JP2016007856A - 伸縮性部材に接着された固形物を含む製品 - Google Patents

伸縮性部材に接着された固形物を含む製品 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な接着強度での固形物の伸縮性部材への接着の提供。【解決手段】少なくとも200%の伸度を有する伸縮性部材と、該伸縮性部材にホットメルト接着剤で接着された少なくとも2つの固形物とを含む製品。前記2の固形物間の間隔が約1〜4mmであり、前記2の固形物はいずれも、2.5?106Pa以上の接着力、より好ましくは2.7?106Pa以上の接着力、更に好ましくは3.0?106Pa以上の接着力、特に好ましくは3.5?106Pa以上の接着力で接着された、耐用性に優れた伸縮性部材と固形物。【選択図】なし

Description

本発明は、伸縮性部材に強固に接着された固形物を含む製品に関する。
装飾用の固形物を製品の表面に接着した装飾品は多数存在する。この接着においては、使用に耐えるだけの接着強度があることや、装飾品としての意匠性を損なわないように接着箇所が外部から見えないことなどが要求される。
特許文献1は、布や皮革等の柔軟な平面形状を有する部材への、固形物の接着を記載する。特許文献1においては、皮革とクリスタルガラスとを十分な強度で、かつ接着剤による皮革の外観の劣化なく接着する方法を記載する。
ところで、ヘアバンドやブレスレット等の装飾品において、ゴムのような高い伸縮性を有する伸縮性部材に、装飾用の固形物を接着させた装飾品が多数市販されている。しかしながら、装飾用の固形物を接着させた装飾品として市販するためには、繰り返しの洗浄、他の部材との接触による摩擦、他の部材との衝突等に十分に耐え得る接着力で固形物を接着することが求められる。理論に束縛されることを意図しないが、本発明者らは、2.5×10Paを超える接着力が、装飾用の固形物を接着させた装飾品として市販するために少なくとも好ましく、それを超えて2.7×10Pa、または3.0×10Pa以上の接着力がさらに好ましいと考えていた。
しかしながら、伸縮性部材への固形物の接着においては、伸縮性部材における接着面自体が伸縮してしまうことから、これらの接着力を達成することは困難であった。さらに、伸縮性部材の断面が円形の場合、より固形物が剥がれやすくなり、これらの接着力を達成することはさらに困難であった。その結果、現在の市販品はいずれも、固形物の伸縮性部材への接着強度は十分なものではなく、満足できる耐用性のものではなかった。特許文献1にも、ゴムのような高い伸縮性を有する伸縮性部材への固形物の接着は記載されていなかった。
特開2002−249729号公報
したがって、本発明は、十分な接着強度での固形物の伸縮性部材への接着を提供することを課題とする。
本発明者らは、高い伸縮性を有する伸縮性部材に、十分な接着強度で固形物を接着できることを予想外に発見し、上記課題を解決した。本発明によれば、2.5×10Pa以上の接着力、より好ましくは2.7×10Pa以上の接着力、さらに好ましくは3.0×10Pa以上の接着力、特に好ましくは3.5×10Pa以上の接着力という、耐用性に優れた伸縮性部材と固形物との接着が提供される。
上記の接着力は、略円形の断面を有し、かつ接着面が平面とはならない伸縮性部材に対しても達成される点が予想外であった。
1つの局面において、本発明は、少なくとも200%の伸度を有する伸縮性部材と、その伸縮性部材にホットメルト接着剤で接着された固形物とを含む製品を提供する。
1つの実施形態において、上記固形物は、2.5×10Pa以上の接着力で上記伸縮性部材に接着される。
別の実施形態において、上記固形物は、2.7×10Pa以上の接着力で上記伸縮性部材に接着される。
なお別の実施形態において、上記固形物は、3.0×10Pa以上の接着力で上記伸縮性部材に接着される。
さらに別の実施形態において、上記固形物は、3.5×10Pa以上の接着力で前記伸縮性部材に接着される。
1つの実施形態において、上記固形物と上記伸縮性部材の剥離時の、その伸縮性部材の伸度は200%以上である。
