JP2016002263A - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents
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又、上記特許文献1に記載のものでも、水槽及び回転槽内にかなり多くの水を残した状態で、回転槽を回転させて脱水するものであり、従って、遠心力により水槽から水が溢れやすく、その始末に苦労せられる欠点を有する。
これらのため、回転槽回転時の回転速度を落とせば、遠心力による水槽からの溢水の危惧はなくなるが、このようにすると、槽洗浄の効果が上がらない。
まず、図2には、洗濯機の全体構成を示しており、外箱1を外殻とし、この外箱1の内部に水槽2を収容して弾性吊持機構3(一部のみ図示)により縦軸状で揺動可能に弾性支持している。水槽2の内部には回転槽4を水槽2と同心の縦軸状に収容しており、この回転槽4は洗濯槽であり脱水槽でもあって、周側部に脱水用の孔5を多数有し、上縁部に例えば液体封入形の回転バランサ6を装着している。又、それら水槽2と回転槽4、特にはこの場合、水槽2の内面と回転槽4の外面には、例えばシリカ系の無機塗料など親水性能を有する塗料を吹き付けることによる親水性のコーティングを施している。
水槽2の底部から下方には、駆動装置8を配設している。この駆動装置8は、詳しくは図示しないが、モータ8a(図3参照)を主体とするもので、洗濯時と脱水時とで上記回転槽4と撹拌体7とを直接的且つ選択的に回転させるクラッチ31(図3参照)を具えている。
一方、水槽2の上端部にはリング状の水槽カバー14を装着しており、この水槽カバー14には、それの中央部の開口を開閉する内蓋15を取付けている。更に、この水槽カバー14の上方に位置して前記外箱1の上端部には、トップカバー16を装着しており、このトップカバー16は中央部に洗濯物出入口17を有し、この洗濯物出入口17を、この場合、二つ折りの外蓋18で開閉するようにしている。
上記構成の洗濯乾燥機では、操作パネル27が有した操作キーによる操作で、洗濯及び脱水の行程を順に自動で行う標準コースのほか、それら洗濯及び脱水の行程のいずれかを任意に選択して実行できるようになっており、更に、回転槽4及び水槽2を洗浄するための槽洗浄コースを任意に選択して実行できるようになっている。
ここで、回転槽4を回転させるに至った上記検知水位の所定値Hは、回転槽4を後述のように水槽2及び回転槽4内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させたときにも溢水しない水位である。
これらの図で明らかなように、水槽2及び回転槽4内の水は、回転槽4の回転が90〔rpm〕程度に達したところから、遠心力によりすり鉢状に変わり、更に、130〔rpm〕程度に達したところで、同遠心力により水位を更に上げてのすり鉢状に変わる(図1にはこのときの検知水位の変化をも示している)。
水槽2及び回転槽4は、このときの水勢(遠心力)による脱水と、回転槽4の回転に伴って生じる水流とで洗浄される。なお、このときの最低水位(すり鉢状の底部分)は撹拌体7の周囲部を除く部分の上面が露出する程度の水位である。
加えて、本実施形態においては、水槽2及び回転槽4に親水性のコーティングを施しており、それによって、本来、水槽2及び回転槽4の汚れを落としやすい上に、水に浮遊する汚れの集まりやすい洗濯時の水面部分にも、上述の高水位のすり鉢状に変わる水(洗浄液)をそこに到達させて汚れの落としができるので、槽洗浄の効果を一層上げることができる。
そして、「槽回転洗浄行程」の終了後は、「脱水行程」を実行する(ステップS4)。この「脱水行程」は、回転槽4を回転させて回転槽4に付着した洗浄液を遠心力で脱水するものである。
その後、「すすぎ行程」を実行する(ステップS6)。この「すすぎ行程」は、前記ステップS2の「水流洗浄行程」と同様に行うものである。
その後、「脱水行程」を実行する(ステップS8)。この「脱水行程」は、前記ステップS4の「脱水行程」と同様に行うものである。
そして、制御動作を終了する。
図6に示す第2の実施形態においては、前記「槽回転洗浄行程」で、回転槽4を水槽2及び回転槽4内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させたときにも溢水しない水位が検知されて以後に、回転槽4を水槽2及び回転槽4内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させて脱水するのに代えて、水槽2及び回転槽4内から排水する前と排水して所定時間後のそれぞれ水槽2及び回転槽4内の水位を検知し、その検知水位の差が所定値以上であったときに、回転槽4を水槽2及び回転槽4内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させて脱水するようにしている。
その後、所定時間が経過したか否かの判断をし(ステップS33)、経過した(YES)と判断されたところで、水位センサ24による水槽2及び回転槽4内の水位の再度の検知をする(ステップS34)。
又、ステップS35で、所定値X1以上ではない(NO)と判断されれば、「槽回転洗浄行程」を中止してメインルーチンに戻る。
従って、この場合の所定値X1は、回転槽4を水槽2及び回転槽4内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させても、水槽2から溢水しない水位の減少量を指している。
