JP2011188546A - ボイスコイルモータ - Google Patents

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JP2011188546A JP2010047933A JP2010047933A JP2011188546A JP 2011188546 A JP2011188546 A JP 2011188546A JP 2010047933 A JP2010047933 A JP 2010047933A JP 2010047933 A JP2010047933 A JP 2010047933A JP 2011188546 A JP2011188546 A JP 2011188546A
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Shogo Makino
省吾 牧野
Toru Shikayama
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Abstract

【課題】大型化を招くことなく磁束密度を均一化し、推力変動を抑制する。
【解決手段】一対のヨーク対向部2a,2b、及び、それら一対のヨーク対向部2a,2bの対向する面それぞれに設けられた永久磁石3〜6、を備えるとともに、隣接又は対向する2つの永久磁石の極性どうしが互いに異なるように配置された界磁部11と、一対のヨーク対向部2a,2bの内側に形成した磁気的空隙8に配置されたコイル7を備えた電機子部12とを有し、コイル7への通電による磁力により発生させた推力により、界磁部11と電機子部12とをストローク方向に相対変位させるボイスコイルモータ1であって、永久磁石3〜6のコイル両端部7a,7bに対向する面のストローク方向に沿った中心位置近傍の位置に、所定深さの凹み部21を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、2列に配置した永久磁石を界磁部とし、それら2列の永久磁石の対向する空隙に配置した偏平なコイルを電機子部とした、ボイスコイルモータに関する。
ボイスコイルモータの主な作動原理の一つとして、磁束と直交する方向で電流を流した導体に推力が発生する電磁相互作用の利用がある。しかし、ボイスコイルモータに組み込む永久磁石は有限長であるため、通常の場合にはその端部と中央部分との間で磁束密度に差が生じてしまう。磁束密度の分布が不均一となると、電流が流れるコイルの移動にともなって電機子部に発生する推力に変動が生じ、コイルの駆動精度を低下させる原因となる。
そこで、従来、コイルのストローク範囲に、磁束を発生させる主極マグネットに加えて捕極マグネットを設け、磁束密度の分布を均一化させる構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図8に示すように、この従来技術のボイスコイルモータ101は、両側で磁気的に閉じた外ヨーク102と、中央で長手方向に分割された中ヨーク103とを有する、二磁路型のボイスコイルモータである。そして、外ヨーク102の内側に配置されている主極マグネット104の両端と、中ヨーク103の分割した両方の先端部分に、それぞれ当該主極マグネット104と磁束発生方向が直交する捕極マグネット105,106を設けている。これにより、各捕極マグネット105,106が主極マグネット104の両端部分及び中央部分での磁束密度の低下を補い、コイル107の推力変動を抑制することができる。
特開2001−281726号公報(第3頁、図1)
しかしながら、上記従来技術においては、推力変動を抑制できるものの、主極マグネット104の両端の捕極マグネット105や中央部の捕極マグネット106を設ける必要があるため、その分の大型化は避けられなかった。
