JP2016007294A - シートパッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線状体を成形型に固定する作業性を向上できるシートパッドの製造方法を提供する。
【解決手段】係止部21,22,23の互いに対向する対向面間に合成樹脂製の線状体7,8が挿入され、係止部21,22,23の対向面間に挿入された線状体7,8の軸方向および径方向の移動が保持部20により制限される。次いで、保持部20に線状体7,8が保持された成形型10に材料が投入され、パッド本体が成形されて線状体7,8がパッド本体に埋設される。これによりシートパッドが成形されるので、インサート成形される線状体7,8を成形型10に固定する作業性を向上できる。
【選択図】図4

Description

本発明はシートパッドの製造方法に関し、特に線状体を成形型に固定する作業性を向上できるシートパッドの製造方法に関するものである。
車両や船舶、航空機等の乗物に装備される座席や家具等の椅子などの基材であるシートパッドは、表皮材を取り付けるため、表面側に金属製(磁性体)の線状体(ワイヤ)が埋設される。線状体(磁性体)は、成形型の成形面に磁石で吸着された後、成形型でシートパッドが成形されることによりシートパッドに埋設される。表皮材の裏面に設けられた固定具が線状体に係止されることより、シートパッドは表面が表皮材に覆われる。軽量化やリサイクル性の改善のため、金属製の線状体に代えて、合成樹脂製の線状体が埋設されたシートパッドがある。
特開平8−206376号公報
しかしながら上述した従来の技術では、合成樹脂製の線状体は磁石で成形型に吸着されないので、線状体を成形型に固定するための作業が煩雑で作業性が悪いという問題があった。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、線状体を成形型に固定する作業性を向上できるシートパッドの製造方法を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために請求項1記載のシートパッドの製造方法によれば、表皮材が装着される被装着面が成形型の成形面により形成される。成形面に設けられた保持部に、保持工程により合成樹脂製の線状体が保持され、線状体は、軸方向を成形面に沿わせた状態にされる。保持工程により保持部に線状体が保持された成形型に材料が投入され、埋設工程によりパッド本体が成形されて線状体がパッド本体に埋設される。保持工程では、係止部の互いに対向する一対の対向面間に線状体が挿入され、係止部の対向面間に挿入された線状体の軸方向および径方向の移動が保持部により制限される。これにより、保持工程において線状体を成形型に簡便に固定できる。よって、線状体を成形型に固定する作業性を向上できる効果がある。
請求項2記載のシートパッドの製造方法によれば、係止部と線状体の外周との間の摩擦力によって線状体の軸方向の移動が制限される。これにより請求項1の効果に加え、線状体の軸方向の移動を制限する保持部の構造を簡素化できる効果がある。
請求項3記載のシートパッドの製造方法によれば、線状体は、係止部の対向面間に挿入されることで径方向に圧縮変形されるので、係止部の対向面間に挿入された線状体を係止部から外れ難くできる。係止部の対向面間に挿入された線状体を保持工程において外れ難くできるので、請求項2の効果に加え、埋設工程において線状体を定められた位置に埋設できる効果がある。
請求項4記載のシートパッドの製造方法によれば、線状体は、係止部の対向面間に挿入されることで軸方向に撓み変形されるので、係止部の対向面間に線状体を挿入し易くできる。よって、請求項2の効果に加え、係止部の対向面間に線状体を挿入する挿入作業性を向上できる効果がある。
請求項5記載のシートパッドの製造方法によれば、保持部は、係止部が線状体の軸方向に沿って複数設けられる。線状体は、複数の係止部の対向面間に挿入されることにより軸方向に撓み変形される。線状体は軸方向に撓み変形されることで複数の係止部の対向面に接触し、線状体の軸方向および径方向の移動が制限される。これにより、請求項2から4のいずれかの効果に加え、撓み変形された線状体の復元力を利用して係止部の対向面間に線状体を固定できる効果がある。
請求項6記載のシートパッドの製造方法によれば、係止部の対向面間に挿入された線状体は、軸方向の端部が係合部に係合されて軸方向の移動が制限される。線状体は、軸方向に撓み変形することで軸方向の端部と係合部とが係合するので、請求項1から5のいずれかの効果に加え、撓み変形された線状体の復元力を利用して係合部間に線状体を固定できる効果がある。
請求項7記載のシートパッドの製造方法によれば、係止部は、対向面の高さが、線状体の径方向寸法の1/2以上、且つ、線状体の径方向寸法以下に設定されている。作業者は、一般に、手の指で線状体を摘まんで係止部の対向面間に挿入するので、対向面の高さが線状体の径方向寸法以下に設定されることで、係止部と線状体とが指先に当たる感覚によって、線状体が係止部に正確に挿入されたかを作業者に確認させることができる。また、対向面の高さが線状体の径方向寸法の1/2以上に設定されることで、線状体を係止部に保持させ易くできる。よって、請求項1から6のいずれかの効果に加え、線状体が係止部に正確に挿入されたことを確認できるようにして作業者に安心感を与えると共に、線状体を係止部に保持させ易くできる効果がある。
