JP2016006018A - カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

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陽一 安富
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Abstract

【課題】重合物の生成を抑制し、効率よくカルボン酸エステルを製造する方法を提供する。
【解決手段】第10族金属化合物、ホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物及びプロトン酸を含む触媒の存在下、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素を、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボン酸エステルの製造方法に関するものである。
分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素を、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させてカルボン酸エステルを製造する方法として、例えば、特許文献1には、パラジウム化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を触媒として用い、メチルアセチレンを一酸化炭素及びメタノールと反応させメタクリル酸メチルを製造する方法が開示されている。
特開2010−120921号公報
しかしながら、上記従来の方法では、カルボン酸エステルの製造において、カルボン酸エステルの重合物が生成することがある。
そこで、本発明の目的は、重合物の生成を抑制し、効率よくカルボン酸エステルを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
[1]第10族金属化合物、ホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物及びプロトン酸を含む触媒の存在下、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素を、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
[2]ホスフィンオキサイド化合物の使用量が、ホスフィン化合物100重量部に対して、0.3重量部以上である請求項1に記載の製造方法。
[3]ホスフィンオキサイド化合物がアリールホスフィンオキサイド化合物である請求項1又は2に記載の製造方法。
[4]第10族金属化合物がパラジウム化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
[5]ホスフィン化合物が芳香族第3級ピリジルホスフィンである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
[6]プロトン酸がスルホン酸化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、重合物の生成を抑制できるためカルボン酸エステルを効率良く製造することができる。
本発明においては、第10族金属化合物、ホスフィン化合物及びプロトン酸を含む触媒と、ホスフィンオキサイド化合物の存在下、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素を、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させる。
本発明の方法において用いられる分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素としては、具体的には、アセチレン、メチルアセチレン、エチルアセチレン、2−ブチン、フェニルアセチレン、ビニルアセチレン、1−ペンテン−4−イン、メチルビニルアセチレンなどを挙げることができ、これらは単独での使用に限られず、適宜2種以上を用いてもよい。
分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素の中でも、アセチレン群より選ばれる少なくとも1種を原料として用いる場合に、本発明の方法は有利に採用され、メチルアセチレンを原料として用いる場合に、本発明の方法はより有利に採用される。
分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素は、反応を著しく阻害するもので無い限りは、不純物を含んでいてもよい。かかる不純物としては、例えば、炭素数1〜5のアルカン(メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等)、ジエン(プロパジエン、ブタジエン等)、一酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等が挙げられる。メチルアセチレンを原料として用いる場合において、かかる不純物としては、具体的には、プロパジエン、ブタジエン、プロピレン、ブテン、プロパン、一酸化炭素、二酸化炭素等が挙げられる。メチルアセチレンを原料として用いる場合、メチルアセチレンとしては、プロパジエンの含有量が50重量ppm以下のものが好ましく、30重量ppm以下のものがより好ましく、20重量ppm以下のものがさらに好ましく、10重量ppm以下のものがさらにより好ましく、5重量ppm以下のものが特に好ましい。
本発明に用いられるヒドロキシル基を有する化合物としては、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、アリルアルコール、等のアルコール;フェノール、ナフトール等のフェノール化合物;を挙げることができる。中でも、炭素数1〜3のアルコールが好ましい。好ましい実施形態として、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素としてアセチレンを使用し、メタノールを反応させることでアクリル酸メチルを製造する形態や、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素としてメチルアセチレンを使用し、メタノールを反応させることでメタクリル酸メチルを製造する形態が挙げられる。該ヒドロキシル基を有する化合物の使用量は、該ヒドロキシル基を有する化合物に含まれる水分量に応じて、反応系に存在する水が第10族金属化合物1モルに対して40000モル以下となるように調整されることが好ましい。該ヒドロキシル基を有する化合物に含まれる水分量は、1000重量ppm以下が好ましく、750重量ppm以下がより好ましく、500重量ppm以下がさらに好ましく、100重量ppm以下が特に好ましい。分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素1モルに対する該ヒドロキシル基を有する化合物の使用量は、1モル以上が好ましく、1〜5モルが好ましい。