本発明の目的は、大型化を招くことなく磁束密度を均一化し、推力変動を抑制できるボイスコイルモータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、互いに対向配置された一対のヨークと、前記ヨークの互いに対向する面にそれぞれ極性が互いに異なるように複数個、隣接して設けられた永久磁石と、を有する界磁部と、前記ヨークの内側に磁気的空隙を介して配置されたコイルを備えた電機子部と、を備え、前記コイルへの通電による磁力により発生させた推力により、前記界磁部と前記電機子部とを所定の移動方向に相対変位させるボイスコイルモータにおいて、前記永久磁石は、前記コイルの巻線部に対向する面または前記ヨークに対向する面に切り欠き(凹み、△溝、分割用深溝)を設ける。
本願発明においては、界磁部の1対のヨークにそれぞれ設けられた永久磁石によりヨーク間に磁力が発生している状態で、電機子部のコイルに通電されることによって推力が発生し、界磁部と電機子部とを相対変位させる。このとき発生する推力は、永久磁石により生じている磁束密度によって変化する。一般には、永久磁石の中心付近の磁束密度に比べ永久磁石の端部付近の磁束密度が小さくなる。このため、そのままでは、永久磁石の中心付近にコイルの巻線部が正対したときに生じる推力よりも、永久磁石の端部付近にコイルの巻線部が正対したときに生じる推力のほうが小さくなる、という推力変動が生じる。
そこで本願発明においては、永久磁石のうち、コイルの巻線部に対向する面か、若しくは、ヨークに対向する面に、切り欠きを設ける。これにより、永久磁石のうち当該切り欠き近傍の磁束密度を低下させることができるので、他の部分とのバランスにより、永久磁石全体にわたって磁束密度を略一定として均一化することが可能となる。したがって、上記の推力変動を抑制し、界磁部及び電機子の均一な相対変位挙動を得ることができる。このとき、別の磁石を設けたり永久磁石を延長する必要がないため、大型化を招くことがない。
好ましくは、前記切り欠きは、前記コイルの巻線部に対向する面の移動方向に沿った前記永久磁石の中心位置近傍とする第1部位に設ける。
これにより、永久磁石の移動方向中心位置近傍の磁束密度を低下させ、永久磁石の端部付近の磁束密度と同等とすることができる。この結果、永久磁石の端部付近と移動方向中心位置近傍との磁束密度の不均衡を是正し、永久磁石全体にわたって確実に磁束密度を略一定とし、均一化することができる。
また好ましくは、前記切り欠きは、前記ヨークに対向する面の移動方向に沿った前記永久磁石の中心位置近傍とする第2部位に設ける。
これにより、永久磁石の移動方向中心位置近傍の磁束密度を低下させ、永久磁石の端部付近の磁束密度と同等とすることができる。この結果、永久磁石の端部付近と移動方向中心位置近傍との磁束密度の不均衡を是正し、永久磁石全体にわたって確実に磁束密度を略一定とし、均一化することができる。
また好ましくは、前記永久磁石の前記第1部位に、前記移動方向に沿った前記中心位置を挟むように、2つの凹み部を設ける。
これにより、永久磁石の移動方向中心位置を挟んで一方側と他方側とを含む、当該中心近傍の所定領域の磁束密度を確実に低下させ、永久磁石全体にわたって磁束密度を確実に均一化することができる。
また好ましくは、前記凹み部は、略円弧状の横断面形状を備えている。
凹み部を単純な形状とすることで、永久磁石の製作性を向上することができる。
また好ましくは、前記永久磁石の厚さ方向寸法をHm、前記凹み部の深さ方向寸法をDmとしたとき、Dm/Hm < 0.1となるように構成する。
凹み部の深さ方向寸法を永久磁石の厚さ方向寸法の1/10未満に抑えることで、永久磁石の移動方向中心位置近傍の磁束密度を低下させすぎて、永久磁石の端部付近よりも小さくなるのを防止することができる。
また好ましくは、前記永久磁石の前記第2部位に、溝部を設ける。
これにより、永久磁石の移動方向中心位置近傍の磁束密度を効果的に低下させ、永久磁石全体にわたって磁束密度を確実に均一化することができる。
また好ましくは、前記溝部は、略三角形又は略四角形の横断面形状を備えている。
