JP2016009592A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ターボコンプレッサでのサージングの発生を防止しつつ、ターボコンプレッサから酸化剤ガス供給管内に送出され分岐管へ分岐された酸化剤ガスを有効利用する。
【解決手段】燃料電池システムAは、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応で発電する燃料電池スタック10と、燃料電池スタック内の酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管41と、酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサ44と、ターボコンプレッサ下流の酸化剤ガス供給管から分岐する分岐管49と、酸化剤ガス供給管から分岐管内へ流れ込む酸化剤ガスの量を制御する分岐流れ制御弁48と、分岐管内に配置され、分岐管内を流れる酸化剤ガスにより駆動されるタービン52tと、燃料電池スタック内の冷却水通路に連結された冷却水供給管51と、冷却水供給管内に配置され、冷却水を送出し、少なくともタービンにより駆動される冷却水ポンプ52とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法に関する。
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、ターボコンプレッサ下流の酸化剤ガス供給管から分岐する分岐管と、酸化剤ガス供給管から分岐管内へ流れ込む酸化剤ガスの量を制御する分岐流れ制御弁と、を備えた、燃料電池システムが公知である(特許文献1参照)。
ターボコンプレッサから吐出される酸化剤ガス量を少なく設定すると、ターボコンプレッサから実際に吐出される酸化剤ガス量及び酸化剤ガス供給管内の圧力がそれぞれ大きく振動する、いわゆるサージングが発生するおそれがある。そこで特許文献1では、サージングの発生を抑制するために、ターボコンプレッサから吐出される酸化剤ガス量を、燃料電池スタックの目標酸化剤ガス供給量よりも多い量に設定している。その上で、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガス量が目標酸化剤ガス供給量となるように分岐流れ制御弁が制御される。この場合、残りの酸化剤ガス、すなわち余剰の酸化剤ガスは分岐管内に流れ込む。分岐管内に流れ込んだ酸化剤ガスは次いで、マフラを介して又はそのまま外部へ排出される。
特開2009−123550号公報
しかしながら、特許文献1では、上述したように、分岐管内に流れ込んだ空気は、マフラを介して又はそのまま外部へ排出される。すなわち、分岐管内に流れ込んだ余剰の酸化剤ガスは何ら利用されることなく外部へ排出されてしまう。したがって、特許文献1では、余剰の酸化剤ガスの有するエネルギを有効に利用することができない。
本発明の一の観点によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、前記酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、前記ターボコンプレッサ下流の前記酸化剤ガス供給管から分岐する分岐管と、前記酸化剤ガス供給管から前記分岐管内へ流れ込む酸化剤ガスの量を制御する分岐流れ制御弁と、前記分岐管内に配置され、前記分岐管内を流れる酸化剤ガスにより駆動されるタービンと、前記燃料電池スタック内に形成された冷却水通路に連結された冷却水供給管と、前記冷却水供給管内に配置され、冷却水を送出する冷却水ポンプであって、少なくとも前記タービンにより駆動される冷却水ポンプと、を備えた、燃料電池システムが提供される。
本発明の他の観点によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、前記酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、前記ターボコンプレッサ下流の前記酸化剤ガス供給管から分岐する分岐管と、前記酸化剤ガス供給管から前記分岐管内へ流れ込む酸化剤ガスの量を制御する分岐流れ制御弁と、前記分岐管内に配置され、前記分岐管内を流れる酸化剤ガスにより駆動されるタービンと、前記燃料電池スタック内に形成された冷却水通路に連結された冷却水供給管と、前記冷却水供給管内に配置され、冷却水を送出する冷却水ポンプであって、少なくとも前記タービンにより駆動される冷却水ポンプと、を備えており、前記ターボコンプレッサから吐出された酸化剤ガス量の少なくとも一部が前記分岐管内に流れ込むように前記分岐流れ制御弁を制御し、それにより前記タービンを駆動して前記冷却水ポンプを駆動する、燃料電池システムの制御方法が提供される。
ターボコンプレッサでのサージングの発生を防止しつつ、ターボコンプレッサから酸化剤ガス供給管内に送出され分岐管へ分岐された酸化剤ガスのエネルギを有効に利用できる。
燃料電池システムの構成図である。 ターボコンプレッサの特性を模式的に示すグラフである。 目標酸化剤ガス吐出量QOXPの算出方法を説明する、図2と同様のグラフである。 サージング抑制のための余剰分ΔQOX1のマップを示す図である。 酸化剤ガス供給制御のルーチンを示すフローチャートである。 余剰分の算出ルーチンを示すフローチャートである。 冷却水供給制御のルーチンを示すフローチャートである。 別の実施例における希釈のための余剰分ΔQOX2のマップを示す図である。 別の実施例における余剰分の算出ルーチンを示すフローチャートである。 更に別の実施例における冷却水増量のための余剰分ΔQOX3のマップを示す図である。 更に別の実施例における余剰分の算出ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による別の実施例の燃料電池システムの構成図である。 本発明による別の実施例の酸化剤ガス供給制御のルーチンを示すフローチャートである。 本発明による更に別の実施例の燃料電池システムの構成図である。 本発明による更に別の実施例の燃料電池システムの構成図である。 本発明による更に別の実施例の燃料電池システムの構成図である。
