JP4485962B2 - 車両用衝突センサ - Google Patents

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Description

この発明は、車両用衝突センサに関するものである。
従来、車体に物体が接触または衝突したことを検出するセンサとして、車両の構造要素に沿って配置され、可変抵抗出力を発生可能な曲がり感応抵抗要素あるいは可変出力信号を発生可能な変形センサを可撓性基板上に配置した車両衝撃検出システム(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特表2003−510216号公報
ところで、上記従来技術に係る車両衝撃検出システムでは、導電性インキのインキストリップに生じるクラックの大きさに応じて電気抵抗が増大する曲がり感応抵抗要素を用いることが記載されている。しかしながら、可撓性基板上に印刷されたインキストリップでは、可撓性基板の変形に伴いクラックの大きさやクラックの発生数が増大するだけであるから、センサとしての寿命が短いという問題が生じる。
また、この車両衝撃検出システムでは、単に、圧電ケーブルや光ファイバケーブルにより構成される変形センサを用いることが記載されている。しかしながら、変形センサの構成に関する詳細は記載されておらず、これらの変形センサによって所望の検出感度を確保することが困難であるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、センサの配置に要するスペースが増大することを防止しつつ、所望の検出感度を確保することが可能な車両用衝突センサを提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の車両用衝突センサは、車体に物体が接触または衝突したことを検出する車両用衝突センサであって、複数の検出素子(例えば、実施の形態での圧電素子24)と、該複数の検出素子が長手方向に沿って配列された可撓性基板(例えば、実施の形態でのフレキシブル基板23)と、該可撓性基板を被覆する保護部材(例えば、実施の形態での絶縁性保護フィルム25)と、前記可撓性基板の長手方向の両端に配置された2つの外部配線(例えば、実施の形態での外部配線41L,41R)とを備え、前記検出素子は、圧電フィルム(例えば、実施の形態での圧電フィルム31)と、該圧電フィルムを厚さ方向の両側から挟み込んで該圧電フィルムから電気信号を出力する信号電極および接地電極からなる電極対(例えば、実施の形態での信号電極32および接地電極33)とを備え、前記電極対の一方の電極に接続された電極端子(例えば、実施の形態での信号端子32a)は前記圧電フィルムを厚さ方向に貫通する貫通孔(例えば、実施の形態での貫通孔31a)に装着され、該電極端子の端部は前記電極対の他方の電極が配置された前記圧電フィルムの表面上で前記他方の電極から離間して露出し、前記可撓性基板は、前記複数の検出素子の前記接地電極に接続される単一の接地配線と、前記複数の検出素子の前記信号電極毎に接続される複数の信号配線とを備え、前記信号配線は、前記可撓性基板の長手方向に沿って延びる信号配線直線部を備え、複数の前記信号配線直線部は、一方の前記外部配線(例えば、実施の形態での外部配線41L)に接続されて前記可撓性基板の短手方向に配列される複数の前記信号配線直線部(例えば、実施の形態での複数の信号配線直線部21b L1 ,…,21b Lm )と、他方の前記外部配線(例えば、実施の形態での外部配線41R)に接続されて前記可撓性基板の短手方向に配列される複数の前記信号配線直線部(例えば、実施の形態での複数の信号配線直線部21b R1 ,…,21b Rj )とに、前記可撓性基板の長手方向で互いに独立に、配分されている。
上記構成の車両用衝突センサによれば、圧電フィルムから電気信号を出力する電極対を可撓性基板上に形成された所定の配線に接続し、これらの圧電フィルムが装着された可撓性基板をフィルム状等の保護部材によって被覆して一体化することにより、圧電フィルムからの電気信号を外部に出力させるための配線構造が複雑化することを防止し、センサの厚さが増大することを抑制しつつ、所望の検出感度を確保することができる。
上記構成の車両用衝突センサによれば、圧電フィルムを電極対によって厚さ方向の両側から挟み込んで形成した検出素子の厚さ寸法が増大することを防止しつつ、圧電フィルムの他方の表面上に、電極対の他方の電極と、電極対の一方の電極に接続された電極端子とを露出させることにより、圧電フィルムの電極対と可撓性基板上の配線とを単純な構成で容易に接続することができると共に、センサの厚さが増大することを抑制することができる。
上記構成の車両用衝突センサによれば、複数の検出素子を可撓性基板上に装着した場合であっても、各検出素子と可撓性基板上の配線との接続構造が複雑化することを防止しつつ、センサの厚さが増大することを防止することができる。
以上説明したように、本発明の車両用衝突センサによれば、圧電フィルムからの電気信号を外部に出力させるための配線構造が複雑化することを防止し、センサの厚さが増大することを抑制することができる。
さらに圧電フィルムの電極対と可撓性基板上の配線とを単純な構成で容易に接続することができると共に、センサの厚さが増大することを抑制することができる。
