JP2016001632A - 集積型薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

集積型薄膜太陽電池モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP2016001632A
JP2016001632A JP2012225013A JP2012225013A JP2016001632A JP 2016001632 A JP2016001632 A JP 2016001632A JP 2012225013 A JP2012225013 A JP 2012225013A JP 2012225013 A JP2012225013 A JP 2012225013A JP 2016001632 A JP2016001632 A JP 2016001632A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bypass diode
film solar
solar cell
electrode layer
thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012225013A
Other languages
English (en)
Inventor
細野 彰彦
Akihiko Hosono
彰彦 細野
本並 薫
Kaoru Motonami
薫 本並
信介 由良
Shinsuke Yura
信介 由良
謙 今村
Ken Imamura
謙 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2012225013A priority Critical patent/JP2016001632A/ja
Priority to PCT/JP2013/057230 priority patent/WO2014057697A1/ja
Publication of JP2016001632A publication Critical patent/JP2016001632A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L27/00Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate
    • H01L27/14Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation
    • H01L27/142Energy conversion devices
    • H01L27/1421Energy conversion devices comprising bypass diodes integrated or directly associated with the device, e.g. bypass diode integrated or formed in or on the same substrate as the solar cell
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L31/00Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L31/02Details
    • H01L31/02002Arrangements for conducting electric current to or from the device in operations
    • H01L31/02005Arrangements for conducting electric current to or from the device in operations for device characterised by at least one potential jump barrier or surface barrier
    • H01L31/02008Arrangements for conducting electric current to or from the device in operations for device characterised by at least one potential jump barrier or surface barrier for solar cells or solar cell modules
    • H01L31/0201Arrangements for conducting electric current to or from the device in operations for device characterised by at least one potential jump barrier or surface barrier for solar cells or solar cell modules comprising specially adapted module bus-bar structures
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L31/00Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L31/04Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof adapted as photovoltaic [PV] conversion devices
    • H01L31/042PV modules or arrays of single PV cells
    • H01L31/0445PV modules or arrays of single PV cells including thin film solar cells, e.g. single thin film a-Si, CIS or CdTe solar cells
    • H01L31/046PV modules composed of a plurality of thin film solar cells deposited on the same substrate
    • H01L31/0465PV modules composed of a plurality of thin film solar cells deposited on the same substrate comprising particular structures for the electrical interconnection of adjacent PV cells in the module
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

【課題】発電特性と信頼性に優れた集積型薄膜太陽電池モジュールを簡便な構成により実現可能な集積型薄膜太陽電池モジュールを得ること。
【解決手段】複数の薄膜太陽電池セルが直列接続方向に配列されて電気的に直列接続されたセル群と、セル群における直列接続方向に沿った辺に隣接して直列接続方向に配列されて、1つまたは複数のセルに対して逆並列に配置された複数のバイパスダイオードが電気的に直列接続されたダイオード群とを備え、セルおよびバイパスダイオードは、基板上に表面透明電極層と半導体層と裏面電極層が積層された積層膜における1つまたは複数の層が分断されて構成され、バイパスダイオードは、バイパスダイオードの表面透明電極層が隣接するセルの表面透明電極層に接続されること、およびバイパスダイオードの裏面電極層が隣接するセルの裏面電極層に接続されることのいずれか一方により、隣接するセルと電気的に接続される。
【選択図】図2

Description

本発明は、集積型薄膜太陽電池モジュール、特に、バイパスダイオードを内蔵した集積型薄膜太陽電池モジュールに関するものである。
一般的に複数の薄膜太陽電池を電気的に直列接続して作製される集積型薄膜太陽電池モジュール(以下、モジュールと呼ぶ場合がある)は、細長い短冊状の薄膜太陽電池セル(以下、セルと呼ぶ場合がある)を該セルの短軸方向に直列接続した構造を有している。この様な集積型薄膜太陽電池を搭載した薄膜太陽電池モジュールにおいては、使用中に受光面の一部に木の葉や電柱、鳥の糞等による影が生じた場合には、影が生じた部分のセルの発電電力が低下し、モジュール全体の起電力が大きく低下する。これは、各セルが電気的に直列接続されているため、影が生じたセルの電流によりモジュールの発電電流が制限されるからである。
例えば、100個のセルが直列に接続されたモジュールにおいて1個のセルの半分の領域だけが影に覆われた場合は、影の領域はモジュールの受光面全体の0.5%に過ぎない。しかし、影に覆われたセルの発電電流は、影が無い場合の電流を例えば1Aとすると、影が生じた場合には0.5Aとなる。このため、セルが直列接続されて構成されているモジュール全体の発電電流も0.5Aとなり、正常動作時の半分の値となる。したがって、1個のセルの半分の領域、すなわちモジュールの受光面全体の0.5%の領域に影が生じただけで、発電電力が1/2まで低下してしまう。
また、集積型薄膜太陽電池モジュールにおいては、複数の薄膜太陽電池セルのうちの1つでも断線等により動作しなくなった場合には、モジュール全体の出力がゼロとなってしまう。
このような問題を解決するために、直列接続された複数の太陽電池セルに対して1つのバイパスダイオードを逆並列することが行われている。ある太陽電池セルの受光面に影が生じた場合においても、そのセルに並列に接続されたバイパスダイオードに電流が迂回して流れるため、他のセルで発生した発電電流を流すことができる。これにより、影が生じているセル分の電圧降下、例えば、100個のセルが直接接続されて構成されている太陽電池モジュールの1個のセルに影がかかった場合においては、1/100の電圧降下しか発生しない。この結果、発電電力の低下も1/100に抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下は発生しない。
例えば特許文献1では、バイパスダイオードを薄膜太陽電池セルと実質的に同一の層構造で構成することが開示されている。特許文献1に開示された構成においては、薄膜太陽電池セルの電極層とバイパスダイオードの電極層とをオーバーラップさせ、且つ短絡させることにより、薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとが逆並列接続されている。
また、例えば特許文献2でも、バイパスダイオードを薄膜太陽電池セルと実質的に同一の層構造で構成することが開示されている。特許文献2に開示された構成においては、薄膜太陽電池セルの電極層とバイパスダイオードの電極層とを接続領域により接続することにより、薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとが逆並列接続されている。
米国特許第6013870号明細書 特許第4201241号公報
しかしながら、特許文献1におけるバイパスダイオード構造を形成するためのパターン化は極めて複雑であり、実際の生産には不適である。また、特許文献2におけるバイパスダイオードの接続構造は、薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとを接続領域により接続するため構造が複雑であり、工程数が増大する。また、薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとが、導電材料を塗布することで接続されるため、導電材料塗布工程による薄膜太陽電池セルやバイパスダイオードへのダメージや、塗布位置ずれによる短絡が発生するおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、発電特性と信頼性に優れた集積型薄膜太陽電池モジュールを簡便な構成により実現可能な集積型薄膜太陽電池モジュールを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる集積型薄膜太陽電池モジュールは、透光性絶縁基板上に、複数の矩形形状の薄膜太陽電池セルが直列接続方向に配列されて電気的に直列接続された薄膜太陽電池セル群と、前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向に沿った辺に隣接して前記直列接続方向に配列されて、1つまたは複数の前記薄膜太陽電池セルに対して逆並列に配置された複数のバイパスダイオードが電気的に直列接続されたバイパスダイオード群と、を備え、前記薄膜太陽電池セルおよび前記バイパスダイオードは、前記透光性絶縁基板上に表面透明電極層と半導体層と裏面電極層が順次積層されてなる積層膜における前記表面透明電極層と半導体層と裏面電極層のうちの1つまたは複数の層が分断されて構成され、前記バイパスダイオードは、前記バイパスダイオードの前記表面透明電極層が隣接する前記薄膜太陽電池セルの前記表面透明電極層に接続されること、および前記バイパスダイオードの前記裏面電極層が隣接する前記薄膜太陽電池セルの前記裏面電極層に接続されることのいずれか一方により、隣接する前記薄膜太陽電池セルと電気的に接続されること、を特徴とする。
本発明によれば、発電特性と信頼性に優れた集積型薄膜太陽電池モジュールを簡便な構成により実現可能な集積型薄膜太陽電池モジュールが得られる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる集積型薄膜太陽電池モジュールの構造を示す平面図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかるモジュールの詳細な構造を示す模式図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかるモジュールにおいて左右の取り出し電極に隣接する薄膜太陽電池セルが動作不良を起こした場合の電流の流れを示す模式図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかるモジュールにおいて連続した薄膜太陽電池セルが動作不良を起こした場合のモジュールにおける電流の流れを示す模式図である。 図5は、本発明の実施の形態2にかかるモジュールの詳細な構造を示す模式図である。 図6は、本発明の実施の形態2にかかるモジュールにおいて1番左側の薄膜太陽電池セルが動作不良を起こした場合のモジュールにおける電流の流れを示す模式図である。 図7は、本発明の実施の形態2にかかるモジュールにおいて連続した2つのセルが動作不良を起こした場合の電流の流れを示す模式図である。 図8は、本発明の実施の形態3にかかるモジュールの構造を示す平面図である。 図9は、本発明の実施の形態3にかかるモジュールの右側の取り出し電極におけるバイパスダイオードとバスバー配線交差部を拡大して示す模式図である。 図10は、本発明の実施の形態4にかかるモジュールの構造を示す平面図である。 図11は、本発明の実施の形態4にかかるモジュールの詳細な構造を示す模式図である。 図12は、本発明の実施の形態4にかかるモジュールにおいて左右の取り出し電極に隣接する薄膜太陽電池セルが動作不良を起こした場合の電流の流れを示す模式図である。 図13は、本発明の実施の形態4にかかるモジュールにおいて連続した2つの薄膜太陽電池セルが動作不良を起こした場合のモジュールにおける電流の流れを示す模式図である。 図14は、本発明の実施の形態4にかかるモジュールにおいて連続した3つの薄膜太陽電池セルが動作不良を起こした場合のモジュールにおける電流の流れを示す模式図である。 図15は、本発明の実施の形態5にかかるモジュールの詳細な構造を示す模式図である。 図16は、本発明の実施の形態5にかかるモジュールにおいて左右の取り出し電極に隣接する薄膜太陽電池セルが動作不良を起こした場合の電流の流れを示す模式図である。 図17は、本発明の実施の形態6にかかるモジュールの構造を示す平面図である。 図18は、本発明の実施の形態6にかかるモジュールの右側の取り出し電極におけるバイパスダイオードとバスバー配線交差部を拡大して示す模式図である。 図19は、モジュールが形成される基板を示す模式図である。 図20は、基板上に表面透明電極層が形成された状態を示す模式図である。 図21は、薄膜太陽電池セルの形成領域を分離するP1スクライブ溝が表面透明電極層に形成された状態を示す模式図である。 図22は、薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとの形成領域を分離するP1スクライブ溝が表面透明電極層に形成された状態を示す模式図である。 図23は、表面透明電極層上に半導体層が形成された状態を示す模式図である。 図24は、表面透明電極層と裏面電極層間のコンタクト部形成のためのP2スクライブ溝が半導体層に形成された状態を示す模式図である。 図25は、半導体層上に裏面電極が形成された状態を示す模式図である。 図26は、隣接する薄膜太陽電池セルおよび隣接するバイパスダイオードを分離するP3スクライブ溝が裏面電極層および半導体層に形成された状態を示す模式図である。 図27は、薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとを分離するP3スクライブ溝が裏面電極層および半導体層に形成された状態を示す模式図である。 図28は、基板の外周部に外周縁部膜除去領域が形成された状態を示す模式図である。 図29は、実施の形態8にかかるモジュールの構造を示す模式図である。
以下に、本発明にかかる集積型薄膜太陽電池モジュールの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付す場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる集積型薄膜太陽電池モジュール(以下、モジュールと呼ぶ場合がある)1の構造を示す平面図である。実施の形態1にかかるモジュール1は、ガラスもしくは透明なフィルム等の透光性を有する長方形状の透光性絶縁基板(以下、基板と呼ぶ場合がある)2上に矩形形状の薄膜太陽電池セル(以下、セルと呼ぶ場合がある)3が複数形成されており、これらのセル3が矩形形状の短辺方向(直列接続方向)に電気的に直列接続されたセル群を有する多接合型薄膜太陽電池モジュールである。