第1実施の形態におけるシートパッドを基材として形成されたシートの斜視図である。 シートパッドの平面図である。 図2のIII−III線におけるシートパッドの断面図である。 シートパッドを成形する成形型の平面図である。 (a)は図4のVaで示す部分を拡大して示した係止部の平面図であり、(b)は図5(a)のVb−Vb線における係止部の断面図である。 図4のVIで示す部分を拡大して示した係止部の平面図である。 (a)は第2実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部の平面図であり、(b)は第3実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部の平面図であり、(c)は第4実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部の平面図であり、(d)は第5実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部の平面図であり、(e)は第6実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部の断面図であり、(f)は第7実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部の断面図である。 第8実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の平面図である。 (a)は図8のIXaで示す部分を拡大して示した係合部の平面図であり、(b)は図8のIXbで示す部分を拡大して示した係止部の平面図であり、(c)は図8のIXcで示す部分を拡大して示した係合部の平面図であり、(d)は図8のIXd方向視における係合部の側面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。まず図1から図6を参照して第1実施の形態におけるシートパッド1について説明する。図1はシートパッド1を基材の一部として形成された車両用シートSの斜視図であり、図2はシートパッド1の平面図であり、図3は図2のIII−III線におけるシートパッド1の断面図である。
図1に示すように車両用シートSは、乗員が腰掛けるシートクッションS1と、乗員の背中を支えるシートバックS2とを備えている。シートクッションS1は、ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂製のシートパッド1と、シートパッド1の上面側の被装着面1a(図3参照)に被せられる表皮材Eとを備えている。なお、図示は省略するが、シートバックS2もシートクッションS1とほぼ同様に構成されている。
図2に示すようにシートパッド1は、弾力性のある軟質ポリウレタンフォーム等の合成樹脂製の発泡成形体から構成されるパッド本体2と、パッド本体2に埋設される合成樹脂製の線状体7,8とを備えている。パッド本体2は、幅方向(図2左右方向)中央に位置する着座部3と、着座部3の左右両側に位置し上方(図2紙面手前側)に向かって隆起状に形成されるサイド部4とを備え、表面に、着座部3とサイド部4の境界に沿って前後方向に延びる左右一対の縦溝5が設けられている。縦溝5は、パッド本体2の前端部(図2上方)から後端部(図2下方)にかけて略全長に亘って略直線状に設けられている。なお、縦溝5は、前方(図2上側)へ向かうにつれて左右両側へ広がるように形成されている。
また、パッド本体2は、左右の縦溝5の前後方向中央部同士を連結するように左右方向(幅方向)に延びる横溝6が表面に設けられている。横溝6は、平面視において左右方向に延在されつつ前方(図2上側)へ向かって凸の湾曲状に形成されており、縦溝5及び横溝6により全体として略H字状の溝がパッド本体2の表面に凹設される。着座部3は、横溝6により前後に区画され、横溝6の前側が着座者の腿部を受け止め支持する腿受け部3aを構成し、横溝6の後側が着座者の臀部を受け止め支持する尻受け部3bを構成する。
パッド本体2は、直線状に形成された合成樹脂製の線状体7,8(棒状フレーム)が埋設されている。線状体7,8は、シートパッド1を覆う表皮材E(図1参照)を係止するための合成樹脂製の棒状の部材であり、可撓性を有している。なお、線状体7,8を構成する合成樹脂は特に制限されるものではなく、機械的強度等を考慮して適宜選択される。例えばポリプロピレン等のポリオレフィンが用いられる。また、線状体7,8として、ガラス繊維等の繊維で強化された繊維強化樹脂を選択することも当然可能である。
図3に示すように線状体7は、縦溝5の溝底の下方(図3下側、図2紙面奥側)近傍に埋設されると共に、長手方向が断続的に縦溝5内に露出した状態にされる。縦溝5は、長手方向の複数箇所において深さの大きい深底部5aが断続的に設けられており、線状体7は、深底部5aに上面が露出するように埋設される。
図2に戻って説明する。線状体8は、横溝6の溝底の下方(図2紙面奥側)近傍に埋設されると共に、長手方向が断続的に横溝6内に露出した状態にされる。横溝6は、長手方向の複数箇所において深さの大きい深底部6aが断続的に設けられており、線状体8は、深底部6aに上面が露出するように埋設される。なお、線状体7,8は、インサート成形によりパッド本体2の成形時に埋設され一体化される。パッド本体2に埋設される線状体7,8を深底部5a,6aで露出させ、露出した線状体7,8に固定具(図示せず)を介して表皮材E(図1参照)が連結される。その結果、縦溝5及び横溝6に表皮材Eが引き込まれてパッド本体2に固定される。
次に図4を参照して、シートパッド1を成形する成形型10について説明する。図4はシートパッド1を成形する成形型10の平面図である。成形型10は、略水平に支持されてシートパッド1の表面側(被装着面1a側)を成形する凹状の下型11(本実施の形態では金属製)と、その下型11に対して開閉可能に構成されてシートパッド1の裏面側を成形する上型(図示せず)とを備えている。下型11は、シートパッド1の被装着面1aを形成する成形面12と、成形面12に突設される左右一対の第1突条13と、その第1突条13を連結する第2突条14とを備えている。