本発明に用いられる一酸化炭素は、純粋な一酸化炭素のほか、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、アルゴン等の触媒や分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素に不活性なガスを含んでいてもよい。
本発明の反応は、第10族金属化合物、ホスフィン化合物及びプロトン酸を含む触媒を用いて実施される。上記触媒は、第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物からなる混合物として使用されることが好ましい。第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物の使用量は、触媒量でよいが、典型的には、以下に例示するような態様で使用される。
第10族金属化合物としては、ニッケル化合物、パラジウム化合物、白金化合物が挙げられ、好ましくはパラジウム化合物を挙げることができる。かかるパラジウム化合物としては、パラジウムアセチルアセトナート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムアセテート、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、トリフルオロメタンスルホン酸パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウム及びこれらの混合物を挙げることができる。パラジウム化合物として、より好ましくは、パラジウムアセチルアセトナート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムアセテート、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、トリフルオロメタンスルホン酸パラジウム、硫酸パラジウム及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは酢酸パラジウムである。第10族金属化合物の使用量は分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素1モルに対して、1/200000モル以下であることが好ましく、より好ましくは1/1000000〜1/200000モルの範囲である。すなわち、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素の使用量が、第10族金属化合物1モルに対して200000モル以上であることが好ましく、より好ましくは200000〜1000000モルの範囲である。
ホスフィン化合物は特に限定されないが、例えば、第3級モノホスフィン化合物、ジホスフィン化合物等が挙げられる。第3級モノホスフィン化合物としては、例えば、下記式(A)
Figure 2016006018
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルケニル基又は置換基を有していてもよいピリジル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合するリン原子と共に置換基を有していてもよい複素環を形成し、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルケニル基又は置換基を有していてもよいピリジル基を表す。)
で表される第3級モノホスフィン化合物等が挙げられる。ジホスフィン化合物としては、例えば、下記式(B)
Figure 2016006018
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルケニル基又は置換基を有していてもよいピリジル基を表し、Lは、置換基を有していてもよい二価の脂肪族炭化水素、置換基を有していてもよい二価の脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい二価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい二価の複素環基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合するリン原子と共に置換基を有していてもよい複素環を形成し、R及びRは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルケニル基又は置換基を有していてもよいピリジル基を表し、Lは、置換基を有していてもよい二価の脂肪族炭化水素、置換基を有していてもよい二価の脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい二価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい二価の複素環基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合するリン原子と共に置換基を有していてもよい複素環を形成し、R及びRは、R及びRが結合するリン原子と共に置換基を有していてもよい複素環を形成し、Lは、置換基を有していてもよい二価の脂肪族炭化水素、置換基を有していてもよい二価の脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい二価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい二価の複素環基を表す。)
で表されるジホスフィン化合物等が挙げられる。
上記式(A)で表される第3級モノホスフィン化合物としては、好ましくは下記式(1)
Figure 2016006018
(式(1)中、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、アラルキル基、置換又は無置換アリール基、ピリジル基、シリル基、アミノ基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基及びアシル基からなる群から選ばれる置換基を表し、それぞれ隣接する基は互いに結合して環を形成していてもよい。nは0〜3の整数を表す。)
で表される芳香族第3級ホスフィン化合物が用いられる。かかる芳香族第3級ホスフィン化合物は、単独での使用に限られず、適宜2種以上を用いてもよい。
