JP2014017447A - 集積型薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

集積型薄膜太陽電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ストリング分離溝を簡易かつ低コストな方法で形成してストリングが複数並列接続された集積型薄膜太陽電池およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】透光性絶縁基板の表面に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる薄膜光電変換素子が複数個互いに電気的に直列接続されたストリングを形成するストリング形成工程と、前記ストリングにおける複数の薄膜光電変換素子を部分的に光ビームによって除去して直列接続方向に延びるストリング分離溝を1本以上形成して、ストリングを複数に分割するストリング分割工程とを含み、前記ストリング分離溝は、第1電極層を除去して形成された第1溝と、光電変換層および第2電極層を除去して形成された第2溝とからなり、前記第1溝は、前記第1電極層上に前記光電変換層を積層する前に形成されることを特徴とする集積型薄膜太陽電池の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、集積型薄膜太陽電池およびその製造方法に関する。
従来の集積型薄膜太陽電池として、例えば特許文献1の図2には、透光性絶縁基板の表面に透明電極層、光電変換層および金属電極層が順次積層されてなる薄膜光電変換素子が複数個互いに電気的に接続されたストリング(電池列)を、直列接続方向と直交する方向にかつ相互に電気的に絶縁して複数並べて配置した集積型薄膜太陽電池(以下、太陽電池と略称する場合がある)が開示されている。
この太陽電池は、複数のストリングにおいて、直列接続方向両側の薄膜光電変換素子が、直列接続方向と直交する方向に隣接する薄膜光電変換素子と繋がって電気的に並列接続されており、並列接続された直列接続方向両側の薄膜光電変換素子から電力が取り出される。この場合、直列接続方向両側の電力取り出し用の薄膜光電変換素子の金属電極層上に、金属線(例えば銅線)からなる集電電極をろう材を介して電気的に接合し、金属電極層と集電電極とによって大電流を取り出せるように構成することもある。
同一基板上に複数のストリングを形成し、それらを並列接続する理由は、同一基板上に形成されたストリングが1つの場合、ストリング中のいずれかの薄膜光電変換素子内にリーク箇所が1つでも存在すると、ストリング全体(太陽電池全体)の出力が低下するため、ストリングを複数に分割することにより、セルリーク箇所が存在するストリングの出力が低下しても太陽電池全体の出力が低下しないようにするためである。
また、この太陽電池において、隣り合うストリングは、特許文献1の図2(C)に示す断面形状のストリング分離溝(採光用開口溝)によって相互に絶縁されている。このストリング分離溝は、透明電極層を除去した第1溝と、光電変換層および金属電極層を除去した第2溝とからなり、光ビームにて薄膜光電変換素子を除去する際に透明電極層と金属電極層が短絡しないように第1溝の溝幅よりも第2溝の溝幅を広くしている。
このストリング分離溝の場合、まず、透明電極層、光電変換層および金属電極層を一度に除去可能な第1溝形成用光ビーム(例えば、IRレーザ)を透光性絶縁基板側から照射して透明電極層から金属電極層まで貫通する第1溝を形成する。その後、光電変換層と金属電極層のみを除去可能な第2溝形成用光ビーム(例えば、SHGレーザ)を透光性絶縁基板側から第1溝を内側に含む領域に照射して溝幅の広い第2溝を形成している。なお、第1溝形成用光ビームによって透明電極層の飛散物が第1溝の側壁に付着して透明電極層と金属電極層とがリークする場合がある。そのため、第2溝の溝幅を第1溝の溝幅より広くすることにより、リーク箇所を除去している。
この太陽電池のストリング分離溝は、強度の異なるYAG基本波光ビームを透光性絶縁基板へ向けて照射しながら直列接続方向に移動させて溝形成が行われている。この際、複数のストリング同士を並列接続する両側の薄膜光電変換素子を分断しないが、これらの間の他の薄膜光電変換素子は確実に分断するように光ビームのON/OFFを制御していた。さらにこの際、複数のストリングを並列接続させる任意の薄膜光電変換素子の一部を除去するようにストリング分離溝を形成することにより、ストリング分離溝の端部の形成許容範囲を広げている。この結果、ストリング分離溝を形成する際の光ビームの高精度なON/OFF制御を行うことなく、光ビームをある程度の精度で移動制御するという簡易な方法でストリング分離溝を形成して、ストリングが複数並列接続された集積型薄膜太陽電池を得ることができるとされている。
特開2010−74071号公報
特許文献1に記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法では、複数のストリングを電気的に並列接続させる直列接続方向両側の薄膜光電変換素子の一部を除去するようにストリング分離溝を形成することにより、ストリング分離溝の端部の形成許容範囲を広げている。しかしながら、第1溝の直列接続方向の端部は、第2溝の直列接続方向の端部からはみ出てはいけないという制約がある。すなわち、第1溝の直列接続方向の両端部は所定位置に配置されて基準となり、第2溝の直列接続方向の両端部が第1溝の基準となる前記両端部を超えた位置まで形成される。そのため、第1溝を形成する際は、透光性絶縁基板の直列接続方向の両端部分にマスクを配置した上で、第1溝加工用光ビームを透光性絶縁基板に向けて照射する必要がある。これは、ハードとソフト両面での機能追加の負担を招き、製造コストの増加に繋がる。
また、第1溝を形成する際、透光性絶縁基板内に異物が混入していると、その異物がマスクとなってしまい、異物と重なった位置にある透明電極層、光電変換層および金属電極層を第1溝形成用光ビームで除去することができない。したがって、ストリング分離溝内に2種類の光ビームで除去されない導電膜(透明電極層と光電変換層と金属電極層とが積層した残留物)が残留し、直列接続方向と直交する方向に隣接する2つの薄膜光電変換素子の電気的な絶縁状態が不十分になってしまうおそれがある。
また、特許文献1に記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法では、透明電極層上に光電変換層を積層する前に、光ビーム(IRレーザ)にて透明電極層を部分的に除去して直列接続方向と直交する方向に延びる素子分離溝を形成する工程と、光ビーム(IRレーザ)にてストリングを部分的に除去してストリング分割溝の第1溝を形成する工程とが、製造ラインの異なる場所で行われる。そのため、両工程で使用される光ビームは同じ種類であっても、製造ラインに同じ光ビーム照射器を2台設置する必要があり、製造コストの上昇に繋がっていた。
本発明は、ストリング分離溝を簡易かつ低コストな方法で形成してストリングが複数並列接続された集積型薄膜太陽電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
かくして、本発明によれば、透光性絶縁基板の表面に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる薄膜光電変換素子が複数個互いに電気的に直列接続されたストリングを形成するストリング形成工程と、
前記ストリングにおける複数の薄膜光電変換素子を部分的に光ビームによって除去して直列接続方向に延びるストリング分離溝を1本以上形成して、ストリングを複数に分割するストリング分割工程とを含み、