第1突条13は、前後方向に延びる突条であり、シートパッド1の縦溝5(図2参照)を形成するための部位である。第1突条13は、前方(図4上側)へ向かうにつれて平面視において左右両側へ広がるように屈曲形成されている。第2突条14は、左右方向に延びる突条であり、シートパッド1の横溝6(図2参照)を形成するための部位である。第2突条14は、平面視において左右方向に延在されつつ前方(図4上側)へ向かって凸の湾曲状に形成されている。
第1突条13及び第2突条14は保持部20が形成されている。保持部20は、第1突条13及び第2突条14の長手方向に沿って第1突条13及び第2突条14の上面(図4紙面手前面)に線状体7,8を保持するための部位である。第1突条13及び第2突条14は、第1突条13及び第2突条14の長手方向において互いに適当な間隔をあけて複数箇所に係止部21,22,23が設けられている。係止部21,22,23は、線状体7,8を保持すると共にシートパッド1の深底部5a,6aを形成するための部位である。係止部21,22,23(保持部20)は、それぞれ第1突条13及び第2突条14の上面に突設されている。係止部21は線状体7を支持するための部位であり、係止部22,23は線状体8を支持するための部位である。
本実施の形態では、係止部21,22,23は、下型11に突設された第1突条13及び第2突条14(本実施の形態ではアルミニウム合金製)とは別部材(本実施の形態では真鍮製)として形成されている。これにより、係止部21,22,23の硬度は第1突条13及び第2突条14の硬度より大きい値に設定されている。
ここで、成形型10を用いたシートパッド1の製造方法について説明する。シートパッド1を製造するには、まず、下型11及び上型(図示せず)を開いた状態で、線状体7を係止部21に係止し、線状体8を係止部22,23に係止する(保持工程)。次いで、下型11に発泡樹脂原料(ポリウレタン原液)を注入し、上型を下型11に被せて型閉めする。成形型10内に発泡樹脂原料を発泡充填させることで、被装着面1a(図3参照)に沿って線状体7,8が埋設一体化されたシートパッド1が成形される(埋設工程)。成形後、上型を開いて脱型することにより、シートパッド1が得られる。
シートパッド1は合成樹脂製の線状体7,8が埋設されているので、金属製の線状体(ワイヤ)と比較して線状体の質量を小さくできる。よって、その質量分だけ軽量化できる。また、合成樹脂製の線状体7,8は金属製の線状体(ワイヤ)と比較して撓みやすいので、線状体7,8が埋設されたシートパッド1の被装着面1aの近傍を撓みやすくできる。その結果、車両用シートSが搭載された車両の乗り心地性を向上できる。
次に図5及び図6を参照して、線状体7,8が係止される係止部21,22,23の構成について説明する。図5(a)は図4のVaで示す部分を拡大して示した係止部21の平面図であり、図5(b)は図5(a)のVb−Vb線における係止部21の断面図であり、図6は図4のVIで示す部分を拡大して示した係止部22,23の平面図である。なお、図5(b)は、第1突条13が立設される成形面12の幅方向(図5(b)左右方向)の図示が省略される。
図5(a)に示すように、係止部21は略円柱状に形成される部位であり、平面視における中心を挟んで両側に、互いに対向する一対の対向面21aが形成される。対向面21aは、平面視において第1突条13の長手方向(図5(a)上下方向)に沿って互いに略平行となるように平坦面状に形成される。なお、対向面21aの間隔(図5(a)左右方向寸法)は、線状体7の径方向寸法より少し小さめに設定されている。図5(b)に示すように、対向面21aの高さHは線状体7の径方向寸法と同一に設定される。なお、線状体7は断面略円形状に形成されており、対向面21aの底部(第1突条13側)は、その線状体7の断面形状に沿う略円弧状に断面形状が設定されている。
本実施の形態によれば、係止部21の互いに対向する対向面21a間に線状体7が挿入され、係止部21の対向面21a間に挿入された線状体7の軸方向および径方向の移動が制限される。これにより線状体7を成形型10(下型11)に簡便に固定できる。よって、線状体7を成形型10に固定する作業性を向上できる。
また、係止部21の対向面21aの間隔が線状体7の径方向寸法より少し小さめに設定されているので、線状体7は、係止部21の対向面21a間に挿入されることで径方向に圧縮変形される。これにより、線状体7の径方向(図5(a)左右方向)の移動が制限される。また、係止部21の対向面21a間に挿入された線状体7の外周と対向面21aとの摩擦力によって、線状体7の軸方向の移動が制限される。よって、線状体7の径方向および軸方向の移動を制限する保持部20の構造を簡素化できる。
また、線状体7は、係止部21の対向面21a間に挿入されることで径方向に圧縮変形されるので、係止部21から外れ難くできる。係止部21の対向面21a間に挿入された線状体7を保持工程において外れ難くできるので、埋設工程において線状体7を定められた位置に埋設できる。
なお、下型11及び係止部21は金属製、線状体7は合成樹脂製なので、シートパッド1の成形時に生じる熱膨張差により、線状体7の径方向寸法に対して係止部21の対向面21a間の距離が広がる傾向がみられる。その結果、係止部21に係止された線状体7がシートパッド1の脱型の妨げになることを防止できる。
また、係止部21の対向面21aは平坦面状に形成されているので、線状体7の軸方向に沿って外周を対向面21aに圧接できる。そのため、線状体7に対向面21aが部分的に接触する場合と比較して、対向面21aに作用する単位面積あたりの荷重を小さくできる。その結果、対向面21aの摩耗を抑制できる。従って、係止部21の耐久性を向上できる。なお、係止部21は、第1突条13より硬度の大きい材料で形成されているので、対向面21aが擦れて摩耗することを抑制できる。
なお、線状体7の軸方向に列設された複数の係止部21によって線状体7の径方向および軸方向の移動が制限されるので、平面視において湾曲する第1突条13に沿って線状体7を配置できる。直線状の線状体7は可撓性を有する合成樹脂製なので、係止部21に係止されることで軸方向に撓み変形させることができる。そのため、金属製の線状体(ワイヤ)と異なり、線状体7を予め曲げ変形(塑性変形)させる加工を省略できる。
