JP2016002493A - 薄膜静電塗装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄膜の静電塗装を安全に行え、かつ構成を簡素にできる薄膜静電塗装装置の提供。
【解決手段】薄膜静電塗装装置は、ウェブ状の基材9を表面に保持可能なコンベア装置10と、コンベア装置10の上流側に基材9を供給する基材供給装置と、コンベア装置10の下流側から基材9を回収する基材回収装置と、コンベア装置10の中間部を包囲しかつコンベア装置10に沿って延びるハウジング40と、ハウジング40の一方の端部から他方の端部へと粉体6を供給する粉体供給装置42と、ハウジング40内に設置されて粉体6をコンベアベルト11の表面に保持された基材9に定着させる定着用電極44と、基材9の張力を制御する張力制御装置とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は薄膜静電塗装装置に関し、リチウムイオン電池用電極などの基材となる薄膜に電極層となる粉体を静電塗装する装置に関する。
従来、リチウムイオン電池などの電池は、セパレータを介してシート状の正極および負極を積層し、この積層体を円筒状などに巻いて形成される。
正極および負極として用いられるシート状の電極は、アルミニウムあるいは銅を圧延した箔(ベース)の表面に、正極あるいは負極としての活物質の層を形成したものである。
活物質層は、活物質や導電助材などの粉体材料を有機溶剤に結着材(バインダー)や増粘剤を溶かした溶液に分散させてスラリー状とし、これをコータ等でベースの表面に塗布することにより形成されていた(湿式塗布法)。
このような湿式塗布法では、溶剤を蒸発させる工程が必須のため局所排気を必要とし、設備が大がかりになるだけでなく、湿式のため調合の際の粘度調整が活物質などの粉体材料の湿度の影響などを受けるため塗膜の安定性も十分でなかったことから、活物質、導電助材および結着材をベース上に粉体塗装する乾式塗布法が開発されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、活物質の平均粒径1〜50μm(好ましくは20〜30μm)、導電助材(導電化材粉末)の平均粒径0.01〜5μm(好ましくは0.03〜2μm)、結着材の平均粒径0.1〜50μm(好ましくは1〜10μm)とされている。
これらの活物質、導電助材および結着材の粉末は、静電塗装にあたって加振器で加振されるとともに、電界印加用電極によりベースに対して正負逆に帯電され、静電気力によりベースに吸着される。そして、乾燥炉で過熱されることで、結着材が溶融されて活物質および導電助材がベース上に固定される。
なお、特許文献1には、予め活物質に結着材を溶融付着させて複合粉末としておき、これをベース上に粉体塗装することも記載されている。
特許文献1の静電塗装装置では、ウェブ状(帯状あるいはテープ状)のアルミニウム箔を水平に通し、その途中に帯電用の電極と、加振器を含む粉体供給装置とを配置している。これらの電極および粉体供給装置は、アルミニウム箔の途中に十分な長さで塗装領域を確保するために、3系統が設置されている。
これに対し、単一の粉体供給装置で十分な長さの塗装領域が得られるようにした装置も知られている(特許文献2参照)。
特許文献2の静電塗装装置では、長尺箱状のハウジング内に、塗装する金属板を垂直方向に配置し、ハウジング底部の粉体供給装置から粉体を吹き上げる構成とすることで、ハウジング内にさらされる金属板の表面に粉体の静電塗装を行うことができる。
特開2001−351616号公報 特開2012−217965号公報
ところで、特許文献1で塗装するアルミニウム箔あるいは銅箔は、リチウムイオン電池用電極に用いられるものであり、その厚さが10〜20μm程度の薄膜である。
このような薄膜は、それ自体の強度が低く、特許文献1においても張力が過剰になった場合に破断する可能性がある。
さらに、特許文献2のように、長い領域にわたってハウジング内にさらされた場合、ハウジング内の気流によって破断する可能性もある。
このため、特許文献1の静電塗装装置における粉体供給装置の簡素化を図るために、特許文献2を導入しようとしても、リチウムイオン電池用電極に用いられるアルミニウム箔や銅箔のような数十μm単位の薄膜に適用することが困難であった。
本発明の目的は、薄膜の静電塗装を安全に行え、かつ構成を簡素にできる薄膜静電塗装装置を提供することにある。
本発明の薄膜静電塗装装置は、ウェブ状の基材を保持可能なコンベア装置と、前記コンベア装置の上流側に前記基材を供給する基材供給装置と、前記コンベア装置の下流側から前記基材を回収する基材回収装置と、前記コンベア装置の中間部を包囲しかつ前記コンベア装置に沿って延びるハウジングと、前記ハウジングの一方の端部から他方の端部へと粉体を供給する粉体供給装置と、前記ハウジングの内部に設置されて前記粉体を前記コンベア装置に保持された前記基材に定着させる定着用電極と、前記基材の張力を制御する張力制御装置と、を有することを特徴とする。
このような本発明では、コンベア装置の上流側に、基材供給装置からウェブ状の基材が供給され、供給された基材は、コンベア装置に保持されて下流側へと搬送される。そして、ハウジング内を通過する間に、粉体供給装置からの粉体が定着用電極により基材に定着され、これにより基材の静電塗装が行われる。粉体が静電塗装された基材は、コンベア装置の下流側から基材回収装置に回収される。
この際、ハウジング内で塗装される基材が厚さ10〜20μm程度の薄膜で強度が低くても、コンベア装置に保持された状態で搬送される基材は、張力制御装置により張力を適切に制御されるため、過剰な張力により損傷等されることがない。また、ハウジング内においても、コンベア装置で裏打ちされて補強されているため、ハウジング内の気流によって損傷等されることもない。
従って、本発明により、薄膜の静電塗装を安全に行うことができ、かつ薄膜静電塗装装置として特殊な構成等を用いることもなく、構成を簡素にすることができる。
本発明において、前記コンベア装置は、ベルトコンベア装置、ローラコンベア装置、ローラの間に補助的なテーブルが介装されたローラコンベア装置、摺動式のテーブルのいずれかであることが望ましい。
このような本発明では、ウェブ状の基材の背面(塗装される表面とは反対側の面)を保持して姿勢を安定させ、確実な搬送を行うことができる。
ベルトコンベア装置としては、コンベアベルトとして上流側ローラと下流側ローラとの間に掛け渡されたエンドレスベルトを用いることができる。あるいは、エンドレスでないコンベアベルトを上流側ロールから引き出して下流側ロールに巻き取るような構成としてもよい。
このようなベルトコンベア装置を用いれば、ウェブ状の基材が、コンベアベルトの連続した表面で支持され、最も安定した支持を行うことができる。また、コンベアベルトが基材を載置し、等速で移動するため、基材とコンベアベルトとの間での摺動などが一切生じないようにできる。
ローラコンベア装置としては、基材の幅方向に延びるローラを複数配列し、基材の裏面に転動させる構成が利用できる。ローラは、外部駆動源により駆動されるもの、基材との転動で回転するものが利用でき、これらを組み合わせて用いてもよい。ローラの間隔は、ローラ間に掛け渡されることになる基材に弛みが生じない距離とすることが望ましい。
このようなローラコンベア装置を用いれば、ウェブ状の基材を各ローラで支持するとともに、各ローラの周面と基材とを等速とすることで、基材とローラとの間での摺動などが一切生じないようにできる。このようなローラ間の弛みを支えるために、ローラ間に補助的なテーブルを設けてもよい。
摺動式のテーブルとしては、コンベア装置の全長にわたる表面が平滑なテーブルを用いることができ、その表面に基材を摺動させることができる。ただし、基材の裏面への影響を最小限にするために、テーブルの表面は平滑とし、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)シート等を張るなどの低摩擦化対策を施すことが望ましい。テーブルの表面に多数の気孔を設けて静圧軸受あるいはエアベアリングを形成し、低摩擦化を図ってもよい。
コンベア装置における基材の搬送方向、つまり基材が保持されるコンベアベルトの表面、ローラ上端を包絡した仮想的な支持面、摺動式テーブルの表面などの向きは、水平方向とすることが望ましい。これにより、重力で基材がコンベア装置に押し付けられ、安全に保持される。
ただし、コンベア装置の搬送方向は、垂直方向あるいは他の傾斜方向であってもよい。このような場合、基材がコンベア装置に確実に保持されるように、例えばコンベアベルトやテーブルの反対側から負圧吸引するなど、補助的な保持手段を適宜設けるようにしてもよい。
本発明において、基材供給装置および基材回収装置としては、印刷機あるいは金属薄板製造装置で用いられる着脱式のコイル支持装置を用いることができる。
本発明において、張力制御装置としては、基材供給装置から基材回収装置に至る搬送経路において、当該搬送経路を送られるウェブ状の基材の張力を適切に保つための駆動装置や調整装置が利用できる。あるいは、基材の搬送に用いる各装置の動作を制御することで、基材の張力を調整してもよい。
本発明において、前記張力制御装置は、前記基材の弛みを検出する弛み検出器と、前記弛み検出器で検出された前記基材の弛みに基づいて、前記基材を駆動する装置を制御する制御装置と、を有することが望ましい。
本発明において、基材を駆動する装置としては、基材供給装置や基材回収装置およびコンベア装置(ベルトコンベア装置およびローラコンベア装置)が該当し、各々の動作速度を調整することで、各々の間を送られる基材の張力を調整することができる。すなわち、基材の搬送方向上流側の送り速度よりも、下流側の送り速度を速くすれば、基材の張力が高くなり、逆に速度を遅くすれば張力が低くなる。
このような本発明では、基材供給装置や基材回収装置およびコンベア装置を利用することで、基材に張力を加えるための大がかりな装置を設置することなく、弛み検出器と制御装置とによる簡単な構成で張力制御装置を形成することができる。
