JP2000336598A - 受像紙の製造方法 - Google Patents

受像紙の製造方法

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JP2000336598A
JP2000336598A JP11153427A JP15342799A JP2000336598A JP 2000336598 A JP2000336598 A JP 2000336598A JP 11153427 A JP11153427 A JP 11153427A JP 15342799 A JP15342799 A JP 15342799A JP 2000336598 A JP2000336598 A JP 2000336598A
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Japan
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fixing
roll
paper
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powder coating
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JP11153427A
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English (en)
Inventor
Sadanobu Fukui
定信 福井
Satoshi Kawamura
諭 河村
Satoru Tsuda
悟 津田
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低い定着温度でも、安定して定着することを可
能とする。 【解決手段】塗工処理工程において、基材紙1の一面
に、ベース樹脂に粉体塗料混合物を混合してなるベース
層を塗工した後に、続けてその上に無機微粒子からなる
表面層を塗工する。定着処理工程は、前記ベース層及び
表面層が静電塗工された基材紙を、低い定着温度で、前
記定着ロール21と加圧ロール22との間を通過させ
る。前記ベース樹脂は熱可塑性樹脂であり、無機微粒子
は、シリカである。前記定着処理工程においては、定着
速度が1m/min 程度で、ロール線圧が10N/cm程度で、
定着ロール温度が常温から110℃付近までの範囲で、
定着ロール21と加圧ロール22との間を通過させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受像紙の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、文字、画像などの情報を基材紙に
記録するために、昇華性染料からなるインクをインク紙
から基材紙上に熱転写する熱転写方式や、液体インクを
ノズルから飛翔させて基材紙上に付着させるインクジェ
ット方式などの種々の方式が知られている。このような
記録方式には、前記インクを受容するためのインク受容
層を基材紙に設けた専用の受像紙が用いられている。こ
のような受像紙は、従来、適宜の基材紙上に樹脂、顔
料、充填剤などを含む溶液を湿式塗工し、これを加熱乾
燥させることによって製造されている。
【0003】このような湿式塗工により受像紙を製造す
れば受像紙が高価になることから、基材紙の一面に粉体
塗料混合物を塗布し、それを、内部に加熱手段が設けら
れた定着ロールと加圧ロールとの間を通過させることに
より、前記粉体塗料混合物を基材紙の一面に定着させる
ようにした、乾式塗工を行う受像紙の製造装置が提案さ
れている(例えば特開平10−329245号公報参
照)。そして、そのような定着は、記録用紙などの画像
支持体上に転写され、静電気力や分散力により付着して
いる粉体(トナー)を通常の取扱いを受けても変形・変
動が生じないように支持体上に固定することが主な役割
である。
【0004】ところで、このような受像紙の製造装置
は、予め一定の温度に加熱保持された定着ロールと加圧
ロール(バックアップロール)との間に、粉体塗料混合
物が付着した基材紙(通常、普通紙)を導き、これらロ
ールの間で粉体塗料混合物を基材紙上で加熱加圧し、溶
融させて、基材紙上に定着させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】発明者は、定着性能を
調べるために、定着速度と定着温度との関係を調べたと
ころ、従来電子写真にて用いられていた粉体(トナー)
の定着方法では、図4に示すような関係になり、定着温
度が高温であっても、低温であっても、定着速度との相
関はあるものの、粉体の定着ロールへの貼り付き、いわ
ゆるオフセットが生じていることがわかった。
【0006】すなわち、定常状態のある狭い範囲での定
