー組成物のパーコレーションカーブにおいて、臨界体積分率(φc)は43vol%、飽和体積分率(φs)は48vol%である。
センサ本体201の左端には電極Aが、右端には電極Bが、電極Aと電極Bとの間には電極Mが、各々取り付けられている。詳しく説明すると、電極A、B、Mは、各々金属製であって、上下に延びる短冊状を呈している。電極A、B、Mは、センサ本体201と基材フィルム200aとの間、およびカバーフィルム200bと基材フィルム200aとの間に、介装されている。電極A、B、Mとコネクタ203とは、各々導線で接続されている。導線は、各々カバーフィルム200bと基材フィルム200aとの間に、介装されている。電極A、B、Mにより、センサ本体201には、左側区間201Lと右側区間201Rとが区画されている。左側区間201Lは、電極Aと電極Mとの間に配置されている。右側区間201Rは、電極Mと電極Bとの間に配置されている。
拘束フィルム部202は、ポリイミド製であって、左右方向に延びる帯状を呈している。拘束フィルム部202は、センサ本体201における基材フィルム200a側と反対の表面(つまり後面)に固定されている。センサ本体201における拘束フィルム部202との当接面は、本発明の背向面に相当する。拘束フィルム部202は、本発明における拘束部材に含まれる。
コネクタ203は、電極フィルム部200の左方に接続されている。前述したように、コネクタ203は、電極A、M、Bと結線されている。ブリッジ回路21とアンプ22とは、構造上は単一の部品として形成されている。ブリッジ回路21およびアンプ22は、コネクタ203の左方に接続されている。
次に、左フロントドア91Lに内蔵された左フロントドアセンサユニット3Lの配置について詳しく説明する。なお、左リアドア92Lに内蔵された左リアドアセンサユニット4L、右フロントドア91Rに内蔵された右フロントドアセンサユニット3R、右リアドア92Rに内蔵された右リアドアセンサユニット4Rの配置、構成、動き、作用効果は、左フロントドアセンサユニット3Lと同様である。したがって、以下、左フロントドアセンサユニット3Lについてのみ説明し、左リアドアセンサユニット4L、右フロントドアセンサユニット3R、右リアドアセンサユニット4Rについての説明を兼ねるものとする。
図9に、車両9の左フロントドア91L付近のドア開時における透過斜視図を示す。なお、説明の便宜上、サイドインパクトプロテクションビーム914を太線で示す。図9に示すように、サイドインパクトプロテクションビーム914は、左フロントドア91Lの内部空間において、前後方向に延在している。左フロントドアセンサユニット3Lは、サイドインパクトプロテクションビーム914の外周面に配置されている。
図10に、サイドインパクトプロテクションビーム914の正面図(車両9を左側から見た図)を示す。図11に、図9および図10のXI−XI断面図を示す。図10、図11に示すように、サイドインパクトプロテクションビーム914は、高張力鋼製であって、円筒状を呈している。サイドインパクトプロテクションビーム914の外周面左側には、センサ用台座915が固定されている。センサ用台座915は、アルミ合金製であって、前後方向に延びる長尺ブロック状を呈している。センサ用台座915の頂面(左面)915aは、平面状を呈している。左フロントドアセンサユニット3Lは、当該センサ用台座915の頂面915aに、固定されている。
次に、左フロントドアセンサユニット3Lの構成について説明する。左フロントドアセンサユニット3Lの構成と、前記フロントバンパセンサユニット2の構成との相違点は、電極が三つではなく、二つ配置されている点である。
すなわち、左フロントドアセンサユニット3Lは、左フロントドアセンサ30Lと、ブリッジ回路31Lと、アンプ32Lと、を備えている。このうち、左フロントドアセンサ30Lは、本発明の衝撃センサに含まれる。
左フロントドアセンサ30Lは、電極フィルム部300とセンサ本体301と拘束フィルム部302とコネクタ303とを備えている。電極フィルム部300は、基材フィルム300aとカバーフィルム300bとを備えている。基材フィルム300aは、ポリイミド製であって、前後方向に延びる帯状を呈している。基材フィルム300aは、センサ用台座915の頂面915aに、固定されている。カバーフィルム300bは、ポリイミド製であって、前後方向に延びる帯状を呈している。カバーフィルム300bは、基材フィルム300aの表面(左面)を覆っている。カバーフィルム300bの幅方向(上下方向)中央には、前後方向に延びる長方形状の長孔300cが開設されている。
センサ本体301は、前後方向に延びる長尺板状を呈している。センサ本体301は、カバーフィルム300bの長孔300cに収容された状態で、基材フィルム300aの表面に固定されている。センサ本体301における基材フィルム300aとの当接面は、本発明の固定面に相当する。センサ本体301の材質は、前記センサ本体201の材質と同様である。
センサ本体301の前端には電極aが、後端には電極bが、各々取り付けられている。詳しく説明すると、電極a、bは、各々金属製であって、上下に延びる短冊状を呈している。電極a、bは、センサ本体301と基材フィルム300aとの間、およびカバーフィルム300bと基材フィルム300aとの間に、介装されている。電極a、bとコネクタ303とは、各々導線で接続されている。導線は、各々カバーフィルム300bと基材フィルム300aとの間に、介装されている。
拘束フィルム部302は、ポリイミド製であって、左右方向に延びる帯状を呈している。拘束フィルム部302は、センサ本体301における基材フィルム300a側と反対の表面(つまり左面)に固定されている。センサ本体301における拘束フィルム部302との当接面は、本発明の背向面に相当する。拘束フィルム部302は、本発明における拘束部材に含まれる。
コネクタ303は、電極フィルム部300の前方に接続されている。前述したように、コネクタ303は、電極a、bと結線されている。ブリッジ回路31Lとアンプ32Lとは、構造上は単一の部品として形成されている。ブリッジ回路31Lおよびアンプ32Lは、コネクタ303の前方に接続されている。
