JP2016007179A - 細胞培養容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞培養容器の収容部において培養液中の気泡が、培養液面の中央に集まることを防止する。
【解決手段】本発明の細胞培養容器100は、上方に開口した、底面11と周壁面21とにより形成される収容空間30が形成された収容部40を備え、周壁面21は傾斜面により形成されており、周壁面21上には、周壁面21から収容空間30内に向かって突出する少なくとも1つの突出部80が形成されており、突出部80の表面は、底面11から開口31に向かう方向に延びる面82を含むことを特徴とする。
【選択図】図1D

Description

本発明は、マイクロドロップ法などの少量の培養液中での細胞培養に適した細胞培養容器に関する。
培養系で精子と卵子とを体外受精させて受精卵(接合子)を作製して、さらに受精卵を卵割、桑実胚、胚盤胞の段階を経て、透明帯から孵化した脱出胚盤胞の段階まで培養することが可能となり、この卵割から胚盤胞の段階にある受精卵を子宮に移植して産子を得る補助的生殖技術(ART)が、家畜領域のみならずヒトの不妊医療でも確立されている。
体外受精においては、容器中に培養液のドロップを作り、この中に受精卵を入れて体外培養するマイクロドロップ法が用いられることが多い。従来、このマイクロドロップ法には、細胞培養容器として、底面が単一平面であり、直径が30〜60mmのシャーレが使用され、シャーレの底面に、培養液のドロップを、間隔をあけて複数個作製する方法が使用されてきた。
この培養液ドロップの作製については、定められた手段は確立されておらず、培養液の使用量も各クリニックや病院の経験に基づき、多様な培養液量が用いられている。そのため、用いられている培養液量の範囲は、数十μl〜数百μlとかなりの幅がある。しかし、そのような多様な培養液量にそれぞれ対応する細胞培養容器を準備するのはコストの点で問題があり、通常のシャーレで多様な大きさのドロップを作成しているのが現状である。
一方、通常のシャーレでドロップを作成するとドロップ形成位置が定まらず、振動等でドロップがずれてしまうといった問題があった。ドロップがずれてしまうと、その中で培養して観察していた受精卵の特定が難しくなるという問題があった。また、複数のドロップが合流してしまうと、さらに受精卵の特定が難しくなるという問題があった。したがって、ドロップの位置が制御でき、受精卵培養作業時や培養時の振動による影響を抑制できる手段が求められていた。
例えば、特許文献1には、マイクロドロップ法のように少量の培養液中での細胞培養を目的とした使用方法においても、収容区画内を底部下方から顕微鏡観察が可能であり、容器内部を無駄なく区画して使用できる細胞培養容器として、収容区画の壁面を底面の鉛直方向に対して傾斜した状態で配置し、さらに収容区画を小容量に設計した細胞培養容器が記載されている。しかし、この容器では、培養液の最小使用量と想定される10μlの容量に対応するように収容区画を設計した場合、100μl〜200μl等のより大容量に対応するには収容区画の側壁をかなりの高さにする必要があり、作業性に悪影響を与えてしまう。また、50μl程度を上限とした設計とすると、より大容量の培養液を収容しようとすると収容区画から溢れてしまうという問題がある。
特許第4665589号公報
上記問題を解決する手段として、細胞及び培養液を収容する区画(以下、収容部と称する)の周壁部の表面のうち、収容部内空間を囲う周壁面を、収容部の内部空間が底面から開口に向かって広がるように傾斜させることが考えられる(図6)。しかし、周壁面をこのように傾斜させた場合、周壁面が垂直な場合と比較して、収容部内に収容された培養液の液面が中央部で高く外縁部で低くなり易い(図7)。この傾向は周壁面を水接触角の大きい(すなわち親水性の低い)表面とした場合に特に顕著である。
培養液に気泡が含まれることがあるが、培養液液面の中央部が高い場合には培養液中に浮遊した気泡は中央部の液面付近に集まる。液面中央部に気泡が集まると、底面に配置した細胞の観察が困難である。
上記の通り、収容部の周壁面を、収容部の内部空間が底面から開口に向かって広がるように傾斜させた場合に、収容部に収容された培養液の液面の中央部が盛り上がり、気泡が集中しやすいという課題が存在する。本発明は当該課題を解決することを目的とする。
上記課題を解決する手段として、本発明では以下の発明を細胞培養容器する。
すなわち、本発明の細胞培養容器は、
細胞及び培養液を収容するための上方に開口した収容空間が形成された収容部を備える細胞培養容器であって、
前記収容空間は、底面と、下端が前記底面の周縁と接続し、上端が前記収容空間の開口の周縁を形成する周壁面とにより形成され、
前記周壁面は、前記収容空間が前記底面から前記開口に向かって広がるように傾斜した傾斜面により形成されており、