また、モジュール1におけるセル3の直列接続方向における一端(図1中の左端)には、モジュール1で発生した電力を取り出すための取り出し電極として左側の取り出し電極7L(陰極取り出し電極)が、他端(図1中の右端)には右側の取り出し電極7R(陽極取り出し電極)が形成されている。そして、この取り出し電極7(取り出し電極7L、取り出し電極7R)に接続されたバスバー配線6により、モジュール1で発生した電力が外部に取り出される構造になっている。更に、モジュール1の絶縁性を保つために、基板2におけるセル3の形成面の外周縁部には外周縁部膜除去領域5が設けられている。
なお本明細書においては、便宜上、モジュール1の左側の取り出し電極7Lがマイナス極、右側の取り出し電極7Rがプラス極になるように図示することとする。そして、直列接続方向においては、マイナス極(左側の取り出し電極7L)側を上流側、プラス極(右側の取り出し電極7R)側を下流側とする。また、左側の取り出し電極7Lに隣接する薄膜太陽電池セル3を1番目の薄膜太陽電池セルとし、右側の取り出し電極7R側に進むにつれてセル3の番号が増加するように示す。
また、実施の形態1にかかるモジュール1は、基板2の長辺方向における一端側、すなわちセル3の矩形形状の長辺方向における一端側において、外周縁部膜除去領域5に隣接する内側の領域であって基板2の短辺方向、すなわちセル3の矩形形状の短辺方向に延在する領域にバイパスダイオード4が複数形成されたバイパスダイオード群を備えている。すなわち、モジュール1は、バイパスダイオードを内蔵した多接合型薄膜太陽電池モジュールである。バイパスダイオード4は、セル3と同様に、セル3の直列接続方向と同方向、すなわちセル3の短辺方向において電気的に直列接続されている。したがって、外周縁部膜除去領域5に囲まれた領域のうち、基板2の長辺方向における一端側の一部領域がバイパスダイオード4の形成領域とされ、その他の領域が薄膜太陽電池セル3の形成領域とされている。
図2は、実施の形態1にかかるモジュール1の詳細な構造を示す模式図である。図2(a)は、実施の形態1にかかるモジュール1におけるバイパスダイオード4の形成領域の断面構成を示し、図2(b)におけるA−A断面を示す。図2(b)は、実施の形態1にかかるモジュール1をセル3の形成面側から見た平面構成を示す。図2(c)は、実施の形態1にかかるモジュール1におけるセル3の形成領域の断面構成を示し、図2(b)におけるB−B断面を示す。実施の形態1では、セル3からバイパスダイオード4を経由する電流が、セル3の表面透明電極層12S中をその長手方向に流れる構造を示している。また、モジュール1の内部では、全体的には図2の左側から右側に向かって電流が流れる。
図2に示されるモジュール1におけるセル3およびバイパスダイオード4は、全て、基板2上に、第1電極である表面透明電極層12、半導体層13、および第2電極である裏面電極層14が順次積層された積層膜構造を有している。セル3においては、表面透明電極層12がカソードとなり、裏面電極層14がアノードとなる。また、バイパスダイオード4においては、表面透明電極層12がアノードとなり、裏面電極層14がカソードとなる。モジュール1においては、基板2側から光が入射される。なお、セル3の表面透明電極層12、半導体層13、裏面電極層14をそれぞれ表面透明電極層12S、半導体層13S、裏面電極層14Sと呼ぶ場合がある。また、バイパスダイオード4の表面透明電極層12、半導体層13、裏面電極層14をそれぞれ表面透明電極層12B、半導体層13B、裏面電極層14Bと呼ぶ場合がある。また、左側の取り出し電極7Lおよび右側の取り出し電極7Rは、上記の積層膜構造における裏面電極層14が用いられている。
表面透明電極層12は、例えば、SnO系膜やZnO系膜などの透光性を有する透明導電膜からなる。半導体層13は、例えば基板2側からp型半導体層(例えばp型不純物がドープされたシリコン層)、i型半導体層(例えば真性シリコン層)、n型半導体層(例えばn型不純物がドープされたシリコン層)が積層されてpin接合を有する半導体積層膜、例えば基板2側からp型半導体層(例えばp型不純物がドープされたCdTe層)、n型半導体層(例えばn型不純物がドープされたCdTe層)が積層されてpn接合を有する半導体積層膜、またはこれらの半導体積層膜が複数重なった積層構造を有する半導体積層膜などが用いられる。裏面電極層14は、例えば基板2側からSnO系膜やZnO系膜などの透光性を有する透明導電膜と、例えばAgやAlなどの高反射金属膜とが積層されて構成される。
セル3内の半導体層13に基板2側より光が入射すると、電力が発生する。図2に示されるように、1個のセル3は、表面透明電極層12を厚み方向に貫通するように設けられたP1スクライブ溝15と、半導体層13と裏面電極層14とを厚み方向において貫通するように設けられた薄膜太陽電池セルのP3スクライブ溝17によって、隣接する薄膜太陽電池セル3と電気的に分離されている。また、半導体層13を厚み方向に貫通するように設けられた薄膜太陽電池セルのP2スクライブ溝16中に形成された裏面電極層14によって、隣接する薄膜太陽電池セル3同士が電気的に直列接続されている。
すなわち、P1スクライブ溝15は、セル3の長辺方向に形成され、表面透明電極層12における各セル3の形成領域間を分離している。薄膜太陽電池セルのP3スクライブ溝17は、セル3の長辺方向に形成され、半導体層13および裏面電極14における各セル3の形成領域間を分離している。薄膜太陽電池セルのP2スクライブ溝16は、セル3における表面透明電極層12Sと裏面電極層14S間のコンタクト部形成のためにセル3の長辺方向に形成され、裏面電極14Sが埋め込まれている。
バイパスダイオード4も薄膜太陽電池セル3と同様の表面透明電極層12、半導体層13、裏面電極層14からなる構成となっており、各バイパスダイオード4の分離と電気的な直列接続も薄膜太陽電池セル3と同様にP1スクライブ溝15、バイパスダイオードのP2スクライブ溝18、バイパスダイオードのP3スクライブ溝19を形成することで実現されている。バイパスダイオードのP2スクライブ溝18は、バイパスダイオード4における表面透明電極層12Bと裏面電極層14B間のコンタクト部形成のためにセル3の長辺方向に形成され、裏面電極14Bが埋め込まれている。すなわち、バイパスダイオードのP2スクライブ溝18内に埋め込まれた裏面電極層14が、隣接するバイパスダイオード間を直列に接続している。
なお、本明細書において、P1スクライブ溝は、表面透明電極層12を厚み方向に貫通するように設けられた形態の溝を意味し、P2スクライブ溝は、半導体層13を厚み方向に貫通するように設けられた形態の溝を意味し、P3スクライブ溝は、半導体層13と裏面電極層14とを厚み方向において貫通するように設けられた形態の溝を意味する。また、平面図においては、上層を透過して各溝を示す場合がある。
モジュール1においては、セル3とバイパスダイオード4との基本的な構造は同じであるが、セル3とバイパスダイオード4とは逆並列接続とされており直列配設の方向が逆になっている。このような逆並列接続を実現するために、セル3とバイパスダイオード4とのP1スクライブ溝15は共通とされ、セル3の長辺方向において同一線上に設けられている。また、セル3では、図2に示されるように薄膜太陽電池セルのP2スクライブ溝16および薄膜太陽電池セル3のP3スクライブ溝17がP1スクライブ溝15の左側に、薄膜太陽電池セルのP2スクライブ溝16、薄膜太陽電池セルのP3スクライブ溝17の順に形成されている。
これに対して、バイパスダイオード4においては、バイパスダイオードのP2スクライブ溝18およびバイパスダイオードのP3スクライブ溝19がP1スクライブ溝15の右側に、バイパスダイオードのP2スクライブ溝18、バイパスダイオードのP3スクライブ溝19の順に形成されている。さらに、隣接するセル3とバイパスダイオード4との半導体層13同士および裏面電極層14同士は、薄膜太陽電池セル/バイパスダイオード分離用のP3スクライブ溝20により分離されている。P3スクライブ溝20は、直列接続方向(薄膜太陽電池セル3の短辺方向)の全幅において半導体層13および裏面電極層14を厚み方向に貫通するように形成されている。
一方、表面透明電極層12には薄膜太陽電池セル/バイパスダイオード分離用のP3スクライブ溝20が形成されていないため、セル3の長辺方向において隣接するセル3とバイパスダイオード4間においては、セル3の表面透明電極層12Sとバイパスダイオード4の表面透明電極層12Bとは、電気的および物理的に接続されている。
このような構成により、セル3の長辺方向において隣接する薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4、すなわち、任意の薄膜太陽電池セル3と、セル3の長辺方向において該薄膜太陽電池セル3と同一直線上に形成されたバイパスダイオード4とは、表面透明電極層12同士が接続されることにより、電気接続している。なお、セル3の長辺方向において薄膜太陽電池セル3と同一直線上とは、セル3の長辺方向において薄膜太陽電池セル3と同一直線上セル3の長辺方向において薄膜太陽電池セル3の形成領域に対応する隣接した領域を意味する。以下においても同様である。
次に、このようなバイパスダイオード4を内蔵したモジュール1における受光面側の一部に影等がかかることによるセル3の動作不良が発生した場合の電流の流れについて図2を参照して説明する。図2では、左からn番目の薄膜太陽電池セル25(nは1以上の整数)の受光面に影がかかり、n番目の薄膜太陽電池セル25が動作不良セル11となった場合の電流の経路を図に矢印で示している。なお、本明細書においては、表面透明電極層12を流れる電流の経路を点線の矢印で示し、半導体層13および裏面電極層14を流れる電流の経路を実線の矢印で示している。また、図中においてセル3の受光面に影がかかり動作不良となっている部分を黒色の塗りつぶしで示している。
n番目の薄膜太陽電池セル25が動作不良セル11となった場合には、1番目の薄膜太陽電池セル3からn−1番目の薄膜太陽電池セル23までは、裏面電極層14S、半導体層13S、表面透明電極層12S、隣接するセル3との境界に設けられたP2スクライブ溝18内に形成された裏面電極層14B、隣接するセル3の裏面電極層14S、隣接するセル3の半導体層13S、隣接するセル3の表面透明電極層12S・・・の経路で隣接するセル3に電流が流れていく正常な直列の電流経路(図2(b)、図2(c)に示される経路)で電流が流れる。
しかし、n番目の薄膜太陽電池セル25が動作不良を起こして抵抗として働く。このため、n−1番目の薄膜太陽電池セル23の半導体層13Sから表面透明電極層12Sに流れ込んだ電流は、表面透明電極層12S中をn番目の薄膜太陽電池セル25(動作不良セル11)側ではなく、セル3の長辺方向においてn−1番目の薄膜太陽電池セル23と同一直線上に形成されたn−1番目のバイパスダイオード24の方向に流れる。すなわち、電流は表面透明電極層12S中をセル3の長辺方向に流れて、n−1番目のバイパスダイオード24の表面透明電極層12Bに流れる。
そして、バイパスダイオード24の表面透明電極層12Bに流れ込んだ電流は、n−1番目のバイパスダイオード24の半導体層13Bを通り、n−1番目のバイパスダイオード24の裏面電極層14Bに到達する。バイパスダイオード24の裏面電極層14Bに到達した電流は、セル3の長辺方向においてn番目の薄膜太陽電池セル25と同一直線上に形成されたn番目のバイパスダイオード26とn−1番目のバイパスダイオード24との間に形成されているP2スクライブ溝18内に形成された裏面電極層14Bを通り、n番目のバイパスダイオード26の表面透明電極層12Bを経由して動作不良セル11(n番目の薄膜太陽電池セル25)の表面透明電極層12Sに流入する。
表面透明電極層12Sに流入した電流は、n番目の薄膜太陽電池セル25とn+1番目の薄膜太陽電池セル27との間に形成されているP2スクライブ溝16内に形成されている裏面電極層14Sを通り、正常動作しているn+1番目の薄膜太陽電池セル27の裏面電極層14Sに到達して、正常な直列の電流経路に復活する。この電流は、正常な直列の電流経路(図2(b)、図2(c)に示される経路)を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。
上記のように、実施の形態1にかかるモジュール1においては、n番目の薄膜太陽電池セル25が動作不良を起こした場合には、電流がn−1番目の薄膜太陽電池セル23からn−1番目のバイパスダイオード24、n番目のバイパスダイオード26に迂回して、n+1番目の薄膜太陽電池セル27に流れる。これにより、動作不良を起こしているn番目の薄膜太陽電池セル25の裏面電極層14S、半導体層13Sを通ることなく、n番目の薄膜太陽電池セル25を迂回した形で電流が流れる。これにより、n番目の薄膜太陽電池セル25分の電圧降下の電圧降下しか発生せず、発電電力の低下も抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下が防止される。
次に、左右の取り出し電極に隣接する左右両端の薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合について説明する。まず、左側の取り出し電極7Lに隣接する1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良を起こした場合の電流の流れについて説明する。図3は、実施の形態1にかかるモジュール1において左右の取り出し電極に隣接する薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合の電流の流れを示す模式図である。図3(a)は図2(a)に、図3(b)は図2(b)に、図3(c)は図2(c)にそれぞれ対応している。
左側の取り出し電極7Lに隣接する1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良を起こした場合に電流が迂回するバイパスダイオード4)は、セル3の長辺方向において左側の取り出し電極7Lと同一直線上に形成されているバイパスダイオード21(端部接続バイパスダイオード)と、セル3の長辺方向において1番左側の薄膜太陽電池セル3Lと同一直線上に形成されているバイパスダイオード4Lである。バイパスダイオード21(端部接続バイパスダイオード)は、バイパスダイオード4と同じ膜構造を有し、左側の取り出し電極7Lに対して逆並列に配置されるとともにバイパスダイオード4Lには電気的に直列接続されている。なお、以下の実施の形態においても、左側の取り出し電極7Lまたは右側の取り出し電極7Rに隣接して設けられるバイパスダイオード4は、端部接続バイパスダイオードとして動作できる。
このバイパスダイオード21の半導体層13Bにおいては、電流が表面透明電極層12B側から裏面電極層14B側に向かって電流が流れるため、左側の取り出し電極7Lとその下部の表面透明電極層12Sとは電気的に短絡されている必要がある。この短絡経路を設けるために、左側の取り出し電極7LのP2スクライブ溝22Lを設け、該取り出し電極7LのP2スクライブ溝22L内に形成された裏面電極層14Sを利用して、取り出し電極7Lと取り出し電極7Lの下部の表面透明電極層12Sとを短絡させている。
なお、この短絡経路の形成については、ここで示したような取り出し電極7LのP2スクライブ溝22Lを設ける方法ではなく、バスバー配線6を左側の取り出し電極7Lに接続する際に、超音波接続等の方法を使用して、バスバー配線6が裏面電極層14Sと半導体層13Sを突き抜けて表面透明電極層12Sと電気的に直接接続する方法を用いてもよい。
1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良を起こした場合には、該1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良を起こして抵抗として働く。このため、電流は左側の取り出し電極7Lから1番左側の薄膜太陽電池セル3L側ではなく、左側の取り出し電極7Lからその下部の表面透明電極層12Sに流れ、バイパスダイオード21の方向に流れる。すなわち、電流は左側の取り出し電極7Lの下部の表面透明電極層12Sから該表面透明電極層12S中をセル3の長辺方向に流れて、n−1番目のバイパスダイオード24の表面透明電極層12Bに流れる。
そして、この電流は、バイパスダイオード21の半導体層13Bを通り、バイパスダイオード21の裏面電極層14Bに到達する。バイパスダイオード21の裏面電極層14Bに到達した電流は、バイパスダイオード4Lとバイパスダイオード21との間に形成されているP2スクライブ溝18内に形成された裏面電極層14Bを通り、バイパスダイオード4Lの表面透明電極層12Bを経由して1番左側の薄膜太陽電池セル3Lの表面透明電極層12Sに到達して、正常な直列の電流経路に復活する。その後、この電流は正常な直列の電流経路(図3(b)、図3(c)に示される経路)を流れる。
上記のように、実施の形態1にかかるモジュール1においては、左側の取り出し電極7Lに隣接する1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良を起こした場合には、電流が左側の取り出し電極7Lからバイパスダイオード21とバイパスダイオード4Lに迂回して、1番左側の薄膜太陽電池セル3Lの表面透明電極層12Sに流れる。これにより、動作不良を起こしている1番左側の薄膜太陽電池セル3Lの裏面電極層14S、半導体層13Sを通ることなく、1番左側の薄膜太陽電池セル3Lを迂回した形で電流が流れる。これにより、1番左側の薄膜太陽電池セル3L分の電圧降下しか発生せず、発電電力の低下も抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下が防止される。
次に、右側の取り出し電極7Rに隣接する一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが動作不良を起こした場合の電流の流れについて説明する。右側の取り出し電極7Rに隣接する一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが動作不良を起こした場合に電流が迂回するバイパスダイオード4は、セル3の長辺方向において右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2と同一直線上に形成されているバイパスダイオード4R2と、セル3の長辺方向において一番右側の薄膜太陽電池セル3Rと同一直線上に形成されているバイパスダイオード4Rである。
