JP2011214624A - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】リニアアクチュエータの特性を向上させる。
【解決手段】可動子20の内側に、リニアアクチュエータ1のストローク中心で、各主永久磁石18A、18Bに対して対向配置された各主内蔵固定コア28A、28Bを設けた。これにより、電機子17と可動子20との間で発生する力(従来方式)と、可動子20と主内蔵固定コア28A、28Bとの間で発生する力とは、位相差が180度になる。そして、コイル15A、15Bに通電しない場合の推力脈動は、(電機子17−可動子20間の推力脈動)+(可動子20−主内蔵固定コア28A、28B間の推力脈動)であることから、リニアアクチュエータ1は、従来方式と比較して、推力脈動が低減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、リニアアクチュエータに関する。
例えば、特許文献1には、単相リニアモータ(単相リニアアクチュエータ)が発生する推力および減衰力を利用したサスペンション装置が開示されている。
特開2008−286362号公報
上記従来技術においては、対向するコイルと磁石のみで推力を得ているので、位置による推力の変化の設定に自由度が少ないという課題があった。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、位置による推力の変化の設定自由度を向上させることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のリニアアクチュエータは、直線状に配置された複数個のコイルを有する第一部材と、前記コイルと対向して配置される複数個の磁力部材を有し、前記第一部材に対して相対移動する第二部材からなるリニアアクチュエータであって、前記磁力部材の前記コイルの対向面と反対側の面に対向する対向部材を前記第一部材に設け、前記対向部材には、前記複数個のコイルと対となるように磁束密度が高くなり易い複数の高磁束密度部を有し、該複数の高磁束密度部間は該高磁束密度部より磁束密度が高くなり難くなっていることを特徴とする。
本発明によれば、リニアアクチュエータの特性の設定自由度を向上させることができる。
第1実施形態に係るリニアアクチュエータの縦断面を示す図である。 図1に示される2極2スロットのリニアアクチュエータの要部を拡大して示す断面図である。 (A)は従来方式のリニアアクチュエータのストローク中心におけるコイルに通電しない場合の磁束線図であり、(B)は(A)の状態で可動子を電機子に対して図における左側へ移動させた場合の磁束線図である。 (A)は第1実施形態のリニアアクチュエータのストローク中心(基準位置)におけるコイルに通電しない場合の磁束線図であり、(B)は(A)の状態で可動子を電機子に対して図における左側へ移動させた場合の磁束線図である。 第1実施形態のリニアアクチュエータの特性を示す図である。 第1実施形態の変形例を要部を拡大して示す断面図である(基準位置の状態)。 第2実施形態に係るリニアアクチュエータの縦断面を示す図である(基準位置の状態)。 第2実施形態のリニアアクチュエータの特性を示す図である。 第3実施形態のリニアアクチュエータの特性を示す図である。 第3実施形態のリニアアクチュエータの特性を示す図である。 第4実施形態のリニアアクチュエータの要部を拡大して示す断面図である(基準位置の状態)。 (A)は第4実施形態のリニアアクチュエータのストローク中心(基準位置)におけるコイルに通電しない場合の磁束線図であり、(B)は(A)の状態で可動子を電機子に対して図における左側へ移動させた場合の磁束線図である。 第4実施形態のリニアアクチュエータの特性を示す図である。 第4実施形態のリニアアクチュエータの特性を示す図である。 図11におけるリニアアクチュエータの変形例の要部を拡大して示す断面図である(基準位置の状態)。 図15におけるリニアアクチュエータの変形例の要部を拡大して示す断面図である(基準位置の状態)。 本発明のリニアアクチュエータを採用した鉄道車両のサスペンション装置の概略構成を示すブロック図である。 図17に示される鉄道車両の台車の平面図である。
以下に説明する各実施形態では、前述の発明が解決しようとする課題の欄や発明の効果の欄に記載した目的や課題さらには発明の効果に止まらず、以下に記載の課題や目的が解決あるいは達成できると共に、以下に説明する効果が得られる。
〔推力特性の安定〕
以下の図1乃至図14の実施形態では、例えば上記特許文献記載1に記載の技術に比べ、リニアアクチュエータのコイルと永久磁石(磁力部材)との相対変移に基づく推力脈動を小さくすることができ、安定した推力特性が得られる。このことは、延いては振動を抑制するための制御精度の向上につながる。
また、電機子と対向しない可動子の片側(可動子の内側)に、磁性体により構成された主内蔵固定コアおよび補助内蔵固定コアを配置したことにより、推力脈動を低減させて推力特性を安定させることができる。
また、電機子と対向しない可動子の片側(可動子の内側)に、複数個の補助コイルを配置し、隣接する補助コイル間の電流の位相差を180度に設定し、各補助コイルを、電機子のコイルに対して電気角で約90度の位相差を有して配置したので、従来、減衰力を発生させることができなかったストローク位置においても、減衰力を発生させることが可能になり、リニアアクチュエータの失陥時における安定性を向上させることができる。
さらに、隣接する補助コイル間に補助コアを配置することにより、大きい推力脈動を低減させることができる。