溝部を単純な形状とすることで、永久磁石の製作性を向上することができる。
また好ましくは、前記永久磁石の厚さ方向寸法をHm、前記溝部の深さ方向寸法をDmとしたとき、Dm/Hm < 0.1となるように構成する。
溝部の深さ方向寸法を永久磁石の厚さ方向寸法の1/10未満に抑えることで、永久磁石の移動方向中心位置近傍の磁束密度を低下させすぎて、永久磁石の端部付近よりも小さくなるのを防止することができる。
また好ましくは、前記永久磁石を、前記コイルの巻線部に対向する面の移動方向に沿った前記永久磁石の中心位置近傍とする第1部位から、前記ヨークに対向する面の移動方向に沿った前記永久磁石の中心位置近傍とする第2部位に至る、分割溝により2つに分割して配置する。
これにより、永久磁石の移動方向中心位置近傍の磁束密度を確実かつ効果的に低下させ、永久磁石全体にわたって磁束密度を確実に均一化することができる。
また好ましくは、前記永久磁石の厚さ方向寸法をHm、前記分割溝により生じた隙間方向寸法をTmとしたとき、Tm/Hm < 0.1となるように構成する。
2つに分割された永久磁石の隙間方向寸法を永久磁石の厚さ方向寸法の1/10未満に抑えることで、永久磁石の移動方向中心位置近傍の磁束密度を低下させすぎて、永久磁石の端部付近よりも小さくなるのを防止することができる。
本発明によれば、大型化を招くことなく磁束密度を均一化し、推力変動を抑制することができる。
本発明の一実施形態によるボイスコイルモータの縦断面図である。 図1中のA部の拡大図である。 界磁部が発生する磁束の配置を示した図である。 図3中のB部の拡大図である。 コイル両端部のストローク範囲に対応する磁束密度の分布を表す図である。 永久磁石のヨーク対向部側の表面にくさび溝を一つ形成する変形例を示す図である。 永久磁石をストローク方向に2分割する分割溝を形成する変形例を示す図である。 従来技術によるボイスコイルモータの縦断面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態におけるボイスコイルモータのストローク方向の縦断面図である。図1において、ボイスコイルモータ1は、全体が略「コ」の字型に形成されたヨーク連結体2と、このヨーク連結体2の内側に固定的に設置された4つの永久磁石3,4,5,6と、同じくヨーク連結体2の内側に移動自在に配置されたコイル7とを有している。
ヨーク連結体2は適宜の磁性体材料からなり、互いに所定の距離で離間して平行に対向するよう配置された2つのヨーク対向部2a,2bと、これら2つのヨーク対向部2a,2bの同じ側(図中の右側)の端部を連結するヨーク連結部2cとが一体に形成されている。なお、ヨーク対向部2a,2bが各請求項記載の一対のヨークを構成している。
4つの永久磁石3〜6はいずれも同じ大きさの同じ略平板形状に形成されており、いずれも同じ磁性強度で厚さ方向(図中の上下方向)に磁極方向を備えている。一方のヨーク対向部2aの図示下面には、N極側表面をヨーク対向部2bに対向させた永久磁石3と、S極側表面をヨーク対向部2bに対向させた永久磁石4とが設置されている。他方のヨーク対向部2bの図示上面には、S極側表面をヨーク対向部2aに対向させた永久磁石5と、N極側表面をヨーク対向部2aに対向させた永久磁石6とが設置されている。
すなわち、各ヨーク対向部2a,2bにおいて、隣接する2つの永久磁石3,4、永久磁石5,6の極性どうしが互いに異なっている。また、ヨーク対向部2a,2bに互いに対向するように配置された永久磁石3,5、永久磁石4,6の極性どうしも、互いに異なるように配置されている。これにより、ヨーク対向部2a,2b間に2列に配置された永久磁石3〜6の間の磁気的空隙8において、開放側と連結側とで互いに逆方向に磁束が発生する磁束回路が形成される。ヨーク連結体2と4つの永久磁石3〜6とは一体となって界磁部11を構成し、この界磁部11が固定子を構成している。
