JP2016003980A - 試験装置及び恒温装置 - Google Patents
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Abstract
Description
引っ張り試験機は、一対の掴み具と、一方の掴み具を移動させる移動装置と、掴み具の移動量を検知する伸び量計と、引っ張り荷重を検知する荷重計を有するものである。引っ張り試験は、所定形状に成形された試料(被試験物)の両端を、前記した一対の掴み具で掴み、移動装置で一方の掴み具を他方から離れる方向に移動させる。そしてその間の試料の伸びを伸び量計で測定し、試料に掛かっている引っ張り荷重を荷重計で測定し、試料の応力・歪み線図等を作成するときの資料とする。
複合型の引っ張り試験装置で使用される引っ張り装置は、移動装置にロッドが設けられている。そしてロッドの先端に掴み具が取り付けられている。
複合型の引っ張り試験装置では、一対の掴み具はいずれも恒温装置の試験室内にあり、試験室内で試料が掴まれる。
そしてロッドを移動して試験室内で試料を引っ張り、その間の試料の伸びと試料に掛けられた荷重を測定する。
そのため貫通孔からの外気の進入や、貫通孔からの試験室内の空気の漏れを防止するため、ロッドの外周と、貫通孔の内壁の間に、シール部材が設けられている。
例えば、近年盛んなエナジーデバイスであるリチウムイオンバッテリーの絶縁材や、燃料電池の発電膜等を引っ張り試験の対象とする事例が生じてきた。
リチウムイオンバッテリーの絶縁材や、燃料電池の発電膜等は、厚さが極めて薄いため、引っ張り試験に際して試料に掛ける引っ張り荷重は、極めて小さい。
そのため引っ張り試験に際してロッドを移動する際における、ロッドとシール部材の間の摺動抵抗を無視することができない。
これに対してリチウムイオンバッテリーの絶縁材等は、破断に至るまでの応力はある程度あるものの、試料の断面積が小さいために、引っ張り試験に際して試料に掛ける荷重は極めて小さいものとなる。
即ちエナジーデバイスは、摂氏マイナス40度から摂氏プラス100度程度の温度幅で引っ張り試験を行う。例えば、摂氏マイナス40度で試験を行うと、試験室内の低温の空気が外部に漏れ、外の空気を冷却して結露し、さらに結氷させる。そのため低温環境下で試験を行うと、貫通孔の内部やその近傍が結氷する。
そのため従来技術の複合試験装置では、連続して引っ張り試験を実施することができない。即ち引っ張り試験は、一つの試料だけに対して実施することは稀であり、複数の試料を作成して連続的に試験を行い、平均値や標準偏差をとる場合が多い。
一回の引っ張り試験は短時間で終わるが、複数の試料を対象として引っ張り試験を行うにはある程度の時間が掛かる。そのため従来技術の複合試験装置では、試験の最中で作業を中断し、結氷を取り除く作業を行う必要があった。
疲労試験は、試料に繰り返し応力を負荷して破断に至るまでの繰り返し回数を調べるものであり、一週間以上の期間を有することが普通である。従来技術の試験装置は、低温環境下における連続使用が困難であるから、低温環境下における疲労試験を実施することが困難である。
本発明の試験装置は、恒温装置と外力付与装置を構成要件とするものであり、複合試験装置である。
恒温装置は、従来技術と同様に、断熱壁で囲まれた断熱領域と、断熱領域の一部または全部であって所定の環境を形成することができる試験室と、断熱領域の内外を連通する貫通孔を有している。
外力付与装置は、例えば掴み具の様な被試験物と接する作用部と、作用部を動作させる駆動部を有している。そして外力付与装置の作用部は試験室内にあり、駆動部は断熱領域の外にあり、外力付与装置の一部が恒温装置の貫通孔を貫通して駆動部と作用部がつながっている。
本発明の試験装置では、恒温装置に形成された貫通孔は、断熱領域側において、被試験物が設置される被試験物設置領域よりも、空気の流れ方向の下流側となる領域に開いている。また貫通孔の内周側から貫通孔内に外気又は試験室内の空気よりも低露点の気体を供給する気体供給部を有している。