前記ストリング分離溝は、第1電極層を除去して形成された第1溝と、光電変換層および第2電極層を除去して形成された第2溝とからなり、
前記第1溝は、前記第1電極層上に前記光電変換層を積層する前に形成される集積型薄膜太陽電池の製造方法が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、透光性絶縁基板の表面に透光性第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる薄膜光電変換素子が複数互いに電気的に直列接続されたストリングを備え、
前記ストリングは、同一の前記透光性絶縁基板上に、直列接続方向に延びる1本以上のストリング分離溝を挟んで直列接続方向と直交する方向に複数並列して配置され、
前記ストリング分離溝は、第1電極層を除去して形成された第1溝と、光電変換層および第2電極層を除去して形成された第2溝とからなり、
前記第1溝は前記直列接続方向に前記第2溝からはみ出して形成され、かつ前記第1溝のはみ出した部分は前記光電変換層および前記裏面電極で覆われており、
前記ストリングは、隣接する2つの薄膜光電変換素子の間に第2電極層および光電変換層が除去されて形成された素子分離溝を有し、
一の薄膜光電変換素子の第1電極層は、その一端が前記素子分離溝を横切って隣接する他の薄膜光電変換素子の領域まで延びた延出部を有し、かつ隣接する薄膜光電変換素子の第1電極層とは電極分離ラインによって電気的に絶縁され、
一の薄膜光電変換素子の第2電極層の一端は、光電変換層を貫通する直列用導電部を介して隣接する薄膜光電変換素子の第1電極層の前記延出部と電気的に接続している集積型薄膜太陽電池が提供される。
本発明の集積型薄膜太陽電池の製造方法では、ストリング分割溝を構成する第1溝は、第1電極層上に光電変換層を積層する前に形成されるため、従来のように第1電極層と光電変換層と金属電極層を同時に除去して第1溝を形成する際に第1電極層の飛散物によって第1電極層と金属電極層との間にリークが生じるという問題が発生しない。詳しく説明すると、本発明では、透光性絶縁基板上に第1電極層を積層した後、光ビームによって第1電極層を部分的に除去して第1溝を形成する。このとき、光ビームが照射されて飛散した第1電極層の飛散物が第1電極層表面に付着しても、その後に光電変換層によって第1溝およびその周辺の第1電極層が覆われるため、従来のようなリークの問題は全く生じない。この結果、第1溝の直列接続方向の端部を、第2溝の直列接続方向の端部からはみ出して形成することが可能となり、第1溝を形成する際に透光性絶縁基板の直列接続方向両側を覆うために用いていたマスクが、本発明では不要となる。よって、本発明では、ハードとソフト両面での機能の負担を軽減することができ、製造コストを軽減することができる。
また、従来問題となっていたリークの原因は、光電変換層が積層されている状態でIR加工(第1溝の形成)を行うため、光電変換層の加工端面のシリコンが結晶化してリーク箇所となることも挙げられる。従来技術では、その結晶化した部分を取り除くために、IR加工後に結晶化を誘因しないSHGレーザを用いて第2溝を形成している。これに対し、本発明では、光電変換層の積層前にIR加工を行うため、光電変換層の結晶化によるリークの問題が事前に回避される。
また、本発明では、第1電極層側から光ビームを照射して第1電極層を部分的に除去して第1溝を形成することができるため、透光性絶縁基板内に異物が混入していても第1電極層の除去に影響が全くなく、直列接続方向と直交する方向に隣接する2つの薄膜光電変換素子の電気的な絶縁状態を十分に確保することができる。
また、前記のよう従来技術では、光ビーム(IRレーザ)にて透明電極層に素子分離溝を形成する工程と、同じ光ビームにてストリングに第1溝を形成する工程とが別の場所で行われるため、製造ラインに同じ光ビーム照射器を2台設置する必要があり製造コストが上昇していたが、本発明では光ビーム(IRレーザ)による透明電極層への素子分離溝と第1溝の形成を同一工程で行えるため、光ビーム照射器を1台削減することができ、製造コストを低減することができる。
図1は本発明の集積型薄膜太陽電池の実施形態1を示す平面図である。 図2(A)は図1のI−I線断面図であり、図2(B)は図1の集積型薄膜太陽電池を直列接続方向から見た側面図であり、図2(C)は図1のII−II線断面図である。 図3(A)は図1のIII−III線断面図であり、図3(B)は図1の集積型薄膜太陽電池のストリング分離溝付近を示す平面図である。 図4(A)は図3(B)のIV−IV線拡大断面図であり、図4(B)は図3(B)のV−V線拡大断面図である。 図5(A)は実施形態2の集積型薄膜太陽電池のストリング分割溝付近の直列接続方向の部分的な断面図であり、図5(B)は実施形態2の集積型薄膜太陽電池のストリング分離溝付近の部分的な平面図である。 図6は本発明の集積型薄膜太陽電池の実施形態3を示す平面図である。 図7は本発明の集積型薄膜太陽電池の実施形態4を示す平面図である。 図8(A)は実施形態4の集積型薄膜太陽電池のストリング分割溝付近の直列接続方向の部分的な断面図であり、図8(B)は実施形態4の集積型薄膜太陽電池のストリング分離溝付近の部分的な平面図である。 図9(A)は実施形態5の集積型薄膜太陽電池のストリング分割溝付近の直列接続方向の部分的な断面図であり、図9(B)は実施形態5の集積型薄膜太陽電池のストリング分離溝付近の部分的な平面図である。 図10は実施形態6の集積型薄膜太陽電池のストリング分割溝の断面図であって、図10(A)は図4(A)対応図であり、図10(B)は図4(B)対応図である。
本発明の集積型薄膜太陽電池の製造方法は、透光性絶縁基板の表面に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる薄膜光電変換素子が複数個互いに電気的に直列接続されたストリングを形成するストリング形成工程と、前記ストリングにおける複数の薄膜光電変換素子を部分的に光ビームによって除去して直列接続方向に延びるストリング分離溝を1本以上形成して、ストリングを複数に分割するストリング分割工程とを含み、前記ストリング分離溝は、第1電極層を除去して形成された第1溝と、光電変換層および第2電極層を除去して形成された第2溝とからなり、前記第1溝は、前記第1電極層上に前記光電変換層を積層する前に形成される。
以下、本明細書において、単に「直列接続方向」と言うときは複数の薄膜光電変換素子が直列に接続された方向を意味し、単に「上流側」または「下流側」というときはストリングを流れる電流の電流方向に対する「上流側」または「下流側」を意味する。
本発明の集積型薄膜太陽電池の製造方法は、具体的には次のように行ってもよい。
(1)前記ストリング形成工程が、透光性絶縁基板上に前記第1電極層を積層する工程と、前記第1電極層を部分的に除去して前記直列接続方向と直交する方向に延びる第1素子分離溝を複数本形成する工程と、前記第1電極層上および前記第1素子分離溝内に前記光電変換層を積層する工程と、前記光電変換層を部分的に除去して前記直列接続方向と直交する方向に延びる素子接続用溝を複数本形成する工程と、前記光電変換層上および前記素子接続用溝内に前記第2電極層を積層する工程と、前記第2電極層および前記光電変換層を部分的に除去して前記直列接続方向と直交する方向に延びる第2素子分離溝を複数本形成する工程とを有し、
前記第1溝と前記第1素子分離溝とは連続的に形成されてもよい。
このようにすれば、従来の製造方法では第1溝の形成工程を第1素子分離溝の形成工程とは完全に分けて行う必要があったことから、実質的に一工程削減することができ、生産性を高め製造コストをさらに低減することができる。