本発明において、前記コンベア装置と前記基材回収装置との間にはプレス装置が設置され、前記プレス装置と前記コンベア装置との間には基材引込装置が設置され、前記制御装置は、前記基材供給装置から前記基材引込装置までの塗布区間と、前記基材引込装置から前記基材回収装置までのプレス区間との各々で個別に張力制御を行うことが望ましい。
このような本発明では、プレス装置により、ハウジングで基材に塗布された粉体をより安定的に定着させることができる。この際、プレス装置は、基材の搬送に大きく関連するが、ハウジングを含む塗布区間と、プレス装置を含むプレス区間とを分離し、各々において張力制御を実行できる。従って、プレス装置を用いる場合でも、基材の張力制御を確実かつ容易に行うことができる。
本発明において、粉体供給装置としては、静電塗装するための粉体を気流に乗せてハウジング内に供給するものであればよく、既存の静電塗装装置の粉体供給部分を流用することができる。この際、粉体の成分調整あるいは粉体の形状処理も併せて行えることが望ましい。
粉体供給装置は、ハウジングの下流側から粉体を供給し、コンベア装置で搬送される基材と逆向きに移動する粉体の流れを生成するものであってもよく、ハウジングの上流側から粉体を供給し、コンベア装置で搬送される基材と同じ向きに移動する粉体の流れを生成するものであってもよい。
本発明において、ハウジングの粉体供給装置から粉体が供給される側とは反対側の端部には、余剰の粉体を回収する粉体回収装置を設置することが望ましい。
本発明において、前記ハウジングの下流側から送り出された前記基材を加熱する加熱装置を有することが望ましい。
このような本発明では、ハウジングの下流側から送り出された基材を、加熱装置で加熱することにより、ハウジング内で基材に定着された粉体を密実化し、安定した状態で固定させることができる。
本発明において、前記基材に定着される前記粉体の除電を行う粉体除電装置を有することが望ましい。
本発明において、粉体除電装置による粉体の除電とは、粉体を、ハウジング内に設置された定着用電極と同じ極性(ハウジング内の基材とは逆極性)に帯電させることである。
このような本発明では、基材に定着される粉体は、粉体除電装置で除電される。これにより、ハウジング内の基材に定着される粉体を所期の極性に揃えることができ、逆極性の粉体の混入による定着不良を回避し、安定した静電塗装を行うことができる。
本発明において、前記粉体除電装置は、前記粉体供給装置から前記ハウジングに至る供給ダクト中に設置されて前記供給ダクトを通過する前記粉体の除電を行う除電用電極、予め除電された空気を前記供給ダクト中に合流させる除電エア発生装置、前記ハウジングの下流側の前記基材の表面に対向設置された除電用電極パネル、またはこれらの組み合わせであることが望ましい。
このような本発明のうち、供給ダクト内の除電用電極によれば、供給ダクトからハウジング内に供給される粉体を除電することができる。また、除電エア発生装置により、供給ダクトに除電エアを合流させることで、供給ダクトからハウジング内に供給される粉体を除電することができる。
一方、除電用電極パネルによれば、ハウジングの下流側に送り出された基材の表面に対して除電を行う。当該基材の表面には、ハウジング内で既に粉体が定着されているが、一部の逆極性の粉体は基材の表面に十分に近接しない不安定な状態となっていることがある。これに対し、後から除電を行うことで、全ての粉体が基材に近接できるようになり、安定した状態とすることができる。
本発明において、前記ハウジングの内部には、前記ハウジングの内部のガスを攪拌する攪拌手段が設置されていることが望ましい。
このような本発明では、攪拌手段でハウジングの内部のガスを攪拌することで、粉体をガスとともに巻き上げ、十分に帯電させることができる。
粉体供給装置から供給された粉体は、搬送ガスにのせてハウジングの端部から吹き込まれ、ハウジング内の気流に乗って下流側(供給側とは反対側)の端部へと移動する。移動の途中で、粉体は定着用電極によって帯電され、基材に静電吸着される。ただし、一部の帯電が不十分な粉体は、静電吸着されずに気流に乗って下流側に至り、粉体回収装置などに回収されるほか、自重によって徐々に沈降し、下流側に至るハウジングの途中で基板上に落下する。このように帯電が不十分で基板上に落下した粉体は、基材に静電吸着されていないため、搬送途中の振動で浮き上がったり、脱落したりして、基板上面に均一な膜を形成することの妨げとなる。
これに対し、攪拌手段でハウジング内部のガスを撹拌することで、帯電が不十分な粉体を巻き上げ、定着用電極により十分に帯電させることで、基板上に静電吸引させることができる。
本発明において、前記攪拌手段は、前記ハウジングの長手方向に延びる攪拌用ダクトと、前記攪拌用ダクトの内部に加圧ガスを供給するガス供給装置と、前記攪拌用ダクトの内部のガスを前記ハウジングの内部に噴射する多数の噴射ノズルとを備えていることが望ましい。
このような本発明では、ダクト内に供給された加圧ガスが、噴射ノズルからハウジング内に噴射され、これによりハウジング内のガスを攪拌することで、粉体を巻き上げて沈降を防止することができる。
また、攪拌手段が加圧ガスを噴射する構成であれば、機械的な可動部分がないため、粉体が接触する状態でも安定した動作を維持することができ、保守性を高めることができるとともに、機構的にも簡略で設備コストも低減できる。
なお、本発明においては、前述した加圧ガス噴射式の攪拌手段以外にも、ハウジング内で回転する羽根車、揺動する攪拌板、振動式の攪拌部材などを利用してもよい。
本発明において、一連の前記基材の途中に複数の前記ハウジングが設置され、複数の前記ハウジングにそれぞれ前記粉体供給装置および前記定着用電極が設置されていることが望ましい。
このような本発明では、一連の基材に対して複数の静電塗装を行うことができる。このため、同じ粉体による静電塗装を複数回繰り返すことで、塗膜の厚膜化を行うことができる。また、異なる粉体による静電塗装を順次行うことで、基材に複層塗膜を形成することもできる。
なお、コンベア装置は、一連のコンベア装置の途中に複数のハウジングを設置してもよいし、ハウジング毎に設置してもよい。複数のコンベア装置を用いる場合、上流側のコンベア装置から取り出された基材を下流側のコンベア装置に載せ替えるようにすればよい。
本発明において、一連の前記基材の途中に複数の前記コンベア装置が設置され、複数の前記コンベア装置にはそれぞれ前記ハウジング、前記粉体供給装置および前記定着用電極が設置されているとともに、複数の前記コンベア装置はそれぞれ水平に配置され、前記コンベア装置の何れかが他の前記コンベア装置の上方に設置されていることが望ましい。
このような本発明では、コンベア装置を上下方向に重ねることにより、設備としての占有床面積を抑制することができる。また、コンベア装置が水平に配置されることで、コンベア装置による基材の保持を自重により安全に行うことができる。
本発明において、一連の前記基材の途中に複数の前記コンベア装置が設置され、複数の前記コンベア装置にはそれぞれ前記ハウジング、前記粉体供給装置および前記定着用電極が設置されているとともに、複数の前記コンベア装置はそれぞれ縦方向に配置され、各々が互いに隣接して平行に設置されていることが望ましい。
このような本発明では、コンベア装置が縦方向に配置されることで、設備としての占有床面積をさらに抑制することができる。
本発明において、一連の前記基材の途中に少なくとも2つの前記コンベア装置が設置され、上流側の前記コンベア装置を通過した前記基材が反転して下流側の前記コンベア装置に導入されるように配置されていることが望ましい。
このような本発明では、基材は、上流側のコンベア装置のハウジングで表面側を静電塗装される。そして、上流側のコンベア装置から引き出されたのち反転されることで、下流側のコンベア装置で搬送される間に裏面側がハウジング内で静電塗装される。これにより、2つのコンベア装置を通過した基材には、その表裏に粉体の静電塗装を行うことができる。
このような基材を反転させて順次静電塗装する構成は、前述した2つのコンベア装置を上下に重ねる配置または縦方向に並べる配置を利用して簡単に実現できる。
本発明において、前記ハウジングにはマスキング装置が設置され、前記マスキング装置は前記基材の表面をマスキングするマスキングベルトを有し、前記マスキングベルトには前記基材の表面を前記ハウジングの内部に露出させる塗装パターンが形成されているとともに、前記マスキングベルトは、前記基材を挟んで前記コンベア装置で搬送される前記基材の表面に沿って張られ、前記基材と同期して移動されることが望ましい。
このような本発明では、マスキングベルトがコンベア装置で搬送される基材の表面側に沿って同期移動することで、基材のうち特定の領域だけが塗装パターンからハウジング内に露出した状態とされる。従って、ハウジング内での粉体の静電塗装は、基材のうち塗装パターンから露出する領域だけに対して行われる。
その結果、ハウジングを通過した基材には、マスキングベルトの塗装パターンに対応した粉体の塗膜を形成することができる。
本発明によれば、ウェブ状の基材が厚さ10〜20μm程度の薄膜で強度が低くても、コンベア装置に保持された状態で搬送され、かつ張力制御装置で張力を適切に維持されるため、過剰な張力により損傷等されることがない。また、ハウジング内においても、コンベア装置で保持されて補強されているため、ハウジング内の気流によって損傷等されることもない。
従って、本発明により、薄膜の静電塗装を安全に行うことができ、かつ薄膜静電塗装装置として特殊な構成等を用いることもなく、構成を簡素にすることができる。