ここで作業者は、一般に、手の指で線状体7を摘まんで係止部21の対向面21a間に線状体7を挿入する。そのため、対向面21aの高さHが線状体7の径方向寸法と同一に設定されることで、係止部21と線状体7とが指先に当たる感覚によって、線状体7が係止部21に正確に挿入されたかを作業者に確認させることができる。また、対向面21aの高さHが線状体7の径方向寸法と同一に設定されることで、線状体7を係止部21に保持させ易くできる。よって、線状体7が係止部21に正確に挿入されたことを確認できるようにして作業者に安心感を与えると共に、線状体7を係止部21に保持させ易くできる。その結果、線状体7を係止部21に係止する作業性を向上できる。
但し、対向面21aの高さHは、線状体7の径方向寸法と同一の場合に限定されない。対向面21aは、線状体7の径方向寸法の1/2以上の高さHがあれば、線状体7が断面円形状であっても、シートパッド1が成形されるまでの間、線状体7を対向面21a間に挟持できるからである。従って、対向面21aの高さHは、線状体7の径方向寸法の1/2以上、且つ、線状体7の径方向寸法以下に設定されることが望ましい。
なお、係止部21の対向面21aの底部(第1突条13側)は、断面略円形状に形成された線状体7の断面形状に沿う略円弧状に断面形状が設定されている。そのため、対向面21a間に線状体7を挿入すると、線状体7の外周を対向面21aの底部に密着させ易くできる。その結果、線状体7の外周と対向面21aの底部との間に発泡樹脂原料(ポリウレタン原液)を浸入させ難くすることができる。
即ち、線状体7の外周と対向面21aの底部との間に発泡樹脂原料が浸入して硬化すると、係止部21の対向面21a間に線状体7を挿入し難くなるので、線状体7を係止部21に挿入する前に、対向面21aの底部に付着した発泡合成樹脂(硬化した発泡樹脂原料)を取り除く必要がある。その場合、その分だけ作業性が低下する。これに対し本実施の形態によれば、線状体7の外周と対向面21aの底部との間に発泡樹脂原料を浸入させ難くすることができるので、対向面21aの底部に付着した発泡合成樹脂を取り除く作業を軽減できる。その結果、線状体7を係止部21に固定する作業性を向上できる。
次に図6を参照して、係止部22,23による線状体8の固定構造について説明する。図6に示すように、幅方向(図6左右方向)中央に位置する係止部23(対向面23a間の中心)は、幅方向(図6左右方向)両側に位置する係止部22,22(対向面22a間の中心)を通る直線Lから外れた位置に設けられている。また、対向面22aと対向面23aとは平行となるように配置されている。この係止部22,23によれば、線状体8は、係止部22,23の対向面22a,23a間に挿入されることにより軸方向に撓み変形される。線状体8は軸方向に撓み変形されることで係止部22,23の対向面22a,23aに接触し、その摩擦力によって線状体8の軸方向および径方向の移動が制限される。即ち、撓み変形された線状体8の復元力を利用して係止部22,23の対向面22a,23a間に線状体8を固定できる。
線状体8を軸方向に撓み変形させるために要する力は、一般に、線状体8を径方向に圧縮変形させるために要する力と比較して小さいので、線状体8を径方向に圧縮変形させて係止部に線状体8を固定する場合と比較して、軽微な力で線状体8を係止部22,23に固定できる。その結果、線状体8の係止部22,23への装着作業性を向上できる。
さらに、線状体を径方向に圧縮変形させて係止部に線状体を固定する場合と比較して、線状体8の着脱のときに線状体8によって対向面22a,23aに加えられる荷重を小さくできるので、係止部22,23(対向面22a,23a)を摩耗させ難くできる。その結果、係止部22,23の耐久性を向上できる。また、対向面22a,23aに加えられる荷重を小さくできるので、成形されたシートパッド1の脱型と同時に、シートパッド1と一体に線状体8を係止部22,23から容易に取り外すことができる。
なお、係止部22の対向面22aと係止部23の対向面23aとは平行となるように配置されているので、シートパッド1の3箇所に形成された深底部6a(図2参照)に露出する線状体8を略平行にできる。そのため、表皮材E(図1参照)をシートパッド1に装着するときに、作業者が態勢を変えたり体を捻ったりしなくても、表皮材Eの裏面に設けられた固定具(図示せず)を線状体8の3箇所に取り付けることができる。よって、表皮材Eをシートパッド1に被せるときの作業性を確保できる。
次に図7(a)から図7(f)を参照して第2実施の形態から第7実施の形態について説明する。第2実施の形態から第7実施の形態では、係止部の形態が異なる以外は第1実施の形態と同様なので、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図7(a)は第2実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部31の平面図であり、図7(b)は第3実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部41の平面図であり、図7(c)は第4実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部51の平面図であり、図7(d)は第5実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部61の平面図であり、図7(e)は第6実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部71の断面図であり、図7(f)は第7実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型の一部を拡大して示した係止部81の断面図である。