(2)前記第1溝が、前記第1電極層を除去可能な第1溝形成用光ビームを前記第1電極層側から照射し、かつ前記第1溝形成用光ビームと前記透光性絶縁基板のうち少なくとも一方を直列接続方向に移動させることにより形成され、
前記第2溝が、前記光電変換層および前記第2電極層を除去可能な第2溝形成用光ビームを透光性絶縁基板側から照射し、かつ前記第2溝形成用光ビームと前記透光性絶縁基板のうち少なくとも一方を直列接続方向に移動させることにより形成されてもよい。
このようにすれば、第1電極層側から光ビームを照射して第1電極層を部分的に除去して第1溝を形成するため、透光性絶縁基板内に異物が混入していても第1電極層の除去に影響が全くなく、直列接続方向と直交する方向に隣接する2つの薄膜光電変換素子の電気的な絶縁状態を十分かつ確実に確保することができる。また、第2溝形成用光ビームは透光性絶縁基板側から照射されるため、光電変換層および第2電極層の飛散物が第1および第2溝の側面に付着して第1および第2電極層間がリークするということがなく、ストリング分割溝を高精度に形成することができる。
なお、本発明では、各種光ビームによる溝形成の際、基板を固定し各種ビームを移動させてもよく、あるいは、各種光ビームを固定し基板を移動させてもよく、あるいは、各種光ビームと基板の両方を移動させてもよい。
(3)前記ストリング分割工程は、直列接続方向と直交する方向に延びる任意の薄膜光電変換素子にはその一部のみに第2溝が形成されるよう、前記第2溝形成用光ビームによってストリングを部分的に除去する工程であってもよい。
(4)前記ストリング分割工程において、前記第1溝が幅方向において前記第2溝の内側に配置されるように、前記第2溝形成用光ビームの移動を制御してもよい。
この場合、第1溝を包囲するように溝幅の広い第2溝が形成される。
(5)前記ストリング分割工程において、前記第2溝が幅方向において前記第1溝の内側に配置されるように、前記第2溝形成用光ビームの移動を制御してもよい。
この場合、第1溝内に溝幅の狭い第2溝が形成されるため、従来よりも発電領域を増加させることができるメリットが得られる。
なお、本発明では、第1溝と第2溝のどちらの幅が広くなっていても構わないが、二つの溝は幅方向(直列接続方向と直交する方向)に少なくとも一部が重なり合わなければならない。第1溝と第2溝が幅方向に全く重ならない場合、直交する方向と斜め方向に配置される薄膜光電変換素子同士でリークが生じるおそれがある。
(6)前記第2溝を形成する際、前記第1溝を画像認識するようにしてもよい。つまり、第2溝を形成する際、予め形成されている第1溝をカメラ等で画像認識し、加工位置を把握した後、レーザの加工ノズルを第1溝の上に移動させて加工することにより、2つの溝がずれずに重なって加工することができる。カメラ認識する際は、第1溝の一部分のみを画像認識してもよいし、複数の部分を画像認識してもよい。
(7)第1溝形成用光ビームの径が10〜1000μmであり、第2溝形成用光ビームの径が10〜1000μmであってもよい。
(8)前記任意の薄膜光電変換素子の第2電極層上に集電電極を電気的に接合する工程をさらに含んでもよい。
また、本発明の別の観点によれば、透光性絶縁基板の表面に透光性第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる薄膜光電変換素子が複数互いに電気的に直列接続されたストリングを備え、
前記ストリングは、同一の前記透光性絶縁基板上に、直列接続方向に延びる1本以上のストリング分離溝を挟んで直列接続方向と直交する方向に複数並列して配置され、
前記ストリング分離溝は、第1電極層を除去して形成された第1溝と、光電変換層および第2電極層を除去して形成された第2溝とからなり、
前記第1溝は前記直列接続方向に前記第2溝からはみ出して形成され、かつ前記第1溝のはみ出した部分は前記光電変換層および前記裏面電極で覆われており、
前記ストリングは、隣接する2つの薄膜光電変換素子の間に第2電極層および光電変換層が除去されて形成された素子分離溝を有し、
一の薄膜光電変換素子の第1電極層は、その一端が前記素子分離溝を横切って隣接する他の薄膜光電変換素子の領域まで延びた延出部を有し、かつ隣接する薄膜光電変換素子の第1電極層とは電極分離ラインによって電気的に絶縁され、
一の薄膜光電変換素子の第2電極層の一端は、光電変換層を貫通する直列用導電部を介して隣接する薄膜光電変換素子の第1電極層の前記延出部と電気的に接続している集積型薄膜太陽電池が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の集積型薄膜太陽電池の実施形態を詳しく説明する。なお、「集積型薄膜太陽電池」を「太陽電池」と略称し、「薄膜光電変換素子」を「セル」と称する場合がある。実施形態は本発明の一例であり、本発明は実施形態によって限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は本発明の集積型薄膜太陽電池の実施形態1を示す平面図である。また、図2(A)は図1のI−I線断面図であり、図2(B)は図1の集積型薄膜太陽電池を直列接続方向から見た側面図であり、図2(C)は図1のII−II線断面図である。また、図3(A)は図1のIII−III線断面図であり、図3(B)は図1の集積型薄膜太陽電池のストリング分離溝付近を示す平面図である。また、図4(A)は図3(B)のIV−IV線拡大断面図であり、図4(B)は図3(B)のV−V線拡大断面図である。
この集積型薄膜太陽電池は、四角形の透光性絶縁基板1と、絶縁基板1の表面に透光性第1電極層2、光電変換層3および第2電極層4が順次積層されてなる薄膜光電変換素子5が複数互いに電気的に直列接続されたストリングSと、ストリングSにおける直列接続方向Aの両側の薄膜光電変換素子5a、5bの第2電極層4上にろう材を介して電気的に接合された1本の第1集電電極6および1本の第2集電電極7とを備える。第1および第2集電電極6、7としては、例えば銅線、はんだメッキ銅線等が用いられる。
さらに、この太陽電池は、ストリングSが、同一の絶縁基板1上に、直列接続方向Aに延びる複数(この場合5本)のストリング分離溝8を挟んで直列接続方向Aと直交する方向Bに複数(この場合6個)並列して配置され、かつ複数のストリングSが並列接続されている。なお、図1と図2(A)と図3(A)において、矢印Eはストリングに電流が流れる電流方向を表している。
<ストリング>
図1および図2(A)に示すように、ストリングSは、直列接続方向Aに隣接する2つのセル(薄膜光電変換素子)5の間に第2電極層4および光電変換層3が除去されて形成された素子分離溝9を有している。この素子分離溝9は、一つのセル5の第2電極4および光電変換層3と、隣接する他のセル5の第2電極4および光電変換層3とを電気的に分離するよう、矢印B方向に延びて形成されており、その溝幅(矢印A方向)は30〜80μm程度が好ましい。
このストリングSにおいて、一つのセル5の第1電極層2は、その一端(電流方向Eの下流側端部)が素子分離溝9を横切って隣接する他のセル5の領域まで延びた延出部2aを有し、かつ隣接する第1電極層2とは電極分離ライン10によって電気的に絶縁されている。
また、一つのセル5の第2電極層4の一端(電流方向Eの上流側端部)は、光電変換層3を貫通する直列用導電部4aを介して隣接するセル5の第1電極層2の延出部2aと電気的に接続している。なお、直列用導電部4aは、第2電極層4と同一工程にて同一材料で一体的に形成することができる。
また、複数のストリングSにおいて、第1および第2集電電極6、7が接合されたセル5a、5bは、図1および図2(B)に示すように繋がっている。