〔リニアアクチュエータの推力、減衰力の増大〕
以下の実施形態では、電機子と対向しない可動子の片側(可動子の内側)に、複数個の補助コイルを配置し、隣接する補助コイル間の電流の位相差を180度に設定し、各補助コイルを、電機子のコイルに対して電気角で約90度の位相差を有して配置したので、従来方式のリニアアクチュエータと比較して減衰力の最大値を増大させることができ、リニアアクチュエータを小型化や高減衰力化することができる。
また、コイルと補助コイルとを同位相に配置することにより、コイルで発生可能な推力および減衰力と補助コイルで発生可能な推力および減衰力とが同位相になることから、このようなリニアアクチュエータでは、最大推力および最大減衰力を効果的に向上させることができる。
〔構成の簡素化あるいは生産性の向上〕
推力脈動を低減させるためにばねが用いられたリニアアクチュエータが周知であるが、以下の実施形態では、このようなばねを使用することなく推力脈動を低減させることができる。その結果、上記周知技術のリニアアクチュエータと比較した場合、組立が容易であることから生産性を向上させることができる。
また、以下の実施形態では、リニアアクチュエータを単相交流電流で駆動しているので、駆動回路の簡素化が可能である。またリニアアクチュエータも3相リニアモータに比べ簡素化でき、小型化できる効果がある。
〔放熱性の向上〕
3相リニアモータを動作ストロークが小さい範囲で使用すると、特定の相(例えば、U相)だけが発熱する場合がある。すると、発熱部分が局在化するので放熱性の問題が生じる。しかしながら、以下の実施形態では、単相のリニアアクチュエータを採用しているので、動作ストロークの大きさに関わらず、すべてのコイルが同程度に発熱する。そのため、発熱部分の表面積が大きくなるので、放熱性が向上する。
本発明に係るリニアアクチュエータが組込まれたサスペンション装置である横揺れ制振装置を備えた鉄道車両6について図17および図18を参照して説明する。
図17および図18に示されるように、鉄道車両6は、車体2と、輪軸3が装着されて車体2に取り付けられる台車4とを有する。台車4は、車体2に対して鉛直軸回りに回動可能であり、また、上下方向および左右方向(図17における上下方向および左右方向)に一定の範囲内で相対移動が可能に連結されており、空気ばね5を介して車体2を支持している。車体2と台車4との間には、リニアアクチュエータ1および減衰力可変ダンパ7が連結されている。
リニアアクチュエータ1および減衰力可変ダンパ7は、車体2に固定された中心ピン8と台車4に固定された支柱9、10との間にそれぞれ結合されており、車体2と台車4との左右方向の変位に対して、リニアアクチュエータ1の推力および減衰力可変ダンパ7の減衰力が作用するようになっている。車体2には、車体2と台車4間の左右方向の変位を検出するストロークセンサおよび車体2の左右方向の加速度を検出する加速度センサ等の車両状態を検出する各種のセンサ手段11が設けられ、センサ手段11からの入力信号に基づきリニアアクチュエータ1および減衰力可変ダンパ7を制御するコントローラ12が設けられている。
リニアアクチュエータ1は、通電電流に応じて推力を発生する電磁アクチュエータであり、コントローラ12からの駆動信号に応じて推力を発生する。減衰力可変ダンパ7は、ソレノイドバルブ等の減衰力切換弁を有し、通電電流により減衰力を少なくとも2段階に切換可能な油圧ダンパであり、コントローラ12からの制御信号により減衰力が切換えられる。なお、減衰力可変ダンパ7を用いることがコスト、性能面から望ましいが、この代わりに、減衰力が可変ではないダンパ、油圧ダンパ以外の形式のダンパを用いてもよく、リニアアクチュエータ1を用いてもよい。また、車体2の振動低減制御ロジックは、例えばスカイフック制御を採用することができる。
コントローラ12は、センサ手段11の検出信号に基づき、リニアアクチュエータ1および減衰力可変ダンパ7を制御して車体の制振を行なう。例えば、鉄道車両6の低速走行時には、いわゆるパッシブ(制御なし)とし、リニアアクチュエータ1を作動させず、減衰力可変ダンパ7の減衰力を高減衰力側に切換え、減衰力可変ダンパ7の減衰力により車体2の左右方向の振動を減衰させる。他方、高速走行時には、いわゆるアクティブ制御を実行し、減衰力可変ダンパ7の減衰力を低減衰力側に切換え、加速度センサにより検出される左右方向の加速度に基づき、台車4の左右方向の振動を吸収し、また、車体2の左右方向の振動を抑制するようにリニアアクチュエータ1の推力を制御する。これにより、軌道の不整による台車4への外乱の入力および空力加振による車体2への外乱の入力に対して、車体2の左右方向の振動を抑制して、乗り心地および走行安定性を高め、高速走行を可能にする。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を添付した図に基づき説明する。
図1に示すように、リニアアクチュエータ1は、略有底円筒形の第1部材13と、第1部材13の内部に設けられて第1部材13に対して相対移動可能な第2部材14とを有する。第1部材13は、電機子17を含む。電機子17は、複数個(第1実施形態では、2個)のコイル15A、15Bと、円筒形の磁性体(例えば、鉄などの軟磁性体)により構成されるコアとを有する。コアは、中心コア16Aおよび中心コア16Aの軸方向両側に配置された端部コア16B、16Cとにより構成される。第2部材14は、第1部材13の電機子17に対応させて設けられる可動子20を含む。可動子20は、複数個(第1実施形態では、2個)の主永久磁石18A、18B(磁力部材)と、主永久磁石18A、18Bの軸移動方向(ストローク方向であって、図1における左右方向)両側に配置される補助永久磁石19A、19Bと、を有する。なお、補助永久磁石19A、19Bは、リニアアクチュエータ1がストロークしたときにコイル15A、15Bと対向し、ストロークしていない中央位置にあるとき(基準位置にあるとき)には対向しない位置に設けられており、ストローク端において主永久磁石18A、18Bによる推力・減衰力の減少を補うものである。