着温度でしかうまく定着できない。これは、定着温度が
低ければ、溶融しない粉体が定着ロールに貼り付くいわ
ゆるコールドオフセット現象が生ずる一方、定着温度が
高ければ、溶融した粉体が接着剤として機能して、用紙
が定着ロールに巻き付き、それ以上の温度に上昇する
と、トナーの溶融粒度が下がり、定着ロールに付着する
いわゆるホットオフセット現象が生ずるためである。従
来、そのようなオフセット現象を回避するために、ロー
ラに離型剤を塗工したり、プレヒートを行ったり、ロー
ルの離型性を向上させるためにロール表面を、パーフル
オロアルコキシ樹脂(PFA)、あるいは、ポリテトラ
フルオロエチレン樹脂(PTFE)などの離型性に優れ
るフッ素樹脂などで被覆する等の工夫が必要であった。
【0007】そこで、発明者は、そのようなオフセット
現象の防止対策について研究を重ねた結果、ベース樹脂
に粉体塗料混合物を混合してなるベース層の上側に、温
度の影響を受けない無機微粒子からなる表面層を塗工す
れば、その表面層がオフセット防止機能を発揮するとの
着想に至り、本発明を開発するに至ったものである。
【0008】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、低い定着温度でも、安定した定着処理を施すことが
できる受像紙の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の受像紙の製造方法は、基材紙の一面に粉体
塗料混合物を静電塗工する塗工処理工程と、該塗工処理
工程に続いて行われ粉体塗料混合物が静電塗工された基
材紙を、前記粉体塗料混合物を定着させる定着処理工程
とを備え、前記定着処理工程において、定着ロールと、
該定着ロールに押し付けられる加圧ロールとの間を、粉
体塗料混合物が静電塗工された基材紙が通過するように
構成された受像紙の製造方法であって、前記塗工処理工
程が、前記基材紙の一面に、ベース樹脂に粉体塗料混合
物を混合してなるベース層を塗工した後に、続けてその
上に無機微粒子からなる表面層を塗工するものであり、
前記定着処理工程が、前記ベース層及び表面層が静電塗
工された基材紙を、低い定着温度で、前記定着ロールと
加圧ロールとの間を通過させるものである。
【0010】このようにすれば、塗工処理工程におい
て、前記基材紙の一面に、ベース樹脂に粉体塗料混合物
を混合してなるベース層を塗工した後に、続けてその上
に無機微粒子からなる表面層を塗工し、いわゆる2段塗
工が行われる。そのように2段塗工された基材紙を、低
い定着温度で、前記定着ロールと加圧ロールとの間を通
過させると、定着が行われる。よって、1回定着である
ので、工程が簡略化できる。
【0011】この場合、表面層を構成する無機微粒子に
よって、定着ロールに吸引されるいわゆるオフセット現
象が防止される。よって、無機微粒子を表面層に用いる
ことで、定着ロールの離型性が向上し、従来のように離
型剤の塗布を行う必要もなくなる。
【0012】また、前記ベース層及び表面層が静電塗工
された基材紙を通過させるのは、通常の定着ロールと加
圧ロールとの間であるので、従来より知られている加圧
定着(ロール線圧200〜300N/cm)とは異なり、高
いロール線圧を必要とせず、画像が高光沢になることも
ない。
【0013】そのような製造方法においては、前記ベー
ス樹脂が軟化点温度が98℃付近の熱可塑性樹脂であ
り、前記無機微粒子がシリカ(軟化点温度1400℃)
である場合には、前記定着処理工程において、定着速度
が1m/min 程度で、ロール線圧が10N/cm 程度で、定
着ロール温度が常温から110℃付近までの範囲で、前
記定着ロールと加圧ロールとの間を通過させるようにす
ればよい。
【0014】また、本発明は、前述したような定着ロー
ルと加圧ロールとの間を、粉体塗料混合物が静電塗工さ
れた基材紙が通過するように構成された受像紙の製造方
法だけでなく、基材紙の一面に粉体塗料混合物を静電塗
工する塗工処理工程と、該塗工処理工程に続いて行われ
粉体塗料混合物が静電塗工された基材紙に、前記粉体塗
料混合物を定着させる定着処理工程とを備え、前記定着
処理工程において、カレンダーロールを、粉体塗料混合
物が静電塗工された基材紙が通過するように構成された
受像紙の製造方法にも適用可能である。
【0015】すなわち、請求項3の発明のように、定着
処理工程において、カレンダーロールを、粉体塗料混合
物が静電塗工された基材紙が通過するように構成された
受像紙の製造方法では、前記塗工処理工程が、前記基材
紙の一面に、ベース樹脂に粉体塗料混合物を混合してな
るベース層を塗工した後に、続けてその上に無機微粒子
からなる表面層を塗工するものであり、前記定着処理工
程が、前記ベース層及び表面層が静電塗工された基材紙
を、低い定着温度で前記カレンダーロールを通過させる
ようになる。
【0016】このようにすれば、塗工処理工程におい