1つの実施形態において、上記伸縮性部材の断面は略円形である。
1つの実施形態において、上記伸縮性部材の断面の直径は3〜10mmである。
別つの実施形態において、上記伸縮性部材の断面の直径は3〜6mmである。
別つの実施形態において、上記伸縮性部材の断面の直径は4〜5mmである。
1つの実施形態において、本発明は、少なくとも2つの固形物を含み、その固形物間の間隔は1〜4mmである。
別の実施形態において、上記間隔が1〜2mmである。
1つの実施形態において、上記伸縮性部材はゴムである。
1つの実施形態において、上記固形物はクリスタルガラスである。
本発明によれば、十分な接着強度で固形物をゴムのような高い伸縮性を有する伸縮性部材に接着することができる。具体的には、本発明によれば、2.5×10Pa以上の接着力、より好ましくは2.7×10Pa以上の接着力、さらに好ましくは3.0×10Pa以上の接着力、特に好ましくは3.5×10Pa以上の接着力での、耐用性に優れた伸縮性部材と固形物との接着が提供される。
また、伸縮性部材が、断面略円形のような固形物の接着が困難な部材であっても、上記の高い接着力が提供される。
さらに、伸縮性部材に固形物を1〜4mm程度の小さな距離の間隔で複数接着した場合でも、上記の高い接着力が提供される。
図1は、本発明のクリスタルガラスのゴムへの接着を示す模式図である。 図2は、従来のクリスタルガラスのゴムへの接着を示す模式図である。 図3は、剥離強度を測定を示す模式図である。 図4は、従来の製品のジャングルテストにおける、クリスタルガラスのゴムからの脱落を示す図である。 図5は、本発明の製品のデマッチャ試験の結果を示す図である。 図6Aは、クリスタルガラスを接着したゴムを伸長した状態を示す。 図6Bは、クリスタルガラスを接着したゴムを伸長していない状態を示す。
以下に本発明を、必要に応じて、添付の図面を参照して例示の実施例により説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきではない。本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行なうことができることは、当業者に明らかである。
本発明は、高い伸縮性を有する伸縮性部材と固形物との十分な接着強度での接着を提供する。ヘアバンドやブレスレット等の装飾品において、ゴムのような高い伸縮性を有する伸縮性部材に、装飾用の固形物を接着させた装飾品は多数市販されているが、現在の市販品はいずれも、伸縮を繰り返すと固形物は伸縮性部材から外れてしまうような、十分な接着強度を有するものではなかった。
(定義)
本明細書において「伸縮性部材」とは、200%以上の伸度を有する任意の部材をいう。
本明細書において「伸度」とは、引っ張り力を与えない平常時から一定の引っ張り力を与えた時の、破断せずに伸びる度合いを相対的に示す指標である。
本明細書において「ゴム」とは、天然および合成の両方のゴム化合物またはそれらの組み合わせを意味する。
本明細書において「固形物」とは、室温下で容易に変形しない固定形状を有する任意の部材をいう。
本明細書において「接着剤」とは、伸縮性部材と固形物とを接着する任意の物質をいう。
本明細書において「ホットメルト接着剤」とは、加熱することにより液状となり流動性を示し、冷却すると固体に戻る任意の接着剤をいう。
本明細書において「固形物間の間隔」とは、ある固形物と別の固形物との間の最小の距離をいう。
本明細書において「略円形」とは、緩やかな曲線により閉じられた任意の形状をいい、真円や楕円に限定されない。
本明細書において、伸縮性部材と固形物との「接着力」とは、伸縮性部材のほぼ中央部に固形物を接着し、この伸縮性部材の端部をそれぞれ固定し、室温(25℃)雰囲気下でその固形物をヘッドスピード300mm/分で引っ張ったときの、上記固形物と上記伸縮性部材とが剥離する引張力(Pa)をいう。図3を参照のこと。
本明細書において、固形物と伸縮性部材の「剥離時の伸縮性部材の伸度」とは、伸縮性部材のほぼ中央部に固形物を接着し、この伸縮性部材の両端部をそれぞれ固定し、室温(25℃)雰囲気下でその固形物をヘッドスピード300mm/分で引っ張り、上記固形物と上記伸縮性部材とが剥離したときの伸縮性部材の伸度(%)をいう。