リニアアクチュエータ1は、第1部材13の内部に第2部材14を摺動可能に挿入することで構成され、第2部材14の底部側(図1における右側)が外部に突出される。第1部材13および第2部材14の端部には、それぞれ車体2の中心ピン8および台車4の支柱9に連結させる連結部23、24が設けられる。第1部材13の底部には、第1部材13の内側を中心線に沿って延びるロッド25(対向部材の一部を構成する)の一端が接合される。電機子17の先端側(図1における右側)および基端側(図1における左側)の内周部には、可動子20の外周面を摺動可能に案内する電機子軸受26、27が設けられる。
図1に示されるように、主永久磁石18Aは、外周側がS極で内周側がN極であり(図1および図2には外周側がS極であることを示す符号Sが付してある。以下同様)、主永久磁石18Bは、外周側がN極で内周側がS極である(図1および図2には外周側がN極であることを示す符号Nが付してある。以下同様)。また、補助永久磁石19Aは、外周側がN極で内周側がS極であり、補助永久磁石19Bは、外周側がS極で内周側がN極である。コア16の内周溝には、円周方向に巻装された2つのコイル15A、15Bが収容されている。各コイル15A、15Bは、リニアアクチュエータ1のストローク中心〔図1および図2に示される状態で、ストローク±0mm(基準位置)〕で、各主永久磁石18A、18Bと軸方向中心位置が一致するようにして対向配置されている。
コイル15A、15Bは、相互間の電流の位相差が180度に設定されている。具体的には、例えば、巻線方向を反対方向とするか、あるいは、通電方向が反対となるように回路構成されている。図2に示されるように、コイル15A、15Bに通電すると磁界が生じて、中心コア16Aおよび端部コア16B、16Cに磁極が生じる。その結果、中心コア16Aおよび端部コア16B、16Cに生じた磁極と主永久磁石18A、18Bとの間の引力および斥力により、可動子20に軸方向の推力が生じる。なお、図2に示される2つの主永久磁石18A、18Bの磁極の中心間の軸方向距離である磁極ピッチτpは、2つのコイル15A、15Bの中心間の軸方向距離であるコイルピッチτcに対して等しく設定されている。また、各コア16A、16B、16Cと可動子20との間には一定のクリアランスが設けられている。
図1に示されるように、第1実施形態のリニアアクチュエータ1は、可動子20の内側に、リニアアクチュエータ1のストローク中心で、主永久磁石18A、18Bに対して対向配置された対向部材の主な高磁束密度部としての主内蔵固定コア28A、28Bと、補助永久磁石19A、19Bに対して対向配置された補助的な高磁束密度部としての補助内蔵固定コア29A、29Bとを有する。主内蔵固定コア28A、28Bおよび補助内蔵固定コア29A、29Bは、例えば、コア16と同じ材料により構成され、ロッド25を介して電機子17に結合されている。なお、主内蔵固定コア28A、28Bおよび補助内蔵固定コア29A、29Bの中心間の軸方向距離であるコアピッチ(図示省略)は、磁極ピッチτpおよびコイルピッチτcに対して等しく設定されている。また、主内蔵固定コア28A、28Bおよび補助内蔵固定コア29A、29Bと可動子20との間には一定のクリアランスが設けられている。また、主内蔵固定コア28A、28B及び補助内蔵固定コア29A、29Bからなる内蔵固定コアの各々の間は空間となっており、各内蔵固定コアより磁束密度が高くなり難くなっている。また、コイル15Aと主内蔵固定コア28Aとは対となっており、また、コイル15Bと主内蔵固定コア28Bは対となっている。
第1実施形態の作用を説明する。
第1実施形態のリニアアクチュエータ1と比較するため、第1実施形態のリニアアクチュエータ1の作用を説明するに先立ち、主内蔵固定コア28A、28Bを持たない従来方式のリニアアクチュエータ1´の電機子17と可動子20との間に作用する力を説明する。なお、第1実施形態と同一あるいは相当の構成には、同一の名称および符号を付与する。また、補助永久磁石19A、19Bの図示を省略した簡略化された図を用いて説明する。図3(A)は、従来方式のリニアアクチュエータ1´のストローク中心におけるコイル15A、15Bに通電しない場合の磁束線図を示す。
上記ストローク中心においては、N極から出て、端部コア16B、電機子17の外周部分、端部コア16Cを経由してS極へ入る磁束と、N極から出て、可動子20を経由してS極へ入る磁束と、が生じる。この状態では、電機子17と可動子20との間に作用する引力あるいは斥力は平衡する。この状態で、可動子20が電機子17に対して図3(A)における左側へ移動した場合、電機子17と可動子20との間の力の平衡が崩れ、リニアアクチュエータ1´は図3(B)の状態へ移行する。この状態では、中心コア16Aと主永久磁石15Aとの軸方向中心位置、端部コア16Bと補助永久磁石19A(図1参照)との軸方向中心位置、端部コア16Cと主永久磁石18Bとの軸方向中心位置が一致している。