図7(a)に示すように係止部31は、線状体7の径方向寸法より大きい間隔をあけて互いに対向する対向面31a,31bを有している。対向面31aは、対向面31bへ向かって突出する凸起部32が、対向面31aの中央に設けられている。対向面31bは、対向面31aへ向かって突出する凸起部33が、対向面31bの両側の2箇所に設けられている。凸起部32,33は、いずれも断面半円状の突条状に形成され、対向面31a,31b間に挿入される線状体7の軸方向(図7(a)上下方向)と直交する方向(図7(a)紙面垂直方向)に延在する。対向面31a,31b間に挿入された線状体7は、凸起部33,33と、その中間位置に配置された凸起部32との間で軸方向に撓み変形される。
第2実施の形態における係止部31によれば、線状体7は軸方向に撓み変形されることで凸起部32,33に接触し、その摩擦力によって線状体7の軸方向および径方向の移動が制限される。即ち、撓み変形された線状体7の復元力を利用して係止部31に線状体7を固定できる。係止部31で線状体7を軸方向に撓み変形させるために要する力は、一般に、線状体7を径方向に圧縮変形させるために要する力と比較して小さいので、線状体を径方向に圧縮変形させて固定する場合と比較して、軽微な力で線状体7を係止部31に固定できる。その結果、線状体7の係止部31への装着作業性を向上できる。よって、線状体7の固定に要する作業者のタクトタイムを短縮できる。
また、線状体7を径方向に圧縮変形させて係止部31に線状体7を固定する場合と比較して、線状体7を係止部31から取り外すときに要する力を軽減できる。従って、成形されたシートパッド1の脱型と同時に、シートパッド1と一体に線状体7を係止部31から容易に取り外すことができる。
なお、凸起部32,33は、線状体7の軸方向において対向面31a,31bに交互に設けられていれば、凸起部32,33によって線状体7を軸方向に撓み変形させることができる。よって、凸起部32,33の数はこれに限られるものではない。
図7(b)に示すように係止部41は、線状体7の径方向寸法より大きい間隔をあけて互いに対向する一対の対向面41a,41bを有している。対向面41aは、対向面31bへ向かって突出する凸起部42が、対向面41aの両側の2箇所に設けられている。対向面41bは、平坦面状に形成されている。凸起部42は断面半円状の突条状に形成され、対向面41a,41b間に挿入される線状体7の軸方向(図7(b)上下方向)と直交する方向に延在する。対向面41a,41b間に挿入された線状体7は、凸起部42と対向面41bとの間で径方向に圧縮変形される。
第3実施の形態における係止部41によれば、凸起部42と対向面41bとの間に挟まれた線状体7を、凸起部42によって部分的に圧縮変形させることができる。凸起部42及び対向面41bと線状体7との摩擦力によって線状体7の軸方向および径方向の移動が制限される。凸起部42に荷重が集中されるので、凸起部42を線状体7に食い込ませるようにして線状体7を変形させ、線状体7を係止部41に保持できる。なお、凸起部42の数は2個に限定されるものではなく、1乃至複数個のうちから適宜設定できる。
図7(c)に示すように係止部51は、線状体7の径方向寸法より大きい間隔をあけて互いに対向する一対の対向面51aを有している。対向面51aは、相対する対向面51aへ向かって突出する凸起部52が複数設けられている。凸起部52は、いずれも断面半円状の突条状に形成され、対向面51a間に挿入される線状体7の軸方向(図7(c)上下方向)と直交する方向に延在し、対向面51a間に挿入される線状体7の軸方向に沿って対向面51aの軸方向の端から端に亘って複数列設されている。一対の対向面51aに設けられた凸起部52は互いに対向するように配置されているので、対向面51a間に挿入された線状体7は、凸起部52に挟まれて径方向に圧縮変形される。
第4実施の形態における係止部51によれば、凸起部52間に線状体7が挟まれることで、線状体7は凸起部52によって部分的に圧縮変形する。凸起部52と線状体7との摩擦力によって線状体7の軸方向および径方向の移動が制限される。凸起部52が対向位置に複数設けられているので、線状体7の軸方向において径方向寸法が一定でない(線状体7の太さが一定でない)場合であっても、対向する複数の凸起部52で線状体7を挟んで保持できる。
図7(d)に示すように係止部61は、挿入される線状体7の軸方向に沿って湾曲しつつ互いに対向する対向面61a,61bを有している。対向面61aは、平面視において対向面61bへ向かって湾出される湾出面として形成され、対向面61bは、平面視において対向面61aに対応して湾入する湾入面として形成される。対向面61a,61bは、挿入される線状体7の径方向寸法とほぼ同じ間隔に設定される。これにより、対向面61a,61b間に挿入された線状体7は、湾曲する対向面61a,61bによって軸方向に撓み変形される。
第5実施の形態における係止部61によれば、線状体7は軸方向に撓み変形されることで対向面61a,61bに接触し、その摩擦力によって線状体7の軸方向および径方向の移動が制限される。即ち、撓み変形された線状体7の復元力を利用して係止部61に線状体7を固定できる。よって、第2実施の形態と同様に、比較的軽微な力で線状体7を係止部61に固定できるので、線状体7の係止部61への装着作業性を向上できる。また、成形されたシートパッド1の脱型と同時に、シートパッド1と一体に線状体7を係止部61から容易に取り外すことができる。
さらに、湾曲面状に形成された対向面61a,61bは、線状体7の軸方向に亘って線状体7の外周に接触するので、線状体7に対向面61a,61bが部分的に接触する場合と比較して、対向面61a,61bに作用する単位面積あたりの荷重を小さくできる。その結果、対向面61a,61bの摩耗を抑制し、耐久性を向上できる。