本発明の試験装置では、試験の最中に、気体供給部によって貫通孔の内周側から貫通孔内に外気又は試験室内の空気よりも低露点の気体が供給される。そのためロッド等と貫通孔の内壁との間の隙間が低露点の気体で満たされ、断熱領域と外部とが低露点の気体で遮蔽される。
また貫通孔は、断熱領域の内外を連通するものであるから、貫通孔は恒温装置の外側に開く外部側開口と、断熱領域側に開く断熱領域側開口がある。
貫通孔の内周側から貫通孔内に供給された気体は、貫通孔とロッド等の間の隙間を流れ、一部が外部側開口から大気開放される。そのため貫通孔の外部側開口の近傍は、低露点の気体雰囲気となる。従って、貫通孔の外部側開口の近傍には、結氷や結露が生じにくい。
また貫通孔の内周側から貫通孔内に供給された気体の残部は、断熱領域側開口から恒温装置の断熱領域に流れ込む。ここで貫通孔の断熱領域側は、被試験物が設置される被試験物設置領域よりも、空気の流れ方向の下流側となる領域に開いている。そのため恒温装置の断熱領域に流れ込んだ気体は、被試験物設置領域には拡散せず、試験環境に影響を与えにくい。
また低露点の気体は、一旦サブチャンバー領域に入り、サブチャンバー領域内で圧力や流速が安定する。そして前記した気体は、その後に外部側や断熱領域側に流れるから、前記気体はロッド等の周囲に均等に流れ、ロッド等を前記気体で均一的に包み込むことができる。
本発明の恒温装置においても、断熱領域の内外が低露点の空気で遮蔽される。また本発明の恒温装置においても、貫通孔の内周側から貫通孔内に供給された低露点の気体が、外部側開口から大気開放される。そのため貫通孔の外部側開口の近傍は、低露点の気体雰囲気となる。
貫通孔の内周側から貫通孔内に供給された気体の残部は、断熱領域側開口から恒温装置の断熱領域に流れ込むが、この気体は、被試験物側には拡散せず、試験環境に影響を与えにくい。
本発明の恒温装置は、引っ張り装置等の外力付与装置と組み合わせることによって複合試験装置として使用することができる。そしてこの試験装置は、結氷や結露が生じにくく、長時間に渡って連続使用をすることができる。
本実施形態の試験装置1は、複合試験装置であり、より詳細には複合型の引っ張り試験装置である。
試験装置1は、恒温装置2と、外力付与装置3によって構成されている。また本実施形態で採用する恒温装置2は、恒温装置本体5と空調機部6が分離されており、それぞれ独立した装置となっている。
また本実施形態の試験装置1は、補助器材として外力付与装置載置台130と、恒温槽用架台131を有している。
本体側筐体部7は、天面壁11、底面壁12、奥面壁13、左右側面壁15,16を有しており、前面側が開口している。そして本体側筐体部7の開口部分に扉9が取り付けられている。
そのため扉9を閉じることによって本体側筐体部7が閉空間となる。
恒温装置本体5内は、天面壁11、底面壁12、奥面壁13、左右側面壁15,16及び扉9で囲まれた断熱領域17となっている。
即ち天面壁11と底面壁12に、ロッド挿通用貫通孔20,21が設けられている。
また奥面壁13に空気吐出側貫通孔22と、空気吸引側貫通孔23が設けられている。
ロッド挿通用貫通孔20は、天面壁11を貫通し、一方の開口は断熱領域17に開いている。またロッド挿通用貫通孔20の他方の開口は、恒温装置本体5の外に開いている。
即ちロッド挿通用貫通孔20には、断熱領域側開口18と、外部側開口26がある。
ロッド挿通用貫通孔20の特徴的構成として、中間部にロッド挿通用貫通孔20より断面積が大きいサブチャンバー領域27が設けられている。
サブチャンバー領域27の天地方向の長さは、天面壁11の厚さの6分の1から4分の3であり、より望ましくは、4分の1から2分の1である。本実施形態では、サブチャンバー領域27の天地方向の長さは、天面壁11の厚さの約3分の1である。サブチャンバー領域27の高さ方向の位置は、天面壁11の外側にやや寄った位置である。