したがって、リニアアクチュエータ1´は、図3(B)の状態を維持しようとする。図3(B)の状態では、N極から出て、中心コア16A、電機子17の外周部分、端部コア16Cを経由してS極へ入る磁束と、N極から出て、可動子20を経由してS極へ入る磁束と、が生じる。そして、図5には、図3(A)の状態から図3(B)の状態へ移行する時の、電機子17−可動子20間の推力脈動が示されている。
ここで、図3(A)の状態で、コイル15A、15Bに通電すると、コイル15A、15B間には180度の電流位相差があることから、発生した磁束により、例えば、図2に示すように、端部コア16B、中心コア16A、端部コア16Cは、それぞれN極、S極、N極に磁化される。そして、可動子20の表面は、主永久磁石18A、18Bにより、N極、S極に磁化されていることから、コア16A、16B、16Cと主永久磁石18A、18Bとの間には、引力あるいは斥力が作用して可動子20を図3(A)における左側へ移動させる推力が発生する。そして、コイル15A、15Bに逆向きに通電すると、発生する磁束の方向も逆向きになるため、端部コア16B、中心コア16A、端部コア16Cは、それぞれS極、N極、S極に磁化される。
このようなリニアアクチュエータ1´においては、図3(A)に示されるコイル15A、15Bの軸方向中心位置と主永久磁石18A、18Bの軸方向中心位置とが一致した状態で推力が最大になり、例えば図3(B)に示される中心コア16Aの軸方向中心位置と主永久磁石18Aあるいは18Bの軸方向中心位置とが一致する状態で推力が0になる。この通電時における推力を表したのが図5におけるコイル発生力である。また、リニアアクチュエータ1´の推力は、(推力脈動)+(コイル発生力)であり、図5における従来推力である。
次に、図4(A)は、第1実施形態のリニアアクチュエータ1のストローク中心における、コイル15A、15Bに通電しない場合の磁束線図を示す。ここでは、補助永久磁石19A、19Bおよび補助内蔵固定コア29A、29Bの図示を省略した簡略化された図を用いて説明する。この状態では、N極から出て、端部コア16B、電機子17の外周部分、端部コア16Cを経由してS極へ入る磁束と、N極から出て、可動子20、主内蔵固定コア28A、ロッド25、主内蔵固定コア28B、可動子20を経由してS極へ入る磁束と、が生じる。これにより、コイル15A、15Bに通電しない状態では、中心コア16Aと主永久磁石18A、18Bとの間および端部コア16B、16Cと主永久磁石18A、18Bとの間で発生する力と、主内蔵固定コア28A、28Bと主永久磁石18A、18Bとの間で発生する力と、の2系統の力(引力あるいは斥力)が発生する。
この状態では、電機子17と可動子20との間に作用する引力あるいは斥力は平衡する。この状態で、可動子20が電機子17に対して図4(A)における左側へ移動した場合、電機子17と可動子20との間の力の平衡が崩れ、リニアアクチュエータ1は図4(B)の状態へ移行しようとする。この時の可動子20と主内蔵固定コア28A、28Bとの間で発生する力は、まず、図4(A)の状態では、主永久磁石18A、18Bと主内蔵固定コア28A、28Bとの相互の軸方向中心位置が一致していることから、可動子20と主内蔵固定コア28A、28Bとの間には、相互の位置を維持しようとする力が作用する。
つまり、図5に示されるように、電機子17と可動子20との間で発生する力(図5における従来方式)と、可動子20と主内蔵固定コア28A、28Bとの間で発生する力(図5における本発明)とは、180度の位相差があることがわかる。したがって、第1実施形態におけるコイル15A、15Bに通電しない場合の推力脈動(図5における合成推力脈動)は、(電機子17−可動子20間の推力脈動)+(可動子20−主内蔵固定コア28A、28B間の推力脈動)となり、第1実施形態のリニアアクチュエータ1は、従来方式と比較して、推力脈動を低減することができることがわかる。
ここで、図4(A)の状態で、コイル15A、15Bに通電すると、コイル15A、15B間には180度の電流位相差があることから、発生した磁束により、例えば、端部コア16B、中心コア16A、端部コア16Cは、それぞれN極、S極、N極に磁化される。そして、可動子20の表面は、主永久磁石18A、18Bにより、N極、S極に磁化されていることから、コア16A、16B、16Cと主永久磁石18A、18Bとの間には、引力あるいは斥力が作用して可動子20を図4(A)における左側へ移動させる推力が発生する。そして、コイル15A、15Bに逆向きに通電すると、発生する磁束の方向も逆向きになるため、端部コア16B、中心コア16A、端部コア16Cは、それぞれS極、N極、S極に磁化される。
このようなリニアアクチュエータ1においては、従来方式のリニアアクチュエータ1´同様に、図4(A)に示されるコイル15A、15Bの軸方向中心位置と主永久磁石18A、18Bの軸方向中心位置とが一致した状態で推力が最大になり、例えば図4(B)に示される中心コア16Aの軸方向中心位置と主永久磁石18Aあるいは18Bの軸方向中心位置とが一致する状態で推力が0になる。この通電時における推力を表したのが図5におけるコイル発生力である。そして、リニアアクチュエータ1の推力(図5における合成推力)は、(合成推力脈動)+(コイル発生力)であることから、図5に示されるように、合成推力は従来推力と比較してコイル発生力により近似しており、第1実施形態のリニアアクチュエータ1は、従来方式と比較して推力脈動を低減することができる。