て、基材紙に対し、いわゆる2段塗工が行われ、そのよ
うに2段塗工された基材紙を、定着処理工程において、
カレンダ掛けされて、定着が行われる。この場合も、加
熱する必要はない。
【0017】よって、前記ベース樹脂が、軟化点温度が
98℃付近の熱可塑性樹脂であり、前記無機微粒子が、
シリカである場合には、前記定着処理工程においては、
定着速度が1〜10m/min 程度で、ロール線圧が200
0N/cm 程度で、カレンダーロール温度が常温から80
℃付近までの範囲で、前記カレンダーロールを通過させ
るようにすればよい。
【0018】また、特に受像紙を製造する場合には、前
記塗工処理工程において、5〜20μmの樹脂をベース
とした粉体塗料組成物に1〜5μmの親水性無機微粒子
あるいは平均粒子径20μm以下の吸水性ポリマーを外
添した粉体塗料混合物を静電塗工し、前記定着処理工程
において、前記静電塗工された粉体塗料混合物にて、イ
ンク受容層を基材紙上に形成するようにすることができ
る。
【0019】このようにすれば、インク受容層におい
て、親水性無機微粒子あるいは吸水性ポリマーにてイン
クの吸収が補助される受像紙が得られる。よって、イン
クジェット方式において、インクの発色性、インクの乾
燥性が優れる受像紙が製造される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0021】図1は本発明に係る、インクジェット用受
像紙の製造装置の概略構成を示す説明図である。
【0022】図1に示すように、基材紙1は、給紙ロー
ル2に巻き付けられた状態で収納されており、所定の経
路を経て、巻き取りロール3に一定の走行速度Vでもっ
て連続的に巻き取られる。これによって、基材紙1は、
給紙ロール2から巻き取りロール3に向かって、走行速
度Vでもって走行することになる。
【0023】この基材紙1は、まず、搬送ベルト4によ
って、第1の塗工ブース5に案内され、第1の静電スプ
レー装置6を用いて、基材紙1上に、ベース層を構成す
る粉体塗料混合物が一様に静電的に付着する、いわゆる
静電塗工が行われる。
【0024】それから、第2の塗工ブース11に案内さ
れ、第2の静電スプレー装置12を用いて、表面層を構
成する無機微粒子が、前記静電塗工された粉体塗料混合
物(ベース層)の上側に静電塗工される。これによっ
て、基材紙1上に、ベース層(粉体塗料混合物)及び表
面層(無機微粒子)の2層が塗工される、いわゆる2段
塗工が行われる。
【0025】ここで、用いられる粉体塗料混合物は、5
〜20μmの非吸水性樹脂をベースとした粉体塗料混合
物と平均粒子径1〜5μmの親水性無機微粒子あるいは
平均粒子径20μm以下の吸水性ポリマーとを含有する
ものであり、定着処理において、表面の一部に親水性無
機微粒子あるいは吸水性ポリマーが露出している樹脂層
がインク受容層として基材紙上に形成されるものであ
る。
【0026】このように、表面の一部に1〜5μmの親
水性無機微粒子あるいは平均粒子径20μm以下の吸水
性ポリマーが露出する原因は、含有成分の粒子の大きさ
と粉砕法にある。すなわち、粉砕法においては、混在す
る材料の界面が最も割れやすく、平均粒子径が1μmよ
りも小さな微粒子ではミクロ分散状態なので、非吸水性
樹脂(疎水性)と微粒子の界面から割れることが少ない
が、平均粒子径が1〜5μmの無機微粒子では、微粒子
が大きいので、樹脂と無機微粒子の界面から粉砕され、
無機微粒子の表面が露出する。一方、平均粒子径が5μ
mよりも大きな微粒子では、無機微粒子単独の粉体が存
在し、基材紙への定着を疎外するからである。なお、吸
水性ポリマーの場合は、樹脂なので、仮に単独で存在し
ても、定着時には軟化し、基材紙への定着を疎外するこ
とはない。また、粉末塗料組成物の平均粒子径を20μ
m以下としているのは、組成物よりも大きな吸水性ポリ
マーを練り込むと、粉砕時の粒子径や分布に悪影響を与
えるからである。
【0027】但し、粉体塗料混合物は、粉体塗料混合物
などを所定の重量比で混ぜ合わせたものを溶融混練し、
冷却後、粗粉砕、微粉砕して分級し、表面処理にて外添
剤を添加してたものである。
【0028】前記非吸水性樹脂は、粉体塗料混合物の種
々の成分を粉体にまとめる結着樹脂としての役割ととも
に、基材紙上にインク受容層としての樹脂層を形成し
て、インクジェット印刷による文字や画像への記録に際
して、インクを樹脂層内に拡散させ、樹脂層に吸収し
て、受像紙への記録可能とするものである。このような
樹脂としては、例えば、飽和ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリスチ
レン樹脂、スチレン・アクリル共重合体樹脂、スチレン
・ブタジエン共重合体樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ
エチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、セル
ロース系樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができ
る。これらの樹脂は、単独で、または二種以上の混合物
として用いられる。
【0029】内添の吸水性材料は、吸水性ポリマーは、
日本触媒(株)のアクアリック、三洋化成工業(株)の
サンフレッシュなどが、親水性シリカは、シオノギ製薬
(株)のカープレックス、水澤化学工業(株)のMizuka
silなどが、炭酸カルシウムは、米庄石灰工業(株)の
EV−D、白石中央研究所のカルライトKTなどが挙げ
られる。
【0030】外添剤としては、親水性無機微粒子あるい
は、親水性と疎水性無機微粒子の併用が考えられる。具
体的には、日本アエロジル(株)では、親水性として、
50,90G,130,200,200V,220C
F,200FAD,300,300CF,380,OX
50,TT600,MOX80,MOX170,COK
84,酸化アルミニウムC,二酸化チタンP25など、
疎水性としては、R972,R972V,R972C
F,R974,R202,R805,R812,R81
2S、二酸化チタンT805,RX200,RY200
などが挙げられる。クラリアントジャパン(株)では、
親水性として、S13,V15,N20,T30,T4
0など、疎水性として、H15,H20,H30,H2
000,H2000/4,H3004,H2015E
P,H2050EPなどが挙げられる。
【0031】また、定着処理において、表面層として機
能する無機微粒子は、定着ロールの離型性を向上させ、
離型剤の塗布を行うことなく、低温で加圧のみの定着を
可能とするもので、シリカのほか、アルミナ、酸化チタ
ン、炭酸カルシウムなどが用いられ、粒径としては1n
m〜5μmのものが使用される。1nmより小さい粒径
を用いれば、粉体塗工が行えないからであり、5μmよ
り大きな粒径の場合には、粉体塗工がうまく行えないか
らである。
【0032】次いで、このように粉体塗料混合物が静電
塗工された基材紙1は、定着ロール21と加圧ロール2
2とを有する定着装置23に導かれる。定着装置23に
おいては、粉体塗料混合物が基材紙1上に定着されて樹
脂層が形成され、受像紙25(粉体塗料塗工紙)が得ら
れ、巻き取りロール3に巻き取られる。
【0033】前記受像紙25は、表面の一部に親水性無
機微粒子あるいは吸水性ポリマーが露出している樹脂層
がインク受容層として基材紙1上に形成され、その上側
に無機微粒子からなる表面層が形成されている。
【0034】そして、最終工程においては、受像紙25
は、所定の大きさに裁断され、所定の枚数ごとに包装さ
れ、市場に送り出される。この受像紙25は、インクジ
ェット方式のプリンタなどに装着され、コンピュータな
どで作成された画像などをカラー印刷される。
【0035】前記実施の形態においては、定着ロールと
加圧ロールとを有する定着装置を用いて定着処理するよ
うにしているが、カレンダーロールによる加圧により定
着することもできる。
【0036】続いて、定着機(定着ロール)を用いた試
験とカレンダーロールとを用いて、定着性能を調べるた
めに行った試験について説明する。
【0037】<試料> ベース樹脂(ベース層):スチレンアクリル樹脂(軟化
点温度98℃) 三洋化成工業(株)製 UNI-3000(9
5重量%) 無機微粒子(表面層) :シリカ(日本アエロジル
(株)製 親水性200CF 100重量%)) 基材紙 :王子製紙(株)「マシュマ
ロ」(厚さ180μm)A4サイズ <試験方法>ベース層塗工、定着処理、表面層塗工、定
着処理の順の工程ではなく、ベース層塗工、表面層塗
工、定着処理の順で実施した。すなわち、1層目である
ベース層の塗工後、定着を行うことなく、2層目である
表面層(フィラー層)を塗工し、その後1回定着を行っ
た。
【0038】<試験装置> (1)定着機による試験 芯材としてアルミニウム管にPTFEを被覆したストレ
ート形状のものを採用した。上記被膜の厚さは500μ
m、シリコンゴム厚は0.5mm、ロール外径は直径4
0mmとした。この上下ロールには加熱手段であるハロ
ゲンランプヒータを設け、加熱した。定着ロールからの
基材紙の引き出し方向は水平方向である。なお、ニップ
線圧は10N/cm(1.0kg/cm)である。 (2)カレンダーロールによる試験 2段、1ニップで、定着ロールとして鏡面仕上げされた
金属研磨ロールを、加圧ロールとしてコットンロールを
用いた。
【0039】<試験結果> (1)定着機による試験 試験結果は、図2に示す通りである。すなわち、ベース
樹脂がスチレンアクリル樹脂(軟化点温度98℃)であ
る場合には、無機微粒子であるシリカを表面層として塗
工すれば、定着速度が1m/min 程度で、ロール線圧が1
0N/cm 程度で、低温域(定着ロール温度が常温から1