図7に示す第3の実施形態においては、上記第2の実施形態における「槽回転洗浄行程」での、水槽2及び回転槽4内から排水する前と排水して所定時間後の検知水位の差の度合に応じて、回転槽4の回転速度を決定するようにしている。
このようにすることにより、排水弁10や排水ホース11の詰まりが重度でなく、水槽2及び回転槽4からの排水がある程度できるような(ステップS3101で所定値X2以上である)場合に、「槽回転洗浄行程」を中止することなく、回転槽4の低速回転で水槽2からの溢水を避けつつ水槽2及び回転槽4の洗浄を行うことができる。
図8に示す第4の実施形態においては、前記第2の実施形態における「槽回転洗浄行程」での、水槽2及び回転槽4内から排水する前と排水して所定時間後の検知水位の差の度合に応じて、回転槽4の回転の加速度を決定するようにしている。
図9に示す第5の実施形態においては、前記第1の実施形態における「槽回転洗浄行程」での、回転槽4を水槽2及び回転槽4内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させる以前にも、回転槽4をそれより低速で回転駆動するようにしている。
具体的には、前記図1に示した、水位センサ24による水槽2及び回転槽4内の検知水位が所定値Hに達する以前の例えば「槽回転洗浄行程」ほゞ開始時点の時刻t1(検知水位が所定値Hに達する時点は時刻t2)から、回転槽4を最終の例えば130〔rpm〕より低い例えば70〔rpm〕までの速度で回転させるようにしている。
なお、この制御は、上記第2から第4の実施形態におけるステップS35の水位差の判定時点を基準に、それより以前から回転槽4をより水槽2及び回転槽4内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させるより低い速度で回転駆動するようにしても良いものであり、それによって上記同様の作用効果を得ることができる。
図10示す第6の実施形態においては、「槽回転洗浄行程」での、水槽2及び回転槽4内から排水する前と排水して所定時間後の検知水位の差から排水能力を判定し、所定の排水能力以上あると判定したときに、給水弁19を開放させて水槽2及び回転槽4の内部に給水しつつ、回転槽4を水槽2及び回転槽4内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させるようにしている。
又、これは上記第5の実施形態と組み合わせて実施するようにしても良い。
図11に示す第7の実施形態においては、「槽回転洗浄行程」での水位の検知により、所定の水位が検知されない又は排水の開始前との水位差が所定値以上ないときには、槽回転洗浄行程の実行を中止するようにしている。
具体的には、「槽回転洗浄行程」での排水の開始から例えば4分12秒の所定時間が経過しても、水槽2及び回転槽4内の水位が所定値H(少水位)に達しないときに、槽回転洗浄行程の実行を中止して次行程(「脱水行程」)へ進むようにしているのである。
又、それは、「槽回転洗浄行程」での排水の開始から例えば4分12秒の所定時間が経過しても、排水の開始前との水位差が所定値以上ないときに実施するようにしても良いのである。
又、本実施形態は前記第2から第6の実施形態と組み合わせて実施するようにしても良い。
図12に示す第8の実施形態においては、「槽回転洗浄行程」での水位の検知により、水槽2及び回転槽4の内部に水がないことが検知されたときには、槽回転洗浄行程の実行を中止するようにしている。
具体的には、「槽回転洗浄行程」での排水の開始から例えば4分12秒の所定時間が経過した時点で、検知限界のリセット水位(撹拌体7より下方の水位)が検知されれば、槽回転洗浄行程の実行を中止して次行程(「脱水行程」)へ進むようにしているのである。
又、本実施形態は前記第2から第7の実施形態と組み合わせて実施するようにしても良い。
図13に示す第9の実施形態においては、「槽回転洗浄行程」での水位の検知により、水槽2及び回転槽4内の水位が所定水位よりも高いことが所定回数以上検知されたときには、槽回転洗浄行程の実行を中止するようにしている。
又、本実施形態は前記第2から第8の実施形態と組み合わせて実施するようにしても良い。
「槽回転洗浄行程」での回転槽4の回転速度が所定時間後にも所定値に達しない状況は、「槽回転洗浄行程」を含む槽洗浄コースを実行する際に、回転槽4内に誤って洗濯物が入れられていることにより、回転槽4が回転するときに不平衡荷重で異常振動を起こして回転槽4の回転速度が上がらない状況となっているときである。このようなときに、「槽回転洗浄行程」の実行を中止することにより、誤った行程の進行を避けることができる。
この「槽回転洗浄行程」での回転槽4の回転中の振動が所定値以上となるときも、「槽回転洗浄行程」を含む槽洗浄コースを実行する際に、回転槽4内に誤って洗濯物が入れられていることにより、回転槽4が回転するときに不平衡荷重で異常振動を起こして回転槽4の回転速度が上がらない状況となっているときである。
なお。これらの場合も、次行程へ進行後、水位の異常を使用者に報知するようにすることが好ましい。
又、このときの振動を検知する振動検知手段としては、振動検知レバー26及び振動検知スイッチ25に限られず、振動センサを水槽2に取付けて使用するようにしても良い。