コイル7は、全体が扁平な略矩形状で、集中巻きにより形成されている。このコイル7が、特に図示しない固定部に固定されて電機子部12を構成し、当該電機子部12が上記界磁部11における永久磁石3〜6の間の磁気的空隙8に配置されている。なお、電機子部12は特に図示しない軸受部により磁気的空隙8の長手方向(後述する推力の発生方向)に移動自在に支持され、可動子を構成している。
また、コイル7は図中の磁束通過方向から見て上述の略矩形状に形成されている。また、コイル7の巻線部である両端部7a,7bでの巻線方向(図1中、紙面に向かって垂直方向)は、磁気的空隙8の長手方向(図1中左右方向)及び磁束方向(図1中上下方向)のいずれにも直交している。そして、それらコイル両端部7a,7bどうしの中心間距離L1は、磁気的空隙8の長手方向で隣接する2つの永久磁石3,4どうし、永久磁石5,6どうしの中心間距離L2と一致している。
上記構成において、上記コイル両端部7a,7bのそれぞれの中心位置は、磁気的空隙8の長手方向に隣接する2つの永久磁石3,4、永久磁石5,6のそれぞれの中央位置に一致し、これによってニュートラルな配置状態が実現されている。このニュートラルに近い状態でコイル7に電流を流すことで、上記コイル両端部7a,7bのそれぞれにいわゆるフレミングの左手の法則に従った電磁相互作用により、磁気的空隙8の長手方向に沿った推力が発生する。このとき、同一のコイル7を構成する上記コイル両端部7a,7bには互いに逆方向に電流が流れるが、それぞれに通過する磁束の方向も逆であるため、コイル両端部7a,7bにはそれぞれ同じ方向に推力が発生する。これら推力の合力が、電機子部12と界磁部11とを、磁気的空隙8の長手方向すなわちストローク方向に沿って相対変位させる。なお、上記ストローク方向が、各請求項記載の移動方向に相当している。
そして、本実施形態は、その最大の特徴として、図1中のA部の拡大図である図2に示すように、各永久磁石3〜6の磁気的空隙8側の表面、すなわちコイル両端部7a,7bに対向する面でストローク方向中央位置近傍の対称となる、2箇所の位置(各請求項記載の第1部位に相当)に、それぞれ同じ形状の凹み部21が形成されている。なおこの凹み部21が、各請求項記載の切り欠きを構成している。この凹み部21は横断面形状が略円弧状となっており、その曲率半径は十分に大きく、そして溝の深さ方向寸法Dmは、永久磁石3〜6の厚さ方向寸法Hmに対してDm/Hm<0.1となるよう設定されている。
以上のように構成した本実施形態のボイスコイルモータ1においては、前述したように、永久磁石3〜6のうち、コイル両端部7a,7bに対向する面におけるストローク方向中心位置近傍の部位に、所定深さの凹み部21を設ける。これにより、当該部位の近傍、すなわち永久磁石3〜6のストローク方向中心位置近傍の磁束密度を低下させ、永久磁石3〜6の端部付近の磁束密度と同等とすることができる。このことを、図3〜図5を用いて、以下に説明する。
図3は、各永久磁石3〜6にそれぞれ2つの凹み部21を形成した本実施形態の界磁部11が発生する磁束線の配置を示す図であり、図4は図3中のB部の拡大図である。なお、図3、図4において、各磁束線Mの一本分が表現する磁束の強さはいずれも同じであり、つまり磁束線Mが密集している場所ほど磁界強度が強くなっている。
図3及び図4に示すように、本実施形態においては、永久磁石3〜6の磁気的空隙8側の表面に設けた凹み部21の周囲では、その表面上で磁束の流れがわずかに乱されるものの、凹み部21の深さ寸法が十分浅いために磁気的空隙8中では磁束の流れが元の平行な配置に整えられる。しかしながら、表面上で流れが乱された分だけ磁束の損失が生じ、つまり凹み部21の周囲では磁束密度が減少する。これにより、永久磁石3〜6のストローク方向中央部の磁束密度を、ストローク方向両端部と同程度にすることができる。この結果、各永久磁石3〜6のストローク方向中央のほとんどの範囲、少なくともコイル両端部7a,7bのストローク範囲Rの全体においては、磁束線Mがほぼ等間隔に配置されて粗密の差がほとんどなくなる。このようにして、上記永久磁石3〜6の端部付近とストローク方向中心位置近傍との磁束密度の不均衡を是正し、永久磁石3〜6のほぼ全体にわたって磁束密度を略一定として均一化することができる。