尚、本実施例においてはサブチャンバー領域27以外の部分の内径は、いずれの部分についても同一である。以下の説明において、ロッド挿通用貫通孔20のサブチャンバー領域27以外の部分を小径部と称することがある。
即ち切り欠き部30は、半円筒部31と、保持部33によって構成されている。保持部33は、略直方体形状の切り欠き部分である。半円筒部31は、保持部33の奥辺34の中央部をさらに切り欠いた部位であり、切り欠かれた部位の形状は、半円筒形状である。
また半円筒部31の内周には、他の部位に比べて内径が大きく成形されたサブチャンバー構成部35がある。
そして嵌合片42の一辺側に、半円筒部36が設けられている。半円筒部36にはサブチャンバー構成部37(図3)が形成されている。
嵌合片42には仕切り部材46の一部を構成する板47が設けられている。嵌合片42は、切り欠き部30に嵌め込まれ、嵌合片42の半円筒部36と天面壁11側の半円筒部31が合致して円筒形のロッド挿通用貫通孔20が構成されている。
ロッド挿通用貫通孔21の構造は、天面壁11に設けられたロッド挿通用貫通孔20と同一であるから、同一の部材に同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
空気吐出側貫通孔22と空気吸引側貫通孔23は、空気を流通させるための孔であり、いずれも奥面壁13に大径の管38,39が挿通されて形成されている。
管38,39は、いずれも奥面壁13を貫通する。管38,39の断熱領域17側の開口端40,41は、奥面壁13と同一の平面にある。
これに対して管38,39の外部側の開口端43,45は、恒温装置本体5の背面側に突出している。
空気吸引側貫通孔23は、空気吐出側貫通孔22の真下にずれた位置に設けられている。
仕切り部材46の形状は、図3、図4の通りであり、天面対向部50と、奥面対向部51及び底面対向部52を有している。また仕切り部材46は、天面対向部50と底面対向部52の自由端側が外側に折り曲げられて末端封鎖部53が形成されている。
即ち仕切り部材46の天面対向部50は、断熱領域17の天面壁11に対して一定の距離をおいて平行に対峙している。同様に、奥面対向部51は奥面壁13と対峙し、底面対向部52は底面壁12と対峙している。そして仕切り部材46の末端封鎖部53が、本体側筐体部7の開口辺に取り付けられている。
そのため断熱領域17の内壁と、仕切り部材46によって流路形成部55が形成されている。
大孔56,57の大きさは、前記したロッド挿通用貫通孔20,21と同等である。大孔56,57の中心軸線は、ロッド挿通用貫通孔20,21の中心軸線と一致する。即ちロッド挿通用貫通孔20と、大孔56,57と、ロッド挿通用貫通孔21の各軸線は、垂直であって一致する。
仕切り部材46の奥面対向部51にも通気用の小孔60が設けられている。奥面対向部51に設けられた通気用の小孔60は、奥面対向部51の中心部に集中的に設けられている。
空気吐出側貫通孔22と、奥面対向部51の小孔60が設けられた領域との間が、接続ダクト61で接続されているから、空気吐出側貫通孔22は、奥面対向部51の小孔60とのみ連通し、天面対向部50及び底面対向部52に設けられた通気用の小孔58とは連通しない。
逆に空気吸引側貫通孔23は、天面対向部50と底面対向部52に設けられた通気用の小孔58とのみ連通し、奥面対向部51の小孔60とは連通しない。
後記する様に、試験中においては、空気は、空気吐出側貫通孔22、接続ダクト61、小孔60を順次通過して試験室8に入り、試験室8から小孔58、流路形成部55(戻り側空気流通路111)、空気吸引側貫通孔23を順次通過して恒温装置本体5から排出される。そのため本実施形態の試験装置1では、戻り側空気流通路111は、試験室8に対して常に下流側となる。