なお、第1実施形態では、外部からコイル15A、15Bへ電流を供給した場合のリニアアクチュエータ1の推力を説明したが、この説明は、外部から力を加えて可動子20を電機子17に対して移動させた時に電圧が誘起される場合にも適用することができる。この場合、リニアアクチュエータ1に発生するのは、推力ではなく、減衰力になる。また、主内蔵固定コア28A、28Bおよび補助内蔵固定コア29A、29Bは、任意の形状とすることができる。例えば、図6に示されるように、主内蔵固定コア28A、28Bの可動子20に近い部分の軸方向幅を確保し、その他の部分の幅を小さくしてリニアアクチュエータ1を構成することもできる。これにより、リニアアクチュエータ1の第1部材13(図1参照)を軽量化することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を添付した図に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と同一あるいは相当の構成には、同一の名称および符号を付与する。また、説明を簡潔にすることを目的に、第1実施形態と重複する説明を省く。
第1実施形態では、図5に示されるように、中心コア16Aの軸方向中心位置と主永久磁石18Aあるいは18B(磁力部材)の軸方向中心位置とが一致する状態、すなわちストロークが±40mmの時にリニアアクチュエータ1の推力および減衰力が0になる。そこで、第2実施形態では、図7に示されるように、可動子20における電機子17と対向しない側、すなわち、可動子20の内側に、複数個(第2実施形態では、3個)の補助コイル22A、22B、22C(対向部材の高磁束密度部間を構成)を配置してリニアアクチュエータ21を構成した。
リニアアクチュエータ21は、隣接する補助コイル22A、22B間および22A、22C間の電流の位相差が180度に設定されている。具体的には、例えば、巻線方向を反対方向とするか、あるいは、通電方向が反対となるように回路構成されている。補助コイル22A、22B、22Cは、ロッド25を介して電機子17と結合されている。補助コイル22A、22B、22Cは、電機子17のコイル15A、15Bに対して電気角で約90度の位相差を有して配置されている。また、隣接する補助コイル22A、22B間および22A、22C間の軸方向中心位置距離τS2は、コイル15A、15B間の軸方向中心位置距離τS1に略等しく設定されている。なお、補助コイル22A、22B、22Cは、非磁性体(本実施形態では銅)により構成されることから磁気的には空気と同等の扱いである。
ここで、補助コイル22A、22B、22Cを短絡させ、外部から力を加えて可動子20を電機子17に対して移動させた場合の減衰力を説明する。図7の状態では、主永久磁石18A、18Bの軸方向中心位置と隣接する補助コイル22A、22B、22C間の境界位置とが一致していることから、減衰力は発生しない。この状態で、リニアアクチュエータ21が縮む、すなわち、可動子20が電機子17に対して図7における左側へ移動した場合、可動子20と補助コイル22A、22B、22Cとの間に減衰力が発生し、この時のリニアアクチュエータ21が発生する合成減衰力は、(電機子17−可動子20間の推力脈動)+(コイル発生減衰力)+(補助コイル発生減衰力)であり、図8において本発明減衰力で表されるようになる。
したがって、第2実施形態では、従来方式で減衰力を発生させることができなかったストローク位置(図8における±40mmの位置)においても、減衰力を発生させることが可能になり、リニアアクチュエータ21の失陥時における安定性を向上させることができる。また、図8からわかるように、従来方式のリニアアクチュエータ1´と比較して減衰力の最大値も増大しており、リニアアクチュエータ21を小型化や高減衰力化することができる。さらに、第2実施形態では、補助コイル22A、22B、22Cが常時短絡状態であるため、仮に、コイル15A、15Bが断線、絶縁破壊等した場合であっても、可動子20と補助コイル22A、22B、22C間に減衰力が発生することにより、失陥時における安定性を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、本発明の高磁束密度部は、可動子20を電機子17に対して移動している場合のみにおいて磁束密度が高くなり易い状態となる補助コイル22A、22B、22Cとのそれぞれの軸方向両側であり、補助コイル22A、22B、22Cのそれぞれの軸方向中間部は、磁束密度が高くなり難くなっている。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を添付した図に基づき説明する。なお、前述した第1および第2実施形態と同一あるいは相当の構成には、同一の名称および符号を付与する。また、説明を簡潔にすることを目的に、第1および第2実施形態と重複する説明を省く。
第2実施形態では、失陥時の対策に重点を置き、補助コイル22A、22B、22C(対向部材)を常時短絡状態としたが、第3実施形態では、補助コイル22A、22B、22Cに外部から電流を供給して推力を発生させることにより、制振性能を向上させることを重点に置く。これを具現化するため、第3実施形態では、ストローク位置を検出ためのストロークセンサ(図示省略)を設け、該ストロークセンサにより検出されたストローク位置に基づき、補助コイル22A、22B、22Cの通電方向を制御するようにリニアアクチュエータ21を構成した。
図7に示されるようなN極Nスロット構造(Nは2以上の整数)のリニアアクチュエータ21は、ストロークセンサを使用することなく駆動することができるが、この場合、制御力の方向、すなわち、補助コイル22A、22B、22Cの通電により発生する推力の向きは、電流の方向に依存する。図9に、補助コイル22A、22B、22Cに通電した時に発生する推力(補助コイル発生推力)を示す。この図に示されるように、補助コイル22A、22B、22Cに通電した時に発生する推力は、ストローク中心(ストローク0mmの位置)を基準に、伸び力(図9における推力比が+側)と縮み力(図9における推力比が−側)とに分かれてしまい、その場合の合成推力は、(推力脈動)+(コイル発生力)+(補助コイル発生力)である。