本明細書において、「固形物や伸縮性部材に影響しない」とは、固形物または伸縮性部材を溶解も、変性も、または劣化もせず、固形物または伸縮性部材の物理的特性を変更しないことをいう。
本明細書における「約」とは、後に続く数字の±10%の範囲内をいう。
(伸縮性部材)
本発明において、伸縮性部材は、200%以上の伸度を有する任意の部材である。好ましい実施形態において、本発明の伸縮性部材は210%以上、220%以上、230%以上、240%以上、250%以上、260%以上、270%以上、280%以上、290%以上、300%以上、310%以上、320%以上、330%以上、340%以上または350%以上の伸度を有する。
好ましい実施形態において、本発明の伸縮性部材はゴムである。
本発明の伸縮性部材は、伸縮性の被覆層で被覆されていてもよいし、被覆されていなくてもよい。好ましい実施形態において、本発明の伸縮性部材は、伸縮性の被覆層で被覆されたゴムである。この被覆層は、伸縮性部材の上記伸度を達成できるものであればどのようなものであってもよいが、好ましくはポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン)製であり、より好ましくは、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン)の繊維を加工して羊毛のような感触をもたせた、いわゆるウーリーナイロンと呼ばれる繊維製である。
上記ゴムとしては、各種合成ゴムや天然ゴムを使用することができる。例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンーブタジエンゴム、イソブチレンーイソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンープロピレン・コポリマー、エチレンープロピレンージェン・コポリマー、アルリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンー酢酸ビニル・コポリマー等が挙げられる。これらを2種以上組み合わせたものも使用することができる。
ある実施形態において、本発明の伸縮性部材は、その断面が略円形の部材である。断面が略円形の部材に、固形物(特に、伸縮性部材との接着面が平面であるようなもの)を接着する際に高い接着強度を提供することができるとは、本願発明以前には知られていなかった。したがって、本願発明は、断面が略円形の伸縮性部材に、固形物(特に、伸縮性部材との接着面が実質的に平面であるようなもの)を、十分に高い接着力(例えば、2.5×10Pa以上の接着力、より好ましくは2.7×10Pa以上の接着力、さらに好ましくは3.0×10Pa以上の接着力、特に好ましくは3.5×10Pa以上の接着力)で接着することを可能にした点が顕著であり、予想外であった。なお、本明細書における略円形とは、緩やかな曲線により閉じられた任意の形状をいい、真円や楕円に厳密に限定されるものでない点に留意されたい。
本発明の断面が略円形の伸縮性部材の直径は、代表的には約3mm〜約10mmであり、好ましい実施形態では、約3mm〜約6mmであり、より好ましい実施形態では約4mm〜約5mmである。
(固形物)
本発明の固形物は、一定の形状を有するものであれば任意の物質であってよいが、特には装飾用のクリスタルガラス、宝石等である。
本発明の固形物の大きさは任意であるが、一般には一辺が約10mmの立方体に収まる程度の大きさである。典型的には、一辺が約5mmの立方体に収まる程度の大きさ(例えば直径約1〜約3mm程度のクリスタルガラス)である。
1つの実施形態において、本発明の固形物においては、伸縮性部材との接着面が実質的に平面である。なお、本明細書における「実質的に平面」とは、全くの平坦面に限られず、連続的に連なっていれば緩やかな曲面をも包含するものである点に留意されたい。
本発明の固形物の接着面の「直径」とは、接着面における異なる二点の最大の長さをいう。
(接着剤)