本実施形態では、図面下側の開口が空気戻り口65であり、上側の開口が空気往き口66として機能する。そして空気流路63内には、空気戻り口65から順にプレクーラ67、メインクーラ68及び加熱器70が設置されている。また加熱器70と空気往き口66との間に送風機71が設けられている。
空調機部6は、空気戻り口65から空気を導入し、プレクーラ67、メインクーラ68及び加熱器70を通過させて空気を所定の温度に調整して空気往き口66から排出するものである。
外力付与装置3は、引っ張り試験機である。外力付与装置3は、図2に示すように基台部72と、門型フレーム73を有している。
門型フレーム73には、図示しないガイドレールがあり、門型フレーム73のガイドレールに昇降桟(駆動部)75が係合している。
そして昇降桟75の下部に上ロッド76が設けられており、当該上ロッド76の先端に上側掴み具(作用部)77が設けられている。即ち駆動部たる昇降桟75に、上ロッド76を介して作用部たる上側掴み具77が取り付けられている。
外力付与装置3には、公知の引っ張り試験機と同様に、上側掴み具77を上方に移動させる移動装置と、掴み具の移動量を検知する伸び量計と、引っ張り荷重を検知する荷重計を有している(いずれも図示せず)。
外力付与装置載置台130は、単なるテーブルであり、外力付与装置3を載せる載置板132と、載置板132を中空に支持する脚部133とを有している。
テレスコピックガイド136は、台座部135の上面に配されたものであり、2本の伸縮棹137a,137bが平行に設けられたものである。伸縮棹137a,137bは、固定側部材と可動側部材を有しており、固定側部材に対して可動側部が直線方向に移動可能である。従って伸縮棹137a,137bは、可動側部を移動させることによってその全長を伸縮させることができる。
テレスコピックガイド136は、各伸縮棹137a,137bの固定側部材が台座部135の上面に固定されている。そして伸縮棹137a,137bの全長を伸ばすと、可動側部が台座部135から片持ち状に張り出す。
本実施形態の試験装置1は、前記した様に恒温装置2と、外力付与装置3によって構成されており、さらに恒温装置2は、恒温装置本体5と空調機部6によって構成されている。
恒温装置2を構成する恒温装置本体5と空調機部6とは、図5の様に2本のダクト80,81によって接続されている。
即ち恒温装置本体5の空気吸引側貫通孔23を構成する管39と、空調機部6の空気戻り口65が、戻り側ダクト81によって接続されている。
また恒温装置本体5の空気吐出側貫通孔22を構成する管38と、空調機部6の空気往き口66が、往き側ダクト80によって接続されている。
そのため恒温装置本体5の断熱領域17と、空調機部6の空気流路63は、一連の循環流路を構成する。
また、往き側ダクト80を含む空気吐出側ダクト、戻り側ダクト81を含む空気吸引側ダクトには、それぞれ断熱材501,502が施工され、エネルギーロスが少なくなっている。
恒温装置2の恒温装置本体5は、外力付与装置3の門型フレーム73に囲まれた空間に設置されている。
より詳細には、図1、図2の様に、外力付与装置3の背面側に恒温槽用架台131が配置されており、恒温槽用架台131のテレスコピックガイド136の可動側部によって恒温装置本体5が恒温槽用架台131の台座部135から張出した状態で支持されている。そして恒温装置本体5は、恒温槽用架台131のテレスコピックガイド136で片持ち状に支持され、外力付与装置3の門型フレーム73内に差し入れられている。
恒温装置本体5は、恒温槽用架台131によって中空に支持されて外力付与装置3の門型フレーム73内に配置されており、外力付与装置の基台部72とは接していない。
より詳細には、上ロッド76は、恒温装置本体5のロッド挿通用貫通孔20と仕切り部材46の天面対向部50に設けられた大孔56を連通し、上側掴み具77が、奥面対向部51の小孔60の高さ近傍に至っている。