図5はコイル両端部7a,7bのストローク範囲Rに対応する磁束密度の分布を、従来構造に相当する比較例と対比させて示す図である。実線が凹み部21を備えた本実施形態の磁束密度を表し、破線が凹部のない比較例における磁束密度を表している。
図5において、凹み部を形成していない(つまり厚さ寸法が一定な)比較例の場合、各永久磁石のストローク方向中央位置で最も磁束線が密集する一方、端部に近づくほど磁束線の間隔が粗くなり、その粗密の差が明確に大きくなる。この結果、図示するように、磁束密度がストローク範囲内において不均一な状態となる。
これに対し、凹み部21を備えた本実施形態においては、上記のようにして、ストローク範囲R全体にわたって磁束密度がほぼ均一な状態となっていることがわかる。
以上のようにして、本実施形態によれば凹み部21を設けることで、永久磁石3〜6の磁束密度を均一化することができる。この結果、推力変動を抑制し、界磁部11及び電機子の均一な相対変位挙動を得ることができる。その際、別の磁石を設けたり、永久磁石3〜6をストローク方向に対して長尺化する必要がないため、ボイスコイルモータ1全体の大型化を招くことがない。
なお、上記実施形態では、電機子部12に単相のコイル7を用いた構成を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、特に図示しないが、電機子部12に多相のコイルを用いた構成としてもよく、この場合には各コイルの巻数比や配置に応じて、凹み部21の数やそれぞれの深さ寸法、形成位置を適宜調整することによりコイル両端部7a,7bのストローク範囲R内の磁束密度を均一化することができる。
また、上記実施形態では特に、1つの永久磁石3〜6のストローク方向中心位置近傍で当該中心位置を挟むように、2つの凹み部21を設けている。これにより、永久磁石3〜6のストローク方向中心位置を挟んで一方側と他方側とを含む、当該中心近傍の所定領域の磁束密度を確実に低下させ、永久磁石3〜6のほぼ全体にわたって磁束密度を確実に均一化することができる。また、上記に加え、以下のような意義もある。
すなわち、凹み部21を2箇所ではなく、中央位置に1箇所だけ設けた場合には、その一つの凹み部21の付近だけ局所的に磁束密度が大きく減少するだけとなり、ストローク範囲R全体で見ると中央位置を挟んで磁束密度のピークが二つ形成される不均一な状態となる(特に図示せず)。これを均一な状態とするためには、当該一つの溝の形状、深さを磁束密度の分布に応じて調整する必要があり、その結果、溝の形状が複雑となってしまう。
これに対し、上記実施形態のように各永久磁石3〜6のストローク方向中央位置付近の2箇所に凹み部21を設ける場合には、それぞれの凹み部21を同じ単純な形状で浅く形成しても磁束密度の分布をストローク範囲R全体にわたってほぼ均一にすることができ、つまり永久磁石3〜6の製作性を向上できる。また、凹み部21の数、深さ、位置を適宜調整することで、磁束密度の分布を調整することができる。
また、上記実施形態では特に、各凹み部21が略円弧状の横断面形状を備えている。このように凹み部21を単純な形状とすることで、永久磁石3〜6の製作性を向上することができる。
また、上記実施形態では特に、凹み部21の深さ方向寸法Dmを永久磁石3〜6の厚さ方向寸法Hmの1/10未満に抑えている。これにより、永久磁石3〜6のストローク方向中心位置近傍の磁束密度を低下させすぎて、永久磁石3〜6の端部付近よりも小さくなるのを防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)永久磁石のヨーク対向部側の表面に溝部を設ける場合
