JP2016010269A - 可動磁石形リニア直流モータおよび推力分布の平坦化方法 - Google Patents

可動磁石形リニア直流モータおよび推力分布の平坦化方法 Download PDF

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Toshiki Maruyama
利喜 丸山
智樹 寺島
Tomoki Terashima
智樹 寺島
勉 水野
Tsutomu Mizuno
勉 水野
穎剛 卜
Yinggang Bu
穎剛 卜
井上 要
Kaname Inoue
要 井上
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Abstract

【課題】可動磁石形リニア直流モータにおける推力分布の平坦化を図った可動磁石形リニア直流モータを提供すること。
【解決手段】可動磁石形リニア直流モータ10は、筒状の固定子2と、その中空部を中心軸線1aに沿った方向に往復移動可能に支持された可動子3を有している。固定子2は、筒状のヨーク内周面に沿って巻回した第1コイル5と第2コイル6を備えている。第1、第2コイル5、6の中心軸線1aの方向の両端部のコイル巻線の線密度を、これらの中央部よりも高くしてある。可動子3が大きく変位した場合の推力が増加し、推力分布の平坦化を達成できる。
【選択図】図8

Description

本発明は可動磁石形リニア直流モータに関し、特に、その推力特性の改善技術に関する。
OA機器などの情報機器に使用されているラインプリンタやイメージスキャナの駆動部にはリニア直流モータ(以下、「LDM」と呼ぶ場合もある。)が多用されている。情報機器の応答性の向上のために、LDMの推力特性、特に推力分布の平坦化が要求されている。
特許文献1には、推力変動を抑制可能な可動磁石形リニア直流モータが提案されている。ここに開示の可動磁石形リニア直流モータでは、可動子の移動範囲に亘って配置される巻線を、可動子の移動方向において2つ、あるいは3つの巻線から構成し、これらの巻線における可動子の移動方向の長さを相互に同一長さとなるようにしている。
特開平11−69754号公報
ここで、可動磁石形リニア直流モータにおいては、可動子が移動範囲内の中立位置(変位が零の位置)にある場合に比べて、移動範囲の両端位置(変位が最大の位置)にある場合の推力が低下することがある。可動磁石形リニア直流モータをサーボ制御する場合等においては、可動子の位置に応じて推力が変動すると、可動子の移動(変位)の応答性能が異なってしまう。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、可動磁石形リニア直流モータにおける推力変動の抑制、特に、可動子移動範囲の中立位置と両端位置との間において生じる推力変動を抑制できるようにした可動磁石形リニア直流モータを提供することにある。また、可動磁石形リニア直流モータの推力分布の平坦化方法を提案することにある。
本発明の可動磁石形リニア直流モータは、筒状の固定子、および、固定子の中空部内を当該固定子の中心軸線に沿った方向に往復移動可能に支持された可動子を有している。固定子は、筒状のヨーク、中心軸線の方向の一方の側においてヨークの内周面に沿って巻回した第1コイル、および、中心軸線の方向の他方の側において内周面に沿って巻回した第2コイルを備えている。可動子は、第1コイルに対峙する第1永久磁石と、前記第2コイルに対峙する第2永久磁石を備えている。第1、第2コイルのそれぞれは、中心軸線の方向の中央部分のコイル巻線の線密度に比べて、中心軸線の方向の両端部分のコイル巻線の線密度が高いことを特徴としている。
第1、第2コイルのコイル巻線の線密度を、可動子の移動方向(変位方向)において同一とした場合には、可動子がその移動範囲の両端側に位置する場合(中立位置から大きく変位した場合)に、可動子に作用する推力が、移動範囲の中央に位置する場合に比べて低下する。本発明では、第1、第2コイルの両端部のコイル巻線の線密度を高くすることにより、可動子がその移動範囲の両端に位置する場合に、当該可動子に作用する推力を増加
させることができる。これにより、推力分布の平坦化を達成できる。
ここで、第1コイルを、中心軸線の方向において等分した第1分割コイルおよび第2分割コイルから構成することができる。同様に、第2コイルを、中心軸線の方向において等分した第3分割コイルおよび第4分割コイルから構成することができる。