図7(e)に示すように係止部71は、互いに対向する一対の対向面71aを有し、ばね鋼等の弾性を有する部材で正面視において略U字状に形成される。対向面71aは、それぞれの上端縁71bが、第1突条13へ近づくにつれて(図7(e)下側へ向かうにつれて)、対向する対向面71aへ近づくように下降傾斜する傾斜面状に形成される。また、上端縁71bの下端に位置する下縁部71cは、対向する下端縁71c間の距離(図7(e)左右方向寸法)が、線状体7の径方向寸法より小さく設定されている。
係止部71に形成された対向面71a間に線状体7を挿入するときには、上端縁71bが下降傾斜する傾斜面状に形成されているので、線状体7は上端縁71bに案内されて下縁部71c間に導かれる。線状体7が下縁部71c間を通過するときには、係止部71が弾性変形して外側に傾倒することにより下縁部71c間の距離が広げられる。線状体7が下縁部71c間を通過した後は、係止部71が復元して対向面71a間に線状体7が挟み込まれる。これにより線状体7が係止部71に係止される。
第6実施の形態における係止部71によれば、係止部71が弾性変形することで線状体7は対向面71aに接触し、線状体7と対向面71aとの間の摩擦力によって線状体7の軸方向および径方向の移動が制限される。即ち、線状体7は弾性変形する係止部71の復元力を利用して係止部71に固定される。係止部71の復元力、即ち線状体7と対向面71aとの間の摩擦力を大きくできるので、パッド本体2の成形時(パッド本体2の硬化前)に、線状体7が係止部71から外れる不具合の発生を抑制できる。
図7(f)に示すように係止部81は、互いに対向する一対の対向面81aを有している。対向面81aは、第1突条13へ近づくにつれて対向する対向面81aへ近づくように下降傾斜する傾斜面状に形成される。対向面81a間の距離(図7(f)左右方向寸法)は、下部(第1突条13に近い側)で線状体7の径方向寸法より小さい値に設定され、上部(第1突条13から遠い側)で線状体7の径方向寸法より大きい値に設定される。これにより、係止部81に形成された対向面81a間に線状体7を挿入すると、線状体7は対向面81aに案内されて下方(第1突条13側)へ導かれる。対向面81a間の距離は下方(第1突条13側)へ向かうにつれて小さく設定されているので、線状体7は、対向面81aによって径方向へ圧縮変形される。線状体7と対向面81aとの間の摩擦力によって、線状体7の径方向および軸方向の移動が制限される。
対向面81aは、対向する対向面81aへ向かって突出する突出部81bが、対向面81aの中ほどに設けられている。突出部81bは突条状に形成されており、対向面81a間に挿入される線状体7の軸方向(図7(f)紙面垂直方向)へ向けて延在される。突出部81bは、対向面81a間に挿入された線状体7を外れ難くするための凸起である。対向面81aの突出部81bより下方(第1突条13側)の位置で、線状体7が対向面81aと接触できるように突出部81bの位置を設定することにより、対向面81a間に挿入された線状体7を突出部81bによって外れ難くできる。
次に図8及び図9を参照して第8実施の形態について説明する。第1実施の形態から第7実施の形態では、係止部21,22,23,31,41,51,61,71,81と線状体7,8の外周との間の摩擦力によって線状体7,8の軸方向の移動が制限される場合について説明した。これに対し第8実施の形態では、線状体114の端部が係合部222,223に係合され、係止部221の対向面221a間に挿入された線状体114の軸方向の移動が制限される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を図示して以下の説明を省略する。
図8は第8実施の形態におけるシートパッドを成形する成形型110の平面図であり、図9(a)は図8のIXaで示す部分を拡大して示した係合部222の平面図であり、図9(b)は図8のIXbで示す部分を拡大して示した係止部221の平面図であり、図9(c)は図8のIXcで示す部分を拡大して示した係合部223の平面図であり、図9(d)は図8のIXd方向視における係合部223の側面図である。
図8に示すように成形型110は、略水平に支持されてシートパッドの表面側(被装着面側)を成形する凹状の下型111と、その下型111に対して開閉可能に構成されてシートパッドの裏面側を成形する上型(図示せず)とを備えている。下型111は、シートパッドの被装着面を形成する成形面112と、成形面112に突設される左右一対の第1突条113と、その第1突条113を連結する第2突条14とを備えている。第1突条113は、シートパッドの前後方向に延びる縦溝を形成するための突条であり、平面視において略直線状に形成されている。第1突条113及び第2突条14は保持部220が形成されている。
保持部220は、合成樹脂製の線状体114,8を保持するための部位であり、第1突条113及び第2突条14の長手方向に沿って第1突条113及び第2突条14の上面(図8紙面手前面)及び成形面112に設けられている。第1突条113は、第1突条113の長手方向において互いに適当な間隔をあけて複数箇所に係止部221(保持部220の一部)が設けられている。さらに、第1突条113の前側(図8上側)端部に係合部222(保持部220の一部)が設けられており、第1突条113の後側(図8下側)に位置する成形面112に係合部223(保持部220の一部)が設けられている。なお、線状体114は、長手方向の端部である第1端部114a(図9(a)参照)と、その第1端部114aの反対側の端部である第2端部114b(図9(b)参照)とを備え、第1端部114aに係合部222と係合する被係合部115が形成されている。