この場合、ストリング分離溝8は隣接する2つのストリングSを完全に分割しておらず、矢印A方向両端のセル5a、5bは矢印B方向に長く延びている。そのため、全てのストリングSの両端はそれぞれ共通の第2電極層4を介して第1および第2集電電極6、7と電気的に並列接続されていることになる。
ストリング分離溝8は、第1電極層2を除去して形成された第1溝8aと、光電変換層3および第2電極層4を第1溝8aの幅よりも広い幅で除去して形成された第2溝8bとからなる。このストリング分離溝8によって、各セルの第1電極層2と第2電極層4とが短絡すること防止している。この第1溝8aの溝幅(矢印B方向)としては10〜1000μm程度が好ましく、第2溝8bの溝幅(矢印B方向)としては20〜1500μm程度が好ましい。
また、図3(A)および(B)に示すように、複数のストリングにおいて、直列接続方向A(矢印A方向)と直交する方向B(矢印B方向)に延びる任意のセル、つまり、第1および第2集電電極6、7が接合された2つのセル5a、5bは、ストリング分離溝8によって一部が除去されかつ残部が繋がっていればよい。
具体的には、第1溝8aの直列接続方向Aの両端部8a1、8a2の位置が、直列接続方向Aの両側の第1電極層2、2における直列接続方向Aの端面2e1、2e2の位置と一致している。これによって全てのセル5、5a、5bの第1電極層2は第1溝8aによって完全に絶縁分離される。このように、第1溝8aによって全てのセル5、5a、5bの第1電極層2を絶縁分離できる理由は、第1電極層2上に光電変換層3が積層される前に第1溝8aを形成するためである。これについて詳しくは後述する。
一方、電流方向Eの下流側に配置された第2溝8bの端部8b2は、セル5bの上流側に隣接するセル5の第2電極層4よりも下流側に配置されており、これによってセル5bに隣接する複数(矢印B方向)のセル5の第2電極層4および光電変換層3は第2溝8bによって完全に絶縁分離される。実施形態1では、第2溝8bの端部8b2は、セル5bの素子分離溝9近傍に位置しているため、セル5bの第2電極層4および光電変換層3の一部が除去されていることになる。
また、電流方向Eの上流側に配置された第2溝8bの端部8b1は、セル5aの一部(第2電極層4および光電変換層3)を除去しても除去しなくてもよく、実施形態1では除去しておらず、セル5aに隣接する素子分離溝9の領域内に位置している。つまり、第2溝8bの端部8b1は、セル5aの下流側に隣接するセル5の領域からセル5a側へ所定寸法入り込んだ位置Pb1までの範囲内に配置されればよい。
なお、図3(B)において、符号Pb1は上流側セル5aにおいて第2溝8bの上流側端部8b1の形成が許される位置を表し、符号Pb2は下流側セル5bにおいて第2溝8bの下流側端部8b2の形成が許される位置を表している。
このようにして第1溝8aおよび第2溝8bを形成することにより、上流側のセル5aと下流側のセル5との間の各ストリングSは相互に絶縁分離されているため、複数のストリングSのうちの1つのストリングSのセル5がリークしていても、他のストリングSのセル5は影響を受けることがない。
このように本発明では、全てのセル5、5a、5bの第1電極層2を完全に分離するように第1溝8aを形成することができると共に、第2溝8bは上流側セル5aと下流側セル5bの形成許容範囲内で形成すればよい。そのため、第1溝形成用の光ビームの高精度なON/OFF制御は全く必要なく、第2溝形成用の光ビームはある程度の精度で移動制御すればよいため、簡易な方法でストリング分離溝を形成して、ストリングが複数並列接続された集積型薄膜太陽電池を得ることができる。なお、第2溝形成用の光ビームの矢印A方向の移動制御およびON/OFF制御について、詳しくは後述する。
例えば、直列接続方向Aにおいて、上流側のセル5aの長さが5〜15mm、下流側のセル5bの長さが3〜5mm、その他のセル5の長さが5〜15mm、第1および第2集電電極6、7の太さが1〜2mm、素子分離溝9の溝幅が30〜80μmである場合、第2溝8bの下流側端部8b2の形成許容範囲Lbとしては0〜2mm程度とすることができる。なお、第2溝8bの下流側端部8b2の形成許容位置Pb2は第2集電電極7の接合箇所に十分届かない位置である。
このストリングSにおいて、第2集電電極7側のセル5bは、直列接続方向Aの幅が狭く形成されているため実質的に発電に寄与しておらず、そのため、このセル5bの第2電極4は、隣接するセル5の第1電極2の引き出し電極として用いられている。
また、複数のストリングSは、透光性絶縁基板1の外周端面(四辺の端面)よりも内側に形成されている。つまり、絶縁基板1の表面の外周領域は、第1電極層2、光電変換層3および第2電極層4が形成されていない非導電性表面領域12とされており、その幅は太陽電池の出力電圧に応じた寸法範囲に設定されている。
〔透光性絶縁基板および第1電極層〕
透光性絶縁基板1としては、以降の膜形成プロセスにおける耐熱性および透光性を有するガラス基板、ポリイミド等の樹脂基板等が使用可能である。
また、第1電極層2は、透明導電膜からなり、好ましくは、ZnOまたはSnO2を含む材料からなる透明導電膜からなる。SnO2を含む材料は、SnO2自体であってもよく、SnO2と別の酸化物の混合物(例えば、SnO2とIn23の混合物であるITO)であってもよい。
〔光電変換層〕
光電変換層3を構成する各半導体層の材料は、特に限定されず、例えば、シリコン系半導体、CIS(CuInSe2)化合物半導体、CIGS(Cu(In,Ga)Se2)化合物半導体等からなる。以下、各半導体層がシリコン系半導体からなる場合を例にとって説明を進める。「シリコン系半導体」とは、非晶質又は微結晶シリコン、又は非晶質又は微結晶シリコンに炭素やゲルマニウム又はその他の不純物が添加された半導体(シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウム等)を意味する。また、「微結晶シリコン」とは、結晶粒径が小さい(数十から千Å程度)結晶シリコンと、非晶質シリコンとの混合相の状態のシリコンを意味する。微結晶シリコンは、例えば、結晶シリコン薄膜をプラズマCVD法などの非平衡プロセスを用いて低温で作製した場合に形成される。
光電変換層3は、第1電極2側から順にp型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層が積層されてなる。なお、i型半導体層を省略してもよい。
p型半導体層には、ボロン、アルミニウム等のp型不純物原子がドープされており、n型半導体層にはリン等のn型不純物原子がドープされている。i型半導体層は、完全にノンドープである半導体層であってもよく、微量の不純物を含む弱p型または弱n型で光電変換機能を十分に備えている半導体層であってもよい。なお、本明細書において、「非晶質層」及び「微結晶層」は、それぞれ、非晶質および微結晶の半導体層を意味する。
また、光電変換層3は、pin構造が複数重ねられたタンデム型でもよく、例えば、第1電極2上にa-Si:Hp層、a-Si:Hi層、a-Si:Hn層をこの順に積層した上部半導体層と、上部半導体層上にμc-Si:Hp層、μc-Si:Hi層、μc-Si:Hn層をこの順に積層した下部半導体層とから構成されてもよい。また、pin構造を上部半導体層、中部半導体層および下部半導体層からなる3層構造の光電変換層3としてもよく、例えば、上部および中部半導体層にアモルファスシリコン(a-Si)、下部半導体層に微結晶シリコン(μc-Si)を用いた3層構造でも構わない。光電変換層3の材料および積層構造の組み合わせは、特に限定されるものではない。なお、本願の実施形態および実施例においては、薄膜太陽電池の光入射側に位置する半導体層を上部半導体層とし、光入射側と反対側に位置する半導体層を下部半導体層とし、図2(A)〜(C)中の光電変換層3内に記された直線は上部半導体層と下部半導体層との境界を表している。