この場合は、右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2の表面透明電極層12Sから、右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2とバイパスダイオード4R2とを流れる電流は、一番右側の薄膜太陽電池セル3Rの表面透明電極層12Sを通った後、正常動作時と同様に、一番右側の薄膜太陽電池セル3Rと右側の取り出し電極7R間に設けられたP2スクライブ溝16の裏面電極層14Sを介して右側の取り出し電極7Rに到達する。すなわち、図2で示した直列接続の途中でn番目の薄膜太陽電池セル25が動作不良セルを起こした場合の電流の迂回経路と同じ経路で流れる。したがって、右側の取り出し電極7R部分に関しては、特に新規の構造を設ける必要はない。
上記のように、実施の形態1にかかるモジュール1においては、右側の取り出し電極7Rに隣接する一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが動作不良を起こした場合には、電流が右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2からバイパスダイオード4R2とバイパスダイオード4Rに迂回して、一番右側の薄膜太陽電池セル3Rの表面透明電極層12Sに流れる。これにより、動作不良を起こしている一番右側の薄膜太陽電池セル3Rの裏面電極層14S、半導体層13を通ることなく、一番右側の薄膜太陽電池セル3Rを迂回した形で電流が流れる。これにより、一番右側の薄膜太陽電池セル3R分の電圧降下しか発生せず、発電電力の低下も抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下が防止される。
次に、直列接続方向において連続した薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合の電流経路について説明する。図4は、実施の形態1にかかるモジュール1において連続した薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合のモジュール1における電流の流れを示す模式図である。図4(a)は図2(a)に、図4(b)は図2(b)に、図4(c)は図2(c)にそれぞれ対応している。
左からn番目の薄膜太陽電池セル25とn+1番目の薄膜太陽電池セル27との連続した2つのセルが動作不良を起こした場合には、1番目の薄膜太陽電池セル3からn−1番目の薄膜太陽電池セル23までは、正常な直列の電流経路(図4(b)、図4(c)に示される経路)で電流が流れる。しかし、n番目の薄膜太陽電池セル25とn+1番目の薄膜太陽電池セル27とが動作不良を起こして、抵抗として働く。
n番目の薄膜太陽電池セル25とn+1番目の薄膜太陽電池セル27との連続した2つのセルが動作不良を起こした場合に電流が迂回するバイパスダイオード4は、セル3の長辺方向においてn−1番目の薄膜太陽電池セル23と同一直線上に形成されたn−1番目のバイパスダイオード24と、セル3の長辺方向においてn番目の薄膜太陽電池セル25と同一直線上に形成されたn番目のバイパスダイオード26と、セル3の長辺方向においてn+1番目の薄膜太陽電池セル27と同一直線上に形成されたn+1番目のバイパスダイオード28である。
このため、n−1番目の薄膜太陽電池セル23の半導体層13Sからn−1番目の薄膜太陽電池セル23の表面透明電極層12Sに流れ込んだ電流は、n番目の薄膜太陽電池セル25側ではなく、n−1番目のバイパスダイオード24の方向に流れる。すなわち、電流は表面透明電極層12S中をセル3の長辺方向に流れて、n−1番目のバイパスダイオード24の表面透明電極層12Bに流れる。そして、この電流は、バイパスダイオード24の半導体層13Bを通り、バイパスダイオード24の裏面電極層14Bに到達する。
バイパスダイオード24の裏面電極層14Bに到達した電流は、n番目のバイパスダイオード26とn−1番目のバイパスダイオード24との間に形成されているP2スクライブ溝18内に形成された裏面電極層14Bを通り、n番目のバイパスダイオード26の表面透明電極層12Bに到達する。
このとき、n+1番目の薄膜太陽電池セル27も動作不良を起こしているため、n番目のバイパスダイオード26の表面透明電極層12Bに到達した電流はn番目の薄膜太陽電池セル25の方向には流れず、n番目のバイパスダイオード26の半導体層13B中を通って、n番目のバイパスダイオード26の裏面電極層14に流れる。
この電流は、n+1番目のバイパスダイオード28とn番目のバイパスダイオード26との間に設けられたP2スクライブ溝18内に形成された裏面電極層14B、n+1番目のバイパスダイオード28の表面透明電極層12Bの順で流れ、n+1番目の薄膜太陽電池セル27の表面透明電極層12Sに到達して、正常な直列の電流経路に復活する。この電流は、正常な直列の電流経路(図4(b)、図4(c)に示される経路)を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。
上記のように、実施の形態1にかかるモジュール1においては、連続した2個の薄膜太陽電池セル3(n番目の薄膜太陽電池セル25とn+1番目の薄膜太陽電池セル27)が動作不良を起こした場合には、電流がn−1番目の薄膜太陽電池セル23からn−1番目のバイパスダイオード24とn番目のバイパスダイオード26とn+1番目のバイパスダイオード28とに迂回して、n+1番目の薄膜太陽電池セル27の表面透明電極層12Sに流れる。これにより、動作不良を起こしているn番目の薄膜太陽電池セル25の全てと、n+1番目の薄膜太陽電池セル27の裏面電極層14S、半導体層13を通ることなく、n番目の薄膜太陽電池セル25とn+1番目の薄膜太陽電池セル27とを迂回した形で電流が流れる。これにより、n番目の薄膜太陽電池セル25とn+1番目の薄膜太陽電池セル27と分の電圧降下しか発生せず、発電電力の低下も抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下が防止される。
また、モジュール1においては、3個以上の連続した薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合においても、上記と同様に動作不良を起こした薄膜太陽電池セル3の手前の薄膜太陽電池セル3から連続する4個のバイパスダイオード4を迂回路として使用して電流が流れる。
上述したように、実施の形態1にかかるモジュール1では、セル3の長辺方向において隣接する薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4とは、表面透明電極層12同士が接続されることにより、電気接続している。このため、n番目の薄膜太陽電池セルが動作不良となった場合には、薄膜太陽電池セル3の長辺方向においてn−1番目の薄膜太陽電池セル(n=1の場合には左側の取り出し電極7L)と同一直線上に形成されたバイパスダイオード4に電流が迂回する。これにより、実施の形態1にかかるモジュール1では、影等の影響により動作不良を起こした薄膜太陽電池セル3が発生した場合においても、バイパスダイオード4を介して電流が流れるため、動作不良セルの電流低下による集積型薄膜太陽電池モジュール1の発電電流への影響が抑制され、集積型薄膜太陽電池モジュール1の発電電力の低下が抑制される。
そして、実施の形態1にかかるモジュール1では、複雑なパターニングや新規工程の導入による複雑な接続構成を備えることなく、製造が容易な構成により上述した電流の迂回を実現することが可能である。これにより、実施の形態1にかかるモジュール1では、発電特性と信頼性に優れた集積型薄膜太陽電池モジュールを簡便な構成により実現できる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、n番目の薄膜太陽電池セル3が動作不良となった場合に、n−1番目の薄膜太陽電池セル3の表面透明電極層12Sからバイパスダイオード4に電流が迂回する構造について示した。実施の形態2では、n番目の薄膜太陽電池セル3が動作不良となった場合に、n番目の薄膜太陽電池セル3の裏面電極層14Sからバイパスダイオード4に電流が迂回する構造について説明する。
図5は、本発明の実施の形態2にかかるモジュールの詳細な構造を示す模式図である。図5(a)は、実施の形態2にかかるモジュールにおけるバイパスダイオード4の形成領域の断面構成を示し、図5(b)におけるA−A断面を示す。図5(b)は、実施の形態2にかかるモジュールをセル3の形成面側から見た平面構成を示す。図5(c)は、実施の形態2にかかるモジュールにおけるセル3の形成領域の断面構成を示し、図5(b)におけるB−B断面を示す。
実施の形態2にかかるモジュールでは、バイパスダイオード4に迂回する電流が、薄膜太陽電池セル3の裏面電極層14S中をその長手方向に流れる構造となっている。また、実施の形態2にかかるモジュールの内部では、実施の形態1の場合と同様に全体的には図5の左側から右側に向かって電流が流れる。
実施の形態2にかかるモジュールの基本的な構成は実施の形態1にかかるモジュール1と同様であり、薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4とに共通のP1スクライブ溝15、薄膜太陽電池セルのP2スクライブ溝16、薄膜太陽電池セルのP3スクライブ溝17、バイパスダイオードのP2スクライブ溝18、バイパスダイオードのP3スクライブ溝19の位置関係は、実施の形態1の図2に示した各スクライブ溝の位置関係と同一である。
一方、実施の形態2においては、薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4の分離を薄膜太陽電池セル/バイパスダイオード分離用の連続して設けられたP1スクライブ溝29と、薄膜太陽電池セルのP3スクライブ溝17とバイパスダイオードのP3スクライブ溝19を接続するように形成する薄膜太陽電池セル/バイパスダイオード分離用の不連続なP3スクライブ溝30とにより行っている。すなわち、隣接するセル3とバイパスダイオード4との表面透明電極層12同士は、連続して設けられたP1スクライブ溝29により分離されている。P1スクライブ溝29は、直列接続方向(セル3の短辺方向)の全幅において表面透明電極層12を厚み方向に貫通するように形成されている。
このような構成により、セル3の長辺方向において隣接する薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4、すなわち、任意の薄膜太陽電池セル3と、セル3の長辺方向において該薄膜太陽電池セル3と同一直線上に形成されたバイパスダイオード4とは、裏面電極層14同士が接続されることにより、電気接続している。
図5では、左からn番目の薄膜太陽電池セル25の受光面に影がかかり、n番目の薄膜太陽電池セル25が動作不良を起こした場合の電流の経路を矢印で示している。n番目の薄膜太陽電池セル25が動作不良を起こした場合には、1番目の薄膜太陽電池セル3からn番目の薄膜太陽電池セル25の裏面電極層14Sまでは、正常な直列の電流経路(図5(b)、図5(c)に示される経路)で電流が流れる。
しかし、n番目の薄膜太陽電池セル25が動作不良を起こして抵抗として働く。このため、n番目の薄膜太陽電池セル25の裏面電極層14Sに流れ込んだ電流は、n番目の薄膜太陽電池セル25の半導体層13Sには流れず、セル3の長辺方向においてn番目の薄膜太陽電池セル25と同一直線上に形成されたn番目のバイパスダイオード26に向かって裏面電極層14S中を流れ、該n番目のバイパスダイオード26の裏面電極層14Bに到達する。すなわち、電流は裏面電極層14S中をセル3の長辺方向に流れて、n番目のバイパスダイオード26の裏面電極層14Bに到達する。
n番目のバイパスダイオード26の裏面電極層14Bに到達した電流は、セル3の長辺方向においてn+1番目の薄膜太陽電池セル27と同一直線上に形成されたn+1番目のバイパスダイオード28とn番目のバイパスダイオード26との間に形成されているバイパスダイオードのP2スクライブ溝18内に形成された裏面電極層14Bを通り、n+1番目のバイパスダイオード28の表面透明電極層12Bに到達する。
n+1番目のバイパスダイオード28の表面透明電極層12Bに到達した電流は、n+1番目のバイパスダイオード28の半導体層13B中を流れてn+1番目のバイパスダイオード28の裏面電極層14Bに到達する。n+1番目の薄膜太陽電池セル27は正常に動作して電流を流すことができるため、n+1番目のバイパスダイオード28の裏面電極層14Bに到達した電流は、n+1番目のバイパスダイオード28の裏面電極層14B中をn+1番目の薄膜太陽電池セル27に向かって流れ、n+1番目の薄膜太陽電池セル27の裏面電極層14Sに到達して、正常な直列の電流経路に復活する。
この電流は、正常な直列の電流経路(図5(b)、図5(c)に示される経路)を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。
上記のように、実施の形態2にかかるモジュール1においては、n番目の薄膜太陽電池セル25が動作不良を起こした場合には、電流がn番目の薄膜太陽電池セル25からn番目のバイパスダイオード26、n+1番目のバイパスダイオード28に迂回して、n+1番目の薄膜太陽電池セル27に流れる。これにより、動作不良を起こしているn番目の薄膜太陽電池セル25の半導体層13S、表面透明電極12Sを通ることなく、n番目の薄膜太陽電池セル25を迂回した形で電流が流れる。これにより、n番目の薄膜太陽電池セル25分の電圧降下しか発生せず、発電電力の低下も抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下が防止される。
したがって、図6に示されるように、1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良となった場合には、電流は図5に示した例と同様の経路を経由して、セル3の長辺方向において1番左側の薄膜太陽電池セル3Lと同一直線上に形成されているバイパスダイオード4L、セル3の長辺方向において2番目の薄膜太陽電池セル3L2と同一直線上に形成されているバイパスダイオード4L2に迂回し、2番目の薄膜太陽電池セル3L2の裏面電極層14Sに到達する。図6は、実施の形態2にかかるモジュールにおいて1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良を起こした場合のモジュールにおける電流の流れを示す模式図である。図6(a)は図5(a)に、図6(b)は図5(b)に、図6(c)は図5(c)にそれぞれ対応している。
また、右側の取り出し電極7Rに隣接する一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが動作不良になった場合には、電流は図5に示した例と同様の経路を経由して、セル3の長辺方向において1番右側の薄膜太陽電池セル3Rと同一直線上に形成されているバイパスダイオード4R、セル3の長辺方向において右側の取り出し電極7Rと同一直線上に形成されているバイパスダイオード31に迂回して流れることができる。更にこのバイパスダイオード31の裏面電極層14Bは右側の取り出し電極7Rと電気的に接続しているため、バイパスダイオード31に流れた電流は、右側の引き出し電極7Rに到達することができる。
図7は、実施の形態2にかかるモジュールにおいて連続した2つのセル3が動作不良を起こした場合の電流の流れを示す模式図である。実施の形態2にかかるモジュールにおいても、連続した2つのセル3が動作不良となった場合には、実施の形態1で示したモジュール1の場合と同様に、3つのバイパスダイオード4を介して電流が流れるため、電流の流れが阻害されることはない。
すなわち、n−1番目の薄膜太陽電池セル23とn番目の薄膜太陽電池セル25との連続した2つのセルが動作不良セル11となった場合には、1番目の薄膜太陽電池セル3からn−1番目の薄膜太陽電池セル23の裏面電極層14Sまでは、正常な直列の電流経路(図7(b)、図7(c)に示される経路)で電流が流れる。しかし、n−1番目の薄膜太陽電池セル23とn番目の薄膜太陽電池セル25とが動作不良を起こして抵抗として働く。
このため、n−1番目の薄膜太陽電池セル23の裏面電極層14Sに流れ込んだ電流は、セル3の長辺方向においてn−1番目の薄膜太陽電池セル23と同一直線上に形成されたn−1番目のバイパスダイオード24に流れ、さらにn番目のバイパスダイオード26とn+1番目のバイパスダイオード28を経由して、n+1番目の薄膜太陽電池セル27の表面透明電極層12Sに到達して、正常な直列の電流経路に復活する。この電流は、正常な直列の電流経路(図7(b)、図7(c)に示される経路)を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。
上述したように、実施の形態2にかかるモジュールでは、セル3の長辺方向において隣接する薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4とは、裏面電極層14同士が接続されることにより、電気接続している。このため、n番目の薄膜太陽電池セルが動作不良となった場合には、薄膜太陽電池セル3の長辺方向においてn番目の薄膜太陽電池セルと同一直線上に形成されたバイパスダイオード4に電流が迂回する。これにより、実施の形態2にかかるモジュールでは、影等の影響により動作不良を起こした薄膜太陽電池セル3が発生した場合においても、バイパスダイオード4を介して電流が流れるため、動作不良セルの電流低下による集積型薄膜太陽電池モジュールの発電電流への影響が抑制され、集積型薄膜太陽電池モジュールの発電電力の低下が抑制される。
そして、実施の形態2にかかるモジュールでは、複雑なパターニングや新規工程の導入による複雑な接続構成を備えることなく、製造が容易な構成により上述した電流の迂回を実現することが可能である。これにより、実施の形態2にかかるモジュールでは、発電特性と信頼性に優れた集積型薄膜太陽電池モジュールを簡便な構成により実現できる。
更に、実施の形態2にかかるモジュールにおいては、動作不良を起こしたセル3を迂回する電流は主に裏面電極層14中をその長手方向に流れる。実施の形態1にかかるモジュールにおいては、動作不良を起こしたセル3を迂回する電流は主に表面透明電極層12中をその長手方向に流れる。一般的に表面透明電極のシート抵抗は10Ω/□〜20Ω/□と大きい。このため、表面透明電極の長手方向に電流が流れた場合には、表面透明電極の抵抗に起因する発電電力の損失が発生する。
しかしながら、上述したように実施の形態2にかかるモジュールにおいては、動作不良を起こしたセル3を迂回する電流は主に裏面電極層14を構成する金属膜(AgもしくはAl等)中をその長手方向に流れ、裏面電極層を構成する金属膜のシート抵抗は、数10mΩ/□〜数100mΩ/□であり表面透明電極のシート抵抗より小さい。このため、実施の形態2にかかるモジュールは、実施の形態1にかかるモジュール1と比較して抵抗損失に伴う発電電力の低下が抑制される。
実施の形態3.