本発明の第1実施形態の全体構成を示す模式正面図。 前記第1実施形態の要部を示す模式正面図。 前記第1実施形態の要部を示す模式側面図。 前記第1実施形態の塗装済基材を示す模式図。 前記第1実施形態で粉体の除電を行わない状態を示す模式図。 前記第1実施形態で粉体の除電を行った状態を示す模式図。 本発明の第2実施形態の全体構成を示す模式正面図。 本発明の第3実施形態の全体構成を示す模式正面図。 本発明の第4実施形態の全体構成を示す模式正面図。 本発明の第5実施形態の要部を示す模式正面図。 本発明の第6実施形態の要部を示す模式正面図。 本発明の第7実施形態の要部を示す模式正面図。 本発明の第8実施形態の全体構成を示す模式正面図。 本発明の第9実施形態の全体構成を示す模式正面図。 本発明の第10実施形態の全体構成を示す模式正面図。 本発明の第11実施形態の全体構成を示す模式正面図。 前記第11実施形態の要部を示す模式側面図。 前記第11実施形態のマスキング用コンベアベルトを示す模式図。 前記第11実施形態の塗装済基材を示す模式図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1から図4には、本発明の第1実施形態が示されている。
図1から図3に示す本実施形態の薄膜静電塗装装置1は、図4に示すウェブ状の基材9の表面に静電塗装による塗膜8を形成し、塗膜つき基材7を製造するものである。
基材9は、例えばリチウムイオン電池用電極などの基材となる薄膜であり、厚さ10〜20μm程度のアルミニウム箔あるいは銅箔とされる。
塗膜8は、前述したリチウムイオン電池用電極の電極層となるものであり、活物質(導電助材を含む)の粉末と結着材の粉末とを混合し、得られた混合粉末を粉体6(図2および図3参照)として静電塗装することにより基材9の表面に定着させ、さらに加熱およびプレスすることで基材9に固定される。
薄膜静電塗装装置1は、図1に示すように、水平方向に延びるベルトコンベア装置10を有する。
ベルトコンベア装置10は、前述した基材9を上面に保持するコンベアベルト11を有する。
コンベアベルト11は、ステンレス製のエンドレスベルトなどであり、フレーム12に支持された上流側ローラ13(図中右側)と下流側ローラ14(図中左側)との間に掛け渡されており、基材9を保持する上面が水平に配置されている。
ベルトコンベア装置10において、下流側ローラ14には駆動モータ15が接続され、この駆動モータ15で下流側ローラ14を回転させることで、コンベアベルト11が送られ、上流側ローラ13も一体に回転する。なお、駆動モータ15による駆動は、上流側ローラ13および下流側ローラ14の何れかまたは両方であってもよい。
駆動モータ15でコンベアベルト11を送ることで、その上面に保持されたウェブ状の基材9が上流側(図中右側)から下流側(図中左側)へと送られる。
ベルトコンベア装置10の上流側には、基材9を供給する基材供給装置20(図1右端)および弛み検出器60Aが設置されている。
ベルトコンベア装置10の下流側には、基材9を回収する基材回収装置30(図1左端)が設置されている。
ベルトコンベア装置10の途中には、ハウジング40および加熱装置50が設置されている。
ベルトコンベア装置10と基材回収装置30との間には、基材引込装置90、弛み検出器60Bおよびプレス装置70が設置されている。
本実施形態の薄膜静電塗装装置1においては、基材供給装置20から基材引込装置90までが塗布区間Rcとされ、弛み検出器60A、ベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50はこの塗布区間Rc内に設置されている。弛み検出器60Aは、この塗布区間Rcにおける基材9の弛みを検出する。 また、基材引込装置90から基材回収装置30までがプレス区間Rpとされ、弛み検出器60Bおよびプレス装置70はこのプレス区間Rp内に設置されている。弛み検出器60Bは、このプレス区間Rpにおける基材9(粉体6が塗膜8として塗布された基材7)の弛みを検出する。
前述した各部の動作制御を行うために、制御装置99が設置されている。
制御装置99は、一般的なパーソナルコンピュータ装置で構成され、予め設定されたプログラムに基づいて動作し、薄膜静電塗装装置1の各部の動作制御を行う。動作制御の内容としては、ハウジング40における静電塗装動作の制御、加熱装置50における加熱制御とともに、ベルトコンベア装置10、基材供給装置20、基材回収装置30、プレス装置70、基材引込装置90による基材9の搬送の制御が含まれる。
とくに、制御装置99は、本発明の張力制御装置として、塗布区間Rcおよびプレス区間Rpのそれぞれにおいて、基材9に弛みが生じず、かつ過剰な張力が生じないように各部を制御する。
具体的には、各区間Rc,Rpに設置された弛み検出器60A,60Bで検出される基材9の弛みに基づいて、該当するベルトコンベア装置10、基材供給装置20、基材回収装置30、プレス装置70、基材引込装置90の動作速度を調整し、これにより各区間Rc,Rpの基材9(あるいは基材7)の弛みあるいは張力を最適な状態に維持する。
以下、薄膜静電塗装装置1の各部について説明する。以下には、先ず基材9の搬送に関する基材供給装置20、基材回収装置30、基材引込装置90、弛み検出器60A,60Bについて説明し、続いて塗装に関するハウジング40、加熱装置50、プレス装置70について説明する。
基材供給装置20は、ウェブ状の基材9が巻かれたコイル21を有し、このコイル21から引き出した基材9をコンベアベルト11の上流側に供給する。
コイル21は着脱式とされ、基材9が全て引き出されたコイル21を取り外し、基材9が巻かれたコイル21を装着することで、基材9の供給を継続することができる。
コイル21には駆動モータ22が接続され、基材9の送り出しに適した回転速度となるようにコイル21の回転を制御することができる。
このような基材供給装置20は、類似の機能を有する印刷機あるいは金属薄板製造装置で用いられる着脱式のコイル支持装置を参照して適宜構成すればよい。
基材回収装置30は、ウェブ状の基材9(稼働時には塗膜つき基材7)が巻かれるコイル31を有し、コンベアベルト11の下流側から引き出された基材9を巻き取って回収する。
コイル31は着脱式とされ、基材9が所定量巻き取られたコイル31を取り外し、新たな空のコイル31を装着することで、基材9の回収を継続することができる。
コイル31には駆動モータ32が接続され、基材9の巻き取りに適した回転速度となるようにコイル31の回転を制御することができる。
このような基材回収装置30は、類似の機能を有する印刷機あるいは金属薄板製造装置で用いられる着脱式のコイル支持装置を参照して適宜構成すればよい。
弛み検出器60A,60Bは、それぞれ基材7の搬送方向に並んだ2つのローラ61,62を有し、その間には基材7の搬送方向から外れたローラ63を備えている。
ローラ61,62は、それぞれ周面の最高位置が基材9の搬送経路と同レベルに配置されている。ローラ63は、本実施形態ではローラ61,62から下方に変位して設置され、揺動式のアーム64を介して軸を支持されており、アーム64の揺動によりローラ63は軸位置が昇降し、ローラ61,62に対する距離が変動する。アーム64には、その揺動を検出する変位検出器65が設置されている。
弛み検出器60A,60Bに導入された基材7は、ローラ61で受けられて下方のローラ63に送られ、ローラ63で反転して上方のローラ62に戻り、下流側へ送り出される。このような配置により、基材7の弛みが増加した際にはローラ63が下方に移動し、弛みが減少した際にはローラ63が上方へ移動する。この際のローラ63の上下の変位は、アーム64の揺動として変位検出器65で検出することができる。
従って、弛み検出器60A,60Bにおいては、変位検出器65で検出されたローラ63の上下変位に基づいて、基材7の弛みの増減を検出することができる。検出された基材7の弛みは、制御装置99に送信される。
基材引込装置90は、基材7の搬送方向に並んだ2つのローラ91,92を有し、その間には基材7の搬送方向から外れたローラ93を備えている。
ローラ91,92は、それぞれ周面の最高位置が基材9の搬送経路と同レベルに配置されている。ローラ93は、本実施形態ではローラ91,92から下方に変位して設置されたサクションロール等で構成され、伸縮機構94で高さ調整可能である。
ローラ93には駆動モータ95が接続され、制御装置99からの指令に基づく回転速度でローラ93を回転駆動することができる。
本実施形態の薄膜静電塗装装置1では、基材供給装置20から供給された基材9は、弛み検出器60Aを経てベルトコンベア装置10で搬送され、ハウジング40および加熱装置50を経て、基材引込装置90に引き取られる(塗布区間Rc)。
続いて、基材引込装置90から送り出された基材9は、弛み検出器60Bを経てプレス装置70に搬送され、基材回収装置30に回収される(プレス区間Rp)。
以下、各区間Rc,Rpに配置されたハウジング40、加熱装置50およびプレス装置70について説明する。
ハウジング40は、コンベアベルト11の中間部を包囲するハウジング本体41を有する。
図2および図3に示すように、ハウジング本体41は、コンベアベルト11に沿って延びる箱状とされ、一面が開口されるとともに、この開口をコンベアベルト11が塞ぐように配置されている。従って、コンベアベルト11の上面に保持された基材9は、ハウジング40を通過する際に、ハウジング本体41の開口から内部空間に露出される。
ハウジング本体41の下流側には粉体供給装置42および粉体除電装置46が設置されている。
ハウジング本体41の上流側には粉体回収装置43が設置されている。
ハウジング本体41の内部には静電塗装用の定着用電極44が複数配列されている。
ハウジング本体41の内部には、前述した開口に沿ってハウジング本体41の長手方向に延びる攪拌用ダクト45が設置されている。
粉体供給装置42は、ハウジング40の一方の端部から他方の端部へと粉体を供給するものであり、本実施形態ではハウジング本体41の下流側(基材9を保持したコンベアベルト11が出て行く側)に設置されている。
粉体供給装置42は、内部に粉体6を貯留するとともに粉体定量切出し装置を有するタンク421と、このタンク421からハウジング本体41の下流側端部に連続する供給ダクト422と、タンク421内の粉体6を搬送ガスで巻き上げて供給ダクト422へと送り出す送出ポンプ(図示省略)とを備えている。
これにより、粉体供給装置42は、粉体6を搬送ガスとともに送り出し、供給ダクト422からハウジング本体41の下流側端部に供給することができ、ハウジング本体41内には下流側から上流側に向けて静電塗装するための粉体6を含む搬送ガスの気流が生成される。
