JP2016004165A - 硬化膜、その用途及び製造方法 - Google Patents

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悠太 湊邉
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浩二 加原
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裕己 橘
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Abstract

【課題】高い表面硬度を有し、かつパターニング特性に優れた硬化膜を提供する。また、このような硬化膜を有する表示装置用部材及び表示装置も提供する。
【解決手段】アルカリ可溶性樹脂及び非粒子状無機系化合物を含む感光性樹脂組成物により形成される硬化膜であって、該硬化膜は、該感光性樹脂組成物の露光工程及び加水分解工程を経て形成されるものであり、該アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する重合体であり、該非粒子状無機系化合物は、アルコキシ基を有する化合物である硬化膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化膜、その用途及び製造方法に関する。より詳しくは、感光性樹脂組成物により形成される硬化膜、その製造方法、並びに、硬化膜を用いた表示装置用部材及び表示装置に関する。
感光性樹脂組成物により形成される硬化膜は、液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等に代表される各種表示装置の構成部材等への適用が種々検討されている。例えば、静電容量方式のタッチパネル式表示装置は、一般に、基板上にITO等の透明導電膜が形成され、更に透明導電膜を保護するための保護膜又は絶縁膜が形成された構造からなるが、保護膜や絶縁膜等の構成部材には、通常、ITO配線の一部を絶縁する等のためにパターニング特性に優れていることや、外部からの衝撃を緩和するために表面硬度が高いことが求められている。したがって、これらの物性に優れた硬化膜(硬化物)が要望されている。従来の硬化膜に関する先行技術文献としては、例えば、特許文献1〜2が挙げられる。
特開2013−227485号公報 特開2012−214590号公報
上述したように、感光性樹脂組成物の硬化膜には高い表面硬度及び優れたパターニング特性が要望されているが、透明性や低着色性が高いことも求められている。また近年では、表示装置等の技術の進歩に伴い、使用される各部材に対しても更に高度な性能が強く要望されているが、これらのニーズに充分に対応できる感光性樹脂組成物はまだ開発されていない。例えば、特許文献1や2に記載の硬化物(硬化膜)よりも、表面硬度やパターニング特性により一層優れた硬化物とするための工夫の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高い表面硬度を有し、かつパターニング特性に優れた硬化膜を提供することを目的とする。また、このような硬化膜を有する表示装置用部材及び表示装置を提供することも目的とする。
本発明者等は、感光性樹脂組成物により形成される硬化膜について種々検討したところ、当該樹脂組成物の構成を、アルカリ可溶性樹脂としての主鎖に環構造を有する重合体、及び、アルコキシ基を有する非粒子状無機系化合物を含むものとし、この樹脂組成物を露光工程及び加水分解工程を経て硬化膜を形成すると、得られる硬化膜が、極めて高硬度で、かつパターニング特性にも優れることを見いだした。これは、加水分解工程によって非粒子状無機系化合物中のアルコキシ基部分が加水分解され、その後、熱(例えば、熱処理工程での熱)によって加水分解によって生じた基同士が反応したり、アルカリ可溶性樹脂中の主鎖環構造による触媒作用によって加水分解反応が促進されたりすることで、架橋密度が増大することに起因するものと考えられる。また、このような硬化膜は、タッチパネル式表示装置やカラーフィルター等に使用される保護膜又は絶縁膜として特に好適であり、この硬化膜を有する表示装置用部材及び表示装置が近年の高性能化の要望に充分に対応できるものとなることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、アルカリ可溶性樹脂及び非粒子状無機系化合物を含む感光性樹脂組成物により形成される硬化膜であって、該硬化膜は、該感光性樹脂組成物の露光工程及び加水分解工程を経て形成されるものであり、該アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する重合体であり、該非粒子状無機系化合物は、アルコキシ基を有する化合物である硬化膜である。
本発明はまた、上記硬化膜を有する表示装置用部材でもある。
本発明は更に、上記硬化膜を有する表示装置でもある。
本発明はそして、アルカリ可溶性樹脂及び非粒子状無機系化合物を含む感光性樹脂組成物から硬化膜を製造する方法であって、該製造方法は、該感光性樹脂組成物の露光工程及び加水分解工程を含み、該アルカリ可溶性樹脂は主鎖に環構造を有する重合体であり、該非粒子状無機系化合物は、アルコキシ基を有する化合物である硬化膜の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。
〔硬化膜〕
本発明の硬化膜は、アルカリ可溶性樹脂及び非粒子状無機系化合物を含む感光性樹脂組成物により形成されるものである。このような硬化膜は、感光性樹脂組成物の露光工程及び加水分解工程を経て形成されるが、例えば、基板(基材とも称す)上に感光性樹脂組成物を塗布する工程(塗布工程とも称す)、露光工程、及び、加水分解工程、の順にこれらの工程を経て形成されることが好ましい。より好ましくは、加水分解工程後に、後硬化工程を行うことである。特に上記硬化膜が、感光性樹脂組成物の露光工程、加水分解工程及び後硬化工程を経て形成される形態は、本発明の好適な形態の1つである。
なお、本発明の硬化膜は、レジスト硬化膜であることが特に好適である。
−塗布工程−
塗布工程は、基板(基材とも称す)上に感光性樹脂組成物を塗布する工程である。
基板としては、特に限定されず、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス基板;ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等の熱可塑性樹脂からなるシート又はフィルム;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂からなるシート又はフィルム;アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板;セラミック基板;光電変換素子を有する半導体基板;表面に色材層を備えるガラス基板(LCD用カラーフィルター)等の各種材料から構成される部材;等が挙げられる。中でも、耐熱性の点から、ガラス基板や、プラスチック基板の中でも耐熱性樹脂からなるシート又はフィルムが好ましい。また、基板は透明基板であることが好適である。
上記基板には、必要に応じてコロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤等による薬品処理等を行ってもよいし、上記基板の両面又は片面に、ガスバリヤー層や保護膜等の無機成分又は有機成分の塗布膜を形成してもよい。また、硬化膜を表示装置用部材に用いる場合には、上記基板にITO等の電極を形成することが好適である。なお、本発明の硬化膜は、基板だけでなく、ITO膜等の電極との密着性にも優れるものである。
上記感光性樹脂組成物を基板に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピン塗布、スリット塗布、ロール塗布、流延塗布等が挙げられ、いずれの方法も好ましく用いることができる。
上記基板に塗布した後、その塗膜について乾燥工程を行うことが好適である。塗膜の乾燥は、例えば、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いて行うことができる。乾燥条件は、含まれる溶媒成分の沸点、硬化成分の種類、膜厚、乾燥機の性能等に応じて適宜選択されるが、通常、50〜150℃の温度で、10秒〜300秒間行うことが好適である。
−露光工程−
露光工程とは、上記塗布工程(好ましくは塗布及び乾燥工程)で得た塗布面に、活性エネルギー光線を照射(露光)する工程である。活性エネルギー光線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が使用される。また、露光機の方式としては、プロキシミティー方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式が挙げられるが、プロキシミティー方式が好ましく用いられる。
なお、活性エネルギー光線の照射工程では、用途によっては、所定のマスクパターンを介して活性エネルギー光線を照射することとしてもよい。この場合、露光部が硬化し、硬化部が現像液に対して不溶化又は難溶化されることになる。
−加水分解工程−
加水分解工程とは、上記露光工程で得た露光膜に水分を直接接触させる工程である。露光膜が水分と直接接触することで、非粒子状無機系化合物中のアルコキシ基部分が加水分解され、その後、熱(好ましくは熱処理工程での熱)をかけることで、加水分解によって生じた基同士が反応し(例えば、アルコキシシリル基を有する非粒子状無機系化合物を用いた場合は、アルコキシシリル基が加水分解して生じたシラノール基同士が反応する)、架橋密度の高い硬化膜が得られる。また、加水分解反応時に、アルカリ可溶性樹脂中の弱塩基性を示す主鎖環構造が触媒となり、加水分解反応を促進させるため、更なる効果を生み出すと考えられる。
上記加水分解工程としては、例えば、水を含む現像液を用いた現像工程(すなわち具体的には、水を含む現像液によって現像処理し、未露光部を除去しパターンを形成する工程)であることが好ましい。これにより、パターン化された硬化膜をより好適に得ることができる。現像工程における現像処理は、通常、10〜50℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法で行うことができる。
なお、現像液としてアルカリ性水溶液を用いる場合には、現像後、水で洗浄することが好ましい。
上記現像液は、本発明の感光性樹脂組成物を溶解することができ、かつ水を含むものであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ性水溶液を用いることができる。アルカリ性水溶液には、アルカリ剤の他、必要に応じ、界面活性剤、有機溶媒、緩衝剤、染料、顔料等を含有させることができる。
上記アルカリ剤としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機のアルカリ剤;トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン類;が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタン酸アルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤;等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