したがって、ストローク0mmを基準としたストロークの縮み方向では、従来方式のリニアアクチュエータ1´よりも大きな推力を発生させることができるが、ストローク0mmを基準としたストロークの伸び方向では、従来方式のリニアアクチュエータ1´よりも小さい推力しか発生させることができない。そこで、第3実施形態では、前述したように、ストローク位置を検出ためのストロークセンサを配置し、検出されたストローク位置に基づき補助コイル22A、22B、22Cの通電方向を制御するようにリニアアクチュエータ21を構成した。この場合、通電方向を切り換えるストローク位置は、ストローク中心が望ましい。
また、第3実施形態では、ストローク位置の検出に、高精度のポテンショメータやレーザ変位計等の位置センサを使用し、補助コイル22A、22B、22Cへ供給する電流をストローク位置と推力指令とに応じて適切に制御することにより、図8に示されるような合成減衰力(本発明減衰力)と同じ曲線で表される合成推力を発生させることができる。しかしながら、リニアアクチュエータ21においては、コストダウン、ストロークセンサの不使用という要求がある。この場合、ホール素子等の比較的低コストの位置センサをストロークセンサとして用いることが望ましい。
ホール素子をストロークセンサとして使用した場合、センサの取付状態、補助コイル22A、22B、22Cへの通電等によりセンサ出力が変化してしまうことから、高精度の位置検出は困難である。そこで、図10に示されるように、ストローク中心から、例えば±15mmの領域内で補助コイル22A、22B、22Cに通電しないようにし、それ以外の領域で補助コイル22A、22B、22Cに供給する電流の向きを切り換えるようにリニアアクチュエータ21を構成することができる。
第3実施形態では、ストローク位置の検出に高精度の位置センサを使用する必要がなく、例えば、ホール素子等の比較的低コストの位置センサで対応することができるので、リニアアクチュエータ21の製造コストの増大を抑制することができる。また、推力を高い効率で発生させることができるストローク領域でのみで補助コイル22A、22B、22Cに電流を供給するように構成したので、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cを効率的かつ効果的に活用することにより、より大きい推力を発生させることができ、リニアアクチュエータ21の小型化、制振性能の向上を成し遂げることができる。
さらに、第3実施形態では、例えば、コイル15A、15Bに通電して推力を発生させ、これにより補助コイル22A、22B、22Cで誘起された電流を回生利用することにより、少ない電力で高い制振性能を得ることができる。なお、第3実施形態においては、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cに供給される電流の比率は任意に設定可能である。例えば、大きい推力を効率よく発生させることが可能なストローク中心付近では、コイル15A、15Bに供給する電流を大きくし、補助コイル22A、22B、22Cが発生する推力が大きいストロークが±40mm付近(図10参照)では、補助コイル22A、22B、22Cに供給する電流を大きくする。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を添付した図に基づき説明する。なお、前述した第1〜第3実施形態と同一あるいは相当の構成には、同一の名称および符号を付与する。また、説明を簡潔にすることを目的に、第1〜第3実施形態と重複する説明を省く。
前述した第2および第3実施形態では、図7に示されるように、可動子20における電機子17と対向しない側、すなわち、可動子20の内側に、複数個(第2および第3実施形態では、3個)の補助コイル22A、22B、22C(対向部材)を配置してリニアアクチュエータ21を構成することにより、推力および減衰力を発生させるストローク領域ならびにその力を改善した。
図11に示されるように、第4実施形態では、第2および第3実施形態における隣接する補助コイル22A、22B、22C間に本発明の高磁束密度部となる補助コア32A、32Bを配置して、大きい推力脈動を低減させるようにリニアアクチュエータ31を構成した。なお、補助コア32A、32Bは、ロッド25(図1、図7参照)を介して電機子17に結合されている。図12(A)に、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cに通電しない場合の磁束線図を示す。ここでは、補助永久磁石19A、19Bの図示を省略した簡略化された図を用いて説明する。
図12(A)をリニアアクチュエータ31のストローク中心とした場合、磁束は、N極から出て、端部コア16B、電機子17の外周部分、端部コア16Cを経由してS極へ入る磁束と、N極から出て、可動子20、補助コア32A、ロッド25、補助コア32B、可動子20を経由してS極へ入る磁束と、が生じる。これにより、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cに通電しない状態では、中心コア16Aと主永久磁石18A、18B(磁力部材)との間および端部コア16B、16Cと主永久磁石18A、18Bとの間で発生する力と、補助コア32A、32Bと主永久磁石18A、18Bとの間で発生する力と、の2系統の力(引力あるいは斥力)が発生する。