〔第2電極層〕
第2電極層4の構成や材料は、特に限定されないが、一例では、第2電極4は、透明導電膜と金属膜とが光電変換層上に積層した積層構造を有する。透明導電膜は、ZnO、ITO、SnO2などからなる。金属膜は、銀、アルミニウム等の金属からなる。なお、第2電極層4はAg、Al等の金属膜のみでも良いが、ZnO、ITO、SnO2等の透明導電膜を光電変換層3側に配置した方が、光電変換層3で吸収されなかった光を裏面電極層4で反射する反射率が向上し、高い変換効率の薄膜太陽電池を得ることができる点で好ましい。
〔その他の構成〕
図示しないが、この太陽電池において、透光性絶縁基板1上にはストリングSおよび非導電性表面領域8を完全に覆うように裏面封止材が接着層を介して積層されている。接着層としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる封止樹脂シートを用いることができる。裏面封止材としては、例えば、PET/アルミニウム/PETの積層フィルムを用いることができる。なお、接着層および裏面封止材には、各集電電極と接続される取り出し線13の先端を外部へ導出するための小孔が予め形成されている。
また、裏面封止材上には、各取り出し線13と電気的に接続される出力線および端子を有する端子ボックスが取り付けられる。
また、裏面封止材および接着層にて封止された太陽電池の外周部にはフレーム(例えば、アルミニウム製)が取り付けられる。
<集積型薄膜太陽電池の製造方法について>
この集積型薄膜太陽電池は、透光性絶縁基板1の表面に第1電極層2、光電変換層3および第2電極層4が順次積層されてなる薄膜光電変換素子が複数個互いに電気的に直列接続されたストリング(分割前のストリング)を形成するストリング形成工程と、ストリングにおける薄膜光電変換素子部分を光ビームによって除去して直列接続方向に延びるストリング分離溝8を1本以上形成して、ストリングを複数に分割するストリング分割工程とを含む製造方法により製造することができる。
以下、図1〜4を参照しながら集積型薄膜太陽電池の製造方法について詳しく説明する。
〔ストリング形成工程〕
ストリング形成工程は、透光性絶縁基板1の表面に第1電極層、光電変換層および第2電極層を順次積層して積層膜を形成する成膜工程と、積層膜における第2電極層および光電変換層を除去して直列接続方向と直交する方向(矢印B方向)に延びる素子分離溝9を複数本形成することにより複数の薄膜光電変換素子を形成する工程とを有する。
成膜工程では、まず、透光性絶縁基板1の表面全面に、CVD、スパッタ、蒸着等の方法により膜厚600〜1000nmの透明導電膜を形成する。次いで、透明導電膜を部分的に光ビームによって除去して矢印B方向に延びる電極分離ライン10を複数本平行に形成する。これにより、透明導電膜をストライプ状にパターニングする。この際、光ビームとしてYAGレーザの基本波(波長:1064nm)を照射することにより、透明導電膜は所定幅で短冊状に分離され、電極分離ライン10が所定間隔で形成される。なお、光ビームは、透光性絶縁基板1側から照射してもよく、あるいは透明導電膜側から照射してもよい。
ストライプ状の透明導電膜上には光電変換膜が積層されるが、その前に、ストリング分割工程における第1ステップが行われ、透明導電膜に矢印A方向に延びる第1溝8aを複数本平行に形成する。この場合も、光ビームとしてYAGレーザの基本波を透光性絶縁基板1側からあるいは透明導電膜側から照射することにより第1溝8aを形成することができる。このとき、全ての透明導電膜を第1溝8aにより完全に分割することができるため、光ビームを矢印A方向に移動させながら照射する際、透明導電膜の所定位置で光ビームのON/OFFを高精度に制御する必要がない。なお、電極分離ライン10の形成と第1溝8aの形成は連続的に行われればよいため、第1溝8aを形成した後に電極分離ライン10を形成してもよい。
この後、得られた基板を純水で超音波洗浄し、その後、p-CVDにより電極分離ライン10および第1溝8aを完全に埋め込むように光電変換膜を第1電極層2上に形成する。なお、前記超音波洗浄の代わりに、ドライエア洗浄あるいは高圧水洗浄等を行ってもよい。
例えば、第1電極2上にa-Si:Hp層、a-Si:Hi層(膜厚150nmから300nm程度)、a-Si:Hn層をこの順に積層して上部半導体層を形成し、上部半導体層上にμc-Si:Hp層、μc-Si:Hi層(膜厚1.5μmから3μm程度)、μc-Si:Hn層をこの順に積層して下部半導体層を形成する。
その後、タンデム構造の光電変換膜を部分的に光ビームによって除去して、直列用導電部4a、短絡用第1導電部11aおよび短絡用第2導電部11bを形成するための、コンタクトラインを形成することにより所定パターンの光電変換層3を形成する。この際、YAGレーザの第二高調波(波長:532nm)を透光性絶縁基板1側から照射することにより、光電変換膜は所定幅で短冊状に分離される。なお、レーザとしてYAGレーザの第二高調波の代りにYVO4レーザの第二高調波(波長:532nm)を用いても構わない。
次に、CVD、スパッタ、蒸着等の方法によりコンタクトラインを完全に埋め込むように導電膜を光電変換層3上に形成し、導電膜および光電変換層3を部分的に光ビームによって除去して素子分離溝9を形成することにより所定パターンの第2電極層4を形成する。これにより、透光性絶縁基板1上に複数のセル5が直列用導電部4aにて直列接続したストリングが形成される。この時点では、ストリングは未だ複数に分割されていないため、1つのセルは矢印B方向に長く延びている。
この工程では、導電膜を透明導電膜(ZnO、ITO、SnO2等)と金属膜(Ag、Al等)の2層構造にすることができる。透明導電膜の膜厚としては10〜100nm、金属膜の膜厚としては100〜500nmとすることができる。
また、第2電極層4のパターニングでは、光ビームによる第1電極層2へのダメージを避けるため、第1導電層2に対する透過性が高いYAGレーザの第二高調波またはYVO4レーザの第二高調波を透光性絶縁基板1側から照射することにより、導電膜は所定幅で短冊状に分離され、素子分離溝9が形成される。この際、第1電極層2へのダメージを最小限に抑え、かつ、第2電極層4の加工後の銀電極のバリ発生を抑制する加工条件を選択することが好ましい。
〔ストリング分割工程の第2ステップ〕
ストリング分割工程の第2ステップでは、直列接続方向Aと直交する方向Bに延びる任意の薄膜光電変換素子にはその一部のみに第2溝8bが形成されるよう、光ビームによってストリングを部分的に除去する。このとき、光電変換層3および第2電極層4を除去可能な第2溝形成用光ビームを透光性絶縁基板1側から照射しながら直列接続方向Aに移動させて第2溝8bを形成する。この場合、第2溝形成用光ビームとしては第1導電層2に対する透過性が高いYAGレーザの第二高調波またはYVO4レーザの第二高調波を用いることができ、そのビーム径は10〜1000μm程度とすることができる。
具体的に、実施形態1では、上流側セル5aと下流側セル5bとの間の全てのセル5および下流側のセル5bの一部のみに第2溝8bが形成されるよう、光ビームによって第1溝8a内およびその周辺の光電変換層3および第2電極層4を除去することにより、セル5a、5bによって並列接続された複数のストリングSを形成する。
このようにして形成されたストリング分離溝8において、上流側セル5aと下流側セル5bとの間部分は、図4(B)に示すように、幅の狭い第1溝8a上に幅の広い第2溝8bが形成された断面形状になっている。なお、第2溝8bから直列接続方向にはみ出した第1溝8a内には、図4(A)に示すように、光電変換層3が埋め込まれており、この第1溝8aのみではストリング分割溝8として機能しない。