10℃付近までの範囲)でのコールドオフセット現象が
なくなり、定着可能な温度範囲が大幅に広がった。これ
は、2段塗工して、2層構造にしたためであると考えら
れる。
【0040】なお、低速1m/min にて、ベース層のみを
有する従来(図4参照)の場合は、120℃で定着可能
であるが、本試験において120℃で定着できなくなっ
た理由は、表面層が親水性シリカであるため、定着ロー
ル直前にて基材紙の水分が蒸発して,静電塗工にて静電
吸着している粉体の電荷を奪うためであると考えられ
る。 (2)カレンダーロールによる試験 試験結果は、図3に示す通りである。すなわち、離型性
被覆のない金属研磨ロールであっても、コールドオフセ
ットは生じないことがわかる。つまり、ベース樹脂がス
チレンアクリル樹脂(軟化点温度98℃)である場合に
は、無機微粒子であるシリカを表面層として塗工すれ
ば、定着速度が1〜10m/min程度で、ロール線圧が2
000N/cm程度で、低温域(カレンダロール温度が常温
から80℃付近までの範囲)でのコールドオフセット現
象がなくなる。
【0041】なお、低温で定着可能であるため、コット
ンロール(耐熱温度100℃)の寿命が向上する。
【0042】ここで、オフセットの境界温度が,定着機
による場合よりも低下しているのは、ニップ圧とニップ
幅がカレンダーロールの方が圧倒的に大きいことによる
と考えられる。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0044】請求項1の発明は、塗工処理工程におい
て、前記基材紙の一面に、ベース樹脂に粉体塗料混合物
を混合してなるベース層を塗工した後に、続けてその上
に無機微粒子からなる表面層を塗工し、そのように2段
塗工された基材紙を、低い定着温度で、前記定着ロール
と加圧ロールとの間を通過させるようにしているので、
加熱することなく、また、無機微粒子からなる表面層に
て離型性を確保して、定着を行うことが可能なる。ま
た、前記ベース層及び表面層が静電塗工された基材紙を
通過させるのは、通常の定着ロールと加圧ロールとの間
であるので、高いロール線圧を必要とせず、低い定着温
度であっても、画像が高光沢になることもない。
【0045】請求項2の発明は、前記ベース樹脂を軟化
点温度98℃付近の熱可塑性樹脂とし、前記無機微粒子
をシリカとし、前記定着処理工程において、定着速度が
1m/min程度で、ロール線圧が10N/cm 程度で、定着ロ
ール温度が常温から110℃付近までの範囲で、前記定
着ロールと加圧ロールとの間を通過させることで、請求
項1の発明を無理なく実現することができる。
【0046】請求項3の発明は、塗工処理工程におい
て、基材紙に対し、いわゆる2段塗工を行い、そのよう
に2段塗工された基材紙を、定着処理工程において、カ
レンダ掛けして定着するようにしているので、低い定着
温度でもって送っても、加熱することなく、また、離型
性を確保して、定着することができる。
【0047】請求項4の発明は、前記ベース樹脂を軟化
点温度98℃付近の熱可塑性熱可塑性樹脂とし、前記無
機微粒子をシリカとし、前記定着処理工程においては、
定着速度が1〜10m/min 程度で、ロール線圧が200
0N/cm 程度で、カレンダーロール温度が常温から80
℃付近までの範囲で、前記カレンダーロールを通過させ
ることで、請求項3の発明を無理なく実現することがで
きる。
【0048】請求項5の発明は、インク受容層におい
て、親水性無機微粒子あるいは吸水性ポリマーにて、イ
ンクの吸収を補助する受像紙を製造するようにしている
ので、インクジェット方式において、インク発色性、イ
ンクの乾燥性に優れる受像紙を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、インクジェット用受像紙の製造
装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】本発明方法により、定着機を用いて定着を行っ
た場合の試験結果を示す図である。
【図3】本発明方法により、カレンダーロールを用いて
定着を行った場合の試験結果を示す図である。
【図4】従来の方法により、定着機を用いて定着を行っ