次に、本実施形態の乗員保護システムの電気的構成について説明する。図12に、本実施形態の乗員保護システムのブロック図を示す。図12に示すように、本実施形態の乗員保護システム1は、フロントバンパセンサユニット2と、左フロントドアセンサユニット3Lと、左リアドアセンサユニット4Lと、右フロントドアセンサユニット3Rと、右リアドアセンサユニット4Rと、リアバンパセンサユニット5と、乗員保護ECU6と、エアバッグ装置70と、アクティブヘッドレスト装置71と、を備えている。
フロントバンパセンサユニット2は、前述したように、フロントバンパセンサ20と、ブリッジ回路21と、アンプ22と、を備えている。図13に、フロントバンパセンサユニット2の回路図を示す。図13に示すように、フロントバンパセンサ20のセンサ本体201には、左側区間201Lと右側区間201Rとが区画されている。左側区間201Lは、電極Aと電極Mとの間に配置されている。右側区間201Rは、電極Mと電極Bとの間に配置されている。左側区間201Lは抵抗R(AM)と、右側区間201Rは抵抗R(MB)と、それぞれ等価である。
ブリッジ回路21には、抵抗R1〜R3が配置されている。抵抗R1〜R3と、抵抗R(AM)または抵抗R(MB)とにより、ホイーストンブリッジ回路が構成されている。すなわち、抵抗R1の高電位側には、抵抗R(AM)と抵抗R(MB)とが、交互に切り替え可能に接続されている。当該ホイーストンブリッジ回路の一端には、電源電圧Vccが供給されている。電源電圧Vccは、乗員保護ECU6の5V電源(図略)から供給されている。また、当該ホイーストンブリッジ回路の他端は、接地(GND)されている。
なお、電源電圧Vcc、抵抗R1〜R3の電気抵抗値は、各々既知である。このため、抵抗R2と抵抗R3との中間電位V1と、抵抗R(AM)または抵抗R(MB)と抵抗R1との中間電位V2と、の電位差を測定することにより、実質的に左側区間201Lの抵抗R(AM)、あるいは右側区間201Rの抵抗R(MB)を測定することができる。
アンプ22には、中間電位V1、V2が入力される。中間電位V1、V2の電位差ΔVは、アンプ22により増幅され、アナログの電圧データとして、乗員保護ECU6のA/D(アナログ/デジタル)コンバータ600に入力される。
左フロントドアセンサユニット3Lは、前述したように、左フロントドアセンサ30Lと、ブリッジ回路31Lと、アンプ32Lと、を備えている。図14に、左フロントドアセンサユニット3Lの回路図を示す。図14に示すように、左フロントドアセンサ30Lのセンサ本体301の電極aから電極bまでの区間は、抵抗r(ab)と等価である。
ブリッジ回路31Lには、抵抗r1〜r3が配置されている。抵抗r1〜r3と、抵抗r(ab)とにより、ホイーストンブリッジ回路が構成されている。当該ホイーストンブリッジ回路の一端には、電源電圧Vccが供給されている。電源電圧Vccは、乗員保護ECU6の5V電源(図略)から供給されている。また、当該ホイーストンブリッジ回路の他端は、接地(GND)されている。
なお、電源電圧Vcc、抵抗r1〜r3の電気抵抗値は、各々既知である。このため、抵抗r2と抵抗r3との中間電位v1と、抵抗r(ab)と抵抗r1との中間電位v2と、の電位差を測定することにより、実質的にセンサ本体301の抵抗r(ab)を測定することができる。
アンプ32Lには、中間電位v1、v2が入力される。中間電位v1、v2の電位差Δvは、アンプ32Lにより増幅され、アナログの電圧データとして、乗員保護ECU6のA/Dコンバータ600に入力される。
図12に戻って、乗員保護ECU6は、CPU(中央処理装置)60とエアバッグ用駆動回路61aとヘッドレスト用駆動回路61bとを備えている。CPU60には、A/Dコンバータ600とRAM(Random Access Memory)601とROM(Read Only Memory)602とが配置されている。
A/Dコンバータ600は、フロントバンパセンサユニット2、左フロントドアセンサユニット3L、左リアドアセンサユニット4L、右フロントドアセンサユニット3R、右リアドアセンサユニット4R、リアバンパセンサユニット5の各々から入力されるアナログの電圧データを、デジタルデータに変換する。
RAM601は、変換された当該デジタルデータを、一時的に保管する。一方、ROM602には、予め乗員保護用プログラム(エアバッグ展開用プログラム、ヘッドレスト駆動用プログラム)が格納されている。並びに、乗員保護用しきい値(エアバッグ展開用電圧しきい値th1、エアバッグ展開用電圧変化率しきい値th2、ヘッドレスト駆動用電圧しきい値th3、ヘッドレスト駆動用電圧変化率しきい値th4)が格納されている。なお、エアバッグ展開用電圧しきい値th1、エアバッグ展開用電圧変化率しきい値th2としては、各々、衝突の種類(前方衝突、側方衝突)に応じて、二種類の値が格納されている。
エアバッグ用駆動回路61aは、エアバッグ装置70に接続されている。なお、車両9には、実際には、左前席フロントエアバッグ装置、左前席サイドエアバッグ装置、左前席カーテンエアバッグ装置、左後席サイドエアバッグ装置、左後席カーテンエアバッグ装置、右前席フロントエアバッグ装置、右前席サイドエアバッグ装置、右前席カーテンエアバッグ装置、右後席サイドエアバッグ装置、右後席カーテンエアバッグ装置という合計10個のエアバッグ装置が配置されており、各々のエアバッグ装置に対して個別にエアバッグ用駆動回路が配置されている。ここでは、説明の便宜上、任意のエアバッグ用駆動回路61aとエアバッグ装置70のみを示す。
エアバッグ用駆動回路61aは、スイッチング素子(図略)を備えている。エアバッグ用駆動回路61aは、エアバッグ装置70のスクイブ(図略)を発熱させる。発熱したスクイブは、インフレータ(図略)に点火する。点火されたインフレータの膨張圧により、エアバッグ装置70の袋体が車室内に膨出する。
ヘッドレスト用駆動回路61bは、アクティブヘッドレスト装置71に接続されている。なお、車両9には、実際には、左前席アクティブヘッドレスト装置、左後席アクティブヘッドレスト装置、右前席アクティブヘッドレスト装置、右後席アクティブヘッドレスト装置という合計4個のアクティブヘッドレスト装置が配置されており、各々のアクティブヘッドレスト装置に対して個別にヘッドレスト用駆動回路が配置されている。ここでは、説明の便宜上、任意のヘッドレスト用駆動回路61bとアクティブヘッドレスト装置71のみを示す。ヘッドレスト用駆動回路61bは、アクティブヘッドレスト装置71に接続されている。