第2溝8bを形成する際、図3に示すように、電流方向Eの上流側に形成される第2溝8bの端部8b1が、任意のセルである上流側のセル5aの下流側に隣接するセル5の領域からセル5a側へ所定寸法だけ入り込んだ位置Pb1までの範囲内に配置されるように、第2溝形成用光ビームの移動を制御する。また、第2溝8bの下流側の端部8b2が、別の任意のセルである下流側のセル5bの上流側に隣接するセル5の第2電極層4よりも下流側に配置されるように、第2溝形成用光ビームの移動を制御する。実施形態1では、第2溝8bの端部8b1は素子分離溝9の領域内に配置され、第2溝8bの端部8b2はセル5bの素子分離溝9の近傍位置に配置されている。
この際、第2溝形成用光ビームの移動方向は、上流側から下流側に向かう方向でも、下流側から上流側に向かう方向でも、どちらでもよい。つまり、第2溝8bの上流側の端部8b1と下流側の端部8b2が上述の範囲内に配置されるように第2溝8bを形成しさえすれば、第2溝形成用光ビームのONとOFFを第2溝8bの端部の上流側とするか下流側とするかは、任意に選択することができる。
例えば、セル5b側の範囲Lb内にビーム照射手段によって第2溝形成用光ビームを照射開始(ON)し、光ビームを照射しながらビーム照射手段を移動機構によってセル5a側へ直列接続方向Aに移動させていき、光ビームがセル5a側の素子分離溝9付近(位置Pb1よりも下流側)まで移動したところで移動機構を停止させ、その直後または移動停止と同時に光ビーム照射を停止(OFF)させる。これにより、分割前のストリングに第2溝8bが形成される。
なお、第2溝形成用光ビームの径が、形成しようとする第2溝8bの溝幅よりも小さい場合は、ビーム照射手段を直列接続方向Aに複数回移動させて所望の溝幅の第2溝8bを形成する。また、このような第2溝8bの形成は、形成しようとするストリング分離溝8の本数分だけ矢印B方向に所定間隔で行われる。
このとき、第2溝形成用光ビームを移動させる移動機構は、第1溝形成用光ビームを移動させる移動機構と同様の機構を採用することができ、同一の移動機構を兼用してもよい。したがって、移動機構による光ビームの位置制御の精度にある程度の誤差が含まれるのであれば、その誤差を考慮して、第2溝8bの端部8b1、8b2が前記範囲内で形成されるように、光ビームの矢印A方向の移動のスタート位置とストップ位置を制御する。
なお、第2溝8bの上述の形成動作を逆にしてもよいが、第2溝8bの下流側の端部8b2の位置は上流側の端部8b1の位置よりも重要であるため、下流側端部8b2を形成する位置にビーム照射手段を位置決めした後、第2溝形成用光ビームを照射開始(ON)して上流側へ移動させる方法が好ましい。また、第2溝8bの形成に際して、光ビームを移動させる以外にも、光ビームの位置を固定し、基板を移動および停止させてもよく、あるいは光ビームと基板の両方を移動および停止させてもよい。
従来では、光ビーム照射のON/OFF制御のみでストリング分離溝の両端の位置制御を行っていたため、光ビームがストリングのどの位置を照射しているかを正確に知る必要があり、光ビームまたはビーム照射手段の位置検出を高精度に行う必要があった。
これに対し、本発明では、光ビーム照射のON/OFF制御でストリング分離溝8の第2溝8bの両端の位置制御を行うのではなく、上述のように、移動機構の位置精度誤差を考慮した上で、光ビームの直列接続方向Aの移動を制御して、第2溝8bの両端の位置制御をしている。光ビームの照射開始位置と停止位置は、上述の範囲内であればよいため、光ビームまたはビーム照射手段の位置検出を高精度に行う必要はない。それに加え、ビーム照射手段を急停止させるように移動機構を特別精密に構成する必要もないため、移動機構を簡素な構造で低コストにて作製することができる。
〔その他の工程〕
このストリング分割工程の後または前に、透光性絶縁基板1の外周端面から内側へ所定幅で、透光性絶縁基板1の表面の外周部に形成されている薄膜光電変換素子部分である第1電極層2、光電変換層3および第2電極層4を、例えばYAGレーザの基本波を用いて除去して非導電性表面領域12を全周に形成する。これによって、非導電性表面領域12に囲まれた複数列のストリングSが形成される。
次に、各ストリングSの直列接続方向Aの両端の第2電極層4上にろう材(例えば、銀ペースト)を塗布し、第1および第2集電電極6、7を加圧接着して電気的に接続して、電流の取り出し部を作製する。
次に、太陽電池の裏面側(非受光面側)に接着層の材料として透明なEVAシートおよび裏面封止材を重ね、真空ラミネート装置を用いて接着層を介して裏面封止材を太陽電池に接着して封止する。この時、裏面封止材として、PET/Al/PETの積層フィルムを用いることが好ましい。
その後、前記取り出し線13を端子ボックスの出力線と電気的に接続し、端子ボックスを裏面封止材に接着し、シリコーン樹脂で端子ボックス内を充填する。そして、薄膜太陽電池の外周部にアルミフレームを取り付けて製品化を完了させる。
(実施形態2)
図5(A)は実施形態2の集積型薄膜太陽電池のストリング分割溝付近の直列接続方向の部分的な断面図であり、図5(B)は実施形態2の集積型薄膜太陽電池のストリング分離溝付近の部分的な平面図である。
実施形態2が実施形態1と異なる点は、ストリング分離溝8の第2溝8bの上流側端部8b1が上流側セル5aの領域に配置された点である。実施形態2におけるこれら以外の構成は、実施形態1と同様である。
このようにしても、実施形態1と同様に、ストリング分離溝8を形成する光ビームの高精度なON/OFF制御を行わずに、簡易な移動機構による光ビームの移動制御によってストリング分離溝8を形成することができる。
(実施形態3)
図6は本発明の集積型薄膜太陽電池の実施形態3示す平面図である。なお、図6中の構成要素において、図1〜図3中の構成要素と同様のものには同一の符号を付している。
実施形態3の太陽電池は、ストリングSが、同一の透光性絶縁基板1上に、直列接続方向に延びる1本以上のストリング分離溝を挟んで直列接続方向Aと直交する方向Bに複数並列して配置され、少なくとも1本のストリング分離溝によって複数のストリングSがグループ毎に完全に分離され、分離されたストリングSの各グループが第1集電電極16および第2集電電極17によって並列接続され、並列接続された複数のストリングSのグループが直列接続されている。
詳しく説明すると、実施形態3の場合、同一の絶縁基板1上に6つのストリングSが形成され、そのうちの隣接する3つのストリングSの第1グループと隣接する他の3つのストリングSの第2グループが、1本のストリング分離溝18Aによって完全に分離されている。すなわち、ストリング分離溝18Aは、一端から他端まで第1溝8aと第2溝8bが重なった断面形状をしている(図4(B)参照)。
また、各グループにおけるストリング分離溝18Bは隣接する2つのストリングSを完全には分離しておらず、各グループの3つのストリングSにおける直列接続方向Aの両側のセル5a、5bは一体化しており、それらの上に個別に第1および第2集電電極6、7が接合されている。したがって、各グループの3つのストリングSは電気的に並列接続されているが、第1グループと第2グループは電気的に並列接続されていない。すなわち、ストリング分離溝18Bの一端および他端は、第1溝8a内に光電変換層3が埋め込まれた断面形状をしている(図4(A)参照)。
このように構成された太陽電池は、取り出し線13aによって第1グループの第1集電電極6と第2グループの第2集電電極7とが直接または端子ボックスに設けられた接続線と接続されることにより電気的に直列され、残りの第1および第2集電電極6、7は取り出し線13を介して端子ボックスの出力線と電気的に接続される。