上記実施形態では、永久磁石3〜6の磁気的空隙8側、詳細にはコイル両端部7a,7bと対向する側の表面に凹み部21を2つ形成していたが、本発明はこれに限られない。例えば、上記図2に対応する図6に示すように、永久磁石3Aのヨーク対向部2a,2b側の表面におけるストローク方向中心位置(各請求項記載の第2部位に相当)に、切り欠きとしての溝部31を設けてもよい。この例では、溝部31は、横断面形状が略三角形であるくさび形であり、一つだけ設けられている。また、溝部31の深さ方向寸法Dmは永久磁石3Aの厚さ方向寸法Hmに対してDm/Hm<0.1となるよう設定されている。
本変形例においては、1つの永久磁石3Aのヨーク対向部2a,2b側の表面でかつストローク方向中心位置に溝部31を設けている。この場合、溝部31を永久磁石3Aのヨーク対向部2a,2b側の表面に形成しているため、溝部31をストローク方向中心位置に一つだけ形成する構成でも、永久磁石3Aのストローク方向中心位置近傍の磁束密度を効果的に低下させることができる。この結果、上記実施形態と同様、永久磁石3Aのほぼ全体にわたって磁束密度を確実に均一化することができる。
また、この変形例では特に、上記溝部としての溝部31が略三角形の横断面形状を備えている。このように溝部31を単純な形状とすることで、永久磁石3Aの製作性を向上することができる。
また、この変形例でも、上記実施形態と同様、溝部31の深さ方向寸法Dmを永久磁石3Aの厚さ方向寸法Hmの1/10未満に抑えることで、永久磁石3Aのストローク方向中心位置近傍の磁束密度を低下させすぎて、永久磁石3Aの端部付近よりも小さくなるのを防止することができる。
なお、特に図示しないが、この溝部31の代わりに略四角形の横断面形状となる溝部を形成してもよく、そのように単純な略四角形の横断面形状でも形成が容易であり、また溝の深さ寸法や幅寸法を適宜調整することで磁束密度の均一化を図ることができる。
また、永久磁石3Aの磁気的空隙8側の表面とヨーク対向部2a,2b側の表面の両方に溝部を形成してもよく、この場合でも各部の数、寸法及び配置を適宜調整することで同様の効果を得ることができる。特に、以上においては、永久磁石を、各ヨーク対向部2a,2bごとにそれぞれ2個設けた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、3個以上設ける場合にも本発明を適用でき、同様の効果を得ることができる。
(2)永久磁石を、分割溝によりストローク方向に2分割した場合
すなわち、本変形例では、上記図2に対応する図7に示すように、永久磁石3Bのストローク方向中心位置において、磁気的空隙8側の表面(各請求項記載の第1部位に相当)からヨーク対向部2a,2b側の表面(各請求項記載の第2部位に相当)に至る分割溝41を形成している。これにより、永久磁石3Bをストローク方向に2分割する構成としている。この場合、分割された2つの永久磁石3B,3Bは互いに同じ磁性方向とし、分割溝41により生じた隙間方向寸法Tmは永久磁石3Bの厚さ方向寸法Hmに対してTm/Hm<0.1となるよう設定する。
本変形例においては、1つの永久磁石3Bを、ストローク方向中心位置で分割溝41によりストローク方向に2つに分割して配置していることにより、永久磁石3Bのストローク方向中心位置近傍の磁束密度を確実かつ効果的に低下させ、永久磁石3Bのほぼ全体にわたって磁束密度を確実に均一化することができる。
また、この変形例では特に、前述と同様、2つに分割された永久磁石3B,3Bの隙間方向寸法Tmを永久磁石3Bの厚さ方向寸法Hmの1/10未満に抑えることで、永久磁石3Bのストローク方向中心位置近傍の磁束密度を低下させすぎて、永久磁石3Bの端部付近よりも小さくなるのを防止することができる。
(3)その他