前記周壁面上には、前記周壁面から前記収容空間内に向かって突出する少なくとも1つの突出部が形成されており、
前記突出部の先端は、前記細胞培養容器の上面視において、前記底面の周縁上又は前記底面の周縁よりも外側に形成されており、
前記突出部の表面は、前記底面から前記開口に向かう方向に延びる面を含むことを特徴とする。
前記特徴を備える細胞培養容器の収容部に培養液を収容するとき、培養液の液面は、周壁面上の突出部の表面に接する縁において高くなる。このため、培養液中の気泡は液面の縁が突出部の表面と接する部分に集まり易く、液面の中央部に集中し難いため、細胞の観察が容易となる。
本発明の好適な形態では、前記底面に、細胞の位置決めをするための窪みが形成されている。
本発明のこの形態では、前記収容空間内での細胞の移動を抑制することができ、細胞をそれぞれ特定した状態で観察、評価、判定が可能である。
本発明の好適な形態では、前記収容空間の深さ方向に沿った距離において、前記底面から前記突出部の前記面の上端までの距離は、前記底面から前記周壁面の上端までの距離の0.5倍以上1.5倍以下である。
収容部の収容空間に培養液を収容する場合、収容部の底面から培養液の液面までの距離が、収容部の底面から周壁面の上端までの距離の0.5倍以上1.5倍以下となるように収容することが適切である。本発明の上記好適な形態によれば、収容空間に培養液を上記適切な量加えた場合に、突出部の表面のうち底面から開口に向かう方向に延びる面が、培養液液面に接することができ、本発明の効果を達成することができる。また本発明の上記好適な形態では、突出部を、収容空間内の細胞をピペット等で操作する場合に操作の障害になり難い寸法に形成することができる。
本発明の好適な形態では、前記収容部の表面のうち少なくとも培養液と接触する表面は、水接触角が40°以上の面である。
本発明のこの形態では、前記底面、前記周壁面、前記突出部の表面等の収容部の表面のうち培養液と接触する表面が、水溶液である培養液によって濡れにくいため、培養液が収容部内で移動しやすく収容部の底面に集まり易い。
本発明の細胞培養容器では、収容部に収容された培養液の液面は、突出部の表面に含まれる、底面から開口に向かう方向に延びる面と接する部分で高くなるため、培養液中の気泡がこの部分に集中しやすく、液面中央部での細胞の観察が容易である。
本発明の細胞培養容器の一実施形態の平面図模式図である。 図1Aに示したX−X’線に沿った断面模式図である。 図1Aに示したY−Y’線に沿った断面模式図である。 図1Aに示す細胞培養容器の一実施形態の斜視図である。 本発明の細胞培養容器の一実施形態の平面図模式図である。 図2Aに示したX−X’線に沿った断面模式図である。 本発明の細胞培養容器の一実施形態の平面図模式図である。 図3Aに示したX−X’線に沿った断面模式図である。 図2A、Bに示す細胞培養容器の一実施形態での収容部に培養液を収容したときの状態を説明する、収容部の底面中央を通り底面に垂直な平面に沿った断面の模式図である。 図2A、Bに示す細胞培養容器の一実施形態での収容部に培養液を収容したときの状態を説明する、収容部近傍の平面図の模式図である。 本発明の細胞培養容器の一実施形態の平面図模式図である。 図5Aに示したX−X’線に沿った断面模式図である。 収容部の周壁面が突出部を有していない細胞培養容器の一例の平面模式図である。 図6Aに示したX−X’線に沿った断面模式図である。 収容部の周壁面が突出部を有していない細胞培養容器に培養液を加えた場合の状態を説明するための断面図である。 本発明の細胞培養容器を用いた場合に、培養液Dの液面Dの縁が突出部80の面82と接する部分を鉛直方向の平面に沿って切った端面の模式図である。 図6A,6B及び7に示す細胞培養容器を用いた場合に、培養液Dの液面Dの縁が周壁面121と接する部分を鉛直方向の平面に沿って切った端面の模式図である。 距離H及びHを説明するための模式図である。
本発明の細胞培養容器を、図面に示す実施形態を参照して説明するが、本発明の範囲はこれらの実施形態には限定されない。なお、本明細書の図面では各構成の寸法及び形状に関わらず同じ機能を有する構成は同じ符号を付しており、特段の相違点を除き説明を省略する。
図1A〜Dに、本発明の細胞培養容器の一例である細胞培養容器100を示す。
細胞培養容器100は、細胞及び培養液を収容するための上方に開口した収容空間30が形成された収容部40を備える。そして、収容空間30は、底面11と、下端が底面11の周縁12と接続し、上端が収容空間30の開口31の周縁41を形成する周壁面21とにより形成される。図示する例では、収容部40は、底部10と底部10の周縁から立設された周壁部20とを備え、底面11は、底部10の表面のうち収容空間30の底となる面であり、周壁面21は、周壁部20の表面のうち収容空間30を囲う面であるが、この形態には限定されず、所定の特徴を有する限り底面11及び周壁面21を表面に持つ部材の形状は任意である。