上記式(1)で表される芳香族第3級ホスフィン化合物の中でも、nが1〜3の整数で表される芳香族第3級ピリジルホスフィンがより好ましい。芳香族第3級ピリジルホスフィンとして、具体的には、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、ジフェニル(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−エチル−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル[6−(n−プロピル)−2−ピリジル]ホスフィン、ジフェニル[6−(iso−プロピル)−2−ピリジル]ホスフィン、ジフェニル(6−フェニル−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−ヒドロキシ−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−メトキシ−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−フルオロ−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−クロロ−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−ブロモ−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−フルオロフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−ブロモフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3−メチルフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル](2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−フルオロフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−クロロフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−ブロモフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3−メチルフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル](6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)[6−(n−プロピル)−2−ピリジル]ホスフィン、ビス(2−ピリジル)フェニルホスフィン、トリス(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(6−メチル−2−ピリジル)フェニルホスフィン、トリス(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3,5−ジメチルフェニル)(2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチルフェニル)(6−メチル−2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)(2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)(6−メチル−2−ピリジルホスフィン)が例示され、より一層好ましくは、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、ジフェニル(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3,5−ジメチルフェニル)(2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチルフェニル)(6−メチル−2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)(2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)(6−メチル−2−ピリジルホスフィン)が例示される。
これらの芳香族第3級ピリジルホスフィンは単独での使用に限られず、適宜混合して用いてもよい。
上記の芳香族第3級ピリジルホスフィンは公知の方法による製造が可能である。例えば、特開平2−277551号公報に開示されているように、ハロゲン化ピリジンをアルキルリチウムと反応させてリチオ化した後、ホスフィンクロライドを反応させることで種々の芳香族第3級ピリジルホスフィンを製造する事ができる。
また、上記芳香族第3級ピリジルホスフィンに対して単座3級モノホスフィン化合物を共存させた場合にも好ましい結果が得られる。この場合の単座3級モノホスフィン化合物とは、1つのリン原子の他に配位座となるような官能基を含まない3級ホスフィン化合物である。単座3級モノホスフィン化合物としては、トリアルキルホスフィン、又は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、同一又は相異なるアリール基を有する芳香族3級ホスフィンが例示される。かかる単座3級モノホスフィン化合物としては、具体的には、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、(4−メチルフェニル)(ジフェニル)ホスフィン及びこれらの混合物が例示され、好ましくは前記の芳香族3級ホスフィン、更に好ましくはトリフェニルホスフィンが用いられる。その使用量に特に制限は無いが、第10族金属化合物1モルに対して好ましくは、1〜600モルの範囲であり、より好ましくは1〜300モルの範囲である。