上記有機溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒やアルコール系溶媒等が好ましく、例えば、ジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールジアルキルエーテル類、アルキルフェニルエーテル類、アラルキルフェニルエーテル類、ジ芳香族エーテル類、イソプロパノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
−後硬化工程−
本発明では、上述したように、加水分解工程後に後硬化工程を行うことが好ましい。
後硬化工程とは、後処理工程とも称され、例えば、高圧水銀灯等の光源を使用して、例えば0.5〜5J/cmの光量で露光する工程の他、後加熱する工程(熱処理工程、ポストベイクとも称す)等が挙げられる。このような後処理を行うことにより、パターン化された硬化膜の硬度及び密着性を更に強固なものとすることが可能になる。
上述した後硬化工程の中でも好ましくは、後者の熱処理工程であり、その際の温度は、60℃以上とすることが好適である。この温度範囲で熱処理工程を行うことで、加水分解によって生じた基同士がより反応し、より一層高硬度の硬化膜が得られる。より好ましくは80℃以上であり、また、300℃以下とすることが好ましい。また、熱処理時間は特に限定されないが、例えば、10秒〜300分間であることが好ましい。
上述のとおり、本発明の硬化膜は、感光性樹脂組成物の露光工程及び加水分解工程を含む製造方法により得ることができる。このような製造方法、すなわち、アルカリ可溶性樹脂及び非粒子状無機系化合物を含む感光性樹脂組成物から硬化膜を製造する方法であって、該製造方法は、該感光性樹脂組成物の露光工程及び加水分解工程を含み、該アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する重合体であり、該非粒子状無機系化合物は、アルコキシ基を有する化合物である硬化膜の製造方法もまた、本発明の1つである。硬化膜の製造方法として好ましくは、更に後硬化工程(より好ましくは熱処理工程)を含むことであり、感光性樹脂組成物の露光工程、加水分解工程及び後硬化工程を含む製造方法は、本発明の好適な形態の1つである。
<感光性樹脂組成物>
次に、硬化膜の形成に用いられる感光性樹脂組成物について説明する。
本発明で用いられる感光性樹脂組成物(単に樹脂組成物とも称す)は、アルカリ可溶性樹脂として主鎖に環構造を有する重合体を含み、かつ非粒子状無機系化合物も含むが、必要に応じ、更に他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。各含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
本明細書中、「固形分総量」とは、硬化物を形成する成分(硬化物の形成時に揮発する溶媒等を除く成分)の総量を意味する。具体的には、アルカリ可溶性樹脂(固形分)と、カップリング剤と、更に重合性化合物、光重合開始剤及び/又は充填材を含む場合は該成分と、の合計質量(固形分質量)を意味する。
−アルカリ可溶性樹脂−
上記感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含むが、該感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂の総量(主鎖に環構造を有する重合体と、必要に応じて更に含んでもよい他のアルカリ可溶性樹脂と、の合計量)は、感光性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましく、また、70質量%以下であることが好適である。このような範囲にあることで、本発明の効果をより顕著に奏することが可能となる。より好ましくは10〜65質量%、更に好ましくは15〜60質量%、特に好ましくは15〜50質量%である。
本発明では、アルカリ可溶性樹脂として主鎖に環構造を有する重合体を必須とする。主鎖環構造を有する重合体を用いると、弱塩基性を示す主鎖環構造による触媒作用により、加水分解反応が促進するため、本発明の作用効果を充分に発揮することが可能となる。また、主鎖環構造を有する重合体を用いることで、耐熱性や表面硬度、密着性に優れ、また、例えば、ポストベイク(post-bake;熱処理)等の高温暴露後の経時変化がより抑制されて各種物性を安定して発現できる硬化物を得ることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂は、酸基を含むことが好ましい。酸基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、スルホン酸基等、アルカリ水と中和反応する官能基が挙げられ、これらの1種のみを有していてもよいし、2種以上有していてもよい。中でも、カルボキシル基やカルボン酸無水物基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂の酸価(AV)としては特に限定されないが、例えば、20mgKOH/g以上、300mgKOH/g未満であることが好適である。これにより、より充分なアルカリ可溶性が発現され、現像性により優れる硬化物を得ることが可能になる。より好ましくは30mgKOH/g以上、更に好ましくは40mgKOH/g以上である。また、250mgKOH/g以下がより好ましく、更に好ましくは230mgKOH/g以下、特に好ましくは210mgKOH/g以下である。より一層好ましくは200mgKOH/g以下、最も好ましくは150mgKOH/g以下である。
本明細書中、重合体の酸価は、後述する実施例に記載の方法により重合体溶液の酸価を測定した後、溶液の酸価と溶液の固形分とから、固形分あたりの酸価を計算することで求めることができる。重合体溶液の固形分は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2000〜25万であることが好適である。分子量がこの範囲にあることで、より良好な現像性を発揮することが可能になる。耐溶剤性や現像性をより一層向上させる観点から、より好ましくは3000以上、更に好ましくは5000以上、特に好ましくは6000以上である。また、粘性等の観点から、25万以下であることが好ましい。より好ましくは15万以下、更に好ましくは10万以下、特に好ましくは5万以下、最も好ましくは3万以下である。
なお、上記アルカリ可溶性樹脂が高分子量である場合には、酸価が高い方が現像されやすくなる傾向がある。
本明細書中、重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
上記アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、酸基及び重合性二重結合を有する単量体を含む単量体成分を重合して得られる重合体(ベースポリマーとも称す)や、後述するように、当該ベースポリマーに、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物を反応させて得られる重合体(側鎖に二重結合を有する重合体、又は、側鎖二重結合含有重合体とも称す)が好適である。より好ましくは、硬化性向上の観点から、後者の側鎖二重結合含有重合体である。各単量体(化合物)は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
ここで、上記ベースポリマーを形成する単量体成分は、酸基及び重合性二重結合を有する単量体とともに、重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体を1種又は2種以上含むことが好適である。すなわち上記アルカリ可溶性樹脂として好ましくは、酸基及び重合性二重結合を有する単量体と、重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体とを含む単量体成分を重合することにより得られる重合体(ベースポリマー)、又は、当該ベースポリマーに、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物を反応させて得られる重合体(側鎖二重結合含有重合体)である。
(i)酸基及び重合性二重結合を有する単量体
酸基及び重合性二重結合を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等の不飽和基とカルボキシル基との間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物類;ライトエステルP−1M(共栄社化学製)等のリン酸基含有不飽和化合物;等が挙げられる。これらの中でも、汎用性、入手性等の観点から、カルボン酸系単量体(不飽和モノカルボン酸類、不飽和多価カルボン酸類、不飽和酸無水物類)を用いることが好適である。より好ましくは、反応性、アルカリ可溶性等の点で、不飽和モノカルボン酸類を用いることが好ましく、更に好ましくは(メタ)アクリル酸(すなわちアクリル酸及び/又はメタクリル酸)であり、このうち特に好ましくはメタクリル酸である。
上記ベースポリマー成分(ベースポリマーを形成する単量体成分)中の酸基及び重合性二重結合を有する単量体の含有割合は、例えば、ベースポリマー成分100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましい。これにより、アルカリに対する溶解性がより充分となり、例えば、現像性が必要とされる用途に更に有用な感光性樹脂組成物となる。また、高温暴露(例えば、ポストベイク)後においても硬化物の優れた外観や密着性等をより維持できる点で、85質量%以下であることが好ましい。より好ましくは10〜80質量%である。
(ii)重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体
重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体としては、例えば、分子内に二重結合含有環構造を有する単量体や、環化重合して環構造を主鎖に有する重合体を形成する単量体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることが好適である。このような単量体としては、N置換マレイミド系単量体、アクリル系エーテルダイマー、及び、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好適である。この場合、上記アルカリ可溶性樹脂は、N置換マレイミド系単量体単位、アクリル系エーテルダイマー単位、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体単位を有する重合体となる。
特に、N置換マレイミド系単量体単位、及び/又は、アクリル系エーテルダイマー単位を含む樹脂(重合体)は、耐熱性や分散性(例えば、色材分散性、無機化合物分散性)、硬度等がより向上された硬化膜を与えることが可能になる。また、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体単位を含む樹脂は、密着性、硬化性、乾燥再溶解性等の製版性に寄与する性能や、色材分散性、耐熱性、透明性等がより向上された硬化膜を与えることが可能になる。
上述の単量体単位を含む樹脂(重合体)とは、例えば、単量体の重合反応や架橋反応によって当該単量体由来の構成単位を含む樹脂を意味する。
