JP2016003716A - 液封防振装置 - Google Patents
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Abstract
Description
防振装置の一例として、振動発生部及び振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材、及び他方に連結される第2取付部材と、第1取付部材及び第2取付部材を弾性的に連結する弾性体と、第1取付部材の内側に配置され、第1取付部材の内側に形成された液室を、弾性体を壁面の一部とする軸方向一方側の主液室と軸方向他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、主液室と副液室との圧力差に応じて変位する可動板と、を備え、仕切り部材には、可動板を収容する収容室が画成されると共に、収容室と主液室とを連通する第1連通孔、及び収容室と副液室とを連通する第2連通孔が形成され、収容室、第1連通孔及び第2連通孔を通して、主液室と副液室とが連通された防振装置(特許文献1参照)が知られている。
そこで、この発明の目的は、仕切り部材の剛性を低下させることなく、第2連通孔の目詰まり周波数を高くすることができる液封防振装置を提供することである。
この発明の液封防振装置では、前記第1連通孔の前記収容室側の開口面積は、前記第2連通孔の前記収容室側の開口面積よりも大きい、ことが好ましい。この構成によれば、主液室内の液圧の低下を抑えてキャビテーションの発生を抑制しつつ、第2連通孔の目詰まり周波数を高くすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る液封防振装置の構成を示す、断面図である。
図1に示すように、液封防振装置10は、振動発生部及び振動受部のうちのいずれか一方に連結される第1取付部材11、及びいずれか他方に連結される第2取付部材12と、第1取付部材11及び第2取付部材12を弾性的に連結する弾性体13と、第1取付部材11に備えられた仕切り部材14と、を有している。
本実施形態では、これらの各部材は、それぞれ液封防振装置10の中心軸線Oと同軸状に設けられている。以下、主振動の入力する方向、即ち本実施形態では、中心軸線Oに沿う方向を軸方向といい、中心軸線Oに直交する方向を径方向という。
この液封防振装置10は、例えば自動車等に装着され、例えば、第1取付部材11が図示しないブラケットを介して振動受部としての車体に連結される一方、第2取付部材12が振動発生部としての図示しないエンジンに連結されることにより、エンジンの振動が車体に伝達するのを抑制している。
図1に示すように、仕切り部材14は、第1取付部材11に備えられている。即ち、仕切り部材14は、第1取付部材11に実質的に固定されている。
図2及び図3に示すように、第1取付部材11の内部に配置された仕切り部材14は、アルミニウム合金或いは樹脂等からなる第1仕切り板17及び第2仕切り板18を、互いに対向配置した状態で組み合わせて形成されている。
第1仕切り板17は、第1仕切り板17の軸方向一方側の表面が面する主液室15aの、隔壁の一部を形成し、第2仕切り板18は、第2仕切り板18の軸方向他方側の表面が面する副液室15bの、隔壁の一部を形成している。
なお、図1に示すように、本実施形態では、可動板20の外周面は、収容室19の内周面(第2仕切り板18の周壁部18bの内周面)からわずかに離隔しているが、当該内周面に当接又は固着されていてもよい。
図2に示すように、第1仕切り板17には、第1仕切り板17を軸方向に貫く第1連通孔21が形成されている。第1連通孔21を通して収容室19と主液室15aとが連通される(図1参照)。
可動板20の抜け出しを確実に防止することができることから、抜け出し防止のために、例えば可動板20に樹脂や金属等を埋め込んで剛性を高める必要がなくなるので、コストの低減が可能になると共に、可動板20の重量増に伴う打音の増大も回避することができる。
なお、第1リブ21b及び第2リブ21cの、第1連通孔21の内周面21aからの径方向の内側に向けた突出量は、第1連通孔21の内周面21aの半径よりも小さくなっていて、図示の例では、第1連通孔21の内周面21aの半径の半分程度となっている。
第2仕切り板18の円盤部18aの副液室15b側及び収容室19側に開口する各第2連通孔22は、それぞれの側への開口形状が平面視円形状に形成されており、加えて、収容室19側の開口面積が、副液室15b側の開口面積よりも小さく形成されている(図1,3参照)。