図1を参照すると、燃料電池システムAは燃料電池スタック10を備える。燃料電池スタック10は積層方向に互いに積層された複数の燃料電池単セルを備える。各燃料電池単セルは膜電極接合体20を含む。膜電極接合体20は膜状の電解質と、電解質の一側に形成されたアノード極と、電解質の他側に形成されたカソード極とを備える。
燃料電池単セルのアノード極及びカソード極はそれぞれ直列に電気的に接続され、燃料電池スタック10の電極を構成する。燃料電池スタック10の電極はDC/DCコンバータ11を介してインバータ12に電気的に接続され、インバータ12はモータジェネレータ13に電気的に接続される。また、燃料電池システムAは蓄電器14を備えており、この蓄電器14はDC/DCコンバータ15を介して上述のインバータ12に電気的に接続される。DC/DCコンバータ11は燃料電池スタック10からの電圧を高めてインバータ12に送るためのものであり、インバータ12はDC/DCコンバータ11又は蓄電器14からの直流電流を交流電流に変換するためのものである。DC/DCコンバータ15は燃料電池スタック10又はモータジェネレータ13から蓄電器14への電圧を低くし、又は蓄電器14からモータジェネレータ13への電圧を高くするためのものである。なお、図1に示される燃料電池システムAでは蓄電器14はバッテリから構成される。
また、燃料電池単セル内には、アノード極に燃料ガスを供給するための燃料ガス流通路と、カソード極に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流通路と、燃料電池単セルに冷却水を供給するための冷却水流通路とがそれぞれ形成される。複数の燃料電池単セルの燃料ガス流通路、酸化剤ガス流通路、及び冷却水流通路をそれぞれ直列に接続することにより、燃料電池スタック10には燃料ガス通路30、酸化剤ガス通路40、及び冷却水通路50がそれぞれ形成される。
燃料ガス通路30の入口には燃料ガス供給管31が連結され、燃料ガス供給管31は燃料ガス源32に連結される。図1に示される実施例では、燃料ガスは水素ガスから形成され、燃料ガス源32は水素タンクから形成される。燃料ガス供給管31内には上流側から順に、遮断弁33と、燃料ガス供給管31内の燃料ガスの圧力を調整するレギュレータ34と、燃料ガス源32からの燃料ガスを燃料電池スタック10に供給するための燃料ガスインジェクタ35と、が配置される。一方、燃料ガス通路30の出口にはアノードオフガス管36が連結される。遮断弁33が開弁されかつ燃料ガスインジェクタ35が開弁されると、燃料ガス源32内の燃料ガスが燃料ガス供給管31を介して燃料電池スタック10内の燃料ガス通路30内に供給される。このとき燃料ガス通路30から流出するガス、すなわちアノードオフガスはアノードオフガス管36内に流入する。アノードオフガス管36内にはアノードオフガス管36内を流れるアノードオフガスの量を制御するアノードオフガス制御弁37が配置される。
また、酸化剤ガス通路40の入口には酸化剤ガス供給管41が連結され、酸化剤ガス供給管41は酸化剤ガス源42に連結される。図1に示される実施例では、酸化剤ガスは空気から形成され、酸化剤ガス源42は大気から形成される。酸化剤ガス供給管41内には上流側から順に、ガスクリーナ43と、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサ44と、ターボコンプレッサ44から燃料電池スタック10に送られる酸化剤ガスを冷却するためのインタークーラ45と、が配置される。一方、酸化剤ガス通路40の出口にはカソードオフガス管46が連結される。ターボコンプレッサ44が駆動されると、酸化剤ガスが酸化剤ガス供給管41を介して燃料電池スタック10内の酸化剤ガス通路40内に供給される。このとき酸化剤ガス通路40から流出するガス、すなわちカソードオフガスはカソードオフガス管46内に流入する。カソードオフガス管46内にはカソードオフガス管46内を流れるカソードオフガスの量又は燃料電池スタック10の酸化剤ガス通路40内の圧力を制御するカソードオフガス制御弁47が配置される。図1に示される実施例では、ターボコンプレッサ44は遠心式又は軸流式のターボコンプレッサから構成される。小型化などの面から、遠心式のターボコンプレッサが好適に用いられる。
また、冷却水通路50の入口には冷却水供給管51の一端が連結され、冷却水供給管51の出口には冷却水供給管51の他端が連結される。冷却水供給管51内には冷却水を圧送する冷却水ポンプ52と、ラジエータ53とが配置される。ラジエータ53上流の冷却水供給管51と、ラジエータ53と冷却水ポンプ52間の冷却水供給管51とはラジエータバイパス管54により互いに連結される。また、ラジエータバイパス管54内を流れる冷却水量を制御するラジエータバイパス制御弁55が設けられる。図1に示される燃料電池システムAではラジエータバイパス制御弁55は三方弁から形成され、ラジエータバイパス管54の入口に配置される。冷却水ポンプ52が駆動されると、冷却水ポンプ52から吐出された冷却水は冷却水供給管51を介して燃料電池スタック10内の冷却水通路50内に流入し、次いで冷却水通路50を通って冷却水供給管51内に流入し、ラジエータ53又はラジエータバイパス管54を介して冷却水ポンプ52に戻る。