ヘッドレスト用駆動回路61bは、スイッチング素子(図略)を備えている。ヘッドレスト用駆動回路61bは、図示しないヘッドレストのピラーに挿通されたケーブルを介して、シートバックに対してヘッドレストを前方に押し出す。
次に、本実施形態の乗員保護システム1の動きについて説明する。まず、車両9の通常走行時について説明する。乗員保護ECU6の5V電源は、フロントバンパセンサユニット2、左フロントドアセンサユニット3L、左リアドアセンサユニット4L、右フロントドアセンサユニット3R、右リアドアセンサユニット4R、リアバンパセンサユニット5の各々に接続されている。このため、前出図13、図14に示すように、各センサユニットのセンサ本体(例えば201、301)には、電源電圧Vccが供給されている。通常走行時においては、各センサ本体は、無荷重状態で自然長状態にある。
ここで、通常走行時においては、前出図1に示すように、導電性フィラー102は、最密充填に近い状態で充填されている。このため、多数の導電パスPが形成されている。したがって、各センサ本体の電気抵抗値は、最小値である。
中間電位V1、V2の電位差ΔVはアンプ22により、中間電位v1、v2の電位差Δvはアンプ32Lにより、各々増幅され、前出図12に示すように、乗員保護ECU6のCPU60に、常時伝送されている。そして、A/Dコンバータ600により、デジタル変換され、RAM601に一時的に保管される。一方、ROM602には、前述したように、エアバッグ展開用電圧しきい値th1、エアバッグ展開用電圧変化率しきい値th2、ヘッドレスト駆動用電圧しきい値th3、ヘッドレスト駆動用電圧変化率しきい値th4が格納されている。
CPU60は、電位差(詳しくは増幅かつデジタル変換後の電位差。以下本実施形態において同様。)ΔV、Δvと、エアバッグ展開用電圧しきい値th1と、を各々比較する。通常走行時においては、フロントバンパセンサユニット2の電位差ΔV<エアバッグ展開用電圧しきい値th1(前方衝突用)となるように設定されている。また、各ドアセンサユニットの電位差Δv<エアバッグ展開用電圧しきい値th1(側方衝突用)となるように設定されている。並びに、CPU60は、電位差ΔVと、ヘッドレスト駆動用電圧しきい値th3と、を比較する。通常走行時においては、リアバンパセンサユニット5の電位差ΔV<ヘッドレスト駆動用電圧しきい値th3となるように設定されている。
また、CPU60は、電位差ΔV、Δvの変化率(=電位差変化微分値(V/ms))ΔV’、Δv’を演算する。そして、変化率ΔV’、Δv’と、エアバッグ展開用電圧変化率しきい値th2と、を各々比較する。通常走行時においては、フロントバンパセンサユニット2の変化率ΔV’<エアバッグ展開用電圧変化率しきい値th2(前方衝突用)となるように設定されている。また、各ドアセンサユニットの変化率Δv’<エアバッグ展開用電圧変化率しきい値th2(側方衝突用)となるように設定されている。並びに、CPU60は、変化率ΔV’と、ヘッドレスト駆動用電圧変化率しきい値th4と、を比較する。通常走行時においては、リアバンパセンサユニット5の変化率ΔV’<ヘッドレスト駆動用電圧変化率しきい値th4となるように設定されている。
次に、前方衝突時について説明する。衝突対象物(図略)が、例えば、車両9のフロントバンパ90左側に衝突すると、衝突の衝撃が、バンパカバー900、エネルギアブソーバ901を介して、バンパリインフォースメント903に伝達される。このため、バンパリインフォースメント903の前壁903cが、後方に凹むように湾曲変形する。したがって、前出図6に示すように、フロントバンパセンサユニット2のセンサ本体201の左側区間201Lも、後方に凹むように湾曲変形する。前出図13に示すように、左側区間201Lが湾曲変形すると、その分抵抗R(AM)の電気抵抗値が大きくなる。
詳しく説明すると、前方衝突時においては、前出図2に示すように、導電性フィラー102同士が反発し合う。このため、導電パスPが崩壊してしまう。したがって、抵抗R(AM)の電気抵抗値は、通常走行時に対して、大きくなる。
加えて、前出図6、図8に示すように、センサ本体201表面には、拘束フィルム部202が固定されている。このため、衝突に伴うセンサ本体201表面(後面)付近の伸張変形は、拘束フィルム部202により、拘束される。具体的には、拘束フィルム部202により、センサ本体201表面付近の伸張変形は規制され、センサ本体201は剪断変形する。したがって、より一層、通常走行時に対する左側区間201Lの変形量は、大きくなる。このように、センサ本体201の両面が拘束されているため、大きな歪み集中が誘起され、より一層、抵抗R(AM)の電気抵抗値は大きくなる。
抵抗R(AM)の電気抵抗値が大きくなると、その分抵抗R(AM)を通過する際の、電源電圧Vccの電圧降下量が大きくなる。したがって、通常走行時と比較して、中間電位V2が低くなる。
中間電位V2が低くなり、電位差ΔV≧エアバッグ展開用電圧しきい値th1、かつ変化率ΔV’≧エアバッグ展開用電圧変化率しきい値th2となった場合、エアバッグ用駆動回路61aのスイッチング素子がオンになる。このため、エアバッグ装置70の袋体が車室内に膨出する。具体的には、右前席(運転席)にのみ乗員が着座している場合は、右前席フロントエアバッグ装置の袋体が車室内に膨出する。また、右前席および左前席(助手席)に乗員が着座している場合は、右前席フロントエアバッグ装置および左前席フロントエアバッグ装置の袋体が車室内に膨出する。なお、乗員保護システム1の前方衝突時(右側)、左方衝突時、右方衝突時の動きは、上記前方衝突時(左側)の動きと同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
次に、後方衝突時について説明する。衝突対象物(図略)が、例えば、車両9のリアバンパ93左側に衝突すると、上記前方衝突時と同様に、図示しないリアバンパセンサのセンサ本体の左側区間が、前方に凹むように湾曲変形する。このため、左側区間の電気抵抗値が大きくなる。前出図13に示すように、左側区間の電気抵抗値が大きくなると、その分通常走行時と比較して、中間電位V2が低くなる。