図4に示すように、本実施の形態において、各第2連通孔22は、例えば、副液室15b側の開口部に面取りを施して、収容室19側の開口面積が、副液室15b側の開口面積よりも小さくなるように、形成している。その面取り角度は、図4の断面上第2仕切り板18の円盤部18aの収容室19側面となす角度(鋭角)を、例えば60度等、90度未満の任意の角度に設定することができる。
各第2連通孔22の内周面は、本実施形態のように、収容室19側の開口から副液室15b側の開口へとテーパ状、即ち、断面直線状に拡径する、傾斜面により形成されている(図1,4参照)ことが好ましい。このように構成することは、第2仕切り板18の製造性の観点で有利であり、また第2仕切り板18の剛性を高める観点でも有利である。ただし、第2連通孔22の内周面は、収容室19側の開口から副液室15b側の開口へと段差部を経て階段状に拡径する形状、或いは同一内径から途中で拡径する形状等、収容室19側の開口面積が、副液室15b側の開口面積よりも小さく形成されている限り、任意の形状とすることができる。
なお、第2連通孔22の収容室19側の開口は、円盤部18aの表面との角部が滑らかになるように、面取りされている。これにより、可動板20が円盤部18aに接触した際に傷等が発生するのを防止することができると共に、第2仕切り板18の欠け等を防ぐことができる。
これら第1連通孔21及び第2連通孔22は、それぞれ1個により形成してもよく、或いは複数個により形成してもよい。
なお、仕切り部材14には、前述の通り、一例として図2に示すように、主液室15aと副液室15bとを連通する通路として、第1連通孔21、第2連通孔22及び収容室19を通した通路とは別に、第2仕切り板18の径方向外側に開口する断面コ字状の周壁部18bにより、オリフィス通路としての溝状部18gが形成されている。
図5に示すように、可動板20は、例えばゴム材料等により、円盤状に形成されており、軸方向両側の面の外周縁部20bは、外周縁部20bよりも内側に位置する内側部分20cと比べて厚さが厚くなっている。
この可動板20は、第1連通孔21及び複数の第2連通孔22を全域にわたって覆う大きさを有しており、収容室19に収容された可動板20の外周縁部20bは、第1仕切り板17の内面(軸方向他方側の表面)及び第2仕切り板18の内面(軸方向一方側の表面)に当接している。
これにより、主液室15a内に液圧変動が生じ、可動板20が第1連通孔21を通して主液室15a側に変位若しくは変形したときであっても、第1連通孔21から可動板20が主液室15a側に抜け出るのを防止している。
また、第1取付部材11若しくは第2取付部材12に微小な振幅を有する振動が作用したときは、可動板20が第1仕切り板17の内面と第2仕切り板18の内面との間で微小に変位若しくは変形することで、この振動を吸収及び減衰し、主液室15aの液圧の上昇を抑制する。
しかも、第2連通孔22が形成されている仕切り部材(第2仕切り板18)の剛性の低下を招くこと無く、即ち、目詰まり周波数を高くするために第2連通孔22の長さを短くすること無く、第2連通孔22の目詰まり周波数を高くすることができる。
また、本実施形態によれば、第2連通孔22は、収容室19から副液室15bに向かってテーパ状に拡径しているので、簡易な構成で、仕切り部材14の剛性の低下を招くこと無く、副液室15b側の開口面積を大きくすることができる。
つまり、本実施形態にあっては、第1連通孔21の収容室19側の開口面積は、第2連通孔22の収容室19側の開口面積よりも大きいので、キャビテーションの発生を抑制しつつ、第2連通孔22の目詰まり周波数を高くすることができる。
Claims (3)
- 振動発生部及び振動受部のうちのいずれか一方に連結される第1取付部材、及び他方に連結される第2取付部材と、
前記第1取付部材及び前記第2取付部材を弾性的に連結する弾性体と、
前記第1取付部材に備えられ、前記弾性体を壁面の一部とする主液室と副液室とを区画し、前記主液室と前記副液室との圧力差に応じて変位する可動板を収容する収容室を画成すると共に、前記収容室と前記主液室とを連通する第1連通孔、及び前記収容室と前記副液室とを連通する第2連通孔を設けた、仕切り部材と、を有し、
前記第2連通孔は、前記収容室側の開口面積が前記副液室側の開口面積よりも小さいことを特徴とする、液封防振装置。 - 前記第2連通孔は、前記収容室から前記副液室に向かってテーパ状に拡径する、請求項1に記載の液封防振装置。
- 前記第1連通孔の前記収容室側の開口面積は、前記第2連通孔の前記収容室側の開口面積よりも大きい、請求項1または2に記載の液封防振装置。
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