より詳細には、下ロッド78は、恒温装置本体5のロッド挿通用貫通孔21と仕切り部材46の底面対向部52に設けられた大孔57を連通し、下側掴み具79が、奥面対向部51の小孔60の高さ近傍に至っている。
本実施形態の試験装置1を使用して引っ張り試験を行う場合は、試料(被試験物)を所定の形状に成形する。そして恒温装置本体5の扉9を開き、試料の両端を上側掴み具77と下側掴み具79で掴む。そして恒温装置本体5の扉9を閉じる。
その後、開閉弁85を開いて窒素ボンベ86から配管(気体供給部)28に窒素を供給し、配管28の末端からロッド挿通用貫通孔20,21のサブチャンバー領域27に窒素を導入する。
また空調機部6を起動して、所定の温度に調整された空気を試験室8に供給し、試験室8内を所定の温度環境に維持する。
そして外力付与装置3を起動し、上ロッド76を一定の速度で上昇させて試料(被試験物)に引っ張り荷重を掛け、破断する。そしてその間の試料の伸びと荷重の関係を記録する。
気体の供給量の目安は、断熱領域側開口18と、外部側開口26の双方から常にわずかずつ窒素ガスがオーバーフローする程度であり、ロッド挿通用貫通孔20,21の内径と、ロッドの径によって決まる。気体の供給量は、概ね3L/minから30L/min程度であり、通常は5L/minから15L/min程度である。
これに対して、サブチャンバー領域27は、内径が他の部位に比べて大きいから、サブチャンバー領域27が窒素ガスで満たされる。
なお窒素ガスは、埋設された配管28からある程度の流速をもってサブチャンバー領域27に供給されるが、サブチャンバー領域27には、上ロッド76及び下ロッド78との間に、配管28やロッド挿通用貫通孔20,21の他の領域に比べて大きな空間があるから、サブチャンバー領域27内において窒素ガスの動圧は消失し、サブチャンバー領域27内の圧力が均一化する。そして圧力が均一になった後に、窒素ガスがロッド76,ロッド78と、ロッド挿通用貫通孔20,21の小径部の間の隙間112に入る。そのため隙間112を流れる窒素ガスの流速が周方向に均一化する。
即ちサブチャンバー領域27が無い場合は、隙間112の広い部分にだけ窒素ガスが流れ、隙間112が狭い部分には窒素ガスが流れないことが懸念されるが、サブチャンバー領域27を設けることによって、ロッド76,78の全周を窒素ガスで包むことができる。
即ち試験中における恒温装置本体5内の空気の流れは、空気吐出側貫通孔22から接続ダクト61を経由して小孔60に至り、小孔60から、試験室8の中央の被試験物設置領域115に入る。さらに空気は、試験室8の中央の被試験物設置領域115から試験室8の天面対向部50側と底面対向部52側に分かれて流れ、通気用の小孔58に入り、戻り側空気流通路111に入る。さらに空気は、戻り側空気流通路111から空気吸引側貫通孔23に向かって流れ、恒温装置本体5から出てゆく。
そのため仮に断熱領域17内の空気が極低温であったとしても、断熱領域17内の空気が直接外気と接触することはなく、外気を冷却することは少ない。そのため外気中の水蒸気を凝縮することは少なく、結露や結氷が発生しにくい。また外部側開口26の周囲には、少量ずつ窒素ガスがオーバーフローするので、外部側開口26は、低露点ガス雰囲気となり、結露や結氷が発生しにくい。
またボンベ86から供給される窒素は、断熱領域17側にも流れ込むことがあるが、ボンベ86から供給される窒素ガスは、露点が摂氏マイナス45度程度であって極めて低く、仮に断熱領域17が極低温であったとしても、結露や結氷が生じ難い。
図11に示す試験装置90で採用する恒温装置88では、断熱筐体91によって断熱領域93が形成されている。断熱筐体91の中央には仕切り箱95があり、仕切り箱95の内部が試験室96となっている。また試験室96を構成する仕切り箱95と、断熱領域93の内壁との間には空間があり、当該空間内に、加湿装置97と、冷却器98と、ヒータ100及び送風機101が設けられている。本実施形態では、これらの機器が内蔵された部位によって空調機部92が形成されている。