上記式(B)で表されるジホスフィン化合物としては、具体的には、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ベンゼン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ベンゼン、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)メタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)エタン、1,2−(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)プロパン、1,3−(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ブタン、1,4−(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)シクロプロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロプロパン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)シクロブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロブタン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)シクロペンタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロペンタン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ノルボルナン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ノルボルナン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ノルボルネン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ノルボルネン、1,2−P,P’−ビス(9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノニル)エタン、1,2−P,P’−ビス(9−ホスファビシクロ[4.3.1]ノニル)エタン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、4,5’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン、1,3−P,P’−ジ(ホスファ(オキサ−アダマンチル))プロパン等が例示される。
これらのジホスフィン化合物は単独での使用に限られず、適宜混合して用いてもよい。
ホスフィン化合物の使用量は、第10族金属化合物1モルに対して、2〜300モルが好ましく、より好ましくは5〜240モルである。また、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素1モルに対するホスフィン化合物の使用量は、0.000020モル以上が好ましく、より好ましくは0.000020〜0.00048モルである。
ホスフィンオキサイド化合物は特に限定されないが、例えば下記式(C)
Figure 2016006018
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルケニル基又は置換基を有していてもよいピリジル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合するリン原子と共に置換基を有していてもよい複素環を形成し、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルケニル基又は置換基を有していてもよいピリジル基を表す。ただし、R、R及びRのうち二以上が同時に水素原子を表すことはない。)
で表されるホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
上記式(C)で表されるホスフィンオキサイド化合物の中でも、好ましくは、R、R及びRの内少なくとも1つがアリール基であるモノアリールホスフィンオキサイド化合物、ジアリールホスフィンオキサイド化合物、及びトリアリールホスフィンオキサイド化合物、さらに好ましくは、ジアリールホスフィンオキサイド化合物である。ジアリールホスフィンオキサイド化合物として、具体的には、ジフェニルホスフィンオキサイド、フェニル(2−メチルフェニル)ホスフィンオキサイド、フェニルピリジルホスフィンオキサイド、フェニル(2−メチルピリジル)ホスフィンオキサイド、ビス(2−メチルフェニル)ホスフィンオキサイド、(2−メチルフェニル)ピリジルホスフィンオキサイド、(2−メチルフェニル)(2−メチルピリジル)ホスフィンオキサイド、ジピリジルホスフィンオキサイド、ピリジル(2−メチルピリジル)ホスフィンオキサイド、ビス(2−メチルピリジル)ホスフィンオキサイドが例示される。
これらのホスフィンオキサイド化合物は単独での使用に限られず、適宜混合して用いてもよい。尚、前記ホスフィン化合物には、不純物として、上記式(C)で表されるホスフィンオキサイド化合物が含まれていてもよく、その場合は、ホスフィン化合物に含まれる、ホスフィンオキサイド化合物の量を考慮に入れて使用量を決めればよい。
ホスフィンオキサイド化合物の使用量は、ホスフィン化合物に対して0.3重量パーセント以上が好ましく、より好ましくは0.3〜1.5重量パーセントの範囲である。
プロトン酸としては、有機又は無機のプロトン酸が例示される。プロトン酸として、具体的には、ホウ酸、オルトリン酸、ピロリン酸、硫酸、ハロゲン化水素酸、ベンゼンリン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルメタンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド及びこれらの混合物が例示され、好ましくは、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルメタンスルホン酸等のスルホン酸化合物、さらに好ましくはメタンスルホン酸が使用される。その使用量は、特に限定されないが、第10族金属化合物1モルに対して、好ましくは3〜300モルであり、より好ましくは10〜240モルである。
前記反応において、触媒としてアミン化合物の使用は必須ではないが、アミン化合物の共存下での反応は好ましい結果を与える場合がある。アミン化合物は、特に限定されないが、通常、公知の3級アミン又は環状アミンが用いられる。アミン化合物として、具体的には、N,N−ジアルキルアニリン(N,N−ジメチルアニリン等)、ピリジン、キノリン、イソキノリン、トリアジン、イミダゾール、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン及びこれらの混合物が例示され、好ましくはN,N−ジメチルアニリン、ピリジンである。アミン化合物の添加量に制限はないが、好ましくはプロトン酸1モルに対して1〜50モル、より好ましくは1〜10モルの範囲である。
本発明において、反応系に存在する水の量は、第10族金属化合物1モルに対して、40000モル以下が好ましく、4000モル以下がより好ましく、1000モル以下がさらに好ましく、500モル以下がさらにより好ましい。