さらに複数の検出素子を可撓性基板上に装着した場合であっても、各検出素子と可撓性基板上の配線との接続構造が複雑化することを防止しつつ、センサの厚さが増大することを防止することができる。
さらに、可撓性基板の短手方向の寸法を、より小さくすることができ、車両用衝突センサの車両搭載性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両用衝突センサについて添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車両用衝突センサ10は、車両1の外表面近傍、例えば図1および図2に示すように車両1の前部ではフロントバンパフェース11の内面11A上に配置され、車両1の外表面と物体との接触および衝突を検出する。
例えば図1に示す車両1の前部では、車体骨格部材を構成する1対のフロントサイドフレーム12,12が車体前後方向に沿って延びるようにして、かつ、互いに車幅方向に離間して設けられている。これら1対のフロントサイドフレーム12,12は、各先端部がブラケット等の接続部材を介して略車幅方向に沿って延びるフロントバンパビーム13に連結されている。
そして、フロントバンパビーム13から車体前後方向前方側にずれた位置には、車両1の外表面を構成するフロントバンパフェース11が略車幅方向に沿って延びるようにして設けられており、例えば図2に示すように、フロントバンパフェース11の内面11A上に配置された車両用衝突センサ10と、フロントバンパビーム13とが離間して配置されている。
車両用衝突センサ10は、例えば図3および図4に示すように、所定の信号配線21および接地配線22からなる配線パターンが基板本体23a上に形成されたフレキシブル基板23と、複数の圧電素子24,…,24と、1対の絶縁性保護フィルム25,25とを備えて構成され、複数の圧電素子24,…,24が装着されたフレキシブル基板23は厚さ方向の両側から挟み込まれるようにして1対の絶縁性保護フィルム25,25により被覆されている。
例えば図3に示すように、略長方形板状の基板本体23aは、長手方向の寸法がフロントバンパフェース11の略車幅方向に沿った適宜の寸法となるように形成され、この基板本体23aの表面上には、短手方向の一方の端部において長手方向に沿って延びる互いに独立した複数の信号配線直線部21b,…,21b,…,21b(k=1,…,n;nは任意の自然数)と、基板本体23aの長手方向に沿った適宜の複数の位置で各信号配線直線部21bの一方の端部に形成された各信号配線接続部21aと、短手方向の他方の端部において長手方向に沿って延びる単一の接地配線直線部22bと、この接地配線直線部22bの長手方向に沿った適宜の複数の位置に形成された複数の接地配線接続部22a,…,22aとが配線パターンとして形成されている。
圧電素子24は、分極処理したフッ化ビニリデン系樹脂等のポリマー圧電体からなる略長方形膜状の圧電フィルム31と、この圧電フィルム31を厚さ方向の両側から挟み込むようにして配置され、圧電フィルム31に生じる電荷を電圧として検出する一対の信号電極32および接地電極33とを備えて構成されている。なお、各電極32,33は、例えば導電性の薄板あるいは金属ペーストや蒸着金属等により形成されている。
この圧電フィルム31には、例えば図4に示すように、厚さ方向に貫通する貫通孔31aが形成され、この貫通孔31aの一方の開口部は信号電極32に臨むように、かつ、他方の開口部は接地電極33と干渉しないように設定されている。そして、信号電極32に接続された信号端子32aが圧電フィルム31の貫通孔31a内に装着され、この信号端子32aの端部が圧電フィルム31の他方の表面上で露出するように設定されている。これにより、圧電フィルム31の他方の表面上には、接地電極33と信号端子32aとが、例えば長手方向に沿って、離間して配置され、圧電素子24がフレキシブル基板23に装着された状態では、信号端子32aが信号配線接続部21aに当接し、接地電極33が接地配線接続部22aに当接するようになっている。
なお、信号端子32aと信号配線接続部21a、および、接地電極33と接地配線接続部22aは、それぞれ導電性の接着剤等により接続固定される。
フレキシブル基板23の端部には、各信号配線直線部21bの他方の端部に接続された各外部信号配線と接地配線直線部22bの端部に接続された外部接地配線とを樹脂によりモールド加工して一体化した外部配線41が形成され、この外部配線41は制御装置42に接続されている。
制御装置42は、各圧電素子24の一対の信号電極32および接地電極33で検出された電圧値に基づき、接触や衝突に係る各種の状態量を検知し、この検知結果、さらには、制御装置42に具備された加速度センサや車両の各種の位置に配置された加速度センサ(例えば、サテライトセンサ)から出力される検出信号に基づき、各種の安全装置、例えばエアバッグを展開させるエアバッグ装置43や、シートベルトを強制的に巻き取るシートベルト巻取装置44や、ボンネットフードを強制的に浮上させるボンネットフード持上装置45の作動を制御する。
上述したように、本実施の形態による車両用衝突センサ10によれば、センサ構造が複雑化することを抑制しつつ、センサの厚さが増大することを防止することができる。