中間電位V2が低くなり、電位差ΔV≧ヘッドレスト駆動用電圧しきい値th3、かつ変化率ΔV’≧ヘッドレスト駆動用電圧変化率しきい値th4となった場合、ヘッドレスト用駆動回路61bにより、アクティブヘッドレスト装置71が駆動される。すなわち、ヘッドレスト用駆動回路61bは、図示しないヘッドレストのピラーに挿通されたケーブルを介して、シートバックに対してヘッドレストを前方に押し出す。具体的には、右前席にのみ乗員が着座している場合は、右前席アクティブヘッドレスト装置が駆動される。また、右前席および左前席に乗員が着座している場合は、右前席アクティブヘッドレスト装置および左前席アクティブヘッドレスト装置が駆動される。
次に、本実施形態の衝撃センサの作用効果について説明する。前出図1に示すように、各センサユニットは、車両9に内蔵され、衝突時の衝撃が伝達される衝撃伝達部材に配置されている。このため、迅速かつ正確に衝突を検出することができる。また、各センサユニットは、車両の外装部材よりも内側に配置されているので、破損しにくい。また、各センサが、車両9の略全周に亘って配置されている。したがって、前方、後方、側方からの衝突をもれなく検出することができる。
また、前出図6に示すように、フロントバンパセンサ20のセンサ本体201は、電極A、B、Mにより、左側区間201Lと右側区間201Rとに区画されている。このため、衝撃が加わった位置が特定され、各区間ごとに独立して衝突の判別を行うことができる。
また、車両9のイグニッションスイッチをオンにしてエンジンを作動させると、各センサユニットに電流が流れ、常時通電状態となる。これにより、容易に作動診断を行うことができる。
また、本実施形態では、電位差そのものを乗員保護ECU6に入力することにより衝突判別を行っている。このため、電位差を一旦電気抵抗に変換してから衝突判別を行う場合と比較して、衝突から、エアバッグ装置70やアクティブヘッドレスト装置71が駆動するまでの時間が短くて済む。
また、加速度センサを用いて衝突判別を行う場合と比較して、誤判別が少ない。すなわち、加速度の場合、衝突でなくても、例えば段差を乗り越えた場合などに、急激に変化することも考えられる。これに対して、本実施形態の衝撃センサは、衝突という事象に対して、言わば不可避的に発生する車両9の変形を、確実に検出することができる。このため、加速度センサを用いて衝突判別を行う場合と比較して、誤判別が少ない。また、誤判別が少ないので、回路構成が複雑化するのを抑制することができる。
また、アクティブヘッドレスト装置71は、リアバンパセンサユニット5により駆動される。このため、後方衝突時に乗員がシートバックに押しつけられるのをトリガーとして機械的にヘッドレストを押し出すシステムと比較して、シートにおける乗員の姿勢に影響されることなく、確実にアクティブヘッドレスト装置71を駆動することができる。
(2)第二実施形態
本実施形態と第一実施形態との相違点は、全ての衝撃センサに対して、ブリッジ回路およびアンプが共用化されている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図15に、本実施形態の乗員保護システムのブロック図を示す。なお、図12と対応する部位については、同じ符号で示す。図15に示すように、乗員保護ECU6には、ブリッジ回路62、アンプ63が配置されている。
図16に、ブリッジ回路62の回路図を示す。図16に示すように、ブリッジ回路62は、フロントバンパセンサ20、左フロントドアセンサ30L、左リアドアセンサ40L、右フロントドアセンサ30R、右リアドアセンサ40R、リアバンパセンサ50の各々に接続されている。これらのセンサは、全て本発明の衝撃センサに含まれる。各センサは、抵抗R10〜R30と共に、ホイーストンブリッジ回路を構成する。各センサは、順番に、繰り返しホイーストンブリッジ回路に組み込まれる。
なお、フロントバンパセンサ20には、三つの電極A、B、Mが配置されている(前出図6参照)。このため、フロントバンパセンサ20がホイーストンブリッジ回路に組み込まれる場合は、まず電極A、M間の左側区間201L(抵抗R(AM))が、次に電極M、B間の右側区間201R(抵抗R(MB))が、順番に接続される。この接続方法は、リアバンパセンサ50の場合も同様である。各センサの中間電位V10、V20は、ブリッジ回路62からアンプ63に伝送される。アンプ63にて増幅された中間電位V10、V20の電位差は、CPU60に伝送される。
本実施形態の衝撃センサは、第一実施形態の衝撃センサと、同様の作用効果を奏する。また、本実施形態の乗員保護システム1によると、ブリッジ回路62、アンプ63が、全ての衝撃センサに対して共用化されている。このため、部品点数が少なくて済む。また、ブリッジ回路、アンプをバンパやドアに配置しないで済む分だけ、衝撃センサを省スペース化、軽量化できる。このため、衝撃センサを、衝撃伝達部材に内蔵しやすい。
(3)その他
以上、本発明の衝撃センサの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、衝撃センサの配置の仕方は、上記実施形態に限定されるものではない。衝撃センサは、例えば、前出図7に示すクラッシュボックス905内部、フロントサイドメンバ904内部、エネルギアブソーバ901外部に配置することができる。また、バンパリインフォースメント903の仕切板903a、903b、上壁903e、下壁903dに配置してもよい。さらに、バンパリインフォースメント903の内部だけでなく、外部に配置してもよい。このように、衝撃伝達部材に衝撃センサが内蔵されると、衝撃センサがより破損し難くなる。また、上記実施形態では、前出図11に示すように、左フロントドアセンサユニット3Lを、センサ用台座915を介して、サイドインパクトプロテクションビーム914に固定した。しかし、センサ用台座915を使用せず、直接、左フロントドアセンサユニット3Lを、サイドインパクトプロテクションビーム914の外周面または内周面に固定してもよい。
衝撃伝達部材としては、上記実施形態の他、例えば、フロントトルクボックス、フロントフロアリインフォースメント、ルーフパネルリインフォースメント、フロントボディピラーアッパーアウターリインフォースメント、フロントボディピラーロワーアウターリインフォースメント、フロントフロアクロスメンバ、ロッカーパネルリインフォースメント、フロントフロアクロスサイドメンバ、センターボディピラーアウターリインフォースメント、センターピラーアッパーアウターリインフォースメントなどが挙げられるが、衝撃伝達経路を構成していれば、これらの部材に限定されない。