本発明の反応においては、溶媒の使用は必須ではないが、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素の分圧を低くすることが好ましく、好適には前記のヒドロキシル基を有する化合物を溶媒の代わりに過剰に用いる。しかし、別途、別の溶媒を使用することも可能である。使用できる別の溶媒及びその使用量は、前記反応を大きく阻害するものでなければ特に限定されないが、脂肪族飽和炭化水素類、スルホキシド類、スルホン類、エステル類、ケトン類、エーテル類、アミド類、アルコール類、イオン性液体及びこれらの混合物が挙げられる。溶媒として、具体的には、ペンタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、アニソール、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジブチルエーテル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド及びこれらの混合物が例示される。
本発明の方法において、炭化水素の使用は必須ではないが、炭素数が6以上の炭化水素存在下での反応は好ましい結果を与える場合がある。炭素数が6以上の炭化水素としては、炭素数が6以上の脂肪族飽和炭化水素及び炭素数が6以上の芳香族炭化水素が例示される。これらは単独での使用に限られず、適宜2種以上を用いてもよい。前記炭化水素は、炭素数6〜20の脂肪族飽和炭化水素及び炭素数6〜20の芳香族炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、炭素数6〜10の脂肪族飽和炭化水素及び炭素数6〜10の芳香族炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。尚、前記の炭化水素は、原料として用いられる分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素やヒドロキシル基を有する化合物、あるいは溶媒に含まれていてもよく、また、反応系に直接添加してもよい。炭化水素の添加量に制限はないが、好ましくはヒドロキシル基を有する化合物量に対して0.5〜25重量%の範囲である。
炭素数が6以上の脂肪族飽和炭化水素の例としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。芳香族炭化水素の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、メシチレンが挙げられる。
前記反応において、その反応温度に特に制限はないが、好ましくは、20〜100℃の範囲において実施される。また、反応時間は、触媒使用量や反応温度並びに圧力等の条件にもよるが、通常は0.5〜48時間である。前記反応における反応圧力は特に限定されないが、好ましくは0.5〜10MPaG(ゲージ圧)であり、より好ましくは1.0〜7MPaG(ゲージ圧)の範囲である。このときの一酸化炭素分圧は特に限定されないが、好ましくは0.5〜10MPaG(ゲージ圧)であり、より好ましくは1.0〜7MPaG(ゲージ圧)の範囲である。本発明の反応の実施態様は特に限定されず、例えば、バッチ式でも連続式でもよい。
前記反応をバッチ式で行う場合は、例えば、撹拌機を有する反応器に、所定量の前記触媒、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素、ヒドロキシル基を有する化合物、一酸化炭素及び前記添加剤を仕込み、所定の温度及び圧力にて所定時間撹拌することにより実施すればよい。前記反応を連続式で行う場合は、例えば、撹拌機を有する反応器に、前記触媒、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素、ヒドロキシル基を有する化合物、一酸化炭素及び前記添加剤を連続的に供給し、反応器内を流通させ、連続的に反応混合物を反応器から抜き出すことにより実施すればよい。前記反応を連続式で行う場合、直列に接続した複数の反応器を用いて前記反応を行ってもよい。
前記反応により、カルボン酸エステルを含む反応混合物が得られる。かかるカルボン酸エステルは、典型的には、炭素−炭素三重結合がエチレン性不飽和結合になったα、β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル化合物である。前記反応において得られるカルボン酸エステルとして、具体的には、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素としてメチルアセチレンを用いる場合において、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル等のメタクリル酸エステルを挙げることができる。分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素としてアセチレンを用いる場合において、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ナフチル等のアクリル酸エステルを挙げることができる。カルボン酸エステルを含む反応混合物の後処理操作については、適宜選択でき、ガス放散操作、蒸留操作、抽出操作等の処理を組み合わせてカルボン酸エステルを精製することができる。未反応のヒドロキシル基を有する化合物、未反応の分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素及び未反応の一酸化炭素はリサイクルされることが好ましい。前記反応後に回収された触媒は、必要に応じて再活性化処理を施した後、リサイクルされることが好ましい。カルボン酸エステルを含む反応混合物の後処理時には、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、ハイドロキノン等の重合禁止剤を添加してもよい。
第10族金属化合物、ホスフィン化合物及びプロトン酸を含む触媒の存在下、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素を、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させてカルボン酸エステルを製造する方法としては、例えば、特開平9−173860号公報、特表2005−535455号公報、特開2010−120921号公報等に記載の方法が挙げられる。第10族金属化合物、ホスフィン化合物及びプロトン酸を含む触媒の存在下、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素を、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させてカルボン酸エステルを製造する方法においては、メチルアセチレン、アセチレンに限らず、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素を原料として使用すれば、同様の反応機構でカルボン酸エステルを製造することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