実施の形態1の図1および実施の形態2の図5においては、セル3の長辺方向において1個の薄膜太陽電池セル3と1個のバイパスダイオード4とが配列されたモジュール構造を示したが、図8に示すようにセル3の長辺方向において薄膜太陽電池セル群32とバイパスダイオード群33とからなるユニット9をセル3の長辺方向において複数形成したモジュール構成としてもよい。図8は、実施の形態3にかかるモジュールの構造を示す平面図である。
このようなモジュール構造とすることにより、1個当たりのバイパスダイオードに流れる電流を減少させることができるため、バイパスダイオード4の耐久性が高まり、太陽電池モジュールとしての信頼性が改善される。
また、図1に示すモジュール構成では、あるセル3が動作不良を起こした場合に、全ての電流がバイパスダイオード4に流れる。これに対して、図8に示すモジュール構造の場合には、複数のユニット9のうち動作不良を起こしているセル3が属するユニット9のみで電流がバイパスダイオード4に迂回し、他のユニット9のセル3は正常動作しているので正常な直列の電流経路で電流が流れる。これにより、バイパスダイオード4に電流が流れることによる発電電力低下を抑制できる。
このようなユニット9をセル3の長辺方向において複数形成する場合には、左側の取り出し電極7L、右側の取り出し電極7Rの部分においてバイパスダイオードとバスバー配線交差部8が複数生じる。図9は、実施の形態3にかかるモジュールの右側の取り出し電極7Rにおけるバイパスダイオードとバスバー配線交差部8を拡大して示す模式図である。図9(a)は、バイパスダイオードとバスバー配線交差部8をセル3の形成面側から見た平面構成を示す。図9(b)は、バイパスダイオードとバスバー配線交差部8の断面構成を示し、図9(a)におけるD−D断面を示す。このバイパスダイオードとバスバー配線交差部8においては、バスバー配線6にかかる電圧のバイパスダイオード4に対する影響を無くすために、左側の取り出し電極7L、右側の取り出し電極7Rとバスバー配線6との間に絶縁シート36を挟んだ構造となっている。
また、図8に示される構造の場合には、それぞれ異なるユニット9に属するセル3とバイパスダイオード4とが、セル3の長辺方向において隣接している。この隣接しているセル3とバイパスダイオード4間での干渉による誤動作を避けるために、図9(a),(b)に示すように、それぞれ異なるユニット9に属して隣接するセル3とバイパスダイオード4との間に、裏面電極層14、半導体層13、表面透明電極層12の3層を貫通するユニット9間の分離のためのP4スクライブ溝35を設けて隣接するユニット9間を絶縁している。
上述したように、実施の形態3にかかるモジュールでは、太陽電池セル群32とバイパスダイオード群33とからなるユニット9を複数形成することにより、1つのバイパスダイオード4に流れる電流が低下する。このため、実施の形態3にかかるモジュールでは、バイパスダイオード4の耐久性が改善され、モジュールの信頼性が向上される。
また、実施の形態3にかかるモジュールでは、左側の取り出し電極7L、右側の取り出し電極7Rの部分においてバイパスダイオードとバスバー配線交差部8に絶縁シート36を設けること、隣接してそれぞれ異なるユニット9に属する薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4間を絶縁することにより、バイパスダイオード4の誤動作を防ぐことができる。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4にかかるモジュールの構造を示す平面図である。実施の形態1にかかるモジュール1では、セル3におけるセル3の直接接続方向に沿った2辺のうちの一方の辺に沿ってバイパスダイオード4が配置されていた。これに対して、実施の形態4にかかるモジュールでは、セル3における長手方向の両側、すなわちセル3の直接接続方向に沿った2辺に沿ってバイパスダイオード4が配置されている。
実施の形態4にかかるモジュールは、図10に示すように、複数の上側のバイパスダイオード4Uが直列接続されたバイパスダイオード群がセル3の長辺方向におおける上側に、複数の下側のバイパスダイオード4Dが直列接続されたバイパスダイオード群がセル3の長辺方向における下側に、セル群の上下を挟むように形成されている。なお、上側のバイパスダイオード4Uおよび下側のバイパスダイオード4Dを有すること以外は、実施の形態にかかるモジュールの基本的な構造は実施の形態1にかかるモジュール1と同じである。したがって、上側のバイパスダイオード4Uおよび下側のバイパスダイオード4Dは、セル3とは逆並列接続とされており直列配設の方向が逆になっている。また、便宜上、図の上下方向をセル3の長辺方向を長辺方向とする。
図11は、実施の形態4にかかるモジュールの詳細な構造を示す模式図である。図11(a)は、実施の形態4にかかるモジュールにおける上側のバイパスダイオード4Uの形成領域の断面構成を示し、図11(b)におけるA−A断面を示す。図11(b)は、実施の形態4にかかるモジュールをセル3の形成面側から見た平面構成を示す。図11(c)は、実施の形態4にかかるモジュールにおけるセル3の形成領域の断面構成を示し、図11(b)におけるB−B断面を示す。図11(d)は、実施の形態4にかかるモジュールにおける下側のバイパスダイオード4Dの形成領域の断面構成を示し、図11(b)におけるC−C断面を示す。実施の形態4にかかるモジュールでは、バイパスダイオード4に迂回する電流が、セル3の表面透明電極層12S中をその長手方向に流れる構造となっている。
図11に示されるように、P1スクライブ溝15、薄膜太陽電池セルのP2スクライブ溝16、薄膜太陽電池セルのP3スクライブ溝17の配置は、実施の形態1および実施の形態2で示した配置と同一である。上側のバイパスダイオード4Uの形成領域において、バイパスダイオードのP2スクライブ溝18UおよびバイパスダイオードのP3スクライブ溝19Uは、左から奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oと同一直線上の領域のみに形成されている。下側のバイパスダイオード4Dの形成領域において、バイパスダイオードのP2スクライブ溝18DおよびバイパスダイオードのP3スクライブ溝19Dは、左から偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eと同一直線上の領域のみに形成されている。
また、隣接するセル3と上側のバイパスダイオード4Uとの半導体層13同士および裏面電極層14同士は、薄膜太陽電池セル/バイパスダイオード分離用のP3スクライブ溝20Uにより分離されている。P3スクライブ溝20Uは、直列接続方向(セル3の短辺方向)の全幅において半導体層13および裏面電極層14を厚み方向に貫通するように形成されている。
また、隣接するセル3と下側のバイパスダイオード4Dとの半導体層13同士および裏面電極層14同士は、薄膜太陽電池セル/バイパスダイオード分離用のP3スクライブ溝20Dにより分離されている。P3スクライブ溝20Dは、直列接続方向(セル3の短辺方向)の全幅において半導体層13および裏面電極層14を厚み方向に貫通するように形成されている。
また、セル3の長辺方向におけるセル3と同一直線上の上下部分にバイパスダイオード4が形成されるが、動作不良セルが発生した際に、電流の迂回が上下における適切なバイパスダイオード4で行われるように、セル3とバイパスダイオード4とを分離するP1スクライブ溝としてP1スクライブ溝37UとP1スクライブ溝37Dとが形成されている。ここでのP1スクライブ溝37Uは、偶数番目の薄膜太陽電池セル3eの両側に形成されたP1スクライブ溝15同士を連結して、偶数番目の薄膜太陽電池セル3eの表面透明電極層12Sと上側のバイパスダイオード4Uの表面透明電極層12Bとを分離している。また、ここでのP1スクライブ溝37Dは、奇数番目の薄膜太陽電池セル3oの両側に形成されたP1スクライブ溝15同士を連結して、奇数番目の薄膜太陽電池セル3oの表面透明電極層12Sと下側のバイパスダイオード4Dの表面透明電極層12Bとを分離している。これにより、不必要な電流がセル3の表面透明電極層12Sから上側のバイパスダイオード4Uもしくは下側のバイパスダイオード4Dの表面透明電極層12Bに流入することが防止される。
このような構成により、上側のバイパスダイオード4Uと下側のバイパスダイオード4Dとは、それぞれ隣接した2つの薄膜太陽電池セル3に対応した位置に設けられている。上側のバイパスダイオード4Uは、左から奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oと、その次の左から偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eとに対応する位置に設けられている。上側のバイパスダイオード4Uは、左から奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3o同士を電気的に接続する。そして、上側のバイパスダイオード4Uは、表面透明電極層12Bが、対応する位置の隣接した2つの薄膜太陽電池セル3のうち奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oの表面透明電極層12Sに接続されることにより、薄膜太陽電池セル3に電気接続している。
一方、下側のバイパスダイオード4Dは、左から偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eと、その次の左から奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oとに対応する位置に設けられている。下側のバイパスダイオード4Dは、左から偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3e同士を電気的に接続する。そして、下側のバイパスダイオード4Dは、表面透明電極層12Bが、対応する位置の隣接した2つの薄膜太陽電池セル3のうち偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eの表面透明電極層12Sに接続されることにより、薄膜太陽電池セル3に電気接続している。
図11では、偶数番目の薄膜太陽電池セルである2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こした場合の電流の経路を矢印で示している。2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こした場合には、1番目の薄膜太陽電池セル3から2n−1番目の薄膜太陽電池セル38までは、正常な直列の電流経路(図11(b)、図11(c)に示される経路)で電流が流れる。
しかし、2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こして抵抗として働く。また、2n−1番目の薄膜太陽電池セル38の表面透明電極層12Sは、セル3の長辺方向において2n−1番目の薄膜太陽電池セル38と同一直線上に形成された下側のn番目のバイパスダイオード44の表面透明電極層12BとはP1スクライブ溝37Dにより分離されている。このため、2n−1番目の薄膜太陽電池セル38の表面透明電極層12Sに流れ込んだ電流は、該表面透明電極層12S中を2n番目の薄膜太陽電池セル40側ではなく、セル3の長辺方向において2n−1番目の薄膜太陽電池セル38と同一直線上に形成された上側のn番目のバイパスダイオード39の方向に流れる。すなわち、セル3の長辺方向に流れて、上側のn番目のバイパスダイオード39の表面透明電極層12Bに流れる。
そして、上側のn番目のバイパスダイオード39の表面透明電極層12Bに流れ込んだ電流は、上側のn番目のバイパスダイオード39の半導体層13Bを通り、上側のn番目のバイパスダイオード39の裏面電極層14Bに到達する(図11(a)、図11(b))。この電流は、n番目のバイパスダイオード39の裏面電極層14Bを通り、さらにセル3の長辺方向において2n+1番目の薄膜太陽電池セル42と同一直線上に形成されている上側のn+1番目のバイパスダイオード43とn番目のバイパスダイオード39との境界部分に形成されているバイパスダイオードのP2スクライブ溝18U内に形成されている裏面電極層14Bを通って、上側のn+1番目のバイパスダイオード43の表面透明電極層12Bに到達する。
ここで、2n+1番目の薄膜太陽電池セル42は正常に動作して電流を流すことができるため、上側のn+1番目のバイパスダイオード43の表面透明電極層12Bに到達した電流は、該表面透明電極層12B中を2n+1番目の薄膜太陽電池セル42に向かって流れ、2n+1番目の薄膜太陽電池セル42の表面透明電極層12Sに到達する。
その後、この電流は、セル郡中の正常な直列の電流経路(図11(b)、図11(c)に示される経路)を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。
上記のように、実施の形態4にかかるモジュールにおいては、2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こした場合には、電流が2n−1番目の薄膜太陽電池セル38から上側のn番目のバイパスダイオード39、上側のn+1番目のバイパスダイオード43に迂回して、2n+1番目の薄膜太陽電池セル42に流れる。これにより、動作不良を起こしている2n番目の薄膜太陽電池セル40の表面透明電極層12Sおよび裏面電極層14Sを通ることなく、完全に2n番目の薄膜太陽電池セル40を迂回した形で電流が流れる。これにより、n番目の薄膜太陽電池セル40分の電圧降下の電圧降下しか発生せず、発電電力の低下も抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下が防止される。
また、奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル30が動作不良となった場合においては、今度は動作不良を起こしているセル3を完全に迂回する形で、下側のバイパスダイオード4Dを電流が流れる。
図12は、実施の形態4にかかるモジュールにおいて、左右の取り出し電極に隣接する薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合の電流の流れを示す模式図である。図12(a)は図11(a)に、図12(b)は図11(b)に、図12(c)は図11(c)に、図12(d)は図11(d)にそれぞれ対応している。
左側の取り出し電極7Lと、その上下に隣接して形成されている下側のバイパスダイオード4Dの裏面電極層14とは、P3スクライブ溝20UおよびP3スクライブ溝20Dによりそれぞれ分離されている。また、左側の取り出し電極7Lの下部の表面透明電極層12Bと、その上側に形成された上側のバイパスダイオード4Uの表面透明電極層12Bとは、P1スクライブ溝41Uにより分離されている。なお、P1スクライブ溝41Uは、偶数番目のセル3とその上側のバイパスダイオード4Uとを分離しているP1スクライブ溝37Uと同一直線上に形成すると、レーザースクライブ加工による溝形成の簡便化が図れる。
このため、左側の取り出し電極7Lに隣接する1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良を起こした場合は、セル3の長辺方向において左側の取り出し電極7Lと同一直線上の下側に形成されている下側のバイパスダイオード4Dである下側の1番目のバイパスダイオード45に電流を迂回させる必要がある。この場合、下側の1番目のバイパスダイオード45では、表面透明電極層12Bから裏面電極14Bに向かって電流が流れるので、下側の1番目のバイパスダイオード45の表面透明電極層12Bに電流を注入する必要がある。
このため、左側の取り出し電極7LのP2スクライブ溝22Lにより、左側の取り出し電極7Lの裏面電極層14Sとその下部の表面透明電極層12Sとの電気接続が確保されている。P2スクライブ溝22Lには左側の取り出し電極7Lが埋め込まれている。これにより、左側の取り出し電極7Lの下部の表面透明電極層12Sから、下側の1番目のバイパスダイオード45の表面透明電極層12Bに電流が流れる経路が形成されている。
左側の取り出し電極7Lの下部の表面透明電極層12Sから、下側の1番目のバイパスダイオード45の表面透明電極層12Bに到達した電流は、下側の1番目のバイパスダイオード45の半導体層13B、セル3の長辺方向において2番目の薄膜太陽電池セル3L2と同一直線上の下側に形成されている下側の2番目のバイパスダイオード46と下側の1番目のバイパスダイオード45との間に形成されたバイパスダイオードのP2スクライブ溝18内に形成されている裏面電極層14B、下側の2番目のバイパスダイオード46の表面透明電極層12Bの順で流れる。さらに、下側の2番目のバイパスダイオード46の表面透明電極層12Bから2番目の薄膜太陽電池セル3L2の表面透明電極層12Sに流れ、正常な直列の電流経路に復帰する。
なお、この迂回経路が、奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セルが動作不良となった場合において動作不良を起こしているセル3を完全に迂回する形で、下側のバイパスダイオード4Dを電流が流れる場合の迂回経路に該当する。この場合、左側の取り出し電極7Lが奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セルに該当する。
上記のように、実施の形態4にかかるモジュールにおいては、左側の取り出し電極7Lに隣接する1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良を起こした場合には、電流が左側の取り出し電極7Lから下側の1番目のバイパスダイオード45と下側の2番目のバイパスダイオード46とに迂回して、2番目の薄膜太陽電池セル3L2の表面透明電極層12Sに流れる。これにより、動作不良を起こしている1番左側の薄膜太陽電池セル3Lの裏面電極層14S、半導体層13S、表面透明電極層12Sを通ることなく、1番左側の薄膜太陽電池セル3Lを迂回した形で電流が流れる。これにより、1番左側の薄膜太陽電池セル3L分の電圧降下しか発生せず、発電電力の低下も抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下が防止される。