また、上記実施形態では、フロントバンパ、左フロントドア、左リアドア、右フロントドア、右リアドア、リアバンパの各々に、単一の衝撃センサを配置したが、同一区間の衝突検出を、複数の衝撃センサにより行ってもよい。また、衝撃センサに配置する電極数も特に限定しない。本実施形態の衝撃センサによると、一対の電極の間隔ごとに変形を検出することができるので、電極数を多くすることにより、衝突箇所を特定する精度を向上させることができる。また、電極をセンサ本体に固定する際、加硫接着により固定してもよい。こうすると、センサ本体の加硫成形と同時に、電極を配置することができる。
また、センサ本体の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。これについては、後述する。また、上記実施形態では、電極フィルム部、拘束フィルム部(拘束部材)を、絶縁性の高いポリイミド(PI)製とした。しかし、これらの材質は、特に限定されるものではない。例えば、拘束部材としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルムや、制振鋼板等の金属板等を用いることができる。また、拘束部材を配置しない態様でもよい。また、センサ本体を固定した基材フィルムは、上記実施形態のように単層であってもよく、複数のフィルムを積層した複層であってもよい。さらに、基材フィルム等の固定部材を配置することなく、センサ本体を直接、衝撃伝達部材に固定してもよい。
また、上記実施形態では、衝撃センサのみにより、衝突判別を行ったが、加速度センサと組み合わせて衝突判別を行ってもよい。また、エンジン回転数や車速などを入力して、衝突判別を行ってもよい。つまり、本実施形態の衝撃センサは、既存の乗員保護システムにアドオンして、用いてもよい。
また、上記実施形態では、電位差ΔV、Δvと、変化率ΔV’、Δv’と、の値に基づいて衝突の判別を行った。しかし、電位差および変化率のいずれか一方で衝突の判別を行ってもよい。また、上記実施形態では、衝撃センサから電圧データを出力したが、電気抵抗データを出力してもよい。また、データ出力の際、適宜、温度補償などを行ってもよい。
また、乗員保護装置として、エアバッグ装置やアクティブヘッドレスト装置の他、シートベルトテンショナー装置などを用いてもよい。また、本発明の衝撃センサは、乗員保護システムのみならず、歩行者保護システムなど他のシステムに用いてもよい。
〈センサ本体〉
本発明の衝撃センサを構成するセンサ本体は、エラストマーと導電性フィラーとを有する。エラストマーは、ゴムおよび熱可塑性エラストマーから適宜選択することができる。エラストマーは、絶縁性であることが望ましい。また、導電性フィラーとの混合物(エラストマー組成物)を調製した場合、パーコレーションカーブにおける飽和体積分率(φs)が35vol%以上となるものを用いることが望ましい。飽和体積分率(φs)が35vol%未満の場合には、導電性フィラーを略単粒子状態でかつ高充填率で配合することが難しいからである。また、飽和体積分率(φs)以上の領域においては、電気抵抗が低く、安定した導電性が発現される。よって、飽和体積分率(φs)が35vol%以上の場合には、変形した際の導電体から絶縁体への電気抵抗の変化範囲が広くなる。さらに、飽和体積分率(φs)が40vol%以上となるものを用いると、より好適である。なお、本明細書における「エラストマー組成物」は、エラストマーと球状の導電性フィラーとを必須成分とする。つまり、エラストマーと球状の導電性フィラーとの混合物でもよく、エラストマー、球状の導電性フィラー、および他の添加剤等の混合物であってもよい。
また、導電性フィラーとの親和性を考慮して、次式(1)で表されるゲル分率が15%以下のエラストマーを用いるとよい。ゲル分率が10%以下であるとより好適である。
ゲル分率(%)=(Wg−Wf)/Wf×100・・・(1)
[式(1)中、Wgは、エラストマーに導電性フィラーを混合したエラストマー組成物を、エラストマーの良溶媒に溶解した際に得られる溶媒不溶分(導電性フィラーとエラストマーとからなるゲル分)の重量である。Wfは、導電性フィラーの重量である。なお、エラストマーの良溶媒としては、溶媒とエラストマーとのSP値(溶解度パラメータ)が近いものが望ましく、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム等が挙げられる。]
ゲル分率の値は、パーコレーションカーブにおける臨界体積分率(φc)の指標となる。すなわち、臨界体積分率(φc)が30vol%未満となる場合には、導電性フィラーの凝集体に吸着、結合したエラストマー分が多く存在するため、ゲル分率は比較的大きな値になる。反対に、臨界体積分率(φc)が30vol%以上となる場合には、導電性フィラーが略単粒子状態で存在するため、導電性フィラーの凝集体に吸着、結合したエラストマー分は少なく、ゲル分率は15%以下の比較的小さな値になる。
エラストマーの具体例として、例えば、ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム[エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)等]、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Cl−IIR、Br−IIR等)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(AR)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、合成ラテックス等が挙げられる。また、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系等の各種熱可塑性エラストマー、およびこれらの誘導体が挙げられる。これらのうち、一種を単独で、あるいは二種以上を併せて用いればよい。なかでも、導電性フィラーとの相溶性が極めて良好なEPDMが好適である。また、導電性フィラーとの相溶性が良好なNBR、シリコーンゴムも好適である。