また送風機101の吐出口は、試験室96内に開いている。
気体の露点は、少なくとも外気よりも低いことが必要である。また気体の露点は、試験室8内の環境温度よりも低いことが望ましい。
本発明で採用可能な恒温装置は、上記のものに限定されず、温度と湿度のいずれか、もしくは両方を調整することができるものであればよい。
2 恒温装置
3 外力付与装置
5 恒温装置本体
6 空調機部
7 本体側筐体部
8 試験室
10 断熱壁
17 断熱領域
18 断熱領域側開口
20,21 ロッド挿通用貫通孔
22 空気吐出側貫通孔
23 空気吸引側貫通孔
26 外部側開口
27 サブチャンバー領域
28 配管(気体供給部)
55 流路形成部
72 基台部
73 門型フレーム
75 昇降桟(駆動部)
76 上ロッド
77 上側掴み具(作用部)
78 下ロッド
79 下側掴み具(作用部)
88 恒温装置
115 被試験物設置領域
Claims (5)
- 恒温装置と、被試験物に外力を与える外力付与装置を有し、
前記恒温装置は、断熱壁で囲まれた断熱領域と、断熱領域の一部または全部であって所定の環境を形成することができる試験室と、断熱領域内と恒温装置外とを連通する貫通孔を有し、
外力付与装置は、被試験物と接する作用部と、作用部を動作させる駆動部を有し、外力付与装置の作用部は試験室内にあり、駆動部は断熱領域の外にあり、外力付与装置の一部が前記貫通孔を貫通して駆動部と作用部がつながっている試験装置において、
恒温装置は、空調機部を有し、試験室と空調機部の間で空気を循環させて試験室内を所望の環境に維持するものであり、
前記貫通孔の断熱領域側は、被試験物が設置される被試験物設置領域よりも、空気の流れ方向の下流側となる領域に開き、
貫通孔の内周側から貫通孔内に外気又は試験室内の空気よりも低露点の気体を供給する気体供給部を有していることを特徴とする試験装置。 - 空調機部は、試験室に空気を吹き込む空気吐出側と、試験室内の空気を吸引する空気吸引側を有し、断熱領域の一部に試験室が設けられ、試験室の外側に壁で仕切られた空気流通路があり、当該空気流通路は空調機部の空気吸引側に連通し、前記貫通孔は空気流通路内に開いていることを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
- 貫通孔内には、貫通孔の軸線に対して垂直方向の断面積が他に比べて大きいサブチャンバー領域があり、前記低露点の気体が前記サブチャンバー領域に供給されることを特徴とする請求項1又は2に記載の試験装置。
- 断熱壁で囲まれた断熱領域と、断熱領域の一部または全部であって所定の環境を形成することができる試験室と、空調機部を有し、試験室と空調機部の間で空気を循環させて試験室内を所望の環境に維持する恒温装置であって、断熱領域内と恒温装置外とを連通する貫通孔を有する恒温装置において、
前記貫通孔の断熱領域側は、被試験物が設置される被試験物設置領域よりも、空気の流れ方向の下流側となる領域に開き、
貫通孔の内周側から貫通孔内に外気又は試験室内の空気よりも低露点の気体を供給する気体供給部を有していることを特徴とする恒温装置。 - 断熱壁で囲まれた断熱領域と、断熱領域の一部または全部であって所定の環境を形成することができる試験室を有し、試験室と他の領域または他の装置との間で空気を循環させて試験室内を所望の環境に維持する恒温装置であって、断熱領域内と恒温装置外とを連通する貫通孔を有する恒温装置において、
前記貫通孔の断熱領域側は、被試験物が設置される被試験物設置領域よりも、空気の流れ方向の下流側となる領域に開き、
貫通孔の内周側から貫通孔内に外気又は試験室内の空気よりも低露点の気体を供給する気体供給部を有していることを特徴とする恒温装置。
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