本発明において「収容空間の深さ方向」とは、細胞培養容器100を収容空間30の開口が上を向くように水平面上に載置し、収容空間30内に液体を収容したときの該液体の深さ方向となる方向を指す。そして本発明において、収容空間の深さ方向に沿って収容部40の底面11から見て開口が存在する側を上方、収容空間30の深さ方向に沿って開口31から見て底面11が存在する側を下方とする。また本発明において、特に断りのない限り、ある部位の「高さ」とは、該部位の上下方向位置を、収容部40の底面11を原点とし、収容部40の底面11よりも上方をプラス、収容部40の底面11よりも下方をマイナスとして、収容部40の底面11から該部位までの収容空間30の深さ方向に沿った距離を表示したものである。ある部位の「上端」とは、該部位のなかで最も上方にある部分を指す。ある部位の「下端」とは、該部位のなかで最も下方にある部分を指す。本発明において収容部40の底面11は好ましくは平面であるが、これには限定されない。底面11が平面でない場合は、底面11の周縁12の線を含む平面を「底面」とみなす。平面でない底面11としては、中央部が上方に突出した凸や、中央部が下方に窪んだ凹面が例示できる。底面11の周縁12を含む平面は、通常は、収容空間30の深さ方向に対して垂直となる。
収容部40は、細胞培養容器100を水平面上に載置したときに、収容空間30の開口31が上方に向き、細胞培養容器100の上面視において底面11が開口31を通じて観察できるように細胞培養容器100に配置される。より好ましくは、細胞培養容器100は、培養液等を収容できる、収容部40の収容空間30よりも容量の大きな大容量凹部101を備え、大容量凹部101を形成する壁面上に収容部40が配置される。このような細胞培養容器100の例としては、図1B及びCに示すように、底部10と周壁部20とを備える収容部40と、周壁部20の外縁から下方に延びる、収容部40の周囲を囲う内壁部60と、内壁部60の下端から外方に張り出す外縁底部70と、外縁底部70の外縁から上方に延び、細胞培養容器100の周囲を囲う外壁部50とを備える例が挙げられる。大容量凹部101は、外壁部50により周囲が囲われ、収容部40と内壁部60と外縁底部70とにより下方が閉塞し、上方に開口した凹部である。
図示するように、外縁底部70の上面71と、収容部40の底面11とは、平行であり且つ同一平面上にあることが好ましいがこれには限定されない。収容部40における周壁部20の外縁と、外壁部50とを接続する方式は特に限定されない。例えば、周壁部20の外縁と外壁部50の下端とが、周壁部20の外縁から外方に張り出し外壁部50の下端に接続する鍔部(図示せず)により接続されていてもよい。該鍔部の上面は、収容部40の底面11と平行であってもよいし、底面11に対し、周壁部20の外縁から外壁部50の下端に進むに従って高さが増す又は高さが減じるように傾斜していてもよい。
1つの細胞培養容器100に含まれる収容部40の個数は図示した例では1のみであるが、2以上、例えば2〜4であってもよい。
外壁部50の開口端である上端の内周側輪郭を、収容空間30の深さ方向に沿って上面視したときの図形の形状は、例えば円状(円形および楕円形を含む)等の任意の形状であることができ、好ましくは円形であり、その開口幅(前記図形において、該図形の重心を間に介して対向する、該図形の周縁上の一対の点の間の距離の最大値)は好ましくは30〜60mmである。
次に収容部40の内側の構造について詳述する。
収容部40において、収容空間30は、底面11と、下端が底面11の周縁12と接続し、上端が収容空間40の開口31の周縁41を形成する周壁面21とにより形成される。周壁面21は、底面11から開口31に向かって、収容空間30が広がるように傾斜した傾斜面により形成されている。このように構成することで、収容空間30に培養液D(図4A,4B)を入れたとき、培養液Dのドロップを底面11の付近で安定して形成することが可能であり、振動等があってもドロップが移動したり崩れたりするのを防止することができる。また、開口31近くに進むほど収容空間30の単位高さ当たりに収容できる培養液Dの容量が増加するため、幅広い培養液量のドロップを収容空間30内に形成することができる。なお、ドロップは5ml以下の液体の塊を指し、その形状は特に限定されない。
細胞培養容器100は通常、底面11が水平となるように設置され使用される。収容部40の底面11の輪郭、及び、周壁面21の上端41により形成される開口31の輪郭を収容部40の深さ方向から上面視したときの形状は特に限定されないが、好ましくは互いに相似であり、好ましくは円状(円形および楕円形を含む)であり、より好ましくは円形である。