(ii−1)N置換マレイミド系単量体
N置換マレイミド系単量体としては、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、着色の少なさや無機系化合物分散性に優れる点で、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドが好ましく、特にN−ベンジルマレイミドが好適である。
上記N−ベンジルマレイミドとしては、例えば、ベンジルマレイミド;p−メチルベンジルマレイミド、p−ブチルベンジルマレイミド等のアルキル置換ベンジルマレイミド;p−ヒドロキシベンジルマレイミド等のフェノール性水酸基置換ベンジルマレイミド;o−クロロベンジルマレイミド、o−ジクロロベンジルマレイミド、p−ジクロロベンジルマレイミド等のハロゲン置換ベンジルマレイミド;等が挙げられる。
(ii−2)アクリル系エーテルダイマー
アクリル系エーテルダイマーとしては、例えば、例えば、下記一般式(1):
Figure 2016004165
(式中、Rは、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の有機基を表す。Rは、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の有機基を表す。)で表される化合物が好適である。
上記一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の有機基を表すが、当該有機基としては、置換基を有していてもよい、炭素数1〜25の炭化水素基であることが好適である。例えば、特開2013−061599号公報〔0037〕に例示された、直鎖状又は分岐状のアルキル基;アリール基;脂環式基;アルコキシで置換されたアルキル基;アリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。中でも、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような、酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素の炭化水素基が耐熱性の点で好ましい。
なお、R及びRは、同種の有機基であってもよいし、異なる有機基であってもよい。
上記アクリル系エーテルダイマーの中でも、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体が好適である。
具体的には、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。着色の少なさや分散性、工業的入手の容易さ等の観点から、より好ましくは、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートである。
(ii−3)α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体
α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体としては、例えば、アルキル−(α−メタリルオキシメチル)アクリレートや、α−(アリルオキシメチル)アクリレートが好適である。中でも、α−(アリルオキシメチル)アクリレートがより好ましい。
上記α−(アリルオキシメチル)アクリレートとしては、例えば、下記一般式(2):
Figure 2016004165
(式中、Rは、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の有機基を表す。)で表される化合物が好適である。なお、本明細書では、「α−(アリルオキシメチル)アクリレート」に、Rが水素原子である化合物(すなわちα−アリルオキシメチルアクリル酸)も含むものとする。
上記Rは、目的や用途に合わせて、適宜選択すればよいが、Rが表し得る炭素数1〜30の有機基としては、置換基を有していてもよい、炭素数1〜30の炭化水素基であることが好適である。具体的には、例えば、特開2013−061599号公報〔0037〕に例示された、鎖状飽和炭化水素基;鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をアルコキシ基で置き換えたアルコキシ置換鎖状飽和炭化水素基;鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をヒドロキシ基で置き換えたヒドロキシ置換鎖状飽和炭化水素基;鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をハロゲンで置き換えたハロゲン置換鎖状飽和炭化水素基;鎖状不飽和炭化水素基、及び、その水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた鎖状不飽和炭化水素基;脂環式炭化水素基、及び、その水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた脂環式炭化水素基;芳香族炭化水素基及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた芳香族炭化水素基;等が挙げられる。また、これら有機基に更に任意の置換基が結合していてもよい。
上記α−(アリルオキシメチル)アクリレートの具体例としては、例えば、α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ネオペンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘプチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メリシル等の鎖状飽和炭化水素基含有α−(アリルオキシメチル)アクリレートが好ましい。その他、特開2013−061599号公報〔0037〕に例示された化合物(例えば、アルコキシアルキル−α−(アリルオキシメチル)アクリレート等)も好適である。これらの中でも、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(α−(アリルオキシメチル)メチルアクリレートとも称す)が特に好適である。
上記α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートは、例えば、国際公開第2010/114077号パンフレットに開示されている製造方法により製造することができる。
上記重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体の含有割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)は、例えば、上記ベースポリマー成分100質量%に対し、1〜40質量%であることが好ましい。この範囲にあると、耐熱性や分散性、表面硬度等がより向上された硬化膜を得ることが可能になる。中でも特に、N置換マレイミド系単量体、アクリル系エーテルダイマー、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートの含有割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)が、上記ベースポリマー成分100質量%に対し、1〜40質量%であることが好ましい。これらの単量体成分に由来する主鎖環構造の含有量が増加すると、密着性が向上する傾向にある。また、N置換マレイミド系単量体の添加量をより増加させると、硬度の点でより優れる硬化物が得られ、アクリル系エーテルダイマーを用いることにより、耐熱着色性の点でより優れる硬化物が得られる。なお、N置換マレイミド系単量体の含有割合が多すぎると、現像速度がより適切なものとはならないことがある。
上記N置換マレイミド系単量体、アクリル系エーテルダイマー、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートの含有割合としてより好ましくは2〜40質量%、更に好ましくは3〜35質量%である。
(iii)他の単量体
上記単量体成分はまた、必要に応じ、上述した単量体には該当しないその他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体や、芳香族ビニル系単量体等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記その他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体とは、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体、及び、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を意味する。具体的には、特開2013−227485号公報〔0045〕に例示された(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられるが、その中でも、耐熱性が優れる点で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。より好ましくは、耐熱性、密着性、現像性が優れる点で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、及び/又は、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレートを用いることである。
上記芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メトキシスチレン等が挙げられる。中でも、樹脂の耐熱着色性や耐熱分解性の点で、スチレン、ビニルトルエンが好適である。
上記その他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び/又は芳香族ビニル系単量体の含有割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)は、例えば、上記ベースポリマー成分100質量%に対し、0〜80質量%であることが好適である。この範囲にあると、耐熱着色性やアルカリ可溶性により優れる硬化物を得ることができる。より好ましくは1〜80質量%、更に好ましくは5〜75質量%、特に好ましくは10〜70質量%である。
上記他の単量体としてはまた、例えば、特開2013−227485号公報〔0051〕に例示された、(メタ)アクリルアミド類;重合体分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;共役ジエン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;N−ビニル化合物類;不飽和イソシアネート類;等の1種又は2種以上を用いることもできる。その含有割合は、上記ベースポリマー成分100質量%中、20質量%以下とすることが好適である。
ここで、硬化物の電気特性をより向上させる観点からは、上記ベースポリマーは、水酸基等の親水性基を有しないことが好適である。したがって、上記ベースポリマーを得るために共重合される単量体成分には、親水性基を有する単量体(例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル等)をできるだけ含まないことが好ましい。具体的には、親水性基を有する単量体の含有割合は、上記ベースポリマー成分100質量%中、20質量%以下とすることが好適である。より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