次に、右側の取り出し電極7Rに隣接した一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが動作不良になった場合の電流の経路について図12を参照して説明する。図12では、一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが偶数番目(2n番目)の場合について示している。一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが動作不良となった場合には、電流は、右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2の表面透明電極層12Sから、セル3の長辺方向において右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2と同一直線上に形成されている上側のバイパスダイオード4Uである上側の4番目のバイパスダイオード51の表面透明電極層12B、上側の4番目のバイパスダイオード51の半導体層13B、上側の4番目のバイパスダイオード51の裏面電極層14B、セル3の長辺方向において右側の取り出し電極7Rと同一直線上の上側に形成されている上側の5番目のバイパスダイオード52と上側の4番目のバイパスダイオード51との間に形成されたバイパスダイオードのP2スクライブ溝18内に形成されている裏面電極層14B、上側の5番目のバイパスダイオード52の表面透明電極層12Bの順で流れて、右側の取り出し電極7Rの下部の表面透明電極層12Sに到達する。
この電流は、最終的には右側の取り出し電極7Rに到達する必要がある。このため、右側の取り出し電極7RのP2スクライブ溝22R内に右側の取り出し電極7Rが埋め込まれることにより、右側の取り出し電極7Rと該右側の取り出し電極7Rの下部の表面透明電極層12S間の電気接続が確保されている。これにより、右側の取り出し電極7Rの下部の表面透明電極層12Sから、右側の取り出し電極7Rに電流が流れる。
上記のように、実施の形態4にかかるモジュールにおいては、右側の取り出し電極7Rに隣接する一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが動作不良を起こした場合には、電流が右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2から、上側の4番目のバイパスダイオード51と上側の5番目のバイパスダイオード52とに迂回して、右側の取り出し電極7Rの下部の表面透明電極層12Sに流れる。これにより、動作不良を起こしている一番右側の薄膜太陽電池セル3Rの裏面電極層14S、半導体層13、表面透明電極層12Sを通ることなく、一番右側の薄膜太陽電池セル3Rを迂回した形で電流が流れる。これにより、一番右側の薄膜太陽電池セル3R分の電圧降下しか発生せず、発電電力の低下も抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下が防止される。
上記のように、実施の形態4にかかるモジュールでは、左側の取り出し電極7L(裏面電極層14S)とその下部の表面透明電極層12Sとの間、また右側の取り出し電極7R(裏面電極層14S)とその下部の表面透明電極層12Sとの間に導通を確保しておく必要がある。この導通に関しては、上述したように、接続用のP2スクライブ溝22L、P2スクライブ溝22Rを形成する方法の他に、バスバー配線6が左側の取り出し電極7Lおよび右側の取り出し電極7Rの下部の表面透明電極層12Bまで突き抜けた構成とすることにより導通を確保してもよい。この場合は、バスバー配線6を左側の取り出し電極7Lおよび右側の取り出し電極7Rに接続する際に、超音波接合などによりバスバー配線6が左側の取り出し電極7Lおよび右側の取り出し電極7Rの下部の表面透明電極層12Bまで突き抜けさせて接続すればよい。
更に、セル3の長辺方向において右側の取り出し電極7Rと同一直線上の下側に形成されている下側のバイパスダイオード4Dである下側の5番目のバイパスダイオード53に対する電流の流入を防止するために、右側の取り出し電極7Rの下部の表面透明電極層12Sと下側の5番目のバイパスダイオード53の表面透明電極層12Sと分離するP1スクライブ溝41Dが形成されている。このP1スクライブ溝41Dは、奇数番目の薄膜太陽電池セルとその下側のバイパスダイオード4Dとを分離するP1スクライブ溝37Dと同一直線上に形成すると、レーザースクライブ加工による溝形成の簡便化が図れる。
上記においては、一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが偶数番目(2n番目)のセルである場合について述べたが、一番右側の薄膜太陽電池セルが奇数番目(2n−1番目)の場合には、右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2の表面透明電極層12Sから、セル3の長辺方向において右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2と同一直線上に形成されている下側のバイパスダイオードの表面透明電極層12Bに流れ、セル3の長辺方向において右側の取り出し電極7Rと同一直線上の下側に形成されているバイパスダイオードを経由して右側の取り出し電極7Rの下部の表面透明電極層12Sに到達する。
この場合は、右側の取り出し電極7Rの下部の表面透明電極層12Sと、使用しないバイパスダイオード4(右側の取り出し電極7Rの上側のバイパスダイオード52)の表面透明電極層12Bとを分離するP1スクライブ溝が設けられる。このP1スクライブ溝は、偶数番目の薄膜太陽電池セルとその上側のバイパスダイオード4Uとを分離するP1スクライブ溝37Dと同一直線上に形成すると、レーザースクライブ加工による溝形成の簡便化が図れる。
次に、直列接続方向において連続した2つの薄膜太陽電池セル3(左から2n番目と2n+1番目のセル3)が動作不良を起こした場合の電流経路について説明する。図13は、実施の形態4にかかるモジュールにおいて連続した2つの薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合のモジュールにおける電流の流れを示す模式図である。図13(a)は図11(a)に、図13(b)は図11(b)に、図13(c)は図11(c)に、図13(d)は図11(d)にそれぞれ対応している。
2n番目の薄膜太陽電池セル40と2n+1番目の薄膜太陽電池セル42との連続したセル3が動作不良を起こした場合には、1番目の薄膜太陽電池セル3から2n−1番目の薄膜太陽電池セル38の表面透明電極層12Sまでは、正常な直列の電流経路(図13(b)、図13(c)に示される経路)で電流が流れる。
しかし、2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こして抵抗として働く。また、2n−1番目の薄膜太陽電池セル38の表面透明電極層12Sは、セル3の長辺方向において2n−1番目の薄膜太陽電池セル38と同一直線上に形成された下側のn番目のバイパスダイオード44の表面透明電極層12BとはP1スクライブ溝37Dにより分離されている。このため、2n−1番目の薄膜太陽電池セル38の表面透明電極層12Sに流れ込んだ電流は、該表面透明電極層12S中を2n番目の薄膜太陽電池セル40側ではなく、セル3の長辺方向において2n−1番目の薄膜太陽電池セル38と同一直線上に形成された上側のn番目のバイパスダイオード39の方向に流れる。すなわち、セル3の長辺方向に流れて、上側のn番目のバイパスダイオード39の表面透明電極層12Bに流れる。
この電流は、上側のn番目のバイパスダイオード39の半導体層13B、上側のn番目のバイパスダイオード39の裏面電極層14Bを通り、さらにセル3の長辺方向において2n+1番目の薄膜太陽電池セル42と同一直線上に形成されている上側のn+1番目のバイパスダイオード43と上側のn番目のバイパスダイオード39との境界部分に形成されているバイパスダイオードのP2スクライブ溝18U内の裏面電極層14Bを流れて、上側のn+1番目のバイパスダイオード43の表面透明電極層12Bに到達する。
なお、上側のn番目のバイパスダイオード39の表面透明電極層12Bと、2n番目の薄膜太陽電池セル40の表面透明電極層12SとはP1スクライブ溝15とP1スクライブ溝37Uにより分離されているため、上側のn番目のバイパスダイオード39の表面透明電極層12Bから2n番目の薄膜太陽電池セル40の表面透明電極層12Sには電流は流れない。
ここで、2n+1番目の薄膜太陽電池セル42は正常に動作して電流を流すことができるため、上側のn+1番目のバイパスダイオード43の表面透明電極層12Bに到達した電流は、n+1番目のバイパスダイオード43の表面透明電極層12B中を2n+1番目の薄膜太陽電池セル42に向かって流れ、2n+1番目の薄膜太陽電池セル42の表面透明電極層12Sに到達する。
その後、この電流は、セル郡中の正常な直列の電流経路(図13(b)、図13(c)に示される経路)を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。なお、図13に示した電流の経路は、図11に示した1個の薄膜太陽電池セル3が動作不良となった場合と同様の経路である。
上記のように、実施の形態4にかかるモジュール1においては、連続した2個の薄膜太陽電池セル3(2n番目の薄膜太陽電池セル40と2n+1番目の薄膜太陽電池セル42)が動作不良を起こした場合には、電流が2n−1番目の薄膜太陽電池セル38から、上側のn番目のバイパスダイオード39と上側のn+1番目のバイパスダイオード43とに迂回して、2n+1番目の薄膜太陽電池セル42の表面透明電極層12Sに流れる。これにより、動作不良を起こしている2n番目の薄膜太陽電池セル40の全てと、2n+1番目の薄膜太陽電池セル42の裏面電極層14S、半導体層13を通ることなく、2n番目の薄膜太陽電池セル40と2n+1番目の薄膜太陽電池セル42とを迂回した形で電流が流れる。これにより、2n番目の薄膜太陽電池セル40と2n+1番目の薄膜太陽電池セル42との分の電圧降下しか発生せず、発電電力の低下も抑制され、バイパスダイオードが無い場合のような大幅な発電電力の低下が防止される。
次に、直列接続方向において連続した3つの薄膜太陽電池セル3(左から2n−1番目、2n番目、2n+1番目のセル3)が動作不良を起こした場合の電流経路について説明する。図14は、実施の形態4にかかるモジュールにおいて連続した3つの薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合のモジュールにおける電流の流れを示す模式図である。図14(a)は図11(a)に、図14(b)は図11(b)に、図14(c)は図11(c)に、図14(d)は図11(d)にそれぞれ対応している。
2n−1番目の薄膜太陽電池セル38、2n番目の薄膜太陽電池セル40、2n+1番目の薄膜太陽電池セル42との連続した3つのセルが動作不良セル11になった場合には、1番目の薄膜太陽電池セル3から2n−2番目の薄膜太陽電池セル54の表面透明電極層12Sまでは、正常な直列の電流経路(図14(b)、図14(c)に示される経路)で電流が流れる。
しかし、2n−1番目の薄膜太陽電池セル38が動作不良を起こして抵抗として働く。また、2n−2番目の薄膜太陽電池セル54の表面透明電極層12Sは、セル3の長辺方向において2n−1番目の薄膜太陽電池セル38と同一直線上に形成された上側のn番目のバイパスダイオード55の表面透明電極層12BとはP1スクライブ溝37Dにより分離されている。このため、2n−2番目の薄膜太陽電池セル54の表面透明電極層12Sに流れ込んだ電流は、該表面透明電極層12S中を2n−1番目の薄膜太陽電池セル38側ではなく、セル3の長辺方向において2n−2番目の薄膜太陽電池セル54と同一直線上に形成された下側のn番目のバイパスダイオード56の方向に流れる。すなわち、セル3の長辺方向に流れて、下側のn番目のバイパスダイオード56の表面透明電極層12Bに流れる。
この電流は、n番目のバイパスダイオード56の半導体層13B、n番目のバイパスダイオード56の裏面電極層14Bを通り、さらにセル3の長辺方向において2n番目の薄膜太陽電池セル40と2n+1番目の薄膜太陽電池セル42との同一直線上に形成されている下側のn+1番目のバイパスダイオード57と下側のn番目のバイパスダイオード56との境界部分に形成されているバイパスダイオードのP2スクライブ溝18U内の裏面電極層14Bを流れて、下側のn+1番目のバイパスダイオード57の表面透明電極層12Bに到達する。
なお、2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こして抵抗として働く。このため、下側のn+1番目のバイパスダイオード57の表面透明電極層12Bに流れ込んだ電流は、2n番目の薄膜太陽電池セル40の表面透明電極層12Sには流れない。また、下側のn番目のバイパスダイオード56の裏面電極層14Bと、2n−1番目の薄膜太陽電池セル38の裏面電極層14SとはP3スクライブ溝20Dにより分離されているため、下側のn番目のバイパスダイオード56の裏面電極層14Bから2n−1番目の薄膜太陽電池セル38の裏面電極層14Sには電流は流れない。
そして、下側のn+1番目のバイパスダイオード57の裏面電極層14Bと、2n番目の薄膜太陽電池セル40および2n+1番目の薄膜太陽電池セル42の裏面電極層14SとはP3スクライブ溝20Dにより分離されている。このため、下側のn+1番目のバイパスダイオード57の表面透明電極層12Bに到達した電流は、2n+2番目の薄膜太陽電池セル58と同一直線上に形成されている下側のn+2番目のバイパスダイオード59と下側のn+1番目のバイパスダイオード57との境界部分に形成されているバイパスダイオードのP2スクライブ溝18U内の裏面電極層14Bを流れて、下側のn+2番目のバイパスダイオード59の表面透明電極層12Bに到達する。
ここで、2n+2番目の薄膜太陽電池セル58は正常に動作して電流を流すことができるため、下側のn+2番目のバイパスダイオード59の表面透明電極層12Bに到達した電流は、2n+2番目の薄膜太陽電池セル58に向かって流れ、2n+2番目の薄膜太陽電池セル58の表面透明電極層12Sに到達する。その後、電流は正常な直列の電流経路(図14(b)、図14(c)に示される経路)を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。
同様に、連続した4つ以上の薄膜太陽電池セル3が動作不良になった場合においても、上記と同様に複数のバイパスダイオード4を経由して電流が流れる。
集積型薄膜太陽電池モジュールにおいては、セルに発生する短絡欠陥を逆バイアス処理で焼切る処理を行うことが一般的である。しかし、例えば特許文献1で開示されている構造においては、逆バイアス処理を行った場合に電流がバイパスダイオードに流入してしまうため、短絡箇所を焼切ることができない。
また、例えば特許文献2で開示されている構造においては、薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとを接続領域により接続するため構造が複雑である。さらに、逆バイアス処理を行った後に薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとを、導電材料を塗布することで接続しなくてはならないため、工程が複雑になるとともに工程数が増大する。また、薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとが、導電材料を塗布することで接続されるため、導電材料塗布工程による薄膜太陽電池セルやバイパスダイオードへのダメージや、塗布位置ずれによる短絡が発生するおそれがある。
これに対して、実施の形態4にかかるモジュールは、奇数番目の薄膜太陽電池セル3同士および偶数番目の薄膜太陽電池セル3同士がバイパスダイオード4で接続された構造を有する。このため、奇数番目の薄膜太陽電池セル3と偶数番目の薄膜太陽電池セル3との間はバイパスダイオード4で接続されていない。これにより、隣接する薄膜太陽電池セル3間に逆電圧を印加して実施する逆バイアス処理を行っても、バイパスダイオード4側に電流が流出することはない。したがって、実施の形態4にかかるモジュールでは、薄膜太陽電池セル3に生じた短絡経路を、逆バイアス処理を行うことにより焼き切ることができる。
上述したように、実施の形態4にかかるモジュールでは、偶数番目の薄膜太陽電池セル3が動作不良となった場合には、その1つ手前の奇数番目の薄膜太陽電池セル3から、セル3の長辺方向において該奇数番目の薄膜太陽電池セル3と同一直線上に形成されたバイパスダイオード4に電流が迂回して、直列接続方向における下流側の奇数番目の薄膜太陽電池セル3に流れる。また、奇数番目の薄膜太陽電池セル3が動作不良となった場合には、その1つ手前の偶数番目の薄膜太陽電池セル3から、薄膜太陽電池セル3の長辺方向において該偶数番目の薄膜太陽電池セル3と同一直線上に形成されたバイパスダイオード4に電流が迂回して、直列接続方向における下流側の偶数番目の薄膜太陽電池セル3に流れる。
これにより、実施の形態4にかかるモジュールによれば、影等の影響により動作不良を起こした薄膜太陽電池セル3が発生した場合においても、バイパスダイオード4を介して電流が流れるため、動作不良セルの電流低下による集積型薄膜太陽電池モジュールの発電電流への影響が抑制され、集積型薄膜太陽電池モジュールの発電電力の低下が抑制される。
そして、実施の形態4にかかるモジュール1では、複雑なパターニングや新規工程の導入による複雑な接続構成を備えることなく、製造が容易な構成により上述した電流の迂回を実現することが可能である。これにより、実施の形態4にかかるモジュールでは、発電特性と信頼性に優れた集積型薄膜太陽電池モジュールを簡便な構成により実現できる。
また、実施の形態4にかかるモジュールによれば、奇数番目の薄膜太陽電池セル3同士および偶数番目の薄膜太陽電池セル3同士をバイパスダイオード4により接続することにより、逆バイアス処理による薄膜太陽電池セル3内の短絡箇所の切断が可能である。
そして、実施の形態4にかかるモジュールによれば、薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4との接続のための新たな工程が不要であり、簡単な構成により逆バイアス処理が可能とされている。
実施の形態5.