収容部の底面11の面積は、通常用いられる小容量の培養液、例えば10μl〜100μlの培養液のドロップを収容でき、かつ10μl〜100μlの培養液のドロップによって底面11の全面を覆うことが可能であり、ドロップの高さが0.35mm以上、より好ましくは0.5mm以上となる面積が好ましい。したがって、底面11の面積は、好ましくは0.75mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは9mm以上であり、好ましくは80mm以下、より好ましくは20mm以下、更に好ましくは16mm以下である。底面11の面積を0.75mm以上とすることにより、複数の細胞、好ましくはヒト受精卵を、互いが重なることなく、底面11に配置して培養することができる。複数の細胞、特に受精卵を、同じ系で培養することにより、培養液内部に蓄積したタンパク質、ホルモン、酵素等の細胞分泌物が互いの細胞に作用するパラクライン効果を期待できる。また、細胞同士が平面上で重なっていると、顕微鏡等による細胞や受精卵の評価が困難であることから、底面11は一定の面積を有することが好ましい。また、収容部40の底面11に、細胞の位置決めをするための窪みを形成する場合も、底面11はある程度の面積を有することが好ましい。また、収容部40の底面11の面積を、80mm以下とすることにより、小容量の培養液のドロップでも、底面の全面を覆うことが可能になり、すなわち、ドロップが収容部40の底面11上で大きく移動することを防止できる。底面11の最大幅(底面の輪郭を上面視した図形において、該図形の重心を間に介して対向する、該図形の周縁上の一対の点の間の距離の最大値であり、底面が円の場合は直径)は好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、更に好ましくは3.5mm以上であり、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、更に好ましくは4.5mm以下である。
収容部40の容量は、例えば100μl〜3ml、特に200μl〜1mlである。この容量を一定以下とすることにより、細胞分泌物によるオートクライン効果や複数の細胞の相互作用によるパラクライン効果を期待できる。また、たとえば受精卵培養時には2日間培養後に培養液を半分だけ新しい培養液に交換するなどの作業を行う培養手法を実施することもある。これらの作業時には、培養液が200μl以上あることで作業が容易となる。
収容部40の周壁面21には、該周壁面21から収容空間30の内部に向かって突出する少なくとも1つ(図1A〜Dの実施形態1では4つ)の突出部80が形成されている。複数の突出部80の各々は、図示する例では同一の形状及び寸法を有するが、異なる形状及び寸法を有していてもよい。各突出部80の先端81は、細胞培養容器100の上面視において、底面11の周縁12上又は底面11の周縁12よりも外側に形成されている。ここで「突出部の先端」とは、細胞培養容器の上面視において、突出部のうち収容空間の最も中央寄りに位置する部位を指す。図1A〜Dに示す実施形態1においては、各突出部80のうち、最も中央寄りに位置する、収容空間30の深さ方向に延びる面により形成される部分が、該突出部80の先端81である。なお本実施形態では先端81の表面は後述する面82の一部である。この場合、底面11の全体を開口31を通じて観察することができ、また底部10が光透過性を有する場合は、底部10の下方からの観察も容易である。
そして、各突出部80の表面は、収容部40の底面11から開口31に向かう方向に延びる面82を含むことを特徴とする。本発明において、面82が「底面11から開口31に向かう方向」に延びているとは、収容空間30の深さ方向に平行又は略平行に面82が延びていることを指す。具体的には、面82の法線と、収容空間30の深さ方向に垂直な仮想平面との成す角のうち最も小さい角(鋭角)の絶対値が0〜20°、好ましくは0〜10°、より好ましくは0〜5°、更に好ましくは0〜2°、最も好ましくは0°である。面82が収容部の底面から開口に向かう方向に延びているとき、細胞培養容器100を水平面上に載置すると、面82は鉛直方向又は略鉛直方向に向くことになるため、培養液の液面の外縁が接触したときに、接触部分で培養液の液面が高くなり本発明の効果が顕著に奏される。
図4Aに示すように、周壁面21に突出部80を設けることにより、培養液Dの液面の縁は、底面11から開口31に向かう方向に延びる面82に接した部分において液面が高くなり易い。図4では、説明のために、突出部80が1つのみの実施形態を示すが、突出部80が複数存在する実施形態においても同様の効果を生じることができる。これに対して、図6A,6B及び7に示すように、収容部140として、底部110と、底部110の周縁から上方に向け立設した周壁部120とを少なくとも備え、収容部140は上方に開口しており、収容部140の内部に、細胞及び培養液を収容するための収容空間130が形成され、収容部140の周壁面121が、収容部140の底面111から開口141に向かって、収容空間130が広がるように形成されている細胞培養容器160を用いた場合には、図7に示すように、収容空間130に収容される培養液Dの液面の高さは、周壁面121と接する縁の部分において低く、液面の中央部分において高くなり易い。