この場合には、第1、第2分割コイルのそれぞれは、相互に隣り合っているコイル端部のコイル巻線の線密度に比べて、反対側のコイル端部のコイル巻線の線密度を高くすればよい。同様に、第3、第4分割コイルのそれぞれも、相互に隣り合っているコイル端部のコイル巻線の線密度に比べて、反対側のコイル端部のコイル巻線の線密度を高くすればよい。
また、この場合には、第1、第2分割コイルの間、および、第3、第4分割コイルの間に、それぞれ、中心軸線の方向に一定のギャップを設けておくことが望ましい。分割コイル間に一定のギャップを設けることで、可動子がその移動範囲の中立位置にある場合の推力を減少させることができる。これにより、可動子の移動範囲の全体に亘って推力分布の平坦化を実現できる。
次に、本発明は、上記構成の第1〜第4分割コイルを備えた可動磁石形リニア直流モータの推力分布の平坦化方法であって、
第1、第2分割コイルの間、および第3、第4分割コイルの間のギャップを調整し、
第1、第2分割コイルのそれぞれにおいて、相互に隣り合っているコイル端部のコイル巻線の線密度に対する反対側のコイル端部のコイル巻線の線密度の増加割合を調整し、
第3、第4分割コイルのそれぞれにおいて、相互に隣り合っているコイル端部のコイル巻線の線密度に対する反対側のコイル端部のコイル巻線の線密度の増加割合を調整して、
可動子の各移動位置における推力分布の変動率を所定範囲内に抑制することを特徴としている。
(a)、(b)、(c)および(d)は、本発明の前提となる可動磁石形リニア直流モータの構成を示す概略斜視図、A−A´線概略断面図、B−B´線概略断面図および概略正面図である。 図1の可動磁石形リニア直流モータのブロック線図である。 図1の可動磁石形リニア直流モータの指令と応答の関係を示すグラフである。 永久磁石の長さに対する静推力および加速度の変化を示すグラフである。 永久磁石の厚さに対する静推力および加速度の変化を示すグラフである。 永久磁石の厚さに対する加速度の応答時間の変化を示すグラフである。 可動子の変位に対する静推力の変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る可動磁石形リニア直流モータの概略断面図である。 コイル巻線長さを変えた場合における可動子の変位に対する静推力の変化を示すグラフである。 コイル巻線長さに対する推力の減少率の変化を示すグラフである。 コイル巻線長さに対する加速度および加速度の応答時間の変化を示すグラフである。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した可動磁石形リニア直流モータ(以下、「可動磁石形LDM」と呼ぶ場合もある。)の実施の形態を説明する。
[可動磁石形LDMの基本構造と目標仕様]
(可動磁石形LDMの基本構造)
図1(a)、(b)、(c)および(d)は、本発明の前提となる箱型形状の可動磁石形LDMの構成を示す概略斜視図、A−A´線概略断面図、B−B´線概略断面図および概略正面図である。以下の説明においては、これらの図に示すように、可動磁石形LDM1の前後方向をx、幅方向をy、高さ方向をzとする。
可動磁石形LDM1は、前後方向xに開口する矩形筒状の固定子2と、固定子2の矩形断面の中空部内を当該固定子2の中心軸線1a(前後方向x)に沿った方向に往復移動可能に支持された箱型形状の可動子3を有している。固定子2は矩形筒状のヨーク4を備えている。ヨーク4の内周面には、中心軸線1aの方向の一方の側である前側部分に、当該内周面に沿って矩形筒状の第1コイル5が配置されている。ヨーク4の内周面における中心軸線1aの方向の他方の側である後側部分には、当該内周面に沿って矩形筒状の第2コイル6が配置されている。
可動子3は、箱型形状のアルミニウム製の本体部7を備えている。本体部7に移動対象の負荷(図示せず)が搭載される。本体部7には、左右対称な状態で、前後方向xに貫通する2本の貫通穴が形成されている。各貫通穴には、リニアブッシュ8が装着されている。各リニアブッシュ8には、固定子2の側に取り付けた不図示のガイド軸が通される。可動子3はガイド軸に沿って、中心軸線1aに沿った方向である前後方向xに往復移動可能である。本体部7には、当該本体部7の前端部分、後端部分、および、これらの間の部分をそれぞれ取り囲む状態に、矩形筒状の永久磁石9A、9Bおよび9Cが取り付けられている。永久磁石9A、9Bは相互に逆極性となる状態に分極着磁されている。永久磁石9Cは、永久磁石9A、9Bの着磁方向に対して直交する方向に着磁され、ギャップの磁束密度を増加するように配置されている。