また、図1に示される燃料電池システムAには、ターボコンプレッサ44下流の酸化剤ガス供給管41から分岐する分岐管49が設けられる。すなわち、ターボコンプレッサ44下流の酸化剤ガス供給管41に分岐管49の入口が連結される。図1に示される実施例では、カソードオフガス制御弁47下流のカソードオフガス管46に分岐管49の出口が連結される。言い換えると、酸化剤ガス供給管41とカソードオフガス管46とは分岐管49により互いに連結される。また、酸化剤ガス供給管41から分岐管49内へ流れ込む酸化剤ガスの量を制御する分岐流れ制御弁48が設けられる。図1に示される燃料電池システムAでは分岐流れ制御弁48は三方弁から形成され、分岐管49の入口に配置される。その結果、酸化剤ガス供給管41を流れる酸化剤ガスの少なくとも一部が燃料電池スタック10へ向かわずに分岐管49に流れ込むことできる。
分岐管49内には、分岐管49内を流れる酸化剤ガスにより駆動されるタービン52tが配置される。上述した冷却水供給管51内に配置された冷却水ポンプ52は、タービン52t及び冷却水ポンプ駆動用電気モータ52mにより駆動される。分岐管49内に酸化剤ガスが流れこむと、この酸化剤ガスによりタービン52tが駆動され、したがってタービン52tにより冷却水ポンプ52が駆動される。ここで、タービン52tに送られる酸化剤ガス量が多くなるにつれてタービン52tによる冷却水量が多くなる。あるいは、電気モータ52mに電力が供給されると、電気モータ52mにより冷却水ポンプ52が駆動される。なお、冷却水ポンプ52からの冷却水量は電気モータ52mによる冷却水量とタービン52tによる冷却水量との合計と考えることができる。図示しない別の実施例では、冷却水ポンプ52は、タービン52tのみ、又は、タービン52tと、電気モータ52mとは異なる駆動源とにより駆動される。
分岐管49の出口下流のカソードオフガス管46内には希釈器80が設けられる。この希釈器80にはアノードオフガス管36の出口が連結される。希釈器80では、希釈器80から大気に排出されるガス中の燃料ガス濃度が許容値以下になるように、アノードオフガスに含まれる燃料ガスがカソードオフガスにより希釈される。なお、希釈器80に流入するカソードオフガスには、分岐管49からの酸化剤ガスも含まれる。
電子制御ユニット60はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス61によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)62、RAM(ランダムアクセスメモリ)63、CPU(マイクロプロセッサ)64、入力ポート65及び出力ポート66を具備する。ターボコンプレッサ44と分岐流れ制御弁48との間における酸化剤ガス供給管41には酸化剤ガス供給管41内の圧力を検出する圧力センサ70が取り付けられる。また、燃料電池スタック10内の冷却水通路50に隣接する冷却水供給管51には冷却水の温度を検出する温度センサ71が取り付けられる。圧力センサ70及び温度センサ71の出力信号は対応するAD変換器67を介して入力ポート65に入力される。一方、出力ポート66は対応する駆動回路68を介して遮断弁33、レギュレータ34、燃料ガスインジェクタ35、アノードオフガス制御弁37、ターボコンプレッサ44、カソードオフガス制御弁47、冷却水ポンプ駆動用電気モータ52m、及びラジエータバイパス制御弁55に電気的に接続される。
ところで、燃料電池スタック10で発電すべきときには遮断弁33及び燃料ガスインジェクタ35が開弁され、水素ガスが燃料電池スタック10に供給される。また、ターボコンプレッサ44が駆動され、空気が燃料電池スタック10に供給される。その結果、燃料電池単セルにおいて電気化学反応(H→2H+2e,(1/2)O+2H+2e→HO)が起こり、電気エネルギが発生される。この発生された電気エネルギはモータジェネレータ13に送られる。その結果、モータジェネレータ13が車両駆動用の電気モータとして作動され、電動車両が駆動される。一方、例えば車両制動時にはモータジェネレータ13が回生装置として作動し、このとき回生された電気エネルギは蓄電器14に蓄えられる。
図1に示される燃料電池システムAでは、発電すべきときには、例えばアクセルペダルの踏み込み量により表されるモータジェネレータ13の負荷及び蓄電器14の蓄電量に応じて燃料電池スタック10の目標電流値が求められる。次いで、燃料電池スタック10の出力電流値を目標電流値にするのに必要な燃料ガス量及び酸化剤ガス量、すなわち目標燃料ガス供給量及び目標酸化剤ガス供給量QOXSが求められる。次いで、燃料電池スタック10に送られる燃料ガス量が目標燃料ガス供給量となるようにレギュレータ34及び燃料ガスインジェクタ35が制御され、燃料電池スタック10に送られる酸化剤ガス量が目標酸化剤ガス供給量QOXSとなるようにターボコンプレッサ44及び分岐流れ制御弁48が制御される。
次に、図2及び図3を参照しながら、ターボコンプレッサ44から吐出される酸化剤ガス量の目標値、すなわち目標酸化剤ガス吐出量の算出方法について説明する。図2及び図3はターボコンプレッサ44の特性を示している。図2及び図3において、縦軸はターボコンプレッサ44の入口における圧力に対するターボコンプレッサ44の出口における圧力の比である圧力比を示しており、横軸はターボコンプレッサ44から吐出される酸化剤ガス量を示している。なお、ターボコンプレッサ44の入口における圧力は大気圧と考えることができる。一方、ターボコンプレッサ44の出口における圧力は圧力センサ70により検出されると共に、カソードオフガス制御弁47により制御される酸化剤ガス通路40内の圧力に応じて定まる。