このような違いが生じる機構を図8A及びBに基づいて説明する。図8Aは、本発明の細胞培養容器を用いた場合に、培養液Dの液面Dの縁部が突出部80の面82と接する部分を鉛直方向の平面に沿って切った端面の模式図である。図8Bは、図6A,6B及び7に示す細胞培養容器を用いた場合に、培養液Dの液面Dの縁部が周壁面121と接する部分を鉛直方向の平面に沿って切った端面の模式図である。Hは水平面を示し、Eは、培養液Dの液面Dと、突出部80の面82又は周壁部120の周壁面121との接点を示す。収容部40における突出部80の面82と、収容部140における周壁部120の周壁面121とを同じ素材で形成した場合、同一条件では培養液Dとの接触角は同一になる(図8A、Bにおいてθとする)。θが90°未満である場合、本発明の収容部40における突出部80の面82に接する培養液Dの液面Dは、接点Eにおいて高く、接点Eから収容部40の内方に近づくほど低い(図8A)。一方、θが90°未満であり且つ周壁面121の底面111に対する傾斜角よりもθが大きい場合、周壁面121に接する培養液Dの液面Dは、接点Eにおいて低く、接点Eから収容部140の内方に近づくほど高い(図8B)。θが90°以上の場合であっても、本発明の面82を備える収容部40を用いる場合、傾斜した周壁面121を備える収容部140を用いる場合と比較して、液面Dの中央近傍での上方への突出度合は小さい。
このため、図4Bに示すように、本発明の細胞培養容器100の収容部40に培養液Dを収容するときに培養液Dに気泡35が含まれている場合、気泡35は突出部80の培養液Dと接触する面82の近傍に集まり易く、培養液Dの液面の中央部の観察が容易になる。
本発明では、図示するように、突出部80の表面のうち培養液に接触する表面の全体が、底面11から開口31に向かう方向に延びる前記面82により構成されることが好ましいが、これには限定されず、突出部80の表面のうち培養液に接触する表面の一部、例えば培養液の液面の縁と接する表面のみが前記面82により構成されてもよい。ここで「培養液に接触する表面」とは、収容空間30に培養液を収容して安定した条件下で静置培養を行ったときに培養液と接する表面を意味する。例えば、突出部80の、収容部40の開口側の端部の表面は、培養容器を振動させたり、培養液を収容空間30内に収容したりする際に培養液と接触することがあるが、このような部分は本発明における「培養液に接触する表面」ではない。
本発明の細胞培養容器100では、収容空間30の深さ方向に沿った距離において、底面11から突出部80の前記面82の上端までの距離は、底面11から周壁面21の上端41までの距離の0.50倍以上1.50倍以下であることが好ましく、0.60倍以上1.00倍以下であることがより好ましく、例えば0.655倍である。ここで上記の各距離を説明するために図9を参照する。図9は、後述する突出部80が1つである図2A、Bに示す本発明の細胞培養容器100の実施形態における収容部40の近傍の断面模式図である。収容空間30の深さ方向に沿った距離のうち、底面11から突出部80の前記面82の上端90までの距離をHとし、底面11から周壁面21の上端41までの距離をHとしたとき、HがHの0.50倍以上1.50倍以下であることが好ましく、0.60倍以上1.00倍以下であることがより好ましい。なお、図1A〜5B及び9に示す実施形態では、いずれもHとHとは等しく上記比は1倍である。距離Hに関して、突出部80の前記面82の上端90とは、1つの突出部80の表面に含まれる前記面82のうち、収容空間30の深さ方向に沿って底面11から最も離れた部分を指す。なお、図9では、面82の上端90として、断面図上に現れる一点のみを指しているが、図1A〜5B及び9に示す実施形態ではいずれも、面82の上端90は、突出部80の上面と面82とが交差して形成される稜線のどの位置であってもよい。また距離Hは、周壁部21の上端41の底面11からの収容空間30の深さ方向に沿った距離が周壁部21の全周にわたって一様でない場合には、最も短い距離を指す。突出部80の機能を発揮させるためには、培養液の液面を突出部80の前記面82と接するように培養液の液量を設定する必要があるが、当業者であればこのような設定は適宜行うことができる。また、目的とする培養液量に応じて適切な高さの突出部80を有する細胞培養容器100を選択することができる。HのHに対する前記比率が1.00を超える場合には、収容部40内で培養液のドロップを形成し、ドロップの液面が収容部40の開口31を超えるような場合にも本発明の効果を奏することが可能である。