なお、粉体供給装置42は、既存の静電塗装装置の粉体供給部分を適宜流用することができ、粉体6の貯留に先立って粉体6の成分調整あるいは粉体6の形状処理も併せて行えるようにしてもよい。
粉体回収装置43は、ハウジング40の上流側(基材9を保持したコンベアベルト11が導入される側、粉体供給装置42が設置された下流側と反対側)の端部に設置され、ハウジング本体41内を上流側まで流れてきた余剰の粉体6を回収するものである。
粉体回収装置43は、内部に粉体6を貯留するタンク431と、このタンク431からハウジング本体41の上流側端部に連続する回収ダクト432とを有し、タンク431には回収ダクト432を通してハウジング本体41の上流側から余剰の粉体6を含む搬送ガスを吸引する吸引ポンプ(図示省略)が設置されている。
これにより、粉体回収装置43は、ハウジング本体41の上流側の搬送ガスおよび余剰の粉体6を回収ダクト432から回収することができ、ハウジング本体41内に生成される下流側から上流側に向かう粉体6を含む搬送ガスの気流を維持することができる。
なお、粉体回収装置43は、既存の静電塗装装置の粉体回収部分を適宜流用することができ、回収した粉体6および搬送ガスの再利用、排出にあたっての塵埃濾過処理なども併せて行えるようにしてもよい。
定着用電極44は、粉体6を帯電させてコンベアベルト11に保持された基材9の表面に吸着させ、所期の厚さで定着させるものである。
このために、定着用電極44は、基材9が露出されるハウジング本体41の開口に沿って、縦横に複数が配列されている。
それぞれの定着用電極44には、電源装置441が接続され、粉体6に対する帯電が行われるように構成されている。
攪拌用ダクト45は、ハウジング本体41内をその下流側から上流側へと流れる粉体6を含む搬送ガスを攪拌することで、粉体6を巻き上げてその沈降を防止するものである。
攪拌用ダクト45は、ハウジング本体41の開口の辺縁のうちハウジング本体41の長手方向に沿った両側の辺縁に一対で配置されている。
攪拌用ダクト45には、外部の加圧ガスを供給するガス供給装置451が接続されているとともに、攪拌用ダクト45内のガスをハウジング本体41内に噴射する多数の噴射ノズル452が設置されている。
攪拌用ダクト45は、断面形状が長方形の管状に形成され、その両端は塞がれている。攪拌用ダクト45の長手方向辺縁のうち、ハウジング本体41の長手方向中心軸線に近い辺縁は切り欠かれており、この開口部分は多数の噴射ノズル452が開口された板材で塞がれている。従って、攪拌用ダクト45の内部にガス供給装置451から加圧ガスが供給されると、このガスは多数の噴射ノズル452からハウジング本体41の内部に噴射され、各噴射ノズル452からハウジング本体41内にジェット453が形成される。
このジェット453により、ハウジング本体41内を流れる搬送ガスが攪拌され、これに含まれる粉体6が巻き上げられてその沈降が防止される。
粉体除電装置46は、粉体供給装置42の供給ダクト422内部のハウジング本体41側端に設置された除電用電極461と、この除電用電極461に高電圧を印加する電源装置462とを有する。電源装置462は、ベルトコンベア装置10のフレーム12に接地されており、除電用電極461の極性は、ベルトコンベア装置10で搬送される基材9側とは逆極性とされている。
このような粉体除電装置46により、粉体供給装置42の供給ダクト422からハウジング本体41に供給される粉体6は、除電用電極461の近傍を通過する際に、一様に基材9とは逆極性となるように除電される。
加熱装置50は、ハウジング40内で基材9に粉体6を定着した後、基材9とともに粉体6を加熱して塗膜8として固定するためのものであり、ハウジング40の下流側に設置されている。
加熱装置50は、ハウジング40の下流側でコンベアベルト11を包囲する加熱装置本体51を有する。加熱装置本体51の内部には、コンベアベルト11の表面側上方に基材9の搬送方向に沿ってヒータ(図示省略)が設置され、コンベアベルト11に保持された基材9およびその表面に定着された粉体6の層を加熱する。この加熱により、粉体6のバインダ成分が相互に結合し、塗膜8として基材9の表面に固定され、塗膜つき基材7が形成される。
加熱装置50で形成された塗膜つき基材7(粉体6が塗膜8として表面に定着された基材9、図4参照)は、コンベアベルト11の表面に保持された状態であるが、加熱装置50を通過したのちベルトコンベア装置10の下流側でコンベアベルト11から分離され、単独でベルトコンベア装置10から引き出される。
ベルトコンベア装置10から引き出された基材7は、基材引込装置90、弛み検出器60Bおよびプレス装置70を順次経由して基材回収装置30に回収される。
プレス装置70は、基材7の塗膜8の定着をさらに強固にするために、基材7の表面にロールプレス加工を施すものである。
このために、プレス装置70は、弛み検出器60Bから送り出された基材7を上下から挟む一対の加圧ロール71,72を有し、下側の加圧ロール72を回転駆動する駆動モータ73を有する。
一対の加圧ロール71,72は、相互の間隔を微調整可能に支持され、この間隔調整により基材7に対する加圧状態を調整することができる。そして、駆動モータ73で加圧ロール72が回転されることで、これに転動する基材7を適切に送ることができる。
プレス装置70から送り出された基材7は、ローラ74を経て基材回収装置30へと送られ、コイル31に巻き取られて回収される。
このような本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態の薄膜静電塗装装置1では、コンベアベルト11の上流側に基材供給装置20からウェブ状の基材9が供給され、供給された基材9はベルトコンベア装置10により搬送される。
そして、ベルトコンベア装置10で搬送される基材9には、ハウジング40内を通過する間に、粉体供給装置42からの粉体6が、定着用電極44により定着され、これにより静電塗装が行われる。静電塗装により塗膜8が形成された基材7は、ベルトコンベア装置10の下流側から送り出され、加熱装置50での加熱およびプレス装置70でのプレス加工を経て、基材回収装置30に回収される。
これにより、基材回収装置30には、図4に示すような、基材9の表面に粉体6の塗膜8が形成された基材7を得ることができる。
本実施形態では、ベルトコンベア装置10を用いるため、ハウジング40内で塗装される基材9が厚さ10〜20μm程度の薄膜で強度が低くても、コンベアベルト11の表面に保持された状態で搬送されるため、過剰な張力により損傷等されることがない。また、ハウジング40内においても、コンベアベルト11で裏打ちされて補強されているため、ハウジング40内の気流によって損傷等されることもない。
従って、本発明により、薄膜の静電塗装を安全に行うことができ、かつ薄膜静電塗装装置として特殊な構成等を用いることもなく、構成を簡素にすることができる。
本実施形態では、ベルトコンベア装置10における基材9の搬送方向、つまり基材9が保持されるコンベアベルト11の表面の向きを、水平方向とした。このため、基材9を重力でコンベアベルト11表面に押し付けることができ、それ自体で安定した保持を行うことができ、機構的に簡略でありながら安全な保持を行うことができる。
本実施形態では、基材供給装置20および基材回収装置30として、印刷機あるいは金属薄板製造装置で用いられる着脱式のコイル支持装置を用いたため、塗装前の基材9を巻いたコイルあるいは塗装された基材7を巻き取ったコイルとして搬入搬出の作業を容易にすることができる。
また、ベルトコンベア装置10と基材回収装置30との間に弛み検出器60Bを設置し、検出される基材7の弛みに応じてベルトコンベア装置10、プレス装置70および基材回収装置30の回転駆動を制御するようにしたため、ベルトコンベア装置10からプレス装置70までの間の距離が長くても基材7の弛みを適切な状態とすることができる。
本実施形態では、張力制御装置として、基材9の弛みを検出する弛み検出器60A,60Bと、基材9を駆動する各部装置を制御する制御装置99とを設置した。そして、制御装置99が、弛み検出器60A,60Bで検出された基材9の弛みに基づいて、基材9を駆動する各部(基材供給装置20、ベルトコンベア装置10、基材引込装置90、プレス装置70および基材回収装置30)の動作速度を調整するようにしたので、各々の間を送られる基材の張力を適切に調整することができる。
これにより、本実施形態では、基材9を駆動する各装置を、張力制御装置の一部として利用することで、基材9に張力を加えるための大がかりな装置を設置することなく、弛み検出器60A,60Bと制御装置99とによる簡単な構成で張力制御装置を形成することができる。
さらに、本実施形態では、プレス装置70を設置して、ハウジング40で基材9に塗布された粉体6の塗膜8をより安定的に定着させることができる。
この際、プレス装置70とベルトコンベア装置10との間に基材引込装置90を設置したので、前述した張力制御を、基材供給装置20から基材引込装置90までの塗布区間Rcと、基材引込装置90から基材回収装置30までのプレス区間Rpとに分離することができる。そして、各区間Rc,Rpには、それぞれ基材9の弛みを検出する弛み検出器60A,60Bを設けている。
これらにより、制御装置99は、ハウジング40および加熱装置50を含む塗布区間Rcと、プレス装置70を含むプレス区間Rpとにおいて、それぞれ適切な張力制御を実行できる。粉体6の定着を強化するためにプレス装置70を用いる場合、プレス装置70は基材9の搬送に大きく関連するが、前述のような各区間Rc,Rpで個別に張力制御を行うことで、基材9の搬送を適切かつ確実に行うことができる。
本実施形態では、ハウジング40において、粉体6を静電塗装により基材9の表面に塗膜8として定着させることができる。
この際、粉体供給装置42によりハウジング40の下流側の端部からハウジング本体41内へと粉体6を供給するようにしたため、上流側の端部に至る長い距離にわたって気流に載った粉体6とコンベアベルト11表面の基材9とを接触させることができる。従って、ハウジング40の全長を有効に利用できるため、ハウジング40の全長を最小限に抑えることができ、装置の小型化にも有効である。