図2を参照すると、圧縮比及び酸化剤ガス吐出量により定まるターボコンプレッサ44の作動状態領域がサージ領域SAと非サージ領域NSAとに区画される。サージ領域SAは、酸化剤ガス吐出量が限界吐出量QOXPLよりも少ない領域であり、ターボコンプレッサ44の作動状態がサージ領域SAに属するときにはサージングが発生するおそれがある。一方、非サージ領域NSAは、酸化剤ガス吐出量が限界吐出量QOXPLよりも多い領域であり、ターボコンプレッサ44の作動状態が非サージ領域NSAに属するときにはサージングが発生しない。なお、限界吐出量QOXPLは圧力比に応じて定まり、具体的には圧力比が大きくなるにつれて多くなる。
すなわち、ターボコンプレッサ44の作動状態がEaで表されるとき、すなわち圧力比がPraであり酸化剤ガス吐出量がQOXPaであるときには、ターボコンプレッサ44の作動状態Eaはサージ領域SA内に属する。一方、ターボコンプレッサ44の作動状態がEbで表されるとき、すなわち圧力比がPrbであり酸化剤ガス吐出量がQOXPbであるときには、ターボコンプレッサ44の作動状態Ebは非サージ領域NSA内に属する。
図3において、Esは、圧力比Pr1のもとでターボコンプレッサ44からの酸化剤ガス吐出量を上述した目標酸化剤ガス供給量QOXSに設定した場合のターボコンプレッサ44の作動状態を表しており、図3に示される例ではターボコンプレッサ44の作動状態Esはサージ領域SA内に属している。この場合、圧力比Pr1のもとで、目標酸化剤ガス供給量QOXSにサージング抑制のための余剰分ΔQOX1を加算したものを目標酸化剤ガス吐出量QOXPに設定すれば、このときのターボコンプレッサ44の作動状態Epは非サージ領域NSA内に属することになる。ここで、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1は例えば圧力比及び目標酸化剤ガス供給量QOXSの関数としてあらかじめ求められており、図4に示されるマップの形でROM62内にあらかじめ記憶されている。
そこで図1に示される燃料電池システムAでは、圧力比と目標酸化剤ガス供給量QOXSとにより定まるターボコンプレッサ44の作動状態Esがサージ領域SA内に属するか否かが判別され、ターボコンプレッサ44の作動状態Esがサージ領域SA内に属すると判別されたときには目標酸化剤ガス供給量QOXSに余剰分ΔQOXを加算することにより目標酸化剤ガス吐出量QOXPが算出される(QOXP=QOXS+ΔQOX)。この場合、図4のマップからサージング抑制のための余剰分ΔQOX1が算出され、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1が余剰分ΔQOXに設定される。これに対し、ターボコンプレッサ44の作動状態Esが非サージ領域NSA内に属すると判別されたときには目標酸化剤ガス吐出量QOXPが目標酸化剤ガス供給量QOXSに設定される。このようにすると、サージングの発生を抑制することができる。
目標酸化剤ガス吐出量QOXPが算出されると、ターボコンプレッサ44から実際に吐出される酸化剤ガス量が目標酸化剤ガス吐出量QOXPになるように、ターボコンプレッサ44が制御される。
なお、例えば燃料電池スタック10の運転が高負荷運転から低負荷運転に切り換えられた直後には、燃料電池スタック10が乾燥するおそれがある。これは、燃料電池スタック10の温度が比較的高く、また、低負荷運転時に燃料電池スタック10で生成される水の量が少ないからである。そこで図1に示される燃料電池システムAでは、燃料電池スタック10の乾燥を抑制する乾燥抑制制御が行われる。すなわち、カソードオフガス制御弁47の開度が一時的に小さくされる。その結果、カソードオフガスにより持ち去られる水の量が低減される。また、燃料電池スタック10の酸化剤ガス通路40内の圧力が高められ、酸化剤ガス通路40内で凝縮する水の量が増大される。このように酸化剤ガス通路40内の圧力が高められると、上述の圧力比が高められる。ところが、圧力比が高くなると、図2からわかるようにサージングが発生しやすくなる。そこで、図1に示される燃料電池システムAでは、圧力比を維持しつつ目標酸化剤ガス吐出量QOXPを目標酸化剤ガス供給量QOXSよりも多く設定することにより、サージングの発生を抑制している。
図3に示される例では、サージングの発生を抑制するために、目標酸化剤ガス吐出量QOXPが目標酸化剤ガス供給量QOXSよりも多く設定される。この場合、酸化剤ガスを目標酸化剤ガス吐出量QOXPだけ燃料電池スタック10に供給すると、すなわち目標酸化剤ガス供給量QOXSよりも多量の酸化剤ガスを燃料電池スタック10に供給すると、燃料電池スタック10の例えば膜電極接合体20が乾燥するおそれがある。
そこで図1に示される燃料電池システムAでは、酸化剤ガスが目標酸化剤ガス供給量QOXSだけ燃料電池スタック10に送られ、かつ、酸化剤ガスが余剰分ΔQOXだけ分岐管49内に流れ込むように、分岐流れ制御弁48が制御される。その結果、燃料電池スタック10の乾燥が抑制される。
この点、ターボコンプレッサ44から吐出された酸化剤ガスの一部が燃料電池スタック10に送られ、残りが分岐管49に送られる、という見方もできる。
このように分岐管49内に酸化剤ガスが流れ込むと、分岐管49内を流れる酸化剤ガスによりタービン52tが駆動される。その結果、冷却水ポンプ52が駆動される。したがって、分岐管49内を流れる酸化剤ガスのもつエネルギを有効利用することができる。
一方、図1に示される燃料電池システムAでは、燃料電池スタック10の温度を表す冷却水温が予め設定された目標温度範囲内に維持されるように冷却水ポンプ52からの冷却水量が制御される。具体的には、冷却水温をあらかじめ定められた目標温度範囲内に維持するのに必要な冷却水量、すなわち目標冷却水量QWが算出される。また、分岐管49内を流れる酸化剤ガス量に基づいてタービン52tによる冷却水量QWTが算出される。次いで、目標冷却水量QWからタービン52tによる冷却水量QWTを差し引くことにより、電気モータ52mによる冷却水量QWMが算出される(QWM=QW−QWT)。次いで、電気モータ52mによる実際の冷却水量がQWMになるように電気モータ52mが制御される。