本発明の接着剤はホットメルト接着剤である。ホットメルト接着剤としては、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)系接着剤、ポリエチレン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイソブチレン系接着剤、ポリエステル系接着剤などがあげられる。
(接着力)
本明細書において、伸縮性部材と固形物との「接着力」とは、接着された固形物を挟む2点において伸縮性部材を固定し、室温(25℃)の雰囲気下において、上記固形物をヘッドスピード300mm/分で引っ張ったときの、上記固形物と上記伸縮性部材とが剥離する引張力(Pa)をいう。
具体的には、伸縮性部材のほぼ中央部に固形物を接着し、この伸縮性部材の端部をそれぞれ固定する(図3)。そして、固形物を治具で保持し、25℃の雰囲気下において、300mm/分の速度でその固形物を図3の矢印aの方向へ引張り、固形物の伸縮性部材からの剥離時の強度を測定する。
装飾用の固形物を接着させた装飾品として市販するためには、繰り返しの洗浄、他の部材との接触による摩擦、他の部材との衝突等に十分に耐え得る接着力で固形物を接着することが求められる。理論に束縛されることを意図しないが、本発明者らは、2.5×10Paを超える接着力が、装飾用の固形物を接着させた装飾品として市販するために少なくとも好ましく、それを超えて2.7×10Pa、または3.0×10Pa以上の接着力がさらに好ましいと考えていた。しかしながら、伸縮性部材への固形物の接着においては、伸縮性部材における接着面自体が伸縮してしまうことから、これらの接着力を達成することは困難であった。さらに、伸縮性部材の断面が円形の場合、より固形物が剥がれやすくなり、これらの接着力を達成することはさらに困難であった。
本発明によれば、十分な接着強度で固形物をゴムのような高い伸縮性を有する伸縮性部材に接着することができる。具体的には、本発明によれば、2.5×10Pa以上の接着力、より好ましくは2.7×10Pa以上の接着力、さらに好ましくは3.0×10Pa以上の接着力、特に好ましくは3.5×10Pa以上の接着力での、耐用性に優れた伸縮性部材と固形物との接着が提供される。より具体的には、本発明によれば、2.5×10Pa以上、2.6×10Pa以上、2.7×10Pa以上、2.8×10Pa以上、2.9×10Pa以上、3.0×10Pa以上、3.1×10Pa以上、3.2×10Pa以上、3.3×10Pa以上、3.4×10Pa以上または3.5×10Pa以上の接着力での、耐用性に優れた伸縮性部材と固形物との接着が提供される。
また、伸縮性部材が、断面略円形のような固形物の接着が困難な部材であっても、上記の高い接着力が提供される。
さらに、伸縮性部材に固形物を1〜4mm程度の小さな距離の間隔で複数接着した場合でも、上記の高い接着力が提供される。
(製造方法)
本発明の製品の製造方法を図1に示す。なお、図1においては、固形物としてクリスタルガラスを、伸縮性部材として断面が略円形で伸度が280%の合成ゴムを例として記載している。
固形物の底面にホットメルト接着剤を塗布する。図1(A)に示すように、底面にホットメルト接着剤が塗布された固形物を、伸縮性部材にノズルを用いて押圧する。この段階ではホットメルト接着剤は固化しており、固形物と伸縮性部材とは接着されない。
図1(B)に示すように、固形物をノズルで伸縮性部材に対して押圧しながら、内部温度をホットメルト接着剤の融点以上に加熱する。
この加熱は、ホットメルト接着剤が溶融し、かつゴムやクリスタルガラスに影響しない温度であればどのようなものであってもよいが、一般的には、約130℃〜約200℃、より代表的には約150℃〜約180℃である。
加熱時の固形物の伸縮性部材に対する押圧の力は、固形物を伸縮性部材の所望の位置に位置決めし、かつ固形物や伸縮性部材を破損させない任意の力であってよい。
上記加熱の時間は、ホットメルト接着剤の十分な溶融が達成され、かつ固形物や伸縮性部材に影響しない任意の時間であってよい。加熱時間は、代表的には約10秒以内であり、より代表的には約2〜約5秒である。