図1(b)から分かるように、第1、第2コイル5、6は同一寸法、同一形状のコイルであり、中心軸線1aの方向において対称な位置関係にある。本体部7の前端部分および後端部分に位置する永久磁石9A、9Bも同一寸法、同一形状の磁石であり、中心軸線1aの方向において対称な位置関係にある。可動子3が図1(b)に示す変位が零の位置(中立位置)にある場合には、各永久磁石9A、9Bは、第1、第2コイル5、6における中心軸線1aの方向の中央に位置する。また、永久磁石9A、9Bの間に位置する永久磁石9Cの厚さは、永久磁石9A、9Bの厚さtmと同一である。
図示の可動磁石形LDM1では、可動子3の磁気回路を永久磁石のみで構成している。このため、第1、第2コイル5、6から発生する磁束が磁性体を通らないので、インダクタンスが低減される。また、固定子2および可動子3は左右および上下に対称な構造であり、可動子3に作用する推力中心点が、可動子3の質量重心点に一致している。これにより、可動子3をガイドする軸受部分の負荷が低減される。
(可動磁石形LDMの目標仕様)
表1には可動磁石形LDM1の目標仕様を示してある。可動磁石形LDM1の目標は、最大加速度をaとすると、a=490m/s(50G)以上であり、推力の減少率をεとすると、εが5%以下である。可動子3が移動(変位)したときの推力の最小値をFmin、推力の最大値をFmaxとすると、推力の減少率εは、次の式(1)で表される。
Figure 2016010269
Figure 2016010269
可動磁石形LDM1をサーボ制御する場合には、推力分布が平坦な方が望ましい。そこで、上記のように、推力の減少率の目標を5%以下とした。外形寸法が100×100×100mm以下となるように、可動磁石形LDM1の設計を行った。
図2は可動磁石形LDM1のブロック線図である。可動磁石形LDM1の駆動周波数は20Hzと低周波であるので、逆起電力定数Kと推力定数Kは同値とする。電気的時定数T、機械的時定数T、モータ定数K、パワーレートQは、それぞれ次の式(2)、(3)、(4)、(5)で与えられる。
Figure 2016010269
Figure 2016010269
Figure 2016010269
Figure 2016010269
ここで、Lはインダクタンス(H)、Rdcは直流抵抗(Ω)、mは可動子3の質量、Kは推力定数(N/A)、Fは静推力(N)である。
図3は、可動磁石形LDM1の指令信号と応答の関係を示すグラフである。可動子3の変位をXcとすると、50ms内でXc=2mmを移動させる指令信号において、実変位との差を0.15ms以内にすることを目標とする。この変位を満たすためには、速度vは0.15ms以内に定常速度0.04m/sに立ち上がらなければならない。速度の目標を達成するためには加速度265m/sが必要である。しかし実際は電流の立ち上がりに時間がかかるので、そのほぼ倍である490m/s2を加速度の目標とした。
加速度aと電流の関係は次の式(6)で表わされる。
Figure 2016010269
ここに、μ:摩擦係数(=0.002)、g:重力加速度(=9.8m/s
m=50gとしたとき、μmg=0.98mNと非常に小さいので、摩擦力を無視すると次の式(7)が成立する。
Figure 2016010269
加速度は電流に比例しており、加速度の立ち上がりを速くするためには電流の立ち上がりを速くする必要がある。定常状態での電流をI、電流をI、加速度490m/sを達成するのに必要な電流をI、電流がIまで立ち上がるまでの時聞を加速度の応答時間Tと定義すると、これらは、それぞれ下式(8)、(9)、(10)、(11)となる。これらの式において、Vは駆動電圧(V)、aは最大加速度(m/s)であり、コイルのインダクタンスLを低減することで加速度の応答時間Tを低減できる。
Figure 2016010269
Figure 2016010269
Figure 2016010269
Figure 2016010269
(永久磁石の寸法に依存する諸特性)
本発明者等は、有限要素法(FEM)を用いて、電流が10A以下で、加速度が490m/s以上となり、加速度の立ち上がりが最も早くなるような永久磁石9A、9Bの長さlmと厚さtmを決定した。