なお、酸化剤ガスが分岐管49内に流れ込まない場合には、タービン52tは駆動されず、したがってタービン52tによる冷却水量QWTはゼロとなる。この場合、電気モータ52mによる冷却水量QWMが目標冷却水量QWになるように電気モータ52mが制御される。
図5は図1の燃料電池システムAにおける酸化剤ガス供給制御ルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。
図5を参照すると、ステップ100では目標酸化剤ガス供給量QOXSが算出される。続くステップ101では余剰分ΔQOXが算出される。続くステップ102では目標酸化剤ガス吐出量QOXPが算出される(QOXP=QOXS+ΔQOX)。続くステップ103では、ターボコンプレッサ44からの酸化剤ガス吐出量が目標酸化剤ガス吐出量QOXPになるようにターボコンプレッサ44が駆動される。続くステップ104では目標酸化剤ガス吐出量QOXPが目標酸化剤ガス供給量QOXSよりも多いか否かが判別される。QOXP>QOXSのときには次いでステップ105に進み、ターボコンプレッサ44から吐出された酸化剤ガスの一部、すなわち目標酸化剤ガス供給量QOXSの酸化剤ガスが燃料電池スタック10に供給され、かつ、ターボコンプレッサ44から吐出された酸化剤ガスの残り、すなわち余剰分ΔQOXの酸化剤ガスが分岐管49に供給されるように、分岐流れ制御弁48が制御される。これに対し、QOXP≦QOXSのときにはステップ104からステップ106に進み、ターボコンプレッサ44から吐出された酸化剤ガスの全量が燃料電池スタック10に供給されるように、分岐流れ制御弁48が制御される。
図6は図1の燃料電池システムAにおける余剰分ΔQOXの算出ルーチンを示している。このルーチンは例えば図5のステップ101で実行される。
図6を参照すると、ステップ200では圧力比と目標酸化剤ガス供給量QOXSとにより定まるターボコンプレッサ44の作動状態がサージ領域SA内に属するか否かが判別される。ターボコンプレッサ44の作動状態がサージ領域SA内に属するときには次いでステップ201に進み、図4のマップからサージング抑制のための余剰分ΔQOX1が算出される。次いでステップ203に進む。これに対し、ターボコンプレッサ44の作動状態が非サージ領域NSA内に属するときにはステップ200からステップ202に進み、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1がゼロに設定される。次いでステップ203に進む。ステップ203ではサージング抑制のための余剰分ΔQOX1が余剰分ΔQOXに設定される。
図7は図1の燃料電池システムAにおける冷却水供給制御ルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。
図7を参照すると、ステップ300では目標冷却水量QWが算出される。続くステップ301では、余剰分ΔQOXに基づいてタービン52tによる冷却水量QWTが算出される。続くステップ302では冷却水ポンプ駆動用電気モータ52mによる冷却水量QWMが算出される(QWM=QW−QWT)。続くステップ303では電気モータ52mによる実際の冷却水量がQWMになるように、電気モータ52mが駆動される。
次に、図1に示される燃料電池システムAの別の実施例を説明する。
例えば燃料電池スタック10に始動時には、燃料電池スタック10に多量の燃料ガスが送られ、それにより燃料電池スタック10が速やかに始動されるようにしている。この場合、アノードオフガス管36内には高濃度の燃料ガスが送り込まれ、それにより許容値を越える高濃度の燃料ガスが大気に排出されるおそれがある。
そこで図1に示される燃料電池システムAの別の実施例では、希釈器80から排出されるガス中の燃料ガス濃度が許容値を越えるか否かを判別し、燃料ガス濃度が許容値を越えると判別されたときには、目標酸化剤ガス吐出量QOXPを目標酸化剤ガス供給量QOXSよりも希釈のための余剰分ΔQOX2だけ多く設定している。その上で、希釈のための余剰分ΔQOX2を分岐管49に送り込み、それによって希釈器80に送り込まれるカソードオフガス量が増大するようにしている。ここで、希釈のための余剰分ΔQOX2は希釈器80から排出されるガス中の燃料ガス濃度を許容値以下にするのに必要な酸化剤ガス量であり、例えば目標酸化剤ガス供給量QOXS及び目標燃料ガス供給量QFSの関数として図8に示されるマップの形でROM62内にあらかじめ記憶されている。その結果、希釈器80から排出される燃料ガス濃度を許容値以下に維持することができる。このとき、分岐管49内を流れる酸化剤ガスによりタービン52tが駆動され、したがってエネルギを有効利用することができる。なお、希釈器80から排出される燃料ガス濃度が許容値を越えるか否かは、例えば目標酸化剤ガス供給量QOXS及び目標燃料ガス供給量QFSに基づいて判別される。図示しない別の実施例では、希釈器80下流のカソードオフガス管46に設けられた燃料ガス濃度センサの出力に基づいて判別される。
一方、燃料ガス濃度が許容値を越えないと判別されたときには、希釈のための余剰分ΔQOX2はゼロに設定される。この場合、酸化剤ガスは分岐管49内に送り込まれない。