本実施形態では、粉体除電装置46により、粉体供給装置42からハウジング40内に供給される粉体6を、基材9とは逆極性となるように除電することができる。これにより、ハウジング40内の基材9に定着される粉体6を所期の極性に揃えることができ、逆極性の粉体の混入による定着不良を回避し、安定した静電塗装を行うことができる。
図5において、ハウジング40内の静電塗装においては、基材9が例えば「+」極性とされており、粉体6を「−」極性とすれば、粉体6は基材9の表面へと円滑に静電吸着される。このための粉体6への「−」電荷付与は、ハウジング40内の定着用電極44(図2および図3参照)によって行われる。
しかし、粉体6への「−」電荷付与が十分に行われず、一部の粉体6Aが「+」極性に帯電していると、同極性の基材9から斥力を受けて定着しないか、あるいは他の粉体6とともに基材9の表面に定着したとしても、基材9から離れた状態、つまり突出した部分を有する不安定な塗膜8が形成された基材7となる。
これに対し、除電用電極461により、ハウジング40内に供給される粉体6を予め「−」極性に帯電させておくことで、「+」極性の粉体6Aの発生を抑制することができる。
図6において、粉体6が「−」極性に統一されていれば、全ての「−」極性の粉体6は基材9に静電吸着され、平坦で一様な塗膜8が形成された基材7を得ることができる。
さらに、本実施形態の粉体除電装置46は、粉体供給装置42の供給ダクト422に設置された除電用電極461と、高電圧を印加する電源装置462とで構成されるため、構造を簡単なものとすることができる。
本実施形態では、ハウジング40の粉体供給装置42と反対側に、余剰の粉体を回収する粉体回収装置43を設置したため、先にハウジング40内に供給されていた粉体6を適宜回収することで、ハウジング40内への新鮮な粉体6の供給を妨げることがないとともに、ハウジング40の外部への漏れ出し等を未然に防止することができる。
さらに、本実施形態では、ハウジング40の下流側に、基材9に定着された粉体6の塗膜8を固定するための加熱装置50やプレス装置70を設置したため、塗膜8を強固なものとすることができ、基材7を安定しかつ堅牢なものとすることができる。
本実施形態では、攪拌手段として、ハウジング40の長手方向に延びる攪拌用ダクト45を設け、ガス供給装置451から加圧ガスを供給し、多数の噴射ノズル452からガスを噴射するようにしたため、ハウジング40内の搬送ガスを攪拌することで、粉体6を巻き上げて沈降を防止することができる。
本実施形態の攪拌手段は、攪拌用ダクト45および噴射ノズル452から加圧ガスを噴射することでハウジング40内の気流を攪拌するものであり、機械的な可動部分をもたないため、粉体6が接触する状態でも安定した動作を維持することができ、保守性を高めることができるとともに、機構的にも簡略で設備コストも低減できる。
〔第2実施形態〕
図7には、本発明の第2実施形態が示されている。
本実施形態の薄膜静電塗装装置1Aは、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、コンベアベルト11を有するベルトコンベア装置10を用いていた。これに対し、本実施形態の薄膜静電塗装装置1Aでは、複数のローラ11Aが配列されたローラコンベア装置10Aが用いられている。
このようなローラコンベア装置10Aを用いた薄膜静電塗装装置1Aによっても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、ローラコンベア装置10Aでは、基材9はローラ11Aの最も高い位置で支持されるが、その間の部分は支持が得られず、重力により沈下して弛みを生じることになる。このため、ローラ11Aを小径とし、相互の間隔をなるべく小さくすることが望ましい。
ローラコンベア装置10Aにおいては、全てのローラ11Aを駆動し、その周速が基材9の送り速度と同じとなるように制御することが望ましい。これにより、基材9とローラ11Aとの摺動をなくすることができる。一方、一部のローラ11Aを駆動せず、基材9に転動させてもよい。この場合でも、ローラ11Aを回転抵抗が小さい軸受で支持することで、基材9とローラ11Aとの摺動を最小限に抑制することができる。全てのローラ11Aを非駆動としてもよいが、基材9との摺動を最小限にするためには、一部ないし全部を回転駆動することが望ましい。
〔第3実施形態〕
図8には、本発明の第3実施形態が示されている。
本実施形態の薄膜静電塗装装置1Bは、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、コンベアベルト11を有するベルトコンベア装置10を用いていた。これに対し、本実施形態の薄膜静電塗装装置1Bでは、複数のローラ11Aが配列され、かつ各ローラ11Aの間に補助テーブル11Bを有するローラコンベア装置10Bが用いられている。
ローラコンベア装置10Bにおいて、ローラ11Aは、前述した第2実施形態と同様である。
本実施形態のローラコンベア装置10Bにおいて、補助テーブル11Bは、各ローラ11Aの間に設置され、その表面の高さはローラ11Aの最も高い位置、つまり基材9の裏面高さに合わせて固定されている。
また、補助テーブル11Bの表面には、全面にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)のコーティングまたはシート貼付が施されている。
このような補助テーブル11Bにより、各ローラ11Aの間で重力により垂れ下がろうとする基材9を支え、所期の高さに維持することができる。この際、補助テーブル11Bの表面は、PTFEシート等により低摩擦化が図れており、基材9の裏面と摺動しても、基材9の裏面に影響を及ぼすことがない。
このようなローラコンベア装置10Bを用いた薄膜静電塗装装置1Bによっても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
〔第4実施形態〕
図9には、本発明の第4実施形態が示されている。
本実施形態の薄膜静電塗装装置1Cは、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、コンベアベルト11を有するベルトコンベア装置10を用いていた。これに対し、本実施形態の薄膜静電塗装装置1Cでは、摺動式コンベア装置10Cの全長に及ぶテーブル11Cを有する摺動式コンベア装置10Cが用いられている。
テーブル11Cは、摺動式コンベア装置10Cの全長にわたって連続しており、その表面が平滑とされ、かつ表面には全面にわたってPTFE(4フッ化エチレン樹脂)のコーティングまたはシート貼付が施されている。従って、テーブル11Cの表面は、低摩擦化が図れており、基材9の裏面と摺動しても、基材9の裏面に影響を及ぼすことがない。
このような摺動式コンベア装置10Cを用いた薄膜静電塗装装置1Cによっても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
〔第5実施形態〕
図10には、本発明の第5実施形態が示されている。
本実施形態は、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、粉体除電装置46として、供給ダクト422に設置された除電用電極461と、この除電用電極461に高電圧を印加する電源装置462とを有する構成としていた。これに対し、本実施形態では、粉体除電装置46として、除電エア発生装置463および除電エア供給ダクト464を用いている。
除電エア発生装置463は、外部から吸入した空気に対して、高電圧を印加することで、所期の極性に帯電した除電エアを発生する。高電圧の印加および空気の帯電については、前述した第1実施形態の除電用電極461および電源装置462に準じた構成が利用できる。
除電エア供給ダクト464は、除電エア発生装置463と供給ダクト422のハウジング40側端近傍とを連結し、供給ダクト422内に除電エアを供給する。
このような粉体除電装置46では、粉体供給装置42から供給された粉体6は、供給ダクト422を通してハウジング40内に供給される。この際、供給ダクト422の途中で除電エアが供給されることで、供給ダクト422を通過する粉体6に除電エアが合流され、この除電エアにより粉体6は除電エアと同じ極性に帯電され、これにより所期の除電が行われる。
このような本実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
〔第6実施形態〕
図11には、本発明の第6実施形態が示されている。
本実施形態は、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、粉体除電装置46として、供給ダクト422に設置された除電用電極461と、この除電用電極461に高電圧を印加する電源装置462とを有する構成としていた。本実施形態では、さらに、前述した第5実施形態と同様な除電エア発生装置463および除電エア供給ダクト464が追加されている。
本実施形態の粉体除電装置46では、第1実施形態の除電用電極461および電源装置462と、第5実施形態の除電エア発生装置463および除電エア供給ダクト464とが設置されているため、供給ダクト422を通る粉体6の除電性能を一層高めることができる。
さらに、除電エア発生装置463の高電圧源として、電源装置462を利用することができる。
〔第7実施形態〕
図12には、本発明の第7実施形態が示されている。
本実施形態は、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、粉体除電装置46として、供給ダクト422に設置された除電用電極461と、この除電用電極461に高電圧を印加する電源装置462とを有する構成としていた。これに対し、本実施形態では、ハウジング40の下流側から送り出された基材9の表面に対向設置された除電用電極パネル465を備えている。