上記単量体成分を重合する方法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の通常用いられる手法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよい。中でも、溶液重合が、工業的に有利で、分子量等の構造調整も容易であるため好適である。また、上記単量体成分の重合機構は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため好ましい。
上記重合反応の好ましい形態は、特開2013−227485号公報〔0053〕〜〔0065〕に記載のとおりである。なお、重合時間は、例えば1〜12時間が好ましく、より好ましくは1〜8時間である。
上記アルカリ可溶性樹脂は、上述したようにして得られるベースポリマーに、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物を反応させて得られる重合体であることが好ましい。これにより、上記感光性樹脂組成物の硬化性がより高められ、基板等との密着性や表面硬度により優れた硬化物を得ることができる。このように上記アルカリ可溶性樹脂が側鎖に二重結合を有する重合体である形態は、本発明の好適な形態の1つである。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物において、重合性二重結合としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられ、当該化合物として、これらの1種又は2種以上を有するものが好適である。中でも、反応性の点で、(メタ)アクリロイル基が好ましい。また、酸基と結合し得る官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基等が挙げられ、当該化合物として、これらの1種又は2種以上を有するものが好適である。中でも、変成処理反応の速さ、耐熱性、分散性の点から、エポキシ基(グリシジル基を含む)が好ましい。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。中でも、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(単量体)を用いることが好適である。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の使用量は、例えば、上記ベースポリマー成分(ベースポリマーを構成する単量体成分の総量)100質量部に対し、1〜50質量部とすることが好適である。より好ましくは5〜45質量部である。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の使用量(配合割合)はまた、ベースポリマーを構成する酸基及び重合性二重結合を有する単量体(これを「単量体x」とする)のカルボン酸に付加させた、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物(これを「化合物y」とする)の配合割合(質量%)、すなわち「{化合物yのモル量(mol)/単量体xのモル量(mol)}×{単量体xの配合割合(質量%)}」で求められ、50質量%以下となるように設定することが好適である。これにより、電気特性がより良好な硬化物を得ることができる。より好ましくは50質量%未満であり、これにより、電気特性及び耐光性により優れた硬化物を得ることができる。更に好ましくは45質量%以下、特に好ましくは40質量%以下、最も好ましくは35質量%以下である。また5質量%以上であることが好適である。より好ましくは7質量%以上である。
ここでの「単量体xの配合割合(質量%)」とは、ベースポリマー成分(ベースポリマーを形成する単量体成分)の総量を100質量%としたときの、単量体xの配合量(質量%)を意味する。
なお、例えば、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物(化合物y)としてGMA(メタクリル酸グリシジル)を用い、酸基及び重合性二重結合を有する単量体(単量体x)としてMAA(メタクリル酸)を用いた場合、上記でいう「酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の配合割合(質量%)」とは、付加させたGMAをMAA質量換算した質量%を意味し、「{GMAのモル量(mol)/MAAのモル量(mol)}×MAA配合割合(質量%)」により求められる。この数値が、上記の好ましい範囲内にあることが好適である。
上記側鎖二重結合含有重合体は、例えば、特開2013−227485号公報〔0069〕〜〔0076〕に記載された方法により得ることが好適である。
上記側鎖二重結合含有重合体はまた、エチレン性不飽和基の当量、すなわち二重結合当量が200〜1万であることが好ましい。これにより、硬化性や保存安定性がより良好なものとなる。中でも、400〜5000であることがより好ましい。下限値として更に好ましくは450以上、特に好ましくは500以上であり、また、上限値としてより好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、特に好ましくは2000以下、最も好ましくは1500以下である。
二重結合当量とは、重合体の二重結合1molあたりの重合体溶液の固形分の質量(g)である。ここでいう重合体溶液の固形分の質量とは、例えば、ベースポリマー成分の質量と、ベースポリマーに付加させる酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する単量体の質量と、連鎖移動剤の質量と、重合開始剤の質量とを合計したものである。重合体溶液の固形分の質量を重合体の二重結合量で除することにより、求めることが可能である。重合体の二重結合量は、投入した酸基と、結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する単量体との量から求めることができる。
−非粒子状無機系化合物−
上記感光性樹脂組成物はまた、非粒子状無機系化合物を含む。
非粒子状とは、粒子ではないことを意味する。具体的には、SEM(走査型電子顕微鏡)又はTEM(透過型電子顕微鏡)により数万倍の倍率で観察しても、粒子が確認されない状態であることを意味する。
このような非粒子状の無機系化合物を用いることで、通常、粒子状の無機系化合物に併用される分散剤の含有を抑制できるため、組成物中の加水分解部分を相対的に増加することができ、これによって硬化膜の硬度を高めることができる。
上記非粒子状無機系化合物は、アルコキシ基を有する化合物である。例えば、半金属原子又は金属原子と、アルコキシ基とを有する化合物であることが好ましいが、アルコキシ基は、半金属原子又は金属原子に結合していることが好ましい。
上記半金属原子及び金属原子としては特に限定されないが、例えば、半金属原子としてはケイ素原子が好ましく、金属原子としては、チタン原子、ジルコニウム原子、カルシウム原子、バリウム原子、アルミニウム原子等が好ましい。半金属原子又は金属原子としてより好ましくは、ケイ素原子、ジルコニウム原子、チタン原子及び/又はアルミニウム原子である。これらの中でも、表面硬度をより一層高める観点から、ケイ素原子がより好ましい。
なお、1分子中に半金属原子又は金属原子を1又は2以上有していてもよい。
上記半金属原子又は金属原子に結合してなるアルコキシ基としては、例えば、下記式(3);
−X(ORa−n(R (3)
(式中、Xは、半金属原子又は金属原子を表す。Rは、アルキル基を表す。Rは、炭化水素基を表す。aは、Xで表される原子の結合手の数−1を表す。nは、0以上、(a−1)以下の数を表す。)で表される基が挙げられる。nは、0であることが好ましい。
上記Rは、アルキル基を表す。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜2である。
上記Rは、炭化水素基を表す。炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜2である。また、炭化水素基の具体例として、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が挙げられる。中でも、アルキル基が好ましい。
上記式(3)で表される基として好ましくは、下記式(4);
−Si(OR3−n’(Rn’ (4)
(式中、R及びRは、上述したとおりである。n’は、0以上、2以下の数を表す。)で表される基、すなわちアルコキシシリル基含有基である。これにより、硬化膜のITO等の基板に対する密着性がより高まる他、硬化膜の耐熱着色性も向上される。式(4)においても、n’は、0であることが好ましい。
上記非粒子状無機系化合物として好ましくは、アルコキシ基を有するシルセスキオキサン化合物;半金属原子又は金属原子と、アルコキシ基と、重合性単量体由来の構成単位とを有する化合物;である。より好ましくは後者の化合物であり、これにより、硬化膜の表面硬度をより一層向上させることができる。
なお、重合性単量体由来の構成単位とは、重合性単量体が有する重合性二重結合(C=C)が開いて単結合(−C−C−)になった構造を意味する。
上記非粒子状無機系化合物はまた、シロキサン結合(Si−O−Si結合)を含むものが好適である。この場合、シロキサン結合を必須とするシロキサン骨格の構造は、例えば、鎖状(直鎖状又は分岐状)、ラダー状、網状、環状、かご状、キュービック状等が好ましく例示される。中でも、有機無機ハイブリッド化合物の添加量が少量であっても効果が発揮されやすいため、ラダー状、網状、かご状であることが好ましい。また、シロキサン骨格の占める割合は、非粒子状無機系化合物1分子を100質量%とすると、10〜80質量%であることが好ましい。
上記非粒子状無機系化合物の分子量は特に限定されないが、現像性の観点から、重量平均分子量が20万以下であることが好ましい。また、重量平均分子量の下限は2000を超えることが好適である。
(iii−1)シルセスキオキサン化合物
シルセスキオキサン化合物としては、例えば、一般式:RSiO1.5(Rは、有機基を表す。)で表される基本骨格を有し、かつ末端にアルコキシ基を有する化合物が好ましい。また、Rで表される有機基として、例えば、メチル基、フェニル基、メチル基及びフェニル基、又は、チオール基及びメチル基を有するものが好適である。
上記シルセスキオキサン化合物として具体的には、TM−100(シルセスキオキサン誘導体、東亜合成社製);SR−13、SR−23、SR−20、SR−3321(ポリシルセスキオキサン、いずれも小西化学工業社製);等の市販品(全て商品名)が挙げられる。
(iii−2)半金属原子又は金属原子と、アルコキシ基と、重合性単量体由来の構成単位とを有する化合物