図1に示される燃料電池システムAの別の実施例でも、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1が図4のマップから算出される。その上で、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1と、希釈のための余剰分ΔQOX2とが比較され、多い方が余剰分ΔQOXに設定される。すなわち、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1が希釈のための余剰分ΔQOX2よりも多いときには、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1が余剰分ΔQOXに設定される。これに対し、希釈のための余剰分ΔQOX2がサージング抑制のための余剰分ΔQOX1よりも多いときには、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1が余剰分ΔQOXに設定される。このようにすると、サージングの発生を抑制しつつ、燃料ガス濃度を許容値以下に維持することができ、同時に、余剰分ΔQOXが過剰に多くなるのが抑制される。
図9は、図1に示される燃料電池システムAの別の実施例における余剰分ΔQOXの算出ルーチンを示している。このルーチンは例えば図5のステップ101で実行される。
図9を参照すると、ステップ200では圧力比と目標酸化剤ガス供給量QOXSとにより定まるターボコンプレッサ44の作動状態がサージ領域SA内に属するか否かが判別される。ターボコンプレッサ44の作動状態がサージ領域SA内に属するときには次いでステップ201に進み、図4のマップからサージング抑制のための余剰分ΔQOX1が算出される。次いでステップ200aに進む。これに対し、ターボコンプレッサ44の作動状態が非サージ領域NSA内に属するときにはステップ200からステップ202に進み、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1がゼロに設定される。次いでステップ200aに進む。ステップ200aでは、希釈器80から排出される燃料ガス濃度が許容値を越えるか否かが判別される。燃料ガス濃度が許容値を越えると判別されたときには次いでステップ201aに進み、図8のマップから希釈のための余剰分ΔQOX2が算出される。次いでステップ203aに進む。これに対し、燃料ガス濃度が許容値を越えないと判別されたときにはステップ200aからステップ202aに進み、希釈のための余剰分ΔQOX2がゼロに設定される。次いでステップ203aに進む。ステップ203aでは、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1と、希釈のための余剰分ΔQOX2とのうち多いほうが余剰分ΔQOXに設定される。なお、図9において、関数M(x,y)はxとyとのうち大きい方を示すものである。
次に、図1に示される燃料電池システムAの更に別の実施例を説明する。
コストや設置空間のことを考えると、冷却水ポンプ駆動用電気モータ52mとして、電気モータの能力、すなわち電気モータによる冷却水量の最大値ができるだけ少ない電気モータを用いるのが好ましい。ところが、最大冷却水量QWMMが少ない電気モータ52mを用いると、目標冷却水量QWが電気モータ52mによる最大冷却水量QWMMよりも多くなるおそれがある。すなわち、目標冷却水量QWを電気モータ52mのみにより賄えないおそれがある。
そこで図1に示される燃料電池システムAの更に別の実施例では、目標冷却水量QWが電気モータ52mによる最大冷却水量QWMMよりも多いか否かを判別し、目標冷却水量QWが電気モータ52mによる最大冷却水量QWMMよりも多いときには、目標酸化剤ガス吐出量QOXPを目標酸化剤ガス供給量QOXSよりも冷却水増量のための余剰分ΔQOX3だけ多く設定している。その上で、冷却水増量のための余剰分ΔQOX3を分岐管49に送り込み、それによってタービン52tによる冷却水量が増大するようにしている。ここで、電気モータ52mによる冷却水量QWMを最大冷却水量QWMMに設定した場合には、冷却水増量のための余剰分ΔQOX3は、タービン52tによる冷却水量QWTを冷却水の不足分(=QW−QWMM)にするのに必要な酸化剤ガス量であり、例えば目標酸化剤ガス供給量QOXS及び目標冷却水量QWの関数として図10に示されるマップの形でROM62内にあらかじめ記憶されている。その結果、冷却水ポンプ52からの冷却水量を目標冷却水量QWに一致させることができ、燃料電池スタック10の温度を目標温度範囲内に維持することができる。このとき、分岐管49内を流れる酸化剤ガスによりタービン52tが駆動され、したがってエネルギを有効利用することができる。
一方、目標冷却水量QWが電気モータ52mによる最大冷却水量QWMMよりも少ないときには、冷却水増量のための余剰分ΔQOX3はゼロに設定される。この場合、酸化剤ガスは分岐管49内に送り込まれない。
図1に示される燃料電池システムAの更に別の実施例でも、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1が図4のマップから算出される。その上で、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1と、冷却水増量のための余剰分ΔQOX3とが比較され、多い方が余剰分ΔQOXに設定される。このようにすると、サージングの発生を抑制しつつ、燃料電池スタック10の温度を目標温度範囲内に維持することができ、同時に、余剰分ΔQOXが過剰に多くなるのが抑制される。
図11は、図1に示される燃料電池システムAの更に別の実施例における余剰分ΔQOXの算出ルーチンを示している。このルーチンは例えば図5のステップ101で実行される。