続いて、図1(C)に示すように、ノズルで固形物を伸縮性部材に対して押圧しながら、急速に冷却してホットメルト接着剤を固化させる。ここで、固形物の押圧は、固形物を適切な方向かつ意図した圧力で伸縮性部材に押圧することができる任意の手段によって行うことができ、この手段としては、例えば、ノズル、冶具での把持、エアーの吹付またはエアーによる吸引等が挙げられるが、これらに限定されない。
冷却時の固形物の伸縮性部材の押圧は、好ましくは、約2kg重/cm〜約10kg重/cmの力で行われ、代表的には約5kg重/cmの力で行われる。
上記の冷却は、溶融したホットメルト接着剤を急速に固化させることが可能であり、かつ固形物や伸縮性部材に影響しない任意の温度および時間で行うことができる。
常温環境下ではホットメルト接着剤の温度は急速に下がる。本発明においては、加圧した状態でホットメルト接着剤を固化させることが重要であり、加圧前に冷却が始まっては接着強度が弱くなる。したがって、十分な接着強度を確保するために、図1(B)の加熱ステップから図1(C)の冷却ステップには約2秒以内、好ましくは約1秒以内に、より好ましくは約0.5秒で移送する。
(他の実施形態)
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
(実施例1 固形物の伸縮性部材への接着)
図1に示すように、細長いゴム11の中央部にクリスタルガラス10を配置し、このクリスタルガラス10をホットメルト接着剤13でゴム11に接着した。
クリスタルガラス10は、底面の直径が約5mmのものであった。このゴム11は直径約5mmの断面が略円形の合成ゴムであり、伸度は280%であった。接着剤は任意のホットメルト接着剤であってよいが、本実施例では融点が約130℃の高密度ポリエチレン系接着剤を用いた。
図1(A)に示すように、底面にホットメルト接着剤13が塗布されたクリスタルガラス10を、ゴム11にノズル12で押圧した。この段階ではホットメルト接着剤13は固化している状態である。
図1(B)に示すように、クリスタルガラス10をノズル12でゴム11に対して押圧しながら、内部温度150〜180℃に加熱したヒーター15内に約2〜5秒間入れた。これにより、ホットメルト接着剤13は150℃〜180℃に加熱され、クリスタルガラス10とゴム11との間で溶融した。
続いて、図1(C)に示すように、ノズル12でクリスタルガラス10をゴム11に対して約5kg重/cmで押圧しながら、急速に冷却してホットメルト接着剤13を固化させた。なお、図1(B)のステップ終了後約1秒以内に図1(C)のステップに移行することが好ましい。
上記のようにして、クリスタルガラスがゴムに接着された製品を得た。接着後のクリスタルガラスおよびゴムは、外部から接着の跡がまったく見えず、美しい外観を有した。
(比較例1)
実施例1と同様に、クリスタルガラスおよびゴムを使用して、クリスタルガラスをゴムに接着した。このゴムは直径約5mmの断面が略円形の合成ゴムであり、伸度は280%であった。
比較例1においては、当該分野で一般的に行われているように、底面にホットメルト接着剤が塗布されたクリスタルガラスをゴムに押圧しながら、超音波振動を与えることによってホットメルト接着剤を溶融させ、その後ホットメルト接着剤を常温で固化させることによって、クリスタルガラスをゴムに接着した。この超音波振動装置の仕様は、入力電圧が200V、入力電流が15A、出力電力が1200W、振動周波数が19.15kHzであった。
比較例1のクリスタルガラスがゴムに接着された製品では、接着剤がクリスタルガラス底面からはみ出し、外部から接着の跡が視認されてしまい、実施例1の製品と比較して外観が損なわれていた。
(比較例2)
実施例1と同様に、クリスタルガラスおよびゴムを使用して、クリスタルガラスをゴムに接着した。このゴムは直径約5mmの断面が略円形の合成ゴムであり、伸度は280%であった。
しかしながら、本比較例では、実施例1とは異なり、クリスタルガラスのゴムへの押圧を、ノズルではなく加圧用板状部材を用いて行った。
図2(A)に示すように、底面にホットメルト接着剤23が塗布されたクリスタルガラス20を、ゴム21にノズル22で押圧した。この段階ではホットメルト接着剤23は固化している状態である。