このような化合物において、重合性単量体由来の構成単位を形成する重合性単量体としては特に限定されないが、例えば、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、ウレタン系単量体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が好適である。中でも、(メタ)アクリル酸エステル系単量体や、不飽和モノカルボン酸系単量体の一種である(メタ)アクリル酸(塩)系単量体等の、(メタ)アクリル系骨格(C=C(R)−COO−;Rは、水素原子又はメチル基を表す。)を有する単量体((メタ)アクリル系単量体と称す)が好ましい。このように本発明では、上記非粒子状無機系化合物として、半金属原子又は金属原子と、アルコキシ基と、(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位とを有する化合物を少なくとも含むことが好ましく、当該形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記(メタ)アクリル酸(塩)系単量体とは、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの塩である。ここでの塩とは、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が挙げられ、具体的には、例えば、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等の一価金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等の二価金属塩;鉄の塩等の遷移金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;モノエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩等のアルキルアミン塩;エチレンジアミン塩、トリエチレンジアミン塩等のポリアミン等の有機アミンの塩等が挙げられる。塩として好ましくは、ナトリウム塩又はカリウム塩である。
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、炭素数1〜30の炭化水素基を有する化合物が好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の炭素数1〜10の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましい。炭化水素基として好ましくは、アルキル基である。
上記(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位としては、例えば、下記式(5):
Figure 2016004165
(式中、Rは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。Mは、同一又は異なって、水素原子、金属原子、アンモニウム基、有機アミン基、又は、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。mは、1以上の数を表す。)で表されることが好ましい。mとして好ましくは、1000以下の数である。
上記化合物として特に好ましくは、半金属原子又は金属原子に結合してなるアルコキシ基と、重合性単量体(より好ましくは(メタ)アクリル系単量体)由来の構成単位とを有する化合物である。
上記化合物として具体的には、コンポセランAC(アルコキシ基含有シラン変性アクリル樹脂:例えば、AC601、AC611)、コンポセランE(アルコキシ基含有シラン変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アルコキシ基含有シラン変性ノボラック型エポキシ樹脂)、コンポセランP(アルコキシ基含有シラン変性フェノール樹脂)、コンポセランH800(アルコキシ基含有シラン変性ポリアミック酸樹脂)、コンポセランH700(アルコキシ基含有シラン変性可溶性ポリイミド樹脂)、コンポセランH900(アルコキシ基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂、ユリアーノU(アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂:例えば、U201、U301、U303)、コンポセランHBSQ105−7(いずれも荒川化学工業社製);X−12−2226、KR−513、X−41−1810(いずれも信越化学工業社製);等の市販品(全て商品名)が挙げられる。
上記半金属原子又は金属原子と、アルコキシ基と、重合性単量体由来の構成単位とを有する化合物として特に好ましい化合物(例えば、アルコキシ基含有シラン変性アクリル樹脂)の基本骨格を下記式(6)に示す(式中、R及びmは、上記式(5)において上述したとおりである。p及びqは、同一又は異なって、1以上の数を表し、それぞれ好ましくは1000以下の数である。X及びZは、任意の構造を表す。)。
Figure 2016004165
−重合性化合物−
上記感光性樹脂組成物はまた、重合性化合物を含むことが好適である。重合性化合物は、1種であってもよいし、2種以上含んでもよい。
重合性化合物とは、重合性単量体とも称し、フリーラジカル、電磁波(例えば赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー線の照射等により重合し得る、重合性不飽和結合(重合性不飽和基とも称す)を有する化合物である。好ましくはラジカル重合性化合物である。
上記重合性化合物としては、例えば、重合性不飽和基を分子中に1つ有する単官能の化合物(単官能重合性化合物とも称す)や、2個以上有する多官能の化合物(多官能重合性化合物とも称す)が挙げられる。重合性化合物の分子量は特に限定されないが、取り扱いの観点から、例えば、2000以下が好適である。より好ましくは1000以下である。また、100以上が好適である。
上記単官能重合性化合物としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂の単量体成分に好ましく含有される単量体として上記で例示した化合物のうち、N置換マレイミド系単量体や(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド類;不飽和モノカルボン酸類;不飽和多価カルボン酸類;不飽和基とカルボキシル基の間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;不飽和酸無水物類;芳香族ビニル類;共役ジエン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;N−ビニル化合物類;不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましい。すなわち言い換えれば、単官能(メタ)アクリレート化合物が好適である。
上記単官能(メタ)アクリレート化合物としては、脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物や、芳香環(芳香族炭化水素基)を有する単官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられるが、その中でも前者が好ましく、特に、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基と、炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基とを有する化合物が好適である。脂肪族炭化水素基として具体的には、脂肪族飽和炭化水素基(アルキル基)、及び、脂肪族不飽和炭化水素基(例えば、アルケニル基)が挙げられる。中でも、脂肪族飽和炭化水素基であると、本発明の作用効果をより充分に発揮することができるため好適である。具体的には、C2n+1で表される基(n=1〜24)であることが好ましい。
上記脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜24であることが好適である。これにより、硬化物の表面硬度がより充分なものとなり、また、他の含有成分との相溶性にもより優れるものとなる。炭素数として好ましくは22以下、より好ましくは20以下である。具体的には、例えば、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物や、炭素数5〜24(好ましくは8〜22、更に好ましくは10〜20)の脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物を用いることが好適である。
上記脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物として好ましくは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、s−アミル(メタ)アクリレート、t−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレートとも称す)、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデカニル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐鎖からなる脂肪族炭化水素基を有する化合物;イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の環状構造の脂肪族炭化水素基を有する化合物;等が挙げられる。中でも、上述した好ましい炭素数の脂肪族飽和炭化水素基を有する化合物がより好ましい。
上記多官能重合性化合物としては、例えば、下記する多官能(メタ)アクリレート化合物(2官能(メタ)アクリレート化合物や3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物等)の他、特開2013−227485号公報〔0097〕〜〔0098〕に例示された、多官能ビニルエーテル化合物;ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート化合物;多官能アリルエーテル化合物;アリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;多官能(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類;多官能アリル基含有イソシアヌレート類;多官能ウレタン(メタ)アクリレート類;多官能芳香族ビニル類;上述した不飽和多価カルボン酸類や不飽和酸無水物類;等も挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記重合性化合物の中でも、樹脂組成物の硬化性をより高める観点から、多官能重合性化合物を用いることが好適である。このように上記感光性樹脂組成物が、更に、多官能重合性化合物を含む形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記多官能重合性化合物の官能数は、2以上であればよいが、好ましくは3以上である。これにより、感光性及び硬化性がより高められ、硬化物の硬度及び透明性をより向上することができる。より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上である。また、硬化収縮をより抑制する観点から、官能数は10以下が好ましく、より好ましくは8以下である。
ここで、官能数が少ない多官能重合性化合物であっても、フルオレン骨格を有する化合物であれば、硬化物の硬度をより向上することができるため、好ましい。