この実施形態3によれば、第1グループおよび第2グループで発生した電流はそれぞれ電流方向Eへ流れ、かつ第1グループと第2グループは直列接続されているため、1つの太陽電池で高電圧の電流を出力することができる構成とするのに有効である。
なお、実施形態3において、その他の構成および効果は実施形態1と同様である。
(実施形態4)
図7は本発明の集積型薄膜太陽電池の実施形態4を示す平面図であり、図8(A)は実施形態4の集積型薄膜太陽電池のストリング分割溝付近の直列接続方向の部分的な断面図であり、図8(b)は実施形態4の集積型薄膜太陽電池のストリング分離溝付近の部分的な平面図である。なお、図7および図8中の構成要素において、図1〜図3中の構成要素と同様のものには同一の符号を付している。
実施形態4が実施形態1と異なる点は、太陽電池が、第1集電電極6および第2集電電極7が接合された2つのセル5a、5bの間の1つ以上のセル5cの第2電極層4上に接合された中間集電電極14を備えた点、および中間集電電極14が形成されたセル5cはストリング分離溝18によって一部が除去されかつ残部が繋がって並列接続されている点であり、その他の構成は実施形態1と同様である。
具体的に説明すると、この太陽電池は、同一の透光性絶縁基板1上に複数個のストリングSがストリング分離溝18を挟んで並列され、かつ第1および第2集電電極6、7が直列接続方向A(電流方向E)の上流側および下流側の各ストリングSのセル5a、5b上に接合されて、各ストリングSを並列接続している。
さらに、各ストリングSの直列接続方向Aのほぼ中間位置のセル5c(以下、中間セル5cと称する)は、各ストリング分離溝18によって分割されず矢印B方向に延びており、中間セル5c上に1本の中間集電電極14がろう材を介して接合されている。なお、この各ストリング分離溝18は、実施形態1と同様の、第1溝18aと、第1溝18aよりも溝幅の広い第2溝18bとからなり、第1溝18aは上流側および下流側のセル5a、5bだけでなく中間位置のセル5cの下も通っている。
なお、図8(B)において、Pb1は上流側セル5aにおいて第2溝18bの上流側端部18b1の形成が許される位置、Pb2は中間セル5cにおいて第2溝18bの下流側端部18b2の形成が許される位置、Pb3は中間セル5cにおいて第2溝18bの上流側端部18b3の形成が許される位置、Pb4は下流側セル5bにおいて第2溝18bの下流側端部18b4の形成が許される位置を表している。
実施形態4の場合、上流側セル5aと下流側セル5bに対する第1溝18aの端部および第2溝18bの端部の形成位置は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
中間セル5cに対する第2溝18bの端部の形成位置は、実施形態1の上流側セル5aと下流側セル5bに準じて形成される。
中間セル5cよりも上流側のストリング分離溝18において、第2溝18bの下流側端部18b2は、中間セル5cの上流側に隣接するセル5の第2電極層4よりも下流側であって中間セル5cにおける位置Pb2までの範囲Lb2内に形成される。
このような中間セル5cに対する第2溝18bの下流側端部18b2の形成位置は、実施形態1の下流側セル5bに対する第2溝8bの下流側端部8b2の形成位置と同様である(図3(A)、(B)参照)。
一方、中間セル5cよりも下流側のストリング分離溝18において、第2溝18bの上流側端部18b3は、中間セル5cの下流側に隣接するセル5の領域(中間セル5cにおける位置Pb3までの範囲内)に形成される。
このような中間セル5cに対する第2溝18bの上流側端部18b3の形成位置は、実施形態1の上流側セル5aに対する第2溝8bの上流側端部8b1の形成位置と同様である(図3(A)、(B)参照)。
したがって、直列接続方向Aに並ぶ2本のストリング分離溝18のうちの上流側のストリング分離溝18は、上流側セル5aと中間セル5cの間の矢印B方向に隣接する複数のセル5の第1電極層2、光電変換層3および第2電極層4を完全に分離している。また、下流側のストリング分離溝18は、下流側セル5bと中間セル5cの間の矢印B方向に隣接する複数のセル5の第1電極層2、光電変換層3および第2電極層4を完全に分離している。
このようにしても、実施形態1と同様に、ストリング分離溝18を形成する光ビームの高精度なON/OFF制御を行わずに、簡易な移動機構による光ビームの移動制御によってストリング分離溝18を形成することができる。
このように構成された実施形態4の太陽電池は、実施形態1に準じてストリング分離溝18を矢印A方向に2本形成し、同様の工程を矢印B方向に所定間隔で複数回行うことにより、図7に示すように、第1集電電極6、中間集電電極14および第2集電電極7によって複数のストリングSが並列接続された太陽電池を製造することができる。
その後、並列接続された複数のストリングSに、端子ボックスT内に設けられたバイパスダイオードDが取り出し線13を介して並列接続され、それらのバイパスダイオードDが複数直列接続される。このような接続により、ホットスポット耐性を維持しながら高電圧出力の集積型薄膜太陽電池を得ることができる。
なお、実施形態4において、上述のような構成および製造方法以外は、実施形態1と同様である。
(実施形態5)
図9(A)は実施形態5の集積型薄膜太陽電池のストリング分割溝付近の直列接続方向の部分的な断面図であり、図9(B)は実施形態6の集積型薄膜太陽電池のストリング分離溝付近の部分的な平面図である。
実施形態5が実施形態4と異なる点は、各ストリング分離溝18の第2溝18bの上流側端部18b1、18b3が上流側セル5aおよび中間セル5cの領域に配置された点である。実施形態5におけるこれら以外の構成は、実施形態4と同様である。
このようにしても、実施形態1と同様に、ストリング分離溝18を形成する光ビームの高精度なON/OFF制御を行わずに、簡易な移動機構による光ビームの移動制御によってストリング分離溝18を形成することができる。
(実施形態6)
図10は実施形態6の集積型薄膜太陽電池のストリング分割溝の断面図であって、図10(A)は図4(A)対応図であり、図10(B)は図4(B)対応図である。
実施形態1〜5では、幅の狭い第1溝上に幅の広い第2溝が形成されてなるストリング分割溝を例示したが、実施形態6のように、第2溝108bが幅方向において第1溝108aの内側に配置されてなるストリング分割溝108を採用してもよい。つまり、幅の広い第1溝108a内に幅の狭い第2溝108bを形成してもよい。
このようにすれば、各セル105の光電変換層3の面積(すなわち、発電領域)が増加するため、光電変換効率を高めることができるメリットが得られる。
(他の実施形態)
1.図4(B)および図11(B)で示したストリング分割溝において、第1溝と第2溝の幅方向の中心位置は多少ずれてもよい。例えば、図4(B)の場合、第2溝8bの側面が第1溝8a内に配置されても問題はなく、図11(B)の場合、第1溝108aの側面が第2溝108b内に配置されても問題はない。
2.ストリングの数、集電電極の取り付け位置および数等は、上述の実施形態に限定されず、例えば、中間集電電極を残し、直列接続方向両端の第1および第2集電電極を第1電極層(p側電極、n側電極)に接続してもよい。
また、ストリングの直列接続方向の複数箇所に中間集電電極を設けてもよい。
また、集電電極は全く省略されてもよい。
また、同一の透光性絶縁基板のストリング形成領域を4区画とし、各区画にストリングのグループを形成し、複数のグループを所望の形態に接続してもよい。
1 透光性絶縁基板
2、2b 透光性第1電極層