図15は、実施の形態5にかかるモジュールの詳細な構造を示す模式図である。図15(a)は、実施の形態5にかかるモジュールにおける上側のバイパスダイオード4Uの形成領域の断面構成を示し、図15(b)におけるA−A断面を示す。図15(b)は、実施の形態5にかかるモジュールをセル3の形成面側から見た平面構成を示す。図15(c)は、実施の形態5にかかるモジュールにおけるセル3の形成領域の断面構成を示し、図15(b)におけるB−B断面を示す。図15(d)は、実施の形態5にかかるモジュールにおける下側のバイパスダイオード4Dの形成領域の断面構成を示し、図15(b)におけるC−C断面を示す。
実施の形態5にかかるモジュールも実施の形態4の場合と同様にセル3における長手方向の両側にバイパスダイオード4が形成されており、奇数番目の薄膜太陽電池セル3同士および偶数番目の薄膜太陽電池セル3同士がそれぞれバイパスダイオード4で電気接続されている。ただし、実施の形態5にかかるモジュールでは、バイパスダイオード4に迂回する電流が、薄膜太陽電池セル3の裏面電極層14S中をその長手方向に流れる構造となっている。
図15に示されるように、P1スクライブ溝15、セルのP2スクライブ溝16、セルのP3スクライブ溝17、およびバイパスダイオードのP2スクライブ溝18、バイパスダイオードのP3スクライブ溝19の位置関係は、実施の形態4の図11に示されるモジュールの場合と同一である。
しかしながら、実施の形態5にかかるモジュールにおいては、セル3とその上下に形成されるバイパスダイオード4U,4Dとを分離するP1スクライブ溝37U,37Dが、直列接続方向(セル3の短辺方向)の全幅において半導体層13および裏面電極層14を厚み方向に貫通するように形成されている。
一方、動作不良セルが発生した際に、電流の迂回が上下における適切なバイパスダイオード4で行われるように、セル3とバイパスダイオード4を分離するP3スクライブ溝としてP3スクライブ溝20UとP3スクライブ溝20Dとが不連続に形成されている。P3スクライブ溝20Uは、奇数番目の薄膜太陽電池セル3oの両側に形成されたセルのP3スクライブ溝17同士を連結して、奇数番目の薄膜太陽電池セル3oの裏面電極層14Sと上側のバイパスダイオード4Uの裏面電極層14Bとを分離している。P3スクライブ溝20Dは、偶数番目の薄膜太陽電池セル3eの両側に形成されたセルのP3スクライブ溝17同士を連結して、偶数番目の薄膜太陽電池セル3eの裏面電極層14Sと下側のバイパスダイオード4Dの裏面電極層14Bとを分離している。これにより、不必要な電流がセル3の裏面電極層14Sから上側のバイパスダイオード4Uもしくは下側のバイパスダイオード4Dの裏面電極層14Bに流入することが防止される。
このような構成により、上側のバイパスダイオード4Uと下側のバイパスダイオード4Dとは、それぞれ隣接した2つの薄膜太陽電池セル3に対応した位置に設けられている。上側のバイパスダイオード4Uは、左から奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oと、その次の左から偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eとに対応する位置に設けられている。上側のバイパスダイオード4Uは、左から偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3e同士を電気的に接続する。そして、上側のバイパスダイオード4Uは、裏面電極層14Bが、対応する位置の隣接した2つの薄膜太陽電池セル3のうち偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eの裏面電極層14Sに接続されることにより、薄膜太陽電池セル3に電気接続している。
一方、下側のバイパスダイオード4Dは、左から偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eと、その次の左から奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oとに対応する位置に設けられている。下側のバイパスダイオード4Dは、左から奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3o同士を電気的に接続する。そして、下側のバイパスダイオード4Dは、裏面電極層14Bが、対応する位置の隣接した2つの薄膜太陽電池セル3のうち奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oの裏面電極層14Sに接続されることにより、薄膜太陽電池セル3に電気接続している。
図15では、偶数番目の薄膜太陽電池セルである2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こした場合の電流の経路を矢印で示している。2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こした場合には、1番目の薄膜太陽電池セル3から2n番目の薄膜太陽電池セル40の裏面電極層14Sまでは、正常な直列の電流経路(図15(b)、図15(c)に示される経路)で電流が流れる。
しかし、2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こして抵抗として働く。このため、電流は2n番目の薄膜太陽電池セル40の半導体層13Sを流れることができない。また、2n番目の薄膜太陽電池セル40の裏面電極層14Sは、セル3の長辺方向において2n番目の薄膜太陽電池セル40と同一直線上に形成された下側のn+1番目のバイパスダイオード57の裏面電極層14BとはP3スクライブ溝20Dにより分離されている。このため、2n番目の薄膜太陽電池セル40の裏面電極層14Sに流れ込んだ電流は、裏面電極層14S中を、セル3の長辺方向において2n番目の薄膜太陽電池セル40と同一直線上に形成された上側のn番目のバイパスダイオード39の方向に流れる。すなわち、セル3の長辺方向に流れて、上側のn番目のバイパスダイオード39の裏面電極層14Bに流れる。
そして、この電流は、セル3の長辺方向において2n+1番目の薄膜太陽電池セル42および2n+2番目の薄膜太陽電池セル58と同一直線上に形成されている上側のn+1番目のバイパスダイオード43と上側のn番目のバイパスダイオード39との境界部分に形成されているバイパスダイオードのP2スクライブ溝18U内に形成されている裏面電極層14Bを通って、上側のn+1番目のバイパスダイオード43の表面透明電極層12Bに到達する(図15(a)、図15(b))。
この電流は、上側のn+1番目のバイパスダイオード43の半導体層13B中を通って上側のn+1番目のバイパスダイオード43の裏面電極層14Bに到達する。
ここで、2n+2番目の薄膜太陽電池セル58は正常に動作して電流を流すことができるため、上側のn+1番目のバイパスダイオード43の裏面電極層14Bに到達した電流は、該裏面電極層14B中を2n+2番目の薄膜太陽電池セル58に向かって流れ、2n+2番目の薄膜太陽電池セル58の裏面電極層14Sに到達する。その後、この電流は、セル郡中の正常な直列の電流経路(図15(b)、図15(c)に示される経路)を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。
上記のように、実施の形態5にかかるモジュールにおいては、2n番目の薄膜太陽電池セル40が動作不良を起こした場合には、電流が2n番目の薄膜太陽電池セル40から上側のn番目のバイパスダイオード39、上側のn+1番目のバイパスダイオード43に迂回して、2n+2番目の薄膜太陽電池セル58に流れる。これにより、動作不良を起こしている2n番目の薄膜太陽電池セル40を迂回した形で電流が流れる。
また、詳細な説明は省略するが、左から奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セルが動作不良になった場合には、該セルを迂回する形で、下側のバイパスダイオード4Dに電流が流れる。すなわち、2n−1番目の薄膜太陽電池セルの裏面電極層14S、セルの長辺方向において2n−1番目の薄膜太陽電池セルと同一直線上に形成されている下側のn番目のバイパスダイオードの裏面電極層14B、2n番目および2n+1番目の薄膜太陽電池セルと同一直線上に形成されている下側のn+1番目のバイパスダイオードと下側のn番目のバイパスダイオードとの境界部分に形成されているバイパスダイオードのP2スクライブ溝18U内に形成されている裏面電極層14B、下側のn+1番目のバイパスダイオードの表面透明電極層12B、下側のn+1番目のバイパスダイオードの半導体層13B、下側のn+1番目のバイパスダイオードの裏面電極層14Bを通って、2n+1番目の薄膜太陽電池セルの裏面電極層14Sに到達する。その後、この電流は、セル郡中の正常な直列の電流経路を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。
また、詳細な説明は省略するが、実施の形態5にかかるモジュールにおいても、連続した複数の薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合でも実施の形態4の場合と同様に、1個もしくは複数のバイパスダイオード4を迂回して電流が流れることが可能である。
図16は、実施の形態5にかかるモジュールにおいて、左右の取り出し電極に隣接する薄膜太陽電池セル3が動作不良を起こした場合の電流の流れを示す模式図である。図16(a)は図15(a)に、図16(b)は図15(b)に、図16(c)は図15(c)に、図16(d)は図15(d)にそれぞれ対応している。
左側の取り出し電極7Lの下部の表面透明電極層12Sと、その上下に隣接して形成されている上側のバイパスダイオード4Uおよび下側のバイパスダイオード4Dの表面透明電極層12Bとは、P1スクライブ溝37UおよびP1スクライブ溝37Dによりそれぞれ分離されている。また、左側の取り出し電極7Lと、その上側に形成された上側のバイパスダイオード4Uの裏面電極層14Bとは、1番左側の薄膜太陽電池セル3Lとその上側のバイパスダイオード4Uとを分離しているP3スクライブ溝20Uが左側の取り出し電極7Lの左端まで延長されることにより分離されている。
このため、左側の取り出し電極7Lに隣接する1番左側の薄膜太陽電池セル3Lが動作不良を起こした場合は、1番左側の薄膜太陽電池セル3Lの裏面電極層14Sから、セル3の長辺方向において該セル3Lと同一直線上の下側に形成されている下側の1番目のバイパスダイオード45の裏面電極層14Bに電流が流れ込む。この電流は、セル3の長辺方向において2番目の薄膜太陽電池セル3L2と同一直線上の下側に形成されている下側の2番目のバイパスダイオード46と下側の1番目のバイパスダイオード45との境界部分に形成されたバイパスダイオードのP2スクライブ溝18内に形成されている裏面電極層14B、下側の2番目のバイパスダイオード46の表面透明電極層12B、下側の2番目のバイパスダイオード46の半導体層13B、下側の2番目のバイパスダイオード46の裏面電極14Bを通って、3番目の薄膜太陽電池セル60の裏面電極層14Sに到達する。
その後、この電流は、セル郡中の正常な直列の電流経路を通り、最終的には右側の取り出し電極7Rからバスバー配線6に到達する。
次に、右側の取り出し電極7Rに隣接した一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが動作不良になった場合の電流の経路について図16を参照して説明する。図16では、一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが偶数番目(2n番目)の場合について示している。一番右側の薄膜太陽電池セル3Rが動作不良となった場合には、電流は、右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2の裏面電極層14Sから、セル3の長辺方向において右から2番目の薄膜太陽電池セル3R2と同一直線上に形成されている上側のバイパスダイオード4Uである上側の4番目のバイパスダイオード51の裏面電極層14B、セル3の長辺方向において右側の取り出し電極7Rと同一直線上の上側に形成されている上側の5番目のバイパスダイオード52と上側の4番目のバイパスダイオード51との境界部分に形成されたバイパスダイオードのP2スクライブ溝18内に形成されている裏面電極層14B、上側の5番目のバイパスダイオード52の表面透明電極層12B、上側の5番目のバイパスダイオード52の半導体層13B、上側の5番目のバイパスダイオード52の裏面電極層14Bの順で流れて、右側の取り出し電極7Rに到達する。この電流は、最終的に、右側の取り出し電極7Rに流れる。
なお、実施の形態5にかかるモジュールと実施の形態4にかかるモジュールとの相違点は薄膜太陽電池セル3からバイパスダイオード4に向かう電流が、実施の形態4の場合は表面透明電極層12Sを流れ、実施の形態5の場合は裏面電極層14Sを流れる点である。したがって、実施の形態5にかかるモジュールでは、実施の形態4にかかるモジュールと同様に、複数の連続した薄膜太陽電池セル3が動作不良となった場合においても、実施の形態4の場合と同様に1個もしくは複数のバイパスダイオード4を迂回して電流が流れることが可能である。
このような実施の形態5にかかるモジュールは、奇数番目の薄膜太陽電池セル3同士および偶数番目の薄膜太陽電池セル3同士がバイパスダイオード4で接続された構造を有する。このため、奇数番目の薄膜太陽電池セル3と偶数番目の薄膜太陽電池セル3との間はバイパスダイオード4で接続されていない。これにより、隣接する薄膜太陽電池セル3間に逆電圧を印加して実施する逆バイアス処理を行っても、バイパスダイオード4側に電流が流出することはない。したがって、実施の形態5にかかるモジュールは、薄膜太陽電池セル3に生じた短絡経路を、逆バイアス処理を行うことにより焼き切ることができる。
上述したように、実施の形態5にかかるモジュールでは、偶数番目の薄膜太陽電池セル3が動作不良となった場合には、その偶数番目の薄膜太陽電池セル3から、セル3の長辺方向において該偶数番目の薄膜太陽電池セル3と同一直線上に形成されたバイパスダイオード4に電流が迂回して、直列接続方向における下流側の偶数番目の薄膜太陽電池セル3に流れる。また、奇数番目の薄膜太陽電池セル3が動作不良となった場合には、その奇数番目の薄膜太陽電池セル3から、薄膜太陽電池セル3の長辺方向において該奇数番目の薄膜太陽電池セル3と同一直線上に形成されたバイパスダイオード4に電流が迂回して、直列接続方向における下流側の奇数番目の薄膜太陽電池セル3に流れる。
これにより、実施の形態5にかかるモジュールによれば、影等の影響により動作不良を起こした薄膜太陽電池セル3が発生した場合においても、バイパスダイオード4を介して電流が流れるため、動作不良セルの電流低下による集積型薄膜太陽電池モジュールの発電電流への影響が抑制され、集積型薄膜太陽電池モジュールの発電電力の低下が抑制される。
そして、実施の形態5にかかるモジュールでは、複雑なパターニングや新規工程の導入による複雑な接続構成を備えることなく、製造が容易な構成により上述した電流の迂回を実現することが可能である。これにより、実施の形態5にかかるモジュールでは、発電特性と信頼性に優れた集積型薄膜太陽電池モジュールを簡便な構成により実現できる。
また、実施の形態5にかかるモジュールによれば、奇数番目の薄膜太陽電池セル3同士および偶数番目の薄膜太陽電池セル3同士をバイパスダイオード4により接続することにより、逆バイアス処理による薄膜太陽電池セル3内の短絡箇所の切断が可能である。
そして、実施の形態5にかかるモジュールによれば、薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4との接続のための新たな工程が不要であり、簡単な構成により逆バイアス処理が可能とされている。
更に、実施の形態5にかかるモジュールにおいては、動作不良を起こしたセル3を迂回する電流は主に裏面電極層14中をその長手方向に流れる。実施の形態4にかかるモジュールにおいては、動作不良を起こしたセル3を迂回する電流は主に表面透明電極12中をその長手方向に流れる。一般的に表面透明電極のシート抵抗は10Ω/□〜20Ω/□と大きい。このため、表面透明電極の長手方向に電流が流れた場合には、表面透明電極の抵抗に起因する発電電力の損失が発生する。
しかしながら、上述したように実施の形態5にかかるモジュールにおいては、動作不良を起こしたセル3を迂回する電流は主に裏面電極層14を構成する金属膜(AgもしくはAl等)中をその長手方向に流れ、裏面電極層を構成する金属膜のシート抵抗は、数10mΩ/□〜数100mΩ/□であり表面透明電極のシート抵抗より小さい。このため、実施の形態5にかかるモジュールは、実施の形態4にかかるモジュール1と比較して抵抗損失に伴う発電電力の低下が抑制される。
実施の形態6.
実施の形態4の図11および実施の形態5の図15においては、セル3の長辺方向において薄膜太陽電池セル3の上下両側に上側のバイパスダイオード4U、下側のバイパスダイオード4Dが配列されたモジュール構造を示したが、図17に示すようにセル3の長辺方向においてバイパスダイオード群33Uと薄膜太陽電池セル群32とバイパスダイオード群33Dとからなるユニット9をセル3の長辺方向において複数形成したモジュール構成としてもよい。バイパスダイオード群33Uは、上側のバイパスダイオード4Uがセル3の直列接続方向において電気的に直列接続されている。バイパスダイオード群33Dは、上側のバイパスダイオード4Dがセル3の直列接続方向において電気的に直列接続されている。図17は、実施の形態6にかかるモジュールの構造を示す平面図である。
このようなモジュール構造とすることにより、1個当たりのバイパスダイオードに流れる電流を減少させることができるため、バイパスダイオード4の耐久性が高まり、太陽電池モジュールとしての信頼性が改善される。
また、図11に示すモジュール構成では、あるセル3が動作不良を起こした場合に、全ての電流がバイパスダイオード4に流れる。これに対して、図17に示すモジュール構造の場合には、複数のユニット9のうち動作不良を起こしているセル3が属するユニット9のみで電流がバイパスダイオード4に迂回し、他のユニット9のセル3は正常動作しているので正常な直列の電流経路で電流が流れる。これにより、バイパスダイオード4に電流が流れることによる発電電力低下を抑制できる。
このようなユニット9をセル3の長辺方向において複数形成する場合には、左側の取り出し電極7L、右側の取り出し電極7Rの部分においてバイパスダイオードとバスバー配線交差部8が複数生じる。図18は、実施の形態6にかかるモジュールの右側の取り出し電極7Rにおけるバイパスダイオードとバスバー配線交差部8を拡大して示す模式図である。図18(a)は、バイパスダイオードとバスバー配線交差部8をセル3の形成面側から見た平面構成を示す。図18(b)は、バイパスダイオードとバスバー配線交差部8の断面構成を示し、図18(a)におけるD−D断面を示す。
バイパスダイオードとバスバー配線交差部8においては、バスバー配線6にかかる電圧のバイパスダイオード4に対する影響を無くすために、左側の取り出し電極7L、右側の取り出し電極7Rとバスバー配線6との間に絶縁シート36を挟んだ構造となっている。
また、図17に示される構造の場合には、隣接してそれぞれ異なるユニット9に属する上側のバイパスダイオード4Uと下側のバイパスダイオード4Dとが、セル3の長辺方向において隣接している。この隣接している上側のバイパスダイオード4Uと下側のバイパスダイオード4D間での干渉による誤動作を避けるために、図18(a),(b)に示すように、隣接してそれぞれ異なるユニット9に属する上側のバイパスダイオード4Uと下側のバイパスダイオード4Dとの間に、裏面電極層14、半導体層13、表面透明電極層12の3層を貫通するユニット9間の分離のためのP4スクライブ溝35を設けて隣接するユニット9間を絶縁している。
上述したように、実施の形態6にかかるモジュールでは、バイパスダイオード群33Uと薄膜太陽電池セル群32とバイパスダイオード群33Dとからなるユニット9を複数形成することにより、1つのバイパスダイオード4に流れる電流が低下する。このため、実施の形態6にかかるモジュールでは、バイパスダイオード4の耐久性が改善されてモジュールの信頼性が改善される。
また、実施の形態6にかかるモジュールでは、左側の取り出し電極7L、右側の取り出し電極7Rの部分においてバイパスダイオードとバスバー配線交差部8に絶縁シート36を設けること、隣接してそれぞれ異なるユニット9に属する上側のバイパスダイオード4Uと下側のバイパスダイオード4D間を絶縁することにより、バイパスダイオード4の誤動作を防ぐことができる。
実施の形態7.