なお、2個以上の官能基を有する場合、同じ官能基であってもよいが、異なる官能基でもよい。
上記重合性化合物として多官能重合性化合物を用いる場合、当該化合物の中でも、反応性、経済性、入手性等の観点から、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物等の、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いることが好適である。より好ましくは多官能(メタ)アクリレート化合物(すなわち、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物)であり、これによって樹脂組成物が感光性及び硬化性により優れたものとなり、より一層高硬度で高透明性の硬化物を得ることが可能になる。更に好ましくは、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることである。
上記重合性化合物の含有割合としては、用いる重合性化合物や上記アルカリ可溶性樹脂の種類の他、目的や用途等に応じて適宜設定すればよいが、現像性や製版性により優れる観点から、感光性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、2質量%以上であることが好ましく、また、85質量%以下であることが好適である。より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは55質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。
上記硬化性樹脂組成物が、上述した任意成分である、脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物を含む場合、その含有割合は、感光性樹脂組成物の固形分総量100質量%中、3〜20質量%であることが好適である。これにより、硬化物の透明性がより向上される。より好ましくは4質量%以上であり、また、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である。
−光重合開始剤−
上記感光性樹脂組成物はまた、光重合開始剤を含むことが好適である。これにより、樹脂組成物の感度や硬化性をより向上することが可能になる。このように上記感光性樹脂組成物が更に光重合開始剤を含む形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記光重合開始剤として好ましくは、ラジカル重合性の光重合開始剤である。ラジカル重合性の光重合開始剤とは、電磁波や電子線等の活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生させるものであり、通常使用されるものを1種又は2種以上使用することができる。また、必要に応じて、光増感剤や光ラジカル重合促進剤等を1種又は2種以上併用してもよい。光重合開始剤とともに、光増感剤及び/又は光ラジカル重合促進剤を併用することにより、感度や硬化性がより向上される。
上記光重合開始剤として具体的には、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(「IRGACURE907」、チバ・スペシャルティ・ケミカル社(以下、チバ社とも略す)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(「IRGACURE369」、チバ社製)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(「IRGACURE379」、チバ社製)等のアミノケトン系化合物;2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「IRGACURE651」、チバ社製)、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(「DAROCUR MBF」、チバ社製)等のベンジルケタール系化合物;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(「IRGACURE184」、チバ社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(「DAROCUR1173」、チバ社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(「IRGACURE2959」、チバ社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(「IRGACURE127」、チバ社製)、[1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン+ベンゾフェノン](「IRGACURE500」、チバ社製)等のハイドロケトン系化合物;等の他、特開2013−227485号公報〔0084〕〜〔0086〕に例示された、アルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;ベンゾイン系化合物;チオキサントン系化合物;ハロメチル化トリアジン系化合物;ハロメチル化オキサジアゾール系化合物;ビイミダゾール系化合物;オキシムエステル系化合物;チタノセン系化合物;安息香酸エステル系化合物;アクリジン系化合物等;ホスフィンオキシド系化合物;オキシムエステル系化合物;等が挙げられる。
上記光重合開始剤の中でも、アミノケトン系化合物(アミノケトン系重合開始剤とも称す)を少なくとも用いることが特に好適である。すなわち上記感光性樹脂組成物は、更にアミノケトン系重合開始剤を含むことが好ましい。これにより、硬度及び現像性がより優れたものとなる。また、ハイドロケトン系化合物(ハイドロケトン系重合開始剤とも称す)や、ベンジルケタール系化合物(ベンジルケタール系重合開始剤とも称す)を用いることも好適である。
上記光重合開始剤の含有量は、目的、用途等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、感光性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、2質量部以上であることが好適である。これにより、密着性により優れた硬化物を得ることができ、高温暴露後においても剥がれがより充分に抑制される。より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは7質量部以上である。また、光重合開始剤の分解物が与える影響や経済性等とのバランスを考慮すると、35質量部以下であることが好ましい。より好ましくは25質量部以下である。
本発明ではまた、上述したように重合開始剤としてアミノケトン系重合開始剤を使用することが好適であるが、この場合、重合開始剤の総量(すなわちアミノケトン系重合開始剤及び他の重合開始剤の合計量)100質量%に対し、アミノケトン系重合開始剤が20質量%以上であることが好適である。より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは55質量%以上である。
上記光重合開始剤と併用してもよい光増感剤や光ラジカル重合促進剤としては、例えば、特開2013−227485号公報〔0088〕に例示された、色素系化合物;ジアルキルアミノベンゼン系化合物;メルカプタン系水素供与体;等が挙げられる。また、上記光増感剤及び/又は光ラジカル重合促進剤の含有量(総量)は、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、硬化性、分解物が与える影響及び経済性のバランスの観点から、本発明の感光性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、0.001〜20質量部であることが好ましい。より好ましくは0.01〜15質量部、更に好ましくは0.05〜10質量部である。
−カップリング剤−
カップリング剤は、無機物の酸化表面と加水分解反応や縮合反応をすることによって結合するという性質を有するものであるが、この性質を利用して、例えばITO等が蒸着された基板等への密着性をより充分に発揮させることが可能になる。このように上記感光性樹脂組成物が更にカップリング剤を含む形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
なお、カップリング剤には、非粒子状無機系化合物は含まないものとする。例えばカップリング剤は、分子量が2000以下であることが好適である。より好ましくは100〜1500である。
上記カップリング剤として具体的には、例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、−N=C=O基、−N(R)−C(=O)−基(Rは、水素原子(H)又は任意の基を表す。)等を有するカップリング剤が好適である。中でも、ビニル基、(メタ)アクリロイル基及び/又はエポキシ基を有するものが好ましい。より好ましくは(メタ)アクリロイル基である。また、中心金属として、ケイ素原子等のいわゆる半金属や、チタン、ジルコニウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム等を含むものが好適であるが、これらのうち、ケイ素、ジルコニウム、チタン及び/又はアルミニウムがより好ましい。中でも、硬化物の密着性及び表面硬度をより一層高める観点から、ケイ素がより好ましく、上記カップリング剤がシランカップリング剤である形態は本発明の好適な形態の一つである。
なお、1分子中に半金属原子又は金属原子を1又は2以上有していてもよい。
上記シランカップリング剤としては、上述した基の1種又は2種以上と、アルコキシシラン基(−Si(OR3−n(R;ORは、加水分解性基を表し、Rは炭化水素基であることが好適である。Rは、炭化水素基を表す。nは、0、1又は2である。)とを有する化合物であることが好適である。中でも、ビニル基、(メタ)アクリロイル基及び/又はエポキシ基を有するシランカップリング剤を用いることが好適であり、これにより、高温暴露後にも変色や着色、クラック等の外観の経時変化がなく、より充分な表面硬度及び密着性を有する硬化物を得ることが可能になる。
上記ビニル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記エポキシ基を有するシランカップリング剤として具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記−N=C=O基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、−N(R)−C(=O)−基を有するシランカップリング剤としては、例えば、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。
上記シランカップリング剤の中でも、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤が特に好ましく、これにより、樹脂組成物の保存安定性がより良好となる。また、密着性もより向上することになる。
なお、ケイ素以外の金属を中心金属として有するカップリング剤としては、例えば、ジルコアルミネート系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