そのほか、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
Claims (12)
- 水槽及びこれの内部に位置する回転槽をともに縦軸状に具えると共に、前記水槽又は回転槽の内部に給水する給水装置と、前記水槽又は回転槽の内部から排水する排水装置、前記水槽又は回転槽の内部の水位を検知する水位検知手段、前記回転槽を回転駆動する駆動装置、並びに前記回転槽の回転速度を検知する速度検知手段を具え、前記回転槽の内部で洗濯をし、前記回転槽の回転により脱水をするものであって、前記水槽又は回転槽を洗浄する槽洗浄コースを実行し得るようにした脱水兼用洗濯機において、
前記槽洗浄コースでは、前記水槽又は回転槽内から排水し、前記水槽又は回転槽内の水位を検知して、前記回転槽を前記水槽又は回転槽内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させたときにも溢水しない水位が検知されて以後に、前記回転槽を前記水槽又は回転槽内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させて脱水する槽回転洗浄行程を実行することを特徴とする脱水兼用洗濯機。 - 水槽及びこれの内部に位置する回転槽をともに縦軸状に具えると共に、前記水槽又は回転槽の内部に給水する給水装置と、前記水槽又は回転槽の内部から排水する排水装置、前記水槽又は回転槽の内部の水位を検知する水位検知手段、前記回転槽を回転駆動する駆動装置、並びに前記回転槽の回転速度を検知する速度検知手段を具え、前記回転槽の内部で洗濯をし、前記回転槽の回転により脱水をするものであって、前記水槽又は回転槽を洗浄する槽洗浄コースを実行し得るようにした脱水兼用洗濯機において、
前記槽洗浄コースでは、前記水槽又は回転槽内から排水する前と排水して所定時間後のそれぞれ前記水槽又は回転槽内の水位を検知し、その検知水位の差が所定値以上であったときに、前記回転槽を前記水槽又は回転槽内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させて脱水する槽回転洗浄行程を実行することを特徴とする脱水兼用洗濯機。 - 前記槽回転洗浄行程での、前記水槽又は回転槽内から排水する前と排水して所定時間後の検知水位の差の度合に応じて、前記回転槽の回転速度を決定することを特徴とする請求項2記載の脱水兼用洗濯機。
- 前記槽回転洗浄行程での、前記水槽又は回転槽内から排水する前と排水して所定時間後の検知水位の差の度合に応じて、前記回転槽の回転の加速度を決定することを特徴とする請求項2記載の脱水兼用洗濯機。
- 前記槽回転洗浄行程で、前記回転槽を前記水槽又は回転槽内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させる以前にも、前記回転槽をそれより低速で回転駆動することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の脱水兼用洗濯機。
- 前記槽回転洗浄行程での、前記水槽又は回転槽内から排水する前と排水して所定時間後の検知水位の差から排水能力を判定し、所定の排水能力以上あると判定したときに、前記水槽又は回転槽の内部に給水しつつ、前記回転槽を前記水槽又は回転槽内の水をすり鉢状にせり上げる速度で回転させることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項記載の脱水兼用洗濯機。
- 前記槽回転洗浄行程での水位の検知により、所定の水位が検知されない又は排水の開始前との水位差が所定値以上ないときには、槽回転洗浄行程の実行を中止することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の脱水兼用洗濯機。
- 前記槽回転洗浄行程での水位の検知により、前記水槽又は回転槽の内部に水がないことが検知されたときには、槽回転洗浄行程の実行を中止することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の脱水兼用洗濯機。
- 前記槽回転洗浄行程での水位の検知により、前記水槽又は回転槽内の水位が所定水位よりも高いことが所定回数以上検知されたときには、槽回転洗浄行程の実行を中止することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載の脱水兼用洗濯機。
- 前記槽回転洗浄行程での前記回転槽の回転速度を検知し、その検知速度が所定時間後にも所定値に達しないときに、槽回転洗浄行程の実行を中止することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載の脱水兼用洗濯機。
- 前記槽回転洗浄行程での前記回転槽の回転中の振動を検知し、その検知振動が所定値以上となったときに、槽回転洗浄行程の実行を中止することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項記載の脱水兼用洗濯機。
- 前記水槽又は回転槽に、親水性のコーティングを施していることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項記載の脱水兼用洗濯機。
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