図9(a)に示すように線状体114の第1端部114aに形成された被係合部115は、厚さ方向に貫通する貫通孔115aが中央に設けられており、全体として円環状に形成されている。一方、係合部222は、第1突条113の上面から離間する方向へ向かって延びる軸状の部位であり、第1突条113の上面に突設されている。係合部222は、径方向寸法が、被係合部115に形成された貫通孔115aの孔径より小さい値に設定されている。これにより、被係合部115に形成された貫通孔115aに係合部222は挿通可能にされる。
図9(b)に示すように、係止部221は略円柱状に形成される部位であり、平面視における中心を挟んで両側に、互いに対向する一対の対向面221aが形成される。対向面221aは、平面視において第1突条13の長手方向(図9(b)上下方向)に沿って互いに略平行となるように平坦面状に形成される。なお、対向面221aの間隔(図9(b)左右方向寸法)は、線状体114の径方向寸法より少し大きめに設定されている。
図9(c)及び図9(d)に示すように係合部223は、線状体114の第2端部114bが係合される部位であり、下型111の成形面112(図8参照)に設けられている。係合部223は、略直方体のブロック状に形成される部位であり、側面223aに有底の孔部224が凹設されている。孔部224は、線状体114の第2端部114bが挿入される部位であり、線状体114の第2端部114bが挿入可能な大きさに形成されている。
孔部224は、第1突条113の上面113aに対して少し低い側面223aの位置に形成されており、さらに、底部224aへ向かうにつれて軸が下降傾斜するように形成される。また、孔部224の底部224aから係合部222(図9(a)参照)の外周までの距離は、線状体114の貫通孔115a(図9(a)参照)の内周から第2端部114bまでの距離より小さい値に設定されている。
ここで、成形型110を用いたシートパッドの製造方法について説明する。シートパッドを製造するには、まず、下型111及び上型(図示せず)を開いた状態で、線状体114を係合部222,223及び係止部221に係止し、線状体8を係止部22,23に係止する(保持工程)。次いで、下型110に発泡樹脂原料(ポリウレタン原液)を注入し、上型を下型110に被せて型閉めする。成形型110内に発泡樹脂原料を発泡充填させることで、線状体114,8が埋設一体化されたシートパッドが成形される(埋設工程)。
保持工程では、線状体114は、第2端部114bが孔部224に挿入された後、中央付近が係止部221の対向面221aに挿入されながら第1突条113の上面113aに沿って配置される。次いで、被係合部115に形成された貫通孔115aに係合部222が挿通されることにより、係合部222,223間に線状体114が配置される。係止部221の対向面221a間に挿入された線状体114は、係止部221により径方向の移動が制限され、係合部222,223により軸方向の移動が制限される。
孔部224の底部224aから係合部222の外周までの距離は、線状体114の貫通孔115aの内周から第2端部114bまでの距離より小さい値に設定されるので、線状体114は、軸方向に撓み変形することで第1端部114a、第2端部114bと係合部222,223とがそれぞれ係合する。係合部222は、撓み変形された線状体114の復元力により生じる貫通孔115aの内周との間の摩擦力によって、被係合部115を保持する。撓み変形された線状体114の復元力を利用して係合部222,223間に線状体114が固定されるので、保持工程において線状体114を保持部220に保持し易くすることができる。さらに、成形されたシートパッドの脱型と同時に保持部220から線状体114を取り外し易くできる。
なお、下型110は金属製、線状体114は合成樹脂製なので、シートパッドの成形時の熱膨張差により、線状体114の軸方向寸法に対して係合部222,223間の距離を相対的に大きくできる。その結果、線状体114が埋設されたシートパッドの脱型を容易にできる。
また、孔部224は、底部224aへ向かうにつれて軸が下降傾斜するように形成されているので、成形されたシートパッドを脱型するときに、孔部224に挿入された第2端部114bが脱型の妨げになることを防止できる。シートパッドの脱型のときに孔部224から第2端部114bを抜け易くできるので、シートパッドの脱型性を確保できる。なお、係合部223はシートパッドの後端部(シートバックS2(図1参照)が配置される側)に形成されているので、線状体114の第2端部114bがシートパッドの端面に現れていても、大きな問題は生じない。
また、孔部224は第1突条113の上面113aに対して少し低い側面223aの位置に形成されているので、孔部224に第2端部114bが挿入された線状体114を、第1突条113の上面113aに密着させ易くできる。その結果、第1突条113の上面113aに沿った状態で線状体114を配置できるので、シートパッドに対する線状体114の埋設位置(深さ)にばらつきが生じることを抑制できる。
なお、線状体114は可撓性を有しているので、孔部224に第2端部114bが挿入された線状体114を撓み変形させて第1突条113の上面113aに沿わせることができる。よって、線状体114の第2端部114b近傍を予め曲げ変形(塑性変形)させておく必要はない。
ここで、係止部221(図9(b)参照)は、対向面221aの間隔(図9(b)左右方向寸法)が、線状体114の径方向寸法より少し大きめに設定されているので、対向面221a間への線状体114の中央付近の挿入を容易にできる。また、対向面221aの間隔をこのように設定することで、線状体114に擦られて生じる係止部221の摩耗を抑制できる。なお、線状体114の径方向両側に対向面221aが位置するので、線状体114は、対向面221aによって径方向への移動が制限される。