上記カップリング剤は、低分子量化合物であることが好ましい。例えば、分子量が2000以下であることが好適である。これにより、硬化収縮がより抑制されるとともに、現像性をより高めることができる。より好ましくは100〜1500である。
上記感光性樹脂組成物において、カップリング剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分総量100質量%中、3質量%以上であることが好適である。これにより、高温暴露後においてもより充分な密着性及び表面硬度を有することができる。より好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。また、感光性樹脂組成物の保存安定性等の観点から、40質量%以下であることが好適である。より好ましくは35質量%以下である。
−フッ素系添加剤−
上記感光性樹脂組成物はまた、硬化性をより一層向上させる観点から、1種又は2種以上のフッ素系添加剤(フッ素添加剤とも称す)を含んでもよい。なお、フッ素系添加剤は、レベリング剤としての機能も有する。
上記フッ素系添加剤とは、構造中にフッ素原子を有する化合物であり、例えば、通常、フッ素系界面活性剤又はフッ素系表面改質剤等として使用されている化合物を用いることができる。
上記フッ素系添加剤は、感光性樹脂組成物中で成分分離しないことが好ましい観点から、各種有機溶媒(例えば、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等)への溶解性が高いものがより好ましく使用される。具体的には、例えば、HLB値(親水性親油性バランス)が、0〜16の範囲にあるものが好適である。HLB値としてより好ましくは1〜13である。
なお、HLB値は、例えば、グリフィン法、デイビス法で求められる。
上記フッ素系添加剤は更に、フッ素系添加剤の総量100質量%中に、フッ素を0.01〜80質量%含むものが好適である。フッ素含有量は、例えば、イオンクロマトグラフ法にて定量することができる。
上記フッ素系添加剤としてはまた、ノニオン性やアニオン性のもの等が存在するが、樹脂との分散性等の観点から、ノニオン性のものが好適である。
上記フッ素系添加剤として具体的には、例えば、パーフルオロブタンスルホン酸塩(メガファックF−114)、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩(メガファックF−410)、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(メガファックF−444、EXP・TF−2066)、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル(メガファックEXP・TF−2148)、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル型アミン中和物(メガファックEXP・TF−2149)、含フッ素基・親水性基含有オリゴマー(メガファックF−430、EXP・TF−1540)、含フッ素基・親油性基含有オリゴマー(メガファックF−552、F−554、F−558、F−561、R−41)、含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー(メガファックF−477、F−553、F−555、F−556、F−557、F−559、F−562、R−40、EXP・TF−1760)、含フッ素基・親水性基・親油性基・UV反応性基含有オリゴマー(メガファックRS−72−K、RS−75、RS−76−E、RS−76−NS、RS−77)等が挙げられる(いずれもDIC社製)。中でも、親油性基を含む化合物(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、含フッ素基・親水性基・親油性基・UV反応性基含有オリゴマー)が好適である。
上記フッ素系添加剤の含有量は、目的、用途等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、感光性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、0.05〜10質量部であることが好ましい。より好ましくは0.1質量部以上であり、また、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは4質量部以下、特に好ましくは3質量部以下である。
−溶剤−
上記感光性樹脂組成物はまた、溶剤を含むことが好適である。溶剤は、希釈剤等として好ましく使用される。すなわち具体的には、粘度を下げ取扱い性を向上する;乾燥により塗膜を形成する;色材の分散媒とする;等のために好適に使用されるものであり、感光性樹脂組成物中の各含有成分を溶解又は分散することができる、低粘度の有機溶媒である。
上記溶剤としては、通常使用するものを1種又は2種以上使用することができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、特開2013−227485号公報〔0092〕に例示された、モノアルコール類;グリコール類;環状エーテル類;グリコールモノエーテル類;グリコールエーテル類;グリコールモノエーテルのエステル類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等);アルキルエステル類;ケトン類;芳香族炭化水素類;脂肪族炭化水素類;アミド類;等が挙げられる。
上記溶剤の使用量は、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、本発明の感光性樹脂組成物の総量100質量%中に、10〜90質量%含まれるようにすることが好ましい。より好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは40〜80質量%、最も好ましくは60〜80質量%である。
上記感光性樹脂組成物は更に、それが適用される各用途の要求特性に応じて、例えば、色材(着色剤とも称す);分散剤;耐熱向上剤;レベリング剤;現像助剤;フィラー;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール等の熱硬化性樹脂;多官能チオール化合物等の硬化助剤;可塑剤;重合禁止剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;艶消し剤;消泡剤;帯電防止剤;スリップ剤;表面改質剤;揺変化剤;揺変助剤;キノンジアジド化合物;多価フェノール化合物;カチオン重合性化合物;酸発生剤;等の1種又は2種以上を含んでいてもよい。例えば、上記感光性樹脂組成物をカラーフィルター用途に使用する場合には、色材を含むことが好ましい。
<感光性樹脂組成物の製造方法>
上記感光性樹脂組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述した含有成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。分散工程及び混合工程は、特に限定されず、通常の手法により行えばよい。また、通常行われる他の工程を更に含むものであってもよい。上記感光性樹脂組成物が色材を含む場合は、色材の分散処理工程を経て製造することが好適である。
〔硬化膜の用途等〕
本発明の硬化膜は、高い表面硬度を有し、かつパターニング特性に優れるものである。したがって、このような硬化膜(硬化物)は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等の各種表示装置の構成部材の他、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等、各種の光学部材や電機・電子機器等の種々様々な用途に好ましく使用される。中でも、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルターや、タッチパネル式表示装置に用いることが好適であり、特に、これら各種表示装置における保護膜(カラーフィルター用保護膜、タッチパネル式表示装置用保護膜等)や、絶縁膜(タッチパネル式表示装置用絶縁膜等)として用いることが好適である。これにより、近年の高性能化の要望に充分に対応できる程度に各種表示装置の表示品位や撮像品位の信頼性を充分に高めることができる。このように上記硬化膜が保護膜又は絶縁膜である形態、及び、上記硬化膜がタッチパネル用硬化膜である形態もまた、本発明の好適な形態に含まれる。また、上記硬化膜を有する表示装置用部材及び上記硬化膜を有する表示装置は、本発明に含まれる。
本発明の表示装置用部材及び表示装置は、上記硬化膜を有するが、更に、他の構成部材等を1種又は2種以上有するものであってもよい。上記硬化膜は、安定して基板等に対する密着性に優れ、かつ高硬度であるうえ、高い透明性を有するものである。したがって、各種表示装置における保護膜や絶縁膜として非常に有用である。表示装置としては特に限定されないが、例えば、液晶表示装置、固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等が好適である。タッチパネル式表示装置としては、特に、静電容量方式のものが好ましい。
なお、上記表示装置用部材は、上記硬化膜から構成されるフィルム状の単層又は多層の部材であってもよいし、該単層又は多層の部材に更に他の層が組み合わされた部材であってもよいし、また、上記硬化膜を構成中に含む部材(例えば、カラーフィルター等)であってもよい。
本発明の硬化膜は、高い表面硬度を有し、かつパターニング特性に優れるものである。したがって、このような硬化膜を有する表示装置用部材及び表示装置は、光学分野や電機・電子分野で非常に有用なものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を、それぞれ意味するものとする。
以下の合成例や調製例等において、各種物性等は以下のようにして測定した。
1、樹脂溶液(アルカリ可溶性樹脂)の物性
(1)重量平均分子量
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
(2)固形分濃度
重合体溶液(樹脂溶液)をアルミカップに約0.3g量り取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(エスペック社製、商品名「PHH−101」)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定した。その質量減少量から、重合体溶液の固形分濃度(質量%)を計算した。
(3)酸価
樹脂溶液1.5gを精秤し、アセトン90g/水10g混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名「COM−555」)により、樹脂溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価を求めた。
2、硬化膜物性
(1)鉛筆硬度
得られた硬化膜について、JIS−K5600−5−4(1999年)に準じて鉛筆硬度試験を行った。すべて荷重は、旧JIS版のJIS−K5400(1990年)の500gで行い、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆を硬度(表面硬度)の値とした。