各突出部80は、図示するように、細胞培養容器100の上面視において、収容部40の中央から周縁に向かう方向(すなわち収容部40の径方向)に延びる板状部であることが好ましい。この場合、板状部の両主面と、収容空間30の中央の側の側面が、収容部の底面から開口に向かう方向に延びた面82を構成する。各突出部80が、図示するような、収容部40の径方向に延びる板状部である実施形態では、該板状部の、周壁面21の周方向の幅は、収容部40の底面11の周縁12の全長、即ち底面11の周囲長、の0.5〜20%とすることが好ましく、2〜15%とすることがより好ましく、5〜10%とすることが最も好ましい。具体的には、0.1〜2mmが好ましく、0.5〜1.5mmがより好ましく、例えば1.0mmである。
本発明において1つの収容部40に含まれる、突出部80の個数は特に限定されないが、好ましくは1〜10個、より好ましくは2〜4個、例えば2個である。突出部80の個数が多いほど、表面82と液面との接点が多くなるため気泡を集めやすいが、ピペット等を用いた培養細胞の取扱いが容易でなくなり、観察に支障を来す場合もあるため、前記範囲が好適である。複数の突出部80が設けられる場合、周壁面21の周方向に等間隔又は略等間隔となるように設けることができる。複数の突出部80は、互いに同形状同寸法であることが好ましい。
周壁面21の、突出部80以外の部分は傾斜面により構成されている。周壁面21の底面11に対する傾斜角は、周壁面21の法線と、底面11の法線とが成す鋭角により表すことができる。この鋭角をθ(°)としたとき、θは好ましくは75°以下、より好ましくは70°以下、より好ましくは65°以下、より好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下、さらに好ましくは50°以下である。θを75°以下とすることにより、収容空間30内の細胞をピペット等により容易に扱うことができ、操作性が高まる。収容された細胞は、通常、顕微鏡等により観察されるが、周壁面21が傾斜していることによって、顕微鏡観察下でも、斜めからピペット等を収容空間30内に挿入することが可能になる。また、θは、好ましくは10°以上、より好ましくは15°以上、さらに好ましくは20°以上、更に好ましくは40°以上、更に好ましくは45°以上、更に好ましくは50°以上である。θを10°以上とすることにより、培養液のドロップを収容空間30の下方へ集めることができる。θの角度が小さすぎると、ドロップが収容空間30の下方へと流れず、周壁面21上に残ってしまうおそれがある。
本発明の更に好ましい実施形態では、周壁面21は、図示するように、底面11の周縁から外縁に向かうほど段階的又は連続的に勾配が緩やかとなる傾斜面により形成されている。発明のこの形態では、周壁面21の傾斜が、底部から開口に向かうに従ってなだらかになるため、底部から開口に向かうに従って単位高さあたりに収容できる培養液量が急激に増える。このため、幅広い培養液量の培養に対応可能である。この好ましい実施形態において、周壁面21の底面11に対する上記の傾斜角θのうち、周壁面21の下端(底面11の周縁12と一致する)近傍の傾斜角をθ1とし、上端41近傍の傾斜角をθ2とすると、θ1及びθ2はそれぞれ以下の範囲であることが好ましい。すなわち、θ1は、好ましくは75°以下、より好ましくは70°以下、より好ましくは65°以下である。またθ1は好ましくは40°以上、より好ましくは45°以上、さらに好ましくは50°以上である。θ2は好ましくは10°以上、より好ましくは15°以上、さらに好ましくは20°以上である。またθ2は好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下、さらに好ましくは50°以下である。より好ましくは、周壁面21は、底面11の周縁12に立設され底面11との成す傾斜角が上記θ1である、周壁面21の下端12から稜線13までの第1傾斜面と、該第1傾斜面の上端に立設され底面11との成す傾斜角が上記θ2である、稜線13から周壁面21の上端41までの第2傾斜面とにより構成される。
本発明の細胞培養容器100において、収容部40の表面のうち少なくとも培養液と接触する表面は、水接触角が40°以上の面であることが好ましい。ここで、培養液と接触する表面としては、底面11、周壁面21及び突出部80の表面のうち培養液と接触する表面が含まれる。本発明において水接触角とは温度25℃において測定された水接触角を指す。水接触角が40°以上である場合、図7に示す容器のように周壁面121が突出部を有さない傾斜面であると培養液の液面が上に凸になり易く気泡が液面中央部に集まり易いという問題があるが、本発明の細胞培養容器100を用いることによりこの問題を解消又は少なくとも軽減することができる。また、接触角が小さい(水に対し濡れ性の高い)樹脂材料は、接触角が大きい(水に対し濡れ性の低い)樹脂材料を表面処理して親水化し形成されることが一般的であるが、表面処理された親水性表面は経時的に劣化しやすい傾向がある。40°以上という大きい接触角の樹脂材料により細胞培養容器を製造すれば経時的な劣化が少なく長期間安定的に使用することが可能である。収容部40の表面のうち少なくとも培養液と接触する表面の水接触角は、更に好ましくは50°以上である。前記水接触角の上限は特に限定されないが、好ましくは100°以下、より好ましくは70°以下である。水溶液である培養液が本発明の細胞培養容器の収容部に収容され、突出部80の面82と培養液とが接する場合に、水接触角が100°以下であれば培養液の液面は上に凸になりにくく、平坦又は下に凸となる。更に水接触角が70°以下であれば培養液の液面は下に凸になり易く、安定的に気泡が周縁に集中し易い。