図4は、可動子3の変位xが0mm、駆動電流Iが10A、永久磁石9A、9Bの厚さtmが3mmの場合において、永久磁石9A、9Bの長さlmに対する静推力Fの変化特性、および、永久磁石9A、9Bの長さlmに対する加速度aの変化特性を示すグラフである。静推力Fは、永久磁石9A、9Bの長さlmが増加するにつれて大きくなった。これは永久磁石9A、9Bの体積が増えることで磁気エネルギーが大きくなるためである。しかし、可動子3の質量も同時に増加することで加速度は減少した。さらに、第1、第2コイル5、6の巻数も増えることでインダクタンスが増加して、応答性の悪化も考えられる。lm=1mmにおいて加速度は最大となり、第1、第2コイル5、6の巻数も最小であるので、永久磁石9A、9Bの長さlmは1mmが最適であるとした。
図5は、変位xが0mm、駆動電流Iが10A、長さlmが1mmの場合において、永久磁石9A、9Bの厚さtmに対する静推力Fの変化特性、および、永久磁石9A、9Bの厚さtmに対する加速度aの変化特性を示すグラフである。静推力Fは、永久磁石9A、9Bの厚さtmが増加するにつれて大きくなった。これは永久磁石9A、9Bの体積が増えることで磁気エネルギーが大きくなったためである。加速度aは山なりの特性が見られ、厚さtmが1mm以外で490m/s以上に達し、厚さtmが4mmの点で最も大きくなった。そこで、加速度aの応答待問を算出することで永久磁石9A、9Bの厚さtmの最適な寸法を決めた。
図6は、変位xが0mm、永久磁石9A、9Bの長さlmがlmmの場合において、永久磁石9A、9Bの厚さtmに対する加速度の応答時間Taの変化特性を示すグラフである。応答時間Taは永久磁石9A、9Bの厚さtmが2mmにおいて0.096msとなり最小であった。また、目標である0.15ms以下となった。
図7は、駆動電流Iが10A、永久磁石9A、9Bの長さlmが1mm、その厚さtmが2mmの場合において、可動子3の変位に対する静推力特性を示すグラフである。推力の減少率は13.2%であり、目標である5%以下を達成しなかった。これは目標の2.6倍の値であり、制御するにあたり問題が発生することが考えられる。そこで、上記構成の可動磁石形LDM1を以下で述べるように改良して推力分布を改善した。
[本実施の形態に係る可動磁石形LDMの構成]
図8は、推力分布改善構造を備えた本発明の実施の形態に係る可動磁石形LDMを示す概略断面図であり、図1(b)に示すA−A´断面に対応する。本構造の可動磁石形LDM10の基本構成は図1に示す可動磁石形LDM1と同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
可動磁石形LDM10では、第1、第2コイル5、6のそれぞれを2つに等分して4つの分割コイル11、12、13、14とし、かつ、分割コイル11、12の間、および分割コイル13、14の間に、それぞれ、一定のギャップδlcを設けている。これにより、可動子3が移動範囲の中立位置である変位0mmの位置にある場合の推力を減少させている。これに加えて、可動磁石形LDM10において、第1、第2コイル5、6の両端部の巻線の線密度(巻数)を増やすことで、可動子3の変位が大きいとき(可動子3が移動範囲の両端側に移動したとき)の推力の増加を図っている。このように、分割コイル11、12間および13、14間のギャップδlcと、第1、第2コイル5、6の両端部の巻線の線密度を調整することで、推力分布の平坦化を図っている。
具体的に説明すると、可動磁石形LDM10では、第1コイル5を、中心軸線1aの方向(前後方向x)において等分した第1分割コイル11および第2分割コイル12から構成している。同様に、第2コイル6を、中心軸線1aの方向において等分した第3分割コイル13および第4分割コイル14から構成している。第1、第2分割コイル11、12の間、および、第3、第4分割コイル13、14は、それぞれ、中心軸線1aの方向に沿って、一定のギャップδlcを開けて、この順序で配列されている。
また、第1、第2コイル5、6は、中心軸線1aの方向の中央部のコイル巻線の線密度に比べて、中心軸線1aの方向の両端部のコイル巻線の線密度を高くしてある。本例では、第1、第2コイル5、6がそれぞれ二分割されており、中心軸線1aの方向に沿って第1〜第4分割コイル11〜14が、この順序で配列されている。したがって、第1、第2分割コイル11、12のそれぞれは、相互に隣り合っているコイル端部11b、12aのコイル巻線の線密度に比べて、反対側のコイル端部11a、12bのコイル巻線の線密度を高くしてある。同様に、第3、第4分割コイル13、14のそれぞれも、相互に隣り合っているコイル端部13b、14aのコイル巻線の線密度に比べて、反対側のコイル端部13a、14bのコイル巻線の線密度を高くしてある。