導電性フィラーは、球状を呈する。なお、球状には、真球、略真球状は勿論、楕円球状、長円球状(一対の対向する半球を円柱で連結した形状)、部分球状、部分毎に半径の異なる球状、水滴形状等が含まれる。例えば、導電性フィラーのアスペクト比(短辺に対する長辺の比)は、1以上2以下の範囲が望ましい。アスペクト比が2より大きくなると、導電性フィラー同士の接触により一次元的な導電パスが形成され易いからである。この場合、上記飽和体積分率(φs)が35vol%未満となるおそれがある。また、エラストマー中における導電性フィラーの充填状態を、より最密充填状態に近づけるという観点から、導電性フィラーとして、真球あるいは極めて真球に近い形状(略真球状)の粒子を採用するとよい。
導電性フィラーは、導電性を有する粒子であれば、特に限定されるものではない。例えば、炭素材料、金属等の微粒子が挙げられる。これらのうち、一種を単独で、あるいは二種以上を併せて用いることができる。
導電性フィラーは、できるだけ凝集せず、一次粒子の状態で存在することが望ましい。よって、導電性フィラーを選択する際には、平均粒子径やエラストマーとの相溶性等を考慮するとよい。例えば、導電性フィラーの平均粒子径(一次粒子)は、0.05μm以上100μm以下であることが望ましい。0.05μm未満の場合には、凝集して二次粒子を形成し易い。また、上記飽和体積分率(φs)が35vol%未満となるおそれがある。好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上である。反対に、100μmを超えると、弾性変形による導電性フィラーの並進運動(平行運動)が、粒子径に比べて相対的に小さくなり、センサ本体の弾性変形に対する電気抵抗の変化が緩慢となる。好ましくは60μm以下、より好ましくは30μm以下である。なお、導電性フィラーとエラストマーとの組み合わせや、導電性フィラーの平均粒子径等を適宜調整することで、上記臨界体積分率(φc)および飽和体積分率(φs)を、所望の範囲内に調整することができる。
また、導電性フィラーの粒度分布におけるD90/D10の値は、1以上30以下であることが望ましい。ここで、D90は、累積粒度曲線において積算重量が90%となる粒子径を、D10は、同積算重量が10%となる粒子径である。D90/D10の値が30を超えると、粒度分布がブロードになるため、センサ本体の弾性変形量に対する電気抵抗の増加挙動が不安定になる。これにより、検出の再現性が低下するおそれがある。D90/D10の値が10以下であるとより好適である。なお、導電性フィラーとして、二種類以上の粒子を使用する場合には、D90/D10の値は100以下であればよい。
このような導電性フィラーとしては、例えば、カーボンビーズが好適である。具体的には、大阪ガスケミカル社製のメソカーボンマイクロビーズ[MCMB6−28(平均粒子径約6μm)、MCMB10−28(平均粒子径約10μm)、MCMB25−28(平均粒子径約25μm)]、日本カーボン社製のカーボンマイクロビーズ:ニカビーズ(登録商標)ICB、ニカビーズPC、ニカビーズMC、ニカビーズMSB[ICB0320(平均粒子径約3μm)、ICB0520(平均粒子径約5μm)、ICB1020(平均粒子径約10μm)、PC0720(平均粒子径約7μm)、MC0520(平均粒子径約5μm)]、日清紡社製のカーボンビーズ(平均粒子径約10μm)等が挙げられる。
導電性フィラーは、エラストマー中に高充填率で配合されている。所望の導電性を発現させるため、導電性フィラーは、パーコレーションカーブにおける臨界体積分率(φc)以上の割合で配合されていることが望ましい。導電性フィラーを略単粒子状態でかつ高充填率で配合するという観点から、臨界体積分率(φc)は30vol%以上であることが望ましい。35vol%以上であるとより好適である。したがって、例えば、導電性フィラーの充填率は、センサ本体の全体の体積を100vol%とした場合の30vol%以上65vol%以下であることが望ましい。30vol%未満の場合には、導電性フィラーが最密充填に近い状態で配合されないため、所望の導電性が発現しない。また、センサ本体の弾性変形に対する電気抵抗の変化が緩慢になり、電気抵抗の増加挙動を制御することが難しくなる。35vol%以上であるとより好適である。反対に、65vol%を超えると、エラストマーへの混合が困難となり、成形加工性が低下する。また、センサ本体が弾性変形し難くなる。55vol%以下であるとより好適である。
センサ本体には、上記エラストマー、導電性フィラーに加え、各種添加剤が配合されていてもよい。添加剤としては、例えば、架橋剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、着色剤等が挙げられる。また、上記球状の導電性フィラーと共に、異形状(例えば、針状等)の導電性フィラーが配合されていても構わない。
センサ本体は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、エラストマーに、加硫助剤、軟化剤等の添加剤を添加して、混練りする。続いて、導電性フィラーを加えて混練りした後、さらに、架橋剤、加硫促進剤を加えて混練りし、エラストマー組成物とする。次に、エラストマー組成物をシート状に成形し、それを金型に充填して、所定の条件下でプレス加硫する。
以下、本発明の衝撃センサを用いた衝撃応答実験について説明する。
〈実験装置および実験方法〉
実験には、以下のように作製したセンサ本体を使用した。まず、油展EPDM(住友化学社製「エスプレン(登録商標)6101」)85重量部(以下「部」と略称する)(85g)と、油展EPDM(住友化学社製「エスプレン601」)34部(34g)と、EPDM(住友化学社製「エスプレン505」)30部(30g)と、酸化亜鉛(白水化学工業社製)5部(5g)と、ステアリン酸(花王社製「ルナック(登録商標)S30」)1部(1g)と、パラフィン系プロセスオイル(日本サン石油社製「サンパー(登録商標)110」)20部(20g)と、をロール練り機にて素練りした。次に、カーボンビーズ(日本カーボン社製「ニカビーズICB0520」、平均粒子径約5μm、粒度分布におけるD90/D10=3.2)270部(270g)を添加して、ロール練り機にて混合し、分散させた。さらに、加硫促進剤として、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(大内新興化学社製「ノクセラー(登録商標)PZ−P」)1.5部(1.5g)、テトラメチルチウラムジスルフィド(三新化学社製「サンセラー(登録商標)TT−G」)1.5部(1.5g)、2−メルカプトベンゾチアゾール(大内新興化学社製「ノクセラーM−P」)0.5部(0.5g)と、硫黄(鶴見化学工業社製「サルファックスT−10」)0.56部(0.56g)と、を添加して、ロール練り機にて混合し、分散させ、エラストマー組成物を調製した。