底面11には、例えば図5A及び5Bに示すように、細胞を位置決めするための窪み500が形成されていることが好ましい。図5A及び5Bに示す細胞培養容器100は、底面11に窪み500が複数形成されている収容部40を備えるという点を除いて、図1等に示す細胞培養容器100と同様の構成を備える。図5A及び5Bにおいて図1等で示した構成と同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、それらの説明を省略する。窪み500内に細胞を配置することにより、細胞の移動を抑制することができ、細胞をそれぞれ特定した上で評価や判定を行うことができる。この窪み500の形状は特に制限されないが、開口部の外縁が円形であり、窪みの壁面が、窪みが最も深い位置から外縁に進むに従って高くなるように傾斜した曲面を有することが好ましい。窪みの壁面は、好ましくは円錐状または円錐台状の部分を含む。円錐状または円錐台状の部分は、培養容器の底部側に、円錐の頂点または円錐台の上面および下面のうち面積の狭い方がくるように形成される。円錐状には、円錐および楕円錐、これらに類似の形状、例えば、円錐または楕円錐の頂点が丸みを帯びている形状、円錐面が外側に膨らんでいる形状、円錐面が内側に凹んでいる形状などが含まれる。円錐台状には、円錐台および楕円錐台、これらに類似の形状、例えば、円錐台または楕円錐台の上面または下面と円錐面との接合部が丸みを帯びている形状、円錐面が外側に膨らんでいる形状、円錐面が内側に凹んでいる形状などが含まれる。なお、窪み500は、上記に限らず、多角錐状、多角錐台状などの形態であってもよい。
窪み500の寸法は、少なくとも1つの細胞を収容可能な寸法であれば特に制限されない。ここで、窪み500の寸法は、窪み500の開口の外縁が形成する図形の最長径の長さをさす。従って、窪み500の開口の外縁が円形である場合、その直径は、培養する細胞の最大寸法と同じかそれより大きいものとなる。本発明の細胞培養容器により受精卵を培養する場合、胚盤胞の段階まで培養することが望ましいため、円形の開口の直径は、胚盤胞の段階の細胞の最大寸法より大きいものであることが望ましい。胚盤胞の段階の細胞の最大寸法は通常100μm〜280μmであることから、円形の開口の直径は、通常100μm以上である。
例えば、ヒト受精卵の場合、窪み500の開口の最長径は、通常100μm以上、好ましくは200μm以上、さらに好ましくは250μm以上であり、通常1000μm以下、好ましくは900μm以下、さらに好ましくは800μm以下である。また、上記窪み500の開口の最長径は、X+α(ここでXは細胞の最大寸法を表す)と規定することもできる。ここで、αは、好ましくは0.01mm以上、さらに好ましくは0.02mm以上である。
本発明の細胞培養容器の材質は特に制限されない。具体的には、金属、ガラス、およびシリコン等の無機材料、プラスチック(例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)で代表される有機材料を挙げることができる。本発明の培養容器は、当業者に公知の方法で製造することができる。例えば、プラスチック材料からなる培養容器を製造する場合には、慣用の成形法、例えば射出成形により製造することができる。
以下、図面に示す他の実施形態を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施形態には限定されない。また、本明細書の図面では各構成の寸法及び形状に関わらず同じ機能を有する構成は同じ符号を付しており、上記の実施形態との特段の相違点を除き説明を省略する。
<突出部80が1つの実施形態>
図2A、Bに示す実施形態では周壁面21上に形成されている突出部80が1つのみである点を除いて、図1A〜Dに基づいて説明した細胞培養容器100と同様の構成を有する。
突出部80が1つのみであるため、培養時の細胞の観察や取扱いが容易であるという利点を有する。
図4A、Bでは、図2A、Bに示す細胞培養容器100の収容部40に気泡35を含む培養液Dを収容したときの、収容部40近傍の断面図と平面図の模式図を示す。
<突出部80が2つの実施形態>
図3A、Bに示す実施形態では周壁面21上に形成されている突出部80が2つのみである点を除いて、図1A〜Dに基づいて説明した細胞培養容器100と同様の構成を有する。