この図12(A)の状態では、電機子17と可動子20との間に作用する引力あるいは斥力が平衡している。この状態で、可動子20が電機子17に対して図12(A)における左側へ移動した場合、電機子17と可動子20との間の力の平衡が崩れ、リニアアクチュエータ31は図12(B)の状態へ移行しようとする。この時の可動子20と補助コア32A、32Bとの間で発生する力は、まず、図12(A)の状態では、主永久磁石18A、18Bと補助コア32A、32Bとの相互の軸方向中心位置が一致していることから、可動子20と補助コア32A、32Bとの間には、相互の位置を維持しようとする力が作用する。
つまり、図13に示されるように、電機子17と可動子20との間で発生する力(推力脈動)と、可動子20と補助コア32A、32Bとの間で発生する力(推力脈動)とは、180度の位相差があることがわかる。したがって、第4実施形態におけるコイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cに通電しない場合の推力脈動(図13における可動子−補助コア間推力脈動)は、(電機子17−可動子20間の推力脈動)+(可動子20−補助コア32A、32B間の推力脈動)となり、第4実施形態のリニアアクチュエータ31は、従来方式と比較して、推力脈動が低減されることがわかる。
ここで、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cを短絡させ、外部から力を加えて可動子20を電機子17に対して移動させた場合の減衰力を説明する。図11の状態では、主永久磁石18A、18Bの軸方向中心位置と補助コア32A、32Bの軸方向中心位置とが一致していることから、減衰力は発生しない。この状態で、リニアアクチュエータ31が縮む、すなわち、可動子20が電機子17に対して図11における左側へ移動した場合、可動子20と補助コア32A、32Bとの間に減衰力が発生し、この時のリニアアクチュエータ31が発生する合成減衰力は、(電機子17−可動子20間の推力脈動)+(コイル発生減衰力)+(補助コア発生減衰力)であり、図13において本発明減衰力で表されるようになる。
したがって、第4実施形態においては、従来方式で減衰力を発生させることができなかったストローク位置(図13における±40mmの位置)においても、減衰力を発生させることが可能になり、リニアアクチュエータ31の失陥時における安定性を向上させることができる。また、第4実施形態では、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cが常時短絡状態であるため、仮に、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cが断線、絶縁破壊等した場合であっても、可動子20と補助コア32A、32B間に減衰力が発生することにより、失陥時における安定性を向上させることができる。
さらに、第4実施形態では、隣接する補助コイル22A、22B、22C間に補助コア32A、32Bを配置したことにより、図13に示されるように、推力脈動(図13における可動子−補助コア間推力脈動)が低減されることから、リニアアクチュエータ31の取り扱いが容易になる。具体的には、従来方式のリニアアクチュエータ1´の初期位置は、中心コア16Aの軸方向中心位置と、主永久磁石18A、18B間の境界位置とが一致する位置であることから、リニアアクチュエータ1´を車両等の対象物に取り付ける場合、リニアアクチュエータ1´を伸ばすあるいは縮めることが必要であったが、第4実施形態では、推力脈動を低減させたことにより、取り付け作業を容易にすることができる。
次に、第4実施形態において、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cに通電した場合を説明する。第3実施形態において述べたように、補助コイル22A、22B、22Cに通電した時に発生する推力は、ストローク中心(ストローク0mmの位置)を基準に、伸び力(図9における推力比が+側)と縮み力(図9における推力比が−側)とに分かれてしまうが、高精度のストロークセンサ(位置センサ)を使用して、ストローク位置と推力の方向とに応じてコイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cへ適切に電流を供給することにより、図13に表されるような合成減衰力に対して同じ曲線を描く合成推力を発生させることができる。なお、図14は、ホール素子等の簡易なストロークセンサ(位置センサ)を使用して、第3実施形態と同等の操作を行った場合の、第4実施形態のリニアアクチュエータ31の推力特性を示す。
第4実施形態においては、供給される電流に対して発生する推力が小さい(効率が低い)ストローク中心では、補助コイル22A、22B、22Cに通電せず、比較的高い効率が得られるストローク領域に絞り、補助コイル22A、22B、22Cに通電するとともに、ストローク中心付近のストローク位置をストロークセンサ(位置センサ)により高精度に検出し、該ストロークセンサの検出結果に基づき補助コイル22A、22B、22Cに供給する電流の向きを切り換えるように構成した。したがって、第4実施形態では、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cを効率的かつ効果的に活用することにより、大きい推力を発生させることができ、リニアアクチュエータ31を小型化することができるとともに制振性能を向上させることができる。