つまり、圧電フィルム31を信号電極32および接地電極33によって厚さ方向の両側から挟み込んで形成した圧電素子24の厚さ寸法が増大することを防止しつつ、圧電フィルム31の他方の表面上に、接地電極33と、信号電極32に接続された信号端子32aとを露出させることにより、圧電フィルム31の信号電極32および接地電極33とフレキシブル基板23上の配線パターンとを単純な構成で容易に接続することができると共に、センサの厚さが増大することを抑制することができる。
しかも、複数の圧電素子24,…,24をフレキシブル基板23上に装着した場合であっても、各圧電素子24とフレキシブル基板23上の配線パターンとの接続構造が複雑化することを防止しつつ、センサの厚さが増大することを防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、車両用衝突センサ10をフロントバンパフェース16の内面上に配置して車両1の前部と物体との接触および衝突を検出するとしたが、これに限定されず、例えばリヤバンパフェースの内面上に配置して車両1の後部と物体との接触および衝突を検出したり、ドア外板の内面上に配置して車両1の側部と物体との接触および衝突を検出してもよい。
なお、上述した実施の形態においては、例えば図5(a)に示すように、フレキシブル基板23の長手方向の一方の端部のみに外部配線41を設けるとしたが、これに限定されず、例えば図5(b)に示すように、フレキシブル基板23の長手方向の一方および他方の両端部に外部配線41L,41Rを設けてもよい。この場合には、基板本体23aの表面上に形成する複数の信号配線直線部21b,…,21b,…,21b(k=1,…,n;nは任意の自然数)を、一方の外部配線41Lに接続される複数の信号配線直線部21bL1,…,21bLmと、他方の外部配線41Rに接続される複数の信号配線直線部21bR1,…,21bRj(m,jは任意の自然数であって、m+j=n)とに配分することができる。そして、例えば図5(a)に示すように、複数の信号配線直線部21b,…,21b,…,21bがフレキシブル基板23の短手方向に沿って順次配列される場合でのフレキシブル基板23の短手方向の寸法Haに比べて、例えば図5(b)に示すように、短手方向に沿って順次配列された一方の信号配線直線部21bL1,…,21bLmと、短手方向に沿って順次配列された他方の信号配線直線部21bR1,…,21bRjとを、互いに短手方向に沿って配列されないようにして独立に配置することで、フレキシブル基板23の短手方向の寸法Hbを、より小さくすることができる。これにより、車両用衝突センサ10の車両搭載性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る車両用衝突センサを搭載した車両の前部を概念的に示す図である。 本発明の実施形態に係る車両用衝突センサを搭載した車両の前部の側断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用衝突センサの要部分解斜視図である。 図3に示す車両用衝突センサの要部断面図である。 図5(a)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル基板での複数の信号配線直線部の配線パターンを示す図であり、図5(b)は、本発明の実施形態の変形例に係るフレキシブル基板での複数の信号配線直線部の配線パターンを示す図である。
符号の説明
10 車両用衝突センサ
23 フレキシブル基板(可撓性基板)
24 圧電素子(検出素子)
25 絶縁性保護フィルム(保護部材)
31 圧電フィルム
31a 貫通孔
32 信号電極(電極対)
32a 信号端子(電極端子)
33 接地電極(電極対)

Claims (1)

  1. 車体に物体が接触または衝突したことを検出する車両用衝突センサであって、
    複数の検出素子と、該複数の検出素子が長手方向に沿って配列された可撓性基板と、該可撓性基板を被覆する保護部材と、前記可撓性基板の長手方向の両端に配置された2つの外部配線とを備え、
    前記検出素子は、圧電フィルムと、該圧電フィルムを厚さ方向の両側から挟み込んで該圧電フィルムから電気信号を出力する信号電極および接地電極からなる電極対とを備え、
    前記電極対の一方の電極に接続された電極端子は前記圧電フィルムを厚さ方向に貫通する貫通孔に装着され、該電極端子の端部は前記電極対の他方の電極が配置された前記圧電フィルムの表面上で前記他方の電極から離間して露出し、
    前記可撓性基板は、前記複数の検出素子の前記接地電極に接続される単一の接地配線と、前記複数の検出素子の前記信号電極毎に接続される複数の信号配線とを備え、
    前記信号配線は、前記可撓性基板の長手方向に沿って延びる信号配線直線部を備え、
    複数の前記信号配線直線部は、一方の前記外部配線に接続されて前記可撓性基板の短手方向に配列される複数の前記信号配線直線部と、他方の前記外部配線に接続されて前記可撓性基板の短手方向に配列される複数の前記信号配線直線部とに、前記可撓性基板の長手方向で互いに独立に、配分されていることを特徴とする車両用衝突センサ。
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