図2(B)に示すように、クリスタルガラス20を加圧用板状部材22でゴム21に対して押圧しながら、内部温度150〜180℃に加熱したヒーター15内に約2〜5秒間入れた。これにより、ホットメルト接着剤23は150℃〜180℃に加熱され、クリスタルガラス20とゴム21との間で溶融した。
続いて、図2(C)に示すように、加圧用板状部材22でクリスタルガラス20をゴム21に対して約5kg重/cmで押圧しながら、急速に冷却してホットメルト接着剤23を固化させた。
比較例2のクリスタルガラスがゴムに接着された製品では、実施例1と同様に、外部から接着剤の跡が視認されず、美しい外観を有した。
(実施例2 剥離強度試験)
実施例1、比較例1および比較例2においてそれぞれ得られた製品について、クリスタルガラスのゴムへの接着強度を調べるために、剥離強度試験を行った。剥離強度試験は、株式会社消費科学研究所(日本、大阪)において行った。試験は、実施例1、比較例1および比較例2においてそれぞれ得られた4つの製品について行った。
具体的には、図3に示すように、引張試験機を用いてゴムからクリスタルガラスを引張り、剥離時の剥離強度を測定した。クリスタルガラスを頂点としてゴムを2つ折りにし、ゴムを挟む4cmを露出させた状態で下部を固定した(図3)。そして、ゴムを保持し、25℃の雰囲気下で300mm/分の速度でその固形物を図3の矢印aの方向へ引張り、クリスタルガラスのゴムからの剥離時の強度を測定した。試験は、実施例1、比較例1および比較例2においてそれぞれ得られた4つの製品について行った。
以下に試験結果を示す。

*比較例2の「8N」の結果については、接着時のミスであると考えられるため、平均値の算出および以下の結果の考察から除外した。
クリスタルガラスとゴムとの接着面、すなわちクリスタルガラスの底面は直径約5mmの略円形であるので、その面積は約2.0×10−5である。
したがって、上記の試験結果を剥離強度(Pa=N/m)に変換すると、以下のようになる。

以上の結果から、実施例1の製品では、比較例1および比較例2と比較して顕著に強くクリスタルガラスがゴムに接着されていることが明らかになった。具体的には、実施例1の製品は、比較例1の製品に対して、約190%の剥離強度を有し、比較例2の製品に対しても、約150%の剥離強度を有した。
高い伸縮性を有し、かつ断面が略円形と、一般的には接着が困難であると考えられるゴムに、クリスタルガラスのような固形物がこのように高い接着力で接着できるとは、当該分野でも知られておらず、予想外であった。
実施例1においては固形物をノズルで加圧したため、固形物が断面略円形の伸縮性部材上で移動することなく、かつ意図した圧力が適切な方向で固形物に付与される。他方、比較例2においては固形物を板状部材で加圧したため、固形物が断面略円形の伸縮性部材上で移動したり、かつ固形物への圧力が種々の方向からかかり、意図した圧力が付与されなかったと考えられる。理論に束縛されることを意図しないが、この相違により、接着力に差が生じたものと考えられる。
したがって、実施例1のようにノズルで固形物を加圧する場合だけでなく、固形物に、適切な方向で意図した圧力を付与することができる任意の手段(例えば、冶具で把持して加圧する、エアーを吹付ける、またはエアーによって吸引する)によって、本願発明の高い接着力が達成できる。
(実施例3 ジャングルテスト)
実施例1および比較例2で得られた製品について、さらにゴムとクリスタルガラスとの接着の状態を調べるための試験を行った。ジャングルテストも、株式会社消費科学研究所(日本、大阪)において行った。比較例1の製品については、上記剥離強度試験において明らかに強度が低かったため、さらなる試験は行わなかった。なお、本実施例で用いた製品はクリスタルガラスをゴムに約1.3mm間隔で33個付したものであった。
リン酸二ナトリウム40g、塩化ナトリウム40g、酢酸25g、および蒸留水895gの組成の人工汗液をデシケーターに入れ、上部から実施例1および比較例2の製品を吊り下げて、デシケーターを密閉した状態(湿度95%以上)で温度70℃の恒温機に入れて、2日間、4日間、および6日間それぞれ曝露した後に、水洗いおよび乾燥を行った。それぞれ2サンプルずつをテストに供した。