なお、3H>2H>H>F>HB>B>2B>3B>4Bの順に、硬度が低下する。
(2)パターニング特性(パターニング形成性)
30μmライン&スペースのパターンマスクで形成したパターニングについて、表面粗さ計(型式:R5300GL−L−A150−AC、菱化システム社製)を用い、残渣の有無、ラインの直線性の観点から、パターニング特性を評価した。
(3)着色の有無
得られた硬化膜(現像工程有り)について、目視により着色の有無を評価した。
〔樹脂溶液の合成〕
まず樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂として、樹脂溶液A〜Dの合成を行った。
合成例1(樹脂溶液A)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)91.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)22.8部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド(BzMI)10部、メタクリル酸(MAA)20部、ベンジルアクリレート(BzA)70部、PGMEA8部、PGME2部、パーブチルO(商品名、日本油脂社製)2部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン(n−DM)5部、PGMEA49.3部、PGME12.3部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続した。次いで、この反応液にメタクリル酸グリシジル(GMA)16.5部、触媒としてトリエチルアミン(TEA)0.35部、重合禁止剤としてアンテージW−400(商品名、川口化学工業社製)0.17部、希釈溶媒としてPGMEA23.4部、PGME5.8部を追加し、窒素、酸素混合ガス(酸素濃度7%)をバブリングしながら110℃2時間、115℃6時間反応を継続することで樹脂溶液Aを得た。
得られた樹脂溶液Aについて、各種物性を測定した。結果を表1に示す。
合成例2〜4(樹脂溶液B〜Dの合成)
単量体成分の種類及び配合量を表1に示すとおりに変更したこと以外は、合成例1と同様にして、樹脂溶液B〜Dを得た。得られた各樹脂溶液について、合成例1と同様に各種物性を測定した。結果を表1に示す。
表1に、樹脂溶液A〜Dの詳細を示す。
なお、表1中のベースポリマーを構成する各モノマーの数値は、該モノマーの総量を100質量%としたときの各モノマーの配合割合(質量%)を記載した。また、当該ベースポリマーに付加するGMAの数値は、酸基及び重合性二重結合を有する単量体(合成例1〜4では、MAAが該当する。)のカルボン酸分に、付加させたGMAをMAA質量換算した質量%として記載しており、「GMAのMAA質量換算での配合割合(質量%)={GMAのモル量(mol)/MAAのモル量(mol)}×MAA配合割合(質量%)」により求められる。例えば、合成例1では、ベースポリマー(100質量%)中、MAAは20質量%であり、この20質量%(697mmol)のMAAに、348mmolのGMAを付加させたことで、当該GMAの配合割合を「10」と規定した。
Figure 2016004165
表1における略称は以下の通りである。
BzMI:ベンジルマレイミド
MD:ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート
AMA:α−(アリルオキシメチル)メチルアクリレート
BzA:ベンジルアクリレート
MAA:メタクリル酸
GMA:メタクリル酸グリシジル
Mw:最終的に得られた重合体の重量平均分子量
〔硬化膜の評価試験〕
試験例1
固形分換算で、樹脂溶液Aを22.5部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を22.5部、コンポセランAC601(商品名、荒川化学工業社製)を45部、信越シリコーンKBM−503(商品名、信越化学工業社製)を10部、IRGACURE907(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を8部加え、更に希釈溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;PGMEA)を固形分濃度25%となるように加え、攪拌することで樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を下記硬化工程1又は2のそれぞれに供して各硬化膜を得た後、各種物性を評価した。結果を表2に示す。
1、現像工程を行わない硬化工程
ガラスに、厚み30nmでITO(Indium Tin Oxide)が蒸着されたITO基板を用意した。このITO基板に得られた樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、加熱処理(90℃3分間)した後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TOPCON社製、商品名「TME−150RNS」)によって60mJ/cm(365nm照度換算)の露光量で露光を行い、加熱処理(230℃30分間)を行った。このようにして硬化膜(現像工程無し)を得た後、鉛筆硬度を測定した。
2、現像工程を行う硬化工程
ガラスに、厚み30nmでITOが蒸着されたITO基板を用意した。このITO基板に得られた樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、加熱処理(90℃3分間)した後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TOPCON社製、商品名「TME−150RNS」)によって60mJ/cm(365nm照度換算)の露光量で露光を行った後、現像装置ADE−3000(トプコン社製)を用い、0.1MPaの圧力で、0.05M水酸化カリウム水溶液(現像液)によるシャワー洗浄を60秒間行った。次いで、同じ圧力で蒸留水によるシャワー洗浄を10秒間行った。その後、加熱処理(230℃30分間)を行った。このようにして硬化膜(現像工程有り)を得た後、鉛筆硬度、パターニング形成性及び着色の有無を評価した。
試験例2〜6
表2に示す配合比率で当該表に示す原料を用い、試験例1と同様の操作にて各樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の各々を上記硬化工程1又は2のそれぞれに供して各硬化膜を得た後、各種物性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2016004165
表2中の各原料の配合量は、固形分量である。
なお、表2では希釈溶媒(PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を用いたことを省略している。
表2における略称は以下の通りである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名、共栄社化学社製)
AC601:アルコキシ基含有シラン変性アクリル樹脂(商品名「コンポセランAC601」、荒川化学工業社製)
PMSQE:ポリシルセスキオキサン(商品名「SR−13」、小西化学工業社製)
KBM−503:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「信越シリコーン KBM−503」、信越化学工業社製)
TEA:トリエチルアミン(ダイセル化学社製)
Irg907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名「IRGACURE907」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
表2より、以下のことが確認された。
試験例1〜5より、現像工程の有無で硬化膜の表面硬度が向上されることが分かった。中でも、試験例1、3及び4と試験例5とは、アルカリ可溶性樹脂として主鎖に環構造を有する重合体を用いたか(試験例1、3及び4)又は主鎖に環構造を有しない重合体を用いたか(試験例5)の点でのみ相違するが、試験例5では現像工程を経ることで表面硬度がFからHの1段階しか向上しなかったのに対し、試験例1、3及び4では2段階以上向上している。このことから、アルカリ可溶性樹脂として主鎖に環構造を有する重合体を少なくとも用いることで、本発明の作用効果が充分に発揮されることが確認されたといえる。
試験例6は、アルカリ可溶性樹脂として主鎖に環構造を有しない重合体を使用し、かつ弱塩基性を示すトリエチルアミンを配合した例である。この場合、現像工程を経ることで表面硬度は向上したものの、それでもまだ表面硬度はFであり、高レベルの表面硬度は得られなかった。これは、弱塩基性を示すトリエチルアミンにより加水分解反応の触媒効果は得られたものの、トリエチルアミンは低分子化合物であり、膜中の可塑剤として作用するため、主鎖に環構造を有する重合体を含む場合ほどには高硬度にならなかったものと考えられる。

Claims (8)

  1. アルカリ可溶性樹脂及び非粒子状無機系化合物を含む感光性樹脂組成物により形成される硬化膜であって、
    該硬化膜は、該感光性樹脂組成物の露光工程及び加水分解工程を経て形成されるものであり、
    該アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する重合体であり、
    該非粒子状無機系化合物は、アルコキシ基を有する化合物であることを特徴とする硬化膜。
  2. 前記非粒子状無機系化合物として、半金属原子又は金属原子と、アルコキシ基と、(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位とを有する化合物を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の硬化膜。
  3. 前記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に二重結合を有する重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化膜。
  4. 前記感光性樹脂組成物は、更に、多官能重合性化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化膜。
  5. 前記感光性樹脂組成物は、更に、光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化膜。
  6. アルカリ可溶性樹脂及び非粒子状無機系化合物を含む感光性樹脂組成物から硬化膜を製造する方法であって、
    該製造方法は、該感光性樹脂組成物の露光工程及び加水分解工程を含み、
    該アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する重合体であり、
    該非粒子状無機系化合物は、アルコキシ基を有する化合物であることを特徴とする硬化膜の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置用部材。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置。
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