図8を参照して、一方の第1コイル5の第1、第2分割コイル11、12について説明する。第1、第2分割コイル11、12における第1、第2、第3、第4層目の巻数をそれぞれN、N、N、Nとする。第4層目の巻数Nを変化させることで、コイル端部11a、12bのコイル巻線の長さlc´を変化させた。
ここで、図5に示したように、永久磁石9A、9Bの厚さtmを2mm以上にすることで、目標である加速度が達成される。しかし、分割コイル11〜14の間にギャップδlcを持たせることで推力が減少する。そこで、目標である加速度に対して余裕を持たせるために、永久磁石9A、9Bの厚さtmを3mmに設定して検討を行った。このときの可動子3質量は50.4gであった。
図9は、ギャップδlcが0.752mm、駆動電流Iが10A、永久磁石9A、9Bの厚さtmが3mmの場合において、コイル巻線の長さlc´をパラメータとしたときの可動子3の変位xに対する推力特性を示すグラフである。この推力特性から分かるように、コイル間にギャップδlcを設けることで、変位0mmにおける推力が減少していることが分かる。また、第1、第2分割コイル11、12のコイル端部11a、12bに、コイル巻線の第4層目を設けることで、変位±2、3mmにおける推力が増加していることが分かる。これにより、推力特性はM字を描くような特性になり、推力分布の平坦化を達成できたことが確認された。
図10は、ギャップδlcが0.752mm、駆動電流Iが10A、永久磁石9A、9Bの厚さtmが3mmにおいての第4層目のコイル巻線の長さlc´に対する推力の減少率εの変化特性を示すグラフである。推力の減少率εは、第4層目のコイル巻線の長さlc´が1.92mmから4.11mmまでは減少していき、4.11mmから5.75mmまでは増加していく、凹形のような特性になった。
第4層目のコイル巻線の長さlc´が十分に長くないときには、可動子3の変位が大きいときの推力が減少することで推力の減少率が大きくなっている。コイル巻線長さlc´が長すぎると、原点(中立点)付近での推力が大きくなりすぎてしまい、やはり推力の減少率が大きくなっている。
推力の減少率εは、第4層目の巻線長さlc´が4.11mm(巻数N=7)において最も小さくて4.64%であり、目標である5%以下となった。また、推力の減少率εFは第4層目の巻線長さlc´が3.56mm(巻数N=6)および4.66mm(巻数N=8)の点において、それぞれ、4.76%および4.86%となり、同様に目標である5%以下となった。
図11は、キャップδlcが0.752mm、駆動電流Iが10A、永久磁石9A、9Bの厚さtmが3mmにおいての4層目のコイル巻線の長さlc´に対する加速度aの特性および加速度の応答時間Taの特性を示すグラフである。加速度aは、コイル巻線長さlc´が大きくなるほど大きくなった。これは、永久磁石から発生した磁束が作用する巻数が増えるためである。加速度aは、コイル巻線長さlc´によらず推力の最大値Fmaxと推力の最小値Fminの両方を用いた場合において、目標である490m/s以上となった。
加速度の応答時間Taは、コイル巻線長さlc´が大きくなるほど増加した。これは、コイル巻線長さlc´が増加してコイルの巻数が増えることでインダクタンスが増加したことによるものである。加速度の応答時間Taは、コイル巻線長さlc´によらず推力の最大値Fmaxと推力の最小値Fminの両方を用いた場合において、目標である0.15ms以下となった。加速度の応答時間Taが最も小さくなり、推力の減少率の目標を達成したコイル巻線長さlc´が3.56mm(N=6)を最適構造であるとした。
表2に、本例の可動磁石形LDM10の諸特性を示す。可動磁石形LDM10について、先に掲載した式(2)から式(5)を用いて電気的時定数Te、機械的時定数Tm、モータ定数Km、パワーレートφQrを算出したところ、それぞれ0.289ms、12.0ms、2.05N/√W、407kW/sとなった。
Figure 2016010269
[可動磁石形LDM10の作用効果]