除電用電極パネル465は、ベルトコンベア装置10のコンベアベルト11の表面の、ハウジング40の下流側の部分に対向配置された板状の電極である。この除電用電極パネル465には、前述した第1実施形態と同様な電源装置462が接続され、高電圧が印加される。
このような除電用電極パネル465により、ハウジング40の下流側から送り出された基材9の表面に定着されている粉体6の除電を行うことができる。
すなわち、ハウジング40の下流側に送り出された基材9の表面には、ハウジング40内で既に粉体が定着されている。ここで、定着された粉体6の一部に、逆極性に帯電した粉体6Aがあった場合(図5参照)、基材9の表面に十分に近接しない不安定な状態となっていることがある。
これに対し、除電用電極パネル465により、後から除電を行うことで、全ての粉体6が所期の極性となるように除電され、基材9に近接できるようになり(図6参照)、塗膜8を安定した状態とすることができる。
〔第8実施形態〕
図13には、本発明の第8実施形態が示されている。
本実施形態の薄膜静電塗装装置2は、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、静電塗装を行うハウジング40がベルトコンベア装置10の途中に1つ設置されていた。これに対し、本実施形態の薄膜静電塗装装置2では、ベルトコンベア装置10の途中には2つのハウジング40が直列に設置されている。
2つのハウジング40は、それぞれ前述した第1実施形態におけるハウジング40(図2参照)と同様なものである。
また、薄膜静電塗装装置2の他の構成であるベルトコンベア装置10、基材供給装置20、基材回収装置30、加熱装置50、弛み検出器60A,60Bおよびプレス装置70は、それぞれ前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1における各々と同一である。
なお、ベルトコンベア装置10は、ハウジング40を2つ設置する分、前述した第1実施形態よりも全長が長く形成されている。
このような本実施形態では、ベルトコンベア装置10で搬送される一連の基材9に対して、上流側のハウジング40および下流側のハウジング40により2回の静電塗装を順次行うことができる。
このため、同じ粉体6による静電塗装を2回繰り返すことで、基材9に形成される塗膜8の厚膜化を行うことができる。
また、異なる粉体6による静電塗装を順次行うことで、基材9に複層塗膜を形成することもできる。
なお、本実施形態においても、前述した第1実施形態と同様に、塗布区間Rcおよびプレス区間Rpにおいて、それぞれ張力制御を行うことができる。
なお、本実施形態では一連のベルトコンベア装置10の途中に複数のハウジング40を設置したが、複数のベルトコンベア装置10を連続して設置し、一連の基材9に対して複数のハウジング40を設置しても同様の効果を得ることができる。
例えば、2つのベルトコンベア装置10を用い、第1のベルトコンベア装置10の下流側に基材9が一連となるように第2のベルトコンベア装置10を設置し、上流側にある第1のベルトコンベア装置10に第1のハウジング40を設置し、下流側にある第2のベルトコンベア装置10に第2のハウジング40および加熱装置50を設置してもよい。
また、第1のベルトコンベア装置10に第1のハウジング40および第1の加熱装置50を設置し、第2のベルトコンベア装置10に第2のハウジング40および第2の加熱装置50を設置してもよい。
このように、第1および第2のベルトコンベア装置10を用いる場合、各々を個別の塗布区間(第1および第2の塗布区間)に分け、各々で個別に張力制御を行うことが望ましい。
この場合、第1および第2の塗布区間の間には、基材引込装置90を追加し、かつ各区間の1つは弛み検出器60A,60B等を配置し、制御装置99で区間別の制御を行うようにする。
〔第9実施形態〕
図14には、本発明の第9実施形態が示されている。
本実施形態の薄膜静電塗装装置3は、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、静電塗装を行うハウジング40およびベルトコンベア装置10がそれぞれ1つ設置されていた。これに対し、本実施形態の薄膜静電塗装装置3では、ベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50のセットが2組、搬送経路の上流側および下流側となるように直列に設置されているとともに、構造的には各セットが下段および上段となる二段構成とされている。
本実施形態において、基材供給装置20から供給された基材9は、第1のセット(第1の弛み検出器60A、第1のベルトコンベア装置10、第1のハウジング40および第1の加熱装置50)を通り、第1の基材引込装置90Aに引き取られる。
第1の基材引込装置90Aから引き出された基材9は、第2のセット(第2の弛み検出器60B、第2のベルトコンベア装置10、第2のハウジング40および第2の加熱装置50)を通り、第2の基材引込装置90Bに引き取られる。
第2の基材引込装置90Bから引き出された基材9は、第3の弛み検出器60Cを通り、プレス装置70を経て、基材回収装置30に回収される。
本実施形態においては、基材供給装置20から第1の基材引込装置90Aまでが第1の塗布区間Rc1、第1の基材引込装置90Aから第2の基材引込装置90Bまでが第2の塗布区間Rc2、第2の基材引込装置90Bから基材回収装置30までがプレス区間Rpとされる。
制御装置99は、第1の弛み検出器60Aで検出される基材9の弛みに基づいて、第1の塗布区間Rc1に設置されている各部(基材供給装置20、第1のベルトコンベア装置10、第1の基材引込装置90A)の駆動速度を制御する。
同様に、制御装置99は、第2の弛み検出器60Bで検出される基材9の弛みに基づいて、第2の塗布区間Rc2に設置されている各部(第1の基材引込装置90A、第2のベルトコンベア装置10、第2の基材引込装置90B)の駆動速度を制御する。
さらに、制御装置99は、第3の弛み検出器60Cで検出される基材9の弛みに基づいて、プレス区間Rpに設置されている各部(第2の基材引込装置90B、プレス装置70、基材回収装置30)の駆動速度を制御する。
本実施形態において、2つのハウジング40は、それぞれ前述した第1実施形態におけるハウジング40(図2参照)と同様なものである。
また、薄膜静電塗装装置3の他の構成であるベルトコンベア装置10、基材供給装置20、基材回収装置30、加熱装置50、プレス装置70、弛み検出器60A,60Bおよび基材引込装置90は、それぞれ前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1における各々と同様である。
なお、弛み検出器60Cは、2組のベルトコンベア装置10を用いるために追加されたものであり、前述した上下の二段構成とするために、ローラ61,62の配置を変更して高さの違いを出せるように構成されている。
本実施形態において、第1のセットのベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50は、下段のフレーム12に支持されている。
また、第1および第2の基材引込装置90A,90B、第2の弛み検出器60B、第2のセットのベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50は、フレーム12の上方に掛け渡された上段のフレーム16に支持されている。
このような本実施形態では、第1のセット(下段のベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50)から送り出された基材9は、上段に送られる際に折り返され、第2のセット(上段のベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50)に対し、表裏を反転させた状態で導入される。
このような本実施形態では、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
とくに、2組みのベルトコンベア装置10およびハウジング40を、上下2段に設置しているが、各々を第1の塗布区間Rc1および第2の塗布区間Rc2として個別に張力制御を行うことができる。
さらに、ベルトコンベア装置10で搬送される一連の基材9に対して、第1のハウジング40および第2のハウジング40により、基材7の表面および裏面にそれぞれ静電塗装を順次行うことができる。
このため、本実施形態により、基材9の表裏何れにも塗膜8が形成された基材7を形成することができる。
さらに、第1のセットおよび第2のセットは、それぞれベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50を有するため、ハウジング40による静電塗装の直後にそれぞれ加熱装置50による加熱を行うことができ、塗膜8の定着を確実に行うことができる。
また、第1のセットおよび第2のセットは、上段および下段となる二段構成としたため、それぞれベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50を有するものとしても、設備としての占有床面積を抑制することができる。
そして、第1のセットおよび第2のセットの何れにおいても、ベルトコンベア装置10が水平に配置されることで、コンベアベルト11による基材9の保持を自重により安全に行うことができる。
本実施形態では、第1のセットを通過した基材9が反転して第2のセットに導入されるように配置したため、基材9の表裏に粉体6の静電塗装を順次行うことができ、表裏に塗膜8が形成された基材7を形成することができる。
〔第10実施形態〕
図15には、本発明の第10実施形態が示されている。
本実施形態の薄膜静電塗装装置4は、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、静電塗装を行うハウジング40およびベルトコンベア装置10がそれぞれ1つ設置されていた。これに対し、本実施形態の薄膜静電塗装装置4では、弛み検出器60A,60B、ベルトコンベア装置10、ハウジング40、加熱装置50および基材引込装置90A,90Bのセットが2組、搬送経路の上流側および下流側となるように直列に設置されているとともに、構造的には各セットがそれぞれ縦方向に配置され、各々が互いに隣接して平行に設置されている。