図11を参照すると、ステップ200では圧力比と目標酸化剤ガス供給量QOXSとにより定まるターボコンプレッサ44の作動状態がサージ領域SA内に属するか否かが判別される。ターボコンプレッサ44の作動状態がサージ領域SA内に属するときには次いでステップ201に進み、図4のマップからサージング抑制のための余剰分ΔQOX1が算出される。次いでステップ200bに進む。これに対し、ターボコンプレッサ44の作動状態が非サージ領域NSA内に属するときにはステップ200からステップ202に進み、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1がゼロに設定される。次いでステップ200bに進む。ステップ200bでは、目標冷却水量QWが電気モータ52mによる最大冷却水量QWMMよりも多いか否かが判別される。QW>QWMMのときには次いでステップ201bに進み、図10のマップから冷却水増量のための余剰分ΔQOX3が算出される。次いでステップ203bに進む。これに対し、QW≦QWMMのときにはステップ200bからステップ202bに進み、冷却水増量のための余剰分ΔQOX3がゼロに設定される。次いでステップ203bに進む。ステップ203bでは、サージング抑制のための余剰分ΔQOX1と、冷却水増量のための余剰分ΔQOX3とのうち多いほうが余剰分ΔQOXに設定される。
なお、図1に示される燃料電池システムAの更に別の実施例において、燃料電池スタック10で発電すべきでないとき、すなわち目標酸化剤ガス供給量QOXSがゼロのときに、目標酸化剤ガス吐出量QOXPが目標酸化剤ガス供給量QOXSよりも余剰分ΔQOXだけ多く設定された場合には、ターボコンプレッサ44から吐出されたすべての酸化剤ガスが分岐管49内に送り込まれるということになる。
次に、図12を参照して、本発明による別の実施例の燃料電池システムAについて説明する。以下では、図1に示される燃料電池システムAとの相違点について説明する。
図12を参照すると、燃料電池システムAは、タービン52t上流の分岐管49から分岐する追加の分岐管49aと、追加の分岐管49a内へ流れ込む酸化剤ガスの量を制御する追加の分岐流れ制御弁48aと、を更に備える。
追加の分岐管49aの入口は、分岐流れ制御弁48とタービン52tとの間の分岐管49に連結される。図12に示される燃料電池システムAでは、追加の分岐管49aの出口は、タービン52t下流の分岐管49に連結される。図12に示される燃料電池システムAでは追加の分岐流れ制御弁48aは三方弁から形成され、追加の分岐管49aの入口に配置される。その結果、分岐管49を流れる酸化剤ガスの少なくとも一部はタービン52tへ向かわずに追加の分岐管49aに流入できる。すなわち、酸化剤ガスの少なくとも一部はタービン52tを迂回できる。
図12に示される燃料電池システムAでも、図1に示される燃料電池システムAと同様に、目標酸化剤ガス吐出量QOXPが目標酸化剤ガス供給量QOXSよりも多く設定され、それにより余剰分ΔQOXが分岐管49に送り込まれる。ところが、図1に示される燃料電池システムAでは、余剰分ΔQOXの酸化剤ガスが分岐管49に送り込まれたときには、常にタービン52tが駆動され、したがって常に冷却水ポンプ52が駆動される。このため、燃料電池スタック10を冷却する必要がない場合、すなわち冷却水ポンプ52を駆動する必要がない場合であっても、冷却水ポンプ52が駆動されるおそれがある。
そこで図12に示される燃料電池システムAでは、分岐管49内に流れ込んだ酸化剤ガスによりタービン52tを駆動すべきか否かが判別され、分岐管49内の酸化剤ガスによりタービン52tを駆動すべきでないときには、分岐管49内の酸化剤ガスの全量が追加の分岐管49a内に流れ込むように、追加の分岐流れ制御弁48aが制御される。その結果、タービン52tが駆動されず、したがって燃料電池スタック10が過度に冷却されるのが阻止される。また、ターボコンプレッサ44の負荷が低減され、したがってターボコンプレッサ44の消費電力が低減される。
一方、分岐管49内の酸化剤ガスによりタービン52tを駆動すべきときには、分岐管49内の酸化剤ガスの一部又は全部がタービン52tに送られるように、追加の分岐流れ制御弁48aが制御される。その結果、エネルギを有効利用することができる。
なお、分岐管49内に流れ込んだ酸化剤ガスによりタービン52tを駆動すべきか否かは、例えば燃料電池スタック10の温度に基づいて判別される。また、分岐管49内の酸化剤ガスによりタービン52tを駆動すべきときにタービン52tに送られる酸化剤ガスの量は、例えば燃料電池スタック10の温度に基づいて算出される。
図13は、図12に示される燃料電池システムAにおける酸化剤ガス供給制御のルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。
図13を参照すると、ステップ100では目標酸化剤ガス供給量QOXSが算出される。続くステップ101では余剰分ΔQOXが算出される。続くステップ102では目標酸化剤ガス吐出量QOXPが算出される(QOXP=QOXS+ΔQOX)。続くステップ103では、ターボコンプレッサ44からの酸化剤ガス吐出量が目標酸化剤ガス吐出量QOXPになるようにターボコンプレッサ44が駆動される。続くステップ104では目標酸化剤ガス吐出量QOXPが目標酸化剤ガス供給量QOXSよりも多いか否かが判別される。QOXP>QOXSのときには次いでステップ105に進み、ターボコンプレッサ44から吐出された酸化剤ガスの一部、すなわち目標酸化剤ガス供給量QOXSの酸化剤ガスが燃料電池スタック10に供給され、かつ、ターボコンプレッサ44から吐出された酸化剤ガスの残り、すなわち余剰分ΔQOXの酸化剤ガスが分岐管49に供給されるように、分岐流れ制御弁48が制御される。次いでステップ107に進む。これに対し、QOXP≦QOXSのときにはステップ104からステップ106に進み、ターボコンプレッサ44から吐出された酸化剤ガスの全量が燃料電池スタック10に供給されるように、分岐流れ制御弁48が制御される。