以上説明したように、本発明者等は、電源容量を電圧48V、電流10A以下、かつ外形寸法を100×100×100mm以下という条件下で、加速度490m/s以上を達成可能な可動磁石形LDM10について検討した。
(永久磁石の寸法に依存する諸特性)
有限要素法を用いて永久磁石9A、9Bの寸法を変化させることで加速度および加速度の応答時間について検討を行った。lm=1mm、tm=2mmにおいて、加速度と加速度の応答時間はそれぞれ527m/s、0.096msとなりそれぞれの目標である490m/s以上、0.15ms以下を達成できることが確認された。
(推力分布の改善)
可動磁石形LDM10では、コイルにギャップを設けることで変位0mmでの推力を減少させて、コイルの両端の巻数を増やすことで変位が大きいときの推力を増加させている。コイル間のギャップδc1´を0.752mm、4層目のコイルの長さlc´を3.56msとすることで、推力の減少率は4.76%となり目標である5%以下を達成できることが確認された。このとき、各変位における推力の最大値Fmaxと推力の最小値Fminを用いて、電流10Aにおいての加速度と電気的応答時間を算出したところ、それぞれ542m/s、516m/s、0.118ms、0.125msとなり、目標であ
る490m/s以上と0.15ms以下を達成できることが確認された。
1、10 可動磁石形LDM、1a 中心軸線、2 固定子、3 可動子、
4 ヨーク、5 第1コイル、6 第2コイル、7 可動子の本体部、
8 リニアブッシュ、9A,9B,9C 永久磁石、
11 第1分割コイル、11a,11b コイル端部、
12 第2分割コイル、12a,12b コイル端部、
13 第3分割コイル、13a,13b コイル端部、
14 第4分割コイル、14a,14b コイル端部、
δlc ギャップ、N〜N コイル巻数、lc´ 第4層目のコイル巻線長さ

Claims (4)

  1. 筒状の固定子、および、前記固定子の中空部内を当該固定子の中心軸線に沿った方向に往復移動可能に支持された可動子を有しており、
    前記固定子は、筒状のヨーク、前記中心軸線の方向の一方の側において前記ヨークの内周面に沿って巻回した第1コイル、および、前記中心軸線の方向の他方の側において前記内周面に沿って巻回した第2コイルを備えており、
    前記可動子は、前記第1コイルに対峙する第1永久磁石および前記第2コイルに対峙する第2永久磁石を備えており、
    前記第1、第2コイルのそれぞれは、前記中心軸線の方向の中央部のコイル巻線の線密度に比べて、前記中心軸線の方向の両端部のコイル巻線の線密度が高いことを特徴とする可動磁石形リニア直流モータ。
  2. 前記第1コイルは、前記中心軸線の方向に等分割された第1分割コイルおよび第2分割コイルであり、
    前記第2コイルは、前記中心軸線の方向に等分割された第3分割コイルおよび第4分割コイルであり、
    前記第1、第2分割コイルのそれぞれは、相互に隣り合っているコイル端部のコイル巻線の線密度に比べて、反対側のコイル端部のコイル巻線の線密度が高く、
    前記第3、第4分割コイルのそれぞれは、相互に隣り合っているコイル端部のコイル巻線の線密度に比べて、反対側のコイル端部のコイル巻線の線密度が高い、
    請求項1に記載の可動磁石形リニア直流モータ。
  3. 前記第1、第2分割コイルの間には、前記中心軸線の方向に一定のギャップが設けられており、
    前記第3、第4分割コイルの間には、前記中心軸線の方向に一定のギャップが設けられている請求項2に記載の可動磁石形リニア直流モータ。
  4. 請求項3に記載の可動磁石形リニア直流モータの推力分布の平坦化方法であって、
    前記第1、第2分割コイルの間、および前記第3、第4分割コイルの間の前記ギャップを調整し、
    前記第1、第2分割コイルのそれぞれにおいて、相互に隣り合っているコイル端部のコイル巻線の線密度に対する反対側のコイル端部のコイル巻線の線密度の増加割合を調整し、
    前記第3、第4分割コイルのそれぞれにおいて、相互に隣り合っているコイル端部のコイル巻線の線密度に対する反対側のコイル端部のコイル巻線の線密度の増加割合を調整して、
    前記可動子の各移動位置における推力分布の変動率を所定範囲内に抑制することを特徴とする可動磁石形リニア直流モータの推力分布の平坦化方法。
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