実施例1の製品については、2日間、4日間、および6日間のいずれの処理期間のものに対しても、クリスタルガラスのゴムからの脱落は見られなかった(図示せず)。なお、図4Aには2日間、4日間、および6日間についての1つのサンプルの結果をそれぞれ示す。
他方、比較例2の製品については、2日間で1つのサンプルにおいて1個のクリスタルガラスの脱落が観察され、さらに4日間でも1つのサンプルにおいて1個のクリスタルガラスの脱落が観察された(図4)。
(実施例4 デマッチャテスト)
実施例3において2日間、4日間、および6日間処理した実施例1の製品について、さらにデマッチャ試験機を用いて繰り返し伸長を行った。デマッチャ試験も、株式会社消費科学研究所(日本、大阪)において行った。チャック間は11cm、伸度は60%、回数は5000回まで行ったが、1000回および3000回の時点でもクリスタルガラスの脱落がないか確認を行った。
5000回の繰り返し伸長後に、2日間、4日間、および6日間のいずれの処理期間のものについても、クリスタルガラスの脱落は見られなかった。(図5)。
以上のとおり、本発明によれば、十分な接着強度で固形物をゴムのような高い伸縮性を有する伸縮性部材に接着することができる。具体的には、本発明によれば、2.5×10Pa以上の接着力、より好ましくは2.7×10Pa以上の接着力、さらに好ましくは3.0×10Pa以上の接着力、特に好ましくは3.5×10Pa以上の接着力での、耐用性に優れた伸縮性部材と固形物との接着が提供される。
また、伸縮性部材が、断面略円形のような固形物の接着が困難な部材であっても、上記の高い接着力が提供される。
さらに、伸縮性部材に固形物を1〜4mm程度の小さな距離の間隔で複数接着した場合でも、上記の高い接着力が提供される。
本発明の製品においては、固形物が伸縮性部材に強い接着強度で接着されるため、伸縮性部材を伸長しても固形物の接着面が変化せず、伸縮性部材の伸長によって細くなる部分に対して固形物の接着箇所は細くならず、結果的に節のように見える(クリスタルガラスを接着したゴムを伸長した図6Aおよび伸長していない図6Bを参照のこと)。
本発明は、ゴムのような高い伸縮性を有する伸縮性部材への装飾用の固形物の接着において、固形物が容易には伸縮性部材から外れない、十分な接着強度を提供することができる。したがって、ヘアバンドやブレスレット等の、ゴムのような高い伸縮性を有する伸縮性部材に、装飾用の固形物を接着させる装飾品の製造において有用である。
10,20 クリスタルガラス
11,21 ゴム
12 ノズル
13,23 ホットメルト接着剤
22 加圧用板状部材

Claims (7)

  1. 少なくとも200%の伸度を有する伸縮性部材と、
    該伸縮性部材にホットメルト接着剤で接着された、少なくとも2つの固形物と
    を含む製品であって
    固形物が一辺が約10mmの立方体に収まる大きさを有し、
    該固形物の該伸縮性部材との接着面は実質的に平面であり、
    該2つの固形物間の間隔が約1〜4mmであり、
    該2つの固形物がいずれも、2.5×10 Pa以上の接着力で該伸縮性部材に接着される
    製品。
  2. 前記固形物が、2.7×10Pa以上の接着力で前記伸縮性部材に接着される請求項に記載の製品。
  3. 前記固形物が、3.0×10Pa以上の接着力で前記伸縮性部材に接着される請求項に記載の製品。
  4. 前記固形物が、3.5×10Pa以上の接着力で前記伸縮性部材に接着される請求項に記載の製品。
  5. 前記間隔が約1〜2mmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の製品。
  6. 前記伸縮性部材がゴムである請求項1〜のいずれか1項に記載の製品。
  7. 前記固形物がクリスタルガラスである請求項1〜のいずれか1項に記載の製品。
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