また、線状体114は、係合部222と係合される円環状の被係合部115が第1端部114aに形成されているので、被係合部115を目印にして線状体114を識別可能にできる。その結果、線状体114,8の成形型110への取り付け作業を行う作業者が、線状体114の取付間違いを起こすことを防止できる。また、被係合部115は、径方向寸法(図9(a)左右方向寸法)が、線状体114の軸方向中央付近の径方向寸法より大きく設定されているので、被係合部115の分だけ線状体114の表面積を大きくできる。線状体114の表面積を大きくすることで、パッド本体に埋設された線状体114を抜け難くできる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げた形状は一例であり、他の形状を採用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、シートパッド1が着座者の尻下部に敷かれるクッションパッドの基材であるものを説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バックパッドを構成するシートパッド等、他のシートパッドに適用することは当然可能である。シートパッドの用途としては、車両用シートの他、船舶、航空機等の乗物に装備される座席や家具等の椅子が例示される。
上記各実施の形態では、シートパッド1がポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂製の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の材質のシートパッドに適用することは当然可能である。他の材質のシートパッドとしては、例えば、合成樹脂製等の繊維をウレタン等のバインダで硬化(結合)したもの、合成樹脂製の繊維を熱で溶融して互いに溶着させたもの等が挙げられる。
上記各実施の形態では説明を省略したが、下型11,111に線状体7,8,114を配置した後、上型(図示せず)を下型11,110に被せて型閉めするときに、上型の所定箇所で線状体7,8,114が押さえられるように、成形型10,110の形状等を設定することは当然可能である。
上記第8実施の形態では、貫通孔115aを有する円環状の被係合部115が線状体114に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。被係合部115は、第1突条113に突設された係合部222に当接して生じる摩擦力によって係合部222に係合されるように設定されていれば、形状を適宜選択できる。
なお、上記の各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。例えば、第1実施の形態で説明した係止部21,22,33の一部を係止部31,41,51,61,71,81のいずれか1以上に交換すること、第8実施の形態で説明した線状体114の両端が係合されるように被係合部115を設けると共に係合部222を配置すること、線状体114の両端が係合されるように被係合部115を省略すると共に係合部223を配置すること、第2突条14に配置される線状体8の両端が係合されるように係合部222,223を配置することは当然可能である。
1 シートパッド
1a 被装着面
2 パッド本体
7,8,114 線状体
10,110 成形型
12,112 成形面
20,220 保持部
21,22,23,31,41,51,61,71,81,221 係止部
21a,22a,23a,31a,31b,41a,41b,51a,61a,61b,71a,81a 対向面
222,223 係合部
E 表皮材

Claims (7)

  1. 表皮材が被装着面に装着されるシートパッドの製造方法であって、
    前記被装着面が形成される成形型の成形面に設けられた保持部に合成樹脂製の線状体を保持させ、前記線状体の軸方向を前記成形面に沿わせた状態にする保持工程と、
    前記保持工程により保持部に線状体が保持された前記成形型に材料を投入しパッド本体を成形して前記線状体を前記パッド本体に埋設する埋設工程とを備え、
    前記保持部は、互いに対向する一対の対向面間に前記線状体が挿入される係止部を備え、前記係止部の対向面間に挿入された前記線状体の軸方向および径方向の移動を制限することを特徴とするシートパッドの製造方法。
  2. 前記保持部は、前記係止部と前記線状体の外周との間の摩擦力によって前記線状体の軸方向の移動を制限することを特徴とする請求項1記載のシートパッドの製造方法。
  3. 前記線状体は、前記係止部の対向面間に挿入されることで径方向に圧縮変形されることを特徴とする請求項2記載のシートパッドの製造方法。
  4. 前記線状体は、前記係止部の対向面間に挿入されることで軸方向に撓み変形されることを特徴とする請求項2記載のシートパッドの製造方法。
  5. 前記保持部は、前記係止部が前記線状体の軸方向に沿って複数設けられ、
    前記線状体は、前記複数の係止部の対向面間に挿入されることにより前記対向面に接触しつつ軸方向に撓み変形されることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のシートパッドの製造方法。
  6. 前記保持部は、前記係止部の対向面間に挿入された前記線状体の軸方向の端部と係合し前記線状体の軸方向の移動を制限する係合部を備え、
    前記線状体は、軸方向に撓み変形することで軸方向の端部と前記係合部とが係合することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のシートパッドの製造方法。
  7. 前記係止部は、前記対向面の高さが、前記線状体の径方向寸法の1/2以上、且つ、前記線状体の径方向寸法以下に設定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のシートパッドの製造方法。
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