調製したエラストマー組成物中のカーボンビーズの体積分率は、エラストマー組成物全体の体積を100vol%とした場合の約48vol%であった。また、エラストマー組成物のパーコレーションカーブにおける臨界体積分率(φc)は、約43vol%、飽和体積分率(φs)は、約48vol%であった。また、エラストマー組成物を溶媒(トルエン)に溶解し、溶媒不溶分を測定したところ、ゲル分率は約3%であった。
次に、エラストマー組成物を、所定の大きさの帯状に成形して成形体とした。その成形体を金型に充填し、長手方向両端に電極を配置して、170℃で30分間プレス加硫することにより、センサ本体を得た。得られたセンサ本体におけるカーボンビーズの充填率は、センサ本体の体積を100vol%とした場合の約48vol%であった。
作製したセンサ本体を、バンパリインフォースメントの裏面に取り付けて衝撃センサを構成し、バンパリインフォースメント表面からの衝撃に対する同センサの応答性を評価した。まず、実験装置の構成について説明する。図17に、実験装置の斜視図を示す。図18に、衝撃センサが組み込まれている回路の模式図を示す。
図17に示すように、実験装置8は、ストライカー80とステージ81とレーザ変位計82と加速度センサ83とを備えている。
ストライカー80は、鋼製であって半円筒状を呈している。ストライカー80の質量は26.6kgである。また、ストライカー80の外径φは70mmである。ステージ81は、鋼製であって円板状を呈している。ステージ81の下方には、荷重センサ(図略)が配置されている。レーザ変位計82は、ステージ81上に配置されている。
バンパリインフォースメント84は、アルミ合金製であって、四角筒状を呈している。バンパリインフォースメント84は、衝撃が入力される面を上にした状態で、ステージ81の上面略中央に載置されている。バンパリインフォースメント84の長手方向中央と、ストライカー80の長手方向中央とは、上方から見て十文字状に交差するように、配置されている。
バンパリインフォースメント84の上壁840の下面(裏面)には、作製した衝撃センサ85(説明の便宜上、点線ハッチングを施す)が固定されている。衝撃センサ85は、センサ本体850と、センサ本体850の長手方向両端に配置された電極α、βと、を備えている。センサ本体850は、電極αおよび導線851αを介して、並びに電極βおよび導線851βを介して、図18に示すホイーストンブリッジ回路に接続されている。ここで、電源Vinの電圧、抵抗R1、R2、R3の電気抵抗値は、各々既知である。電圧計Vmにより、センサ本体850の電圧変化(つまり電気抵抗変化)が測定される。
バンパリインフォースメント84の上壁840の上面には、加速度センサ83が固定されている。加速度センサ83は、バンパリインフォースメント84の長手方向中央から、距離L(=8cm)だけ離間して配置されている。
次に、実験方法について説明する。落錘実験は、ストライカー80をバンパリインフォースメント84に落下、衝突させることにより行う。ストライカー80を落下させると、ストライカー80の長手方向中央は、バンパリインフォースメント84の長手方向中央に、衝突する。落錘実験は、ストライカー80の落下距離H(前出図17参照)を変えて(50cm、20cm)、二回行った。
衝突による荷重の変化は、ステージ81下方の荷重センサにより検出した。衝突によるバンパリインフォースメント84の上壁840の変形(つまり衝撃センサ85の変形)は、レーザ変位計82により検出した。衝突による加速度の変化は、加速度センサ83により検出した。衝突による衝撃センサ85の電圧変化(つまり電気抵抗変化)は、電圧計Vmにより検出した。
〈実験結果〉
実験結果を図19〜図21に示す。図19は、落下距離H=50cmの場合の、衝撃の加速度、荷重、および検出電圧の経時変化を示す。また、図20は、落下距離H=20cmの場合の、衝撃の加速度、荷重、および検出電圧の経時変化を示す。図19、図20に示すように、衝撃が加わると、検出電圧は速やかに増加した。これは、衝撃による変形で、衝撃センサの電気抵抗が増加し、衝撃センサによる電圧降下が大きくなったことを示している。このように、本発明の衝撃センサの応答性は高く、衝撃に対する応答遅れはほとんど無視できるほど小さい。また、図19、図20に、それぞれ太線で傾きを示すように、落下距離Hが大きいほど、つまり衝撃力が大きいほど、検出電圧変化の微分値は大きくなった。
また、図21に、ストライカーの衝突速度に対する衝撃センサの応答性を示すグラフを示す。図21中、縦軸は、検出電圧変化の二回微分値である。図21に示すように、ストライカーの衝突速度が大きいほど、つまり衝撃力が大きいほど、応答が急峻であった。このように、本発明の衝撃センサによると、衝突状態を特定できるため、衝突の大小に応じた乗員保護装置等の駆動が可能になる。
衝突時における乗員保護システムの動作には、数ms程度しか時間の猶予がないため、衝突状態を検出するには、高速応答性が不可欠である。本発明の衝撃センサの応答の速さは、車両の衝突検出において極めて有用である。
本発明におけるセンサ本体の荷重印加前の導電パスを示す模式図である。 同センサ本体の荷重印加後の導電パスを示す模式図である。 エラストマー組成物におけるパーコレーションカーブの模式図である。 (a)は第一実施形態の衝撃センサが配置された車両の透過上面図である。(b)は同車両の透過側面図である。 車両のフロントバンパ付近の透過斜視図である。 車両のフロントバンパのバンパカバーの裏面図である。 図5および図6のVII−VII断面図である。 図7の円VIII内の拡大図である。 車両の左フロントドア付近のドア開時における透過斜視図である。 車両の左フロントドアのフロントドアアウタパネルの裏面図である。 図9および図10のXI−XI断面図である。 第一実施形態の乗員保護システムのブロック図である。 フロントバンパセンサユニットの回路図である。 左フロントドアセンサユニットの回路図である。 第二実施形態の乗員保護システムのブロック図である。 同乗員保護システムのブリッジ回路の回路図である。 落錘実験に用いた実験装置の斜視図である。 落錘実験に用いた衝撃センサが組み込まれている回路の模式図である。 衝撃の加速度、荷重、および検出電圧の経時変化を示すグラフである(落下距離H=50cm)。 衝撃の加速度、荷重、および検出電圧の経時変化を示すグラフである(落下距離H=20cm)。 ストライカーの衝突速度に対する衝撃センサの応答性を示すグラフである。