突出部80は、収容部40の径方向に延びる板状部であり、2つの突出部80が、周壁面21の、収容空間30の中央を介して対向する周方向位置に設けられている。
この実施形態であれば、2つの突出部80により培養液液面を部分的に高めて気泡を集める効果が十分に得られる。また、幅広い角度から収容空間30の中央部にアクセスすることができるため、培養時の細胞の観察と取扱いが容易である。
本発明の細胞培養容器を実際に製造した。
(実施例1/図1A〜D)
図1に示す4つの突出部80を有する細胞培養容器100をポリスチレンにより製造した。
外壁部50の開口端の内径は35.5mmとし、外縁底部70の上面71から外壁部50の上端までの高さを9.95mmとした。収容部40の周壁面21の上端41により形成される開口31の直径を10.3mmとした。収容部底面11から周壁面21の上端41までの高さを2.85mmとした。収容部底面11が形成する円の直径を3.8mmとした。周壁面21の底面11に対する傾斜角は、底面11の周縁12から稜線13までにおいて50°とし、稜線13から開口11までにおいて22°とした。底面11から稜線13までの高さを2.35mmとした。
4つの突出部80のそれぞれは厚さ(周壁面21の周方向の幅)1mmの板状部とし、収容空間30の中央の側の側面、即ち突出部80の先端81が、収容部底面11に垂直な方向から上面視したときに収容部底面11の周縁12と接するようにした。各突出部80の収容部40の開口31の側の端部の、収容部40の径方向の長さは約6.95mmとした。突出部80の両主面及び収容空間30の中央の側の側面は底面11(及び細胞培養容器1を水平面上に置いたときの水平方向)に対して垂直に延びる面82により構成される。突出部80は、収容部40の周方向に等間隔で配置されるようにした。
比較例として突出部80を有さない以外は同一の形状の細胞培養容器を用意した。
細胞培養液を収容空間30に収容したところ、実施例1の細胞培養容器1では気泡が突出部80の近傍に集まり易いことが確認された。
(実施例2/図2A、B)
突出部80の数が1つである点を除いて、実施例1と同じ構造を有する、図2A、Bに示す細胞培養容器100を製造した。
比較例として突出部80を有さない以外は同一の形状の細胞培養容器を用意した。
細胞培養液を収容空間30に収容したところ、実施例2の細胞培養容器100では気泡が突出部80の近傍に集まり易いことが確認された。
(実施例3/図3A、B)
突出部80の数が2つである点を除いて、実施例1と同じ構造を有する、図3に示す細胞培養容器100を製造した
2つの突出部80は、周方向に等間隔となるように周壁面21に形成した。
比較例として突出部80を有さない以外は同一の形状の細胞培養容器を用意した。
細胞培養液を収容空間30に収容したところ、実施例3の細胞培養容器100では気泡が突出部80の近傍に集まり易いことが確認された。
100・・細胞培養容器
10・・底部
11・・底面
12・・底面11の周縁
20・・周壁部
21・・周壁面
30・・収容空間
31・・開口
35・・気泡
40・・収容部
41・・開口31の周縁を形成する周壁面21の上端
80・・突出部
81・・突出部の先端
82・・収容部の底面から開口に向かう方向に延びた、突出部の面
500・・窪み
D・・培養液

Claims (5)

  1. 細胞及び培養液を収容するための上方に開口した収容空間が形成された収容部を備える細胞培養容器であって、
    前記収容空間は、底面と、下端が前記底面の周縁と接続し、上端が前記収容空間の開口の周縁を形成する周壁面とにより形成され、
    前記周壁面は、前記収容空間が前記底面から前記開口に向かって広がるように傾斜した傾斜面により形成されており、
    前記周壁面上には、前記周壁面から前記収容空間内に向かって突出する少なくとも1つの突出部が形成されており、
    前記突出部の先端は、前記細胞培養容器の上面視において、前記底面の周縁上又は前記底面の周縁よりも外側に形成されており、
    前記突出部の表面は、前記底面から前記開口に向かう方向に延びる面を含むことを特徴とする細胞培養容器。
  2. 前記底面に、細胞の位置決めをするための窪みが形成されている、請求項1の細胞培養容器。
  3. 前記収容空間の深さ方向に沿った距離において、前記底面から前記突出部の前記面の上端までの距離は、前記底面から前記周壁面の上端までの距離の0.5倍以上1.5倍以下である、請求項1又は2の細胞培養容器。
  4. 前記周壁面上には前記突出部が1〜10個形成されている、請求項1〜3のいずれか1項の細胞培養容器。
  5. 前記収容部の表面のうち少なくとも培養液と接触する表面は、水接触角が40°以上の面である、請求項1〜4のいずれか1項の細胞培養容器。
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