2a 延出部
3 光電変換層
4 第2電極層
4a 直列用導電部
5、5a、5b、5c 薄膜光電変換素子(セル)
6 第1集電電極
7 第2集電電極
8、18 ストリング分離溝
8a、18a、108a 第1溝
8a1、8a2、18a1、18a2 第1溝の端部
8b、18b、108b 第2溝
8b1、8b2、18b1、18b2、18b3、18b4 第2溝の端部
9 素子分離溝
10 電極分離ライン
14 中間集電電極
A 直列接続方向
B 直列接続方向と直交する方向
E 電流方向
D バイパスダイオード
Lb、Lb2、Lb4 範囲
S ストリング

Claims (17)

  1. 透光性絶縁基板の表面に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる薄膜光電変換素子が複数個互いに電気的に直列接続されたストリングを形成するストリング形成工程と、
    前記ストリングにおける複数の薄膜光電変換素子を部分的に光ビームによって除去して直列接続方向に延びるストリング分離溝を1本以上形成して、ストリングを複数に分割するストリング分割工程とを含み、
    前記ストリング分離溝は、第1電極層を除去して形成された第1溝と、光電変換層および第2電極層を除去して形成された第2溝とからなり、
    前記第1溝は、前記第1電極層上に前記光電変換層を積層する前に形成されることを特徴とする集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 前記ストリング形成工程が、透光性絶縁基板上に前記第1電極層を積層する工程と、前記第1電極層を部分的に除去して前記直列接続方向と直交する方向に延びる第1素子分離溝を複数本形成する工程と、前記第1電極層上および前記第1素子分離溝内に前記光電変換層を積層する工程と、前記光電変換層を部分的に除去して前記直列接続方向と直交する方向に延びる素子接続用溝を複数本形成する工程と、前記光電変換層上および前記素子接続用溝内に前記第2電極層を積層する工程と、前記第2電極層および前記光電変換層を部分的に除去して前記直列接続方向と直交する方向に延びる第2素子分離溝を複数本形成する工程とを有し、
    前記第1溝と前記第1素子分離溝とは連続的に形成される請求項1に記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 前記第1溝が、前記第1電極層を除去可能な第1溝形成用光ビームを前記第1電極層側から照射し、かつ前記第1溝形成用光ビームと前記透光性絶縁基板のうち少なくとも一方を直列接続方向に移動させることにより形成され、
    前記第2溝が、前記光電変換層および前記第2電極層を除去可能な第2溝形成用光ビームを透光性絶縁基板側から照射し、かつ前記第2溝形成用光ビームと前記透光性絶縁基板のうち少なくとも一方を直列接続方向に移動させることにより形成される請求項1または2に記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  4. 前記ストリング分割工程は、直列接続方向と直交する方向に延びる任意の薄膜光電変換素子にはその一部のみに第2溝が形成されるよう、前記第2溝形成用光ビームによってストリングを部分的に除去する工程である請求項1〜3のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 前記ストリング分割工程において、前記第1溝が幅方向において前記第2溝の内側に配置されるように、前記第2溝形成用光ビームの移動を制御する請求項3または4に記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  6. 前記ストリング分割工程において、前記第2溝が幅方向において前記第1溝の内側に配置されるように、前記第2溝形成用光ビームの移動を制御する請求項3〜5のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  7. 前記第1溝によって前記第1電極層を完全に分割する請求項1〜6のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  8. 前記第2溝を形成する際、前記第1溝を画像認識する請求項1〜7のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  9. 第1溝形成用光ビームの径が10〜1000μmであり、第2溝形成用光ビームの径が10〜1000μmである請求項1〜8のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  10. 前記任意の薄膜光電変換素子の第2電極層上に集電電極を電気的に接合する工程をさらに含む請求項1〜9のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  11. 透光性絶縁基板の表面に透光性第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる薄膜光電変換素子が複数互いに電気的に直列接続されたストリングを備え、
    前記ストリングは、同一の前記透光性絶縁基板上に、直列接続方向に延びる1本以上のストリング分離溝を挟んで直列接続方向と直交する方向に複数並列して配置され、
    前記ストリング分離溝は、第1電極層を除去して形成された第1溝と、光電変換層および第2電極層を除去して形成された第2溝とからなり、
    前記第1溝は前記直列接続方向に前記第2溝からはみ出して形成され、かつ前記第1溝のはみ出した部分は前記光電変換層および前記裏面電極で覆われており、
    前記ストリングは、隣接する2つの薄膜光電変換素子の間に第2電極層および光電変換層が除去されて形成された素子分離溝を有し、
    一の薄膜光電変換素子の第1電極層は、その一端が前記素子分離溝を横切って隣接する他の薄膜光電変換素子の領域まで延びた延出部を有し、かつ隣接する薄膜光電変換素子の第1電極層とは電極分離ラインによって電気的に絶縁され、
    一の薄膜光電変換素子の第2電極層の一端は、光電変換層を貫通する直列用導電部を介して隣接する薄膜光電変換素子の第1電極層の前記延出部と電気的に接続していることを特徴とする集積型薄膜太陽電池。
  12. 複数のストリングにおいて、直列接続方向と直交する方向に隣接する任意の薄膜光電変換素子は、前記ストリング分離溝によって一部が除去されかつ残部が繋がって並列接続されている請求項11に記載の集積型薄膜太陽電池。
  13. 前記第1溝が幅方向において前記第2溝の内側に配置されている請求項11または12に記載の集積型薄膜太陽電池。
  14. 前記第2溝が幅方向において前記第1溝の内側に配置されている請求項11または12に記載の集積型薄膜太陽電池。
  15. 前記第1溝の前記直列接続方向の両端部の位置が、前記直列接続方向両側の前記第1電極層における前記直列接続方向の端面の位置と一致している請求項11〜14のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池。
  16. 前記第1溝の溝幅が10〜1500μmであり、前記第2溝の溝幅が10〜1500μmである請求項11〜15のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池。
  17. 任意の薄膜光電変換素子の第2電極層上にさらに集電電極が電気的に接合された請求項11〜16のいずれか1つに記載の集積型薄膜太陽電池。
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