PMMA生成量の分析は、以下の装置、条件で実施した。
[装置]
示差屈折率検出器:島津製作所製 「RID−10A」
システムコントローラ:島津製作所製 「CBM−20A」
カラムオーブン:島津製作所製 「CTO−20A」
送液ユニット:島津製作所製 「LC−20AD」
オートサンプラ:島津製作所製 「SIL−20AHT」
GPC用カラム:東ソー製 「TSKgel G4000HHR」
ワークステーション:LCsolution
[条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流量速度:1ml/min
分析温度:40℃
比較例1
〔触媒溶液の調製〕
シュレンク管中で50mLのメタノール(比重:0.79g/ml)に酢酸パラジウム2.7mg(0.0118mmol)とジフェニル(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン200mg(0.707mmol、ジフェニルホスフィンオキサイド含有量0%)を溶解させた後、N,N−ジメチルアニリン0.23ml(1.77mmol)、メタンスルホン酸70μl(1.06mmol)を加え触媒溶液を調製した。
〔メタクリル酸メチルの製造〕
上記で得られた触媒溶液を1.30ml分取(パラジウム0.00030mmol、ジフェニル(6−メチル−2ピリジル)ホスフィン0.018mmol相当)し、窒素雰囲気下で内容積230mlのステンレス製オートクレーブに導入後、更に32mlのメタノールを導入した。オートクレーブをエタノール/ドライアイス浴下に冷却し、プロパジエン濃度が1重量ppm以下のメチルアセチレン12.4g(純度:99.8モル%、メチルアセチレン含有量:309mmol、プロパジエン含有量:0.0003mmol以下)を導入後、一酸化炭素(CO)で加圧し2.5MPaG(ゲージ圧)に保持した。エタノール/ドライアイス浴を外し、オートクレーブ内の混合物を撹拌しながらオートクレーブを加熱し、オートクレーブ内の混合物の温度を50.5℃とし、反応を開始した。反応を開始してから90分までの間、撹拌を継続し、反応圧を2.5MPaG(ゲージ圧)に保つ為、減圧弁にて消費分のCOを常時導入した。次いで、オートクレーブ内の混合物の温度を55℃に昇温後、COの導入を中断してオートクレーブを密閉し、オートクレーブ内の混合物の撹拌を継続した。反応を開始してから200分後、オートクレーブ内の混合物の温度を65℃に昇温した。反応を開始してから280分後、反応圧が1.0MPaG(ゲージ圧)となったところで、反応圧を1.0MPaG(ゲージ圧)に保つ為、COの導入を再開し、さらに120分間撹拌を継続した後、冷却した。冷却後の反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により定量分析したところ、メタクリル酸メチルの生成量は82万モル/Pdモルであった。反応液をTHF(テトラヒドロフラン、以下同じ意味を表す。)で希釈した(反応液:1.0ml、THF:0.5ml)調製液をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、PMMAの分析を実施した。
実施例1
〔触媒溶液の調製〕
シュレンク管中で50mLのメタノール(比重:0.79g/ml)に酢酸パラジウム2.7mg(0.0118mmol)、ジフェニル(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン200mg(0.707mmol)とジフェニルホスフィンオキサイド0.6mg(0.003mmol)を溶解させた後、N,N−ジメチルアニリン0.23ml(1.77mmol)、メタンスルホン酸70μl(1.06mmol)を加え触媒溶液を調製した。
〔メタクリル酸メチルの製造〕
実施例1で調製した触媒溶液を使用したこと以外は、比較例1と同様の操作を行った。メタクリル酸メチルの生成量は83万モル/Pdモルであった。
実施例2
〔触媒溶液の調製〕
ジフェニルホスフィンオキサイドの量を3.0mg(0.008mmol)にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔メタクリル酸メチルの製造〕
実施例2で調製した触媒溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。メタクリル酸メチルの生成量は82万モル/Pdモルであった。
実施例及び比較例で得られた結果を表1に示す。
Figure 2016006018
本発明は、カルボン酸エステル、具体的には、メタクリル酸アルキル、特にメタクリル酸メチルの製造に利用できる。

Claims (6)

  1. 第10族金属化合物、ホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物及びプロトン酸を含む触媒の存在下、分子内に炭素−炭素三重結合を有する炭化水素を、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
  2. ホスフィンオキサイド化合物の使用量が、ホスフィン化合物100重量部に対して、0.3重量部以上である請求項1に記載の製造方法。
  3. ホスフィンオキサイド化合物がアリールホスフィンオキサイド化合物である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 第10族金属化合物がパラジウム化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. ホスフィン化合物が芳香族第3級ピリジルホスフィンである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. プロトン酸がスルホン酸化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114957012A (zh) * 2022-05-20 2022-08-30 湖南工程学院 一种二氧化碳和炔烃合成不饱和有机羧酸酯的制备方法

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