符号の説明
1:乗員保護システム
2:フロントバンパセンサユニット
20:フロントバンパセンサ(衝撃センサ) 21:ブリッジ回路 22:アンプ
200:電極フィルム部 200a:基材フィルム 200b:カバーフィルム
200c:長孔 201:センサ本体 201L:左側区間 201R:右側区間
202:拘束フィルム部(拘束部材) 203:コネクタ
3L:左フロントドアセンサユニット 3R:右フロントドアセンサユニット
30L:左フロントドアセンサ(衝撃センサ)
30R:右フロントドアセンサ(衝撃センサ)
31L:ブリッジ回路 32L:アンプ
300:電極フィルム部 300a:基材フィルム 300b:カバーフィルム
300c:長孔 301:センサ本体 302:拘束フィルム部(拘束部材)
303:コネクタ
4L:左リアドアセンサユニット 4R:右リアドアセンサユニット
40L:左リアドアセンサ(衝撃センサ) 40R:右リアドアセンサ(衝撃センサ)
5:リアバンパセンサユニット 50:リアバンパセンサ(衝撃センサ)
6:乗員保護ECU 60:CPU
600:A/Dコンバータ 601:RAM 602:ROM
61a:エアバッグ用駆動回路 61b:ヘッドレスト用駆動回路
62:ブリッジ回路 63:アンプ
70:エアバッグ装置 71:アクティブヘッドレスト装置
8:実験装置
80:ストライカー 81:ステージ 82:レーザ変位計 83:加速度センサ
84:バンパリインフォースメント 840:上壁
85:衝撃センサ 850:センサ本体 851α、851β:導線
9:車両
90:フロントバンパ 91L:左フロントドア 91R:右フロントドア
92L:左リアドア 92R:右リアドア 93:リアバンパ
900:バンパカバー 901:エネルギアブソーバ
903:バンパリインフォースメント 903a、903b:仕切板
903c:前壁 903d:下壁 903e:上壁
904:フロントサイドメンバ 905:クラッシュボックス
914:サイドインパクトプロテクションビーム 915:センサ用台座
915a:頂面
100:センサ本体 101:エラストマー 102:導電性フィラー
A、B、M:電極 a、b:電極 α、β:電極
R(AM)、R(MB):抵抗 r(ab):抵抗
R1〜R3、R10〜R30:抵抗 r1〜r3:抵抗
V1、V2:中間電位 v1、v2:中間電位 V10、V20:中間電位
Vcc:電源電圧 Vin:電源 Vm:電圧計
P:導電パス P1:導電パス

Claims (11)

  1. エラストマーと、該エラストマー中に略単粒子状態でかつ高充填率で配合されている球状の導電性フィラーと、を有し、弾性変形量が増加するに従って電気抵抗が増加する弾性変形可能なセンサ本体と、
    該センサ本体に接続され、該電気抵抗を出力可能な電極と、
    を備えてなり、
    車両に内蔵され、外部から加えられた衝撃の伝達経路を構成する衝撃伝達部材に配置された衝撃センサ。
  2. 前記衝撃伝達部材は、バンパリインフォースメント、クラッシュボックス、サイドメンバ、サイドインパクトプロテクションビームから選ばれる一種以上である請求項1に記載の衝撃センサ。
  3. 前記センサ本体は、弾性的に曲げ変形可能である請求項1または請求項2に記載の衝撃センサ。
  4. 前記センサ本体は、前記衝撃伝達部材に固定された固定面と、該固定面に背向する背向面と、を備え、
    該背向面には、該背向面の弾性変形を拘束する拘束部材が配置されている請求項3に記載の衝撃センサ。
  5. 前記センサ本体は、前記衝撃伝達部材に固定された固定面と、該固定面に背向する背向面と、を備え、
    該背向面は、表出している請求項3に記載の衝撃センサ。
  6. 前記センサ本体は長尺状を呈し、
    前記電極は、該センサ本体の長手方向に沿って複数配置されている請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の衝撃センサ。
  7. 前記センサ本体は、前記エラストマーと前記導電性フィラーとを必須成分とするエラストマー組成物からなり、
    該エラストマー組成物の、該導電性フィラーの配合量と電気抵抗との関係を表すパーコレーションカーブにおいて、電気抵抗変化が飽和する第二変極点の該導電性フィラーの配合量(飽和体積分率:φs)が35vol%以上である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の衝撃センサ。
  8. 前記導電性フィラーの充填率は、前記センサ本体の全体の体積を100vol%とした場合の30vol%以上65vol%以下である請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の衝撃センサ。
  9. 前記導電性フィラーは、カーボンビーズである請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の衝撃センサ。
  10. 前記導電性フィラーの平均粒子径は、0.05μm以上100μm以下である請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の衝撃センサ。
  11. 前記エラストマーは、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴムから選ばれる一種以上を含む請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の衝撃センサ。
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