また、第4実施形態では、比較的低コストのホール素子等の位置センサを採用することができ、例えば、ポテンショメータやレーザ変位計等の高精度の位置センサを使用した場合と比較して、製造コストを削減することができる。さらに、コイル15A、15Bで推力を発生させ、これにより補助コイル22A、22B、22Cで誘起された電流を回生利用することにより、少ない電力で高い制振性能を得ることができる。なお、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cに供給される電流の比率は任意に設定可能である。例えば、大きい推力を効率よく発生させることが可能なストローク中心付近では、コイル15A、15Bに供給する電流を大きくし、補助コイル22A、22B、22Cが発生する推力が大きいストロークが±40mm付近(図13参照)では、補助コイル22A、22B、22Cに供給する電流を大きくすることができる。
なお、第2〜第4実施形態においては、コイル15A、15B間の軸方向中心位置距離τS1と隣接する補助コイル22A、22B、22C間の軸方向中心位置距離τS2とが等しくなるように構成したが、これに限定することを意図したものではない。τS1≠τS2とし、補助コイル22A、22B、22Cが発生可能な推力および減衰力の特性を任意に設定することにより、リニアアクチュエータ21、31の用途に応じた設計が可能になる。また、コイル15A、15Bと補助コイル22A、22B、22Cとの位相差は、任意に設定することができる。例えば、図15に示されるように、コイル15A、15Bと補助コイル22A、22Bとを同位相に配置してリニアアクチュエータ34を構成することもできる。
この場合、コイル15A、15Bで発生可能な推力および減衰力と補助コイル22A、22Bで発生可能な推力および減衰力とが同位相になることから、このようなリニアアクチュエータ34では、推力が発生するストローク範囲は前述した実施形態と同一であるが、最大推力および最大減衰力を効果的に向上させることができる。これにより、ストロークを限定することにより、リニアアクチュエータ34を小型化することができる。また、第3および第4実施形態においては、コイル15A、15Bおよび補助コイル22A、22B、22Cは、通電、回生、短絡の各モードを必要に応じて任意に選択することができる。
また、図15におけるリニアアクチュエータ34の変形例として、図16に示されるように、補助コイル22A、22B間に補助コア32を設けてリニアアクチュエータ35を構成することができる。この場合、補助コア32と主永久磁石18A、18Bとの間に推力脈動が発生し、従来方式のリニアアクチュエータ1´に対して推力脈動が大きくなるが、図15に示されるリニアアクチュエータ34と比較して、より大きい推力を得ることができ、リニアアクチュエータ35を小型化することができる。
また、上記実施形態では、磁力部材の内側に配置された高密度磁束部のピッチをコイルのピッチと同じとしているが、異なるように構成することにより、全体としての推力や減衰力の特性を変えることができる。
さらに、上記実施形態では、高密度磁束部の軸方向の位置をコイルの位置と同じとしているが、異なるように構成することにより、全体としての推力や減衰力の特性を変えることができる。
また、上記実施形態では、円筒形のリニアモータを例に説明したが、第一部材、第二部材、対向部材を平板としてもよい。
さらに、上記実施形態では、鉄道用に本発明を用いた例を示したがこれに限らず、自動車のサスペンションやビルの制振ダンパに用いることも可能である。
1、21、31、34、35 リニアアクチュエータ、15A、15B コイル、17 電機子、18A、18B 主永久磁石(磁力部材)、20 可動子、22A、22B、22C 補助コイル(対向部材)、28A、28B 主内蔵固定コア(対向部材)

Claims (5)

  1. 直線状に配置された複数個のコイルを有する第一部材と、前記コイルと対向して配置される複数個の磁力部材を有し、前記第一部材に対して相対移動する第二部材からなるリニアアクチュエータであって、
    前記磁力部材の前記コイルの対向面と反対側の面に対向する対向部材を前記第一部材に設け、前記対向部材には、前記複数個のコイルと対となるように磁束密度が高くなり易い複数の高磁束密度部を有し、該複数の高磁束密度部間は該高磁束密度部より磁束密度が高くなり難くなっていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 前記対向部材の高磁束密度部を磁性体により構成したことを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
  3. 前記対向部材に補助コイルを設け、前記高磁束密度部を該補助コイル間の空隙により構成したことを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
  4. 前記対向部材の高磁束密度部のピッチが前記コイル間のピッチと同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
  5. 前記対向部材の高磁束密度部の軸方向中間部の位置は、前記コイルと軸方向中間部軸方向位置が同じとなる位置が基準位置となるように取り付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
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