実施の形態7では、上述した実施の形態にかかるモジュールの製造方法について実施の形態5にかかるモジュールを例にして説明する。実施の形態7で示すプロセス技術は、基本的には一般的な集積型薄膜太陽電池モジュールの製造方法と同じであり、特に新しい成膜技術やパターニング技術等のプロセス技術を導入して形成していない。したがって、詳細な説明は行わず概略の説明を行う。なお、以下の図19〜図28において、(a)は図15(a)に、(b)は図15(b)に、(c)は図15(c)に、(d)は図15(d)にそれぞれ対応している。
図19は、モジュールが形成される基板2を示す模式図である。基板2には、透光性および絶縁性を有する基板として例えばガラスや透明なフィルムなどが用いられる。便宜上、図の上下方向を基板2の長辺方向、左右方向を短辺方向とする。
図20は、基板2上に表面透明電極層12が形成された状態を示す模式図である。この表面透明電極層12としては、例えばSnO系やZnO系などの透光性を有する透明導電膜が用いられている。また、この表面透明電極層12は、入射した光を散乱させること、発電層となる半導体層13に光を閉じ込めることにより発電効率を改善するために、表面に凹凸形状を有している。この表面透明電極層12は、一般的にはCVD法で形成する場合と、スパッタリング法で成膜された膜をウエットエッチングして形成する場合がある。
図21は、薄膜太陽電池セル3の形成領域を分離するP1スクライブ溝15が表面透明電極層12に形成された状態を示す模式図である。P1スクライブ溝15は、表面透明電極層12における各セル3の形成領域間の絶縁を図るために設けられ、表面透明電極層12にレーザースクライブにより基板2の長辺方向と平行に形成される。レーザースクライブには、例えば赤外線レーザーや紫外線レーザーが用いられる。レーザー光の照射は、基板2側(表面透明電極層12が形成されている面と逆側の基板2の表面)、表面透明電極層12が形成されている側のいずれの側から行っても構わない。
図22は、薄膜太陽電池セル3の形成領域とバイパスダイオード4の形成領域とを分離するP1スクライブ溝37U,37Dが表面透明電極層12に形成された状態を示す模式図である。P1スクライブ溝37U,37Dは、表面透明電極層12における薄膜太陽電池セルの形成領域61とバイパスダイオードの形成領域62U,62D間の絶縁を図るために設けられ、表面透明電極層12にレーザースクライブにより基板2の短辺方向と平行に形成される。
図23は、表面透明電極層12上に半導体層13が形成された状態を示す模式図である。半導体層13は、例えば基板2側からp型半導体層(例えばp型不純物がドープされたシリコン層)、i型半導体層(例えば真性シリコン層)、n型半導体層(例えばn型不純物がドープされたシリコン層)が積層されてpin接合を有する半導体積層膜、例えば基板2側からp型半導体層(例えばp型不純物がドープされたCdTe層)、n型半導体層(例えばn型不純物がドープされたCdTe層)が積層されてpn接合を有する半導体積層膜、またはこれらの半導体積層膜が複数重なった積層構造を有する半導体積層膜などが用いられる。この半導体層13は、P1スクライブ溝15内およびP1スクライブ溝37U,37D内を埋めて形成される。
図24は、表面透明電極層12と裏面電極層14Bのコンタクト部形成のためのP2スクライブ溝16およびP2スクライブ溝18が半導体層13に形成された状態を示す模式図である。P2スクライブ溝16は、セル3における表面透明電極層12Sと裏面電極層14S間のコンタクト部形成のために、薄膜太陽電池セルの形成領域61に設けられる。P2スクライブ溝18は、バイパスダイオード4における表面透明電極層12Bと裏面電極層14B間のコンタクト部形成のために、バイパスダイオードの形成領域62U,62Dに設けられる。
P2スクライブ溝16,18は、P2スクライブ溝16,18を形成する領域のみにグリーンレーザー光を基板2越しに半導体層13に照射し、半導体層13を除去することにより基板2の長辺方向と平行に形成される。一般的に、多接合型の薄膜太陽電池を形成する際に用いるレーザースクライブ法は、連続的に発振しているパルスレーザー光を加工対象物に対してスキャンさせるか、逆に固定された加工対象物に対してレーザー光をスキャンして基板端から基板端を結ぶ連続した直線状の加工を行う。本実施の形態においては、連続的に発振するレーザー光を用いるのではなく、任意のタイミングでレーザー光のON−OFFが可能なレーザー発振器を使用し、基板2のスキャンと同期した形で、レーザー光をON−OFFでき、基板端から基板端にわたるような連続的な直線加工ではなく、任意の位置に任意の長さの線分加工ができる加工装置を用いる。P2スクライブ溝の加工のみならずP1、P3スクライブ溝の加工においても、同様の線分加工ができる。
図25は、半導体層13上に裏面電極14が形成された状態を示す模式図である。裏面電極層14は、例えば基板2側からSnO系膜やZnO系膜などの透光性を有する透明導電膜と、例えばAgやAlなどの高反射金属膜とが積層されて構成される。裏面電極層14に用いる透明導電膜は、CVD法やスパッタリング法により、高反射金属膜はスパッタリング法により形成される。この裏面電極層14は、P2スクライブ溝16,18内を埋めて形成されるので、P2スクライブ溝16,18内の裏面電極層14部分により半導体層13上の裏面電極層14と表面透明電極層12とが接続される。
図26は、隣接する薄膜太陽電池セル3間および隣接するバイパスダイオード4間を分離するP3スクライブ溝17およびP3スクライブ溝19が裏面電極層14および半導体層13に形成された状態を示す模式図である。P3スクライブ溝17,19は、P3スクライブ溝17,19を形成する領域のみにグリーンレーザー光を基板2越しに半導体層13に照射し、半導体層13と裏面電極層14を除去することにより基板2の長辺方向と平行に形成される。
P3スクライブ溝17は、隣接する薄膜太陽電池セル3間を分離するために設けられ、基本的には薄膜太陽電池セルの形成領域61に形成される。ただし、このP3スクライブ溝17の両端は、薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4とを分離しているP1スクライブ溝37U,37Dをまたぐ形でバイパスダイオードの形成領域62U,62Dに達している。P3スクライブ溝17が形成されることにより、基板2の短辺方向において複数のセル3が直列に接続されたセル群が薄膜太陽電池セルの形成領域61に得られる。
また、P3スクライブ溝19は、隣接するバイパスダイオード4を分離するために設けられ、基本的にはバイパスダイオードの形成領域62U、62Dに形成される。ただし、このP3スクライブ溝19の片端部は、薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4とを分離しているP1スクライブ溝37U,37Dをまたぐ形で薄膜太陽電池セルの形成領域61まで達している。P3スクライブ溝19が形成されることにより、セル3と逆並列接続とされた複数のバイパスダイオード4Uが基板2の短辺方向において直列に接続されたバイパスダイオード群がバイパスダイオードの形成領域62Uに得られる。また、セル3と逆並列接続とされた複数のバイパスダイオード4Dが基板2の短辺方向において直列に接続されたバイパスダイオード群がバイパスダイオードの形成領域62Dに得られる。
図27は、薄膜太陽電池セルとバイパスダイオードとを分離するP3スクライブ溝20UおよびP3スクライブ溝20Dが裏面電極層14および半導体層13に形成された状態を示す模式図である。P3スクライブ溝20U,20Dは、P3スクライブ溝20U,20Dを形成する領域のみにグリーンレーザー光を基板2越しに半導体層13に照射し、半導体層13と裏面電極層14を除去することにより基板2の短辺方向と平行に形成される。
P3スクライブ溝20U,20Dは、基板2の長辺方向において隣接する薄膜太陽電池セル3とバイパスダイオード4とを分離して、該隣接する薄膜太陽電池セル3またはバイパスダイオード4に不必要な電流が流入するのを防ぐためにバイパスダイオードの形成領域62U,62Dに設けられる。
P3スクライブ溝20Uは、奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oとその上側のバイパスダイオード4Uとを分離するP1スクライブ溝37Uの上側(基板2の長辺方向における基板端短辺側)に、奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oの両側に形成されているスクライブ溝17を横切って接続する形で基板端短辺と平行に形成される。また、P3スクライブ溝20Dは、偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eとその下側のバイパスダイオード4Dとを分離するP1スクライブ溝37Dの下側(基板2の長辺方向における基板端短辺側)に、偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eの両側に形成されているスクライブ溝17を横切るって接続する形で基板端短辺と平行に形成される。
これにより、裏面電極層14Bが対応する位置の隣接した2つの薄膜太陽電池セル3のうち偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル3eの裏面電極層14Sに接続されることにより、薄膜太陽電池セル3に電気接続している上側のバイパスダイオード4Uが形成される。また、裏面電極層14Bが対応する位置の隣接した2つの薄膜太陽電池セル3のうち奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル3oの裏面電極層14Sに接続されることにより、薄膜太陽電池セル3に電気接続している下側のバイパスダイオード4Dが形成される。
図28は、基板2の外周部に外周縁部膜除去領域5が形成された状態を示す模式図である。外周縁部膜除去領域5は、モジュール1の絶縁性を保つために、基板2のセル3の形成面において基板2の4辺の外周縁部に形成された表面透明電極層12、半導体層13、裏面電極層14を、サンドブラスト法やレーザー加工で除去して形成される。
このような工程を実施することにより、図15に示される実施の形態5にかかるモジュールが得られる。
上述したように、実施の形態7にかかるモジュールの製造方法によれば、従来の集積型薄膜太陽電池の形成方法の技術を適用するだけで実施の形態5にかかるモジュールを容易に製造可能であり、複雑なパターニング工程が不要なため、生産する上で有利である。更に、実施の形態7にかかるモジュールの製造方法によれば、新たな接続構造を導入することなく、逆バイアス処理が可能なモジュール構造を実現することができる。
なお、ここでは実施の形態5にかかるモジュールの製造方法について説明したが、実施の形態1〜4,6にかかるモジュールについても、実施の形態7にかかるモジュールの製造方法における不要な溝形成工程を省略し、また従来の集積型薄膜太陽電池の形成方法の技術を適用して必要な溝形成工程を追加することにより、容易に製造可能である。すなわち、実施の形態1〜4,6にかかるモジュールについても、従来の集積型薄膜太陽電池の形成方法の技術を適用するだけで容易に製造可能であり、複雑なパターニング工程が不要なため、生産する上で有利である。更に、実施の形態1〜4,6にかかるモジュールについても、新たな接続構造を導入することなく、「逆バイアス処理」が可能なモジュール構造を実現することができる。
実施の形態8.
図29は、実施の形態8にかかるモジュールの構造を示す模式図である。図29(a)は、実施の形態8にかかるモジュールを基板2側(セル3の非形成面側)から見た平面図であり、セル3およびバイパスダイオード4の配置は、実施の形態6の図17に示した配置と同じである。図29(b)は、実施の形態8にかかるモジュールの断面構成を示し、図29(a)におけるE−E断面を示す。
実施の形態1〜6にかかるモジュールにおけるバイパスダイオード4の基本的な構造は、セル3の構造と基本的には同一であり、セル3と逆並列接続とされて直列配設の方向が逆になっている。したがって、バイパスダイオード4に光が当たると、該バイパスダイオード4も発電を行う。このバイパスダイオード4の発電による電流の流れは、薄膜太陽電池セル3を流れる電流の向きと逆である。このため、モジュール全体の発電電力は、バイパスダイオード4に発生する発電電力分だけ低下する。
そこで、このモジュール全体の発電電力の低下を防ぐために、実施の形態8では図29に示すように受光面側、すなわち基板2におけるセル3の非形成面において、基板2のセル3の形成面において上側のバイパスダイオード4U,4Dが形成されている領域に対応する領域に、遮光体71が設けられている。このような遮光体71を設けることにより上側のバイパスダイオード4U,4Dに光が入射しない。これにより、バイパスダイオード4は発電しなくなり、モジュールの発電電力の低下が抑制される。
この遮光体71は、基板2におけるセル3の非形成面に黒色遮光フィルムを張り付ける、もしくは黒色塗料を印刷する等の方法で形成することができる。
上述したように、実施の形態8にかかるモジュールによれば、受光面側に遮光体71を設けて上側のバイパスダイオード4Uおよび下側のバイパスダイオード4Dに入射する光を遮光することにより、ハイパスダイオード4に光が照射された場合に発生する、セル3と逆方向の発電電力を抑制できるので、モジュールの発電電力の低下を抑制することができる。
以上のように、本発明にかかる集積型薄膜太陽電池モジュールは、発電特性と信頼性に優れた集積型薄膜太陽電池モジュールの簡便な構成による実現に有用である。
1 集積型薄膜太陽電池モジュール(モジュール)、2 基板、3 薄膜太陽電池セル(セル)、3L 1番左側の薄膜太陽電池セル、3R 1番右側の薄膜太陽電池セル、3R2 右から2番目の薄膜太陽電池セル、3L2 2番目の薄膜太陽電池セル、3e 偶数番目(2n番目)の薄膜太陽電池セル、3o 奇数番目(2n−1番目)の薄膜太陽電池セル、4 バイパスダイオード、4D 下側のバイパスダイオード、4L 1番左側の薄膜太陽電池セルと同一直線上に形成されているバイパスダイオード、4L2 2番目の薄膜太陽電池セルと同一直線上に形成されているバイパスダイオード、4R 一番右側の薄膜太陽電池セルと同一直線上に形成されているバイパスダイオード、4R2 右から2番目の薄膜太陽電池セルと同一直線上に形成されているバイパスダイオード、4U 上側のバイパスダイオード、5 外周縁部膜除去領域、6 バスバー配線、7L,7R 取り出し電極、8 バスバー配線交差部、9 ユニット、11 動作不良セル、12,12B,12S 表面透明電極層、13,13B,13S 半導体層、14,14B,14S 裏面電極層、15 P1スクライブ溝、16 薄膜太陽電池セルのP2スクライブ溝、17 薄膜太陽電池セルのP3スクライブ溝、18,18U,18D バイパスダイオードのP2スクライブ溝、19,19U,19D バイパスダイオードのP3スクライブ溝、20,20U,20D P3スクライブ溝、21 左側の取り出し電極と同一直線上に形成されているバイパスダイオード、22L 取り出し電極のP2スクライブ溝、22R 取り出し電極のP2スクライブ溝、23 n−1番目の薄膜太陽電池セル、24 n−1番目のバイパスダイオード、25 n番目の薄膜太陽電池セル、26 n番目のバイパスダイオード、27 n+1番目の薄膜太陽電池セル、28 n+1番目のバイパスダイオード、29 P1スクライブ溝、30 P3スクライブ溝、31 右側の取り出し電極と同一直線上に形成されているバイパスダイオード、32 薄膜太陽電池セル群、33 バイパスダイオード群、35 P4スクライブ溝、36 絶縁シート、37D,37U P1スクライブ溝、38 2n−1番目の薄膜太陽電池セル、39 上側のn番目のバイパスダイオード、40 2n番目の薄膜太陽電池セル、41D,41U P1スクライブ溝、42 2n+1番目の薄膜太陽電池セル、43 上側のn+1番目のバイパスダイオード、44 下側のn番目のバイパスダイオード、45 下側の1番目のバイパスダイオード、46 下側の2番目のバイパスダイオード、51 上側の4番目のバイパスダイオード、52 上側の5番目のバイパスダイオード、53 下側の5番目のバイパスダイオード、54 2n−2番目の薄膜太陽電池セル、55 上側のn番目のバイパスダイオード、56 下側のn番目のバイパスダイオード、57 下側のn+1番目のバイパスダイオード、58 2n+2番目の薄膜太陽電池セル、59 下側のn+2番目のバイパスダイオード、60 3番目の薄膜太陽電池セル、61 薄膜太陽電池セルの形成領域、62D,62U バイパスダイオードの形成領域、71 遮光体。

Claims (24)

  1. 透光性絶縁基板上に、
    複数の矩形形状の薄膜太陽電池セルが直列接続方向に配列されて電気的に直列接続された薄膜太陽電池セル群と、
    前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向に沿った辺に隣接して前記直列接続方向に配列されて、1つまたは複数の前記薄膜太陽電池セルに対して逆並列に配置された複数のバイパスダイオードが電気的に直列接続されたバイパスダイオード群と、
    を備え、
    前記薄膜太陽電池セルおよび前記バイパスダイオードは、前記透光性絶縁基板上に表面透明電極層と半導体層と裏面電極層が順次積層されてなる積層膜における前記表面透明電極層と半導体層と裏面電極層のうちの1つまたは複数の層が分断されて構成され、
    前記バイパスダイオードは、前記バイパスダイオードの前記表面透明電極層が隣接する前記薄膜太陽電池セルの前記表面透明電極層に接続されること、および前記バイパスダイオードの前記裏面電極層が隣接する前記薄膜太陽電池セルの前記裏面電極層に接続されることのいずれか一方により、隣接する前記薄膜太陽電池セルと電気的に接続されること、
    を特徴とする集積型薄膜太陽電池モジュール。
  2. 前記バイパスダイオードは、前記バイパスダイオードの表面透明電極層が隣接する前記薄膜太陽電池セルの表面透明電極層に接続されることにより、隣接する前記薄膜太陽電池セルと電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項1に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  3. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向に沿った一対の辺のうち第1の辺に隣接して前記バイパスダイオード群として第1バイパスダイオード群が形成され、
    前記第1バイパスダイオード群では、前記直列接続方向において上流側から奇数番目およびその次の偶数番目の2つの前記薄膜太陽電池セル毎に1つの前記バイパスダイオードが配置され、奇数番目の前記薄膜太陽電池セル同士が電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項2に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  4. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向の一番下流側の前記薄膜太陽電池セルの下流側に隣接して前記積層膜と同じ構造を有する第1積層膜構造が配置されるとともに該第1積層膜構造の前記裏面電極層が第1取り出し電極とされ、
    前記第1積層膜構造における前記直列接続方向に沿った一対の辺のうち前記第1の辺側の第3の辺に隣接して、前記積層膜と同じ構造を有して前記第1積層膜構造に対して逆並列に配置されるとともに前記第1バイパスダイオード群の前記直列接続方向の一番下流側の前記バイパスダイオードに電気的に直列接続された第1端部接続バイパスダイオードを有し、
    前記第1取り出し電極は、前記第1積層膜構造の前記表面透明電極層と短絡し、
    前記第1端部接続バイパスダイオードは、該第1端部接続バイパスダイオードの前記表面透明電極層が前記第1積層膜構造の前記表面透明電極層に接続されることにより、前記第1積層膜構造と電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項3に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  5. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向に沿った一対の辺のうち第2の辺に隣接して前記バイパスダイオード群として第2バイパスダイオード群が形成され、