本実施形態では、2組の弛み検出器60A,60B、ベルトコンベア装置10、ハウジング40、加熱装置50および基材引込装置90A,90Bのセットを縦方向に支持するために、櫓状のフレーム17が設置されている。
フレーム17に支持された第1および第2のセットのベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50は、縦方向に設置されることに伴って一部第1実施形態とは異なる構成とされている。第1および第2の弛み検出器60A,60B、第1および第2の基材引込装置90A,90Bは前述した第1実施形態あるいは第9実施形態と同様である。
本実施形態では、プレス装置70の上流側に第3の弛み検出器60Cが設置されている。本実施形態では、第1のセットを含む第1の塗布区間Rc1、第2のセットを含む第2の塗布区間Rc2、プレス装置70を含むプレス区間Rpが設定され、各々制御装置99により個別に張力制御が行われる。この点は、前述した第9実施形態と同様である。
第1のセットのベルトコンベア装置10は、フレーム17の図中左側に支持され、下端が上流側とされている。第1のセットのハウジング40は、ベルトコンベア装置10の中間から下方にかけて設置されている。第1のセットの加熱装置50は、ハウジング40の下流側となるベルトコンベア装置10の上端寄りに設置されている。
第2のセットのベルトコンベア装置10は、フレーム17の中心より図中右寄りに支持され、上端が上流側とされている。第2のセットのハウジング40はベルトコンベア装置10の上方から中間にかけて設置され、第2のセットの加熱装置50はハウジング40の下流側となるベルトコンベア装置10の下端寄りに設置されている。
第1のセットのベルトコンベア装置10は、第1実施形態と同様、下流側ローラ14が駆動モータ15で回転駆動されるが、第2のセットのベルトコンベア装置10は、上流側ローラ13が駆動モータ15で回転駆動されている。ただし、機能上の相違は生じない。
本実施形態において、第1および第2のセットにおける2つのハウジング40は、それぞれ前述した第1実施形態におけるハウジング40と同様に、ハウジング本体41、粉体供給装置42、粉体回収装置43、定着用電極44および粉体除電装置46を備えている。
ただし、本実施形態のハウジング40は、縦方向に設置されて粉体6の沈降はハウジング40の長手方向となるため、攪拌手段である攪拌用ダクト45(図2参照)等は設置されていない。
また、第1のセットのハウジング40では、内部を流れる粉体6を含む気流がベルトコンベア装置10で搬送される基材9と逆向き(第1実施形態と同様)となるが、第2のセットのハウジング40では、上部から粉体6が供給されて気流に乗って下方へと流れており、ベルトコンベア装置10で搬送される基材9と同じ方向であり、第1実施形態とは反対向きに設定されている。
本実施形態において、これらの第1および第2のセットのベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50には、前述した第1実施形態と同様に、基材9が通されて粉体6の静電塗装が順次行われる。
基材供給装置20は、第1のセットのベルトコンベア装置10の下端近傍には、フレーム17に支持されている。
基材供給装置20のコイル21から引き出された基材9は、第1のセットのベルトコンベア装置10のコンベアベルト11の上流側に供給され、コンベアベルト11に保持されて第1のハウジング40および第1の加熱装置50を通過し、第1のベルトコンベア装置10の上端に至る。
第1のベルトコンベア装置10から引き出された基材9は、水平に搬送されて第2のベルトコンベア装置10の上端に送られ、コンベアベルト11に保持されて第2のハウジング40および第2の加熱装置50を通過し、第2のベルトコンベア装置10の下端に至る。
第2のベルトコンベア装置10から引き出された基材9(静電塗装された基材7)は、再び水平に送られ、フレーム17の外へ引き出されて弛み検出器60およびプレス装置70を経て基材回収装置30に回収される。
本実施形態において、薄膜静電塗装装置4の他の構成である基材供給装置20、基材回収装置30、加熱装置50、弛み検出器60およびプレス装置70は、それぞれ前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1における各々と同様である。
このような本実施形態では、ベルトコンベア装置10で搬送される一連の基材9に対して、第1のハウジング40および第2のハウジング40により基材7の表面および裏面にそれぞれ静電塗装を順次行うことができる。
このため、本実施形態により、表裏何れにも塗膜8が形成された基材9を形成することができる。
さらに、第1のセットおよび第2のセットは、それぞれベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50を有するため、ハウジング40による静電塗装の直後にそれぞれ加熱装置50による加熱を行うことができ、塗膜8の定着を確実に行うことができる。
また、第1のセットおよび第2のセットは、それぞれ縦方向に設置され、互いに並列に起立した状態とされるため、それぞれベルトコンベア装置10、ハウジング40および加熱装置50を有するものとしても、各セットはその長さよりも小さな占有床面積でよいから、設備全体を一層小型化することができる。
本実施形態では、第1のセットを通過した基材9が反転して第2のセットに導入されるように配置したため、基材9の表裏に粉体6の静電塗装を順次行うことができ、表裏に塗膜8が形成された基材7を形成することができる。
なお、本実施形態においては、第1および第2のベルトコンベア装置10が縦方向に配置されるため、コンベアベルト11への基材9の保持に重力を利用できない。このため、コンベアベルト11を通気性とし、コンベアベルト11の基材9とは反対側に負圧吸引装置を設置するようにしてもよい。
〔第11実施形態〕
図16から図19には、本発明の第11実施形態が示されている。
本実施形態の薄膜静電塗装装置5は、前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様な構成を含んでいる。このため、同様な構成については同じ符号で示し、重複する説明はこれを省略する。
前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1では、ベルトコンベア装置10の途中に設置されたハウジング40により、基材9の表面の辺縁余白を除いて全面に塗膜8が形成されていた(図4参照)。
これに対し、本実施形態の薄膜静電塗装装置5では、図19に示すような矩形の区画に塗膜8が形成された基材7を形成する。このために、本実施形態の薄膜静電塗装装置5では、基材9に粉体6を静電塗装する際に、図18に示すようなマスクパターン811を有するマスキングベルト81を用いる。
本実施形態において、薄膜静電塗装装置5は、前述した第1実施形態と同様なベルトコンベア装置10、基材供給装置20、基材回収装置30、ハウジング40、加熱装置50、第1および第2の弛み検出器60A,60B、基材引込装置90およびプレス装置70を有する。
さらに、本実施形態の薄膜静電塗装装置5は、ベルトコンベア装置10の上面側に、前述したマスキングベルト81を含むベルトコンベア装置80を備えている。
なお、基材供給装置20、基材回収装置30、加熱装置50、第1および第2の弛み検出器60A,60B、基材引込装置90およびプレス装置70の各部は、それぞれ前述した第1実施形態の薄膜静電塗装装置1と同様に構成されている。
ベルトコンベア装置10は、基本的に第1実施形態と同様に構成されているが、加熱装置50の上部がベルトコンベア装置80に干渉しないように、下流側の半分が傾斜配置されている。
また、ハウジング40は、図17に示すように、基本的に第1実施形態(図2および図3参照)と同様に構成されているが、ハウジング本体41と基材9との間に、マスキングベルト81が導入されるように構成されている。
ベルトコンベア装置80は、図16に示すように、ベルトコンベア装置10の上方に設置され、前述したマスキングベルト81が掛け渡された4つのローラ82〜85を備えている。
このうち、ローラ82,83は周面の下端がベルトコンベア装置10のコンベアベルト11の水平な表面の延長線上に配置され、これらのローラ82,83の間ではマスキングベルト81がコンベアベルト11の表面に密接するように沿って配置される。
また、ローラ82〜85のうち何れかには駆動モータ(図示省略)が接続され、マスキングベルト81は密接するコンベアベルト11と等速で送られるように駆動される。
このようなベルトコンベア装置80では、ベルトコンベア装置10と同期して動作することにより、上流側(ベルトコンベア装置10の上流側ローラ13部分)でコンベアベルト11とマスキングベルト81とが密接し、密接状態のままハウジング40を通過した後、下流側(ベルトコンベア装置10の途中の折れ曲がり部分、加熱装置50の手前)で再び分離される。
従って、コンベアベルト11の上流側に基材9が供給されれば、この基材9はコンベアベルト11の表面に保持されるとともに、その表面をマスキングベルト81で覆われた状態(図16および図17参照)でハウジング40を通過する。
このため、ハウジング本体41内の空間に曝されるのは基材9の表面のうちマスクパターン811(図18参照)から露出する部分に限定され、当該部分だけに粉体6が静電塗装され、基材9の表面には同パターンを写した矩形の塗膜8が形成され、これにより基材7とされる(図19参照)。
このような本実施形態では、ベルトコンベア装置10で搬送される一連の基材9に対して、ハウジング40により静電塗装を順次行うことができる。
この際、ハウジング40では、基材9の表面に定着される粉体6がマスキングベルト81で限定され、マスクパターン811に対応した形状の塗膜8を有する基材7を形成することができる。