以上においては、電機子部12にそのストローク方向で移動自在に支持する軸受部を設けたことで、界磁部11を固定子とし、電機子部12を可動子として当該可動子の変位移動を駆動する構成としていたが、これに限られない。すなわち、逆に界磁部11にそのストローク方向で移動自在に支持する軸受部を設け、電機子部12を固定子とし、界磁部11を可動子として当該可動子の変位移動を駆動する構成としてもよい。これにより、軸受部を介して支持された界磁部11を推力によって進退させる構成において、前述と同様、界磁部11への推力の変動を抑制し、界磁部11の均一な進退運動を得ることができる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 ボイスコイルモータ
2 ヨーク連結体
2a,2b ヨーク対向部(ヨーク)
2c ヨーク連結部
3 永久磁石
3A,3B 永久磁石
4 永久磁石
5 永久磁石
6 永久磁石
7 コイル
7a,7b コイル両端部
8 磁気的空隙
11 界磁部
12 電機子部
21 凹み部(切り欠き)
31 溝部(切り欠き)
41 分割溝
M 磁束線
R コイル両端部のストローク範囲

Claims (11)

  1. 互いに対向配置された一対のヨークと、前記ヨークの互いに対向する面にそれぞれ極性が互いに異なるように複数個、隣接して設けられた永久磁石と、を有する界磁部と、
    前記ヨークの内側に磁気的空隙を介して配置されたコイルを備えた電機子部と、
    を備え、
    前記コイルへの通電による磁力により発生させた推力により、前記界磁部と前記電機子部とを所定の移動方向に相対変位させるボイスコイルモータにおいて、
    前記永久磁石は、前記コイルの巻線部に対向する面または前記ヨークに対向する面に切り欠きを設けた
    ことを特徴とするボイスコイルモータ。
  2. 前記切り欠きは、
    前記コイルの巻線部に対向する面の移動方向に沿った前記永久磁石の中心位置近傍とする第1部位に設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のボイスコイルモータ。
  3. 前記切り欠きは、
    前記ヨークに対向する面の移動方向に沿った前記永久磁石の中心位置近傍とする第2部位に設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のボイスコイルモータ。
  4. 前記永久磁石の前記第1部位に、前記移動方向に沿った前記中心位置を挟むように、2つの凹み部を設けた
    ことを特徴とする請求項2記載のボイスコイルモータ。
  5. 前記凹み部は、
    略円弧状の横断面形状を備えている
    ことを特徴とする請求項4記載のボイスコイルモータ。
  6. 前記永久磁石の厚さ方向寸法をHm、前記凹み部の深さ方向寸法をDmとしたとき、
    Dm/Hm < 0.1
    となるように構成した
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載のボイスコイルモータ。
  7. 前記永久磁石の前記第2部位に、溝部を設けた
    ことを特徴とする請求項3記載のボイスコイルモータ。
  8. 前記溝部は、
    略三角形又は略四角形の横断面形状を備えている
    ことを特徴とする請求項7記載のボイスコイルモータ。
  9. 前記永久磁石の厚さ方向寸法をHm、前記溝部の深さ方向寸法をDmとしたとき、
    Dm/Hm < 0.1
    となるように構成した
    ことを特徴とする請求項8記載のボイスコイルモータ。
  10. 前記永久磁石を、前記コイルの巻線部に対向する面の移動方向に沿った前記永久磁石の中心位置近傍とする第1部位から、前記ヨークに対向する面の移動方向に沿った前記永久磁石の中心位置近傍とする第2部位に至る、分割溝により2つに分割して配置した
    ことを特徴とする請求項1記載のボイスコイルモータ。
  11. 前記永久磁石の厚さ方向寸法をHm、前記分割溝により生じた隙間方向寸法をTmとしたとき、
    Tm/Hm < 0.1
    となるように構成した
    ことを特徴とする請求項10記載のボイスコイルモータ。
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