    前記第2バイパスダイオード群では、前記直列接続方向において上流側から偶数番目およびその次の奇数番目の2つの前記薄膜太陽電池セル毎に1つの前記バイパスダイオードが配置され、偶数番目の2つの前記薄膜太陽電池セル同士が電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  6. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向の一番上流側の前記薄膜太陽電池セルの上流側に隣接して前記積層膜と同じ構造を有する第2積層膜構造が配置されるとともに該第2積層膜構造の前記裏面電極層が第2取り出し電極とされ、
    前記第2積層膜構造における前記直列接続方向に沿った一対の辺のうち前記第2の辺側の第4の辺に隣接して、前記積層膜と同じ構造を有して前記第2積層膜構造に対して逆並列に配置されるとともに前記第2バイパスダイオード群の前記直列接続方向の一番上流側の前記バイパスダイオードに電気的に直列接続された第2端部接続バイパスダイオードを有し、
    前記第2取り出し電極は、前記一番上流側の前記薄膜太陽電池セルの裏面電極層と電気接続されるとともに前記第2積層膜構造の前記表面透明電極層と短絡し、
    前記第2端部接続バイパスダイオードは、該第2端部接続バイパスダイオードの前記表面透明電極層が前記第2積層膜構造の前記表面透明電極層に接続されることにより、前記第2積層膜構造と電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項5に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  7. 前記薄膜太陽電池セル群、前記第1バイパスダイオード群、前記第1積層膜構造、前記第1端部接続バイパスダイオード、前記第2バイパスダイオード群、前記第2積層膜構造、前記第2端部接続バイパスダイオードを有する複数の第1ユニットが、それぞれ異なる前記第1ユニットに属する前記第1バイパスダイオード群と前記第2バイパスダイオード群とが隣接するように配置され、隣接する前記第1ユニット間が絶縁されていること、
    を特徴とする請求項6に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  8. 前記複数の第1ユニットの前記第1取り出し電極に電気的に接続するとともに前記第1端部接続バイパスダイオードの前記裏面電極層と絶縁された第1バスバー電極が、前記複数の第1ユニットの前記第1取り出し電極上および前記第1端部接続バイパスダイオード上に配置され、
    前記複数の第1ユニットの前記第2取り出し電極に電気的に接続するとともに前記第2端部接続バイパスダイオードの前記裏面電極層と絶縁された第2バスバー電極が、前記複数の第1ユニットの前記第2取り出し電極上および前記第2端部接続バイパスダイオード上に配置されること、
    を特徴とする請求項7に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  9. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向に沿った一対の辺のうち一方の辺に隣接して前記バイパスダイオード群として第3バイパスダイオード群が形成され、
    前記第3バイパスダイオード群では、前記直列接続方向において前記薄膜太陽電池セル毎に1つの前記バイパスダイオードが配置されること、
    を特徴とする請求項2に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  10. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向の一番上流側の前記薄膜太陽電池セルの上流側に隣接して前記積層膜と同じ構造を有する第3積層膜構造が配置されるとともに該第3積層膜構造の前記裏面電極層が第3取り出し電極とされ、
    前記第3積層膜構造における前記直列接続方向に沿った辺に隣接して、前記積層膜と同じ構造を有して前記第3積層膜構造に対して逆並列に配置されるとともに前記第3バイパスダイオード群の前記直列接続方向の一番上流側の前記バイパスダイオードに電気的に直列接続された第3端部接続バイパスダイオードを有し、
    前記第3取り出し電極は、前記一番上流側の前記薄膜太陽電池セルの裏面電極層と電気接続されるとともに前記第3積層膜構造の前記表面透明電極層と短絡し、
    前記第3端部接続バイパスダイオードは、該第3端部接続バイパスダイオードの前記表面透明電極層が前記第3積層膜構造の前記表面透明電極層に接続されることにより、前記第3積層膜構造と電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項9に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  11. 前記薄膜太陽電池セル群、前記第3バイパスダイオード群、前記第3積層膜構造、前記第3端部接続バイパスダイオードを有する複数の第2ユニットが、それぞれ異なる前記第2ユニットに属する前記薄膜太陽電池セル群と前記第3バイパスダイオード群とが隣接するように配置され、隣接する前記第2ユニット間が絶縁されていること、
    を特徴とする請求項10に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  12. 前記複数の第2ユニットの前記第3取り出し電極に電気的に接続するとともに前記第3端部接続バイパスダイオードの前記裏面電極層と絶縁された第3バスバー電極が、前記複数の第2ユニットの前記第3取り出し電極上および前記第3端部接続バイパスダイオード上に配置されること、
    を特徴とする請求項11に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  13. 前記バイパスダイオードは、前記バイパスダイオードの裏面電極層が隣接する前記薄膜太陽電池セルの裏面電極層に接続されることにより、隣接する前記薄膜太陽電池セルと電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項1に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  14. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向に沿った一対の辺のうち第1の辺に隣接して前記バイパスダイオード群として第4バイパスダイオード群が形成され、
    前記第4バイパスダイオード群では、前記直列接続方向において上流側から奇数番目およびその次の偶数番目の2つの前記薄膜太陽電池セル毎に1つの前記バイパスダイオードが配置され、偶数番目の前記薄膜太陽電池セル同士が電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項13に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  15. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向の一番下流側の前記薄膜太陽電池セルの下流側に隣接して前記積層膜と同じ構造を有する第4積層膜構造が配置されるとともに該第4積層膜構造の前記裏面電極層が第4取り出し電極とされ、
    前記第4積層膜構造における前記直列接続方向に沿った一対の辺のうち前記第1の辺側の第5の辺に隣接して、前記積層膜と同じ構造を有して前記第4積層膜構造に対して逆並列に配置されるとともに前記第4バイパスダイオード群の前記直列接続方向の一番下流側の前記バイパスダイオードに電気的に直列接続された第4端部接続バイパスダイオードを有し、
    前記第4端部接続バイパスダイオードは、該第4端部接続バイパスダイオードの前記裏面電極層が前記第4積層膜構造の前記裏面電極層に接続されることにより、前記第4積層膜構造と電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項14に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  16. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向に沿った一対の辺のうち第2の辺に隣接して前記バイパスダイオード群として第5バイパスダイオード群が形成され、
    前記第5バイパスダイオード群では、前記直列接続方向において上流側から偶数番目およびその次の奇数番目の2つの前記薄膜太陽電池セル毎に1つの前記バイパスダイオードが配置され、奇数番目の2つの前記薄膜太陽電池セル同士が電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項13〜15のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  17. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向の一番上流側の前記薄膜太陽電池セルの上流側に隣接して前記積層膜と同じ構造を有する第5積層膜構造が配置されるとともに該第5積層膜構造の前記裏面電極層が第5取り出し電極とされること、
    を特徴とする請求項16に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  18. 前記薄膜太陽電池セル群、前記第4バイパスダイオード群、前記第4積層膜構造、前記第4端部接続バイパスダイオード、前記第5バイパスダイオード群、前記第5積層膜構造を有する複数の第3ユニットが、それぞれ異なる前記第3ユニットに属する前記第4バイパスダイオード群と前記第5バイパスダイオード群とが隣接するように配置され、隣接する前記第3ユニット間が絶縁されていること、
    を特徴とする請求項17に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  19. 前記複数の第3ユニットの前記第4取り出し電極に電気的に接続するとともに前記第4端部接続バイパスダイオードの前記裏面電極層と絶縁された第4バスバー電極が、前記複数の第3ユニットの前記第4取り出し電極上および前記第4端部接続バイパスダイオード上に配置されること、
    を特徴とする請求項17に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  20. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向に沿った一対の辺のうち一方の辺に隣接して前記バイパスダイオード群として第6バイパスダイオード群が形成され、
    前記第6バイパスダイオード群では、前記直列接続方向において前記薄膜太陽電池セル毎に1つの前記バイパスダイオードが配置されること、
    を特徴とする請求項13に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  21. 前記薄膜太陽電池セル群における前記直列接続方向の一番上流側の前記薄膜太陽電池セルの上流側に隣接して前記積層膜と同じ構造を有する第6積層膜構造が配置されるとともに該第6積層膜構造の前記裏面電極層が第6取り出し電極とされ、
    前記第6積層膜構造における前記直列接続方向に沿った辺に隣接して、前記積層膜と同じ構造を有して前記第6積層膜構造に対して逆並列に配置されるとともに前記第6バイパスダイオード群の前記直列接続方向の一番上流側の前記バイパスダイオードに電気的に直列接続された第6端部接続バイパスダイオードを有し、
    前記第6端部接続バイパスダイオードは、該第6端部接続バイパスダイオードの前記裏面電極層が前記第6積層膜構造の前記裏面電極層に接続されることにより、前記第6積層膜構造と電気的に接続されること、
    を特徴とする請求項20に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  22. 前記薄膜太陽電池セル群、前記第6バイパスダイオード群、前記第6積層膜構造、前記第6端部接続バイパスダイオードを有する複数の第4ユニットが、それぞれ異なる前記第4ユニットに属する前記薄膜太陽電池セル群と前記第6バイパスダイオード群とが隣接するように配置され、隣接する前記第4ユニット間が絶縁されていること、
    を特徴とする請求項21に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  23. 前記複数の第4ユニットの前記第6取り出し電極に電気的に接続するとともに前記第6端部接続バイパスダイオードの前記裏面電極層と絶縁された第5バスバー電極が、前記複数の第4ユニットの前記第6取り出し電極上および前記第6端部接続バイパスダイオード上に配置されること、
    を特徴とする請求項22に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  24. 前記透光性絶縁基板の前記薄膜太陽電池セルの非形成面において、前記バイパスダイオードの形成領域に対応する領域が遮光されていること、
    を特徴とする請求項1〜23のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
JP2012225013A 2012-10-10 2012-10-10 集積型薄膜太陽電池モジュール Pending JP2016001632A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012225013A JP2016001632A (ja) 2012-10-10 2012-10-10 集積型薄膜太陽電池モジュール
PCT/JP2013/057230 WO2014057697A1 (ja) 2012-10-10 2013-03-14 集積型薄膜太陽電池モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012225013A JP2016001632A (ja) 2012-10-10 2012-10-10 集積型薄膜太陽電池モジュール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016001632A true JP2016001632A (ja) 2016-01-07

Family

ID=50477176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012225013A Pending JP2016001632A (ja) 2012-10-10 2012-10-10 集積型薄膜太陽電池モジュール

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2016001632A (ja)
WO (1) WO2014057697A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017183651A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 三菱ケミカル株式会社 太陽電池モジュール
CN108598193A (zh) * 2018-05-24 2018-09-28 圣晖莱南京能源科技有限公司 一种柔性cigs太阳能电池组件
CN110176506A (zh) * 2019-05-31 2019-08-27 信利半导体有限公司 薄膜光伏电池串联结构及薄膜光伏电池串联的制备工艺
JP2021026178A (ja) * 2019-08-08 2021-02-22 株式会社村上開明堂 金属塩析出型調光素子、及び金属塩析出型調光素子の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2593957B2 (ja) * 1990-11-09 1997-03-26 シャープ株式会社 バイパスダイオード付太陽電池
JP4201241B2 (ja) * 2001-05-17 2008-12-24 株式会社カネカ 集積型薄膜光電変換モジュールの作製方法
US20100078057A1 (en) * 2006-04-13 2010-04-01 Franz Karg Solar module
WO2011114781A1 (ja) * 2010-03-16 2011-09-22 三洋電機株式会社 光電変換装置およびその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017183651A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 三菱ケミカル株式会社 太陽電池モジュール
CN108598193A (zh) * 2018-05-24 2018-09-28 圣晖莱南京能源科技有限公司 一种柔性cigs太阳能电池组件
CN110176506A (zh) * 2019-05-31 2019-08-27 信利半导体有限公司 薄膜光伏电池串联结构及薄膜光伏电池串联的制备工艺
CN110176506B (zh) * 2019-05-31 2024-05-07 信利半导体有限公司 薄膜光伏电池串联结构及薄膜光伏电池串联的制备工艺
JP2021026178A (ja) * 2019-08-08 2021-02-22 株式会社村上開明堂 金属塩析出型調光素子、及び金属塩析出型調光素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014057697A1 (ja) 2014-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8067295B2 (en) Manufacturing method of solar cell module, and solar cell and solar cell module
JP5266205B2 (ja) 太陽電池モジュール
US5421908A (en) Thin-film solar cell and method for the manufacture thereof
JP4518973B2 (ja) 太陽電池およびその製造方法
JP5171490B2 (ja) 集積型薄膜太陽電池
WO2010032713A1 (ja) 集積型薄膜太陽電池およびその製造方法
JP2014017447A (ja) 集積型薄膜太陽電池およびその製造方法
JP5642591B2 (ja) 太陽電池モジュール
JP2002057357A (ja) 薄膜太陽電池とその製造方法
WO2014057697A1 (ja) 集積型薄膜太陽電池モジュール
JP4599099B2 (ja) 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法
JP2019519939A (ja) 光電池セル、光電池セルアレイ、太陽電池セル、および光電池セル作製方法
JP5376873B2 (ja) 集積型薄膜太陽電池
CN111223950A (zh) 太阳能板与太阳能电池模块
JP4171959B2 (ja) 薄膜太陽電池の製造方法
JP6706779B2 (ja) 太陽電池および太陽電池モジュール
JPH07297436A (ja) 薄膜太陽電池サブモジュールおよび薄膜太陽電池モジュール
JP2013058702A (ja) 太陽電池セルおよびその製造方法、太陽電池モジュールおよびその製造方法
JP2002151720A (ja) 薄膜太陽電池
TWI734077B (zh) 太陽光電模組
JPH07321355A (ja) 薄膜太陽電池およびその製造方法
JP2001077395A (ja) 太陽電池モジュール
JP2019054167A (ja) 光電変換モジュール
JP4904320B2 (ja) 集積型薄膜太陽電池の製造方法
JP2000323732A (ja) 薄膜太陽電池とその製造方法