ステップ107では、分岐管49内の酸化剤ガスによりタービン52tを駆動すべきか否かが判別される。分岐管49内の酸化剤ガスによりタービン52tを駆動すべきでないときにはステップ108に進み、分岐管49内の酸化剤ガスの全量が追加の分岐管49a内に送られるように、追加の分岐流れ制御弁48aが制御される。これに対し、分岐管49内の酸化剤ガスによりタービン52tを駆動すべきときにはステップ107からステップ109に進み、分岐管49内の酸化剤ガスの一部又は全量がタービン52tに送られるように、追加の分岐流れ制御弁48aが制御される。
なお、図13のステップ101では、図6、図9、又は図11に示される余剰量算出ルーチンが実行される。
次に、図14を参照して、本発明による更に別の実施例の燃料電池システムAについて説明する。図14に示される実施例では燃料電池システムAは、分岐管49の出口がカソードオフガス管46に連結されておらず、大気に開放されている点で、図1に示される実施例と相違している。この場合にも、図1の実施例と同様の効果を得ることができる。
次に、図15を参照して、本発明による更に別の実施例の燃料電池システムAについて説明する。図15に示される実施例では燃料電池システムAは、分岐管49bの出口がカソードオフガス管46に連結されておらず、大気に開放されている点で、図12に示される実施例と相違している。この場合にも、図12の実施例と同様の効果を得ることができる。
次に、図16を参照して、本発明による更に別の実施例の燃料電池システムAについて説明する。図16に示される実施例では燃料電池システムAは、追加の分岐管49aの出口が分岐管49に連結されておらず、大気に開放されている点で、図15に示される実施例と相違している。この場合にも、図15の実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、図14から図16に示される燃料電池システムAには、図8及び図9を参照して説明した実施例は適用されない。
A 燃料電池システム
10 燃料電池スタック
41 酸化剤ガス供給管
44 ターボコンプレッサ
48 分岐流れ制御弁
49 分岐管
49a 追加の分岐管
48a 追加の分岐流れ制御弁
51 冷却水供給管
52 冷却水ポンプ
52t タービン

Claims (4)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、
    前記酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、
    前記ターボコンプレッサ下流の前記酸化剤ガス供給管から分岐する分岐管と、
    前記酸化剤ガス供給管から前記分岐管内へ流れ込む酸化剤ガスの量を制御する分岐流れ制御弁と、
    前記分岐管内に配置され、前記分岐管内を流れる酸化剤ガスにより駆動されるタービンと、
    前記燃料電池スタック内に形成された冷却水通路に連結された冷却水供給管と、
    前記冷却水供給管内に配置され、冷却水を送出する冷却水ポンプであって、少なくとも前記タービンにより駆動される冷却水ポンプと、
    を備えた、燃料電池システム。
  2. 前記タービン上流の前記分岐管から分岐する追加の分岐管と、前記追加の分岐管内へ流れ込む酸化剤ガスの量を制御する追加の分岐流れ制御弁と、を更に備えた、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、
    前記酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、
    前記ターボコンプレッサ下流の前記酸化剤ガス供給管から分岐する分岐管と、
    前記酸化剤ガス供給管から前記分岐管内へ流れ込む酸化剤ガスの量を制御する分岐流れ制御弁と、
    前記分岐管内に配置され、前記分岐管内を流れる酸化剤ガスにより駆動されるタービンと、
    前記燃料電池スタック内に形成された冷却水通路に連結された冷却水供給管と、
    前記冷却水供給管内に配置され、冷却水を送出する冷却水ポンプであって、少なくとも前記タービンにより駆動される冷却水ポンプと、
    を備えており、
    前記ターボコンプレッサから吐出された酸化剤ガス量の少なくとも一部が前記分岐管内に流れ込むように前記分岐流れ制御弁を制御し、それにより前記タービンを駆動して前記冷却水ポンプを駆動する、燃料電池システムの制御方法。
  4. 前記タービン上流の前記分岐管から分岐する追加の分岐管と、前記追加の分岐管内に流れ込む酸化剤ガスの量を制御する追加の分岐流れ制御弁と、を更に備えており、
    前記分岐管内に流れ込んだ酸化剤ガスの少なくとも一部が前記追加の分岐管内に流れ込むように前記追加の分岐流れ制御弁を制御する、請求項3に記載の燃料電池システムの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018085835A (ja) * 2016-11-22 2018-05-31 三菱自動車工業株式会社 燃料電池を備えた電動車両
JP2019133830A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP2019133915A (ja) * 2017-12-07 2019-08-08 トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイテッド 燃料電池空気システム安全動作領域

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