た場合の試験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 基材紙 2 給紙ロール 3 巻き取りロール 5 第1の塗工ブース 6 第1の静電スプレー装置 11 第2の塗工ブース 12 第2の静電スプレー装置 21 定着ロール 22 加圧ロール 23 定着装置 25 受像紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 5/04 B05D 5/04 7/00 7/00 A F B41M 5/00 B41M 5/00 B D21H 21/50 D21H 21/50 A 23/50 23/50 (72)発明者 津田 悟 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 Fターム(参考) 2H086 BA13 BA15 BA16 BA21 BA33 BA36 BA41 BA45 4D075 AA09 AA52 AA65 AA84 AA85 AA86 AE03 CA07 CA35 DA04 DB18 DC27 EA02 EA17 EB01 EB11 EB31 EB53 EB57 4F034 AA01 BA01 CA02 DA08 4L055 AG18 AG63 AG71 AG89 AG96 AH02 AH48 AJ04 BE02 BE09 CH10 EA20 EA23 EA26 FA23 FA30 GA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材紙の一面に粉体塗料混合物を静電塗
    工する塗工処理工程と、該塗工処理工程に続いて行われ
    粉体塗料混合物が静電塗工された基材紙を、前記粉体塗
    料混合物を定着させる定着処理工程とを備え、前記定着
    処理工程において、定着ロールと、該定着ロールに押し
    付けられる加圧ロールとの間を、粉体塗料混合物が静電
    塗工された基材紙が通過するように構成された受像紙の
    製造方法であって、 前記塗工処理工程は、前記基材紙の一面に、ベース樹脂
    に粉体塗料混合物を混合してなるベース層を塗工した後
    に、続けてその上に無機微粒子からなる表面層を塗工す
    るものであり、 前記定着処理工程は、前記ベース層及び表面層が静電塗
    工された基材紙を、低い定着温度で、前記定着ロールと
    加圧ロールとの間を通過させるものであることを特徴と
    する受像紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ベース樹脂は、軟化点温度が98℃
    付近の熱可塑性樹脂であり、前記無機微粒子は、シリカ
    であり、 前記定着処理工程においては、定着速度が1m/min 程度
    で、ロール線圧が10N/cm 程度で、定着ロール温度が
    常温から110℃付近までの範囲で、前記定着ロールと
    加圧ロールとの間を通過させる請求項1記載の受像紙の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 基材紙の一面に粉体塗料混合物を静電塗
    工する塗工処理工程と、該塗工処理工程に続いて行われ
    粉体塗料混合物が静電塗工された基材紙に、前記粉体塗
    料混合物を定着させる定着処理工程とを備え、前記定着
    処理工程において、カレンダーロールを、粉体塗料混合
    物が静電塗工された基材紙が通過するように構成された
    受像紙の製造方法において、 前記塗工処理工程は、前記基材紙の一面に、ベース樹脂
    に粉体塗料混合物を混合してなるベース層を塗工した後
    に、続けてその上に無機微粒子からなる表面層を塗工す
    るものであり、 前記定着処理工程は、前記ベース層及び表面層が静電塗
    工された基材紙を、低い定着温度で前記カレンダーロー
    ルを通過させるものであることを特徴とする受像紙の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記ベース樹脂は、軟化点温度が98℃
    付近の熱可塑性樹脂であり、前記無機微粒子は、シリカ
    であり、 前記定着処理工程においては、定着速度が1〜10m/mi
    n 程度で、ロール線圧が2000N/cm 程度で、カレン
    ダーロール温度が常温から80℃付近までの範囲で、前
    記カレンダーロールを通過させて加圧する請求項3記載
    の受像紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記塗工処理工程は、5〜20μmの樹
    脂をベースとした粉体塗料組成物に1〜5μmの親水性
    無機微粒子あるいは平均粒子径20μm以下の吸水性ポ
    リマーを外添した粉体塗料混合物を静電塗工するもので
    あり、 前記定着処理工程は、前記静電塗工された粉体塗料混合
    物にて、インク受容層を基材紙上に形成するものである
    請求項1〜4のいずれかに記載の受像紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016002493A (ja) * 2014-06-13 2016-01-12 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 薄膜静電塗装装置
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