〔変形例〕
本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、ベルトコンベア装置10のコンベアベルト11として、上流側ローラ13と下流側ローラ14との間に掛け渡されたエンドレスベルトを用いたが、エンドレスでないコンベアベルトを上流側ロールから引き出して下流側ロールに巻き取るような構成としてもよい。
ベルトコンベア装置10における基材9の搬送方向、つまり基材9が保持されるコンベアベルト11の表面の向きは、前述した第1実施形態等のような水平方向、あるいは前述した第10実施形態のような垂直方向のほか、他の傾斜方向であってもよい。とくに重力が利用できる水平方向の配置以外では、基材9をコンベアベルト11表面に確実に保持されるように、コンベアベルト11の反対側から負圧吸引する保持補助手段等を適宜設けるようにしてもよい。
前述した各実施形態では、粉体供給装置42をハウジング40の下流側に設置し、コンベアベルト11表面の基材9と逆向きに移動する粉体6の流れを生成するようにしたが、ハウジング40の上流側から粉体6を供給し、コンベアベルト11表面の基材9と同じ向きに移動する粉体6の流れを生成するものとしてもよい。
前述した各実施形態では、ハウジング40の下流側に、基材9に定着された粉体6を固定するための加熱装置50やプレス装置70を設置したが、これらは適宜変更ないし省略してもよい。
前述した各実施形態では、ハウジング本体41に沿って両側一対の攪拌用ダクト45を設置したが、これは一本であってもよく、4本以上であってもよい。攪拌用ダクト45としては円形のパイプを用い、その周面に噴射ノズル452を形成したものとしてもよい。
さらに、攪拌用ダクト45は必須ではなく、ハウジング本体41の側壁に多数の噴射ノズル452を直接形成し、各々に加圧ガスを供給して噴射させてもよい。
前述した各実施形態では、攪拌手段として加圧ガスを噴射する構成を採用したが、ハウジング40内で回転する羽根車、揺動する攪拌板、振動式の攪拌部材などを利用してもよい。
本発明は薄膜静電塗装装置に関し、リチウムイオン電池用電極などの基材となる薄膜に電極層となる粉体を静電塗装する装置として利用できる。
1,2,3,4,5…薄膜静電塗装装置
6,6A…粉体
7,9…基材
8…塗膜
10…ベルトコンベア装置
11…コンベアベルト
12,16,17…フレーム
13…上流側ローラ
14…下流側ローラ
10A,10B…ローラコンベア装置
11A…ローラ
11B…補助テーブル
10C…コンベア装置
11C…テーブル
20…基材供給装置
21…コイル
22…駆動モータ
30…基材回収装置
31…コイル
32…駆動モータ
40…ハウジング
41…ハウジング本体
42…粉体供給装置
421…タンク
422…供給ダクト
43…粉体回収装置
431…タンク
432…回収ダクト
44…定着用電極
441…電源装置
45…攪拌用ダクト
451…ガス供給装置
452…噴射ノズル
453…ジェット
46…粉体除電装置
461…除電用電極
462…電源装置
463…除電エア発生装置
464…除電エア供給ダクト
465…除電用電極パネル
50…加熱装置
51…加熱装置本体
60A,60B…検出器
61,62,63…ローラ
64…アーム
65…変位検出器
70…プレス装置
71,72…加圧ロール
73…駆動モータ
80…ベルトコンベア装置
81…マスキングベルト
811…マスクパターン
82,83,84,85…ローラ
90,90A,90B…基材引込装置
91,92,93…ローラ
94…伸縮機構
95…駆動モータ
99…張力制御装置を兼ねる制御装置

Claims (14)

  1. ウェブ状の基材を保持可能なコンベア装置と、
    前記コンベア装置の上流側に前記基材を供給する基材供給装置と、
    前記コンベア装置の下流側から前記基材を回収する基材回収装置と、
    前記コンベア装置の中間部を包囲しかつ前記コンベア装置に沿って延びるハウジングと、
    前記ハウジングの一方の端部から他方の端部へと粉体を供給する粉体供給装置と、
    前記ハウジングの内部に設置されて前記粉体を前記コンベア装置に保持された前記基材に定着させる定着用電極と、
    前記基材の張力を制御する張力制御装置と、を有することを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  2. 請求項1に記載した薄膜静電塗装装置において、
    前記コンベア装置は、ベルトコンベア装置、ローラコンベア装置、ローラの間に補助的なテーブルが介装されたローラコンベア装置、摺動式のテーブルのいずれかであることを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載した薄膜静電塗装装置において、
    前記張力制御装置は、前記基材の弛みを検出する弛み検出器と、前記弛み検出器で検出された前記基材の弛みに基づいて、前記基材を駆動する装置を制御する制御装置と、を有することを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載した薄膜静電塗装装置において、
    前記コンベア装置と前記基材回収装置との間にはプレス装置が設置され、
    前記プレス装置と前記コンベア装置との間には基材引込装置が設置され、
    前記制御装置は、前記基材供給装置から前記基材引込装置までの塗布区間と、前記基材引込装置から前記基材回収装置までのプレス区間との各々で個別に張力制御を行うことを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載した薄膜静電塗装装置において、
    前記ハウジングの下流側から送り出された前記基材を加熱する加熱装置を有することを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載した薄膜静電塗装装置において、
    前記基材に定着される前記粉体の除電を行う粉体除電装置を有することを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  7. 請求項6に記載した薄膜静電塗装装置において、
    前記粉体除電装置は、前記粉体供給装置から前記ハウジングに至る供給ダクト中に設置されて前記供給ダクトを通過する前記粉体の除電を行う除電用電極、予め除電された空気を前記供給ダクト中に合流させる除電エア発生装置、前記ハウジングの下流側の前記基材の表面に対向設置された除電用電極パネル、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載した薄膜静電塗装装置において、
    前記ハウジングの内部には、前記ハウジングの内部のガスを攪拌する攪拌手段が設置されていることを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  9. 請求項8に記載した薄膜静電塗装装置において、
    前記攪拌手段は、前記ハウジングの長手方向に延びる攪拌用ダクトと、前記攪拌用ダクトの内部に加圧ガスを供給するガス供給装置と、前記攪拌用ダクトの内部のガスを前記ハウジングの内部に噴射する多数の噴射ノズルとを備えていることを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載した薄膜静電塗装装置において、
    一連の前記基材の途中に複数の前記ハウジングが設置され、
    複数の前記ハウジングにそれぞれ前記粉体供給装置および前記定着用電極が設置されていることを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  11. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載した薄膜静電塗装装置において、
    一連の前記基材の途中に複数の前記コンベア装置が設置され、
    複数の前記コンベア装置にはそれぞれ前記ハウジング、前記粉体供給装置および前記定着用電極が設置されているとともに、
    複数の前記コンベア装置はそれぞれ水平に配置され、前記コンベア装置の何れかが他の前記コンベア装置の上方に設置されていることを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  12. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載した薄膜静電塗装装置において、
    一連の前記基材の途中に複数の前記コンベア装置が設置され、
    複数の前記コンベア装置にはそれぞれ前記ハウジング、前記粉体供給装置および前記定着用電極が設置されているとともに、
    複数の前記コンベア装置はそれぞれ縦方向に配置され、各々が互いに隣接して平行に設置されていることを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載した薄膜静電塗装装置において、
    一連の前記基材の途中に少なくとも2つの前記コンベア装置が設置され、
    上流側の前記コンベア装置を通過した前記基材が反転して下流側の前記コンベア装置に導入されるように配置されていることを特徴とする薄膜静電塗装装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載した薄膜静電塗装装置において、
    前記ハウジングにはマスキング装置が設置され、
    前記マスキング装置は前記基材の表面をマスキングするマスキングベルトを有し、
    前記マスキングベルトには前記基材の表面を前記ハウジングの内部に露出させる塗装パターンが形成されているとともに、
    前記マスキングベルトは、前記基材を挟んで前記コンベア装置で搬送される前記基材の表面に沿って張られ、前記基材と同期して移動されることを特徴とする薄膜静電塗装装置。
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